試験的にちょっと恋愛小説書いてみる。

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1:クロウ:2010/11/01(月) 22:42

はじめまして。クロウと言います。
下手っぴですが、適当に読んでいってください。

2:クロウ:2010/11/01(月) 22:59

彼はバスケットボール部に所属していたが、家庭の事情を理由に辞めてしまった。

彼にはあかりという母が居たが、父親の死去と共に失踪。

彼の妹は中学生ながらも酒に入り浸り、徘徊を繰り返し、何度も補導されていた。

彼がバスケットボール部を辞めたのは妹と二人暮らしという金銭的な理由からだった。

「兄貴、酒買ってくっから戸締まりよろしくー。」

彼女を止めることは彼には出来ない。

彼に出来ることは生活費を少しでも多くするためにアルバイトをすることだけだった。

彼はまだ高校生。

中卒では雇ってくれる企業も無い。

3:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/18(土) 01:29

何年か前の視界を思い浮かべる
家の扉を開け、出した言葉は廊下を通り抜け消えていった
呼んでも木霊すら返ってこない我が家に背筋は冷たくなった
「母さん?」
父が亡くなり母は狂ったように毎日泣いた
涙は枯れないのか、母の体内の何パーセントの水分が抜けてるのか、間抜けな思考を巡らせて俺は悲しみから逃げた
ずっと後悔しといた
あの時母の気持ちを共有して、共に立ち上がれば良かったと

「兄貴。買い出し行ってくる」
妹の声で現実に引き戻された
「酒か?」
「…ちげーよ」
妹はわかっていない。彼女は嘘をつくとき一瞬遠くを見て答える
そんな彼女を止める余裕は俺にはない
中学という義務教育を受けている妹は稼ぐこともできずただ金を消費するだけ
しかも数知れない補導を経験している、所謂荒れた妹
高校生として生きている俺はアルバイトで稼がなければいけない
ずっと続けてきたバスケを止めこんなに賢明な自分を妹は否定するかのように邪魔をしてくる
珠に黒い渦を巻く自分が恐ろしかった

4:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/18(土) 20:16

「可哀想に。お父様が亡くなられて次はお母様の失踪なんてね」
人間はなんて酷いのだろう。なぜ無意識に傷口を抉っていることに気付かないのだろう
母の失踪から一ヶ月が過ぎた頃だ
今まで腫れ物に触るように俺と妹を扱った隣人が回覧板ついでに言葉を溢した
「まだ中学生ですものね。妹さんは小学生だったかしら」
何故今それを言う。何故今まで通り離れた距離を保たない
「困ったことがあったらなんでも相談していいのよ?」
俺の傷が癒えたとでも思ってるのか?バカか
漸く立ち去る後ろ姿を俺はどんな目で見ていたか
俺にはわかる筈もなく、容易にわかっているのだ

5:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/19(日) 23:12

玄関から扉の開く音がするとガチャッと続いて聞こえた
リビングには自分一人だ。リビングだけではなく台所も風呂も二階も今は誰もいない
ちっぽけな箱には俺一人だ
嗚呼なんて孤独でなんて自由なんだろう
今なら全ての荷物を下ろして走り回れるだろうか
自分を繋ぐこの箱の中を走って走って。走り飽きたら扉を壊して外に出よう
外に出たら後ろを振り返ってさよならを伝えて、もう箱には縛られない生活をする
そんな夢をいつまで見ればいいのか
答えはない。答えは見つからない
自分はこのまま押し潰されて死んでしまうのかもしれない
いつの間にか泣く自分を壊したい

6:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/23(木) 23:18

目を開けると周りは薄暗かった
どうやらリビングで寝てしまった
携帯を見ると電池が二本になっている
時間は三時。肌寒い季節になんたる失態だと自分を責め風呂を沸かし暖まる
さあ今日もまた自身を働かせよう。おはよう。今日も労働に耐えてくれよ

日も出てきて時計の短い針は六と七の間を指す
妹の弁当を作り一人で朝飯をモソモソ食べ支度をすればぴったり外出時間
「いってきます」
誰の返事もない我が家に背を向け今日も歩き出す
一歩一歩を慎重に
頭では一日の予定を立てた
学校が終わったら急いでバイト先に行く。終わったら急いで家に帰って飯食って数学の勉強
風呂入って直ぐに寝よう
明日は火曜だ。まだまだこれから沢山働いてもらわないとなこの体には

俺の計画は完璧だ

7:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/24(金) 22:03

「よう石沢」
席に着く前に友達に軽く挨拶をする
「おはよ。…今日はまた一段と眠そうだな」
石沢は俺のだらしない顔を見て笑ったりはしない
「妹帰ってこなくてさ」
「ああ、そういや楓ちゃん夜中歩いてたぜ?」
「…またか」
ため息が漏れた
妹はよく家を出たまま帰らないことがある。さほど心配はしないが仮にも女だ
「たまーにだけどさ、楓ちゃん見かけるとあの子後ろを振り向いたりして立ち止まるんだよな」
「へえ」
興味はない
どうせ烏を見付けては惹かれてるんだろう
黒くてまがまがしく、思い体を飛ばして消えてゆくアレに
「そんなことより石沢。何であそこ、席多いんだ?」
俺は窓側の一番後ろを指差す。自分の席の隣だ
「お前ショートまた寝てたろ。転校生来んだよ」

8:匿名さん:2010/12/25(土) 04:43

age

9:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/25(土) 07:32

>>1
>ずっと後悔しといた
→ずっと後悔していた

>>7
>黒くてまがまがしく、思い体を飛ばして消えてゆくアレに
→黒くてまがまがしく、重い体を飛ばして消えてゆくアレに

10:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/25(土) 07:36

この時期に転校生かと疑問を浮かべた
「問題でも起こして引っ越してきたんじゃねーの?」
石沢はそうかもな、と笑うと呼び出しがあり職員室へと向かって教室を出ていった
漸く席に着き左隣を見る
よくあるパターンで言えば転校生は女の子で隣の席の男がドキッてパターンなんだが
俺にはきっと無理な話だ
何をどう頑張っても想像がつかない
俺はこのままなんだ

11:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/25(土) 07:53

目を閉じると思い出す
心に堕ちてきた堕天の羽が俺を蝕んでいったあの日を
あれからは本当に不幸続きだ
朝から二回もため息をついた
ため息で幸せが逃げると言うなら不幸という「幸」は取り除けないのか

朝のホームルーム十分前に石沢が帰ってきた
「お疲れ部長さん」
「お前、その呼び方止めろよ」
石沢の手にはバスケ部員に回される連絡網の紙がある
もし俺がこんなことにならなかったらきっと石沢の立場は俺だ
「俺はさ、中学からずっとお前の後追いかけてたから、追い付きたいんだよ」
石沢が照れ臭そうに呟いた
「どうも」
お前なら既に俺を越えてるさ、とは決して言わない
「頑張れよ」
石沢は笑って頷いた

12:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/28(火) 22:26

学校全体に予鈴が鳴り響いた
音を合図に教室はガタガタと音をたて始め暫くすると全員が座っていた
改めて後ろから全体を見回す
今日は三人も欠席者がいる
正しくは一人不登校、一人遅刻、一人欠席…だろうな。多分
「なあ」
隣からニヤニヤとしながら高橋が声をかけてきた
「賭けしねぇ?」
「は?」
「男か女か。一口50円」
「…随分確率の大きい賭けだな。やめとくよ」
「大きい賭けだからこそ当たりやすいんじゃん」
「金は賭けるもんじゃなく稼ぐもんだから」
「ちぇ」
高橋は真面目っ子めと冗談なのか、皮肉を込めたのかわからない言葉を吐いた
「家にはそんな余裕ねぇんだって」
「…でも当てれば」
「当たらない確率も50パーセントだ」

13:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/30(木) 23:27

鐘が鳴り終えてから五分が過ぎた時教室の前の扉が開いた
「遅れてごめんなさい。ちょっと手間取っちゃって」
担任が慌ただしく入ってくると後ろから女の子が着いて入ってきた
「転校生アレじゃん」
高橋がまたニヤニヤしながら話しかけてきた
「女かー畜生」
高橋は悔しがるもののしっかり前を見ていた
「…かわいいな」
「そうか?」
高橋の独り言のような呟きに興味なく答えると転校生と目があってしまった
「…やべ。聞こえたかも」
「これでお前の印象はマイナスからスタートだな」
高橋のザマーミロと言いたげな顔にイラつくも自分には関係の無いことだと気を持ち直した

14:暇だから放置された小説を勝手に書き直す放浪者 hoge:2010/12/31(金) 15:05

「賭けは負けたがあんなかわいい子だし。まぁ、良かったぜ」
まだその話を引っ張る高橋を軽く相手にして俺はまだ誰も座っていない隣を見る
遂に俺の隣も埋まるのか…と考えていると自己紹介を終えた転校生が此方に歩いてきた
通路にいる生徒たちによろしくと伝えながら俺に近づく
ああ、確かに可愛いかもしれない
見た目は落ち着いた雰囲気なのにはにかむと幼さがにじみ出てきて、大人びてるわけでも子供っぽいわけでもない
丁度いいと言うのか、物足りないと言うのか
「よろしく」
漸く俺の隣まで辿り着いた転校生は座ろうと椅子を引きながら俺に声をかけてきた
「よろしく…」
俺はただ、無愛想に返事を返しただけだった


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