もう一度だけ 走らせて――――

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1:レンナ ◆VQmQ:2010/07/03(土) 14:09

ここはごくごく普通の学校である。
だけども、この学校にはとある秘密があった。

そう、ここは異次元、否、異界へと繋がる学校なのだ。

時折、そこからの転校生や、この世界に居る異界の者達も来る。
しかも、極めて悪魔や魔女率が高い。
魔系の者が来るのは少し危険である。
だけどそれを気にせず学校へと行く者達。
実際、人間に危害を加えたことは一切ない。
なぜなら、彼らも人間を信用しているからである。
しかし人間界に来る際に、彼らにはとあるルールが課せられていた。
それは、

“移動は、飛ぶことはもちろん、走ることも禁止。ただし、走ることは一部のイベント、授業では許可するが、本気で走ってはいけない”

というもの。
走ることを罰された彼らは満足に遊べず、ほぼ何もできなかった。
もともと、彼らは本気で走ることしか知らなかった。
だから、彼らにとっては十分の苦痛でもある。


そんな中、今日も安らぎをもたらす時間の、終わりを告げるチャイムが鳴った

はたして彼らはどんな風に生きてゆくのか。



それは運命と神のみぞ知る―――――――

2:レンナ ◆VQmQ:2010/07/03(土) 14:25

私は走りたい。
この空を駆けてみたい。
だけれども。
ここ、「鈴羅木学園」では私達にはルールが課せられている。
“移動は、飛ぶことはもちろん、走ることも禁止。ただし、走ることは一部のイベント、授業では許可するが、本気で走ってはいけない”
というもの。
イベントや授業で走るのが許されても。
私達は本気で走ることしか知らないの。
だから、異界に戻りたい。
お願い、


もう一度だけ 走らせて――――


もちろん、本気で…!

…そんな事を思っているとチャイムが鳴った。
朝の授業の始まりだ。
HR?そんな物、この学園にはない。
朝はとことん遊ばせて、授業の時間を増やしているのだから。
でも、授業も退屈ではない。
私達にだってわかりやすくなるよう、なおかつ楽しませてくれる。
私は歴史が一番好きだ。
人間の世界の歴史をよく知れる。
でも、体育は大嫌いだ。
本気で走れないマラソンやリレーなんて、つまらなさすぎる。
そう考えていると、隣の席の子が話しかけてきた。
名前…なんだったかしらね。

「あのさ、貴女の名前、なんていうの? 私は、桜紗舞羅って言うの。」

おうさ…まいら?
珍しい名前ね。
…まぁ私も人の事言えないけど。
とりあえず、その舞羅って子に返事を返す。

「え、あ、私は…、世界、紀新だけど…。」

……。
返事に少し戸惑ってしまった。
笑われていたらどうしよう…。
とりあえず、この名前、世界 紀新(せかい きあら)だけは名乗っておいた。

3:レンナ ◆VQmQ:2010/07/03(土) 14:36

「そう…。素敵なお名前ね。……私より綺麗な銀髪、…。」

舞羅はそう言うと微笑んだ。
最後に銀髪が綺麗、と言われた。
…あまり褒められたことのない銀髪を綺麗、と言ってくれたのが嬉しかった。
彼女の銀髪も十分美しいだろう。
ほんの少し水色がかった銀が、蛍光灯の光で輝いて綺麗だった。

「素敵じゃないわ。貴女の銀髪も綺麗よ。水色がかった銀色を、あえてショートヘアにしているのがとても素敵。」

そう言って微笑んでみせる。
舞羅は、少し驚いた表情をすると、笑顔で返してくれた。
「ありがとう」と言いながら。
舞羅のハイライトの無い青の瞳からは信じられないほど綺麗だった。
こんなことを言ってしまっては彼女に申し訳ないが…。

4:レンナ ◆VQmQ:2010/07/04(日) 00:28

その会話を目撃していた、後ろの席の姉弟らしき子たちが話しかけてきた。
…担任が来てないからって、こんなにも話しかけられる?

「えーと、紀新ちゃん、よね…? 私は道化奏って言うんだけど…。よろしく、ね?」
「紀新ちゃんだよね? 僕は道化馨って言うんだ。よろしくね!」

この仮面をつけた姉弟、どうやら道化(みちばけ)奏(かなで)と馨(かおる)と言うらしい。
…流石苗字にあるくらいの道化師ね。
素晴らしいくらい無表情だわ。
おかげで、全く感情が読み取れない…。
厄介ね。
見たところ、普通の人間じゃなさそうだわ。
ある程度の魔力を感じる…。
そんな事を思い浮かべていると、前の二つの席からまたもや話しかけられた。
……こんなマンガみたいなこと、あり得ないわ…。

5:レンナ ◆VQmQ:2010/07/05(月) 18:46

双子だった。
片方はやけに大人びて、何かを悟ったような雰囲気だった。
もう片方はかなり幼くて、何も知らないような子だった。

「ねぇ、貴女の名前…、」
「なんてゆーのっ?」

幼い方の少女は笑顔で話しかけてきた。
うん、子供らしい純粋な笑みは良いなぁ。
双子の薄紫の、腰ぐらい…、までの髪がとても綺麗だった。

「あ、名前言うの忘れてたね!私は実音!」
「私は真音よ」

みの、ん?
それと、まのんって言うの?
頭文字の漢字だけ取ると、「真実」、になるけれど…。
意味、あるのかしら?
まぁ、この双子を見ていてわかったのは、性格が正反対、真音が姉らしい、ということだった。
それにしても、この双子、何かのマンガで見たことあるような気がするのは気のせいかしら?

6:シエスタ410 ◆VQmQ:2010/07/11(日) 00:36

…会話を一通り終えると、教師が入ってくる。
担当が歴史の、「九尾 狐灼」だ。
名前が日本の妖怪と被ってるけど気にしない気にしない。
とりあえず、授業を真面目に受けねば。

――――――――――

授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
あぁ、やっと終わったわ。
今日も楽しかったわね。
いろんな人間の歴史が聞けたわ。
…授業中全く関係ない話で妖怪の話もされたけど。
まぁ、それはとりあえず置いておき。
次の時限――音楽の準備をしてから音楽室に行かなければ。


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