ちいさなあくまと、わたしだけの
おおきなせかい。
。
トリップミスった←
わたし以外、書き込み禁止でお願いします。
、
「結婚、してください」
きっと、これからが私たちのはじまり。
。
「ちょ、待てって!」
「お前のために待つもんか!」
「ちょ、待てって!」
薄い茜色に染まった夕焼け空。
その夕焼け空は、俺の父がワインを水で割ったときような色をしていた。
俺はその色の綺麗さに見惚れ、何もかも忘れてその場に立ち止まった。
そして、今着ている制服のジャケットの裏ポケットに入れ、ずっと持ち歩いていたスマホを取り出すと、人の声、ましてや足音すらもしないほど静かな狭い道で。
俺は、夕焼け空を画面いっぱいに詰め込んで。
優雅に空を泳いでいる鳥を画面に入れると、ここぞとばかりにシャッターを切った。
「お前のために待つもんか! って……、ん?」
シャッター音に気づいたのか、目の前の友人が俺の元へ駆け寄ってきた。
そしてその声によって、俺はふと我に返り、少し寂しさを感じながらも、カチという音をたててスマホの画面をロックした。
「
「ちょ、待てって!」
薄い茜色に染まった夕焼け空。
その夕焼け空は、俺の父がワインを水で割ったときような色をしていた。
俺はその色の綺麗さに見惚れ、何もかも忘れてその場に立ち止まった。
そして、今着ている制服のジャケットの裏ポケットに入れ、ずっと持ち歩いていたスマホを取り出すと、人の声、ましてや足音すらもしないほど静かな狭い道で。
俺は、夕焼け空を画面いっぱいに詰め込んで。
優雅に空を泳いでいる鳥を画面に入れると、ここぞとばかりにシャッターを切った。
「お前のために待つもんか! って……、ん?」
シャッター音に気づいたのか、目の前の友人が俺の元へ駆け寄ってきた。
そしてその声によって、俺は我に返ることができた。
だが、それに少し寂しさを感じながらも、カチという音をたててスマホの画面をロックした。
「はあ、お前女かよ」
「男だよ」
彼は、クスッと小さく笑ったかと思うと、「天然かっ!」と声を大にして、突然俺の胸板を強く叩いてきたのだ。
俺はその意味もわからずに、ただただ呆然と彼を見つめるのみ。
その後、吐き捨てるように「お前らしいや」と言った彼の声が、かすかに聞こえた。
きっと、彼は俺に聞こえないように呟いたのだろう。と、自己解釈を済ませると、俺は気づかないフリを貫くことを決めた。
別に、何かが変わる訳でもなんでもないが。
「ん、また明日」
「おう。また明日」
目の前の“別れ”道を、それぞれ違う方向に歩んでいく俺たち。
ひとりぼっちになった途端に、虚しさがこみあげてきたような、そんな気がした。
“おう。また明日”
だなんて言ったけれど、俺が明日彼奴に会うまでに生きているかどうかなんて。
そんなこと、本人の俺にすらわからない。
またはその逆で、彼奴が俺に会うまでに生き――――
俺は昔からいつも、「現実的過ぎるやつ」というレッテルを貼られてきた。
まあ、自分でも自覚はしていたが、直そうとはしたことが一度もないが。
「……っ」
“おう。また明日”
だなんて言ったけれど、俺が明日彼奴に会うまでに生きているかどうかなんて。
そんなこと、本人の俺にすらわからない。
またはその逆で、彼奴が俺に会うまでに生き――――
俺は昔からいつも、「現実的過ぎるやつ」というレッテルを貼られてきた。
まあ、自分でも自覚はしていたが、直そうとはしたことが一度もないが。
「きゃ!」
「うわ!」
ぶつかった瞬間に、奇跡的にハーモニーを生み出した後、俺はアスファルトの上に尻を強く打ち付けた。
ぼんやりしていた俺は、どこかの少女漫画のように、曲がり角で誰かと勢い良くぶつかってしまった。
視界は、ぼかしがかかっているかのように、モヤモヤしていて。その人の顔をちゃんと見ることができない状態にいた。
「済みません」という若い女性の声だけが、頭上で小さく聞こえたものの。
その後に聞こえたものは、その人の足音だった。
そしてその足音は、どんどん遠ざかってゆく。
“ああ、もう行ってしまったんだ”
そのことにやっと気づいた俺は、視界がハッキリした後もアスファルトの上に座っていた。
いや。立つことができないでいた。
偶然、そんな俺を見つけた俺のじいちゃんが俺の元に来て、しわくちゃな右手を俺に差し出してくれ。
その手に、俺の冷たくなったてを重ね合わせ、強く握り締めると「ありがとう」とささやきながら、ゆっくりと立ち上がった。
“おう。また明日”
だなんて言ったけれど、俺が明日彼奴に会うまでに生きているかどうかなんて。
そんなこと、本人の俺にすらわからない。
またはその逆で、彼奴が俺に会うまでに生き――――
俺は昔からいつも、「現実的過ぎるやつ」というレッテルを貼られてきた。
まあ、自分でも自覚はしていたが、直そうとはしたことが一度もないが。
「きゃ!」
「うわ!」
ぶつかった瞬間に、奇跡的にハーモニーを生み出した後、俺はアスファルトの上に尻を強く打ち付けた。
ぼんやりしていた俺は、どこかの少女漫画のように、曲がり角で誰かと勢い良くぶつかってしまった。
視界は、ぼかしがかかっているかのように、モヤモヤしていて。その人の顔をちゃんと見ることができない状態にいた。
「済みません」という若い女性の声だけが、頭上で小さく聞こえたものの。
その後に聞こえたものは、その人の足音だった。
そしてその足音は、どんどん遠ざかってゆく。
“ああ、もう行ってしまったんだ”
そのことにやっと気づいた俺は、視界がハッキリした後もアスファルトの上に座っていた。
いや。立つことができないでいた。
偶然、そんな俺を見つけた俺のじいちゃんが俺の元に来て、しわくちゃな右手を俺に差し出してくれ。
その手に、俺の冷たくなったてを重ね合わせ、強く握り締めると「ありがとう」とささやきながら、ゆっくりと立ち上がった。
「ありゃあ、俺の友人の孫のつぐみちゃんだ」
「つぐみ……?」
ああ。と、しわしわの顔をもっとしわしわにして、微笑みながら頷くじいちゃん。
そんなじいちゃんを見ながら、「帰ろうか」と言おうとした、その時。
声を出すことができず。
あまりに突然すぎて、思わず自分の唇を両手で覆い
“おう。また明日”
だなんて言ったけれど、俺が明日彼奴に会うまでに生きているかどうかなんて。
そんなこと、本人の俺にすらわからない。
またはその逆で、彼奴が俺に会うまでに生き――――
俺は昔からいつも、「現実的過ぎるやつ」というレッテルを貼られてきた。
まあ、自分でも自覚はしていたが、直そうとはしたことが一度もないが。
「きゃ!」
「うわ!」
ぶつかった瞬間に、奇跡的にハーモニーを生み出した後、俺はアスファルトの上に尻を強く打ち付けた。
ぼんやりしていた俺は、どこかの少女漫画のように、曲がり角で誰かと勢い良くぶつかってしまった。
視界は、ぼかしがかかっているかのように、モヤモヤしていて。その人の顔をちゃんと見ることができない状態にいた。
「済みません」という若い女性の声だけが、頭上で小さく聞こえたものの。
その後に聞こえたものは、その人の足音だった。
そしてその足音は、どんどん遠ざかってゆく。
“ああ、もう行ってしまったんだ”
そのことにやっと気づいた俺は、視界がハッキリした後もアスファルトの上に座っていた。
いや。立つことができないでいた。
偶然、そんな俺を見つけた俺のじいちゃんが俺の元に来て、しわくちゃな右手を俺に差し出してくれ。
その手に、俺の冷たくなったてを重ね合わせ、強く握り締めると「ありがとう」とささやきながら、ゆっくりと立ち上がった。
「ありゃあ、俺の友人の孫のつぐみちゃんだ」
「つぐみ……?」
ああ。と、しわしわの顔をもっとしわしわにして、微笑みながら頷くじいちゃん。
そんなじいちゃんを見ながら、「帰ろうか」と言おうとした、その時。
「帰ろうか」の最初の一文字の「か」さえも、声に出せず。
ただただ表情を強張らせながら、口をパクパク動かしていた。
※これからは、名前をカタカナにして書きます。
* * *
「どうした、ハルト」
そんな俺の様子に気づいたのか、覗き込むように俺の顔をジロジロと見つめてくるじいちゃん。
「別になんでもないよ」と、視線を逸らしながら言った後、「今流行りの芸」などと誤魔化した。
もうすぐ80になるじいちゃん。そんなじいちゃんが、今の流行りなんていちいちチェックしているはずがない。
そう、自分に言い聞かせていると、じいちゃんは「そうか」と少し笑いながら歩き始めた。
ホッと吐息をもらすと、ずんずんと先へ進んで行くじいちゃんに追いつこうと、じいちゃんの元へ急いで駆け寄り。
「じいちゃん、さっき何してたの? 散歩?」などと笑いながら語りかけた。
* * *
あの後、歩いている途中でじいちゃんと別れ、さっきのように誰ともぶつかることなく、無事帰宅した。
「今日、少し帰り遅かったじゃない。何? 寄り道でもしてたの?」
何も知らない母が、若干茶色く染まった髪を後ろの方で束ねながら、一応出迎えてくれた。
「もう7時よ」と小さく付け足して。
俺は、「うん」とだけ言い、靴を脱ぐと、すぐさまリビングへ向かった。
「……お父さん。もう帰ってたのか」
いつも帰りが遅い父。
そんな父が、今日“だけ”はいつもより早く帰ってきていた。
ガラケーをいじる父を見ながら、「最近あまり話してないな」などと、ほろりと呟き。
たまたま父がソファに座っていたため、気づかれないようにその隣にそっと座った。
「ああ。
※これからは、名前をカタカナにして書きます。
* * *
「どうした、ハルト」
そんな俺の様子に気づいたのか、覗き込むように俺の顔をジロジロと見つめてくるじいちゃん。
「別になんでもないよ」と、視線を逸らしながら言った後、「今流行りの芸」などと誤魔化した。
もうすぐ80になるじいちゃん。そんなじいちゃんが、今の流行りなんていちいちチェックしているはずがない。
そう、自分に言い聞かせていると、じいちゃんは「そうか」と少し笑いながら歩き始めた。
ホッと吐息をもらすと、ずんずんと先へ進んで行くじいちゃんに追いつこうと、じいちゃんの元へ急いで駆け寄り。
「じいちゃん、さっき何してたの? 散歩?」などと笑いながら語りかけた。
* * *
あの後、歩いている途中でじいちゃんと別れ、さっきのように誰ともぶつかることなく、無事帰宅した。
「今日、少し帰り遅かったじゃない。何? 寄り道でもしてたの?」
何も知らない母が、若干茶色く染まった髪を後ろの方で束ねながら、一応出迎えてくれた。
「もう7時よ」と小さく付け足して。
俺は、「うん」とだけ言い、靴を脱ぐと、すぐさまリビングへ向かった。
「……お父さん。もう帰ってたのか」
いつも帰りが遅い父。
そんな父が、今日“だけ”はいつもより早く帰ってきていた。
ガラケーをいじる父を見ながら、「最近あまり話してないな」などと、ほろりと呟き。
たまたま父がソファに座っていたため、気づかれないようにその隣にそっと座った。
「ああ。今日は残業が早く終わってな」
どうやら、父は俺が隣に座っていることに気がついていないようだった。
そこで、ガラケーの画面とにらめっこしている父を見た後、その画面へと視線を移してみた。
その内容は、こんなものだった。
『最近、ハルトの様子がおかしい。
寝ている時に、たまに苦しそうにもがいていることがある。呼吸ができていないのかもしれない。
あと、歩き方も若干ふらついている感じ。
これは頼子から聞いたことなんだけど、「昔に比べて食べ残しが多くなった」と言っていた。
君は医師だろう? どんな病気だか調べて欲しい。お願いします。』
宛先のところには、“智大(トモヒロ”と父の友人と思われる名前が入っていた。
俺は一度も会ったことはないが、父からも母からも、気さくな人だと聞いていた。
その人の職業を聞いたことは一度もなかったが、
その内容は、こんなものだった。
『最近、ハルトの様子がおかしい。
寝ている時に、たまに苦しそうにもがいていることがある。呼吸ができていないのかもしれない。
あと、歩き方も若干ふらついている感じ。
これは頼子から聞いたことなんだけど、「昔に比べて食べ残しが多くなった」と言っていた。
君は医師だろう? どんな病気だか調べて欲しい。お願いします。』
父が、俺のことをこんなによく見てくれていたなんて。
全く気付いていなかった。
俺の知らない時に、ちゃんと愛情を降り注いでくれていただなんて。
宛先のところには、“智大(トモヒロ”と父の友人と思われる名前が入っていた。
俺は一度も会ったことはないが、父からも母からも、気さくな人だと聞いていた。
その人の職業を聞いたことは一度もなかったが、母と父の会話から、なんとなく“医師”だということには気づいていた。
すると、白髪まじりの黒髪を指でつまんで耳にかけた後、父は横にいる俺の肩をトントンと叩いた。
「気づいてたのかよ」
その後に、「なんだ」と吐息をもらす俺をじろりと見て、父は小さな口を開けて
「病院に、行こう」
一重まぶたを閉じながら、そう言ったんだ。
一瞬だけ、“どきり”と俺の鼓動の音が大きくなったような気がした。
あまりの驚きに、俺の心臓が暴れたようだ。
気圧されたように、息を吸い込んだ後。
「心配いらないよ」
そう言って、硬い笑顔を父に向けた。
一瞬だけ、“どきり”と俺の鼓動の音が大きくなったような気がした。
あまりの驚きに、俺の心臓が暴れたようだ。
そんな俺に、父からの視線が痛いほど突き刺さった。
気圧されたように、息を吸い込んだ後。
「心配いらないよ」
そう言って、硬い笑顔を父に向けた。
父は、俺が無理矢理作った笑顔を
一瞬だけ、“どきり”と俺の鼓動の音が大きくなったような気がした。
あまりの驚きに、俺の心臓が暴れたようだ。
そんな俺に、父からの視線が痛いほど突き刺さった。
気圧されたように、息を吸い込んだ後。
「心配いらないよ」
そう言って、硬い笑顔を父に向けた。
きっと、昔から頑固な父は「いいや。これは俺が決めたことだ」とかなんちゃら言って。
絶対に、耳を傾けてはくれない。
俺は、
一瞬だけ、“どきり”と俺の鼓動の音が大きくなったような気がした。
あまりの驚きに、俺の心臓が暴れたようだ。
そんな俺に、父からの視線が痛いほど突き刺さった。
気圧されたように、息を吸い込んだ後。
「心配いらないよ」
そう言って、硬い笑顔を父に向けた。
きっと、昔から頑固な父は「いいや。これは俺が決めたことだ」とかなんちゃら言って。
絶対に、耳を傾けてはくれない。
学校では男子のみのサッカー部に入っているため、演劇部なんかに入ってるやつらとは比べものにもならないくらい、演技はひどい。
そのため、昔から“劇関係”のことをする時には、いつも顔を伏せて隅っこでうずくまっていた。
世の中で比べても、下の下の下に入るほどの下手さだからだ。
こんな俺を何かに例えるとしたら、“腐った大根”辺りが1番丁度いい。いや、ピッタリだ。
俺は、そんなことを考えながら、綿やらポリエステルやらを使用した、汚れて橙色になった白色のスクールソックスを、フローリングに滑らせて、それらを遊ばせていた。
ああ、楽しそうに遊んでいる。俺のおかげで。
「そうか」
「……あ、ああ」
“今、貴方の瞳に俺はどんな風に映っていますか?”
そう、問いかけたかったが、青春ドラマとかで良くあるような、洒落たセリフのようで。
格好をつけてるだけ、などと自分の親に思われたくなくて、たった1mmですらも、口を開けることができなかった。
小5だからパクリもあるのよ。
しょうがないのよ。
って、自分に言い聞かせてる……((
。
「母さん。俺、もう寝るわ」
レトロな雰囲気を漂わせた振り子時計の方を横目でちらりと見ると、
「母さん。俺、もう寝るから」
レトロな雰囲気を漂わせた振り子時計の方を横目でちらりと見ると、長い針は7を。短い針は、3を指していた。
やけくそな気分が胸元へチリチリと焼き付いているような、そんな感覚が俺を襲い。
その感覚を抑えるように、ソファ背もたれに自分の体重をグッとかけた。そのたびに、ソファの柔らかさに感動する俺。
母さんは、「んもう」と
「母さん。俺、もう寝るから」
レトロな雰囲気を漂わせた振り子時計の方を横目でちらりと見ると、長い針は7を。短い針は、3を指していた。
やけくそな気分が胸元へチリチリと焼き付いているような、そんな感覚が俺を襲い。
その感覚を抑えるように、ソファ背もたれに自分の体重をグッとかけた。そのたびに、ソファの柔らかさに感動する俺。
母さんは、「んもう」と口角から柔らかい笑みをこぼすと、茶色っ気のある黒く長い髪を揺らしながら、キッチンへと戻って行った。
「折角用意してくれたのに。ごめんよ」
「母さん。俺、もう寝るから」
レトロな雰囲気を漂わせた振り子時計の方を横目でちらりと見ると、長い針は7を。短い針は、3を指していた。
振り子を見ていると、俺の涙雨が降りそうで怖い。
だが、春の陽気な日も、真夏の湿っぽく暑い日も、秋の紅葉の綺麗な日も、真冬の風が強く吹く雪の降る日も。
ずっとずっと、そんなに動いて。大変だろう? 振り子時計と話してみたい。一度でもいいから。
だが、そんなことを考えているうちに、人間も同じなんだなあ、と実感する。心臓だって、年中無休でドクドクドクドク。心臓の中に、命が入っていて。心臓はその命を叩きながら、“まだ生きているから安心して”と語りかけているのかな。
考えてれば考えるほど、そんな尊像は膨らんでゆく。
俺は、そっと笑みを浮かべながら、ソファ背もたれに自分の体重をグッとかけた。そのたびに、ソファの柔らかさに感動する俺。
すると、キッチンから母さんが此方に来て。
「んもう」
父と同じ、たった3文字。だけど、口角から柔らかい笑みをこぼす母は、父とは全く違った。
そんな天使のような母は、もう俺に後ろ姿を見せてキッチンへと向かって、ゆっくり歩いていた。
「折角用意してくれたのに。ごめんよ」
弦を震わしている時のような声で。
焦げ茶色をした木目のテーブルを見つめながら、そっと言った。
カレシとカノジョ(仮)
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ、
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ。だが、決して嫌いなわけではない。
「うっし、起きよ」
部屋の窓を開け、柔らかく白っぽい朝日を全身でグッと受け止めて、大きなあくびをした。
そして、「リビング行こ」と、ぽとりと滴り落ちる真夏の雫のように呟き、リビングへ向かった。
* * *
「母さん、おはよう」
「あ、おはよう」
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ。だが、決して嫌いなわけではない。
「うっし、起きよ」
部屋の窓を開け、柔らかく白っぽい朝日を全身でグッと受け止めて、大きなあくびをした。
そして、「リビング行こ」と、ぽとりと滴り落ちる真夏の雫のように呟き、リビングへ行くために青いペンキで大雑把に塗りつぶした扉に付属しているドアノブを手で強く握り閉め、右方向に回転させて扉を開けた。
* * *
「母さん、おはよう」
「あ、おはよう」
案の定、父の姿はどこにもなかった。
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ。だが、決して嫌いなわけではない。
「うっし、起きよ」
部屋の窓を開け、柔らかく白っぽい朝日を全身でグッと受け止めて、大きなあくびをした。
そして、「リビング行こ」と、ぽとりと滴り落ちる真夏の雫のように呟き、リビングへ行くために青いペンキで大雑把に塗りつぶした扉に付属しているドアノブを手で強く握り閉め、右方向に回転させて扉を開けた。
* * *
「母さん、おはよう」
「あ、おはよう」
案の定、父の姿はどこにもなかった。
俺は、目の前と白米とか目玉焼きに目を通し、プラスチックでできた椅子を引き、そっと座った。
今日の白米はいつもと違い、まるで宝石のようにキラキラと光り輝いている。
なぜだか気になって、仕方がなくなった俺はすぐさま口を開き「米に隠し味とか入れた?」と、キッチンにいる母へ向かって叫んだ。
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ。だが、決して嫌いなわけではない。
「うっし、起きよ」
部屋の窓を開け、柔らかく白っぽい朝日を全身でグッと受け止めて、大きなあくびをした。
そして、「リビング行こ」と、ぽとりと滴り落ちる真夏の雫のように呟き、リビングへ行くために青いペンキで大雑把に塗りつぶした扉に付属しているドアノブを手で強く握り閉め、右方向に回転させて扉を開けた。
* * *
「母さん、おはよう」
「あ、おはよう」
案の定、父の姿はどこにもなかった。
俺は、テーブルに置いてある、白米や目玉焼き、味噌汁に順番に目を通してゆき、それを終わらせた後に、プラスチックでできた水色しかないシンプルなデザインの椅子を引き、そっと座った。
俺が今座った椅子は、とてつもなく座り心地が悪く、それを誤魔化すために真ん中にクッションを敷いている。
座り心地が悪いのは、きっと真ん中が異常に凹んでいるからだろう。
座ってから、またじっくりと白米を見てみる。
良く見たら、今日の白米はいつもと違い、まるで宝石のようにキラキラと光り輝いていた。
なぜだか気になって、仕方がなくなった俺はすぐさま口を開き「米に隠し味とか入れた?」と、キッチンにいる母へ向かって叫んだ。
「炊きたてだからよ。きっと」
「そ、っか」
「……うるっせぇ」
目覚まし時計が、予定していた時間通りにうるさく叫ぶものだから、なんだか鬱陶しく感じてしまう。
“セットをしたのは自分だ”とはわかっていても、やはり鬱陶しいものは鬱陶しい。
だから朝は苦手だ。だが、決して嫌いなわけではない。
「うっし、起きよ」
部屋の窓を開け、柔らかく白っぽい朝日を全身でグッと受け止めて、大きなあくびをした。
そして、「リビング行こ」と、ぽとりと滴り落ちる真夏の雫のように呟き、リビングへ行くために青いペンキで大雑把に塗りつぶした扉に付属しているドアノブを手で強く握り閉め、右方向に回転させて扉を開けた。
* * *
「母さん、おはよう」
「あ、おはよう」
案の定、父の姿はどこにもなかった。
俺は、テーブルに置いてある、白米や目玉焼き、味噌汁に順番に目を通してゆき、それを終わらせた後に、プラスチックでできた水色しかないシンプルなデザインの椅子を引き、そっと座った。
俺が今座った椅子は、とてつもなく座り心地が悪く、それを誤魔化すために真ん中にクッションを敷いている。
座り心地が悪いのは、きっと真ん中が異常に凹んでいるからだろう。
座ってから、またじっくりと白米を見てみる。
良く見たら、今日の白米はいつもと違い、まるで宝石のようにキラキラと光り輝いていた。
なぜだか気になって、仕方がなくなった俺はすぐさま口を開き「米に隠し味とか入れた?」と、キッチンにいる母へ向かって叫んだ。
「炊きたてだからよ。きっと」
「そ、っか」
母はそんなことを言ったが、これは絶対に隠し味を入れている。
そう確信できるほど、いつもと違って塩味がきいていた。
俺は、“隠し味を知られたくないのか”と勝手に自己解釈をし、いつものように朝食を食べた。
「行ってきます」
まるで花が咲くかのように、ゆっくりと次第に笑みをほころばせる母。
俺はその笑みに背中を押され、キキキィという独特な音を立てながら扉を開けた。
「行ってきます」
まるで花が咲くかのように、ゆっくりと次第に笑みをほころばせる母。
俺はその笑みに背中を押され、キキキィという独特な音を立てながら扉を開けた。
家を出ると、玄関からは丁度死角になっている場所に、1人の女の子がいた。
その子は、出て来た俺に気づいたのか、急に背筋をピンと伸ばした。
「こんにちは」
そう、できるだけ
「行ってきます」
まるで花が咲くかのように、ゆっくりと次第に笑みをほころばせる母。
俺はその笑みに背中を押され、キキキィという独特な音を立てながら扉を開けた。
家を出ると、玄関からは丁度死角になっている場所に、1人の女の子がいた。
その子は、出て来た俺に気づいたのか、急に背筋をピンと伸ばした。
「こんにちは」
俺なりに、ザラザラしたような声ではなく、紳士的な柔らかい声で言ったつもりだった。
だが、彼女の表情は一向に煙ったまま。白ける俺たちの近くで、ただただ微風の小さな話し声だけが聞こえるだけで。
どんな表情をすればいいのか、どんな話題を提供すればいいのか、などとあたふたしていた時に、目の前の彼女がそっと口を開けた。
「あの、昨日は済みませんでした!」
「行ってきます」
まるで花が咲くかのように、ゆっくりと次第に笑みをほころばせる母。
俺はその笑みに背中を押され、キキキィという独特な音を立てながら扉を開けた。
家を出ると、玄関からは丁度死角になっている場所に、1人の女の子がいた。
その子は、出て来た俺に気づいたのか、急に背筋をピンと伸ばした。
「こんにちは」
俺なりに、ザラザラしたような声ではなく、紳士的な柔らかい声で言ったつもりだった。
だが、彼女の表情は一向に煙ったまま。白ける俺たちの近くで、ただただ微風の小さな話し声だけが聞こえるだけで。
どんな表情をすればいいのか、どんな話題を提供すればいいのか、などとあたふたしていた時に、目の前の彼女がそっと口を開けた。
「あの、昨日は済みませんでした!」
彼女が勢い良く頭を下げるのと同時に、1つに束ねてある長い黒髪も下へ垂れた。
俺は、彼女がゆっくりとスローペースで頭を上げるため、気づかれないように彼女からそっと視線を逸らした。
また聞こえる、微風の声。今度は、耳元で強く聞こえた。
「大丈夫だから。気にしなくていいよ」
近くのマンホールへと送っていた視線を、また彼女の目元に移し。
今更ではあるが、制服が俺の通っている高校の女子生徒が着ているものと全て一致していたことに気付く俺。
すると、彼女が「じろじろ見ないで」とでも言いたいかのように、俺をまじまじと見つめてきたため、俺はまたマンホールの方へと視線を逸らした。
「お母さんに話したら、“謝ってきなさい”なんて言われちゃって……」
小さなそばかすがついた目元辺りを細い指で撫でながら、笑顔を作って見せる彼女。
クセなんだろうか? と、思いながら彼女を見つめていると、「じゃあ……っ!」と、ふんわり顔を赤らめながら、なぜか急いで立ち去ろうとしたため、俺は思わず彼女を引き止めてしまった。
「ご、ごめん。痛くなかった……?」
彼女の手首を強く握っていたため、大袈裟ではあるが、“アザでもできたんじゃないか”と冷や冷やした。
「お母さんに話したら、“謝ってきなさい”なんて言われちゃって……」
小さなそばかすがぽつぽつとついた目元辺りを細い指で撫でながら、笑顔を作って見せる彼女。
クセなんだろうか? と、思いながら彼女を見つめていると、「じゃあ……っ!」と、ふんわり顔を赤らめながら、なぜか急いで立ち去ろうとしたため、俺は思わず彼女を引き止めてしまった。
「ご、ごめん。痛くなかった……?」
彼女の手首を強く握っていたため、大袈裟ではあるが、“アザでもできたんじゃないか”と冷や冷やした。
だが、冷や冷やの後に残るのは、隠そうとしても隠しきれないほどの“照れ”で。
汗がじんわりと出てきそうなくらい、顔の方から暑くなっていった。
ふと空を見上げたら、パステルカラーの雲があり。それを見つめながら心を和らげていると、「えっと、空好きなんですか?」と柔らかく温和な雰囲気を漂わせた彼女の声が。
俺は、ハッと我に返り愛想笑いをしながら彼女の方へ顔を向けた。
すると、湖のように深く澄んだ瞳で、「私も好きなんです!」と楽しそうに笑う彼女の姿が。
そして、若干黒く焦げた茶色のスクールバッグから、真珠のように白く染まったガラケーを取り出し、「待ち受け、一緒にしませんか?」と、また笑う彼女。
それはまるで
「お母さんに話したら、“謝ってきなさい”なんて言われちゃって……」
小さなそばかすがぽつぽつとついた目元辺りを細い指で撫でながら、笑顔を作って見せる彼女。
クセなんだろうか? と、思いながら彼女を見つめていると、「じゃあ……っ!」と、ふんわり顔を赤らめながら、なぜか急いで立ち去ろうとしたため、俺は思わず彼女を引き止めてしまった。
「ご、ごめん。痛くなかった……?」
彼女の手首を強く握っていたため、大袈裟ではあるが、“アザでもできたんじゃないか”と冷や冷やした。
だが、冷や冷やの後に残るのは、隠そうとしても隠しきれないほどの“照れ”で。
汗がじんわりと出てきそうなくらい、顔の方から暑くなっていった。
ふと空を見上げたら、パステルカラーの雲があり。それを見つめながら心を和らげていると、「えっと、空好きなんですか?」と柔らかく温和な雰囲気を漂わせた彼女の声が。
俺は、ハッと我に返り愛想笑いをしながら彼女の方へ顔を向けた。
すると、湖のように深く澄んだ瞳で、「私も好きなんです!」と楽しそうに笑う彼女の姿が。
そして、若干黒く焦げた茶色のスクールバッグから、真珠のように白く染まったガラケーを取り出し、「待ち受け、一緒にしませんか?」と、パッと顔に花を咲かせて笑う彼女。
そんなことなんて、数少ない男友達、ましてや家族や親戚とすらもしたことがなく。いろんな意味で、鼓動が速くなっていくのを感じた。
だが、“嬉しい”という気持ちは俺の中で全く変わらず。
「うん。いいよ」
さっきの愛想笑いなんかよりも違い、心の底から出た自然な笑顔でそう言った。
「……あ、でもやっぱり放課後、でっ」
その後に、小さく口を開け「時間が」と付け足す彼女。
俺は左手に身につけた腕時計をチラリと見た後に、そっと「急ごう」と声をひそめて言い。
さっきのような“照れ”なんて忘れ、俺は走った。彼女の細い手首を、大きな手で掴みながら。
* * *
「じゃあ、また……!」
「ああ」
周りの目を気にしながらも、俺は彼女と一旦別れた。
廊下は、なぜかあたふたしながらウロウロしている人や、背筋を伸ばしながら堂々と歩く人、または小走りで何処かに向かって行く人ばかりで、溢れていた。
真上から見たら、ただのアリの大群にしか見えなさそうなくらいに。
『 結糸 芸能学園、恋愛部。 』
。
うっふぁ←
やーめた←
「裕人ー。今日も遊ぼうよおー」
「そーそー! んでさ、腕組んで歩いたりしよ?」
「んー。今日は1人で家に帰りたい気分っつーか。だからごめん」
彼、秋坂 裕人(アキザカ ヒロト)の声を聞き、その隣にいた彼女達は「えー」とブーイングをした。
けど、彼はそんなのを物ともせずに、ずんずんと歩いて行く。
わたしは。
わたしは、そんな彼が好き。
何を考えているかわからないところとか、きまぐれなところとか。
でもそんなわたしでも、前は、「ただ、人一倍ルックスが良いだけの人」としか認識していなかった。
けど、たまに話すうちに、彼の内側の方に惹かれて行き。
だけど臆病なわたしは、後のことばっかり考えてしまい。
そのため、想いなんて伝えられるはずもなく。
小指に、赤い糸を結びかけたまま、一歩も踏み出せずに自分の足元を見つめていた。
高校1年生の春から、ずっとずっと。今の今まで。
まるまる1年くらい、経つかな――?
でも、もうこの想いを弾けさせてもいいよね。
当たって砕けて、その分泣いて。
そして、もうこのことは忘れよう。
わたしは、ちいさな一歩を踏み出した。
◇
「……あ、秋坂くんっ」
スクールバッグの取っ手の部分を両手でぎゅっと握り締めながら、一生懸命彼の名を呼んだ。
だが、人混みに紛れ、すぐに掻き消されてしまう。
何度呼んでも、彼は振り向いてなんてくれなくて。
どうしようか悩んだ後に、彼の元へ駆け寄りガッシリとしたその肩を、わたしのこのちいさな手で。
そっと、叩いた。
「……あ、秋坂くんっ」
スクールバッグの取っ手の部分を両手でぎゅっと握り締めながら、一生懸命彼の名を呼んだ。
だが、人混みに紛れ、すぐに掻き消されてしまう。
何度呼んでも、彼は振り向いてなんてくれなくて。
どうしようか悩んだ後に、彼の元へ駆け寄りガッシリとしたその肩を、わたしのこのちいさな手で、そっと叩いた。
やっと、視線が合った! と思いきや。
「ヤマダさん?」
と、いきなり名前を間違えられたわたし。
すぐさま、自分の名を紹介した。
「えっと、柳 莉嘉(ヤナギ リカ)……、です」
「あー! 柳さんね。……って」
そういうと、彼はなぜかケラケラと笑い始め。
「さっきのはウソ。あんたの名前くらい、わかってたって」
からかわれた、とわかったとき、恥ずかしさがどこかからか込み上げてきた。
「いじわる」そう、言おうとしたわたしに追い打ちをかけるように、彼はわたしの頭部をガッシリした大きな手で優しく撫でた。
ゆーちんかわいー。
、
「……あ、えっと――」
声を掛けてみたものの、いざとなると何も喋れなくて。
その場に突っ立ったまま、ただ「んーんー」と唸っているだけのわたし。
すると、彼は自分の首に巻いていたマフラーを、わたしの首にそっと巻いてくれた。
彼は、何も言わずにただほんのりと微笑むだけで。
「ありがとう」その言葉以外、今は何も見つからず。
それを、ぽつりとささやき、スッと視線を逸らした。
今、わたしの頭の中ではエラーが起こりまくっているだろう。
そして、あともう少しでパンクしてしまいそう。
「……すっ、す、好きです――――!」
急に、何を言っているんだ! 自分!
そう、何度も自分に心の中で言い聞かせても、過ぎたことは過ぎたこと。
気づいたら、先輩の厚い胸板に。
グッと顔を埋め、強く抱き締められている自分がいた。
「……あ、えっと――」
声を掛けてみたものの、いざとなると何も喋れなくて。
その場に突っ立ったまま、ただ「んーんー」と唸っているだけのわたし。
すると、彼は自分の首に巻いていたマフラーを、わたしの首にそっと巻いてくれた。
彼は、何も言わずにただほんのりと微笑むだけで。
「ありがとう」その言葉以外、今は何も見つからず。
それを、ぽつりとささやき、スッと視線を逸らした。
今、わたしの頭の中ではエラーが起こりまくっているだろう。
そして、あともう少しでパンクしてしまいそう。
「……すっ、す、好きです――――!」
急に、何を言っているんだ! 自分!
そう、何度も自分に心の中で言い聞かせても、過ぎたことは過ぎたこと。
ふと、気づいたら。
彼の厚い胸板に顔を埋め、強く抱き締められている自分がいた。
「……あ、えっと――」
声を掛けてみたものの、いざとなると何も喋れなくて。
その場に突っ立ったまま、ただ「んーんー」と唸っているだけのわたし。
すると、彼は自分の首に巻いていたマフラーを、わたしの首にそっと巻いてくれた。
彼は、何も言わずにただほんのりと微笑むだけで。
「ありがとう」その言葉以外、今は何も見つからず。
それを、ぽつりとささやき、スッと視線を逸らした。
今、わたしの頭の中ではエラーが起こりまくっているだろう。
そして、あともう少しでパンクしてしまいそう。
「……すっ、す、好きです――――!」
急に、何を言っているんだ! 自分!
そう、何度も自分に心の中で言い聞かせても、過ぎたことは過ぎたこと。
タイムスリップして過去に戻りたくても、戻れないのが現実。
1秒、また1秒という風に、時間は過ぎてゆくばかりで。
未来が今へ、そして過去へと向かってゆく。
その、繰り返し。
でも、ふと気づいたら。
彼の厚い胸板に顔を埋め、強く抱き締められている自分がいた。
「……あ、えっと――」
声を掛けてみたものの、いざとなると何も喋れなくて。
その場に突っ立ったまま、ただ「んーんー」と唸っているだけのわたし。
すると、彼は自分の首に巻いていたマフラーを、わたしの首にそっと巻いてくれた。
彼は、何も言わずにただほんのりと微笑むだけで。
「ありがとう」その言葉以外、今は何も見つからず。
それを、ぽつりとささやき、スッと視線を逸らした。
今、わたしの頭の中ではエラーが起こりまくっているだろう。
そして、あともう少しでパンクしてしまいそう。
「すっ、す、好きです――――!」
急に、何を言っているんだ! 自分!
そう、何度も自分に心の中で言い聞かせても、過ぎたことは過ぎたこと。
タイムスリップして過去に戻りたくても、戻れないのが現実。
1秒、また1秒という風に、時間は過ぎてゆくばかりで。
未来が今へ、そして過去へと向かってゆく。
その、繰り返し。
でも、ふと気づいたら。
彼の厚い胸板に顔を埋め、彼に強く抱き締められている自分がいた。
「……んう」
あまりの出来事に驚き過ぎて、思わず息を潜めていたわたしは、酸素不足になってしまい。
苦しそうに、せわしく息をするわたしを見ながら、彼は「ごめん」と言ってスッと離れた。
――でも、残るのは寂しさと切なさだけで。
「あ、こちらこそいきなりこめんなさい……」
わたしは、自分にもわからない“何か”を誤魔化すように、そっと空を見上げた。
「今日は月が綺麗ですね」
すると、彼がさっきのようにまたケラケラと笑い始めたため、ちいさく首を傾げていると。
「それの意味、知ってて言ってんの?」
と彼。
わたしは、なんのことだがわからずに、ただぽかーんと立ち尽くすのみ。
と、そのとき。
「それさ、I love youって意味だけど」
あまりの驚きに、「えええっ!?」と声を上げるわたし。
1日のうちに2回も告白するなんて。それも、タイミングなんて下の下の下。
絶対に、変な人だと思われたに違いない。
「あんたといると、本当楽しい」
「……んう」
あまりの出来事に驚き過ぎて、思わず息を潜めていたわたしは、酸素不足になってしまい。
苦しそうに、せわしく息をするわたしを見ながら、彼は「ごめん」と言ってスッと離れた。
――でも、残るのは寂しさと切なさだけで。
「あ、こちらこそいきなりこめんなさい……」
わたしは、自分にもわからない“何か”を誤魔化すように、そっと空を見上げた。
「今日は月が綺麗ですね」
すると、彼がさっきのようにまたケラケラと笑い始めたため、ちいさく首を傾げていると。
「それの意味、知ってて言ってんの?」
と彼。
わたしは、なんのことだがわからずに、ただぽかーんと立ち尽くすのみ。
と、そのとき。
「それさ、I love youって意味だけど」
あまりの驚きに、「えええっ!?」と声を上げるわたし。
1日のうちに2回も告白するなんて。それも、タイミングなんて下の下の下。
絶対に、変な人だと思われたに違いない。
「あんたといると、本当楽しい」
「ありがとう」そう、言いかけたときだった。
「俺ら、付き合おっか?」
それは、紛れもなく彼の声だった。
彼のその声が、言葉が。何度も何度も、勝手に脳内でリピートされる。
「……んう」
あまりの出来事に驚き過ぎて、思わず息を潜めていたわたしは、酸素不足になってしまい。
苦しそうに、せわしく息をするわたしを見ながら、彼は「ごめん」と言ってスッと離れた。
――でも、残るのは寂しさと切なさだけで。
「あ、こちらこそいきなりこめんなさい……」
わたしは、自分にもわからない“何か”を誤魔化すように、そっと空を見上げた。
「今日は月が綺麗ですね」
すると、彼がさっきのようにまたケラケラと笑い始めたため、ちいさく首を傾げていると。
「それの意味、知ってて言ってんの?」
と彼。
わたしは、なんのことだがわからずに、ただぽかーんと立ち尽くすのみ。
と、そのとき。
「それさ、I love youって意味だけど」
あまりの驚きに、「えええっ!?」と声を上げるわたし。
1日のうちに2回も告白するなんて。それも、タイミングなんて下の下の下。
絶対に、変な人だと思われたに違いない。
「あんたといると、本当楽しい」
「ありがとう」そう、言いかけたときだった。
「俺ら、付き合おっか?」
それは、紛れもなく彼の声だった。
彼のその声が、言葉が。何度も何度も、勝手に脳内でリピートされる。
すると、わたしの返事も待たずに彼はもう一言、吐き捨てるように付け足した。
「その代わり、俺以外を見ないって誓える?」
と。
「……んう」
あまりの出来事に驚き過ぎて、思わず息を潜めていたわたしは、酸素不足になってしまい。
苦しそうに、せわしく息をするわたしを見ながら、彼は「ごめん」と言ってスッと離れた。
――でも、残るのは寂しさと切なさだけで。
「あ、こちらこそいきなりこめんなさい……」
わたしは、自分にもわからない“何か”を誤魔化すように、何気無く空を見上げた。
わたしが見た空は、真っ赤に染まっていた。見惚れてしまうほど、真っ赤に。
けど、その中でアクセサリーみたいに煌めいていた月が、綺麗で綺麗で。
「今日は月が綺麗ですね」
いつの間にか、心の声を口に出していた。
すると、彼がさっきのようにまたケラケラと笑い始めたため、ちいさく首を傾げていると。
「それの意味、知ってて言ってんの?」
と彼。
わたしは、なんのことだがわからずに、ただぽかーんと立ち尽くすのみ。
と、そのとき。
「それさ、I love youって意味だけど」
あまりの驚きに、「えええっ!?」と声を上げるわたし。
1日のうちに2回も告白するなんて。それも、タイミングなんて下の下の下。
絶対に、変な人だと思われたに違いない。
「あんたといると、本当楽しい」
でも、返ってきたのは予想外の言葉だった。
そしてまた、顔を逸らしてしまうわたし。
何か言わないとと思い、「ありがとう」と、そう言いかけたときだった。
「俺ら、付き合おっか?」
それは、紛れもなく彼の声で。
彼のその声が、言葉が。何度も何度も、勝手に脳内でリピートされる。
すると、わたしの返事も待たずに彼はもう一言、吐き捨てるように付け足した。
「その代わり、俺以外を見ないって誓える?」
と。
「……んう」
あまりの出来事に驚き過ぎて、思わず息を潜めていたわたしは、酸素不足になってしまい。
苦しそうに、せわしく息をするわたしを見ながら、彼は「ごめん」と言ってスッと離れた。
――でも、残るのは寂しさと切なさだけで。
「あ、こちらこそいきなりこめんなさい……」
わたしは、自分にもわからない“何か”を誤魔化すように、何気無く空を見上げた。
わたしが見た空は、真っ赤に染まっていた。見惚れてしまうほど、真っ赤に。
けど、その中でアクセサリーみたいに煌めいていた月が、綺麗で綺麗で。
宝石のようにも見えた。
「今日は月が綺麗ですね」
感動のあまり、心の声を口に出している自分がここにいて。
ハッと驚き、いつもの癖で口元に両手をあてて一歩後退りをした。
すると、彼がさっきのようにまたケラケラと笑い始めたため、何もわからずにただ立ち尽くしていると。
「それの意味、知ってて言ってんの?」
と、彼。
わたしは、なんのことだがわからずに、ただぽかーんと立ち尽くすのみ。
と、そのとき。
彼がまた、フッとちいさく息を吐き捨てたあとに、また口を開けた。
「それさ、I love youって意味だけど」
あまりの驚きに、「えええっ!?」と声を上げるわたし。
1日のうちに2回も告白するなんて。それも、タイミングなんて下の下の下。
絶対に、変な人だと思われたに違いない。
「あんたといると、本当楽しい」
でも、返ってきたのは予想外の言葉だった。
そしてまた、顔を逸らしてしまうわたし。
何か言わないとと思い、「ありがとう」と、そう言いかけたときだった。
「俺ら、付き合おっか?」
それは、紛れもなく彼の声で。
彼のその声が、言葉が。何度も何度も、勝手に脳内でリピートされる。
すると、わたしの返事を待たずに、彼はもう一言だけ、吐き捨てるように付け足した。
「その代わり、俺以外を見ないって誓える?」
と。
「えっと、それは男友達とか作っちゃダメ、ってことですか?」
「んー、まあそーゆーこと」
そして、彼はもう一度。「誓える?」と、顔を近づけて迫ってきた。
誓えるも何も、わたしには男友達すらいない。
男子とは、必要最低限のことしか話さないからだ。
それに、好きな人に独占されるのは決して嫌じゃない。
むしろ、その方が“良い”。
「誓います」
わたしたちは、手のひらを重ね合わせ、指を交互に絡めて。
ギュッと、強く握り合った。
―――― ←↑→↓
「それじゃ、また明日」
「ん」
ぎこちなく手を振りながら、頬を緩めた。
何もなくってちっとも楽しくない毎日にサヨナラ、と思いながら――
「えっと、それは男友達とか作っちゃダメ、ってことですか?」
「んー、まあそーゆーこと」
そして、彼はもう一度。「誓える?」と、顔を近づけて迫ってきた。
誓えるも何も、わたしには男友達すらいない。
男子とは、必要最低限のことしか話さないからだ。
それに、好きな人に独占されるのは決して嫌じゃない。
むしろ、その方が“良い”。
「誓います」
わたしたちは、手のひらを重ね合わせ、指を交互に絡めて。
ギュッと、強く握り合った。
―――― ←↑→↓
「それじゃ、また明日」
「ん」
交差点の端っこで、わたしたちはそっと手を離し。別れの言葉を交わした。
わたしは、ぎこちなく手を振りながら、彼の後ろ姿をじっと見つめ続けた。
何もなくってちっとも楽しくない毎日にサヨナラ、と思いながら――
つーかーれーたー!
内容めーもーろー!↓
1.莉嘉がなんだかんだでモテ期()に
2.次第に、裕人の束縛は強くなっていく
3.莉嘉が別れを切り出し、別れることに
4.だが、お互いに忘れることはできず、また付き合い始める
5.今度は、裕人の元カノ登場
6.いろんな手を使ってくる元カノ
7.裕人は、元カノの前で莉嘉にキス
8.二人は幸せに
9.だが、そこで莉嘉の母親が男を家に住まわせる
10.その男は莉嘉に手を出そうとする
11.嫌になった莉嘉は家出し、裕人の家へ
12.二人は同居し始める
13.また愛を誓う()二人 ←でおわり
。
そこから歩いて5分。
わたしは、一軒家の前まで来た。もちろん、そこはわたしの家だ。
音をたてないよう、そっと玄関ドアを開けて玄関で丁寧に靴を脱いだ。
「……ケンちゃんったらー。甘えん坊さんなんだからっ」
「いやー、本当に君は美人だ……」
――まただ。
毎日毎日。
帰ってくるたびに、母の部屋から聞こえてくるのは“母”と“知らない男”の声。
昔は穏やかで、優しかった母。でも、父が死んでからは毎日、知らない男を家に連れてくる。
そして、そのたびに“1人の女”になるのだ。
そんな、汚らわしい女性になってしまった。
「ただいま」
耳を塞ぎながら、自分の部屋へとはや足で歩いた。
「……いってきます」
イチャイチャしている母達の前を横切り、そそくさと家を出た。
昔は「やめて」などと言ってたものの、「お母さんはそれで稼いでるの」と一点張り。
今では、言う気力すらなくなっていた。
「……いってきます」
イチャイチャしている母達の前を横切り、そそくさと家を出た。
昔は「やめて」などと言っていたものの、「お母さんはそれで稼いでるの」と一点張り。
今では、言う気力すらない。
そんなことばかり考えていると。
いきなり、視界が真っ暗になった。
「……何!? だ、誰ですか……?」
恐る恐る、目の上に重なっているものの上に手をそっと乗せてみる。
そして、その手のあたたかさと大きさで、わたしはすぐに確信した。
「秋坂くん?」
「うわー。もしかして、最初からバレてた?」
彼はそう言いながら、クスクス笑っている。
そんな彼を見ながら、わたしもつられて笑ってしまい。
はたから見れば、ただのバカップルにしか見えないんだろうなあ。
なんて思いながら、まばたきをした。
「そろそろ行こうか」
「うん、そうだね」
話していくうちに、わたしの敬語も抜けていき。
ちょっとずつではあるけれど、やっと自然体になってきた たのがちょびっと嬉しくて。
思わず、口角から笑みを零した。
*
*
*
廊下を、2人でワイワイ喋りながら歩いていると。
目の前に、クラスメイトの橘(タチバナ)さんと桃月(モモツキ)さんが、目の前にスッと現れ、ペチャクチャと喋り始めた。
「……裕人、何でそんなのと一緒にいんの?」
橘さんは、女子の中でもクラスの中でも中心的な存在で。
クラスの空気を操るのがとても上手い。
「今日は、一緒に遊ぼうよっ! 昨日は、ヒロちゃんを見つけられなくて誰かに取られる前に、予約しないとって」
桃月さんは、天然系ふわふわ女子。
そんな桃月さんだが、噂では“小悪魔系女子”らしい。あくまでも噂に好きないけれど……。
わたし達4人の間にピリピリしたような、もどかしくて痒い雰囲気が漂い始めた。
わたしが苦手なシチュエーションだ。
すると、沈黙の中。
秋坂くんがわたしの手を掴み、2人に見せるように甘ったるく口づけをした。
「そろそろ行こうか」
「うん、そうだね」
話していくうちに、わたしの敬語も抜けていき。
ちょっとずつではあるけれど、やっと自然体になってきた たのがちょびっと嬉しくて。
思わず、口角から笑みを零した。
*
*
*
廊下を、2人でワイワイ喋りながら歩いていると。
目の前に、クラスメイトの橘(タチバナ)さんと桃月(モモツキ)さんが、目の前にスッと現れ、ペチャクチャと喋り始めた。
「……裕人、何でそんなのと一緒にいんの?」
橘さんは、女子の中でもクラスの中でも中心的な存在で。
クラスの空気を操るのがとても上手い。
「今日は、一緒に遊ぼうよっ! 昨日は、ヒロちゃんを見つけられなくて誰かに取られる前に、予約しないとって」
桃月さんは、天然系ふわふわ女子。
そんな桃月さんだが、噂では“小悪魔系女子”らしい。あくまでも噂に好きないけれど……。
わたし達4人の間にピリピリしたような、もどかしくて痒い雰囲気が漂い始めた。
わたしが苦手なシチュエーションだ。
すると、沈黙の中。
秋坂くんがわたしの手を掴み、2人に見せるように甘ったるく口づけをした。
唇ではなく、手の甲に。
「そろそろ行こうか」
「うん、そうだね」
話していくうちに、わたしの敬語も抜けていき。
ちょっとずつではあるけれど、やっと自然体になってきた たのがちょびっと嬉しくて。
思わず、口角から笑みを零した。
*
*
*
廊下を、2人でワイワイ喋りながら歩いていると。
目の前に、クラスメイトの橘(タチバナ)さんと桃月(モモツキ)さんが、目の前にスッと現れ、ペチャクチャと喋り始めた。
「……裕人、何でそんなのと一緒にいんの?」
橘さんは、女子の中でもクラスの中でも中心的な存在で。
クラスの空気を操るのがとても上手い。
「今日は、一緒に遊ぼうよっ! 昨日は、ヒロちゃんを見つけられなくて誰かに取られる前に、予約しないとって」
桃月さんは、天然系ふわふわ女子。
そんな桃月さんだが、噂では“小悪魔系女子”らしい。あくまでも噂に好きないけれど……。
わたし達4人の間にピリピリしたような、もどかしくて痒い雰囲気が漂い始めた。
わたしが苦手なシチュエーションだ。
すると、沈黙の中。
秋坂くんがわたしの手を掴み、2人に見せるようにわたしの手の甲に甘ったるく口づけをした。
「そろそろ行こうか」
「うん、そうだね」
話していくうちに、わたしの敬語も抜けていき。
ちょっとずつではあるけれど、やっと自然体になってきたのがちょびっと嬉しくて。
思わず、口角から笑みを零した。
*
*
*
廊下を、2人でワイワイ喋りながら歩いていると。
目の前に、クラスメイトの橘(タチバナ)さんと桃月(モモツキ)さんが、目の前にスッと現れ、ペチャクチャと喋り始めた。
「……裕人、何でそんなのと一緒にいんの?」
橘さんは、女子の中でもクラスの中でも中心的な存在で。
クラスの空気を操るのがとても上手い。
「今日は、一緒に遊ぼうよっ! 昨日は、ヒロちゃんを見つけられなくて誰かに取られる前に、予約しないとって」
桃月さんは、天然系ふわふわ女子。
そんな桃月さんだが、噂では“小悪魔系女子”らしい。あくまでも噂に好きないけれど……。
わたし達4人の間にピリピリしたような、もどかしくて痒い雰囲気が漂い始めた。
わたしが苦手なシチュエーションだ。
すると、沈黙の中。
秋坂くんがわたしの手を掴み、2人に見せつけるようにわたしの手の甲に甘ったるく口づけをした。
「そろそろ行こうか」
「うん、そうだね」
話していくうちに、わたしの敬語も抜けていき。
ちょっとずつではあるけれど、やっと自然体になってきたのがちょびっと嬉しくて。
思わず、口角から笑みを零した。
*
*
*
廊下を、2人でワイワイ喋りながら歩いていると。
目の前に、クラスメイトの橘(タチバナ)さんと桃月(モモツキ)さんが、目の前にスッと現れ、ペチャクチャと喋り始めた。
「……裕人、何でそんなのと一緒にいんの?」
橘さんは、女子の中でもクラスの中でも中心的な存在で。
クラスの空気を操るのがとても上手い。
「今日は、一緒に遊ぼうよっ! 昨日は、ヒロちゃんを見つけられなくて誰かに取られる前に、予約しないとって」
桃月さんは、天然系ふわふわ女子。
そんな桃月さんだが、噂では“小悪魔系女子”らしい。あくまでも噂にすぎないけれど……。
わたし達4人の間にピリピリしたような、もどかしくて痒い雰囲気が漂い始めた。
わたしが苦手なシチュエーションだ。
すると、沈黙の中。
秋坂くんがわたしの手を掴み、2人に見せつけるようにわたしの手の甲に甘ったるく口づけをした。
ほんと、誤字ばっか←
「秋坂くん……っ!?」
瞳を揺らしながら、じっと彼を見つめた。
本当に、何を考えているかわからない。
けど、少し嬉しかったのも事実で。
わたしのメトロノームのリズムが、どんどん速くなってくのを感じた。
ドク…ドクドク…ドクドクドクドク、という風に。
「可愛くない? 俺の彼女。ほら、頬がどんどん赤くなる」
「えっ、うう……っ」
2人の鋭く突き刺さるような痛い視線に、思わず顔を背けた。
「っそーゆーことだから」
今度は1オクターブ下げ、真剣な顔つきで橘さんと桃月さんを見つめる彼。
「鬱陶しい」
でも、次の言葉が耳に入った瞬間。
いつか自分への言葉になるんじゃないか、と想像している自分がどこかにいた。
「……最低」
「本当。もう教室に行こ」
2人はそう言い、立ち去ってしまった。
わたしの胸の中に残るのは、何とも言えない感情だけで。
1.莉嘉に好意を持つ男子が現れる
2.次第に、裕人の束縛は強くなっていく
3.女子からの嫌がらせが始まる
3.莉嘉が別れを切り出し、別れることに
4.だが、お互いに忘れることはできず、また付き合い始める
5.今度は、裕人の元カノ登場
6.いろんな手を使ってくる元カノ
7.裕人は、元カノの前で莉嘉の唇にキス←
8.元カノは、“絶対に幸せになれ”と言い、その件はおわり(
9.だが、そこで莉嘉の母親が男を家に住まわせる
10.その男は莉嘉に手を出そうとする
11.嫌になった莉嘉は家出し、裕人の家へ
12.二人は同居し始める
13.また愛を誓う()二人 ←でおわり
うはwwwww←
キモいな私…(
今は0かな( え
「……最低」
「本当。もう教室に行こ」
2人はそう言い、立ち去ってしまった。
わたしの胸の中に残るのは、何とも言えない感情だけで。
幸せのすぐ隣には、辛いことがあるんだと実感した。
*
*
*
夕焼け空が綺麗な、放課後。
意味もなく、廊下で静かに景色を眺めていたら。
「帰ろうか」
肩を叩かれ、振り返ると。そこには、やわらかく微笑む秋坂くんの姿があった。
本当に、優しいなあと思う。
けれど。
あの朝の件があり、どうしても少しためらってしまい。
でもやっぱり、一緒にいたいという気持ちの方が強くて。
ためらいなんて、すぐに消えていた。
――――それと同時に、辛いことの隣にはまた新たな幸せがあることを学んだ。
そして、わたしはそっと微笑み返すと、彼の横で歩調を合わせながら歩き出した。
「……最低」
「本当。もう教室に行こ」
2人はそう言い、立ち去ってしまった。
わたしの胸の中に残るのは、何とも言えない感情だけで。
幸せのすぐ隣には、辛いことがあるんだと実感した。
―――― ←↑→↓
夕焼け空が綺麗な、放課後。
意味もなく、廊下で静かに景色を眺めていたら。
「帰ろうか」
肩を叩かれ、振り返ると。そこには、やわらかく微笑む秋坂くんの姿があった。
本当に、優しいなあと思う。
けれど。
あの朝の件があり、どうしても少しためらってしまい。
でもやっぱり、一緒にいたいという気持ちの方が強くて。
ためらいなんて、すぐに消えていた。
――――それと同時に、辛いことの隣にはまた新たな幸せがあることを学んだ。
そして、わたしはそっと微笑み返すと、彼の横で歩調を合わせながら歩き出した。
◇
「秋坂くん……っ!?」
瞳を揺らしながら、じっと彼を見つめた。
本当に、何を考えているかわからない。
けど、少し嬉しかったのも事実で。
わたしのメトロノームのリズムが、どんどん速くなってくのを感じた。
ドク…ドクドク…ドクドクドクドク、という風に。
「可愛くない? 俺の彼女。ほら、頬がどんどん赤くなる」
「えっ、うう……っ」
2人の鋭く突き刺さるような痛い視線に、思わず顔を背けた。
「ま、そーゆーことだから」
今度は1オクターブ下げ、真剣な顔つきで橘さんと桃月さんを見つめる彼。
「鬱陶しい」
でも、次の言葉が耳に入った瞬間。
いつか自分への言葉になるんじゃないか、と想像している自分がどこかにいた。
◇
番外編 、 pf 01 。
Name → 柳 莉嘉 /やなぎ りか
Age&Birth Day → 17(現時点)、6月9日
済みません、今はまだこれくらいしか決まってないんです…!!笑
ふつつか者で、本当に済みませんっ △
ちなみに、小説の中では今は“2月3日(火)”となってます。
まだまだ未熟ではありますが、毎日更新を取り柄に頑張っていきたいと思います!
番外編 、 pf 01 。
Name → 柳 莉嘉 /やなぎ りか
Age&Birth Day → 17、高2(現時点)、6月9日
済みません、今はまだこれくらいしか決まってないんです…!!笑
ふつつか者で、本当に済みませんっ △
ちなみに、小説の中では今は“2月3日(火)”となってます。
まだまだ未熟ではありますが、毎日更新を取り柄に頑張っていきたいと思います!
いや、引き止めてよ。
行かないで! って。
「了解!」って言って欲しくなかった。
こんな私は、我儘ですか?
自分がいなくなっても大丈夫、って意味なのかな。
少しくらいは、「いてほしいけど……」みたいな言葉、欲しかったよ。
何も、そんな嬉しそうに言うことないじゃん。
って。
今日の私、今日可笑しすぎ。
私、歪んでんのかな。
番外編 、 pf 01 。
柳 莉嘉 /やなぎ りか
6月9日生まれ、17歳(現時点)。
趣味は音楽を聴くこと。
特技はイラストを描くこと。
済みません、今はまだこれくらいしか決まってないんです…!!笑
またお話が進んだら、改めて書かせていただきます。
ちなみに、小説の中では今は“2月3日(火)”となってます。
まだまだ未熟ではありますが、毎日更新を取り柄に頑張っていきたいと思います!
名前どうするか……。
案だそ。
あわいろ
泡
すず
もゆか
りゆ
咲
ちより
ちより にしよ。
くふふ←
いやー。
でも、「へえ 。」とかみたいに、句読点の前に空白を付ける奴なんなんだろ。
イミワカンネ(=^・^=)←
まあ、そっちの方が可愛いーとか思ってるんだろうな……。
黒歴史確定かもね……←
えっ!
18:00までメンテナスですか……
でも、気長に待とうっ
え、メンテ……
まだかな(´ `;)
終わったああああああ!←
カラフルデイズ ★☆★
あわ °
私の彼氏は、口下手で恥ずかしがり屋で。おまけによく照れる。
そして、失礼かもしれないが見た目は中の下くらい。
世の中は、イケメン好きとか、見た目重視とか。
バカみたいとせせら笑いながらも、どこかでは憧れていて。
私の彼氏は、口下手で恥ずかしがり屋で。おまけによく照れる。
失礼かもしれないが、見た目は中の下くらい。
世の中は、イケメン好きとか、見た目重視とか。
バカみたいとせせら笑いながらも、心の片隅では自分も同じようなことを考えていて。
何度、自分のことを「最低」と責めたことか……。
でも、私は嘘をついていた。
彼と別れたい、離れたいという気持ちに。
第一章 タイムマシン
「……何なの? これ。ヘッドフォンにしか見えないんだけど」
私は、ただ単に思ったことを質問をした。
そりゃあ、普通のヘッドフォンだったらただじゃおかないし。
――「これはな、率直に言うとタイムマシンだ」
「……へ!?」
思わず目を丸くした。
こんな頼りなさそうな祖父が、タイムマシンなんて物、作れるわけがない。
それも、1人で。
「実はな、小さいが右側にマイクがついてるんだ。
それでな、俺が使ってみたらよぉ、なんか変なところに通じちまって……」
はあ!? と、外で声を荒らげている風に負けないくらい、私も声を荒らげた。
私のいない間にこんなことをやってたのか……と驚きつつも、話の続きを求めてしまう自分。
祖父は、「まあ見てろ」と言い放し、ガラスの扉を開けてそのヘッドフォンをそっと取り出した。
「ちなみに、これで音楽を聴いたりすることはできん。
コードのような物は付いてるが、単なるカモフラージュだ。差し込んでもいいが、音はヘッドフォンからは出ないからな」
なんだよもう、優し過ぎる……。
その優しさに溺れそうになりながら、祖父の方をじっと見つめた。
「まあ、堅苦しい説明は省いて……。ここからは実践してみるぞ!」
「うん、わかった!」
私達の弾んだ声が、部屋中に強く高く響いた。
きみの手のひらの上に 僕の手のひらを重ねてみた
なんとなく伝わる ぬくもりが 命を感じさせた
「……無理だよ、無理」
結局、あたしが行った先は、幼馴染の涼介のところだった。
涼介は、あたしの方へちらりと視線を向け、クスクスと小さく笑っている。
本当、優しくない奴。
「じゃあ、寄り道して帰ろうか?」
「1人でどうぞー」
なげやり気味な返事をして、歩調を少し速めた。
はあ……。という溜め息の音も、「待ってくれよー」という緩い声も、ガン無視で廊下を歩いていく。
そのせいで、気づいた時にはもう涼介の姿はどこにもなかった。
「まあ、いいや」
ほつりとつぶやくと、そよ風の行進隊に紛れながらかろやかに歩き始めた。
涼介がいないと結構のんびり歩けていいな……、なんて思いながら、校門を潜った。
「あれ、2年の友田さん?」
そこには、にこりと微笑む大好きな先輩の姿があった。
「あ、いや、先輩何やってるんですか……!? こんなところで!!」
「いや、これから帰るとこだけど」
「……ハッ、そうか。そうですよねー」
純愛最高。←
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みらくる探偵団!〜【猫探し】の巻〜
みらくる探偵団!〜【ソラが行方不明!?】の巻〜
みらくる探偵団!〜【ちいさな依頼者】の巻〜
みらくる探偵団!〜【怪盗現る!】の巻〜
よっし。
子供向けに見えて、意外と面白いのべるを作ってやる!←
主な設定
倉本 マコ (くらもと まこ)
主人公。みらくる探偵団、団長。
ずば抜けた能力があるわけでもなく、魔法が使えるわけでもなく……。
ただ、友達思いの(まあまあ)優しい女の子。
水城 ソラ (みずき そら)
みらくる探偵団、副団長。
逃げ足がとても速く、嘘をついたり話を考えたりするのが上手い。
ときどき毒舌になる、プライドの高い女の子。
杏 ルル (あんず るる)
みらくる探偵団、団員。
なぜか、花と話ができる。運動は苦手だが、歌うことは得意。
天然で、マイペースな女の子。
主な設定 II
商店街
爆笑食堂 (ばくしょうしょくどう)
寿司やらケーキやら、和菓子やら……。
いろんな物を食べることができる。
ただ、試作メニューがいつも変。そのため、毎回毎回ボツになる。
ネガティブショップ
ネガティブになれるアイテムが、たくさん売られている。
そして、店長が無料でうらないをしてくれるというサービスもある。
主な設定 II
商店街
爆笑食堂 (ばくしょうしょくどう)
寿司やらケーキやら、和菓子やら……。
いろんな物を食べることができる。
ただ、試作メニューがいつも変。そのため、毎回毎回ボツになる。
ネガティブショップ
ネガティブになれるアイテムが、たくさん売られている。
そしてなんと、店長が無料で占いをしてくれるというサービスもある。
キラキラ服屋(きらきらふくや)
『キラキラ服屋』という店名の割には、そんなにキラキラしていない。
かと言って、キラキラした服が売られているわけでもない。
1階では女性用の服、2階では男性用の服、3階ではクレイジーな服がたくさん売られている。
――――――
100: 譜 ◆V2:2015/05/10(日) 20:43
トリップなんだったっけ←
まあ、いいや。←
「記号と打つと、―(ダッシュ)が出る」
メモメモ((