ぬらりひょんの孫〜遠い日の約束〜

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1:NONO:2011/05/15(日) 20:13

夕麗と鯉伴の物語が終わりそうなので、新しい物語を書こうと思います!
お次は猩影と蛇姫のお話です。

八岐大蛇 蛇姫(やまたのおろちへびひめ)
奴良組幹部大蛇組若頭の少女。
十二単に栗麻色の長い髪が特徴。

猩影(しょうえい)
関東大猿会2代目。
長身でフードをかぶっている。

次回から書き始めます。

2:NONO:2011/05/19(木) 17:46

第一話 幹部大蛇組

夜の闇に白銀の龍の背に乗り、天を横ぎる少女が一人。
亜麻色の長い髪をなびかせ、真紅の着物が闇を彩る。
龍は静かにある地へ向かう。
その地の名は―…

*「浮世絵町に?」
怪訝な声を漏らしたのはリクオだ。
「もちろんだよ!マイファミリー」
興奮気味に清継くんは言った。
「昨日、龍に乗って空を飛ぶ美少女を見たって妖怪脳にたくさん書き込みがあってね」
これまた興奮気味に説明し始める。
「これはもう僕ら、清十字怪奇探偵団の出番だと思ってね…」
「あ、急に腹痛が…」
「私も…」
巻さんと鳥居さんはすぐに逃げ出した。
「それで、どうするの?」
カナちゃんがもっともな意見を出す。
「だって、その妖怪…空飛んでるんでしょ?」
「もちろんだよ!」
「空飛べないと会えないんじゃない?」
その瞬間、ハッと気づいた清継くん。
急によろめいて、
「な…なんてことだ」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
みんな慌てて席に着く。
「今日は皆さんに転校生を紹介します」
一人の少女が入ってくる。
亜麻色の長い髪。大きな瞳。真っ赤な唇。
誰もが納得する美少女だ。
「蛇塚 姫歌といいます。茨城からきました。よろしく」
「じゃあ、一番後ろの席に座って」
担任に言われ一番後ろに歩いていく。
途中すれ違った。
「若、よろしくお願いしますね?」
通り過ぎざまにそういわれた。
(もしかして…妖怪!?)
その日一日の授業はそのことが気になって集中できなかった。

*放課後
清継くんの誘いを断り、蛇塚さんを追いかける。
(どこまで行くんだろう…)
路地に入っていくのが見えた。後を追う。
「あれ?」
そこにいるはずの蛇塚さんはいなかった。
「お待ちしてましたよ、若頭」
頭上で声がした。少女が降りてくる。
「君は一体…」
「人間時の名は蛇塚姫歌といいます」
「妖怪なんだね?」
首を縦に振った。
「八岐大蛇 蛇姫。奴良組幹部大蛇組の若頭です」
「何で浮世絵町に?」
蛇姫は少し驚いているようだった。
「総大将に言われたんです。護衛しろって」
「え?」
初耳だ。
「とにかくよろしくお願いします」
そういって蛇姫は深く頭を下げた。

3:ゆめぽん:2011/05/19(木) 20:11

おお〜!
なんだか続きが気になりますな〜

4:NONO:2011/05/25(水) 20:15

第二話  許婚の二人

「じゃあ、帰りましょうか?」
平然と蛇姫は言った。
「どこに?」
「本家に決まってんじゃん」
呆れたように言われる。
「決まってないよ…」
そう呟いたが、返事の代わりに違う言葉が返ってきた。
「さぁ、若。手だしてください」
なにやら巻物のようなものを差し出してくる。
「何これ?」
「行きますよ〜大蛇流移動術八本道」
巻物の中に吸い込まれる。
次の瞬間、見慣れた桜の木が目の前にあった。
何が起こったのかわからない。
「私の畏の一つですよ。八ヶ所に行きたいところを固定して移動するんです」
かなりアバウトな説明だが気にしないことにした。
「あのさぁ、一つ頼みたいんだけど…」
思い切って口を開く。
「何ですか?若」
「その若っていうのやめてもらえるかな。あと敬語も。ほら、幹部なんだし…」
「なんて呼べばいいの?」
早速、敬語はやめたようだ。
「名前でいいんじゃないかな?」
「じゃあ、リクオって呼んだらいい?」
「別にいいけど…」
二人で話していると、後ろから声をかけられた。
「若?」
後ろには2bを軽く超えているであろう青年が立っていた。
「猩影くん!どうして本家に?」
「総会があるんで、若も出席されるんじゃ…?」
「すっかり忘れてたよ、じゃあ蛇姫あとで!!」
そういってリクオは走っていった。
「蛇姫、なんで此処に?」
「リクオの護衛にって。でも、それだけじゃない」
近寄りながら蛇姫は続ける。
「今回の総会、私が出席するの。父上がもう隠居したいって」
「そうか…それにしても久しぶりだな」
昔を懐かしむように猩影がいった。
「3つの時以来だもんね」
「あの時の約束覚えてるか?」
「もちろんじゃん」
二人で笑いあう。
「いつか二人とも当主になってついていく百鬼夜行が見つかったのなら…」
「一緒になろうってね」
そこまで言ったところで猩影は蛇姫の頭に手を置いた。
「もう少しだな、あと少しで龍の兄貴との約束も…」
「長かったね、猩影大きくなりすぎ。そんなんじゃ女の子みんな怖がって寄り付かないよ」
そういって無邪気に笑う蛇姫に向かっていう。
「いいんだよ、お前さえいれば…」


それは嵐の前の静けさのような平和なひと時。
後に来る嵐の前の幸せな、何も知らない時間。

5:NONO:2011/05/29(日) 15:03

第三話 2代目組長九頭竜

夜になった。辺りは不気味なほどしずまりかえっている。
リクオが広間へ入ってきた。
夜の姿だ。
(あれがリクオ?)
昼とは似ても似つかない姿だ。
「リクオ様〜さっきから気になってることがあるんですがねぇ」
一つ目が口を開いた。
「さっきからそこに座っている娘は誰じゃい?」
蛇姫を指差しながら言う。
「ここは餓鬼が来るところじゃねえんだよ」
「そいつは…」
リクオが口を開きかけた時だった。
「大蛇組若頭、蛇姫と申します。以後お見知りおきを」
いつの間にか一つ目の後ろに回りこみ、喉元に刃を突きつけている。
目には獣の光が浮かんでいる。
「…大蛇の娘か、おっかなさは父親譲りだな…」
一つ目が声を震わせながらそういった。
「蛇姫、その辺にしとけよ。紹介がまだだろ?」
猩影にとめられ、静かに自分の席に戻っていく。
蛇姫が席に着いたのを見てリクオは話し始めた。
「先程、一つ目からも質問があった。そこにいるのは大蛇の娘だ」
「龍はどうなされたのか?あいつが2代目のはずだが…?」
牛鬼が質問する。
「九頭竜のことか?あいつは消息がつかめねぇ」
なんと…と幹部たちの間から声が上がる。
「噂は本当だったのか…?」
「だとすると、もう死んでおるわ」
「惜しいことをしたな」
口々にそんなことを言い始める。
「静かにしろ…。話は終わってねぇ」
リクオが言うと静かになる。
「そんで、そいつが3代目だ。オレの護衛も勤める」
まだ何か言いたそうだった幹部たちも気にしない様子で
「じゃあ、今日の総会は終わりだ。ご苦労だったな」
と言って、リクオは広間を出て行った。
幹部たちも帰り始める。
「帰らないのか?」
蛇姫に猩影がそう聞いた。
「帰れないよ、護衛だもの」
「そうだな…俺もだ」
「え?」
意外な答えに戸惑いを隠せない。
「総会始まる前に言われた。俺も残れってさ」
「何で…?」
「さあな、若の考えだ」
月明かりが2人を照らしていた。

6:ゆめぽん:2011/05/30(月) 21:07

夜リク登場!!!
かっこいいです〜

7:☆〜:2011/06/01(水) 19:40

「そうだな…俺もポテトォオ」
「え?」
意外な答えに戸惑いを隠せない。
「芋会がはじまる前に言われた。おまえも芋をあげろってさ」
「何で?・・?」
「さあな、マックの考えだ」

フライドポテトの臭気が二人に漂っていた。

8:NONO:2011/06/08(水) 19:00

>7

荒らしですか?
やめてください!

9:NONO:2011/06/11(土) 14:23

ゆめぽんさん>
7の人の削除依頼ありがとうございます。
私も頼もうと思ってたんで助かりました〜

10:NONO:2011/06/11(土) 14:41

第四話 新しい転校生

「ふぁぁぁ」
リクオが大きな口であくびした。
「そんな間抜顔しないでよ。シャキッとしなさい」
蛇姫がため息をつきながら言う。
「だって、昨日の総会夜遅かったじゃん?」
「別に…」
そう言って、さっさと教室の中に入ってしまう。
仕方なくリクオも無言で教室に入った。
「おはよう、蛇塚さん。リクオ君と仲いいのね」
愛想笑を浮かべてカナが蛇姫に話しかけている。
蛇姫も満面の笑みを浮かべて、
「あらぁ、家長さん。今頃気づいたの?」
「すごいわねぇ、たった1日で」
「お褒めの言葉をありがとう」
2人の間には完全に火花が散っている。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
みんなおもむろに席につく。
担任は教室に入ってすぐ頭をかきながらこういった。
「今日も転校生を紹介します」
背の高い少年が入ってきた。
「狒々猩影君だ。みんな仲良くな」
リクオは心の中で叫んだ。


嘘だろー!?

11:ゆめぽん:2011/06/11(土) 15:59

>NONOさん
いえいえ!
私腹立っちゃったんで(笑)
まったくひどいことする人もいるもんですんね〜
あと、小説読みました!
まさかの猩影くんですな

12:NONO:2011/06/18(土) 20:45

第五話 八岐大蛇

ここで物語の時は少し止まり、お伽話にお付き合い願う。
神に仕えた悲しき妖怪の物語…


天照大神が弟のスサノヲを高天原から追放した時のこと…

あるところに八岐大蛇と呼ばれる八つ頭の巨大な蛇が住んでおりました。
大蛇は後に三種の神器の一つと呼ばれる『草薙剣』を護っておりました。
それが神の使いの使命であり生き甲斐でした。

大蛇はその使命をただただ忠実に守っていました。自分を創った神も大好きでした。

ところが、ある日村はずれに住む娘たちが何処からか剣の噂を聞きつけて大蛇の住む川へと
やってきました。盗んでやろうた考えたのです。
大蛇は忠告しました。しかし、娘たちは聞く耳を持ちません。
ついには、剣を持っている大蛇を殺そうとしました。
大蛇は必死で娘たちを飲み込んでいきました。
剣を使命を守ったのです。

数日後、高天原を追放された神の弟が大蛇の住む川へとやってきました。
そこで大蛇はあっけなく殺されました。
かわは大蛇の血で真っ赤に染まり、憎しみの念が空を覆いました。
大蛇は復活しました。妖怪となったのです。

大蛇は高天原で暴れまくり剣を取り戻しました。
しかし、憎しみの念は消えることなく大蛇を動かし続けました。
大蛇はいつしか人を襲うようになりました。
妖怪たちを従えて、何年も何年も…

13:NONO:2011/06/19(日) 12:57

第六話 ぬらりひょんと大蛇  

450年前、島根県のとある川…

亜麻色の髪を長く伸ばし一束に結んでいる青年が血に染まった自分の服を静かに洗っていた。

「まだ憎しみは消えぬのか、大蛇…」
黒髪で短髪の青年が声をかける。
「…蛇神、人は醜い。どうしたって欲が出てくる。俺は人を喰らい続けるんだ」
少し寂しげな表情で言う大蛇に向かって蛇神は言った。
「なにがあろうともわしはお前についていく。何があとうろもな…」
「俺がこの先、人を殲滅し、己の心を失ってもか?」
「わしの大将はお前だけじゃ」


*奴良組との抗争が起こったのはその二月後だった。
突然やってきた敵に大蛇は動ずることはなかった。
「どうする?大蛇」
「ほおっておけ。何もできねえよ。守備にもつくな、時間の無駄だ」
相手が妖怪にもかかわらず、悠々と茶を飲んでいる。
「じゃが、関東一の勢力と聞く…」
「じゃあよ、一回お前たちだけでやってこいよ」
「…仕方ないな」
そう言って蛇髪は屋敷を後にした。

*蛇神が屋敷を出て一刻ほど過ぎた。
「強いのう。お前の組」
気がつくと目の前に知らない男が立っていた。
「お前が人喰いの八岐大蛇じゃな?」

14:NONO:2011/06/19(日) 15:25

>13
の訂正   蛇髪× 蛇神○

15:NONO:2011/06/19(日) 16:20

第七話 ぬらりひょんと大蛇 その弐


「誰だ、てめぇ」
大蛇が睨みつけると男は笑いながらこう言った。
「わしはぬらりひょん。いずれ魑魅魍魎の主となる男じゃ」
「ふざけてんのか?ここは八岐大蛇の屋敷だ。さっさと失せな」
そういうと、ぬらりひょんは意味深な笑いを浮かべた。
「それがのう、人に仇をなすと聞いたんで黙っている訳にもいかないんじゃい」
「そうか、じゃあしょうがねぇ」
そう言って刀をかまえた。
「その刀いいじゃねぇか…」
ぬらりひょんが刀をふりながら言う。
大蛇も刀で受け止め突き帰す。
「草薙剣ってんだ」
ぬらりひょんの刀を弾き飛ばした。
喉元に刀を突きつける。
「強いな、お前」
「さっさと失せろ、妖怪は殺さなぇことにしてんだ」
「何故、人を襲う?」
「人は醜い、神も醜い。をれはあいつらをゆるさねぇ」
目の奥には悲しみ、孤独、憎しみ、寂しさ
そんなものがうかんでいた。
「お前は強い、仲間も強い。わしの百鬼夜行にはいってはくれないか?}
「なんだと?」
信じられない。
「お前の仲間を見てみろよ」
慌てて外に出る。
蛇神を始め、大蛇の仲間たちは勝っているにもかかわらず、誰一人として止めを刺そうとはしていなかった。
「お前ら、何で?」
「大蛇、お前言ってたじゃろう?ほおっておけと…」
蛇神が続ける。
「あれは、無駄な血を流させないためじゃ。お前は妖怪は殺そうとはしていない」
「だから…なんだよ」
「わしらはお前に従う。無駄な血は流さん、だから止めもささん!」
涙がこぼれた。嗚咽が漏れ始める。
「お、俺は…神にもすてられるような、どうしようもねぇ奴でよぉ…うっ」
「大蛇…」
「出来損ないの化け物だけど…俺はお前たちの大将でいいのか?」
「あたりまえじゃぁ!!」
大蛇の仲間が叫んだ。
「わしらの完敗じゃな」
「まてよ」
行こうとするぬらりひょんを大蛇が呼び止めた。
「お前の仲間になれば、憎しみは消えるか?」
「さぁな」
「俺は人や神を許し、心から笑うことができるのか?」
「約束する」
「俺を…仲間にしろ。お前を魑魅魍魎の主にしてやるよ」

16:NONO:2011/07/03(日) 19:21

第八話 龍姫と大蛇

それから50年後

京都

「京妖怪の奴等、ますます力つけてきてんじゃんかよ…」
たった今、倒したばかりの妖怪の残骸を見て大蛇が呟いた。
「そのわりにはお前、かすり傷一つついてねぇな」
薄く笑いながら、ぬらりひょんが言った。
「当たり前だろ?こんな雑魚に負けやしねえよ」
「わしは褒めてるんだよ」
「黙れ、ぬらりひょん」
言葉ではそう言いつつも大蛇は嬉しそうだ。
「またお前は総大将にそのような口を…」
横から口を挟んでくるカラス天狗を無視し、大蛇はスタスタと歩いていく。
「散歩…行って来る」


京の都を出て森の中へ入った。
流れる水の音が聞こえる。
懐かしいその音は次第に大きくなっていく。
「いい夜だ…」
自然と笑みがこぼれる。
目の前には川が広がっていた。
川のほとりに1人の女がいる。
しばらくその様子に見とれていた。
「おい、そこのあんた」
声をかけていた。
女が振りかえる。
漆黒の髪。大きな目。ほんのり赤い唇。
月明かりの下で、よくわかった。
思わずその美貌に見惚れてしまう。
「あなたは…?」
鈴が転がったような綺麗な声で問われた。
「妖怪さ…」
女は驚かなかった。
逆に
「お名前は?」
なんて聞いてきた。
「八岐大蛇…」
「大蛇様…。噂には聞いております。とてもお強いとか…?」
「おどろかねぇのかよ」
普通なら、腰を抜かすだろう。
「はい」
そう言って女は微笑んだ。
「お前、一体…?」
「龍姫といいます。龍と人間の子でございます」
「半妖ってことか?」
納得した。
妖怪の子ならば、自分を見ても驚かないだろう。
「あの…大蛇様」
「何だ?」
「あの、もしよろしければ今宵は月がよく出ていますのでこれをお持ちに…」
龍姫は白い石を差し出した。
「月夜の晩は願いがよく叶うと聞いております。その石に願いを込めてみてください」
「ああ、ありがとう」
そういって微笑む。
「俺の願いは、また明日あんたとここで会うことだ」
「え?」
「明日、また来てもいいか?」
「はい!お待ちしています」

白い石が2人の夢を叶えようとしている。

17:NONO:2011/07/13(水) 17:59

第九話  人間

「おい、何やってんだ…」
宿では組の妖怪達が飲むや歌うやのどんちゃん騒ぎをしていた。
その輪の真ん中には女がいる。
「おお、大蛇帰ったのか」
いつに無く上機嫌でぬらりひょんは近づいてきた。
「お前も飲め、宴じゃ!」
そういってニンマリ笑うぬらりひょんを横目で睨む。
すると不思議そうに聞いてきた。
「なんじゃ?機嫌悪いのう…。どうしたんじゃ?」
「どうしたも、こうしたもねぇよ。誰だ?あの女」
女を指差しながら言う。
「よう姫じゃ。綺麗じゃろう」
「んな事聞いてねえよ。ありゃ、人間か?」
自分でも妖気が増してくるのが分る。
「そうだけどよ…。わしが惚れた女じゃぞ」
「人間にか…?馬鹿じゃねぇの、お前」
その問いには答えず、ぬらりひょんは女のほうにくるりと向きなおした。
「わしと夫婦になろう」
女の顔が赤くなるのがわかる。


ぬらりひょんは女を送っていった。
にぎやかだった宴の席は恐ろしいほど静かになった。
雪麗のすすり泣きが聞こえてきそうだ。
「一杯やるかい?」
酒の入った徳利を持ってきながら狒々が大蛇の隣に座った。
「悪くねぇな」
お猪口を差し出しながら大蛇も答えた。
「驚いたよなぁ…総大将の求婚にはよ」
酒を注ぎながら狒々は言った。
それを一気に飲み干して大蛇は口を開く。
「俺は認めねえよ」
「妬いてんのか?」
ニヤニヤしながら聞いてくる狒々の頭を軽く殴った。
狒々が笑い出す。
「そんなんじゃねえよ」
「わかってるって…」
「まだ人間が嫌いなだけだよ」
そういって空に浮かぶ大きな月を見上げた。
「龍姫…か」

18:ゆめぽん ◆b96E:2011/07/28(木) 13:30

おもしろいです!!
早く続きがみた〜い!

19:ネア:2011/08/04(木) 17:32

鯉伴と夕麗の話から見させていただいてます
この話も最高です!!!
続きが気になります!!!!

20:NONO:2011/08/15(月) 18:03

ありがとうございます。
こっちも頑張りますので、応援よろしくお願いします。

21:はりぴー ◆yUrc:2011/08/21(日) 01:48

面白いです!
第一弾(?)も好きですけど、こっちもかなり好きです!!
頑張ってください!!!

22:NONO:2011/08/23(火) 17:55

第十話  大蛇の呼び名

『人食いの大蛇め!これでも喰らいやがれ!!』

『オレは人喰いなんかじゃねぇ…頼むから信じてくれよ』

『妖怪の言うことなんか信じられるか!さっさと消えろ。この化け物が』

『誰も信じてくれねぇ。だったらオレも人なんか信じねぇ。
 オレ一人で復讐してやる。人間に神に…オレ自身に』

*頭が割れそうに痛い。ちと飲みすぎちまったか…
総大将が人間に求婚してる姿を見た。胸糞悪くて酒でも飲まなきゃやってられない。
人間なんて…考えただけで殺気立つ。
あぁ、苛々する。
まだ昼間だけど龍姫はあの場所にいるだろうか?
自然と体が動いていた。

*黒い髪を風になびかせ龍姫は立っていた。
目の前の小川を静かに見つめている。
「…そんなに川が好きなのかい?」
「大蛇様!」
龍姫が駆け寄ってくる。
やはり美しい。
「故郷を思い出すのでございます」
寂しそうな笑みを浮かべて龍姫は言った。
「半妖の私は妖怪からも人間からも蔑まれております。きっと昔に戻りたいのですね」
「…なんだよ。オレと同じじゃねぇか」
思わず表情が曇る。
やはり人間は最悪だ。
「龍姫、オレがなんと呼ばれているか知ってるか?」
「…どうなされたんですか?」
「人喰いの八岐大蛇だ。オレは人間が…人間が…」
「大蛇様!」
龍姫の声がしたと思ったら花の香りに包まれた。
心が落ち着く香りだ。
体の力んでいた力が抜けていく。
「大蛇様…人が憎いのですか?」
「…違う。オレは人が好きだったのかもしれねぇ」
ただ信じてほしかっただけなのに…
突然、龍姫に抱きつかれた。
「…なっなにしてるん……」
「私は知っていますよ。大蛇様はお強くて、お優しくて、人が大好きだということを…」
龍姫の腕の中は温かくて、幸せで心が満たされていく。
「強がらなくていいんです。大蛇様…」


温けぇ……

23:NONO:2011/09/19(月) 11:10

第十一話 囚われの姫

「お前、奴良組に来ちゃあくれねぇか?」
「え?」

驚いた顔をしている。
でもすぐに首を横に振った。

「無理ですよ…だって私は」

龍姫が離れる。

「半妖ですから…」

そう言って何処かに行こうとする。

「おい!待てよ!!龍姫!!」

振り返ってはくれなかった。

*龍姫は森を一人で歩いていた。
何故あんなことを言ってしまったのだろう…
本当は頷きたかった。
でも…

「探したぜ、裏切り者のお姫様」

声がした。
驚いて振り返る。

「茨木童子…」

顔に卒塔婆をつけた男がそこにはいた。

「よくも逃げ出してくれたな、半妖の分際で」
「私の勝手でしょ?それに…仲間になった覚えはないわ」

言い返すと茨木童子は鼻で笑った。

「お前は仲間じゃねぇ…生贄だよ」

そう言われたところで意識が途切れた。


気がつけば座敷牢の中だった。

「大阪城…?」
「そうだ。どうだ?久しぶりの牢屋は…」

牢の前には茨木童子がいた。

「何で…」
「お前の生肝は羽衣狐に捧げる。鵺の誕生のために」
「鵺…そんなものを復活させるの?」
「お前はそのための道具だよ」

囚われの姫にそう言い放った。

24:NONO:2011/09/21(水) 16:59

第十二話 大阪城

「ふられてしまったな、大蛇」

振り返ると蛇神が立っていた。

「見てやがったのか」
「すまんのう…悪気はないんじゃ」

コイツはどこかぬらりひょんと似たとこがある。
だからか?

たまに本気でイラつく。

「あの娘…綺麗じゃな」
「やらねえぞ」
「大蛇のもんでもないじゃろう」

意味ありげに笑う蛇神を無視し踵を返す。

「帰るのか?」
「ああ、総大将が馬鹿やんねえか心配だしな」
「人間の娘のことか?」

「生肝信仰のことだよ。もうそろそろ羽衣狐が動くぞ」
「それと何の関係が…?」
「あの女の肝も狙われるかもしれねぇだろ?」

人間を助けるというのは癪だが京妖怪の思い通りと言うのも気に食わない。
だから助けることにした。

25:NONO:2011/10/05(水) 23:47

大蛇編が…長い…
全然現代の話がかけない><

とりあえずは、鯉伴と夕麗を完結させましょうかね…


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