下弦の月

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1: ◆m0KI:2009/05/26(火) 21:23

◆ある女性の追憶◆

2: ◆m0KI:2009/05/26(火) 21:34

1970年2月寒い冬の日

2500gで彼女は生まれた

命名は「希美香キミカ」

希美香には7歳年上の兄が居た

名前は「和希カズキ」

和希は小さな妹を溺愛していた

3: ◆m0KI:2009/05/26(火) 21:38

平凡で穏やかな日々が流れていた

縁側では和希が希美香に絵を教えたり積み木で遊んだりしていた

父も母も二人の仲良し姿に幸せを感じていた

4: ◆DZqM:2009/05/27(水) 13:25

希美香6歳

いつもの様に
父親は晩酌をする
「あなた今日は飲みが少ないわね」
母親が尋ねると
「うん何だか変な気分だ」と答え
父親は布団に入った

深夜、母親の悲鳴がしたので
和希と希美香が寝室を覗くと

錯乱している母と
苦しくて吐いてる父の姿があった

和希は慌てて希美香の目を両手で押さえた

救急車を呼んだが父親は既に亡くなっていた
脳の病気だった・・・

希美香の記憶には
父親が苦しんでる姿
棺桶に入っている姿
母親の泣いてる姿
和希が泣くのを我慢してる姿だけが鮮明に残った

5:匿名さん:2009/05/27(水) 14:17

小学校に入った希美香は
心ない子供逹に「母子家庭、貧乏」と罵られた

和希は中学生になり段々性格も変わり荒れ始めた

母親は二人を育てる為、朝早くから働き夜は飲み屋で働いた

6: ◆m0KI:2009/05/27(水) 16:12

和希は単車を盗んだり恐喝したりの毎日で家に帰って来なくなった

希美香は誰も居ない家でテーブルに置かれてある1000円で毎日孤独に過ごしていた

母親は毎回違う男を連れて帰ってくる様になり

希美香の居場所さえ与えない生活になって行った

希美香はそんな生活に慣れ過ぎ、何が良い事で何が悪い事なのか、次第に分からなくなっていった

7: ◆m0KI:2009/05/27(水) 16:40

希美香・中学時代

母親はアパートを借り出て行った

希美香は毎月送られてくる金と母親の男(妻子持ち)を脅して金を貰っていた

学校ではヤンキー仲間と暴れたり他校の奴と喧嘩ばかりしていた

類は友を呼ぶ
その言葉通り仲間とは悪い事ばかりしてた

希美香はそれが本気で楽しかった仲間と居る時間だけが希美香が生きてると感じられる時間だった

その頃、和希は落ち着いて居て自分でバイトしながら美容師を目指していた

希美香が荒んでいる事も知らずに・・

8: ◆m0KI:2009/05/28(木) 14:20

希美香は傷害事件で捕まった
捕まったのは初めてだったので家庭裁判所で書類を書くだけですんだ

色んな出来事があったが中学3年になり進学が就職か決めなきゃならない時がきた

学校側からは進学は無理、内申書が悪すぎると言われ進学は諦めた

希美香は兄が卒業した美容専門学校を選んだ

仲間と離れるのは辛いけど自分を見つける為上京する事にした

試験は1月
無事合格した

みんなより早く進路が決まったから希美香は学校に行かないで遊んでばかりいる日々を過ごしていた

9: ◆m0KI:2009/05/28(木) 15:01

中学卒業式前日
希美香は仲間の家で酒盛りをしていた

卒業式に出る気がなかったからだ

しかし先輩に居場所がバレ殴られた
「卒業式くらい出ろ最後くらいケジメつけろ」と言われた

二日酔いの状態で朝起き
化粧して最後の制服に着替え学校に行った

一人一人名前を呼ばれ卒業証書を受けとる

そこには希美香の名前は無かった

みんな泣いている
親も担任も泣いている

希美香は親も来ないから泣きもしなかった

式が終わりみんなは教室に
希美香は校長室に呼ばれた
そこには兄和希と校長と生活指導の教師がいた

希美香はそこで校長から卒業証書を受け取った

生活指導の先生に「希美香こんな形ですまない何もしてあげられなくてごめんな」と泣きながら言った

呆然としてる希美香の頭を和希が押さえ頭を下げさせ「ありがとうございました」と和希が言った時
希美香は泣いた

そのまま教室には行かず
和希の車で家に帰った

和希は家の中に入り唖然
希美香の生活がどんなに荒れていたか知った

10:匿名さん:2009/06/17(水) 13:54

和希は黙ったまま
希美香の荷物をまとめた・・

希美香は心の中で「ありがとう」って何度も言った

11: ◆e0RQ:2009/06/17(水) 14:00

専門学校に入った希美香が最初にした事は
喧嘩だった・・
専門学校は色んな県の人が居て
当時はヤンキー学校だった

希美香は1年間の間に3回謹慎をくらった

夏休み前には希美香にも仲間が出来た

この仲間が居たから退学しないで無事専門学校を卒業出来た。

12: ◆x7X6:2009/06/17(水) 14:17

希美香16歳(早生まれ)
みんなが高校2年になった歳に
希美香は美容店に就職

アパートで一人暮らしを始めた
一人暮らしは慣れていたので問題はなかった

ある日・・
仲間に用事があったので公衆電話で話していると・・
周りに気配を感じた
見てみるとパンクの兄ちゃん達に囲まれていた

気が強い希美香は「何だよ?電話使うの?」とたずねた
パンクの兄ちゃん達は、希美香が電話をかける時から
見ていたらしく希美香に
「・・何で電話に金入れないで喋ってるのか不思議なんやけど」

希美香は公衆電話(当時は黄色)に小細工をして
使っていた・・やり方は禁句

パンクの兄ちゃん達と話してるうちに仲良くなり
仕事終わったら遊び数時間寝てまた遊ぶの繰り返しの日々を過ごしていた

パンクの兄ちゃん達はライブハウスで演奏していた
「希美香も見においで!」って言われイヤイヤ見に行った

普段の兄ちゃん達しかしらなかった希美香は
演奏してる兄ちゃん達を見て泣いた・・遠くに感じたからだ

ファンの子達に言わせれば
「私生活を知ってるなんてズルイ」みたいに言われたが
気にもしなかった・・・

それ以来希美香はライブには行かなくなった

13:匿名さん:2009/06/28(日) 16:49

それから2年後
希美香は仕事を辞め地元に戻った
仕事を辞めた理由は和希が店をオープンする為
店が出来上がるまで地元でのんびりしたかったからだ

地元に居たのは半年間
その間仲間と遊んだ・・
彼氏も半年の間に3人と付き合った

仲間は薬物中毒の人やチンピラや・・様々な人達が居た

14:匿名さん:2009/06/28(日) 16:54

散々遊んで
兄和希の店も出来上がったので
東京に引っ越した

和希は結婚して男の子が出来た

店やりがら妻と子供が店に毎日遊びに来ていた
和希はとっても幸せそうだった

15: ◆ZVak:2009/06/28(日) 17:05

希美香18歳
店が終わるとパンクの兄ちゃん達と遊んだり
飲み屋でバイトしながら自分なりに楽しんでいた

ある日希美香のアパートの電話が鳴った
中学の時の2歳年下の男(K)からだった
Kと話すのは何年ぶりだったか・・
Kは少年院から出てきたばかりで
まだ保護観が付いていた

数日後Kが遊びに来た
そして・・Kは帰らなかった
希美香の紹介でKは運送屋で働く事になった
同棲開始

月に一回は二人で地元に帰り保護観の所に行き
どんな日々を過ごしているか報告した

16: ◆ZVak:2009/06/28(日) 17:18

希美香20歳  K18歳
二人は子供が欲しかったが
同棲初めて2年たっても子供は出来なかった

仲間にも相談して「子供は諦める、でも結婚式位はしたいな」って
話をよくしていた

実際当時の二人の給料は
希美香=美容師24万+飲み屋12万=36万
K=運送業37万

二人合わせて73万
充実した生活が出来た

結婚式の話になり
Kの親は・・Kを息子と思ってないので無関心
希美香は母は男に夢中で好きにすれば・・の一言
和希は「店もあるけど妻に手伝わせるから希美香の自由でいいぞ結婚しろ」
と言ってくれた

しかし・・結婚式やっても親族が来ないなんて・・
普通じゃない事くらいわかってた

だから二人は結婚式をする事を止め
籍だけ入れた

17: ◆ZVak:2009/06/28(日) 17:39

仲間にも式をやらないと報告した

数日後、仲間から電話が来て
「たまには帰っておいで〜みんなで集まろう」誘いの電話

いつもの様に溜まり場だった店に行くと「close」の看板
でも中ではバタバタ人が動いて居る

取りあえず中に入った
そしたら仲間と店長が「準備中だからカウンターでカクテルでも飲んでて」
って・・?????

出されたカクテルを3杯飲んだ時
仲間が呼びに来た
「Kはこっち」「希美香はこっち」
別々の部屋に通された
部屋に入ると女仲間3人が居て鏡の前にはウエディングドレスが掛かって居た
「希美香がこれ着るんだよ・・今から仲間だけの結婚式するからね」って
ビックリしたのと感動で泣きそうになった
でも綺麗で居たいから泣く事を我慢した

着替えも終わりKが部屋に来た
「なんか震えるよな・・」と言った

仲間が呼びに来て扉の前に立たされた
扉が開いた瞬間仲間のピアノ演奏が始まり
希美香とKは頭を下げ中にゆっくり入った
そこには50人以上の後輩や先輩や仲間が居た

二人とも泣いた
泣きながら席まで歩いた

仲人役は先輩夫婦がやってくれた

ウエディングケーキもあり
キャンドルもあり
余響もあり

泣きっぱなしの式になった

希美香もKも最後に泣きながら挨拶をした

総額いくら掛かったのかは分からないが
みんなで金出し合ってやってくれた結婚式
世の中の誰よりも幸せな日になった。

18: ◆ZVak:2009/06/28(日) 17:53

数ヶ月後
希美香に異変があった生理が来ない
吐き気もする
もしや?と思い病院へ行った
「赤ちゃん居ますよ」と先生の言葉に嬉しくて泣いた

2年出来なかったから諦めていたので
Kも、すごく喜んだ

希美香は夜のバイトは辞め臨月になるまで
兄の美容院で働いた

冬・・
陣痛が来たでも予定日より2週間早かった
病院に行き破水したけど子供は中々出て来ない
微弱陣痛で希美香の体力にも限界が来ていた

病院に行き破水してから11時間10分
吸引分娩で出産!赤ちゃんは仮死状態だった

でもその後の処置で回復2852gの女の子が産まれた

名前は二人で前から決めていた『優希』に決まった


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