侵食(プレス)される命〜ファーストウォー〜

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1:エルガ ◆BDJ. hoge:2010/12/24(金) 18:07

この日
国民は慌しかった。
なぜなら
政界による重大な発表を待ち望んでいた。

「企業アンドロイド化」に付いての決議を求め
せわしなく動いていたのだ

エルガ・ランシェット(名前考えるのメンドイんでコレで勘弁)も
例外でなかった

「企業アンドロイド化」
人々の生活の綱ともいえる「仕事」を
アンドロイドが代わりに行うと言う計画だった

勿論
賛否両論の中
つい先月
賛成派の動きが大きくなり決定も間近だと報告がニュースで全国を盛り上げた

この計画の発案者・実行者で有る
「青梅 奨」
彼の提唱した計画の真意は

「人々は寿命と言うリミットを課せられている
一秒一秒を自分のために生きるべきなのだ。
そんな中
人生のおよそ3分の2を仕事に費やし
私の理想郷を目指す唯一の弊害である仕事を
時の割り当ての無い機械にバトンタッチし
自分らしく生きる事が人生の真の意味なので有る」

まさに人々の欲を満たすこの発案に
国民は歓喜しその時を待った

その数年後この世界の変貌を人々は予想できただろうか…。
もしこの風貌を見たら
この時の国民はどう思うだろうか…

2:エルガ ◆BDJ.:2010/12/24(金) 20:30

誰もが予想した世界…
機械との共存であり
その機械を応用しより良く生きる…

この計画から約5年
我々、国民の夢見る世界が終わりを迎える

青梅博士の機械事業独占を遂行するため
アンドロイドを兵器とし
国民への攻撃を仕掛けた…

国民は3つの分類に別れた
上層階級の国民は
アンドロイドに未だ「シェア」を施し命の保証を受ける

下級階級の国民は
今までとは打って変わり
奴隷のように扱われ
抵抗した者には容赦なく「死」の制裁が加えられる

残るは徹底した「抵抗分子」
いわゆるレジスタンス
この抵抗分子は
博士の格好の実験への対象になった事から
「ラット」と呼ばれる組織になった

エルガはその組織の一員で有り
完全な戦闘員「モルモット隊」の1人だった

モルモットとは言え
扱いはまだ良い方だった
常に武装は最新の物が割り当てられ
ゆえに他の隊より生き残る確立はあった

しかし損な事もある
モルモット隊は個人の能力を関係無しに
最前線へと送られる

俺は最前線へでて2年目の未だ新米兵だった

「良いか、エルガ
本作戦終了時お前は別の現場へと送られる。
っと言っても
俺達が(全員)無事に帰ったらの話だ
誰か1人でも欠番になれば
即時お前も戦闘員として出て貰う」

そう
最前線の戦闘員と言えど
俺は新米の補充兵…死者が出ない限り
俺に出番などなかった

しかし此処は戦場
2年も居れば死者は出る

「隊長ォ!
巣鴨のバカが殺られた!
調子に乗って突撃した所をドカンだ!
…此処の砦ももう持ちそうに無いです
支援お願いします!」

別行動をして砦の警護に当たっていた湯島の声が
通信機越しに聞こえる。

「巣鴨 悟」
マイペースな奴で何時も自分流を気取って行動をする
その上、口が極端に悪かったが
仕事の成功率はこの隊でも1,2を争う男だった

「湯島 駆」
体格からは想像も出来ない弱気な俺の一つ上の先輩である
弱気な思考が功を奏し常にラッキーボーイ
ミッションの成功率もそこそこのもので
まさに運が味方をしているような男だ

「湯島、落ち着け。トラップとダミーを駆使して時間を稼げ!
直ぐにそっちに行く。
お前の冷静さならまず失敗は無い。」

「了解です…。
うゥ…落ち着け…落ち着けよ俺
それじゃまた此処で合流しましょう。
では、準備にかかりますので…」

そういって通信が切れる

「…隊長?」

10分を過ぎても一光に準備の一つもしない隊長に
痺れを切らし質問をした

「あそこはもう持たない。
トラップ・ダミーと言っても数が知れてる
此処から向かって待ち伏せに合わないとも限らない
此処での全滅だけは避けなければならない。
…分かるな?新入り」

『この人は仲間を見殺しにしたのか!?』

しかし
否定の出来ない言い分を並べられてしまった…

本来
8人だった隊も
気付けば半分になっていた
しかし
今日でその半分も削れた
本来は8人だが俺を含めて9人の部隊のため
俺・隊長・小笠原の3人になってしまった

俺達は別の拠点へ補給物資を求め行動中に起きたこの襲撃

この隊長はその通信を聞いた時から
助ける気など無いのだ

この数年で
この戦争で
人々に考え方は変わり
生きるだけを考え
「生」に執着する…。

「死」を横に抱えながら…

3:エルガ ◆BDJ.:2010/12/25(土) 11:18

そんな中
補給基地へと着いた俺達だが
死者が2名も出たのだ
補充兵といえど四の五の言えた義理ではない
この時を持って俺は正規兵へと変わり
移動の話もチャラとなった

さすが補給基地
他とは違う品揃えだ
と言うのも
補給基地は殆どが壊滅しており
現在、今も正常に品を揃えているのは
東京・鹿児島・長崎と言った実に偏った場所に位置している

俺達は東京の基地に来ていた

「隊長
こんなに目立つ場所に居て大丈夫なので?」
口を開いたのは「小笠原 爾」
彼の冷静さには驚かされた
激戦区の中を単身サブマシンガン一丁で生き抜いて見せた精鋭だ
最近
その腕を買われ離線軍の別部隊から誘われたが
「生きるつもりは無い」
そう言い残し最前線へと赴いた

彼に着いて行けば間違いなく死ぬだろう
しかし
彼に着いて行けば間違いなく死ぬのは一番最後になる

「お前…分かってねぇなぁ
此処の補給は定時刻に決まって行われるんだ
つまり
時刻通りに動いていたらそっちの方が死ぬぞ?」

簡単に説明すれば
此処の基地は決まった時間にしか補給をしない
…しかし
うちの隊長はその定時を守らず
早い目に補給をしている違反者だ…

一番遅くなってしまったが
隊長の説明がまだだった。
「長谷部 鱗造」
23の若さで異例の出世
曹長だった階級が今や大尉と言うから驚く。
確かに頼れる上官なのだが……規律を一切守らない無法者だった

「おい、新入り。準備は整ったか?」

「っあ、はい。今終わった所です」
…本当は10分も前に終わっていた。
それなのにこの無法者の好奇心で基地内探索を始めたのがきっかけでミッションに
かなりの遅れが出ている

俺達の請け負っていたミッション
それは
本部一個大隊へ戦況報告と同時に
別働隊と合流。後に南区の最前線敵拠点を攻め落とす事である

4:感想:2010/12/25(土) 19:06

読み飽きる

>>1の文脈は硬すぎて読み飽きる
短文で切れてるが故に読むリズムも崩れてくる
高層年齢向けならここに書く必要はない
三つもスレを立てたのだからそれなりに周りを惹きつける文脈を考えることも重要になると思う

と辛くコメント
頑張れ三回目

5:エルガ ◆BDJ.:2010/12/26(日) 19:26

・・・SFとかってどうも文だけだと硬くなる
まァ言い回しの問題もあるんだろうが。

生きるか死ぬかを
簡単になんて書けるモンじゃないと思うけどなァ・・・。


本部へ着いたとき
既に別部隊が着いていた
それもそうだ
レジスタンスではあるが
時間の規律ほど厳しいものは無い

…35分も遅刻か
言い訳の仕様が無い…

「遅い!
また君たちの部隊かッ!」

司令官の叱咤に恐れる事無く隊長は笑う

「いやァ〜途中で興味深いものを発見しまして
設置型の爆破物を処理してたんですわァ」

部下ながら
人を馬鹿にしているのかと自分の耳を疑った
なぜって
本当は補給基地で腹の補給までしてたんだから…

「爆破物だと!?
それで…完全に処理したのかね?」

「勿論ですよ。司令官殿」

2人の会話の途中
俺は別部隊の1人に目が行った
……
年齢は俺と同じくらいか…

自分の人生の倍を生きて来た大人達の中に
自分と同じ年齢層を見つける事が
一種の安心と不安を覚える

そうしている内に
別部隊の紹介が始まった

「菅原 高次」
この隊の隊長で堅実そうな風貌が見える

「ジョー・クラマツ」
手持ち武器を見る限り
狙撃手のようだ

「大和田 斎」
ただ一言でチャラい男に見える
だが
今まで生き抜いてきた事を考えると
軽視も出来ない

「雷那・イシュベル」
コイツが俺と同年代の奴だ
顔立ちから
ベテランの風格がある


「さて
紹介も終わった事だ
直ぐにでも南区に向かって貰いたいのだが…
長谷部大尉並びに菅原少尉は此処に残りたまえ。
では
各々、準備に掛かれ」

そうして
俺達は準備のためバラバラに散った

6:エルガ ◆BDJ.:2010/12/26(日) 22:52

俺の手持ち武装は何とも脆弱で
有名所の
S&Wのハンドガンが2丁

他から比べれば物は良くても
見っとも無い

だが
着々と段階を踏み
とうとう、最前線拠点襲撃の為の配置に着く事となる

戦力の分散を避けるべく
3個小隊へと分隊し行動に当たる

陽動のため先陣を任された
雷那・菅原

進路を開き襲撃を任される
エルガ・大和田・小笠原

後方より狙撃援護に当たるのが
長谷部・ジョー

だが
この任務
先陣を切る二人には大きな危険が伴う
アンドロイドの数が不明な点と
待ち伏せが考えられるため
彼等には生き残る希望など俺からみても無い

だが
雷那も菅原も涼しい顔で配置に付いている
そして
作戦開始時刻となる

先頭の彼等が走り出す
一定距離まで走ると相手からマシンガンによる砲撃が開始された

「トラップだ…」

しかし運良く彼等には当たらずそのまま足を止めなかった
すると
拠点よりアンドロイドが出撃
一辺に白兵戦に変わった

「時間だ…
チャラ男、エルガ。行くぞ!」
小笠原の号令で3人は走る

前方より数多くの銃声が聞こえる
廃墟を利用しては前へ進み状況を見ようとする

しかし
ふと気付いた
俺だけが前に出過ぎ小笠原と大和田を置いて来てしまった。

「マズイ…合流しなくちゃ!」

1人になって気付いた恐怖
頬から喉へと伝わる冷や汗

そんな俺の後方で弾装を入れ替える音

「…う、そだ」

知らぬ間にアンドロイドに背後を取られ銃を向けられている
初めてだ
「死」はいくらでも想像できるのに
この一瞬で次の一秒を生きている自分を想像出来なくなった

銃を額に当て
アンドロイドは腕を掴み無理矢理立たせようとした
捕まった者は「人体実験」の格好のネタ
不思議と恐怖したと同時に汗が引く
つばすら出ない

ッチャ…バスン。

銃弾はアンドロイドの頭を横から貫通した

「……雷那…
何してんだよ…?こんな所で。
速く前方へ走れよ…」

命の恩人に対し失礼な発言をした事は分かる
だが
もはやパニックを起こし善悪の区別がつかなかった

「…お前が前に出過ぎなんだよ。
俺と同じラインまで突っ込んでくるから。」

「菅原少尉はどうした?」

「死んだよ…
建物に移動する際に狙撃された
足がヤられて倒れたんだが
其処を別のアンドロイドに攻撃されてな…

知ってるか?
陽動に選ばれた人間は
本来この道の角を左に曲がる予定だったんだ」

その言葉で直ぐに何が言いたいのか分かった

「…陽動は最初っから自殺特攻だったのか?」

左に曲がると広場へと出る
その広場には衛兵が配備されているのだ

「お前等を基地内に侵入させるためだ
結局
おとりの命なんて保証されない」

そういって彼は迷う事無く走り出し左へ曲がって行った

自分の命を安売りし
他人の利益を得たいがために任務に当たる彼を
放っておく事が出来なかった

「う、…うおぉォー!」

エルガは走り左へと曲がる

対して知りもしない仲間を救いに。

つい数年前は
例え同じ学校で同じクラスの奴にも
同じような事はしなかった

『知らない奴なんか相手にするだけ時間の無駄なんだ』
『高々一年を同じスペースで過ごすだけ
自分の人生にソイツが影響する訳じゃない』

今日初めてあった同年代の為に彼は決意したのだ

「此処で会うのも縁なんだ
死ぬまで友情貫かせてもらうぜ?」

「勝手にしろよ」

そうして彼等の陽動作戦が幕を開く

7:エルガ ◆BDJ.:2010/12/28(火) 21:31

陽動は成功した
時間から考えるに
小笠原・大和田両名は基地内に侵入した頃だろう

今考えると生きていたであろう命を無駄に捨てた気がする
背中合わせに聞こえる雷那の息遣い

「よォ…そんなに息挙がって
どうしたよ?」

言葉の速度からもかなり無理をしているのが分かる
それもそうだ
基地内の殆どの戦力がこちらに廻っている

数分でも生きていられた事が奇跡だ

「るせェ、さて…どうするかねェ
この数じゃもう持たねェよ…」

「泣き言言うな!」

この次に出る言葉が弱気立った俺の心に火をつける

「兵士志願ってのはなァ
階級を貰ったときから死ぬ定めなんだよ
最初っから生きていられる訳ねェだろ!」

そう
兵士とは命を掛ける職
俺は
そんな中
「慣れ」という惰性から「生きる」事にしがみ付いていたのだ

この話をすれば長くなるが

事は3年前
俺はただの一平民だった

上層階級の家族の下に生まれ
苦労を覚えぬままこの戦争が始まった
丁度、反抗期の盛りにあった俺は
家を飛び出し爆煙の立つ街中をふらついていた

だが
戦場は予想外にも近かった

「おい!
其処で何してる!速く来い!」

同時に連続して発砲される弾丸
「うわっ!」

足を打たれ倒れた

其処からの記憶が無いまま
俺はレジスタンスへの戦闘へ参加していた
…と言うのも
その時
治療をしてくれたであろう兵士とそっくりだったのだ
しかもソイツは俺の手当てを施した後
アンドロイドによって捕獲されていた
そうして
俺はソイツに間違われたまま戦闘へと借り出される

そして
俺は「習慣」に流され
今まで生き抜いてきたのだ

8:エルガ ◆BDJ.:2010/12/29(水) 19:38

俺の言う「習慣」
死を隣において生き抜く事は
すなわち
生を隣に投げ捨て死を抱えると言う事だ

俺も一兵士として
当然、覚悟のあった「死」だが
知らぬ間に俺は
生きようともがいていた

背中合わせの戦友は
何処で命を落とそうともそれが兵士だと
胸を張って戦闘に参加している

「……俺は…」
『何も返せる言葉が無い
あの言葉に返答を返せばそいつの覚悟を否定しかねない
…だが
何も言わなければ自分を否定する事になる』

「死=兵士なんて俺達で塗り替えれば良い事さ」

フイを付いて出た言葉に戦友は微笑し銃を構える

それと同時に容赦の無い銃撃が2人を襲う

気付いた時には
雷那は倒れていた

「おい!」
弾丸の雨の中
彼の腕を首に掛け廃墟へと逃げる

「…やはり、こ…この作戦が…俺の……」

「しっかりしろよ!傷は浅い!
まだいけるって!」

嘘だ。
弾丸は恐らく肺を貫通している
このまま行けば死ぬ
早期の治療を施しても死ぬかもしれない

「良いんだ、…そうだ。エ…エルガ
肩の銃を取ってくれない、か?」

肩に見えるのは恐らく「AK」

それを取り渡しながら言う
「この傷ならまだ走れる。
合図をするから
直ぐに長谷部大尉の所へ行け。俺が援護する」

白くなっていく顔は
まだ勝機を失っていないようだ…。

「そんな事より
このAKで連中を丸ごとふっ飛ばしちまえ
…俺にはコイツは扱えなかった
い、何時か
俺に代わってこいつを使う奴に出会うと…思って、
思ってたんだ」

「喋るな!
今は走る事に集中しろよ」

「へへ…
血相変えて文句言う所を見ると
さしずめ
死ぬかもだな?」

未だ笑おうとする戦友に耐え切れず
殴ってしまった

「良いから。
良いから速く行け!」

しぶしぶ走り出す戦友へ
ターゲットを絞るアンドロイド
「ッさせるかよ!」

可能な限り全弾を二足歩行の鉄くずへぶち込む

「…弾切れかよ!
……まァ良いや、まだ取って置きがある」

徐々に小さくなり行く友を確認し
エルガは弾層を抜き
自らの持ち物から別の弾層へ変える

「…観客は居ねェーが…ショーの始まりだぜ?」
そうして彼は再びトリガーを引く

9:エルガ ◆BDJ.:2010/12/30(木) 22:32

今の状況はまさに「抑圧」と言う言葉がぴったりだろう。

生きる事への抑圧
戦闘を強いられる抑圧
人間として存在していく為の抑圧

…自由への抑圧

この抑圧だけの世界で
俺は唯一自分を写す鏡である武器を持ち
冷たい騎士軍の前に立つ

「雷那…
don't worry,
you can exist instead of me…,
(心配するな。
お前は俺の代わりに生きる事が出来るさ…)

さて…行きますかァ」

エルガは
銃を構え一発を放つ

その弾丸は
一機のアンドロイドの左肩へと当たる
それと同時に小さくではあるが爆発。

「どォーだァ!
グレネードランチャーで幕開けだァ!!」

エルガの取って置き
それは
弾層一杯に詰め込まれたグレネードだった

「あっはははは!
次はどいつだ!?
テメェら全員道連れにしてやるから
覚悟しなァ!」

一方
基地内に侵入していた
小笠原・大和田は
基地内の中核である
コントロールセンターまで辿り着いていた

彼等の押すボタン一つで
俺の生き死にが決まる。

しかし
予想もしないトラップが彼等を襲っていた

「小笠原ァ!
こっちもダメだ!」

「……大型のモニターに表示された『2:50』
そして部屋の中央部にセットされた導線だらけの筒
道は対爆撃用壁
…基地ごと俺達を吹き飛ばす気か…」

爆弾処理と平行してアンドロイドを止めようとしたが
ギリギリのところで
アンドロイドを止める為のパスワードに悩まされる
しかし
彼等の悲劇は
パスワード入力画面が出てきた瞬間に起きた

「おい…
小笠原、お前何したんだ?」

「?
どうした?」

「タイマーが動き出したぞ!
お前、何をしたんだ!」

急ぎ胸倉を掴む大和田をなだめながら言う

「恐らく
パスワードさえあえばこっちも止まる
たしか、お前
コンピューターに詳しいよな?
…力を貸してくれ」

10分の時間のロスを許したが
大和田も納得したようだ

エルガもそうだが
彼等の命のチャレンジは既に始まっている

10:エルガ ◆BDJ.:2010/12/31(金) 12:03

小笠原・大和田はまだ気付いていなかった。

「その事」を気付き始めたのはエルガだ

「後方支援が…無い…」

最初から違和感はあった
そもそも
陽動を成功させる為に
後方から長谷部・ジョーの支援を受けられるはずだった
それが今思うと
弾丸一発すら飛んで来ていない。

「可笑しい…
……
先輩、聞こえるか?」

エルガは急いで小笠原に連絡を入れようとした
しかし
連絡は取れず不安感が増す

「雷那!聞こえるか!?
…ッチ…
こうなりゃ正面突破で基地に入るか…
生きて行ければだがな」

勿論
命の危険であったが無事
基地を背に立つ事が出来た

「アンドロイド共!撃てるモンなら撃ってみろォ!」

『さすが機械だ
基地は守るようにインプットされていた』

銃撃が止むと同時に
安心して基地へと侵入したが
既にトラップが発動していた為
対爆撃用壁が道を塞いでいる

「おっと…
通行止めか…」

打つ手無しになったエルガは基地の出入り口に座り
事の進展があるまで休憩を取ることにした

11:エルガ ◆BDJ.:2010/12/31(金) 12:33

この時
既にジョーは射殺されていた
犯人は他でも無い。長谷部大尉だった

後から分かった話だが
この作戦と同時進行して行われた作戦がある
それは
「青梅博士の暗殺」

作戦決行前に長谷部・菅原には
その事実が報告されこの作戦の目的を知る事となる

「君達にして欲しい事はただ一つ。
作戦自体を使った陽動だ」

この作戦は決行される前から明るみに出ていた作戦で
青梅博士もその作戦に対抗すべく
アンドロイドをこの基地へと集結させていた

「今、青梅の奴にはろくな戦力は残っていない
撃つなら今しかない
部隊壊滅してでも構わん。出来るだけ時間を稼げ。」

この作戦自体がただの「時間稼ぎ」だった

青梅の暗殺は失敗し
かつ
長谷部は反逆罪で捜索部隊が編成され追われる身になった

小笠原が山勘で入力した「青梅 奨」というパスワードで
見事、アンドロイドは停止
この作戦から無事生還した。

雷那も
未だ意識は戻らない物の
命は助かった

上官から下された命令は
引き続きこの特編部隊で長谷部追撃作戦への参加だった

「仲間が仲間を追うなんてよ…
聞いた事ねェーぜ」

大和田の愚痴を聞きながら全員沈黙を守ったままその日を終えた

12:エルガ ◆BDJ.:2011/01/01(土) 11:45

汗一粒が地面に落ちる

この日
小笠原は異常なまでに緊張していた
みんなの知らない所で自分の立場が激変しようとしている

今朝早くに司令官に呼び出され告げられた命令

「長谷部大尉の死亡確認後
君を正式にこの特編部隊の隊長へと任命する準備がある。
更に
独自なルートから彼の出没した場所が確認された

長谷部は基地内の重要な事も複数頭に入っている
奴を野放しにする事は即ち我々の存亡に関わる。

失敗は許さん。
『逃げられました』の報告は聞かない
緊急時の場合
君自身で代償を払いたまえ

期待しているよ…少尉」

『ミスをすれば俺の命に関わる…』

特編部隊の面々は涼しい顔で任務に当たっているが
小笠原は1人
常に冷や汗をかきながら長谷部の出没を待っていた

「そう簡単に現れる訳ァねーだろ…」
大和田の愚痴も今日ばかりは正当な意見に聞こえる

「第一、俺だったら同じ場所に留まる事はしねーな
点在して危機を背負うより
その場に留まっていた方が危ねーのによ
あのキザな隊長さんがそんな事に気が付かないわけねーだろ!」

「だが
此処数日間での目撃例が多発している点在していたとしても
同じ場所を行き来し情報を集めている可能性が高い」

「だァー…
尚更だっての!
同じ場所に居たって同じネタしか入ってこねーよ
そこが不自然だっつってんだよ!」

『不自然ではない。
俺が志願兵として入隊した時からずっと一緒だった。
あの人は何時も訳の分からない行動を起こす
しかし
その行動によって状況を好転させる事の出来る人だった
今回も
ただ情報を集めている訳では無いのかもしれない…』

「おい、人影が町に侵入してったぞ!
数はざっと10人そこらだなァ…
武装してるのか?かなり持ち物が多いようだが…」

俺達の見張っているこの町は
ギャングの溜まり場と化していた
反アンドロイド政策を謳っていたが
レジスタンスのように
争いで解決しようとしなかった。
しかし
アンドロイドの大量虐殺計画が開始されると同時に不満が爆発
一気に暴徒化しこぞって紛争の火種を作っている

その鎮圧もレジスタンスに押し付けられた作業の一つなのだ

つまり
この作戦は
長谷部元隊長の処刑兼ギャング達の監視もしなければならないのだ

事が起きたのは30分後
町の中心部から爆煙が上がった

「おい、小笠原!
とうとう始まったみてーだぞ!
アンドロイドは一体たりとも入って無い。
…ギャング同士の抗争だな。こりゃ」

この鎮圧をするために
俺達は急ぎ町へと向かうのである

13:エルガ ◆BDJ.:2011/01/02(日) 21:05

町中を弾丸が飛び交う。
理由など無い。
ただ相手が気に入らないから始まった抗争だ

「おい、レイル。ぼさっとしてる暇があるならこっちを手伝え!」

『地雷のセットをする事がそんなに偉いの!?』
彼女の考えはギャングのそれとは違い
まだまともだと言えるだろう…。
しかし
身寄りの居ない彼女が今まで生きて来られたのも
そのギャングのお陰だろう

だが
この日を境に彼女の生活は一変する

「こちら大和田…異常なし
未だ銃撃の音が聞こえるが東ブロックに被害は無い。どーぞ」

町は3人が廻るには広すぎる
方々に別れ状況の改善に努めたのだ

「こちらエルガ
最初に銃撃が行われたと思われる場所に到着。
地面の凹凸から推測するに地雷あり
両者とも気をつけて。」

小笠原は北ブロック
大和田は東ブロック
エルガは南ブロックを捜索していた

「小笠原より…
本来の目的は長谷部元隊長の捜索である。
本分を忘れる事無く任務を遂行するように。
又、これから俺は銃撃が行われているで有ろう西ブロックへ向かう
両者とも手の空いた時にこちらに向かい合流するように。」

「了解」
「りょーかい」

南ブロックの捜索を終了したエルガは既に西ブロックに向かっていた
しかし
野良犬の襲撃に合い
足を進める事が出来ず留まっていた。
その野良犬が少し移動した時地雷の餌食になった

「…ッチ、コレじゃ迂闊に進めない!」

しばらくして複数の視線が向けられる事にエルガは気付く
建物に隠れたギャング共が
俺が何時地雷を踏むのか笑いながら見ているのだろう

一歩を踏み出そうとした時だ

「もう少し右!」

少女の声が響く。
俺は歩みを止め振り返る

「っく、…ギャングか!」
急ぎ銃を構える。

「っえ?」

バスン。

弾丸は少女の後方に居た男へと当たる
銃を向けられた少女は一瞬のショックに腰を抜かせた

「アンタ…誰だよ?こんな危険な場所をうろついてさァ」

エルガの問いに迷う事無く少女は答える

「名前は……レイル
…あたしもギャングの一人さ!
この男みたいに撃てば良いじゃないか!」

俺は前に向き直し
数歩下がり足を置こうとしたポイントへ弾丸を放つ

ズドン

『…地雷…』
「細かい質問は後だ。
一緒に来て貰う!…俺が生きて仲間と合流するためにな」

14:エルガ ◆BDJ.:2011/01/03(月) 20:48

西ブロックへは簡単には進めなかった
地雷の処理
それと平行し時々襲撃をしてくるギャング

既に20分を有していた
この事は後に大きく響く。

「小笠原より通達
コレよりギャング殲滅に掛かる。
エルガ曹長は20分のロスにより
強制的に参加は認めない
途中参加で作戦の乱れを出す訳にも行かない」

こうして俺だけが作戦から省かれ
ミッションは確実に遂行された。
だが
再び仲間から応答が掛かる事は無かった
表面上は「行方不明」
しかし
本音を言えば「死亡」だろう

ギャング同士の抗争も終止符が打たれ
俺は基地へと帰還する
残るは上官からの叱咤のみ

案の定司令室へと呼び出される

「実に惜しい2人を失った…。
そんな中君はどうして生き残ったのだね?」

言い訳なんて簡単だ。だが真実を言うほかこの状況を納得はして貰えない

「司令官殿に報告!
自分はミッション遂行時間に遅れを取りました!
小笠原少尉の命によりミッション参加を断念。
その折に民間人一名を保護・帰還しました!」

「遅れを取った理由はァ!」

「っは。
警戒に当たっていたブロックが地雷原となっておりました…」

「……そうか
報告はもう良い
その保護した民間人と共に新メンバーの補充が終わり次第
次の任に当たってもらう
それまで待機。」

「了解!」
『また、争いのある場所へ俺は行くのか…』

「ちょっと。」

「ん?」

「アンタ、レジスタンス?
聞いて無いわよ!?私をどうする気?」

「どうもしないさ
強いて言えばもう少し俺と一緒に居る事になる」

「それと人に名乗らせといて自分は名乗らない訳?」

「…ッチ、全く五月蝿いガキんちょを保護したようだねェ…
エルガ・ランシェット曹長だ
んじゃそういう事でもう良いか?」

「…ランシェットって王手企業の?
何でそんなとこのボンボンが此処に居るのよ!
しかも
レジスタンスでランシェットって言ったらモルモット部隊じゃない!
最低!!
何でこんな所に…って、ちょっと!何処行くの!」

「…寝るんだよ!!
何時また戦闘になるか不明な場所なんだ
疲れなんか背負ってられるか!」

基地の状況を知らないのは分かるが
彼女は俺の部屋にまで付いて来た。

ガキと言っても同じ位の年齢だろう
モルモット隊がどういう所なのか知っているところを見ると
流石ギャングの一員と言うところだろう

そして数時間後
時計のアラームが鳴る

15:エルガ ◆BDJ.:2011/01/04(火) 00:10

「…雷那ん所か」

何時も決まった時刻に雷那の面会へと行くのだ
時計のアラームはそのためのもの。

面会が終われば再び戦場へと行く時間なのだ

今日ばかりは余計なお荷物も居るが…
「ちょっと、この人誰?説明しなさいよ」

「少し黙ったらどうだ?
仮にも病室で怪我人の前なんだぞ?
コイツは
俺の仲間だよ…いや、俺の先生と言っても良いかもしれない」

「はァ?
…まァ良いわ。
それよりこの後どうするの?」

この後
俺は新たな長谷部目撃例を頼りに新メンバーと行動する
当然
一般人を戦闘に参加させる訳には行かない

「君は部屋に居て貰う。」

「嫌よ!何処かも分からない場所に居るより
外に居た方がずっと楽だわ」

「…死ぬぞ?…」

「え?」

「これから俺達の向かう場所は基地なんて地形に恵まれてる場所じゃない
もっと言ってしまえば
我々人間には『誤算』がある
だが
アンドロイドの連中にはそれが無い。
一度間違えれば死ぬ」

「…」

「まして俺達の目的はアンドロイドではなく
長谷部元隊長の捜索
…下手をすれば俺達は…」

あえてその先を言うのは止した
なぜなら
雷那が目を覚ましていたからだ

「面白い冗談を言うじゃないか。エルガ」

「フフ…気付いたか。
だが時間だ。俺はもう行く」

病室を後にしたエルガは準備をしに弾薬庫・武器庫を廻る
そして
新メンバーの元へと歩みを進める

16:エルガ ◆BDJ.:2011/01/04(火) 14:43

新メンバーは4人
どのメンバーも少尉以上のクラスであり
またも下っ端同然だった
だが司令官の命で状況は一変

「前作戦より任に当たっているエルガ曹長だ
皆、状況把握に至っては彼が実質トップである
現段階を持って彼を事実上隊長に任命したい。
勿論
実績を積み重ねてきた諸君らを蛇足扱いする訳ではない
この5名の内
戦闘経験より
赤場中尉を本部隊の隊長とする
曹長を隊長に命じたのはあくまで一時的措置であるからして
作戦全貌の事は中尉に任せる
意見のある者は?」

無論
俺が一時的だと聞いた瞬間から全員の顔から不安の色は消えた
文句を言う奴など居なかった

「それでは至急、作戦事項を確認し直ぐにでも出撃をしろ」

「っは!」

およそ30分のミーティングの後
出撃。

場所は
大昔の大戦時に使っていた旧シェルター付近
周辺は湿地林となっており足場も
水が溢れくるぶし近くまでが浸水…
その上
爆撃を受けたせいか所々に大きな穴ができ
何回も足を滑らせ落ちると言う事もあった。

「なァ、曹長」

話掛けてきたのはレゴリス・ヘッダー少尉だ
彼はいかにも厳しい状況を生き抜いてきたのが分かる
全身は筋肉に覆われ背も高い
およそ180はあるだろうか…

「長谷部元少尉はどんな人間だ?」

聞かれるのも無理は無い
数々の戦闘で名を方々に知られているのに
大衆の前に顔を出した事が無い

俺は部隊結成時に撮られた集合写真を手に
数多くの事を話し出した

17:エルガ ◆BDJ.:2011/01/05(水) 17:33

モルモット隊は初期人数は15人
だが
一つの戦闘で必ず誰かが死ぬ

だが今まで俺達がアンドロイドと戦う事が出来た事は
裏話があるのだ…

「なぜ、キミ等は数が減っても戦えた?教えてくれ」

レゴリスの問いはこの場に居る全員の考えと同じだろう。

既に戦闘配置に付いていた為
その話をする事が出来た

「あのアンドロイド達は通常の弾丸では無傷。
まして
俺達は強化弾を使ってやっとの相手だった
だが
連中の武器は進化の一途を辿り
天と地ほどの差があった

だが
司令官が仲間1人の命と引き換えに
連中の武器一つを買ったんだよ…」

レゴリスの驚きは余程のものだったのだろう
言葉が英語に戻っている部分があった

「Hwat!!なぜそうなった!」

「本来なら長谷部が売られるはずだった…
この写真の彼の横に写っている人
シェーン・ワイズマンが犠牲者だ…」

――――――エルガ入隊直後――――――

「司令官!彼を別部隊に左遷するのは本当ですか!?」

「…君も様な一般兵の知る所ではない。
持ち場に戻りたまえ。中尉」

「なぜだ!彼のような能力のある者をどうして捨てるような真似を!」

『その反論がキッカケで彼は単身
敵基地への偵察を命じられた…。
だが、彼が帰って来る事は無かった。

武器の手に入った司令官は
技術部門にその武器を提供し
俺達の新しい武器を作る基盤とした
しかも…
長谷部の行動にも目を瞑る様になった
このネタを引っさげて反論されれば手に負えなくなるからだ』

――――――――――――

「…そんな事が…許されるのか!?」

「現にその目撃者は次々に死んで行ったし
司令官にとっては好都合
長谷部を殺した後は俺の後始末に掛かるつもりなんだろう
だがそんな事はさせない」

もう直ぐ戦闘が始まる時間だった
それぞれが緊張の顔色をし
その時間を待つ……

18:エルガ ◆BDJ.:2011/01/05(水) 18:56

時間は水の流れ
時は既に戦闘開始から4時間が過ぎている
未だ死傷者は出ていない
だが
この基地にはここら一帯を消し去る威力を誇る爆発物を確認していた
つまり
司令官が俺を消すには
このミッションは都合の良い事故に置き換える事が出来る

こんな事をずっと長谷部・小笠原としてきたのだ
仲間である司令官に殺されないよう
細心の注意を誇り
一つ一つ
自らが死ぬであろう要因を消して来た

『今日も死ぬ訳には行かない』

そういって走り出した足は敵基地を目標に走っていた
皆もそれに続く

だが予期せぬ邪魔も数多くあった。

「エルガ…道、別れてるぞ?」

「これから3;2で別れて行動するぞ!エルガ」

罅屋の疑問を横から解決したのは赤場中尉だった

片方の道を
赤場・罅屋・利賀

残った道を
エルガ・レゴリス

で担当した

行動を起こし直ぐだ
罅屋の悲鳴が遠くから聞こえた
更に
道の合流ポイントに付いた時も罅屋の姿は無かった

「アイツ…1人で突き進んで
アンドロイドに拉致された…」

息を詰まらせ利賀が言う

「と、止めたのに…だから…」

もはや利賀は混乱状態にある
そんな利賀に追い討ちを掛けたのは

「み…道が4つ!…5つの間違いだろ!?ふざけるなよォ!」

『最初から1人を消すつもりだったのか…』
赤場と目を合わせ頷く

利賀に対し赤場が諭す
「利賀、お前一度帰還しろこの事を司令官に報告。
様子が可笑しい。
直ぐに援護救援をするんだ!良いな?」

「た、たいちょォ…まさか戻れって言うんですか!?
何処にヤツ等が隠れてるか分からない道を!」

「っく!」
腰から銃を抜く赤場

「行け!最終警告だ!!
貴様、命令違反を犯すのか?」

「しかし!…」

バスン。

利賀の反論を聞く事はもう二度とないだろう

「許せ。利賀
此処で仲間全員を危険に晒すわけには行かない」

19:エルガ ◆BDJ.:2011/01/06(木) 13:49

残った3人はそれぞれ分岐した道の入り口に立つ…。
そして再び3人が顔をあわせる。

「各員に告ぐ
と言っても俺を含めて3人か…
各員
この先には1人では危険な道が続くとは思う。
しかし
その危険を超えた先が我々の平和へと繋がる
……
皆の無事を祈ってる。

各員、出撃!」

赤場の指揮で全員がそれぞれの道へ歩みを進める
だが予想も去ることながら直ぐに異変に気付く

「…レーダーに機械音を感知…だと?
後方!?3機のアンドロイド反応…」

直ぐに後ろに向き直す。
だが其処には何も無く歩んで来た道があるだけ

「とうとうレーダーまで逝かれたか
……いや…
このストーカーやろォーーー!」

振り返り様にガトリングを乱射
何も無いはずの空間に弾が当たる

ドサ…ッドサ、ドサ

「っけ…光学迷彩なんぞ使いやがって…」

光学迷彩…
周囲の風景を自己の体に投影し
周辺と同化するために作られたアンドロイド専用の迷彩機能だ
その能力は絶大で
レーダーには映るが肉眼で確認するのは不可能

故に
電波傍受された場所でコレを使われたらまずどんな事をしても発見する事は出来ないだろう
しかし
唯一の欠点として
アンドロイドが集団で光学迷彩を使う場所で
電波傍受は出来ない

なぜなら
彼等の作戦や個々の現在地などを認識するためお互いに電波を飛ばす構造になっている
つまり
電波傍受をすれば
連中の指令系統も脆く崩れる

「学習能力があるとは言え所詮はこんな物か」

エルガは優越感に浸っていた
振り返った彼の後方にアンドロイドが待機していた事も知らずに…

スッチャッ。

「……」
その音は何時ぞやの光景をエルガの頭の中に蘇らせる

「…う、そだ」

背後を取られたエルガは以前と同じ恐怖を喉の先まで思い出した
冷や汗が噴出し
体の水分を奪われる

ッグ。
また腕を掴まれる…捕獲されたのか…

抵抗の意志が無い事を認識させる方法はただ一つ
所持している武装を全て捨てる事。
そうすれば連行中に殺される事は無い

そして立ち上がりアンドロイドに銃を構えられたまま連行される

「…み〜つけた!」

「!」

バン。ッシュド…ボン!

「……グレネード!?」

後ろから現れた人影にエルガは驚く

「もう一匹!」

その人間は迷う事無く弾丸を放つ

20:エルガ ◆BDJ.:2011/01/07(金) 18:13

「ほら、ぼさっとしてる暇あるなら武器拾う!」

「…おう」

俺の所に来た人間とは
レイルだった

「まだ居る…!」

「何処見てんだよ、右だよ右!
あの曲がり角ん所に隠れてるに決まってんだろ!」

元ギャングと言えど実戦経験は薄い。
気配を悟る事が出来ても何処に居るのか判断出来ていない

「分かった。
後ろから付いて来てよね!?」

「待て!俺が行く。
この屈辱は倍返し決定だ。」

そういって武器の半分を放置し進行する
放置した武器はレイルが回収している

壁に張り付き
曲がり角のギリギリまで進む
さらに手榴弾の信管を抜き右側に投げ入れる

ズドン。
爆破の後銃を構え警戒する

「…いないのか?」
爆煙が引くと地面に下半身の大破したアンドロイドが未だ動き攻撃を加えようと銃を持つ

「ヤベェ!」
急いで身を隠す

ズドドドドドドド…カチッカチ

「ははは。弾切れか。安心したぜ」

再び銃を構え頭を打ち抜き前へ進む
数分歩くと合流ポイントへ付く

「何してるの?早く行こうよ」

「嫌、二人がまだだ」

「……2人とも来ないよ」

「?…なぜだ?」

「…2人とも、もう死亡が確認されてるの。
皆のミッション
基地のモニターでモニタリングされてたから今までの行動を基地の皆は知ってる…
今回、攻め落とす基地…何も無いよ。
基地自体存在して無い!
司令官のヤラセだったの!」

「だがアンドロイドは居た…どういう事だ?」

「そのアンドロイドも他の部隊がたまたま捕獲して来た残党なの」

「っく…!緒済め!
今回のミッションでやはり俺を…
…!雷那はどうした!?」

「い、今別のミッションに…病み上がりだし補給物資の搬送をって…」

「マズイ!
急いでそっちに行くぞ!」

走りながらエルガは通信機を取り出す

「こちらエルガ
雷那、聞こえるか!雷那!」

応答は無い。

「ダミーの通信機か!!」

その通信機を地面に叩きつけ再び走る
初めて出来た戦友の為
初めて一緒になった同年代のために
エルガは走る

「ポイントはそう遠く無いのか?」

「多分。だけど、間に合うの!?」

「間に合わせなきゃ走ってる意味がねェ!」

残り僅かの距離を残り僅かのタイムで走る

何も知らず殺されようとしている…仲間の為に…

21:エルガ ◆BDJ.:2011/01/08(土) 21:00

雷那救出は成功した。
紙一重で輸送機から彼を離す事が出来たのだ

全ての事情を話している暇など無かった
輸送機の爆破を見た彼は言葉を失ったまま俺に付いて走って来る

一方、基地では……

「司令官に報告!
エルガ・雷那両名の抹殺は失敗しました。」

「…原因は!」

「は、前回の戦闘でエルガ曹長の保護した民間人ですが
調べによるとゲリラの一人でした。
エルガ抹殺はそのゲリラにより阻止
雷那抹殺はエルガ・ゲリラにより阻止された物と断定!」

「……
総員をつぎ込んでも構わん
急ぎ探し出し何としても抹殺しろ!
連中の死体を持ち帰るまで殺した事にはならん!」

「了解!」

この司令官の迅速な判断で
町には規制線が張られ俺達3人は既に籠の中の鳥だった

「エルガ、そろそろどうなってるのか教えてくれ」

「状況を教える事なんて簡単だよ
だけど、その前にやらなきゃいけない事がある!
弾層とかの補給をしなくちゃ!」

あーでもないこーでもないと会話をしている時だ
後ろから声を掛けてきた男が居る

「其処に居る嬢ちゃん…
俺に一度会った事はないか?」

「!」
「なんだよ、オッサン。今…」

「アンタ!誰!私を知ってるの!?」

「その物言い…
ギャングの中の富豪
イーグル・バンツァーにそっくりだなァ…ん?
…ってーと…嬢ちゃんの名前は…
まさか…レイルお嬢か!?」

男の名前は但馬
何でも富豪の親父さんは家に居る事が少なかった為
当時、右腕として活躍していた彼に娘を預けていたらしい


「タージー、丁度良い所で会ったわ。
助けて欲しいの」

「お嬢…そこの2人に関係してる事ですね?」

「そう。
2人はモルモット部隊よ…。

……」

しばらく2人で話し込んでいたが話がまとまったようだ

「よし、直接は力になれねぇーが話は分かった。
お前等、どうせこの町からはまだ出られねぇーし
直ぐ其処の宿場に泊まってけ。
そうすればこっちも準備は出来るからよ」

宿場まで案内された俺達は言われるがまま泊まる他
良い考えが無かった…。

22:エルガ ◆BDJ.:2011/01/10(月) 00:03

翌日
但馬は20数人の仲間を連れて合流した

但馬自身は参加できないが充分だった

「お嬢の頼みだしよォ
もっと人数割けるかと思ったがコレが限界でよ」

この後
彼の限界の幅を俺は知る

「ありがとう。タージー
行くよ。お前等」

目の色が違う彼女の後を
俺達は付いていくしか出来なかった
リーダー格の男が話しかけてきた

「ん〜…
顔立ち
戦闘能力
指揮能力
…聞いた話より少しイメージが違うが
流石はお嬢の選んだ男だ
状況判断は間違いなく出来る男だな」

横から下っ端風の男が茶化す

「おい、坊主
女を泣かせる男は最低だぞ〜」

「少し黙ってろ。
今話してんのは俺だ」

町の東ブロックから脱出を試みる

気付いた時には西ブロックの方が騒がしかったが直ぐに理由が分かった

「但馬のダンナがお前等を逃がすために
別の仲間連れて
ギャング同士の抗争を起こしたんだ
おめぇらレジスタンスは俺等の抗争も止めなきゃいけねぇ…
ダンナはその裏を付いたのさ」

20人近くの人間を用意した上
抗争も起こす…
彼の限界はこの事だったのか…

しかしエルガはまだ気付いていない
裏切りの火種が少しずつ大きくなっている事を…

「雷那、長谷部元隊長に合流する!
今、俺達に力を貸してくれる人間は恐らく彼くらいしか居ない!」

「…そうだな。
俺もそれを考えていた所だ

直ぐ近場に
他の町もある。
其処で情報を集めよう」

雷那・イシュベル
彼ほどの能力者が命に縋る

それは「レジスタンス」の崩壊を意味しているのかも知れない

彼の裏切りはのちに
軍事勢力分布に大きな変化が起きる事になった

…だがその話が語られる事は
この物語では「無い」

なぜなら
彼の企みは直ぐに鎮圧され
彼は処刑される事となる
…エルガと言う良き戦友が居なければ…

23:エルガ ◆BDJ.:2011/01/10(月) 20:25

雷那は
俺達一行を新天地へと…つまり別の町へと案内する

彼の裏切りは既に始まっていた

町に着くと同時に
一行はレジスタンスの襲撃を受けていた

「ちくしょ〜!
……おい!坊主!」

リーダー格に呼ばれ振り返る

「何です!?」

「もう1人の坊主はどうした!
さっきから見てねぇーぞ!」

「…あ」

「ぼさっとするな!蜂の巣にされてるかも知れねぇ
援護するから探して来い!」

「はい!」

実直な所
この時点で裏切られた事に気付いていた
町に入ろうとした一行に銃撃を加えて来たレジスタンスとの攻防の中
何処かへ走り去っていく彼を目撃していたのだ

「…雷那…」

何処かで彼を呼ぶ声がする
その声はレイルの物だった。

「アンタ!友人置いて自分だけ逃げる気!?」

「…知るか。
アイツに関わっていたら俺の命に関わるんだぞ!
俺は生きる!
生きてエリートまで上り詰めるんだ!
邪魔はさせない!!」

「ふざけるんじゃないよ!
アンタ単独だっていずれ始末されるの
だったらこっちに居た方が長生き出切る
何で皆を騙したの!」

建物の影から聞く事しか出来なかった
だが彼の思いもまた一種の抑圧があったのかも知れない

「アイツは良いさ
俺より前線に居た時期は長い
離線軍でエースの扱いを受けても
アイツには敵わなかった。
アイツは自分が殺される事をいち早く予見し
俺の命すら救って見せた
注目されるのはアイツで俺はおまけ

アイツの近くには何も言わずとも仲間が集まっていく
俺が出来ない事をしてるんだ

だったら俺も俺に出来る最大限の一発勝負に出たのさ」

「意味分かんないよ。
其処までして仲間を売る訳?
確かに
私たちギャングは昨日今日に出会った仲だけど
エルガは違うでしょうよ!」

「そもそもお前がアイツの前に現れてから可笑しくなったんだ!
お前さえ居なければ……!」

銃を構えようとする雷那に俺は制止を掛けた

「動くな!雷那
全て聞いた!貴様を反逆者として拘束させて貰う!」

「…エルガ……」

「抵抗の意思を見せれば此処で銃殺にする」

仲間のためを思ってあえて冷たく言い放つ

「…俺は…死ね無い!まだ死なない!」

足元に合った石を俺に目掛け蹴り飛ばす

バスン。ッチュン

弾丸は見事石に衝突
だが雷那には逃げられた…

24:エルガ ◆BDJ.:2011/01/11(火) 18:34

本当は…
本当は拘束なんてする気も無かった
彼はそれを分かっていたに違いない。だが
戻った後の始末が厄介な事に逃げたのだろう

「あのバカ、逃げ出したよ!エルガ」

「…戻ろう、レイル
皆が戦闘を続けてるんだ、加勢するぞ」


合流した後
なぜか戦闘は途中で終わった
レジスタンスの面々が引き下がっていく

だが理由ははっきりと分かっていた

「…アンドロイド…」
ほんの10数機だが
アンドロイドの分隊が襲撃してきたのだ

離線軍所属のレジスタンスに
アンドロイドを相手に戦う事は難しいのだ

「おい、坊主
あいつ等はお前にしか相手出来ないんだ
速く何とかしろ!」

…無茶な…
確かに俺の武装は対アンドロイド使用の武器だが
1人で相手をする事は「死」と同じだろう…

「っく…クソォ!」

走り出した足にもうストップは利かない
混戦状態の中
機械を打ち抜く恐怖

初めて恐怖を感じたのは建物の影に隠れた時だ
しかし
その恐怖は隣に顔を背けた時に無くなった

「何してんの、
速く行くよ!」

「レイル!何で付いて来るんだよ!」

「1人じゃ無理な事くらい私にも分かる」
彼女の手に合ったものは
アンドロイドが使用していたガトリングだった

「コレならあいつ等を殺れる。」

「……傷作っても知らねぇーからな!」

再び
アンドロイドの群れへと走っていく2人を
ギャングの連中はどう思っていただろうか…

俺は雷那の言葉
ギャングのリーダーの言葉を思い出し
それでも武器を手に走る…

25:エルガ ◆BDJ.:2011/01/12(水) 20:34

雷那は失踪後、独自に仲間を集めていた。
しかし
だからと言ってアンドロイドには太刀打ちが出来なかった。

彼が次に狙った物…それは「モルモット隊」の面々だ
彼等の武器こそ
アンドロイドに有効であり且つ強力だった
彼等、独立軍が生き残るにはモルモット隊の武器が必要でありあまりにも魅力に溢れていた。

それに彼にとってモルモット隊を相手にする事は容易なミッションであり
次々に武器を奪って行った

「…今死ぬ訳には行かない」

彼には生きなければならない理由があった
それは単に裏切りを働いた事への罪悪感ではない
…家族への思いがあった
彼のような者が易々と裏切りは働かない。
彼の異常な行動には家族が関係していたのだ

コレは雷那が補給物資を取りに向かうミッションの時の話だ
…つまり殺されかけたあのミッション…

「緒済司令!雷那・イシュベル到着しました!」

「ふん、傷は大丈夫そうだな…
実は君に言っておきたい事がある
君の家族が見つかった…」

「!」
彼の家族はこの戦争が始まって直ぐに離れ離れになっていたのだ

「今回のミッションの完成度次第で君の家族への面会も考えているのだが…」

「条件がある…と?」

「何、簡単なミッションだ
もしエルガ曹長と一緒になる事があれば逐一、場所を報告して欲しい。
何があっても…だ
例え我々の新しきミッションの内容が彼等から漏れたとしても」

「…?」

「要するに
君には彼を監視して欲しいのだよ
我々の未来のために」

「もし…曹長と合流できなければ?」

「それはそれで構わない。
ちゃんと補給物資さえ届けてくれれば
家族との通信等の善慮もしよう」

知らぬ間に俺は「裏切り」の加担をさせられていたのだ
あの状況だ
司令はエルガが俺を助けに来ると分かっていたんだ…
出来ればあそこで2人を抹殺…

それが出来なかった事を考慮して
「監視」なんて事を任せたのか。

町でレジスタンスと遭遇した時に分かった
…俺は裏切りをした
薄々気付いていた。にも関わらず俺は…「嫉妬心」のせいで視界が曇り
「正義」のあり方を失った

俺は家族に会いたかっただけなのに…

我に返る雷那

「癪に障る!」

バスン。
今まさに
レジスタンスから武器を奪い取った場面に引き戻される

「……エルガ
この貸しは、何時か返すからな!」

再び友の思いに応えるべく
雷那は緒済の指揮している基地へと向かう
彼の汚名を晴らすために…。

26:エルガ ◆BDJ.:2011/01/14(金) 21:04

一方エルガたちは
これと言った情報も得られないまま町から町へと点在していた。

そんな中
とある錆びれた町に辿り着く。

「まるで焼き払われたような惨状だな…」

地図にも乗っていなかった町
不思議な感覚が首元にまとわり付く
それは決して気持ちの良い物ではない…
だが
なぜか安心感があった

「…誰だ!お前等!」

後ろから聞こえた声に一同は振り返る

「怪しい者ではない。
この男を捜して此処まで辿り着いただけの旅の一座だよ」
例え嘘だとしても相手を不安にさせないため素性を隠す
写真を片手に俺は声の主へと近付く。

「…旅?
いったい、何処からの一座なんだ?
どれ…その写真の男だな?見せてくれ」

「急に済まない。
旧東京の方から来たんだ
その男、俺達の一座の一員だが
急に行方が…」

「この男、知ってるぞ?」

「!」

「ついこの間だ数えるくらいしか居ない人数を引き連れて此処を訪れた奴だ
コイツが俺達の町を…」

事情は何となく察しが付いた
だがなぜこの町に攻撃を仕掛けたか理解が出来なかった

「そいつ等の話だと
一端、旧新潟まで北上して何かすると言っていた。
その後
また旧東京へ戻る。…と」

「旧新潟だと!」
声を荒げたのはギャングリーダーだった

「旧新潟と言ったらレジスタンス本部があるんだぞ!?
そんな所にたった数人で?
自殺行為だ!
万一、行けたとしても帰って来るときの命が保証されんぞ!」

『長谷部隊長は本部へ直訴するつもりか?
…それとも…』

進行方向さえわかれば後は追い付くだけ。
直ぐに向かう
だが追い付くより先にアンドロイド部隊へと遭遇する。

実質戦闘でアンドロイドを撃破可能な人間はエルガとレイルしか居なかった
ゆえに戦闘の中心も2人がなった

此処で俺が撃たれなければこの後の動きは多分なかった
不思議な縁が交差し
新たな戦力が彼等に加わる事となるのだ…

27:エルガ ◆BDJ.:2011/01/15(土) 14:35

エルガが意識を失ってから半年過ぎ

仲間の面々はもう数名しか生き残って居なかった
だが
次の戦闘で増える

「怯んでるんじゃないよ!?
相手はただの機械だ!
私たちに勝てる訳ないんだ。
皆、行くよ!」

レイルの一喝すらもう皆には届きもしない
ゆえに
周辺を包囲される
それに恐怖した1人が逃げ出そうとしたが
直ぐに蜂の巣になった

アンドロイドの視線は直ぐにレイル達へと戻される

「…お仕舞い…かな」

「カウントは…10分だ」

「?」

その声は背面にあった崖から聞こえた
弾丸がアンドロイドの部隊へ一斉に飛んだ
だが
アンドロイドも応戦へ出る

「誰よ!」

その問いに答えるように
声の主は崖から飛び降りてくる

「雷那・イシュベルだァーーー!」

前面に見えるアンドロイドへマシンガンで弾を浴びせ名乗る

「冥土の土産に覚えとけ!」
10分も掛からなかった…
雷那の連れて来た部隊はものの数分でアンドロイドを全滅させた

レイルが口を開くより先に雷那は問う

「エルガはどうした?
…居ない所を見ると…死んだか?」

「……良く帰って来れたね!
最低な事してノコノコと!」

「もう一度聞く。
エルガはどうした!」

この口論は直ぐに終わった
雷那は俺の姿を見ると絶句し何も言わなくなったからだ

それから数週間で俺は目を覚ます
罪悪感を感じたからだろう
雷那は顔を合わせようとしなかった
だが
この後、雷那は俺に問う

「…俺達で新たなレジスタンスを造りたい
緒済の事は俺が始末を付けて来た。
…頼む力を借りたい」

「これ以上軍事勢力を作る事がどう言う事か…」

「分かってるよ。
だからこそ
腐ったレジスタンスを壊滅させる必要がある
それが危険な事も承知だ」

「勝算なんかないだろ?
仲間を皆殺しにするつもりか?」

「それが勝算に繋がるかは不明だが
俺と同じ考えのレジスタンス部隊が幾つかある
彼等も仲間に入れて
まず手薄になったレジスタンスを叩くべきだ
アンドロイド襲撃の後を利用すれば直ぐだよ」

「…考える余地はあるが
まだ行動を起こすには早い。
旧新潟に向かった長谷部隊長に合流しなくちゃ」

話は徐々にまとまり
それぞれ戦闘への準備が進められていくのだ

28:エルガ ◆BDJ.:2011/01/16(日) 20:35

反アンドロイド・反レジスタンス勢力は名も無きまま
戦いの幕を開ける

レジスタンス本部は見せしめにと
エルガ達と合流していない長谷部達を処刑するべく動く
だが
本部に向かっている彼等を一光に見つける事が出来ずにいた
しかし
それはエルガ達も同じだった…

「隊長を見つけられない上
レジスタンスの動きが活発化している
…どうするエルガ」

「…先輩ならこんな時…」

判断を誤れば合流前に全滅の可能性もあった

「……本部へ襲撃を掛ける!」

「!」

「正気か!?エルガ!」

レイルと雷那が俺の言葉を待つ

「恐らく
先輩は俺達が襲撃を掛けるのを待ってる。
自らが動かないのは
人数不足なだけじゃない!
策があるはずなんだ」

『今までがそうだったように…』

「本部となれば方々の分隊を呼び戻して応戦してくるはず。
…もし先輩に策があるとすれば
俺達は負けない!」

説得するに当たってこんな無責任な意見は
通るわけがなかった
…だが
それしか変化の過程がない。

そして
エルガ・雷那連合は本部への攻撃を開始するのだ

29:エルガ ◆BDJ.:2011/01/18(火) 22:13

俺達の裏切りから
本部の体制が変わっていなければ
本部を攻め落とす事など簡単だった

だが本部は俺達の想像をはるかに超えた行動を起こしていた…

「アンドロイド兵士化計画」

戦闘で捕獲したアンドロイドに
野生の狼などのDNAを結合させ
生ける兵器を作り出していた

「ペットは最初の躾さえ守れば忠誠な兵器だ」

「……緒済め…此処までするか!」

雷那のその一言に疑問を抱く

「緒済は抹殺したんじゃないのか?雷那」

「いや
緒済は俺達が奇襲を掛けてくるのを読んでたんだ
本部にいち早く逃げてたよ」

「緒済め…」

だが今考えるべきは緒済ではない
目の前に転がって来た「知能を持った虐殺兵器」を止めなくては。

「皆!いくぞ!」

一斉に走り出した面々に
虐殺兵器も反応を示す

「んにゃろォ!」
後ろに居た大谷が銃を構えるがアンドロイドの反応が早かった

「……」
弾丸を受け大谷が静かに倒れ込む

「お…大谷!」
駆け寄った俺の言葉に僅かに反応し手を出すが…言葉が出ていない

ふと我に返り
アンドロイドへ注意を戻すが
銃を下ろしている

『敵対心のある者にだけしか攻撃をしない?』

俺は一歩ずつそのアンドロイドへと近付いていく
だが
再び銃を構え出した。
『此処で手を上げれば負けた事になる』

ゆっくりと後ずさりをし
武器を下げていたベルトやその他武器類を地面に置き
再び近付く。

「やはり動物の本能が生きているのか…。
こちらが抵抗しなければ
触る事だって許してくれるとは…」

「敵ゲリラ、武器放棄。戦闘の意思無し
目標修正。」

かすかにアンドロイドの声を聞き
会話が通じるかを試すことにしたのだった…。

30:エルガ ◆BDJ.:2011/01/19(水) 22:39

エルガの行った実験は後の戦果を大きく変えるものだった。

「…君のコードネームは?」

「T-32-スナイプフォーム」

「作戦内容の確認!」

「作戦事項1
敵対する意志を迎撃
事項2
基地の防衛」

「今、俺の意志は?」

「戦闘意志確認不能
投降、または死亡したと認識」

「いいや。違う
俺は…T-32、お前の司令系統だ」

「理解不能」

「理解不能か?
ならあそこを見ろ」

俺が指指した場所は本部基地だ

「あそこには爆破物がセットされている
君たちアンドロイドには認識出来ないように
レーダー感知できないよう
全てが手作りで作られた物だ」

「…作戦事項2に乗っ取り
基地防衛へ移ります。」

「待ってくれ
その前にすべき事がある…」

そうして俺はこの一機だけだが
アンドロイドをコントロールする事に成功したのだった

31:エルガ ◆BDJ.:2011/01/21(金) 20:50

―――…一方、失踪した長谷部は……―――

「ヘイ、リンゾウ
アンドロイドの部隊がComeしてる
どうするンダヨ?」

「落ち着け。
此処がバレた訳じゃない。
…日本語喋れても
相手の言葉を理解できなかったんだっけか?

…They aren't to find out ours.」

計算は違った。

アンドロイドはこちらの存在に気付いていたのだ…
一定の距離まで近付き
彼等は銃撃のために銃を構える。

「…!
皆!逃げろ!」

…遅い…。

弾丸は数人の仲間を貫き
血飛沫に姿を変え空を舞う

「くそ…俺も此処までか…
行動も起こせずに!」

ドチュン!

アンドロイドは煙を上げ地面へと倒れる

「先輩!
……いや…裏切り者、長谷部燐造!

…力を借りたい!」

「へへ…
遅いんだよ!お前は」

エルガ一行は長谷部との合流に間一髪で成功したのだ…

32:エルガ ◆BDJ.:2011/01/22(土) 13:11

なぜエルガ一行が燐造の所に辿り着いたかは定かではない。

諸説あるが
有力説として
レジスタンス本部への襲撃より先に
この場所へ補給に来ていたと推察されている

そうして
より勢力を上げた一行は
再び
本部への襲撃を掛ける事になった

今まで
自分達の部隊を分散させる事はなかった
理由は分散させる事による不安要素だ

要素その一
連絡系統を殺られれば行動不能に陥るかもしれない
その二
分散による戦力低下
その三
能力の均一化により
相手戦力への応対の弱小化

不安要素しかなかった

だが
戦力の増強を図った事で
不安要素は全て取り払われた

残るは敵の壊滅のみなのだ

分隊の結果
3班に別れた

第一班
エルガ・レイル

第二班
雷那・獣化アンドロイド

第三班
燐造・ギャングリーダー

となったのだ

そして
慎重に本部へと侵入計画を練り
戦闘が始まる頃には3日間を費やした

33:エルガ ◆BDJ.:2011/01/23(日) 20:48

三つに分散したこの分隊…
見落としの無いバランスの取れた振り分けだったはずだった…

爆撃の中
エルガは意識崩壊寸前だった

今から1時間も前の話だ

雷那グループ・燐造グループの活躍により
エルガグループは見事、中央突破に成功した

予想を下回る兵力に
エルガは「罠」が張られている事に気付いていたにも関わらず
歩みを進めていた。

そして…

「待ち伏せと挟み撃ちを使ったうまいトラップだ…」

隠れる場所の無い通路に進路・退路を絶たれた状況に陥った

「エルガ、直ぐにどちらかのグループに連絡を…」

「無駄だ!
今までの戦闘経験をインプットされてるアンドロイドだ
恐らく
トラップ発動と同時に皆の方にも総力を挙げて足止めに掛かってる」

「…どうするの?」

「決まってる!」

マシンガンを手に持ち替え乱射をし始める
退路の確保を優先とし
前方の敵はギャングに任せていた

「レイル!いくぞ」

彼女の腕を掴み全員に合図を送りながら退いていく
そんな中
雷那グループも急ぎ合流したのだが…

「エルガ!
……?
レイルは?」

「何言ってんだ?
ちゃんと此処に…」

『……居ない!』

そう
腕を掴んだはずの彼女は此処には居なかった
…腕を掴んだのは別人で
俺はそれに気付かず逃げてきたのだ

「…!…レイル!」

振り返り彼女を探しに行こうとするエルガを雷那が止める

「行くな!まだ彼女は殺されてない!」

「どうしてそんな事が言える!!」

「捕獲されているとしたら
格好の人質だろ!?
そんな人間を緒済が殺すわけが無い!」

その言葉にすら冷静さを復元させる事が出来なかった

『やっと気付いた…
ギャングリーダーに初めて言われた言葉の意味も
雷那の嫉妬の理由も
レイルが俺から離れなかった訳も…』

もはや勝算など崩れ去ったも同然

敵陣の真っ只中で流す涙には味を感じなかった
頭の中で
何かの物を落とす音と同時に
エルガの表情は一瞬にして変わる

「…緒済を……殺す!」

全ての武装を雷那に預け
対アンドロイド用ライフルを片手にエルガは単身走り去る
雷那はエルガの顔を見てから
何も言わず目が合うとただ頷き見送る

此処からが真の意味で戦争なのかも知れない…

34:エルガ ◆BDJ.:2011/01/24(月) 20:42

俺は今だからこそ思う。

隠密に適した人材は中々居ないが
俺はそういう立ち位置が似合っているのだと

獣化アンドロイドは
聴力・嗅覚を頼りに襲ってくる

だが彼には何の弊害にすらならなかった

「緒済ィ!!!」

「…ふん
来たか。此処まで手の患う相手だと分かっていれば
直ぐにでも抹殺してやったものを…」

緒済の横に居るレイルを見て驚きを隠せなくなった
そう
もう一度言おう
俺は意識崩壊寸前にまで崩れるハメになる
理由は
彼女の裏切りにある
アンドロイドに捕まったであろう彼女がこの時
俺に向かい銃を向けている

この事実についさっきまでの数々の思いが消え失せる

「やってしまえ」

緒済のその言葉に現実へと戻される

『逃げなければ…!』

「遅い」

左の肩に弾丸が貫通したのが分かる

「…っく…そ」

膝を突き倒れそうになる体を右腕で支える
「緒済ィ!」

銃を構えたくとも俺は左利き
肩を打ち抜かれた状況では到底銃など構える事すら出来ない

徐々に獣化アンドロイドがこちらへと向かってくる

…カラン…バシューー

「発煙缶!?」

「エルガ!いくぞ」

雷那の投げた発煙缶のお陰で命は助かった

「前に出過ぎなんだよ…お前は」

またも昔の映像が頭を過ぎる

「裏切りを考えていたのは俺じゃないんだ…レイルなんだよ…
俺はそれを知ってた
だが俺はあの時
皆を置いて長谷部に合流しようと模索していたんだ
それを裏切りのネタに使われ
後に引けなくなったんだ」

今まで一緒に居た戦友は
俺達の今後を考えて動いていたのだ
しかし
俺はその戦友を疑いっぱなしだった

「とりあえず此処は引いて
皆にこの事を報告しよう。な?
傷の手当ても必要なんだ
これ以上の深追いは無理だ」

初めてだ
…これほどの敗北感を感じたのは……

35:エルガ ◆BDJ.:2011/01/25(火) 17:29

今まで数え切れない程のミスをして来た。
それでも
俺はなんとか今日まで生きて来た
だが
もう生きた心地がしない

傷の手当てから早数週間
俺は皆の下から逃げ去っていた

俺の中に残った物は…
憎悪の塊でしかなかった
傷として残った復讐心は大きくなっていった

「いくぞ……タイラント…」

「作戦目標は?」

「獣化アンドロイドを一機でも多く俺達の味方に付ける」

「作戦目標確認。任務に当たります」

唯一仲間にしていた獣化アンドロイドには既にコードネームが付けられ
その名でエルガは呼んでいた

………

「緒済司令に報告」

「…ん?何だ?」

「東地区の索敵に当たっていたアンドロイドの数機が消息不明となりました」

「何?…最後に捉えた信号の場所は?」

「東地区より帰還するにあたり移動中との事でしたので…
旧新宿方面だと思われます」

「……取り急ぎ捜索班を設立し行動させろ!」

勿論
この事件は俺の起こしたものだ。
レイルは直ぐに俺の行動だと気付いたのだろう
緒済に余計な入れ知恵をしたのだ

そうして2年が過ぎた

「怯むな!まだ俺達だって充分戦える!」

ギャング達に叱咤をしながらアンドロイドとの戦闘を続ける雷那
この1年でアンドロイドは更に進化していた
人間の科学力の総力をつぎ込まれ
人間が未だ自由に扱いきれない「レーザー攻撃」も可能なまでに進化していた
こうなれば隠れる事など無意味な行動なのだ

長谷部燐造は半年前に病死
ギャングリーダーもレーザー攻撃により植物人間と化していた

しかし
不運な事だけではなかった
緒済の戦死も雷那を驚かせたニュースだった

「誰が緒済を…?」

多くの者はエルガの仕業なのだろうと噂をする。
だがこの話も雷那のレジスタンス崩壊説と同様本作で語られる事のないアナザーストーリー…
また何時か
この物語の日の目を見る日が来るだろう。

今まで通り
時の流れを話して結末まで進もうと思う

その時まで
しばしお付き合い願おう

36:エルガ ◆BDJ.:2011/01/26(水) 16:28

事実上
緒済が死んだ事によりレジスタンスは崩壊したかのように思えたが
彼等はゴキブリのように
仲間を集めては攻撃を仕掛けてきた

レジスタンス残党はもはや
形振り構わず攻撃を仕掛ける暴徒と化し
人々を襲う

フォルカ・アリヤーも戦う意味を求めひたすらに弾丸を放つ事しか出来なかった

今日の彼女は不運にも
エルガ率いる獣化アンドロイド部隊「リバイバル」との戦闘に時間を割いていた

「どいつもこいつも邪魔しないでよ!
私は幸せに生きたいの!それなのになんで!?」

もはやレジスタンスの残党には命の保証などなかった
人材提携をしアンドロイドから命の保証を受けていたレジスタンスだが
その総責任者が戦死しているのだ
青梅博士も残党の人間を人体実験に扱うために残党に
アンドロイド軍団をけしかけたのだ

その上
彼等残党は雷那率いる新レジスタンスにより発見し次第制圧されると言うデメリットも課せられている

残党には八方塞の道を行かなければならない試練があるのだ

しかし今日の彼女は不運の中にも幸運を見つける
彼女は戦場を駆けている最中にエルガに遭遇するのだ

「……!?
貴方!…民間人?此処は危険なのよ!?どうしてこんな所に…」

「行け」

エルガの感情のない一言でアンドロイド達が彼女を狙う

「!…そんな…」

「別部隊の居場所を吐かせろ
30分して吐かないなら殺せ」

そうしてエルガは再び歩みを進める

だが
今日は彼女以外にもエルガにも不運が起きているのだ

「エルガ!」

「!
……久しぶりだな。雷那」

「今まで何処に…
アンドロイド!?」

「こいつ等は俺を裏切ったりはしない。
僕でもなんでもない。『同士』だ」

「何を言ってる?
さァ、戻るぞ!エルガ」

「…邪魔だ」

スチャ、バスン。バスン

雷那の後方より放たれるアンドロイドの弾丸
間一髪雷那には当たらない
そして計算上の弾道を描く弾丸はエルガの頬をギリギリで通る

しかし
フォルカの計算までは出来て居なかったのだろう
彼女の腕へと弾丸が行った

「!」

「っち…」

エルガは振り返る

「待て!お前の帰る方向はこっちだろ!?」

「今の廃れたお前達の場所なんかには居られない
…全機に通達
戦闘を中断し基地に帰還せよ」

「…じゃあな、雷那」

そうしてエルガはアンドロイドと共に基地へと帰っていくのだ…

37:ハルト ◆Q376:2011/01/29(土) 11:19

この後に戦争は思わぬ方向へと動く

フォルカ救出のため基地に帰還したエルガだったが
その傷の浅さに安堵していた

「2,3日で治るだろう」

その2,3日の間に戦争は終結してしまう

一連の行動を見ていた雷那の活躍により
青梅博士の暗殺に成功
アンドロイドも既に稼動しているものを除き
事実上
生産がストップ

レイルはどうなったのか
それは
雷那の説得により
再びこちらの戦力へと戻ったらしい

雷那はエルガを呼び出し告げる

「お前がフォルカを守ったように
俺も守るべきものが増えた
だが
俺はアンドロイドの残党を消しに全国を廻る
レイルも…来てくれると言っている

…まだ俺達を信じなくても良い。
だが
もし今まで戦ってきた戦友のよしみを掛けてくれるなら
フォルカと共に一緒に来て欲しい」

エルガの答えは決まっていた
『yes』

その言葉を耳にした雷那は涙し地に臥せってしまう

そして日の出の時間…

「俺達は日の出と同じ
登ったり落ちたりする生き物だ
お前は罪悪感を感じたかも知れない。だが
俺は
雷那…お前に会えた事よりも
今こうしてお前と再び手を取れる事が何より嬉しくて成らない
さァ、立て。」

「行こう、俺達の求める進展地へ…」

……the end……

38:エルガ ◆BDJ.:2011/01/29(土) 20:30

・・・今気付いたが
人のスレ勝手に終結させんな!ボケw
いくらお前でも許さんぞ?

そんな事してる暇があるなら
さっさとこの間のネタの犯人見つけろよ
何が「濡れ衣」だよ

犯人見つからないならお前が犯人同然だろうが。

残念ながら
お前の書いた終結方法だと後に続かない物になっちまうんだよ。

確かに
前のスレで似たようなエンディングを書いたんだが
あくまで作品全体を通した最後の部分がアレなんだ

この話は2もあれば3も有る
お前のその書きは本当に一番最後に書こうとしてた事だ

って事で余計な書き込み乙

39:はちみつ:2011/01/30(日) 12:28

荒れてますねー…。

40:エルガ ◆BDJ.:2011/01/30(日) 19:55

>>39
一度くらいの先レスされたからとマジ切れはしないものの
エンディング書かれて以降
どうしようかと悩み中

もはや
>>37でも良いような気がするものの
頭の構成とギャップがw

もはや新スレに切り替えて再出発の意向を考え中


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