あまり気にしない方向で。

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1:Stray Dog ◆HP66:2011/08/02(火) 21:42

長文に成り易い僕が、なるべく短く、少しずつを目標に
フィクションでどれだけ書けるのかを試してみます。
精確さ、読み易さ、解り易さを念頭に置き
無理しない範囲で書いて見ますので、感想はご自由に。

2:Stray Dog ◆HP66:2011/08/02(火) 22:13


『何も無い事は―――果たして力に成るのだろうか?』

読み終えた本を床に投げ出し、俺はベッドで寝返りを打つ。
その本の主人公は、仲間に恵まれ、才能にも恵まれ、その上すごい努力をして
最初の頃は到底敵わなかったライバルを・・・最後には倒してしまうのだった。
物語としては良くある感じだし、実際にその手の本は幾らでもあるが
何故か読み終えた時に浮かんだ感想が・・・それだった。

高校三年の夏。受験勉強前の最後の夏休み。
俺―――倉橋 共胡は、特に面白味の無い、午後の殺人的な気だるさを過ごしていた。
とにかく暑い―――が、母親が「節電とケチは紙一重」と言う方針を打ち出した為
午後の西日が強くなる時間帯までは、エアコンは使用禁止となり
窓全開、扇風機をフルスロットルで耐え忍んで居るのだった。
まぁ―――それなら泳ぎにでも行けば、まだマシなのかも知れないが
そこはそれ・・・友人知人は軒並み夏期講習で誘えそうな奴は皆無だ。
「いくらなんでも、一人で泳いでたら可哀想過ぎるだろ・・・」
結局の所、暇はあっても金が無い学生には、暑さで体力消耗を凌ぐ為に
自宅でごろごろと過ごす―――と言う安易な方法しかないのであった。

―――と、唐突に一階の玄関からチャイムの音が鳴り響いた。

3:Stray Dog ◆HP66:2011/08/02(火) 23:31

>>2

「あ―――・・・」
仕方なく音に反応した俺は、面倒がる身体をゆっくりと起こすと
取り合えず、二階の自室の出窓の方へ向かった。
そこから階下を向くと玄関前が見えるのだが・・・。
「あ? 誰も居ねぇ・・・」
インターフォンは玄関横の壁面に設置されているので
こちらからだと、玄関に接するぐらいに身体をくっ付けなければ
見えない―――等と言う事は無いはずだった。
「気のせいだった・・・か?」
(どうにも景気良く鳴り響いた―――と思ったんだがな)
と、腑に落ちない思いが湧いたが―――直ぐに暑さが先に勝ち
ま、いいやとベッドに戻ろうと―――。

―――! やはりチャイムが鳴った。
俺は直ぐに出窓に向かい―――そこで視界が暗転した。

4:不良品:2011/08/03(水) 00:02

ダッシュ記号が多すぎて少々くどいような気がします。
なにかと便利なアイテムではありますが、一辺倒になるのは避けた方がよろしいかと。

5:Stray Dog ◆HP66:2011/08/04(木) 23:59

>>4 文章ではなく「―――」ですか? 要検討ですね。

>>3

蒼く澄んだ空。地平を這う様に滑って行く雲。見渡す限りの草原。
その絶景を遮るものは無く、無いからこその何処までも続く地平。
草を踏む感覚は足裏を擽り、時折吹く風が草の匂いを運ぶ。
「・・・」
良く『絶句』と言う表現を聞くが、今の俺が―――正にその真っ只中だった。
顔から垂れる汗は、「暑いから」だけではないだろう。
寧ろ、心地良いほどの気温・・・適温と言えるほどに快適だ。
「いや、そう言うことじゃねぇだろ・・・」
混乱する自分の脳にツッコミを入れつつ、俺は冷静を保とうと必死だった。
身なりは、当たり前だがそのままだ。いつもの白シャツにジーパン。
自分の部屋に居たのだから、靴下は勿論靴すらも無い。無論所持品も皆無だ。
『夢』―――当然そう考えるのが普通だし、精神衛生上も落ち着ける訳なのだが
それにしては五感は勿論、六感的な「嫌な何か」までがリアル過ぎている。
「いや、ホント・・・そう言うことじゃ、ねぇだろ・・・」
唾を飲み、吐き出す息と吸い込む息がぶつかりながらも、それだけを口に出す。
笑い出したい気分だった。何も考えず、大声で笑えればどんなに楽だろう?
それは恐らく―――発狂の一歩手前だった。
「―――?!」
轟いた。そうとしか表現の出来ない、空気が破裂した様な音。
「がぁっ!ふぅっ・・・!」
次いで、間髪居れずに足元付近で草や土が噴き上がり
それらを被りながらも、何とか俺は姿勢を低くした。

6:Stray Dog ◆HP66:2011/08/06(土) 21:40

>>5

「くそっ!」
何が何だか分からない状況に追い討ちを受け、そう言うのが精一杯だった。
何か?≠熾ェからず何が≠熾ェからない。
しかし―――状況は二転三転し、最早翻弄を通り越し・・・。
「伏せるなっ!動けっ!」
甲高くも力強い声が響いた。俺は誰?と思う暇も無く宙を舞い、吹っ飛んだ。
「い・・・ってっ?!」
不様に弾む身体の衝撃に顔が歪み、苦痛はまともな声にはならずに漏れる。
「いいから動けっ!死にたいのかっ?!」
直ぐ側で連続する破裂音をBGMに、先程の声がまた吠えた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――っ!!」
何も分からず、何をどうしたのかも最早分からなかったが、俺は吠えた。
吠えて、吠えて、何も考えずに、何処かも分からずに、走った。
走って、走って、走って・・・どのくらい走ったのだろうか?
息が切れ、身体が軋み、視界もぼやけて、素足の傷がじくじくと痛み
溢れ出した疲労感を止める事は出来ず、俺はその場で意識を失った。

7:ゆう ◆YOU. hoge:2011/08/08(月) 00:19


表現が絶妙に良いです。私は好きです。

続きが気になります。

8:Stray Dog ◆HP66:2011/08/09(火) 00:36

>>7
こう言う書き方は、此処では異端なのでしょうけどね?(笑
取り合えず無理しない範囲で書きますので、お気楽に。

>>6

「―――で、負傷が2だから、被害としては最小でしょ?」
「・・・物資の方が、結構な消費だと思うが、な?」
定期的に身体が揺さぶられる振動と、複数人の声。今だ朦朧とする意識の中
耳だけが断片的に景色を拾う。
「そんな細かい事気にしててさ、あいつ等に対抗出来ると思う?」
何処かで聞いた風な甲高い声は、少々苛付いた様に言葉を続ける。
「実際、あれだけ撃ち込んでやっと・・・・でしょ?」
「ま、それに異論がある訳じゃーないが、ね」
平坦だが少し軽薄な雰囲気のある声は、
「だがな、その分の価値がなきゃー投資損だって事は、分かるだろ?」
そう含みのある言葉を言いながら、遠ざかって行った。
それからは、言葉としてはっきりとは聞き取れない程度の音が流れ
俺は意識のON、OFFを繰り返しながら、何処かに運ばれていると
それだけは辛うじて分かっていた。

9:Stray Dog ◆HP66:2011/08/11(木) 23:04

>>8

俺が最初に気付いた時には、そこは見知らぬ場所だった訳だが
次に意識を取り戻した時は、そこはもう―――見知らぬ世界だった。
まず、時代と言うか・・・文化が良く分からない。
俺が寝かされている場所は、板張りの風通しの良い簡素な家屋。
装飾と言うよりは、乱雑に物を飾っているだけで派手さはなく
頑丈そうな柱が四隅に建ち、そこから支える天井も骨組みが丸見えだ。
「・・・なのにベッドに寝かされていて、なぜかカメラがあるんだよな」
鉄製らしいベッドと機械音をさせている柱に取り付けられているカメラ。
それも遠隔操作でもしているのか、俺が少し身体を動かすだけでも
そのレンズは細かく動きながら、こちらをトレースしている様だった。
「で、布団は何だか分からないが、何かの皮っぽいし」
風通しが良いからか、敷布団だけで掛け布団はなかった。
お世辞にも寝心地が良いとは言えなかったが、その手触りだけは妙に気になった。
眼が覚めてから、夢じゃなかった事に内心落胆しながらも
それならそれでこれが現実だとも思えず、俺はゆっくりと身体を起こし
まだ疲労感は残っていたが、少々動き回るくらいなら大丈夫だろうと
開けっ放しの外が見える方へ歩いて行った。

10:Stray Dog ◆HP66:2011/08/18(木) 00:18

>>9

そこはもう・・・見知らぬ世界と言うか、軽く眩暈がした。
こちらをチラリと一瞥しては通り過ぎて行く、何か。
(機械? にしては人の姿だけど・・・何だこりゃ?)
漫画やアニメで見た様なサイボーグに近い―――が
フォルムは人の様に滑らかに見えるし、何より機械的な音がしない。
何かの鎧かとも思ったが、どう見ても生身には見えず
硬い金属音の様な足音が、俺の耳に届いていた。
その異形を道の真ん中で立ち止まって見ていた俺は
直ぐ背後からの声で我に戻った。
「おや? 思ったより冷静なようだね?」
俺は振り向いて、一瞬固まる。
「はは、まぁ見慣れるまではもう少し掛かるさ」
俺を正面から見据える、何か。
声の調子は柔らかく、優しい感じに思えるのだが
その姿には、やはり気後れしてしまう。
・・・一見すれば、鎧を着た兵士に見えなくもないが
その土台と成る生身や肌は見えず、変わりに石を継ぎ接ぎにした様な
隙間が見え、それが折り重なって人の様な身体の様相を呈していた。
顔もやはり石の継ぎ接ぎだが、その見た目は理科室にある骸骨で
その両の眼は青白く揺らぎ、鈍く光っている様に見えた。
「あ・・・、その・・・」
俺は返事に困って、何かを言おうとした、が。
「まぁまぁ、取り合えず部屋に戻って話をしましょう」
そう言うと彼―――何だろうか? は、踵を返す。
仕方なく俺は、その後を付いて行くしかなかった。

11:Stray Dog ◆HP66:2011/08/21(日) 00:57

>>10

「取り敢えずは、自己紹介だね」
流暢な日本語でそう語る―――日本語?
「そう言えば、俺の国の言葉・・・だけど」
「あぁ、厳密には言葉≠カゃないよ?」
そう言いながら俺が寝かされていた部屋に入ると
彼は立て掛けてあった装飾品に手を伸ばす。
「簡単に言うと、理解≠ニ翻訳♂スだけど―――」
手に取った薄い板の様な物を彼は・・・そのまま床に落とす。
瞬間、板は四方に拡がり腰の高さくらいの箱に変わった。
俺が内心それを見て驚いているのを知ってか知らずか。
「大気中の微粒子に微弱な精神感応素子が含まれていてね。
僕らはそれを通じて会話の様な事をしているんだよ」
そう言うと、また彼は板を二つ手に取り。
「君は純生体≠セから、その粒子を血中に取り込む事で
僕らとの会話が可能だし、僕らも君の言語を理解出来る」
またその板を落とす。瞬間、先程よりも小さな板は
文字通り瞬く間に拡がり、二つの四角い箱へと変わった。
「さ、まずは座って自己紹介だ」
彼はこちらを向き、小さな箱の様な物・・・椅子なのだろうか?
へと、俺を促した。
「・・・倉橋 共胡です」
俺は座りながらそう言い、何となく気恥ずかしくなり眼を逸らす。
「キョーゴですか、僕の名はムルキベルです」
彼はそう言うと、眼の奥の光がゆらゆらと揺れ、笑った様に見えた。


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