スイーツ

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1:匿名様 ◆99Sw:2010/06/30(水) 21:40

僕は一人の女性に恋をした。
彼女は僕にとっては高嶺の花のはずだった。
容姿、家柄、立ち振舞いと、全てが僕では釣り合わないが惚れた腫れたはなんとやらと言って気持ちを抑える事は出来なかった。
彼女は分け隔てなく爽やかな微笑みを振る舞う。
彼女の容姿は勿論の事、才覚、家柄などの彼女の意志ではいかんともしがたいことさえ妬み嫉みの対象となっていた。

2:匿名様 ◆99Sw:2010/06/30(水) 21:56

彼女はそんな負の感情をぶつけられても、気丈に振る舞い、言い返すこともなくただただ耐えていた。
僕は両親にそのことを話すと、立派だと彼女を褒め称えた。
父は僕に彼女が羨ましいと訊ねる。
僕は羨ましくないと答えた。
父はなぜかと問う。
他人の羨ましい部分はその人の努力や苦労に寄る部分が多く、その人の苦労を請け負うぐらいの覚悟がなければ妬む資格が無いと僕は答える。

3:匿名様 ◆99Sw:2010/06/30(水) 22:30

父はそうかと頷き、僕は部屋に帰された。
翌々日、彼女から電話が掛かってきた。
話したこともない憧れの女性。
重要な話があると彼女の家に招かれた。
外から見ると普通の一軒家だが、中に入ると幻想的、いや厳かというべき雰囲気が漂っていた。
客間である和室に僕は招かれ、彼女を待った。
慣れない正座で待っているため、僕の足は限界を迎えていた。
和室にしずしずと入る彼女の様子は足の痺れを忘れさせるほどに僕を釘付けにした。
彼女は僕の向かいに座り、丁寧にお辞儀をして、挨拶をする。
僕もつられるようにぺこりとお辞儀をした。

4:匿名様 ◆99Sw:2010/06/30(水) 22:39

動いてしまったので足の痺れを思い出した僕は倒れそうになってしまった。
彼女はくすくすと笑い、足を楽にと促した。
僕は足を伸ばさせてもらい、痺れがとれたところで胡坐をかき、彼女と向かい合った。
彼女が言うには、僕と彼女は親どうしが決めた婚約者。つまるところ許婚というやつらしい。
そこまで説明したところで、彼女は赤面し、黙ってしまった。

5:匿名様 ◆99Sw:2010/06/30(水) 23:01

長い長い沈黙の時が流れる。
沈黙を破り、彼女がか細い声で伝える。
彼女の家のしきたりで娘は十九までに許婚と婚姻を結ばなければならないと。
僕らは十八。法律上はなんら問題はない。
しかし、彼女の気持ちもあるが、働き口の無い僕では彼女を養う事が出来ない。
いや、彼女の気持ちを無視した行動は僕自身のプライドが許さない。
だから僕は彼女に確認する。

6:匿名様 ◆99Sw:2010/07/01(木) 13:32

生涯の伴侶が僕で良いのかと。
彼女はこくりと頷き、顔を更に赤らめる。
彼女の意志は固く、僕は彼女の婿となる決心した。
本当に僕で良いのかと再度問うと、彼女はこくりと頷いた。
そこで彼女の目に涙が浮かぶようなことがあれば即座に蹴るつもりであったが、彼女の優しい微笑みが答えだと判断した僕はこの話を受け入れた。
縁談がまとまったところで両家の両親が刺身や肉など豪華な宴会の準備をはじめ、僕らは和室から追い出されてしまった。

7:匿名様 ◆99Sw:2010/07/01(木) 14:11

彼女は僕を家から連れ出し、近くの喫茶店に入った。
運の悪いことに僕は友人と出会ってしまった。
彼は彼女を見て、驚いた。
彼女と僕の関係を聞く。
彼女は「旦那様です。」と即答する。
彼の顔が青ざめる。
渇いた笑いでその場から立ち去り、自分の席に戻る。
彼女は僕の意を介さない様子で意見を求める。
神道で行うか、仏式で行うか、教会で行うか。
彼女の姿にはウェディングドレスが似合うと考えた僕は教会でと答えたが、彼女は式は教会で、披露宴は仏式。
神社にはお世話になった神主が居るらしい。
どんな答えでも結局教会、寺、神社を回らなければいけず、舌を子供のように出し、笑っていた。


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