題名が決まって無い(´・ω・`)小説

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1:山子 ◆Ax12:2010/07/21(水) 15:23

気軽に進めていきます。

2:山子 ◆Ax12:2010/07/21(水) 15:41

夏の空に、思うことはただ一つ。
――あの子に、もう一度、会いたい。

小鳥のさえずりのように笑いあって遊ぶ子供たちの声。
太陽の輝きに負けじと、咲き誇る向日葵の群れ。
小川のせせらぎとセミの鳴き声。
透き通る青空。

誰も知らないような森の奥深く。
頑丈に生えた枝に座り、その様子を眺める少女がいた。
腰まで伸びた艶のある黒い髪。
空と同じ色をした瞳。
白い浴衣。
彼女はここで、ずっと待っていた。
とある少女を。

―――五年前。
星が満点に輝く夜空。瓦屋根の大きな民家の前を通った少女・夕夏(ゆうか)は、
星空を見上げながらしばしぼーっとしていた。
「――なぜ妾だけがこのような姿に…面妖と言われても否定できん」
夕夏は自分の掌を見ながら、ぽつりとつぶやいた。
無理もない。彼女はみかけこそ若く見えるが、実際は400歳を超えた存在なのだ。
「同じ村の情景は疲れた。人々は不変を願うが、不変など苦痛なだけで何も取り柄がない」
はぁ…と溜息をついた。その時。

「誰?」
背後から声がした。民家の障子からだった。
夕夏はびっくりして振り向き、声のした方向を見た。
茶色いショートヘアの女の子が、眠たげな眼でこちらを見ている。
「何してんの?」
夕夏の方を見ながら、少女は言った。
夕夏は驚きの表情を隠しつつ、睨みながら返した。
「おい、小童。妾が見えるのか?」
「かっぱ?私、かっぱじゃないよ」
とぼけたような声で夕夏の質問に答える(?)少女。夕夏は声を荒らげながら、
「小童といったのだ!こ・わ・っ・ぱ!妾が見えるのかときいとる!」
夕夏のどなりに引きながらも、当たり前のように少女は言う。
「?見えんだから話しかける。当たり前じゃない?で、カッパさんは何しに来たの?」
「カッパじゃないわっ!よいか、妾はな、この土地の土地神なのじゃぞ!」
「?トチガミ?折り紙じゃなくて?」
夕夏の言葉に、真剣に取り合う気の全くない少女。
夕夏は大きくため息をつき、少女を睨み、言った。
「で?そちの名前は何と言う?無礼者だが名前は聞こう。妾は優しいのじゃ」
「?私?私は弓夏(ゆか)!香西弓夏っていうんだ!折り紙さんは?」
「土地神じゃ馬鹿もの!夕夏という。お主と名が近いな」
夕夏がそう言うと、弓夏は花が咲いたように喜び、笑った。
「本当だね!よろしくね、夕夏…さん!」
「ふむ、よろしく、弓夏」

とある年の夕夏の夏。はじまりは、ここからだった。


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