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1:キセイア:2009/10/20(火) 20:21

ちょっと場違い…かもしれませんが。
部活を引退して書くところが無くなってしまったので、ここでちまちまとやろうと思います。

2:キセイア:2009/10/20(火) 21:42

春は嫌い。

別れの春、出会いの春、変化の春…どれもこれも、全てが私を苛立たせる。

わざわざ物事に節目を付けたいだけじゃないの、と一人ごちてみた。
しかし、部屋の寝台の上に丸まったままでは、何を言ってみても何をしてみても、何も反応は帰って来ない。

そろそろ起きなければ。

頭ではそう理解しているはずなのに、身体がそれを拒絶する。
先ほどまでは何ともなかったはずの頭が鈍く痛み始め、下腹部にも痛みが広がった。

私は深く溜め息をつき、再び布団に潜り込んだ。

3:キセイア:2009/10/24(土) 18:28

「美雨、また休むつもりなの?」

キィと小さな音と共に、母の声が部屋に響いた。この数ヶ月で幾度と繰り返し耳にしている言葉に、布団を頭の上まで引き上げる。

「今日は昼頃にお隣さんが…」
「…体調、悪い」
「…毎日そう言ってるでしょ。」

母の言葉を遮るように声を上げると、母の口から落ちるのはいつもの一言。

「…行きたくないのなら、学校なんて辞めなさい」

もはや私の事は諦めたように嘆息した母は、そう言い残すとドアを閉める。再び部屋に静けさが戻った。

また、理由を言えなかった。

ぽつりと呟いてみても、その声に答える者は居ない、

…否、居なかった。

4:キセイア:2009/10/29(木) 19:47

「なら引き止めればいいのに」

唐突な声と共にした、窓の開かれる音。
驚きながら布団から顔を出すと、隣の窓からひとりの少年が顔を覗かせていた。

活動的な服装に、太陽を通して光っているように見える、透き通るような黒髪。

どれだけ記憶を総動員しても、この子に対しての知識は、ない。
つまりは初対面だ。

5:キセイア:2009/11/09(月) 17:19


しばらく目を瞬かせてその少年を見ていたが、それ以上は何も言わない。

「…誰、ですか」

母を呼ぶことも出来た。
不法侵入、と相手に叫ぶことも出来たはずだ。

でも、私にはそれだけの感情が湧かなくて、それだけを喉から絞り出すのが精一杯だった。

「ん? 僕はね、」

そこで一旦言葉を切った彼は、先程侵入してきた部屋の窓枠に手をついてしゃがんだ。
答えを急くように布団から身を乗り出した私をちらりと見ると、満足気に口角を上げる。

と、その体勢から外に向かって飛んだ。

「…すくにわかるよ!」

そのまま難なく地面に着地をした彼は、私を見上げて悪戯が成功した子供のように笑うと、その場から走って行ってしまった。

6:キセイア:2009/11/09(月) 17:37

すぐ、ですね。誤字ですみません。

何かおかしなところや表現で気になった点などがありましたら、参考にしたいので良かったら言ってください。

7:クルゼット:2009/11/11(水) 22:20

はじめまして!クルゼットと申します

えっと、小説板のスレはほとんどすべて読ませてもらってますが
ちょっとここにお邪魔させていただきます。よろしくお願いします!

挨拶はここまでにしまして・・・
この小説の第一印象はなんといっても主人公の美雨sの感情表現です!
俗世間の言うすべての「春」に苛立つ、というのがうまいなぁ、と
他にもいろいろありますが・・・

えっと、これからも更新楽しみにしてます!

8:キセイア:2009/11/13(金) 22:00

クルゼット様、初めまして。感想をありがとうございました。
季節をテーマにして書こうと思ったんです。
部活で夏についての散文を書いたのですが、やっぱり無難でありがちではあるけど…ありがちだからこその広げやすさというか。
だから、春についての感想をいただけて嬉しいです。

私の主義というか癖で、登場人物の名前や情報をわざとらしく、浮かせて書くことはしたくないのでしばらく誰が誰なのかが分からなくなるかもしれません。
そのときは指摘してくださると助かります。

それでは、一旦この辺で。

9:キセイア:2009/11/19(木) 18:23

思わずとっさに伸ばしてしまった手が行き場を失って固まった。しばらくさ迷わせてからゆっくりと下ろす。
そのまま茫然と下を眺めていると、後ろでドアの開く音がした。

「何…今、誰か居なかった?」
「そんなことないよ」
「あなたが珍しく窓を開けているから、てっきり。…じゃあお母さんは、お隣に挨拶をしに」
「私も行く」

ドアの隙間から覗いた母に顔を向ける。
こちらを伺うように見ていた母の目が丸くなった。

「え?」

今まであれほど言っても部屋から動かなかったのに。

母の目がそう言っているように見えた。
いつもの私の態度から考えれば、それも仕方のない事だろう。

先に玄関に行っているから、と告げて部屋から去った母をちらりと見てから、しばらく開けていなかった洋服棚の中を漁り始めた。

10:キセイア:2010/02/06(土) 19:37

いつの間にか埋まってる…というかそもそも年越し初って何だこれ(何)
次レスから続きです。

11:キセイア:2010/02/06(土) 19:48

階段の手すりに手を乗せた所で、玄関口から人の話し声が聞こえた。
階段を降りながらそちらに目をやると知らない人と母が話している。大方、引っ越して来た家族が挨拶周りにやって来たんだろう。

出来る事なら下に降りるまでは見つかりたくない私は、なるべく足音を殺して歩を進めた。
階段から小さな音が断続的に響く。

外から聞こえる声に耳をすませつつの行動だったからか、後一段という所で相手方の奥さんと目があった。

「あら…此方のお嬢さんですか?」

私が目で会釈する暇も無く母に訊ねる。
母がこちらを向くのを筆頭に皆が視線を寄せて来たので、半ば開き直った様に母の隣に寄った。

「はい…初めまして、美雨です」
「初めまして、中村です。以後よろしくね?」

頭を下げた私の頭上からは朗らかに笑う奥さんの声。
直ぐに顔を上げて、つられるように笑い返した。

隣に立っていた中村さんが、私達の様子を見てからそういえばと前置きをして口を開いた。

「家にも一人、息子が居るんですよ」

12:キセイア:2010/03/19(金) 02:08

「へぇ…そうなんですか?」

この場には中村さん夫妻しか居ないから、まだ子供が居ないのかと思った。
私みたいに、家から出たがらない子供なのか。

「ええ。この春、高一になるんですよ」
「今日だって、挨拶回りをするって言ったのに何処かに行っちゃって…」

奥さんが呟きながら、困った様に頬に手を当てる。
そのまま数秒の沈黙が降りた所で、不意に二人の表情が安堵のものへと一転した。

奥さんが私の背中越しに視線を遣りながら口を開く。

「律、何処に行ってたの? 今日は挨拶回りをするからって、あれだけ言ったのに」

僅かに叱責を含んだ声音にも怯んだ様子は無く、背中から答える声がした。

「近くの公園の桜が綺麗だったんだよ、思わず魅入っちゃってさ」

耳朶に飛び込んで来たのは数分前に聞いた声。
反射的に振り返ると、今朝の"不法侵入者"が視界に映った。

13:キセイア:2011/02/25(金) 18:02

一年近く空いてしまいましたが、また続きをぽつぽつ投稿していきたいです。
それぞれ似たような小説ばかりが前に沢山あったので、もう流れてしまったのかとも思いましたが…

上げはルール違反かもしれませんね、すみません。


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