自分取扱説明書

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1:Fiona*。+。:2011/02/24(木) 18:04

暇だから書いてみる。

不定期連載だけどね。

結構深いのかも話。

読んでくれたら感想待ってます(・∀・*)ヾ

2:Fiona*。+。:2011/02/24(木) 18:12

幼き頃のキオク。
真っ白な部屋に、純粋な君のコトバ。

『人間ってね、生まれたときから心拍数決まってるんだって』

そう言った君はニコッと微笑んだ。

『なのに、なんで私はここにいるんだろうね』

ピッピッというリズミカルな音と共に聞こえた小さな声。

『心拍数決まってるんなら、こんなのいらないのにね』

そう俺を見て呟いた時の表情が忘れられない。
だから俺は君に言った。

『たぶん俺らは、その限られた時の中でその意味を探し出すんだろうね』

と。

3:Fiona*。+。:2011/03/10(木) 11:15

春。
四月の某日…
満開の桜が舞い散り、葉桜へと姿を変える頃。
窓から見える世界が、桜の綺麗なピンクから青々とした緑へと姿を変え、またこの季節がやってきた。

「桜、散っちゃったね」

窓にかすかにうつって見えた俺がわかったのか、それとも単に扉の開く音でわかったのか。
真っ白な彼女が、ふと呟いた。
部屋に入ると、病室の、あの独特のにおいが鼻をさす。
何時になっても慣れないのはこれだけかもしれない。
彼女の方に目をやると、棚の上に綺麗な桜色のチューリップが活けられていた。
それに気付いた彼女が、にこっと微笑んで

「栄奈が持ってきてくれたの。綺麗でしょ?」

そういう彼女は得意げだった。

「ここちゃんみたいに?」

冗談でからかうと、何言ってんのっ…って頬をチューリップに負けないぐらいに色づけた。

4:Fiona*。+。:2011/03/10(木) 11:28

「尚が紅くなってどうすんのー」
「うっせぇよっ!」
「きゃっ、いったーい!!」

いつもの光景。
他愛もない話…
俺がからかって、ここちゃんがからかい返す。
結構好きな時間。

ここちゃんというのは彼女の名前。
藤堂心と言うのが本名で、俺はここちゃんと呼んだりする。
小さい頃からの付き合いで…所謂幼なじみというやつだ。
身体が弱く病弱な彼女は、小さい頃から入退院を繰り返している。
そのためか、元々が色白だからなのか、肌の色は透き通る程に白い。
でもそれが似合うのは、彼女の容姿にある。
水晶顔負けの大きな瞳と、その下の泣きボクロ。
お世辞じゃなくても十分可愛いと言える、そんな容姿を持ち合わせている
から。

5:Fiona*。+。:2011/03/11(金) 15:27

誰もが嫉妬するような、そんな容姿で。
でも、だからこそ、それを独り占めできる俺は幸せ者なのかもしれない。
心が病弱だったこと、俺が幼なじみだった事、そんな偶然が混ざり合って今のカタチを成している。
決して喜べない設定だが、それが俺達の運命でもあると考えればそれでもいいのかもしれない。
俺がここにいること、心がここにいること、そんな当然のことがただ嬉しい。

「あっ…!」

何かを思い出したかのようだった。
ちょっと待ってね、と言って隣においてある棚の抽斗を探り出した。
真っ白な中にある、唯一の彩り。
薄い黄色の棚は、小さいときからずっと変わらずここにある。
まだ、何も知らなかった、一番幸せなときからずっと…

6:Fiona*。+。:2011/03/11(金) 16:19

「じゃーん!見て見てっ」

そう言って取り出されたのは一つのマスコット、いや、キーホルダーと
言うべきか。
黒くて毛がもふもふとしていて、しかも毛糸で作られたと見える手のひ
らサイズのくまだった。

「なんだよ、コレ…」

引き気味に俺が問うと、心は頬を膨らませて眉を顰めた。
心の両手に包まれているソレは、正直売り物ではないように見える。
さっきもいったが、くま…だと思うが、耳はちょっと長めだ。
頭にもう一つ過ぎったが、あえて無視した。

「どう見たってウサギじゃん」
「…だよなぁ!」
「・・・」

7:Fiona*。+。:2011/03/22(火) 10:46

妃優の方を恐る恐る見ると、案の定頬を膨らませてムスくれていた。
もう一つ頭を過ぎったのは…確かにウサギだったが、それでも不恰好な姿に笑いが込み上げてくる。

「くっくくっ…」

一生懸命抑えるが、肩の震えと微かにもれた笑い声でもう隠さずにでもわかる。
これはクマではなく、ウサギ…
絶対断言できるのは、売り物じゃないって事。
どう見たって、これじゃ売れない、そのくらいのウサギなのだ。
誰が見たって、最初に思い浮かぶのはクマだろう。

「尚、笑いすぎ!!」
「笑ってねぇよ?」
「笑ってんじゃん!!一生懸命つくったのにヒドイ!!」
「ぷっ…くく…あははははっ!!」
「もぉーっ!!」

やっぱり。
100%手作りと思った。
それを自分で言うのがまた…

「ほら、これとそっくりじゃん!」

そう言って取り出したのは作り方の載っている本。
ピンクの毛糸で綺麗に編まれたウサギの隣に…

「うん、そっくり。超ーそっくり!」

妃優の作ったウサギ。


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