ツ・イ・ラ・ク

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1:エルガ ◆BDJ.:2011/01/30(日) 21:04

前スレもあんなんだし心気一変って事で書き
今回はちょっとSF系から離れたリアル系の物を・・・。

「冴堵 刃」

この物語の主人公であり
対した特長もなくただ一日を呆然と生きているような人生悲観者

「木嶋 葵」

刃の幼馴染である
性別は女
性格は彼と打って変わり人気もある


その日も刃は窓の外を見て授業なんて聞いても無かった…
「聞くだけ無駄」なのだ
学力はそこそこであるが頭が良いと言われる程でもない
そこら辺の学生と同じ位のレベルしかない

昔のイジメのトラウマで勉強だけは並ぐらいまで出来るようにと
それなりに勉強はしてた

気付けば高校生。

対した夢もなく
まだ1年だと言うのに親は「進路、進路」と口五月蝿い

コレでも昔は夢見る少年だった
「ジャンルは何でも良いから歌手になりたい!」

所詮は夢だと言う事に気付いたのだ

実現不能の理想郷を抱いた俺は
やり場のないストレスと共に日々を過ごす

「現実なんてものに『理想郷』の歯車は合わない」

日々、摩れて行く気力はよりネガティブに火を付ける事となる…。

2:はちみつ:2011/01/30(日) 21:37

刃… 汗
刃って… 汗
(′A`)被っちゃったよ… 汗
な、なんかすみません。

3:エルガ ◆BDJ.:2011/01/30(日) 21:41

4時間目も終了し昼飯のために屋上へと向かう

屋上なんてベタな場所
もう学生には人気すらなかった
だから
俺は此処が好きなのだ

誰も居ない・誰も来ないこの場所が。

コレでも何時もは騒がしいのだ。
なぜなら
葵が口うるさく文句を言いに屋上まで追い駆けてくるからだ

何時も目の上のたんこぶと言わんばかりのその存在に
今日は開放されていた
バスケの地区予選のために葵は公欠だったのだ

だがその天国もあと2日で終わる

ふと我に返り飯を頬張るが
やはり1人だと味気ない昼食だ
昼休みの時間を目一杯、愛読書に費やす物の途中で飽きた

「何か面白い事ねェーのかよ…?」

壁にもたれながら文句を呟いても誰も返してくれる人が居ない

「…寂しいねェ。
コレが噂に聞く孤独死の典型かな?」

苦笑しながらも教室へと戻る

『コレが高校生活か…なんか味気ないな』
『死のうかな』

その言葉が脳裏を過ぎると刃の妄想は爆発した

『今此処で死ねば皆大騒ぎだよな…?
そうすると皆の人生が少し面白いかも。』

引っ切り無しにそんな事が浮かんでくる

授業中1人ニヤニヤとしていたら隣の相川が話掛けて来た

「おい、冴堵
お前エロい事でも考えてんのか?」

「っは?
んな訳ねェーだろボケ」

「んじゃ何だよ?」

「どうしたら人生は楽しくなるのか考えてたんだよ」

「…やっぱエロい事じゃん!」

「お前の脳みそと一緒にすんじゃねェーよ」

「相川!次の所読んでみろ!」

「っえ!?…あ、はい……なんページ…でしたっけ?」

『そら見た事か』と笑っていたのもつかの間

「ん〜、仕方ない冴堵!読んでみろ」

「…俺かよ」
小声で言ったつもりが聞こえてしまった

「どっちも授業を受ける気があるのか!?
もっとしっかりしろ!もう子供じゃないんだぞ?」

「すいませーん」
「すいませんでした」

帰りの時だ
後ろから物凄い音でシャカシャカと自転車を漕いで来る奴が居た

「…見覚えがあるような…
…嫌な予感!」

スカートに合わないくらい筋肉の付きが良い足に
細長い体
短髪で色白……

「っげ!」

「刃ァ!」

「何で此処にいんだよ!
ふざけんじゃねェーよ!」

猛ダッシュで逃げるが相手はチャリ
スンナリと追い付かれた

「何で逃げるんだ!刃
そんな子に育てた覚えはないぞ?」

「育てられた覚えもねェーよ。
…ってか何で此処にいんだよ。葵」

「今日授業出てなかった分、刃に聞こうと思って。」

「俺がまともに授業受けてねェーの知ってんだろ」

「だから教わりながら『みっちり!』教えてあげるから
アンタの家で勉強会するよ」

こんな感じに
俺とコイツは主従関係まで出来上がった幼馴染な訳で

…あと2日で天国が去ると思うと鬱になりかけるほど嫌なのだ

4:エルガ ◆BDJ.:2011/01/30(日) 21:43

>>2
まァ
先に構成考えてたのそっちだし
謝らないで欲しいんだが・・・。

被ったのもなんかの縁だし
暇な時に見てあげてw

5:はちみつ:2011/01/30(日) 22:33

ではお言葉に甘えてそうさせていただきます☆
(^A^)b

6:エルガ ◆BDJ.:2011/01/31(月) 17:39

俺の家族は俺が葵と付き合っていると勘違いしているらしい。
昔からの馴染みだし家に上がっていく事にすら何ら抵抗しない

こうして2人の寂しい勉強会が開かれると同時に俺は居眠り。

ノートで思いっきり殴ってくる葵にすら動じずに寝る

だが今日の学校の事を少し夢に見てしまった

それは2時限目に移る時の事


高々、肩が少しぶつかっただけなのだが彼はわざとらしく眼鏡を落としこう告げた

「ぶつかっておいて謝りもしないのか。頭がカラッポの奴が羨ましいね」

「んだよ、アイツ」

今になって思い出したんだ
アイツは学年トップの成績を有する城鴨だ

「城鴨 弦人」
頭の切れはピカイチで先生からも一目置かれているが
性格に問題ありの別名「マッドスタディー君」

超が付くほどねちっこい性格で
確か国語の試験で一度クラスの女子に負けたのをキッカケに逆恨みまでして
その子を退学まで追い詰めてたよな…

『最悪だ…
なんて最悪な奴にぶつかったんだ…』

「ちょっと!いい加減人の話聞いてよ!」

「ん?」

「寝たり考え事したり忙しい生活しないの!」

「…そういやさ
葵って一度、マッドスタディーに喧嘩売った事あったよな?
…あれ、結局どうなったんだ?」

「あんな根暗な奴の話なんかしないでよぉ!
それより勉強でしょ!」


あの時も確か
俺が発端で喧嘩になったんだよなァ…

当時俺はまだ彼の性格の黒さを知らずに気安く話しかけてしまったのだ

「ねェ、君、頭良いんだろ?
ちょっとさ
この問題教えてくれる?」

提出期限ギリギリだった宿題だが
彼は文句すら言わず淡々と問題を解いた
丁寧にその答えまでの段取りも書き添えて…

『良い奴そうで助かったァ…。無口なのは愛嬌って事にすりゃ付き合って行けるかも』

書き終えたノートを渡すなり彼は再び自分の勉強へと移る
余計な一言を言わなければ良い物を
俺は聞いてしまったのだ

「そういやさっき別のクラスで聞いたんだけど
君、変なあだ名で呼ばれてんの?

イジメ?
先生に言ったほうが身の為だと思うよ?俺はね」

その言葉を聴くなり彼は俺に殴り掛かって来たのだ

そして最後に言い放った言葉が

「知能の低い連中と一緒にされちゃ困る。
君たちの「ない知能」を活用した僻みがイジメだって?

笑わせるな!

そんなのは僻みなだけであって弱者の遠吠えなんだ

…君もそこそこの知能がある猿なら分かって当然だろ?」

その言葉に葵が切れたんだっけか

それから彼とは関わらないようにしている

本当に逝かれた性格の持ち主だったんだ…。

7:匿名さん:2011/01/31(月) 19:08

>>1
>対した特長もなくただ一日を呆然と生きているような人生悲観者
→大した

>対した夢もなく
→大した

>本当に逝かれた性格の持ち主だったんだ…。
→イカれた


わざとだったらすまん

8:エルガ ◆BDJ.:2011/02/01(火) 10:37

>>7
最後のイカれたってのは完全なミスです

しかし
あえて説明するなら
「対した」というのは
「自分の人生に対して」という略式だとお考え頂ければ幸いです(汗


翌朝の話だが
俺は何時も以上に肩が重かった
と言うのも
あれから深夜まで葵に付き合い勉強をさせられ
一方では城鴨の事が引っかかって集中できなかったからだ

特別、疲労感と言う訳でもないんだが
先が思いやられる感覚が大きかった

しかし
今の今まで何もされなかった事を踏まえ
今日も学校に来てしまった…

何時もと変わらず
相川の下ネタに付き合わされる
コイツは毎日そんな事しか考えていないようだ…

遅くなったが相川の紹介をしよう

「相川 将」
俺とは小学からの友人だ
中学まではもっとまともな奴だったが
高校に入って不良ギャルの色気に負け
そんなネタばかりを振るようになってきた

正直
相川は高校に入ってもまともに折り合える仲だと思ったが
これ以上付き合っていくのが嫌になっている

「おい、刃
知ってるか?」

「知らねェーよ」
そう言い窓の外へと顔を移すが彼は止まらなかった

「まだ何もいってねーよ?
そんな事より
4組の佐々木がさァ……」

『呆れて物も言えないよ…相川』

「ちょっと!相川!」

「?……っげ、葵!」

「何で逃げるのよ!待ちなさいよ!」

『あァ、相も変わらず鬱陶しい幼馴染達だ』

「冴堵、後で話があるんだが…良いか?」

誰だ?
振り返ると其処には

「…城鴨…」

「何、手間を取らせようとは思ってない。
昼食の時間に改めて出直しを図るが君もどうせ暇人だろ?
拒否はされたくないんだが?」

「どうにでもどうぞ」

俺は急いで顔を窓へ戻す

なぜなら彼に対応するのが嫌とかではない
彼越しに見える
クラスメイト達からの冷たい視線を感じたからだ

9:エルガ ◆BDJ.:2011/02/01(火) 12:04

城鴨の話は衝撃的なものだった。

彼は
例の一件以来、葵を気にするようになっていたらしい。

「…そこで君に頼みたい事がある」

「俺は…そういう話には興味もなけりゃ請け負う気も無い」

「嫌、聞くだけでも構わないんだ」

飯を食いながらも熱意を語る城鴨に根負け
聞くだけと約束し条件を聞いた

「僕が知りたいのは彼女の日程なんだ」

『コイツ、既にデートに誘うつもりか…気が早すぎる』

「と言っても喧嘩をした手前話辛くてね」

『結果は見えてる。安心しろ城鴨、OKは死んでも出ないって』

「それに僕は筋金入りのガリ勉君だろ?
だから周囲からの評判も良くないのは知ってる」

『あァ、ねちっこい』

「結論を急ぐ事は良くない。
しかし
彼女が僕をどう思ってるのか気になるんだ」

『ただのイラ付く奴ぐらいにしか見てねェーよ』

「…それに
僕は君の事も不思議に思ってるんだ」

『あァ、変わり者って言いたいのね。良く言われるよ…』

「って、え!?俺が不思議?」

「君は何時も彼女と一緒に居るじゃないか」

「…そりゃ、…城鴨は知らなかったっけ?
俺達幼馴染なんだよ。あと相川も」

「っえ!!
んじゃァ尚更君に頼みたい!
どうすれば彼女とあそこまで親密に慣れるんだい?
教えてくれよ!」

『…と言われましても…』

「幼馴染って事以外
俺達には何も関係はないんだ
だからアドバイスも出来ないし
かと言って今までの流れを見ても成功するなんて言えないよ」

「…そうだよな…」

『言ってはいけない事を言ってしまった気がする』

しばらくの沈黙の後
彼は口を開いた

「よし!!
しばらくの間君を監視する事にするよ
何かヒントがあるかも知れないしね」

そう言って意気揚々と彼は立ち去っていく

「はァ…違う意味でウザイのがまた増えた…」

やはり朝の「先が思いやられる感覚」は的中した

「…明日から…どうしよう」

そういってその日の夜は悩みに明け暮れるのだった…

10:エルガ ◆BDJ.:2011/02/01(火) 22:37

まず今朝クラスに入っての感想…

『何だ?
俺が入ったとたん笑ってた奴の笑みがなくなった…』

昨日の冷たい視線から一夜を越し
刃はまぎれもないクラスメイトの異変を感じていた

薄々、勘付いてはいたが
恐らく今
俺は「イジメ」の対象へとなっているはず

それを確かめるために彼は相川へとわざと絡みに行く

「よっす。相川」

「おう」

「元気ねェーなァ?
そういや昨日、佐々木とデートだったんだろ?どうだった?」

「うん、いや普通だよ」

「何だよ〜、昨日はあんだけ騒いでたくせに〜」

「…なんか、悪いな」

「!」

『どうやらイジメの目標は俺の省きらしい
そして相川にまでそれが伝えられていると言う事は
多分、葵も…』

どうして一瞬にして其処まで理解できたのか説明しよう

相川にはある癖があるんだ
喧嘩が起きる前に先に謝る。

さっきの「なんか、ごめん」とは
彼の口癖で
何時も先に謝るのだ

長年の友人の癖を直感で見抜くが
これから起きる事への対処を迫られるのは他でもない。俺だ

『…事が悪化する前にどうにかしなくちゃ…』

そう考える刃だった

11:エルガ ◆BDJ.:2011/02/02(水) 09:46

昼休みに入り
「葵は来ないだろう」と思っていた矢先

何とも的外れな女だ
普通に屋上まで来た。
…客を引き連れて…

「刃ァ、何かこの子が話あるってよ〜」

「怒鳴らなくても聞こえてるっちゅーに!」

ソイツは俺を見るなり走って俺の所に来た。
小柄ではあるが男のようだ

「小野 卓哉」
遠目から見れば女にしか見えない小顔と身長
俺に聞きたい事があると階段を上っていた葵に話しかけたらしい

「君が冴堵君?」

「あァ」

「会えて良かったよ。…嫌
現実味を帯びた話をすれば会ったのは嬉しくないけど…」

「んで?」

「あ、ごめん。
実はね、君の事でクラス中が騒ぎになってるんだ」

「は?」

「あの〜…なんて言ったっけ?マッド…」

「スタディーか?」

「そうそう。
ソイツと仲が良いって話になってる」

「…仲が良いわけではないんだが…
此処じゃ言えない事は相談されたな」

「多分、それを見てた連中の仕業だと思うけど
アイツ(刃)もマッドスタディーと同じイカれた人間じゃないかって」

耐え切れなくなったのだろう
葵が横から小野の襟に掴みかかった

「アンタ!それ誰が始めたか知ってる?
知ってるなら悪い事は言わないから教えな!!」

「葵!カツアゲじゃねェーんだからもっと優しく…」

「五月蝿い!」

「…いや、僕は知らないんだ!
今日その噂になってる話を耳に挟んだだけで
噂が違うなら本人にと思って…」

「…系統から見て男の犯行だな」
飯を頬張りながら言う

「「食べ物含んだまま話すんじゃない!」

バチン。

『おい、その食べ物を含んだ頬を平手打ちするか?フツー』

改めて食事をし終わり俺はこう推察していた

「俺がクラスに入った時は確かに
男女共に冷たい視線を感じたが
他のクラスだと男子が異常なまでに無駄絡みしてくる。

例えば
誰かと喋っていても
後ろからタックルしてくるとかな」

「そうなんだ。
自棄に男子が騒がしかったんだ
でもその反面女子は『興味ありませーん』ってぐらいに…」

「どの道
経過を見ないと何とも言えないなァ…」

そう
今はただ経過を見るほかなかったのだ…

12:エルガ ◆BDJ.:2011/02/02(水) 12:53

経過を見るなどと悠長な事を考えた結果が
「俺の人生の墜落」へと変わるのだ

土日をはさみ学校が再会すると
クラスの雰囲気はもっと悪化していた

と言うのも
あの相川が俺と口を利く所か俺が近付くとさり気なく距離をとるほどにまでなっていた

彼の罪悪感を感じつつも何も出来ないという瞳を見つつ思う

『相川…お前は悪くない。自分の身を守った結果がそれなんだ。
恥じる事はないさ…』

こうして
俺と葵そして城鴨と小野の極小規模グループでの生き残りを迫られた

そうして早一ヶ月…
事は動いた。

葵の必死の詮索と城鴨の頭脳を生かし
犯人まで辿り着く

その日、学校が始まって直ぐに城鴨に呼び出された俺は
校舎裏へと向かう
其処には既に葵も居た

「冴堵、とうとう犯人が分かったんだ。」

「え!?」

「犯人は小野だった。
アイツが噂を流した主犯だったよ」

「…」

「アイツのダチから聞いたの。
城鴨に話し掛けられてたアンタの姿みてグルだとか言いふらしてたらしいよ?」

「どうもそうらしいんだ。
其処で彼女には悪いけどもう少し深くまで聞いてもらう事にしてもっともな理由をキャッチしたんだ」

「彼は学年内でも君と同じそこそこの成績らしい。
そしてどうしても君を抜けずに勉強を頑張ってたみたいだけど
ある日聞いてしまったらしいんだ」

「…何を?」

「君がノー勉でもあの成績だって…」

「つまり…逆恨み?」

「理由としてはまずそうだろうね。」

「じゃなんで俺達につるむんだ?」

「僕達がこういう風に変な動きをしないか
自分の目で監視していたんだろうね」

俺は腹の其処で怒りが煮え始めるのを感じていたが
まだその時ではない

「この状況をひっくり返さない事には反撃も出来ないんだ。
だからもう少し待っててくれないか?
きっと突破口は僕が開く」

力強く念を押された俺は頷く事しか出来ずに
その一週間を終えてしまったのだ…。

13:エルガ ◆BDJ.:2011/02/02(水) 16:02

結局の所
城鴨はなす術なく頭脳を回転させていた

だが
俺も我慢の限界だ
昼食の時に彼を呼び出し
3対1ではあるが
無理にでも謝罪させるという暴挙に出た

…全ては平凡な一日を取り返すために。

何とか謝罪も聞けたし
その上彼は
逆に今まで自分が携わった事を全て話してきた。

しかし此処で矛盾する点が一つ

彼は友人間でしかその話をしていないのだ

つまり
実質的に他のグループなどに言いふらした奴が居る
しかも
ソイツは小野に全ての罪を着せる気で居る

それが何よりも腹立たしかった

14:匿名さん:2011/02/02(水) 16:10

>>9
>「嫌、聞くだけでも構わないんだ」
>>
>「会えて良かったよ。…嫌

この時の「いや」は嫌の漢字じゃなく否

15:匿名さん:2011/02/02(水) 16:14

>>14
>>は>>11のこと

16:エルガ ◆BDJ.:2011/02/02(水) 23:48

それは知らなかった・・・w
今度から気をつけます。

17:エルガ ◆BDJ.:2011/02/03(木) 21:50

事実
小野を責め挙げてから
俺は噂は消える物とばかり思っていたが浅はかな考えに
自分ながらに呆れていた

しかし
呆れるのは早過ぎた…
「メディア」という武器がいかに恐ろしいのかを思い知る事となる

「た、大変だよ!大変!」

廊下をフルダッシュしながらそう騒ぐ小野を俺は受け止める。

「うおォ、危ねェーよ。小野」

「ゴメン。
でもどうしても伝えたくて…
噂に段々尾ひれが付いて廻ってるんだよぉ!」

「・・・?尾ひれ?」

大声を聞きつけた城鴨・葵も直ぐに駆けつけた。

「それが…僕も訳が分からなくなって…
とにかく整理するから手伝って欲しいんだ」

「分かったから落ち着け」

そういって城鴨が一番前へと出てメモ用紙を取り出し
小野の言葉を書きとめた

「最初に聞いたのは
城鴨君と君が幼馴染なんじゃないか?って話だったんだけど
今じゃ腹違いの兄弟とかにまで話が膨らんでるんだ
それで…それで
もしそれが本当なら
どっちもウザイのが納得行くって。」

「どっちもウザイですって!?」

葵はこの言葉に心底驚いたようだ

「勘違いも良いとこよ!
ウザイのはコイツ(城鴨)だけで
何で刃までグループに入ってんのよ!」

「!」

「葵!」

「っえ?」

『城鴨のショックも考えない発言しやがって…』

城鴨と目が合った瞬間
俺は両手を揃え謝る

しかし
彼は確実にダメージを負ってしまった。

「…僕ちょっと気分悪くなっちゃったから先に帰るよ…」

「し、城鴨…」

メモ用紙を俺に預け城鴨はこの場を立ち去っていく

改めて用紙をみたら

「夢崩れ」の文字

この文字が失恋を意味するのか
これから先に起こる事への暗示なのか
良く分からないままその日が終わった…

18:エルガ ◆BDJ.:2011/02/04(金) 16:15

仕方がない。
そう思い全てを話したが
葵は冷淡な表情のまま

「興味ない」

その一言に俺は昔の夢を諦めた当初の自分を思い出す…。

「どうなろうが知らない」
それが口癖だった

自分の人生なんだからなるようになる。
そうやって
何に対しても努力しなかった

「夢は夢でそれが叶う奴は環境の良かった奴だけだ」
「進路?どうなろうが知ったこっちゃない」

現に
努力せずに入ったこの学校は近所でも有名なバカ高校
近年ようやく他の高校と同じ位までのレベルへと成長した

葵も
彼女ほどの能力と性格があれば他の有望な高校にも行けただろう

しかし
彼女はそれをしなかった。
それにも彼女なりの責任・プライドがあったからだ

過去について一番思い出したくない事を思い出す寸前で俺は我に帰る

「…とにかく
もうちょっと詳しい事を聞きたいから…
小野、俺の家に付いて来てくれ。

葵も一端家に荷物を置いて俺ん家まで来て欲しい」

そうして一端は解散する一行であった

19:エルガ ◆BDJ.:2011/02/05(土) 12:14

詳しくと言っても然程、小野が持っていた情報は多くなかった。
ただ
ありもしない噂が
爆発的に流れそれの濡れ衣を着せられようとしていたが
生憎
その時には刃と小野は和解していた

「…これじゃあ、ますます冴堵君の負担が多くなるよ」

「刃…どうすんのよ?」

「…」

この時、俺は相川の態度の変化が再び引っかかっていた

「…小野は知らない奴だろうけど
俺には相川ってガキの頃から一緒に居る奴がクラスに居る
葵もとりあえず最後まで何も言わずに聞いて欲しい。」

そうして相川の変貌を2人に告げる
小野は驚きを半面に何かを納得したように語り出す

「そうか…そんな事が…。
心当たりって訳じゃないんだけど気になる事がある

2組の石倉さんって居るだろ?
彼女と相川の恋愛話も聞いた事があるよ?」

「石倉?」
俺は葵の方をみて首を捻る

「…2組で有名な不良ギャルよ」

「なるほど。」

『佐々木と石倉…どっちも引っかかるなァ…』

「でもね
実際には石倉さんは相川から金を巻き上げてたらしい。
恋人でも何でもないって噂もあるんだ」

『不良にばっか興味もつからそうなるんだ…』

「それとアイツ(相川)の変化とどう繋がるんだ?」

「うん。此処からは憶測なんだけど
僕のクラスは3組でその中に浅本って奴が居るんだけど
ソイツが石倉さんの彼氏なんだ。」

『人間関係的には繋がったが根本的な理由が…』

「其処で相川君が石倉さんと付き合ってると噂を聞いて
浅本が脅しに入ったんじゃないかな?」

『やはり抜本的な俺の噂との関わりが見えない』

「話はコレだけじゃないんだ!
…実は、僕が君と城鴨の噂を流してた時に
そのグループ内に浅本が居たんだよ!!」

「!」

「…それって…
つまり相川が刃の友人って事が分かったから
余計に脅しを掛けたって事?」

「……相川…!」

俺のせいで友人が無駄に圧力の掛かった生活を送っている事に
あくまで「憶測」だからと言えど罪悪感が沸いてきた

「だから…
この新しい噂の爆発的な影響も
浅本がシナリオを勝手に考えていたとしたら?
男同士じゃ噂は其処まで広がらない。
だから彼女である石倉さんの友人ネットワークを使ったとしたら?

憶測だけどありうる話だよね…」

「そんなのサイテーじゃん!
…?刃?」

俺は本当の事なのか確かめたかった
気付いた時にはチャリンコを扱ぎ
相川の家を目指していた…

20:匿名さん:2011/02/05(土) 14:20

なんかだんだん無理矢理感が見えてきたな…
疑問点を挙げていいかな?
浅本の脅しって何か、友人だから余計に脅したのは何故か、噂を流してた時にそのグループ内に浅本が居たとはどういう意味か、新しい噂の影響とは何か、なぜ浅本は相川じゃなくその友人を不利にさせるのか

因みに噂は男子内でも女子内でも普通に広がると思うんだよな
噂は流れるだけで尾びれくらいは当たり前につくし、いっそ尾びれ以上の+αがあれば話も大きくできると思うな

21:匿名さん:2011/02/05(土) 14:26

>>19
>気付いた時にはチャリンコを扱ぎ
抜ぎ→漕ぎ
『抜ぎ』だと「ぬく」の意になる
『漕ぎ』は船や自転車みたいに手足を動かす感じ
だった気がする

頑張れ

22:エルガ ◆BDJ.:2011/02/05(土) 15:01

>>20
結論急ぐのは良くないんじゃない?w

全てのネタの真相は相川と言う1人の友人が持っているものであり
この場面ではそれを確かめに行くってシーンなんだから(笑

文章力がない事は認めよう。
しかし
結論の見えた小説ほどつまらない小説ってないと思うぞ?

23:匿名さん:2011/02/05(土) 17:00

>>22
ああごめん
別に結論が欲しい訳じゃなく、上手く噛み合わなかったから
噂を流してた時にそのグループ内に浅本が居たとかの内容は噂流出を企んだとき一緒にいたのか、それとも噂を一番に流したグループにいたのかわからなくて
確かに相川が後々説明する内容もあるだろうからそこはまだネタバレ無しってこともわかる
でも一番引っかかったのが浅本が相川の近くの人を狙ったということ話に三人が難なく頷いたから話が勝手に進んだように捕らえてしまった

24:はちみつ:2011/02/05(土) 20:31

批判はとりあえず話が終了しきってからにして下さい。
ハッキリ言って邪魔です
あなたにエルガさんがレスしている時間がもったいないですから。
では。

25:エルガ ◆BDJ.:2011/02/06(日) 16:59

>>24
んな事言わずにw

>>23
この状況だとそもそも小野が噂を流した時には既に居たのだから
一番も二番もなく最初から居ると仮定

噂の流れ順としては
「冴堵刃と城鴨弦人との関係性」と
「相川自身の噂」とは別物と考えて欲しい

つまり
冴堵に対する噂は確かに小野グループが流した物であるが
相川のネタは全く関係のない所から広まり
小野グループに居る浅本へと伝わったと考えて欲しい

平行していくつも噂が流れるってのは学校で良くある事だし
それをイメージしてくれれば疑問も解けると思う


―相川宅より―

「相川ァ!出てこいよォ!」

相川は玄関で俺の顔を見るなり自室へ逃げ鍵を掛けてしまった
約30分粘ってみた物の出てこない

「お前、浅本と何かあったんだろ!?
教えてくれよ!
俺が悪かった部分はちゃんと謝るし
話だけなら良いだろォ!」

「さ、冴堵君…もう辞めようよ…」

「刃…」

10分ほど前に2人も相川宅へ付き
一緒に説得に協力していたが既に諦めている

「なァ、相川!」

「ちょっと!」

葵が俺の後ろから羽交い絞めにするようにドアから俺を引き離す

「お前!
忘れた訳じゃねェーだろォ!?
俺達が立てた約束をォ!」

「…!」

「転校してきた俺によォ!
気安く話掛けて勝手に友人にしたのは誰だよ!!
確かに俺は関西人だったよ!
標準語が話せなくて何時も泣いて帰ってたよ!
イジメに合って何時も誰かの憂さ晴らしのターゲットになったよ!
お前、そんな俺見て言ったよなァ!
アレは嘘かァ!」

『何で…嫌なら反撃しないの?
言葉だけで嫌と言って通じるの?
お互い子供だし
嫌だって言葉自体、僕等は理解できないんだ
…行動で示すしかないよ?』

『そうだ…何時もアイツ(刃)はイジメられてた。
でも俺は知ってる。その理由を

アイツは何時も済ましてた
転校して来て女子に人気があるのかと思って観察してたけど
アイツは女子を毛嫌いして教室を出て行くばかり…。
皆の
羨ましいが嫉妬に変わったあの瞬間…
忘れられる訳がない。

アイツに気安く話掛けたせいで翌日から俺まで
虐められるようになった…何時もアイツは疫病神なんだ…』

「相川ァ!」

「う、五月蝿い!出て行ってくれよ!
お前に話す事なんてないんだ!
と言うかお前に話したって何の解決にもならない!
何時もそうだった!
『そんな事があったの?…とりあえず笑えよ』

笑って解決になるなら死ぬまで笑い続けてやるって!」

「んだとォ!」

「刃!」

其処で我に返るものの怒りのせいで掛ける言葉を失った

「…よォ、将よ
俺が泣いてた時お前は何時も俺と笑って帰ってくれたよなァ
俺だって不器用なりにお前を心配してたんだ
俺と居て一緒に笑って欲しいからよォ…

…俺だってよォ…お前を笑わせられなかった時が
どんなに悔しかったか分からねェーだろ?…」

後半あたりから涙が止まらなかった
今まで苦楽を共にした仲間に解決にならないと拒絶された事が
なによりのショックだった
その場に崩れながら最後に搾り出した言葉を俺は覚えていない

「将ぅ…、俺は……」

「!」

『俺は何を言ったんだ?
何をどうしたんだ?』

再び力なく立ち上がった刃は玄関へと進み
家を後にした

良くこの状況を
「廃人」だの「片腕なくしたみたい」だの言うが
俺の胸の内にあったものは「空虚感」であり
腕だのと考える事すら間々ならなかった

翌日
相川は学校には来なかった
葵も今日ばかりはと
昼食のために屋上へ来る事はなかった

否、正確に言えばドアの所まで小野と一緒に居たのだ
ドアの窓から見える俺を見ていられないと教室へ戻ったのだ

空を見上げながら大声で泣く俺に
小野は側により

「…もう直ぐ授業だし…教室へ戻ろ?」

そう言いながらハンカチを俺に差し出した

26:匿名さん:2011/02/06(日) 18:17

>>25
どうも
つまり小野と浅本は同じグループで噂を流し、流れたあとは小野は冴堵と、浅本は浅本グループで別れたでいいんですかね?

27:エルガ ◆BDJ.:2011/02/06(日) 18:33

そうですね。
最もらしい事言えませんが途中からグループが解散するってのも
学生時代の苦い思い出として残ってる方も居るのでは?w
(理由はともあれね)

28:エルガ ◆BDJ.:2011/02/06(日) 19:15

〜アレから一年〜

噂なんて物は一度爆発しても時間が解決してくれる
高2になり俺達もやっと落ち着いたが
相川は依然として学校へ来るそぶりもない
誰もが彼を忘れ去っていた…。

しかし
刃・葵・小野は相川の事も
去年あった一連の出来事も色濃く覚えていた

刃はあれから週に一度くらいのペースで相川に学校へ来るように説得を続けていた

そうしてようやく彼と話す事ができ且つ去年、彼に降りかかった問題を聞けた

「…お前、城鴨と少し話したんだろ?」

「あァ」

「それで小野がお前の能力を嫉妬した…此処まではお前も聞いたんだろ?」

「…」

「実はよ
石倉に手出したのは本当なんだ
そんで許して貰うために
浅本から俺に提案があったんだ」

「提案?」

「お前と縁を切って浅本んとこに行くか
あるいは知り合いを通して
殆どのクラスに同時にお前と城鴨の噂を流すかってな」

「…じゃあ、あの噂はお前が?」

「知らない!知らないんだ!」

「?」

「噂を流す前に俺は浅本に捨てられたんだよォ!
それで聞いちまったんだよ。
俺か小野に罪を着せるのが最初から目的だったって!」

「お前に着せるのは分かるけど何で小野まで?」

「その時丁度
小野が自白した頃だったんだろうよ。
自分に足が付くのが嫌だから早めに犯人を取り繕って終わらせようとしたんだ!」

「この事を言おうと何度も焦った。
その都度、アイツが…」

『相川の異変は
真実を話すか話さないかを迷っていたのか…
そして決心した時にいつも邪魔をされた…それなら合点も…』

「とにかく、学校に来いよ…」

「嫌だ!…何をされるか分かったもんじゃない!」

現にこの後彼は
再びイジメに合う事となる

「そういわずにさァ…
俺や葵
今じゃ小野まで居るんだぜ?」

「大事な事を忘れてるんだよ…」

「へ?」

「城鴨もアレから学校来てないんだろ!?何でか知ってるか?」

「…」
『振られたショックをえぐる訳には行かないとずっと放置してきたが
特別な理由があるのか?』

「葵に振られたショックで勝手な妄想を抱いて
今じゃ浅本と町をうろついてるんだ!」

「!」

「俺さ
お前が説得に来た後の事まだ話してなかったな…

実はその後
城鴨から電話が来てな
『浅本にも内緒でお前達に復讐する』とまで言ってやがったんだぜ?」

「…どうして俺達全員?」

「その当時小野は丁度自白の時期だから…小野は抜きにしてお前達2人に復讐するって…。

『僕は嫌われているのに何で幼馴染ってだけの何の関係もないお前が彼女と
一緒に居られるんだ!許せない』ってな」

「逆恨みかよ…」

「それだけじゃない。
…刃!極力私生活でも葵から離れないでやってくれ!」

いきなり肩に掴みかかり俺を揺さぶる相川になだめを入れつつ理由を聞いた

「お、落ち着け。どういうことだ?」

「アイツ、葵にも手を出す気なんだ!
『彼女も僕の存在を理解できないなら力尽くで認めさせる』って
多分
もう少しすればアイツ
ストーカーまがいな事し始める!

今はお前しか葵を守れないんだよ」

「あまりにも話が急展開過ぎて…
俺一人にも限界がある。
それに俺だけじゃ…」

「手一杯なのは分かってる。
でも葵も立派な仲間だろ?何とか守ってやれないのか?」

『無理だ』なんて言えなかった
なぜなら
事実上、葵に彼氏は居ないが相川が彼氏のようなもので
彼が葵の許婚なのだ

何時も俺は蚊帳の外で2人を見守ってきた
お互い多少の頼みであれば何でも聞いてきた仲なのだ

「…可能な限りは力を尽くすさ…
だけど
再三言うが俺にも限度があるんだ。
それだけは分かって欲しいな…。」

「勿論だよ、相棒」

そうして彼が不登校になってから一年
俺は可能な限り葵を守ってきた

一年もの間
城鴨な何一つ危害を加えず水面下で動いていると思うと気が知れなかったが
ほんの一瞬の気の緩みで
俺は全てを失う事となるのだ…

29:エルガ ◆BDJ.:2011/02/07(月) 21:02

ほんの気の緩みだったのだ…。
相川の怒りに俺は反応する事無くただその場に棒立ちし
思考は完全に止まっていた

〜5日前〜

「ん?
葵!?どうした?」

彼女は怪我をして学校に来た
それどころか長かった髪も切ってある

「な…何でもないよ」

笑いながら言うもののその笑顔には怯えが見える
怪我をした理由を話さないと相川に伝えると彼は不安気に言う

「そういえば
俺達のイジメが発覚した時も真っ先に葵が先生にチクってたの知ってた?」

彼女はその翌日怪我をして学校へと来た
…そう仕返しをされたのだ

「…だとしたら、俺の力不足だ…すまん…」

今は謝るしか出来なかった

しかし
日に日に彼女は我を失っていく

俺がようやく城鴨の仕業だと尻尾を掴んだ頃には彼女は自殺までしようとした

相川もただただ謝るしかしない俺に苛立ちを覚えていたのだろう
彼女が城鴨に性的暴力を受け、寸での所で俺が異変に気付き助けた物の
相川の怒りが爆発してしまったのだ

俺は初めて放心状態になった…

自分の無力さを付き付けられて…
幼馴染一人も安全に守ってやれなかった…

『核なる上は…』

「おい!刃!聞いてんのかよ!」

胸倉を掴んでいる彼の手にそっと手を置き耳元で葵に聞こえないように
思考の続きを呟く。

「…!」
彼は手を離し尻餅をついた

そしていそいそと出て行く俺を途中まで追いかけて来る

「待てよ。そんなの、バレたらお前が…」

肩に手を置かれたが振り解いて歩み去る

『悔しい…悔しい悔しい!』

後方から相川の静止の声が響く

「辞めろって!
そこまでして何になるってんだよ!」

振り返り様に言い放つ

「お前は葵と恋人ごっこでもしてりゃ良いんだよォ!!
俺に構うな!
お前は俺に葵を押し付けて
それで我慢の限界なんて聞いて呆れるんだよ!
大元を潰せばそれで終わる事だ
これ以上俺に関わるな!」

幼馴染を思う優しさゆえにフイを付いて出てしまった暴言だ

「…そ、そうかよ…
もう止めねーけど…無茶はするなよ?」

相川は完全に「ドン引き」だっただろう
でもそれでも良い
純粋に守りたかった…。

翌日

この間の恐怖で葵は学校を休んでいた

「よし…今日がチャンス…」

「冴堵君?」

『都合の悪い時に!』

「ん?あァ、小野か。
…どうした?」

「否、ちょっと顔色が優れないから体調が悪いのかなァって」

「そんな事ないよ。

…そうだ!小野
今日だけ俺と小野は赤の他人って事でお願いできないか?」

「?どういう事」

「例えば
俺が揉め事を起こしたとかでも
わざわざ『友達です!』なんて言って自分が危険な目に合わないようにして欲しいんだ」

「何をするかは分からないけど気をつけてね」

小野は感付いたようだ
これから起こる俺の暴走に

昼食をかき込み俺は屋上を後にする

5限目に俺の暴走が始まった…。

30:エルガ ◆BDJ.:2011/02/07(月) 22:19

まず刃が行った事は放送室のジャックだった
関係のない人間を巻き込むつもりはない。
しかし
放送委員には悪いがしばらくは静かにしていて貰う

「こんな事して悪いけど邪魔さえしなければこれ以上手荒な事はしないから…。」

「2年、浅本!至急放送室まで来い!聞きたい事がある!」

5分もしないうちに浅本は来た

「何の用だよ。」

「城鴨の居場所を聞きたい。
この間は取り逃がしたからな…。
協力しないのであればお前を殺す」

そう言ってポケットから折り畳みのナイフを出すと浅本は意外にもあっさりと薄情した

「実はよ
俺もアイツのやり方が気に入らなかったんだ。

…とりあえず…座って良いか?」

そうして浅本の愚痴が始まった。

「アイツ、お前に復讐するもんだとばかり思ったから俺も協力しようと思ったんだ
…でも本当はお前だけじゃなくて女の方が酷いんだろ?
いくら俺達が不良でもあんな汚い復讐は手伝いたくない。
残念だが
居場所まで知ってるわけじゃないが新しい情報がある」

「…教えろ!」

「まァ、そんな物騒な物しまってくれよ。誰にも言ったりしないから。」

浅本が学校でも「チャラい男」として悪評があったが今は信じるしかない

「何でも
今度は相川を狙ってるらしいぜ?
アイツも幼馴染なんだろ?
…城鴨って本当に根暗な奴なんだなァ…
我ながらあんなのと結託してたのかと思うと情けなくなった。

去年の事も俺はただ面白くなれば良いと思っただけなんだ
噂なんで時間が経てば消えるし
一時の炎上だったとしても
学校が面白くなれば…ってな

…悪かったよ」

よもや俺の怒りの矛先は城鴨にしか向いていない

「それよりもっと他に情報は?」

「…すまない…」

「そう…か」

流石に有名な不良だけあって情報も早い

しかし
其処へ先生達が暴動を抑え込むためになだれ込んできたのだ…。

31:エルガ ◆BDJ.:2011/02/09(水) 22:27

先生達は
この暴動を喧嘩のために物だと勘違いをしていたらしい
学校でも有名な不良を校内放送で呼びつけた訳だから相当焦っていた

しかし
別の理由があると分かったとたんに肩を撫で下ろし
再び放送室ジャックの件で説教が始まった

今思えば
俺は昔より華やかな人生を歩んでいるのかも知れない

ぼーっとし始めてから何分経っただろうか
小野に呼ばれるまで空を見上げていた

「冴堵君!」

「んお!…おォ、小野か…どした?」

「今日の授業の事、木嶋さんとこに報告しに行く約束だろォ〜?」

「そうだったな。」

そうして葵宅まで2人トボトボと歩み口数も減り
しまいには黙り込んでしまった

「今もまだ…狙ってるのかな?」

「何を?」

「ほら、城鴨だよ。
まだ木嶋さんを?」

「可能性はあるよな。
せめて相川が外に出てくれれば良いんだが…」

「まだ、来ないって?」

「もう少ししたら出てくるとは言ったが
そうなれば俺の居場所はなくなる」

「?」

「こうして葵の事を頼まれる事もなくなるし
一連の事件があったわけだ
相川はもう巻き込まない…。
小野もそうだ
俺にとっちゃ友人さ
その友人を危険な事に巻き込むのは俺も嫌だし…其処を左な」

「…何とも言い難い立場なんだね…分かった。」

そうして
愚痴なのかどうなのかも分からないまま
葵宅まで着いた2人だった

32:エルガ ◆BDJ.:2011/02/10(木) 23:58

葵との勉強会も終わり刃は独りコレまでも経緯を自分の中だけで
得意の批判で切り込んでいた

『そもそも
高々一度の会話で噂を流すなんてガキかよ。
お陰でどれ程白い目を向けられたか…
城鴨の態度も気に入らねェ。
失恋如きであんなに騒ぐなんてどうかしてるぜ…。』

俺は今まで一度も恋をした事がない
チャンスがなかっただけだと思いたいが周囲は徐々にリア充へと変わっていく
刃自身
女性を軽視した扱いなどはしないし皆と然程変わらない学生なのだ
にも関わらず行き遅れを感じつつあるこの学生生活


「…否、俺も誰かを好きになれば城鴨の気持ちも汲み取れるのかも知れんな…
少なくとも間違った事だと言えど他人の恋愛事情に口を挟むのは良くないか…」

しかし
俺はこの後
城鴨の先を行く事になった。

「…幼馴染である俺にまで危害を加えたんだ…相川にだって危害を…?」
それがトリガーとなり俺は
葵の家に走って戻った。

「…葵!…で、電話…借りるぞ!」

勿論掛けたのは相川にだ

「もしもし?」

「相川!気をつけろ。
城鴨はお前にも何かするかもしれない」

『許婚の事がバレずとも幼馴染ってだけで何かをするかも知れない』

「大袈裟だよ。
確かに、葵が襲われたのはやり過ぎた行為だと思うけど…」

「バカ野郎!
そうやって何時も軽ノリでお前は!
何時も失敗するんじゃないか!」

「あァ!分かったよ!
気をつければ良いんだろ!!
お前は俺の保護者か!?気持ち悪い」

そうして相川は電話を無造作に切った

「…葵、外出する時は極力相川に電話をするんだ。良いね?」

「何で?」

「俺は学校もあるし
小野ともう少し城鴨の事を先生に報告しようと思ってる。
流石に葵の件までは言えないが…
だからこれから俺、忙しくなると思う」

そうして納得を得てから2週間
全くと言って良いほど事の進展はなかった

変わったと言えば小野の態度
最近は反発し合う仲だ
今日もまた…

「だから、先生に協力してもらって城鴨ん家に乗り込めば話は早いって!」

「そんな個人情報、先生が教える訳ないだろ!?
冴堵君は仕切りたいだけのナルシストじゃないか!
事ある事に『先生、先生』って!
良い歳にもなって他人に迷惑を着せるのか?」

「何!!
元はと言えばお前の嫉妬が原因だろ!?
今まで誰がお前の代わりに迷惑したと思ってる!」

そしてとうとう孤立する時がやって来た…

「其処まで言うなら独りで解決してみせろ!能無し!」

事実、俺は何も出来ないただの凡人。
話す相手すら居なくなった
分かっていた事だが凡人に戻ると虚しさだけが俺の道を塞ぐ

「何時かこうなるんじゃないか?って知ってたんだ
でもその場の流れは変えられない。
なぜなら
俺が無力だから…
俺が無能だから…」

そう独り言を呟きながら
涙が落ちた昼食を口に頬張り
誰一人として屋上に来ないまま刃はすすり泣いていた…

33:エルガ ◆BDJ.:2011/02/13(日) 10:24

行き場をなくした刃・・・
彼は再び魔の学校生活を送り始めていた
誰とも話さない
何にも参加しない
そう
ただの「其処に居るだけの人」に成り下がっていた
そんなある日、帰ろうと昇降口付近に行くと

「…! 城鴨!?」

「っ!」

「待てよ!…ッチ、逃がすか!」

靴に履き替える事無くしばらく追ったが逃げられてしまった
そして靴を取りに戻り下駄箱に行くと
一枚の封筒があった

『君がこの学校生活を続けるのが嫌なら5日後に3丁目の廃工場まで来ると良い。
人生大逆転のチャンスが其処にある。
…来ないのならそれでも良いけど
君にとっては一応…ないしはとりあえず大事な事だと思うよ
P,S
もし来ないのであれば4日後までに
その旨を書いた紙を君の下駄箱に入れておいてくれ
その時が「夢崩れ」の始まりだ』

「夢崩れ!
…一時は失恋の事だと思ってたけど…」
『そうか。あの時から復讐劇を考えていたわけか』

「夢崩れ」という謎のワードが
復讐そのものを指している言葉だと気付いた時
刃は自分に喝を入れ直した

「独りでだって…今までそう生きて来たんだ何も怖くないさ」

そして5日後
廃工場には椅子に縛られた相川・クラスメートの鳩羽が居た

「鳩羽 夏」
此処数日、無断欠席になっていたがこんな事に巻き込まれていたのか…
奥から城鴨が歩いてくる

「城鴨ォ!」

「そう騒がないでよ。怒鳴らずとも聞こえる距離なんだから」

城鴨の所へ走ろうとした矢先
「動くなよ!」

折り畳みナイフを相川の側でチラつかせる城鴨

「2人を離せ…」

「今、離せるのは独りだけだ!しかも、条件付きでなァ!」

『卑怯な…』
「条件?」

「あァ、条件は簡単だよ。
この条件を飲むならこっちの女は離してやる」

「…相川じゃダメなのか…」

背に腹は変えられず
クラスメートよりも友人を優先して考えてしまっていた

「おいおい、まったく関係のないこの子まで被害に合ってるんだ
当事者より彼女の安全を考えないとダメだろ?」

確かにそうだ
しかし、どうしても彼女にまで思考が廻らなかった…

「さて、話を戻して
こっちの条件を言うぞ?」

「…」

「3日後に木嶋葵と共に此処に来い。
そして
俺達が見てる所でお前が彼女を犯せ」

「!…ふざけんじゃねェーよ!」

そんな条件が飲めるわけもなく
しばらく沈黙が続いた

34:エルガ ◆BDJ.:2011/02/13(日) 10:25

その沈黙を破り
口を布で縛られている相川が何かを言おうと必死に唸っているが
聞き取る事は出来なかった

「嫌なら別に君がしなくても良い
その場合
3日後に此処に居るのは木嶋葵一人で良い
君が彼女を連れてこないのなら俺が直接彼女に言うまで」

大笑いしながら城鴨は言い放つ

「ハハハ!…さァ!どっちを選ぶ!?アハハハハ」

苦渋の選択とはこういう事なのだろうか
しかし
相川は何かを伝えようとするのを諦めずにずっと唸っていた

「ッるせェんだよ!」

相川は腹部を蹴られ椅子ごと後ろに倒れた

「あ、相川!」

「せっかく人が楽しんでるのに邪魔するなんて
何処でそんな風に躾されたんだろうねェ…親の顔が見たいよ」
そう言いつつこちらに振り返る城鴨

「城鴨、何で其処まで拘る?たかが失恋で!」

「んだと!
ふざけやがって!」

『今、アイツはナイフを持ってる…挑発は逆効果だ!…マズイ!』

「…否、言い方が悪かったよ。
俺は恋愛とかした事ないからどんな感じなのか分からないんだ!
…だからよ、今のお前の辛さも…分からない…
どんな感じなんだ?教えてくれよ」

「…良いよ。教えてあげるよ。」

そう言うと城鴨は相川を起こし振り返る

「つまりこういう事さ!!」

城鴨は再び相川を蹴り倒す
今度は一発では収まらなかった

「や、辞めろ!城鴨!」

静止を聞かず城鴨は蹴り続ける
ようやく収まった時には相川に意識があるのか遠くでは認識できないほど衰弱していた

「分かっただろ?
こういう事なのさ。
あの時のあの一言で俺の頭の中で起きた事が今の相川の姿だ!!
さァ、どうするんだ!条件を飲むのか!!飲まないのか!!」

「…考える時間が欲しい。
お前がさっき言ったように行かない場合は言う通り
下駄箱に紙を入れておく。
…それで良いだろ!?」

「・・・っふん。分かりゃ良いんだよ」

「その代わり
俺も条件は守るからお前も約束しろ!
条件を満たすまで2人に危害を加えるな!」

「…良いよ。そうしてあげるよ

交渉は成立だ。
さァ
ぼさっとしてないで明日に備えて速く帰りなよ」

「言われるまでもねェ…
相川!絶対に戻って来るからな!」

そうしてその日から3日が過ぎた…

35:エルガ ◆BDJ.:2011/02/14(月) 00:08

刃は独り
放課後の教室に体を震わせながら俯いていた

今まで自分が「どうでも良いの精神」が通せたのは
相川や葵が居て
それを許してくれていたからだ

「どうでも良いの精神」なんて物は言い換えれば「ただのワガママ」

初めて自分の価値の無さに直面していた

独りだとこれからどうするのかさえ決断に迷った
頼みの綱である葵は
恐怖から家を出ようとしない
最近、チャラ気が目立つようになってきた相川は
人質の扱い

この2人が居ずに俺は何が出来る…?

しかし
そんな俺に声を掛けてきたのは浅本だった

「…よォ、下校時間とっくに過ぎてんのに
こんな所で油売ってて良いのかい?
どうせまた
城鴨に卑怯な手段で挑まれてんだろ?」

心を見透かされた事により内に秘めていた苦痛が口から出た

「…俺一人じゃ話にもならないんだ…
あ、相川はあんな事になるし…関係の無い人まで…
俺、俺…どうして良いか分からねェんだよ」

俯いたまま頬を伝う涙は冷たかった
追い込まれたときの涙とは
こうも大粒の涙なのだろうか…

「話だけは聞いてやる
実際、俺には何も出来ないだろうし
ただ、コレだけは脳内に刻んで置け。

俺も城鴨を憎んでいる。と」

そうして駅までの道のりを歩みながら経緯を話す

「…完全な犯罪じゃねェーか!
おい、サツには?」

「言える訳ないだろ?
俺の安易な行動一つで二人が…」
『殺されるかも知れない』

「出来れば力にはなりてェーが俺まで出ると
それこそサツと同じで2人が危ない…」

どの道
解決策など無いのだ
だが
此処で俺はある事を思い出した
そしてそれが見事
相川を助ける作戦へと変わっていくのだ…。

36:エルガ ◆BDJ.:2011/02/14(月) 16:42

とうとう行くのか行かないのかを決める期限である4日間を
棒に振ってまで俺は作戦を練っていた
この日が過ぎれば俺は「行く」と言う事の意思表明となる
しかし
唯一、まだ解決していない難問があった。

「葵、済まない。俺と同伴で三丁目まで着いて来て欲しいんだ」

「…なんで?」

「相川が…」
その先を彼女に伝えるのはあまりにも酷だった
俺は嘘を付いてしまった…

「…相川が廃工場に自分のギター持ち出しててよォ〜
アイツ、あそこで独りライブするとか言い出してんだ。
一緒に止めて欲しいんだよ」


「良いけど
じゃ迎えに来てくれる?」

「も、勿論!」

今まで葵の説得が出来ずに居たが
今日、やっと説得が出来た

翌日

「あそこに多分相川が居る。
頼む!注意してやってくれ!」

「分かったわ」

そういって葵が進んで行くのを確認した俺は
物陰に姿を隠した

数十秒後には葵の悲鳴
それと同時に二つの走る足音が聞こえる

『…葵、すまん。
あとちょっと、気を引いててくれ!』

そう。
城鴨が葵に意識を集中させている間
刃は相川・鳩羽の所へと侵入していた

しかし
俺が放したのは鳩羽1人。
2人を放している時間などない

鳩羽の肩を掴み言う

「鳩羽さん!
君が相川を解いて直ぐに逃げるんだ」

そう言い残し城鴨の下へと走る

勝算はあった

幼い頃から薙刀の稽古をしていた
これだけは誰にも負けない特技だった
それに此処は廃工場
少し長めの鉄パイプなんてたくさん転がってた

「城鴨ォ!!!」

振り下ろした鉄パイプは彼の体を翳めてしまうが
葵を救う事は出来た

「…へェ、君武道が出来るの?
でも良いの?無抵抗な人間に使うような業じゃないよね?」

「テメェの根性が既に凶器だ、ボケ!」

再び攻撃を加えるも当たらない
…否、当てなかっただけかも知れない
アイツの言う通り
いくら非道とも言える人間でも
丸腰に変わりはなかった
ただ、時間さえ稼げればそれで良かったのかも知れない

「…葵、そろそろ相川も逃げる頃だ。
相川んとこ行って3人で一緒に逃げろ!」

そうして3人が逃げた事が何より安堵感を生んだ
後はこの下劣な男を裁くのみ

2時間が過ぎた頃だ

城鴨は地に臥せっていた
鉄パイプも少し血に染まっている

相川が受けたあの蹴りや
葵が受けた精神的ショックを
再び、城鴨に被せ俺は我に帰る

「!……城鴨…」

城鴨の息遣いは荒かった
フー、フーと一息ごとに地面の砂を揺らしながら俺を睨む

「お、覚えてろ…よ。
お前だ……け、でもじ……
じ…地獄に一緒に引きずり込んでやる!!!」

その言葉は後々、大きく影響を及ぼす波紋となる
しかし
今の俺には
ただの軽い挑発にしか受け取れなかった

「…二度と仲間に手出すんじゃねェーぞ!」

そう言い放ち俺はその場を立ち去った

37:エルガ ◆BDJ.:2011/02/15(火) 14:14

翌日の事だ
学校の雰囲気が若干違う。
生徒の目線が痛い

しかし原因は直ぐに分かった

「でね冴堵がね・・・」

「鳩羽さん!昨日の事を吹いて回るのは辞めてくれないか!!」

そう
鳩羽が昨日起きた出来事を
噂して廻っていた

「良いじゃない、減るもんでもないし
なんにせよ、ヒーローなんだし…格好良かったよ?」

「迷惑なんだよ。
人に知られたくないんだ。
さっきから目線が痛くて集中できないのに」

そう
彼女の話は細部までリアルに話していたがそれのせいでこの後
状況は悪化した

昼休みに入り何時ものように屋上へ行こうとした時だ

すれ違った男子生徒に舌打ちをされた
そう
俺はヒーロー扱いなんかされなかった
待っていたのは「嘘つき」の称号だけ

階段を登れば
「あァ…見ろよ。アイツらしいぜ
朝のホラ吹き野郎は」

と小声で喋る生徒達の群れに出くわす

何が悲しくてこんな目に合うんだ
何時の間にか
噂を流したのは俺自身という事になっていた

その日を境に俺は再び誰とも喋らなくなった

だが
とうとう相川・葵の2人が学校へ復帰してきた
それにより一時期は噂を確かめようと
大勢の生徒が2人を質問責めにしたが
結局の所、証拠がない
どんなに事実を叫んだ所で信じる者など居なかった

益々
俺は孤立して行ったのだ…

38:エルガ ◆BDJ.:2011/02/17(木) 13:57

それからしばらくして
周囲は何事もなかったかのように生活を続けた

ただ一つ違う物…それは
相川も葵も俺から離れて行ってしまった事だ
しかし
今度ばかりは恨めなかった…
俺のせいで2人は差別的な目で周囲から見られ
3人で会議を開いた結果
俺は1人になってしまった

何時ものように授業もろくに聞かない日々がまた始まった

『…所詮、幼馴染と言っても自分が可愛いのか…
身を呈してまで助け出した意味が失われたな…』

そんな俺を見かねてか鳩羽が話掛けて来るが俺は冷たく切り捨てた

「始まりはお前の口が軽かったせいだ。
もう俺に関わるんじゃない」

その言葉が余程悔しかったのだろう
泣き叫びながら文句を言っているが
窓の外に目を移し話は右から左へ。
数分して気が済んだのか自分の席へと戻って行った

全てが灰色に変わっていく
俺の世界の全てが。
意味も無く生き続ける事に疑問はなかった
疑問を持つだけ無駄なのだ
その疑問に答えを教えてくれる仲間も居ない
逆に疑問をぶつけてくる奴も居ない

疑問を独りで考える事ほど時間の無駄な事はない。

そうしてとうとう一年が過ぎ俺も高3になってしまったのだ…

39:エルガ ◆BDJ.:2011/02/18(金) 22:59

高3になると
葵とも相川ともクラスが別になり
正直な所
1人に代わりはなかった

しかし
進路の事で忙しいはずのこの一年が一番ゆったりしていた気がする

クラスにも慣れたある日
相川が久々に「近況報告」と銘打って
放課後に残るように段取りを伝えられた

しかしそれは
「近況報告」と言う名の「浮気」でしかない

「おォ?
やっと来たか。刃」

「……」

「ん?どこ行くんだ?」

「近くの階段…」

俺は何時もこうして
コイツの「放課後合コン」に付き合うハメになるのだ

「せっかく、お前のタイプも連れて来たのにィ…」

「さて、携帯は何処にしまったかなァ…」

「あァ!悪い。
何も言わないから葵には…」

「分かりゃ良いんだよ」

『ぐだぐだ文句を言わない代わりに葵には口外しない』
コレが俺達の昔からの約束なのだ

だが
今回の放課後合コンは訳が違った

「…何…してるの?」

「はァ、見りゃ分かるだろ?音楽聴いてんだよ」

「あっち行かないの?」

「興味ないから」

その子との会話わ其処で終わったがその子は
俺の横に座り動かなかった。
数分して逆に質問をした

「何で此処に居るの?向こう行けば楽しいだろ?」

「明るいの苦手」

『…見るからに明るそうな顔立ちの人間が言うセリフかよ…』

「ふ〜ん」

そういって俺は場所を変えた。が
その子も付いて来た
否、正確には知らないうちにまた横に座っていた。

「何で付いて来るの?」

「…独りが嫌だから」

其処でついに半切れ状態になってしまった

「だったらあっちに行けば良いだろう?
俺に関わるなよ」

『そうだ。そもそも、アイツ(相川)から離れている時点で
此処に居ること自体嫌だと言う事を知っているはず。
それなのになんで嫌がらせのようにくっ付いて来る?
有り得ない。信じられない!』

「関わらない。
…だけど今だけ横に居る」

「っち!」

こうして数分間俺は何も言わず
友人の浮気現場を見てみぬ振りをし
その日を終えた…。

40:エルガ ◆BDJ.:2011/02/19(土) 14:36

相川は調子に乗ると決まって複数回は同じ子と合コンを開く。
…つまり、そのメンツに俺も含まれていると言う訳だ

今回は
調子に乗った相川が
女子に対し人生相談をしようと持ちかけていた

『…こうなると後が長い』

女子の悩みを一方的に聞くと言うものだが
何が楽しくてそんな事をするのか…
帰り道に
その時の愚痴を聞かされるのも最終的には俺だ

『愚痴を言いたくなるほど面倒なら良い人ぶってんじゃねェーよ』

そうして
学校に設けられた相談室に専門の先生を招き
壮絶な悩み相談教室が開かれた

確かに女子はこういう事が好きらしくスンナリ打ち解けているが
その女子の白い目線がこちらに飛ぶ

と言うのも
俺は一度も関わりを持たないため
「KY」として扱われているらしい。

しかし
そんな目線など当に慣れていた俺には
コレと言って圧力も何も感じなかった。

すると今度は
女子郡が俺の横にちょこんと座っていた彼女を責め始めた

正直
「空気が読めない」だとか「ウザイ」だとか
そんな事に固執する連中は俺は好きじゃなかった

相川だってそうだ
この彼女への批難が始まると気分を害したのか貧乏揺すりを始めている

『あァ〜あ、切れちゃったよ。
…んでも俺知らね』

そうして横に座っていた彼女の手を取り教室を出る
「…先生。
できれば先生も外に出てた方が良いですよ?」

先ほどから相川の貧乏揺すりに気が付いていた先生を呼び
そそくさと逃げた

「…冴堵君、彼…相当怒ってない?」

「怒らしたのはあいつ等です
自業自得ですよ」
笑いながらそう言うと教室からは怒鳴り声が聞こえた

「さっきから聞いてりゃ
ふざけんじゃねェよ!!!!
何が[KY]だよ。あァ!?」

「ちょ…、冴堵君。彼、止めた方が…」

「止めないで下さい。先生」

「え…?で、でも」

「アイツ…あァいう事されるの極端に嫌がるんです
昔のイジメのトラウマとも重なるんでしょうね。
相手が分かってくれれば直ぐに収まりますから」

数分しても怒鳴り声が止む事はなかった

「…そろそろかな…」

そう言い刃は教室へ戻る

「あのクソ尼、ぶん殴ってやる。放せよ!刃!」

「あァ、分かった。分かった。落ち着け、相棒」

「放さねェーとテメェから殴るぞ!!!」

「ホラ、葵の寝顔の写メ!
良く取れてんだろォ!去年さ
隠し撮りしてたんだよねェ〜」

「マジで!?
え?マジで!!?
ヤベー!欲しい。
直ぐ送れ。今、送れ。速くクレ!」

「大人しく下がるなら送るぞ〜?」

「…っけ、良かったな。クソギャル共
テメェ等の顔殴らなくて良かったわ。
俺の体が汚れる所だったぜ…。」

「よーっし、約束どおり
今送ったからなァ?」

「おう!
んじゃ帰ろうぜ。刃」

『…ッフ。何とも単純な友人だ』

「そうだな。帰ろうぜ」

それを気に再び合コンをする事はなかったが
なぜだろう。
その日を境に
昼食を食べる時
屋上へ行くと人数が増えている。

『…少し…涙脆くなったかもな…』

41:エルガ ◆BDJ.:2011/02/20(日) 15:35

屋上にいたのは
放課後合コンで一緒に居た女子と相川の2人だった
俯きながらもドアを閉めると

「お、来たか。
…悪いなァ、其処の階段のとこであったもんでつい連れてきちゃったけどよ…って、ん?」

恐らく
直ぐに泣いている事がバレたのだろう。
しかし
相川は何も言わず
俺の座る場所を空けて昼食を再会した

「…よォ、刃
随分長い事、踏ん張ったじゃんか
はっきり言うけど
俺、此処に戻って来れて良かったと思ってる。
拒まれたらどうしようかと思ってたからさ…」

「その程度で、拒否反応起こすくらいなら
とっくに友人なんざ辞めてたよ…
俺は…相川のそういうとこが好きで一緒に居んだからさ」

どんなに揺らいだ友情も
水溜りと同じなのだ。
一滴の雫で波打つ水溜りも
いずれは穏やかに静止する。
そんな友情だから俺は相川が気に入ってる
どれだけ荒れても元の鞘に戻れるコイツが友人として好きだから

俺は俺の名前の通り
荒れれば直ぐに人を傷付ける。
でも
コイツは俺の「鞘」
いずれは戻る

そんな深刻な顔をした2人を見つめながら彼女は微笑む
まるで
最初から俺達と一緒に居たかのように
その場に馴染みながら……

その笑顔を見た時にはっきりと分かった。
『俺はこの子が好きなのか………?』と。

42:エルガ ◆BDJ.:2011/02/22(火) 14:46

放課後の事だ
相川と帰ろうとしたが
相川は先に帰っていた

新たなる火種が
今は微々たる物だがくすぶっている予兆だったのかも知れない

翌日も彼は先に帰っていた
だが
彼のクラスメイトから良からぬ情報を入手した

相川はまたも葵を放置し別の女の尻を追いかけていると・・・。
しかも
学校関係者ではないのだと。

彼を問いただそうにも
昨日からどうしても姿を確認する事が出来ずに
4日間が過ぎた
この4日、一度も彼を見ていない

しかし
今日は掃除も早く終わり待ち伏せる事に成功した
案の定
彼はクラスから出てくる。

「…相川」

目が合った矢先彼は走り出す
一瞬何が起きたかは理解出来なかったがコレだけは言える
『逃がすわけにはいかないな』

急ぎ追いかける

だが
彼は見慣れない道へと進み
曲がり角を利用して姿を消した

「くそォ!」

帰り道、携帯が鳴る
メールだ。
宛名は相川だった

「どうせ何か変な噂聞いたんだろ?
お前までそんな疑惑の目で疑うのか。
失望したよ
金輪際、俺と関わるな」

いわゆる「絶交」って奴かな…
しかし

『何処をどう聞き返せば納得の行く説明になるんだ?
お前は高校に入って変わった。
何度、女の尻を追いかけて痛い目に会ったんだ?
元々、お前は中学の時から[変態]ってあだ名で呼ばれてたような奴なのに
真実味のある噂を流されて
友人として反論出来なかった気持ちが分かるのか?
そりゃ
そんな訳無いだろうと言いたかったさ
だが今までの行いを見ても
俺は一瞬お前と言う存在を迷ってしまったんだ

…何か理由でもあるのかよ…!』

そんな事を思いながら
次のチャンスが来るまで
俺は水面下、錯綜する情報下の中生活を続けていた

43:エルガ ◆BDJ.:2011/02/26(土) 21:46

その頃
相川はと言うと病院に居た。

相川が何時も通っていたのは病院だったのだ

そしてその理由は…

「泉ちゃん。」

「うわぁ!おにーちゃん。来てくれたの!?」

相川の家の近所に住んでいる
少女が事故で怪我をして入院していたのだ
相川はその見舞いにと毎日のように通院していたのだ

と言うのも
後で聞いた話だが事故の第一発見者が相川だったのだ。
少女はひき逃げにあって倒れていた所を相川に助けられた。
数分発見が遅れていれば命が危険だったという

「よぉ〜し。今日は何して遊ぼうか!」

「トランプが良い〜!!」

少女の両親は共働きで
仕事が終わるのが早い母親が
早くても夜の8時を過ぎなければ母親が来れないのだ

その前の時間まで
少しの間だが相川が話し相手になったり
遊び相手になったりしていたのだ。

刃がこの事実を知ったのは
翌週の金曜日と言う何とも遅い解決だった

『友人を疑って尾行した結末がコレか…』

勇み足で帰ろうとすると病室で相川は座ったまま言った

「おい、何処に行くんだ?相棒・・・。
真実を突き止めておいて驚きの言葉もくれないのか?」

刃の尾行はバレていたのだ

「コレでもう
お前まで俺の事、白い目で見たりしないだろ?
なら一緒に遊んで帰ろうぜ・・・刃」

初めて
相川の器の大きさに驚いていた

「?
おにーちゃん、誰と喋ってるの?」

「ん?泉ちゃんの新しいお友達とだよ…」

「ホント!?新しいお友達居るの!?」

「そうだよ〜!…入って来いよ…刃」

初めて
誰かに情けを掛けられた気がする
初めて
こんなにも友情を再確認するとは…。

その日から俺達は再び
相棒同士となって再出発したのだ…。

44:エルガ ◆BDJ.:2011/03/04(金) 09:54

学校に居る意味は?
授業を受ける意味は?

昔のように考えずに済んだ
なぜなら
友人と一緒に学ぶために此処に居るのだから
友人と己を高めていくのが授業・・・。

そんな自己満に浸って早一ヶ月
再び
相川の悪い癖が出始めた

「っよっしゃァー!!放課後が来たぞ〜!!」

俺にも秘密で再び始まった放課後合コン
もはや情けなくなってくる

しかし
そう長く続く物ではなかった

最近、独りで帰る俺を見て葵が
情報を模索し始めたのだ
しかし
不運とは続く物だ

刃はその帰り道で事故に合う
左足を折る重傷…
勿論
入院は必須

しかし
何日経っても誰一人として此処(病院)に来る事はなかった
何時ものように読書をしていた時
その人は来た

「…あ」

放課後合コンで俺にくっ付いて離れなかった子だ

「暇だから…来てみた」

「此処に来たってする事なんてないんだ
…損なだけだぞ?」

「ううん。話したい事があったから…」

「何?」

「あの男の子、彼女さんと喧嘩してるの…」

「男の子?」

相川の事だったのだろう
俺は一瞬気付かなかったが次の一言で分かった

「彼女さんがね
公の場でそんな事するなら許せるけど
隠れて合コンしたのが許せない!って」

葵の事だ
あらぬ妄想に火が付いたのだろう
とは言え
喧嘩をしているにしても
一度位、見舞いに来てもいいんじゃないのか?

「それでね
どうしようかと悩んだ結果
貴方なら止め方分かるんじゃないかと…」

怒りは沸いてこなかったが
それと引き換えに呆れが強まった

「どうせ葵の勝ちだ。
放課後にまたそんな事してたなんて
誰から見ても葵の方が正しい

それに
……何だかんだ言っても
相川は葵の涙に弱い……だから…」

言い掛けた言葉が出てこなくなった
必死に
言葉を出そうとするも
次の言葉が浮かばない

この時初めて俺は気付いた自分の異変に。
事故の影響に…。

「そう…。
仲直りしてくれると良いんだけど…。
それじゃあ
また何かあったら来るからね」

そう言って彼女は去ろうとする
俺は止めに入ろうとしたが
足は吊られているし
言葉を出そうにも出なかった

後、医師から告げられた宣告が俺を追い詰める事となる…

45:& ◆zXok:2011/03/04(金) 10:05

勘違いだったらごめん。

もしかして西尾維新の戯言シリーズをモチーフにしてる?

46:エルガ ◆BDJ.:2011/03/04(金) 10:26

誰?それ

47:エルガ ◆BDJ.:2011/03/04(金) 10:30

ネタ元言っちゃうと
コレ、俺の実体験を少し大袈裟に書いたものなんすけど・・・。

前に出た「城鴨」の暴走も
話を少し盛っただけで
然程、変わりないし・・・

だから誰かを真似るってのは念頭になかったが・・・
その人の小説に似ちゃったのか?

48:& ◆zXok:2011/03/04(金) 12:32

似ちゃったっていうか、話そのものは似てないんだが……

登場人物の名前と性格がどことなく似てるんだ。

戯言シリーズってwikiで調べてみ。

49:エルガ ◆BDJ.:2011/03/04(金) 14:20

ほうほう・・・。
まァ、人生論なんて
誰もが同じようなところでつまずく

それを写した鏡が登場人物さ

1人は人生に悩み
他は友人で悩みと・・・悩みの数はそれこそ
有名どころが多い

ある意味では
こういう作品の方が作りやすいのかも知れんな

50:エルガ ◆BDJ.:2011/03/04(金) 14:41

刃が告げられた宣告は
脳症による言語・記憶障害の弊害だった

言葉が出なくなったのは
その言葉の意味・発音が一時的に
脳内から失われると言うものであった
更に酷いことに
「悪化」する可能性も視野に入れるようにとの宣告

正直な所
最初はこの恐ろしさを軽視していた

『どうせ一時的に言いたい事が言えないだけだ。
皆には説明すれば何とかなる…』と

卒業も間近のこの時期
皆、世話しなく動き出す
独りのうのうと生きているわけにもいかず
早い復帰を願った

そして3ヶ月のスパンの下、無事退院

其処から俺の恐怖が始まった

「………」

『帰り道が分からない…』

病院に戻り親に電話をする。
迎えに来てもらったが

『親の顔が思い出せない』
『親を親と認識できない』

「刃、家に帰るぞ」

大人の男が話掛けてくるが
一体、何者なのだ?

「ホラ、立てるか?」

半ば、強引に俺を立たせようとしたその男。

「っは、放せよ!!」

俺の怒鳴り声はロビー全体を沈黙に変えた

「お前、誰だよ!ふざけんな!
人違いしてんじゃねぇーよ!」

看護婦が走ってこちらに来るが
かなり焦っている

しばらくその男と会話をしたかと思うと
看護婦は俺にこう告げた

「この人が貴方のお父さんなんだよ?
分からない?」

「!」

言われてみれば覚えがあるような顔つきだ

大人しく従うほか
俺にはなかった…。

ようやく学校にも復帰し
いつも通りに授業を受けている。…ハズだった。

数学の時間に問題を当てられるが
答える事が出来なかった

と言うのも
数式が読めない…理解出来ない

更に先生の急かす声

俺はパニック症候群に陥り
教室を飛び出てしまった

気付けば見知らぬ土地
否、正確には知っている
がだ
何処にどう行けば何処に行けるのかが分からない…

数時間呆然と立ち尽くした挙句
友人の相川に保護されてやっと家に帰れた

その日以降
俺は不登校となった…。

51:エルガ ◆BDJ.:2011/03/05(土) 17:21

数日後
俺は外を走ってた…。
終わる事のないサイクルに巻き込まれたのだ
相川・葵も同伴の元
俺は町中を逃げていた

追ってくる数人の人間

『なぜ…走ってるんだ?』

ふと疑問に思ってしまった瞬間
今まで走っていた事も
その理由も全て頭から抹消された
しかし
相川達も忘れた訳ではない

「おい、はぁ…相川!」

「何だよ」

「今、どうなってんの!?」

「何ィ!また忘れちまったのか!」

「…す、済まない」

「マッドスタディーがまた追って来てるんだよ!」

城鴨も
2年以来姿を見る事がなく
安心しきっていた所を襲撃されたらしい

「んで?…どうすんだよ!」

「それを今俺達は考えてた最中だったんだ!

二手に別れたくても葵を一人にする訳には行かないだろ?
だ…だから、どっちかが1人になる!
それはあまりにも危険だから
『交番』に逃げ込もうって話だったんだよ」

「…。」

「どうした!?刃!」

『まさか俺達の走っている方向が交番とは逆方向だとは
口が裂けても言えない…もしかしたら俺には他にも案があったのかも…』

「…二手に別れるぞォ!」

「なんだってェ!!!」

「お前等、2人は其処の角を左!」

「お、お前は!?」

「へへへ。……突っ切る!!」

「バカじゃないのか!この先行き止まりだぞ!」

「心配ない!」

そうして別れたが
本当は不安要素しかなかった
今、走っているこの道が再び分からなくなった時
それが
俺の寿命だろう

さらにもう一つ
さすが、学年トップの成績を持つ城鴨の息に掛かった連中だ
最初から別れる事を予測していたらしい。
数人が相川達を追って行った

「さて…どうしますか。」
と呟いた矢先
足元にロープが巡ってある

「そんなヘボイ罠に掛かるかァ!」と飛んだは良いが
影に隠れていたのは
放課後合コンで知り合ったあの子

「・・・え?」

『思い出した。
罠じゃなくて一緒に手伝ってもらう約束だったんだ!』

「も、もう一度、ロープを張って!!」

「あ…はい!」

見事にドミノ倒し

「さ、行こう」

一方、城鴨はこの時、既に警察へと連衡されていた
なぜなら
今までの出来事を葵が綺麗サッパリ喋ってしまったのだ

高校を卒業するまで
後、2ヶ月半

俺はこの子を自分のパートナーとして選んでいた
勿論
相川もあの後、死ぬほど謝った結果

さっき思い出した一部に

「どんな卑怯な手を使ってでも君を守るから」とプロポーズしていた部分が映像として
はっきり俺の頭の残像に残ってる

そしてもう一つ言おう
俺の病気は悪化したのではない
「完治」したのだ

俺の彼女の名前を聞き出そうとした時
「大森 飛鳥」

その言葉を
彼女の名前を
俺が聞き出そうとした時
死ぬほど緊張した
その緊張が俺を救ってくれたのかもしれない

あの時
相川にどうなったのかを聞いたのは
本当にド忘れだったのだ

残りの二ヶ月
相川が葵を守るのと同じように
俺も巻き込んでしまった彼女を守り抜く!

今は彼女の名前も自信を持って呼べる…

「飛鳥!
次の交差点…曲がるよ!!」

「はい!」


〜the end〜

52:エルガ ◆BDJ.:2011/03/05(土) 17:31

あ・と・が・き

えー
これは実話をちょっと盛った話で構成されていると言いましたが
「城鴨」に位置していた奴はリアルでは逮捕されませんでした

ソレドコロカ!
連衡すらされていません。

刃率いる登場人物は
「高校生」でありますが
実際は「中学生」でしたねェ・・・(=ω=)旦~ アァ、ナツカシイ

中二の時に
先生に今までの事がバレて
彼は強制的に転校と言う形になりました

コレでも
先生方は苦渋の判断をされたようで…。

実際に
「相川」を此処で演じた友人には
「葵」を演じた女友達と結婚する予定だとかww

俺だけ一人退け者感が漂い始めたので
急遽「大森 飛鳥」をねじ込みましたww

それのせいもあって
若干、エンディングが忙しくなりましたが
許してくださいましwww

それでは
またの作品、楽しみにしていただければなァ・・・。と思いますw


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