妖と陰陽師 大陰陽師の孫と大妖怪の孫

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1:annri:2012/02/11(土) 13:16 ID:3JY

ぬらりひょんの孫と少年陰陽師を混ぜた夢小説です。
一話から六話までは別のスレッドに書かれているので、
そちらのほうを見てください。
これは七話からです。

2:annri:2012/02/11(土) 13:37 ID:3JY

第七話   そのころ

 たしか、自分はステップを踏んで、貪狼を出して。
ああ、とらえられたのか。
妖怪に、負けるなんて。


「夜明けまでのねずみ狩りだ。」
百鬼夜行は色めきたった。喜び勇んでリクオについていく。

 そうして、百鬼夜行は闇の中を進んでいった。

 
安倍家の陰陽師・昌浩もまた、布を身にまとい、支度を進めていた。

支度を終えると、強く、けれど静かな声音で、呼んだ。

「太陰。ここへ。」

3:annri:2012/02/14(火) 22:03 ID:dIU

第八話  陰陽師

 ゆらは目の前の光景を信じることができなかった。
目の前には、百鬼夜行がいたからだ。その先頭に立つ男は、長い髪に羽織をはおっており、剣呑な目つきだった。
首のない妖怪が自分たちを助けてくれたが、檻を開けて助けてくれたのが妖怪だということも信じられなかった。

 会ったら滅したる思とったのに。

とてつもない妖気に圧倒されて、足が動かない。
徐々にねずみを追いやっていた奴良組の近くに突如として、
   
     ひらり、と風をまとった一つの強大な神気と人影が舞い降りた。

 風が晴れてくるにつれて、その人影があらわになる。

「我らが主よ。命令を。今すぐにでも、蹴散らしてやろうか?」

 得体のしれない妖達がいる以上、主の名をさらすつもりはない。それは、神将たち全員の考えであった。
物の怪もまた同様。すぐに本性に戻れるように構えているのが良く分かる。

 妖同士の戦いに、一流の陰陽師が現れたのだった。

4:annri:2012/02/15(水) 15:34 ID:iVA

第九話   十二神将 対 妖怪

 「ああ、そうだな。だが、この中で一番強そうなやつは置いといてくれ。」
「分かった。」
勾陣が短く返した。朱雀も六合も槍と太刀で、物の怪も本性に戻り、煉獄の炎を操っている。
太陰は、叫びながら風の矛を飛ばした。
「ちょっと、昌…我らが主に触れるんじゃないわよ!!」
瞬く間に、ねずみどもは倒され残り一匹になる。
その様を、奴良組、ゆらたちは茫然と見つめていた。
「お前…何もんだ!?」

「我らが主に名を聞くなど、身の程知らずが。」

 紅蓮がはき捨てる。

「ついでに言っておいてやるが、この男は我らの中でも最強なんでな。あまり怒らせないほうが身のためだぞ。」

勾陣が薄く笑った。六合達も頷く。
「ちなみに我らは十二人いる。そして、我らは神の未席に名を連ねるもの。覚えておけ。」
朱雀があっさりというその台詞に、ゆらの目が大きく見開かれた。
「嘘やろ…。あれほど力の強いのが七人おるんか…。」

「我らが主よ。強そうなやつを残したが、どうする。」

「さっさと帰らねば天貴が心配する。さっさと用を済ませるぞ。」

「ねえ、天一以外は?」
太陰が問いかける。だが、それはきっぱりと無視される。 

「俺の問いに答えろ。偽りなく、すべてを。」
昌浩の声があたりに響いた。

5:annri:2012/02/16(木) 21:32 ID:wg.

第十話   百鬼夜行の主

 「俺の問いに答えろ?知っていても、答えてやるつもりはねえよ。」

「お前は人に手を出した。つまり、今すぐにでもお前を退治なければいけない。それが陰陽師だからな。
だが、俺は今、ある妖を探している。それは…。」

リクオ達はあっけにとられたように、布をまとった小柄な者を見る。
ふと、氷麗が首をかしげた。
 なんだろう。あの人のまわりにいるあの式神たち。どこかでその力を見たことがあるような…。
だが、いくら考えても、余計にわからなくなるだけだった。
その時、また響きだした声に氷麗の意識は引き戻される。

「百鬼夜行の主を知らないか。この町に出るという魑魅魍魎の主。それを探している。」

「それは奴良組総大将ぬらりひょんのことか?」

リクオが会話に割り込む。陰陽師は首をかしげた。後ろを振り返り、式神たちに尋ねる。
「奴良組って、なんだ?それと、ぬらりひょんという名前、聞いたことがあるような気がするんだが。」

「奴良組なんてものは知らないし、ぬらりひょんという妖なら、そいつに尋ねればいい。こいつらに案内させ
ればいいことだ。」

勾陣がさらりと答える。
他の神将たちも頷いた。

「そこのねずみは答えてくれなさそうだし、そのぬらりひょんという妖に会わせてくれないか。お前たちは
ええっと、そう、奴良組なんだろう。」

「陰陽師。言っていいことと悪いことの区別がつかないのか?総大将に会わせるはずがないだろう。
第一、我ら奴良組をつぶすつもりなら、今ここで消えてもらおう。」

首無の言葉に、妖怪たちがわきあがる。それと同時に、神将たちが戦闘態勢に入った。

 その次の瞬間、首無と騰蛇が紐と炎の攻撃を繰り出そうとする。

 そこに、二つの声が重なった。

6:annri:2012/02/16(木) 21:45 ID:wg.

第十一話   陰陽師、邸へ

 「やめろ!」
 「下がれ!」

 二つの声に、二人の動きが瞬時に止まった。

「なぜ止める。」

憎々しげに言う騰蛇に、昌浩は答えた。

「そいつらは、人に手を出していないだろう。もしそうだったら、とっくに攻撃されていただろう。だからだ。」

「リクオ様。なぜ。」
その問いには答えずに、リクオは昌浩に告げる。

「あんたが何もんかは知らない。だから会わせることもできない。そして、そこのねずみは俺が始末する。
あんたはどいてろ。」

昌浩は後ろに下がった。神将たちもそれにならう。

「すまなかった。お前がやるならそれで構わない。邪魔したな。」
「おい、そろそろ帰るぞ。他の神将がしびれを切らしているところだろう。ただでさえ、お前が出ること
を快く思っていないところを、お前が無理やりに押し切ったんだ。とっとと帰らないとな。」

それを聞いた小柄な陰陽師は、神将を呼んだ。

「太陰。邸へ。」

竜巻が舞い降りたかと思うと、陰陽師と式神の姿はなくなっていた。

7:annri:2012/02/17(金) 15:23 ID:W1o

第十二話   安倍邸にて

「昌浩。お帰り。」

「うん、ただいま。だけど、先に寝といてって言ったよ。」

「でも…。心配だったもの。」

「心配いらないよ。みんなついてきてくれてるんだし。」

布を放り出し、彰子の部屋まで見送る。
彰子は自室に戻ると、小声で言った。
「おやすみ。」
それを聞いた昌浩は微笑んだ。
「おやすみ。」

部屋に戻ってきた昌浩を待ち構えていたのは、十二神将たちだった。

「昌浩。どうする。」

「あの白い着物の妖怪、あいつ、奴良リクオのそばにいたやつじゃないのか。」

神将達が次々に疑問を投げかけてくる。
そのひとつに、昌浩は息をのみこんだ。

「奴良!あの人も奴良組って言っていた。リクオと会った時も妖気を感じた。もしかしたら!!」

「何か知っているかもな。だが、確証もないのに言ったら、逆に不審がられる。
そうなったら、うまく情報を聞き出せないぞ。」

「問題点は、うまく情報を手に入れられるか、だ。」

「なれば、リクオ殿の屋敷に行き、妖気があるか否かを確かめてはいかがでしょうか。」

「それは名案だ。」
天一の言葉に昌浩は深く頷いた。リクオの家で作戦会議がしたいと言えば済むだけだ。その時、
一つの声が間に入った。

「昌浩。渡しそびれていたものだ。本当は妖どものいた場所で渡したかったんだが。すまない。」

「俺もすっかり忘れてた。六合はいつも居たから帰ってきても変だとは思わなかったんだよね。」

「昌浩。我もいったぞ。まるで六合しか行っていないような物言いをするな。」

「ごめんごめん。ありがとう。」

差し出されたそれに、昌浩はゆっくりと手を伸ばした。

8:annri:2012/02/17(金) 15:26 ID:W1o

感想お待ちしております!!

9:annri:2012/02/19(日) 17:15 ID:cxU

第十三話   地反の丸玉

 手渡されたのは、碧色の勾玉だった。地反の丸玉である。
 「ありがとう。これでひとまず暴走する心配は減る。良かった。」

 「俺らもこれで一安心だな。二か月前も暴走しかけたし。」

 なあ、と同意を求められ、昌浩は顔をしかめた。

 「だってさ、あれ、仕方ないじゃないか。もっくん、ひどい。」

 「もっくん言うな。」

 「物の怪だからもっくん。それだったら彰子に考えてもらう?あっ、これ名案。
  みんなもあだ名を考えてもらったら?」

 「いや、丁重に断らせてもらう。」

勾陣の言葉に皆がうなずく。
六合もまた、りっくんという名をつけられそうになった時を思い出したのか、
わずかに青ざめているように見える。

 その様子を見て、昌浩は苦笑いした。

次の日、リクオのお見舞いに、清十字怪奇探偵団は訪れていた。

10:annri:2012/02/23(木) 16:37 ID:IKA

第十四話   奴良家の屋敷

 「奴良君、大丈夫かね。まったく…。カナ君達は妖怪に襲われても来ていたというのに。馬鹿な証拠だ。」
うっすらと顔が赤くなって、熱の高そうなリクオに、清継は容赦なく言うが、昌浩は心配げに問いかけた。
「大丈夫?なんかすごく熱が高そうだけど。」

「リクオさ…!」

雪女こと氷麗が顔を出すが、カナたちを見てその足は止まった。

「昌浩様。この女、妖気が少し漂っています。」

「あの時にいたやつだ。間違いない。」

「確かに。というわけで、どうしよう。ここは彰子に任せて帰る、ってことにして会いに行こうかな。」

「念には念を入れて、いったん邸に戻ったほうが。」

「そうする。で、二時間ぐらい空けてきたほうがいいよね。皆に怪しがられてもいけないし。」

「昌浩。ちゃんと祖父から譲り受けた化けの皮をかぶって、ちゃんと狸になり済ますんだぞ。」
物の怪の言葉に昌浩は苦笑いした。

「…言いたいことはわかるんだけど。別に狸の格好なんかしていかないからね。それに俺はあそこまで性格
悪くないし。」

「晴明様を奴から取り戻すためにも、手に入れられる情報は手に入れなければなりません。なのに、愛宕天狗
たちの情報網にも引っかからないとは…。ぬらりひょんが知っている可能性も限りなく少ないのでは。」

「ごめん。俺がもっとちゃんとした一流の陰陽師だったら…。こんなことにはならなかったのに。」
うつむく昌浩に、神将達は深いまなざしを向けた。

「昌浩や。嘆くんならとっとと一流になれ。まったく…。昔の昌浩はそれはそれは敵なしだったのに。
子供の姿に生まれ変わると、記憶はあっても体が追いつかないんだな。……そうだと言え畜生。
ああ、今までの苦労が……。」
物の怪は励ますつもりなのだろうがそうには聞こえない。
朱雀や天一、隱形している勾陣や六合までもがかすかに笑う。

「そう言うてやるな。昌浩がかわいそうだ。」

「昌浩。ここ、妖がいっぱい。都にいるみたいね。」

「彰子。ちょっといったん帰ってここの人に話し合いたいなと思っているんだけど。」
その言葉でわかったらしい。彰子は頷いた。

「分かった。ここは私に任せて話し合ってきて。」

昌浩は頷くと、清継に声をかけた。

「ごめん。ちょっと抜ける。」

11:annri:2012/02/23(木) 16:45 ID:IKA

第十五話   情報

風と共に舞い降りた人影は、幹部会議の開かれている部屋に容赦なくはいった。

すべての目がこちらを向く。

それに押されもせずに影は堂々と言い放った。

 「ぬらりひょんはいるか。」

「ぬらりひょんとはわしのこと。小僧が何か用か。」

「用がなければこんなとこには来ない。」

「人間が何入ってんだ?ここをどこだと思っている。」

一つ目が声を荒げるが、対して気にした風もない。

それにいらついた一つ目が小柄な影に襲いかかった。
瞬間、地獄の業火が一つ目に絡みつく。

「ぎゃああああ!!」

「紅蓮。もういい。」

騰蛇は何やら言いたそうな顔をするがすぐに攻撃をやめた。

「ほう。陰陽師か。で、わしらを滅しに来たのか。」

「違う。お前たちを退治る気はない。奴の情報を持っていないか聞きに来ただけだ。」

「情報?」

ぬらりひょんは首をかしげた。

12:annri:2012/02/26(日) 21:04 ID:d.6

第十六話   収穫なし

「鵺という妖を探している。なにか知っていたら教えてほしいんだが。」

「鵺? それなら確か、愛宕天狗の颯峰、疾風と名乗る者が聞きにまいっておりましたぞ。」
烏天狗が口をはさんだ瞬間に、陰陽師が振りかえった。

「本当か!?」

「嘘を申して何になる。」

「いや…。だが、颯峰たちは本当に心強い。」

「今回も収穫なしだな。そろそろやばいぞ、孫。」

「孫言うな。物の怪のもっくんの分際で。」

「昌浩、そろそろ帰ったほうがいいぞ。このごろは寝不足なんだからとっとと寝ろ。青龍たちにどやされても
私は知らんからな。」

「わかったよ。じゃあ、俺たちはここで。急に押し入って悪かったな。」

そう言い残すと、風と共に飛び立つ。

その様を、妖たちはあぜんと見つめていた。

13:アーナ:2012/02/26(日) 21:17 ID:ZAE

annriさん、ここのスレ入れてください!!
陰陽師とか好きで・・・・
お願いします

14:annri:2012/02/27(月) 13:29 ID:7N2

アーナさんへ
構いませんよ。
どんどんコメントとかもいただけたらな、と
思うのですが。
よろしくお願いします。
私も陰陽師や妖が好きです。
その割には怖がりですが…。
なんだかんだでこれからもよろしくお願いします。

15:アーナ:2012/02/27(月) 20:57 ID:WsA

annriさん、私も
怖がりなんだ〜^^

16:annri:2012/02/29(水) 17:43 ID:6GI

怪談話とかって、怖いから聞きたくないと思うけど
最後まで聞いてしまいますよね。
そして夜は寝れないという。
以上、無駄話でした。
感想やアドバイス、お待ちしております!!

17:annri:2012/02/29(水) 17:59 ID:6GI

第十七話   夢

「……!!なんだ、夢か…。」
奴良リクオは宙をぼんやりと見つめる。
着物が冷や汗でぬれている。

うめきに、炎。風が余韻を残しながら消えていく中で、少年が膝をついている。
その背を、ほの白い炎が包んでいる。悔しげに顔をゆがませる少年の横に一つの影が現れた。
何かを言っている。
突如、少年が絶叫した。頭を抱え、地に這いつくばる。
数秒後、痛みが治まったのか少年が何かをつぶやいた。
そして、あたかもその少年を護るように、その周りにいるのは―…。


「じい様?」
なぜだろう。晴明に名を呼ばれたような気がする。
あたりを見回す。
「ここは…!」
暗闇に包まれている世界は、あの夢殿だった。

「昌浩。」

反射的に振り替える。そこに立っていたのは、安倍晴明だった。

「じい様、俺…。」
駆け寄ってくる孫に、若りしころの姿である晴明がため息をついた。

「まったく…。いつまでもお前が未熟だから。はあ、一人前になるのはいつのことやら。」

「じい様…。」

袂をつかむ昌浩は幼子のようだった。

「昌浩。お前がじい様のことを想ってくれるのなら、見つけ次第これ以上はないというぐらいの攻撃をぶつけろ。」

「でも、それをしたら…!!」

驚愕して、口をパクパクさせている昌浩の頭を、晴明はくしゃりとなでた。

18:アーナ:2012/02/29(水) 18:34 ID:rUo

なんか、晴明やさしい?というか
なんというか・・・
よくそのへんわからないけど
おもしろかったよ〜^^

質問!!
晴明という陰陽師は知ってるけど
昌浩という名前の人は聞いたこと
ないんだ・・・昌浩はこの小説のオリジナル?

それと、annriさんは
何歳?

19:annri:2012/02/29(水) 22:21 ID:m4Q

すみません。
えっと、これはですね。
少年陰陽師っていう小説とぬらりひょんの孫を
混ぜたやつなんです。
少年陰陽師は、時は平安。
昌浩は安倍晴明の孫にしてゆういつの後継者なんです。
このあたりのことは少年陰陽師を読んでいただいたら
分かりやすいかと。
ですので昌浩はオリジナルキャラではありません。
ちなみにこれの1〜6話は別のスレッドに。

晴明は昌浩を可愛がるついでに結構おちょくっているので嫌われていますが、
やっぱり昌浩は晴明が好きなようです。

わかりにくくてすみませんでした。
コメントありがとうございました。それと私は11歳です。

20:annri:2012/03/03(土) 11:26 ID:yvI

第十八話   にぎやかな朝

「おい、起きろ。昌浩、朝だぞ。起〜き〜ろ!」
「うー、重い…。」
次の瞬間、軽やかな音を立てて白い物の怪が飛んでいく。

その体を、のばされた手が壁に激突する寸前でつかみ取る。

「昌浩、大丈夫か。重かっただろう。」

「おい…。心配する相手が間違っていないか?勾よ。」
床に着地すると、器用に昌浩を指さす。

「起こしてやったというのに、普通ならお礼がもらえるところを、なんでゲンコツなんだ。晴明の孫のくせに。」

「孫言うな。そもそも、寝ていた俺の上に乗るなんて、睡眠の邪魔だ。」

「何?もう起きる時間だ畜生。孫のくせに孫のくせに…。」

六合は無表情の下で考えた。
晴明の孫というのは確か、晴明の後継者という意味だったのに、なぜかけなし言葉になっているような。

「朝から騒々しいな。騰蛇よ。」

「俺か!?俺だけか?昌浩だって騒々しいだろう。」

朱雀と天一が苦笑した。
「どちらもにぎやかに訂正しておく。」

「昌浩、ちょっといい?」
彰子が顔をのぞかせる。

「あのね、清継君が妖怪合宿に行くって。」

21:annri:2012/03/04(日) 16:29 ID:Auw

第十九話   雑鬼たちと式

「さて、今日はこんなもんでいいだろう。」
その言葉に夕霧は顔をしかめた。

「まだ、一刻しか過ぎていないぞ。」

「もうそろそろ使いが来る時期だと思うんだが、まだ来ていないのか。」

うろんげに首をかしげる螢に、夕霧は短く返した。

「来ていないな。それと、話題を変えるな。」

「話題を変えたつもりはないよ。ただ気になっただけで。」

その時、牛車の妖がガラガラと音をたてながらこちらに走ってくるのを、螢は目ざとく見つけた。


「晴明の、孫〜!!」
そう言って降ってきたのは京にいるはずの雑鬼達だった。見事に庭に出ていた昌浩をつぶしている。

「孫、久しぶりだな。」
「元気だったか。」
「さびしかったんだぞ。」
「いやあ、久々につぶすと快感だなあ。」
口々に言う雑鬼の山がぐらりと傾いた。

「やあやあ、これは雑鬼のみなさん。お集まりのようで、いかがなされたんです?…ていうかつぶすならもっくんつぶさんかい!!」
最後にぶち切れる昌浩に、物の怪はわめいた。
「何だと!?自分がよけきれなかっただけだろう!それを、それを…。こんなにかわいい俺様をつぶせなんて。」

「孫ぉ。助けてくれよ。」
「なんかやばい妖がうようよしてるんだよ。」
「俺達はまだ狩られてないけど、とにかく気配がやばいんだよ。」
「車の式が孫の元いいなずけにも助けを求めていたけどさ。」
「そうそう、昌浩なら奴を倒すためにいろんな人に力貸してもらうじゃん?」
「だから、車が先に伝えに行くって。」
「俺達、逃げてきたんだ。」
雑鬼達は目に涙のようなものを浮かばせていた。

22:sakura:2012/03/09(金) 18:14 ID:x6I

読みました!!
すごく面白いです。
頑張ってください!

23:annri:2012/03/10(土) 10:21 ID:owI

ありがとうございます。
がんばります!!

24:annri:2012/03/10(土) 10:55 ID:owI

第二十話   出発の日

「孫ぉ、見捨てるのかよ。」
「そうだそうだ。」
「京から逃げてきたんだぞ。」

口々に文句をつぶやく雑鬼に、昌浩は怒鳴り返そうと息を吸った。
「昌浩、行く時間よ。」
その瞬間、彰子が声をはさむ。

「昌浩様、ご無事で。」

「俺達が必要になったら呼べよ。」
天一と朱雀に頷く。

邸の守りとして、騰蛇、勾陣、太陰、玄武、六合以外の神将達を置いておくことにしたのだ。
雑鬼を守るためでもあるし、数日のうちに帰ってくる成親達のためでもある。

本当は連れていく神将はこんなにも多くなかったが、皆の猛反対を受け、これだけに増えたのだ。

残ることになった神将達は不満そうだったが、絶対に帰るからというと、素直に引き下がった。

その後、清継達と一緒に電車に乗り込む。
  そして、清継が熱く妖怪を熱く語りだした。
それを、昌浩と彰子は黙って聞いていた。

25:annri:2012/03/10(土) 11:11 ID:owI

第二十一話   晴明のたった一人の友人

「京。今となっては、安倍家のいない地。一人ぐらいはいたほうがいいと思うんだが。
まあ、ことが終われば、京に戻るか。」
ひとり呟くのは榎笠斎、晴明の友人である。

今は、笠斎の働きが冥官に認められこうして晴明と同じ時代に生まれ変わることができた。
「晴明、お前の孫はすごいな。」
安倍昌浩はまだ子供だというのに、お前のために。あきらめようとはせず。

まあ、俺も諦めるつもりはないが。

26:annri:2012/03/10(土) 15:08 ID:owI

第二十二話   いざ、捩眼山へ

 妖怪ポーカーをやりながら、ゆらは首をかしげた。
「捩眼山伝説…。聞いたことないですね。すみません。」

「それって、梅若丸っていう男の人が妖に殺された母を救えなかった無念から牛鬼という鬼になったという話?」
口をはさんだ昌浩に、清継はため息をついた。

「昌浩君。今の時代、妖怪のことを妖とは言わないよ。時代遅れだなあ。」
その瞬間、白い物体が清継に襲いかかる。

「時代遅れだと?昌浩はなあ、あの希代の大陰陽師安倍晴明の後継だぞ!口を慎め。くらえ、必殺いかずちの舞!!」
そのしっぽを勾陣が力まかせに引っ張った。

「やめろ!止めるな勾!!」
わめく物の怪を無視すると、昌浩は清継に視線を向けた。

「だが、しっかり予習してきたようじゃないか。昌浩君、その話が本当か、妖怪博士にぜひとも聞きに行こう。」

「なんだ、清継も知らないんだ。」
巻が呆れた声を出す。

彰子はくすりと笑った。

27:annri:2012/03/10(土) 15:38 ID:owI

第二十三話   捩眼山、到着

 「梅若丸のほこら?では昌浩君の言葉は正しかったというわけか。」

「では、雑鬼の言っていたことは本当だったのか。」

「そうらしいね。でも、勾陣、梅若丸のほこらをどうやって見つけるつもりなのかな。」

「清継に聞けばわかるだろう。」

「大丈夫よ、昌浩。私が探してくるから。」

そういって、太陰が風に乗った。瞬間、強風が昌浩たちを襲う。

目を閉じて風が治まるのを待ってから開けると、玄武の姿が忽然と消えていた。

「玄武も大変だな。」

物の怪がしみじみとつぶやいた。


一時間後、山の中を昌浩達は歩いていた。

「ちょっと〜。どうしてこんなにとろいのよ!!こんなんじゃ、日が暮れるわ!!」

太陰が金切り声を出す。神将の場合、風に乗ればひとっ飛びなのだが人間は歩くしかないのだ。
かといって太陰の風に運んでもらったとしても、昌浩の正体がばれる。

「そして、絶対こういうんだ。おお、昌浩や。陰陽師に隠密行動は必須。それなのに、それなのに、
ただの人間にそれを知られるとは。じい様の教え方が悪かったか。ああ、やるせない。やるせないぞ、昌浩や。
とかいって、でてもいない涙をぬぐうふりをするんだ。ああ、その姿がありありと想像できるね。」

突如として、もちろん小さい声で、せいぜい隣にいる彰子か神将にしか聞こえない声でしゃべりだした
昌浩に、彰子や物の怪たちがぎょっとする。
だが、何となくわかったらしい。
苦笑いを浮かべている。

「あそこよ、昌浩。」

示された方向を見れば、確かにほこらがある。
「梅若丸と書いているな。」

「あっ、あそこに小さなほこらが…。」

「梅若丸って書いてるよ。」
リクオが声を出す。
その瞬間、太陰が叫んだ。
「ちょっと、私が先に見つけたんだから!!」
憤慨する太陰に、もう笑うしかない昌浩達であった。

28:annri:2012/03/10(土) 16:25 ID:owI

第二十四話   梅若丸のほこら

「さすが清十字怪奇探偵団。お見事だ。」
現れたのは、作家にして妖怪研究家の化原先生…のはずの人物である。
だが、その格好はみすぼらしく本当にそうなのかと疑ってしまいそうなほど。
仕方のないことと言えば仕方のないことなのだった。

「ここの伝説、教えてもらえますか。」

「うむ。その梅若丸というのは、妖怪伝説の主人公だよ。千年ほど前に生き別れた母を探し東へ東へと旅をする
途中、この山に住まう妖怪に襲われた、やんごとなき家の少年だ。この地の一本杉の前で命を落としたが、
母を救えぬ無念の心が、この山の霊障に当てられたのだろう。悲しい存在へと姿を変えた。
そして、鬼となり、この山に迷い込む人間どもを襲うようになった。」

つと、指をさす。

「それが、梅若丸の暴走を食い止めるためにある、いくつもの供養碑の一つだ。」

「見事に、雑鬼たちの話は合っていたな。」

捩眼山に行くといった昌浩に、そこに伝わる話を雑鬼たちが教えてくれたのだ。
もちろん、最後は「わかったか? 孫〜!!」と孫の部分だけをわざわざ皆で大合唱してくれたが。

「うん、確かに。そして、その伝説は本当だ。妖気が漂っている。」
かたい声で呟く昌浩を、彰子が見た。

「でも、このままじゃ、たぶん遭遇すると思う。あの清継君がいるから。」

「だから、みんな。一応は警戒しておいてね。」

皆がうなずくのがわかった。

29:アーナ:2012/03/10(土) 16:33 ID:/Qo

19>>説明してくれてありがとう!!!
わかりやすかったよ〜

annriさんは11歳だったんだ〜
私は12歳の小6だよ^^

30:annri:2012/03/10(土) 17:00 ID:owI

わかりやすかったですか?
読み返しても、分かりにくいような…。
でも、良かったです。
十一歳といっても、アーナさんと同じく小6です。
同じ学年ですね。
あと少しで中学なので、更新できるかなあ。

31:sakura:2012/03/10(土) 18:20 ID:I/g

更新ありがとうございます(^o^)
凄く面白いです(^x^)
頑張ってくださいね(^_^)/

32:annri:2012/03/11(日) 11:10 ID:7ms

sakuraさん、ありがとうございます!!
これからもがんばります!!
今思うと、これ、長〜い物語になりそうです。
なので、これからもよろしくお願いします。

33:annri:2012/03/11(日) 11:37 ID:7ms

第二十五話   そのころ

 風が唸りを上げる。翼をもった三人の妖怪は、父である烏天狗の前に姿を現す。

「もう一度言ってみろ、バカ息子ども。牛鬼だと。」

静かな声音が返ってくる。

「あくまで目撃情報だ。やったと決まったわけじゃねえよ。浮世絵帳の烏どもが見ていた。」

「うむ…。」

腕を組み、目を閉じたとき、一つの音が鳴り響いた。
それを手に取る。電話で話をする父の姿を見ていた青年は、次の瞬間響いた父の声に目を見張った。

「今、捩眼山に向かっているじゃとおおお!?」


「斎様。どうされましたか。」
海を見下ろしていた斎は、首を振った。

「昌浩は本当に厄介事に巻き込まれるのだなと呆れていただけだ。」
斎の瞳が背後に立っていた男と女に向けられる。

「だから、お前達、昌浩に力を貸してやってくれはくれぬか。」

「斎様がそう申されるのであれば。」

ざざっと波の音が響いた。

34:annri:2012/03/11(日) 16:08 ID:GYA

第二十六話   神将達の怒りのつぼ

「君達、何を心配することがある。爪があるということは、妖怪がいるということ。
それでこそ、妖怪合宿じゃないか!!」

爪を見て、顔をひきつらせている巻達に、それに、と言葉をつづけた。
「ここに、少女陰陽師がいるじゃないか。」

「そんな小娘、昌浩の足手まといだ。」

「おお、その通りだ、騰蛇。あの小娘が足を引っ張るに違いない。」

「なにが、少女陰陽師よ。ただの小娘じゃない。力もさしてあるわけじゃないくせに。
あんななんでもない、妖が群れをなしてできた妖気ごときに足がすくむようじゃ、まだまだね。
昌浩を見習いなさい!!」

「我もその意見に賛成だ。あんな弱い式神かなんだかを持っているだけで、調子に乗るなど。
あのような者、陰陽師とはただのお飾りではないか。」

「その通り。玄武、良く言った。あんな餓鬼が昌浩と肩を並べようなどと。一億年早いわ!!」

このなかで、ゆういつ無言を貫いている六合の瞳に、少しの呆れが混じっている。

「そんなこと、しれているだろう。」

よっぽど言おうかと思ったが、ここは無言で通すのが賢明だ。

「そぉだ。夜は危ないから絶対に出ないほうがいい。」
男の声が、不気味に響いた。その言葉に、清継の目がきらりと光った。

35:annri:2012/03/11(日) 16:47 ID:GYA

第二十七話   夜の妖怪探索

「今のうちだ。では早速「夜の妖怪探索」に行こうではないか!!」
女子たちが温泉に入ったことを確認すると、清継は声も高らかに宣言した。

「馬鹿だな。」
「ああ、思いっきり馬鹿だ。」
「馬鹿すぎてかわいそうだわ。」
「馬鹿だから仕方なかろう。」

やはり、清継に対する言動が容赦ない。
だが、神将の言うことは一理ある。
妖から身を守る術も知らないただの人間が、こん真夜中に出歩こうなどと、正気の沙汰ではない。

「ちょっと…待ってよ!!いかないほうがいいよ!!」

「知能がちゃんとあるやつはいたようだ。」
物の怪はリクオを見ながら言った。

先ほど声を上げたのはリクオであった。
「君達、妖怪を甘く見過ぎているよ!本当に人を襲う奴だっているんだ!」

「んん〜?君に妖怪の何がわかるんだい?」

「お前のほうが知らなさすぎだろう。」
「この脳なしが!」
「妖に食われて死んでしまえ。」

「みんな…。言いすぎだよ。」
昌浩が苦笑いを浮かべる。

「どうしてもなら、僕もついていく!」

「だったら、私も行きます!!」
割り込んできたのは、今頃温泉につかっているはずの、氷麗だった。
(若を危ない目にはあわせられないもの)

「雪女なら、まあ、無事だろう。」
「だが、あのねずみごときと戦っていた時の妖気はそこまで強くなかったぞ。」
「それでも、ましといえばましだろう。」

改めて、昌浩は、神将達は皆ひどいなあと思ったのだあった。

36:annri:2012/03/11(日) 17:05 ID:GYA

第二十八話   温泉にて

「巻、あんた現金すぎるよー。」
あまりの物言いに、鳥居が声を上げる。

「だってー。」

「ごめん、私、もう出るね!」
ざばりと湯からあがるカナに、巻が声をかける。

「早ー。もっとゆっくりしていきなよ。」


その様子を上から見ている者がいた。
「うまい具合に分かれてくれたね…。いいよ、みんな、さっさと片づけちまおう。」


「どうしたの、ゆらちゃん。それに彰子まで。」
今まで出会ってきた妖とは比較的小さい妖気であるが、この別荘を覆っているのだ。
彰子は、希代の大陰陽師安倍晴明からも驚かれる見鬼の才。
妖気を感じ取ってしまったのである。

「なんか、視線を感じて。」

「妖がこの別荘を囲んでるわ。」

「彰子、怖いこと言うなよ。それに、視線と言ったら、あのスケベしかいないでしょう!!」

そうきめつけると、声を張り上げる。
「島〜!!ちょっと、でてきなさいよ。」

しかし、でてきたのは島ではなく、妖しげに目を光らせた妖怪たちであった。

37:annri:2012/03/11(日) 17:33 ID:GYA

第二十九話   妖怪に襲われた時

「禄存!!」
人型がしかの姿となり、襲いかかってきていた妖怪を追い払う。

「なんだ…?式神か!!」

「入浴中の陰陽師を襲うなんて、ええ度胸やないの。」
妖怪の背に乗っている少年が、指示を出しているのだろう。
その時、妖怪たちが変な行動をとった。

奇声を上げながら彰子にのみ、迫っていくのだ。

「昌浩…。」

ゆらの手により次々と召喚される式神たちによって、彰子につきまとう妖怪たちは倒されていく。
しかし、すぐに起き上がり、彰子を狙う。

「なんで彰子だけを狙うんや!?」

彰子は知っている。自分の魂が奴らにとっては格好の餌だということも。
妖に襲われて名を呼ぶのは。助けを求めるのは。

「牛頭丸の奴…。なにが「三代目がいない楽な方」だ。強いのがいるじゃねえか!…早く牛鬼様に勝利の報告
がしたいのに。牛頭丸よりも早く…。」
ばっと手を振り上げる。

「行けっ!うしおに軍団!!根香!!宇和島!!てめーらの怪力見せつけろー!!」

その声で正気に戻ったのか、彰子のみではなく別のものも襲い始める。

ゆらの式神達は、目に見えておされてきている。

妖怪の手が彰子を捕まえた。別の妖怪にゆらたちも捕まえられる。

 昌浩…!!

その瞬間、風の矛が妖にたたきつけられた。

「その手を離しなさい!!」

38:sakura:2012/03/11(日) 18:27 ID:x6I

お〜!!
すごく面白いです。
やばいです。
彰子を助けたのは!?
頑張ってください。
更新ありがとうございます。

39:annri:2012/03/12(月) 21:53 ID:Yf6

そこまで期待しないでください(泣)
彰子を助けると言ったら、まあ、あの人ですが、
ちょっと設定上無理なのであのキャラ達に…。
いつも応援してくださりありがとうございます!
がんばります!!

40:annri:2012/03/13(火) 21:04 ID:9Oc

第三十話   助けが妖怪、神将と

「え……?」
目の前にいるのは、昌浩の式神、十二神将太陰。
十二神将闘将にして、最強に次ぐ力を持つ勾陣。
そして、今は邸の守備についているはずの天一。

とてつもない神気があたりに広がり、妖怪達が地に倒れ伏す。その呻きは、彰子の背筋をぞっとさせる。

しかし、しぶとく、なおも起き上がろうとする者は、勾陣に一瞬にして斬られ砂となって散っていく。

けれど、先ほどの声はこの神将の誰でもない。

漆黒の髪の女がふりかえった。

「けがは?」

その女、彰子の良く知っている人物が小首をかしげる。

「いえ、大丈夫です。」

「そもそも彰子姫に触れようだなんて、1億年早いのよ!!」

その時、大きな妖気とともに三つの水柱が立ち上った。

妖怪を操っていたと思われる少年の身体が、ふわりと宙に舞った。

水にたたきつけられる少年を眺めると、周りをさっと見渡す。その瞳に、険が増した。

翼の生えた三人の妖怪は、同時に呟いた。

「若は…いないのか。」

41:annri:2012/03/13(火) 21:22 ID:9Oc

第三十一話   烏天狗一族

「ぶはあ、なにしやがる!!てめ―ら、何もんだ!!!」
水面から顔を出した少年は、自分を叩き落した得体の知れないものに文句を言う。

しかし、その顔は一瞬にして強張った。

「まさか…。」

「やっと気づいたようだな。我らは烏天狗一族…。知らぬわけではあるまい。」

「あ、いや……」

「小僧、てめえに聞きたいことがある。」

「私も、あなた達に聞きたいことがある。」
突如として間に入ったのは、あの漆黒の髪の女であった。

「藤花様を襲わせたのは、貴様ら天狗か。」

「それとも、そこの妖の勝手な行動か?」

勾陣の黒曜の瞳が凄烈に輝き始める。

「答えなさい。我らは姫を襲わせた妖を知れれば良いのです。」
いつもは穏やかな天一の表情は、いつにもまして険しかった。

「そこの頭蓋骨かぶった趣味の悪い妖か、天狗か、もしくは別の妖。さあ、彰子姫を襲わせたのはどこのどいつ?」

きゃんきゃんとわめきたてる太陰の言葉に、一つの言葉が被った。

「誰がしゃべっとんや。それに彰子姫って…。ここにおる彰子のことか?」
その言葉に、太陰の顔が真っ青になった。

42:annri:2012/03/13(火) 21:37 ID:9Oc

第三十二話   神将が呆れるものは

時は少々さかのぼる。
清十字怪奇探偵団(男子と雪女こと氷麗と神将のみ)が山道を歩いているのをじっと見つめる影があった。
口角がわずかに上がる。
「あなたの考えならば従う…までですよ。」

「おい、昌浩。あいつ、かわいそうなぐらい間抜けだな。」

「たぬき風情で、主人を落とすのか?」

「あの者に仕えているのでったら、自分の身を犠牲にすればよかろう。」

「第一、くもの巣ごときで罠だと…?傑作だな、こりゃ。くっくっく。」
笑いをかみ殺している物の怪に、玄武が見ろ、と促す。

「リュックとやらが引っ掛かっておるだけだというのに…。つくづく馬鹿な奴だな。」

「あれで、若をお守りするというのか。この俺様を見ろ、俺様を!」

えっへんと胸を張る物の怪に、昌浩は呆れたまなざしで見る。

「清継と氷麗への言葉がひどすぎるって、それ…。」

43:sakura:2012/03/16(金) 17:14 ID:4HQ

読みました(^o^)
更新ありがとうございます!
凄く面白いです!
頑張ってください!
応援しています(^_^)/

44:sakura:2012/04/03(火) 23:37 ID:XPo

もしかして、体調を崩されたのですか?
更新されてなさそうなので、心配で…
もしかして、お忙しいのでしょうか?
ご自分のペースで、頑張ってください!
続き、楽しみにしています!

45:annri:2012/04/05(木) 22:34 ID:zOE

すみません!!
体調は崩していないので大丈夫です。
なんだかんだで更新出来ず、いらぬ心配をさせてしまったようで…
もうそろそろで更新するので、その時はまたよろしくお願いします。

46:annri:2012/04/07(土) 18:05 ID:3WQ

第三十三話   陰陽師と神将の口げんか

 皆の視線が太陰に突き刺さる。
神将達の視線がだれよりも痛い。

冷や汗をかきつつ、太陰の頭の中では、この場を切り抜ける方法がいくつも出されては消えていく、を繰り返していた。

いっそのこと、皆を気絶させようか。朱雀も理を無視して昌浩の先輩を殴っていたし。
きっと理には触れないはずだ、たぶん…。
でもそれをしたら昌浩が……。

その時、思わぬところから助け船が入った。

「えっと、私、妖怪に襲われやすい体質なの。だから、陰陽師に守ってもらってたから。それで…。」

なんとも歯切れの悪いことだが、一応納得はされたらしい。ゆら以外は。

「それやったら何で言わんのや。初めから言っとってくれたら良かったのに。」

「良く言う。あんな雑魚風情に負けているような陰陽師が粋がるなよ。」
冷たく言い放つ勾陣を天一が制そうとするが、ふみとどまる。

「花開院家の陰陽師は一流や。私は無理でも皆はいける。」

「どうだかな。」
勾陣は軽く首をすくめると、太陰を呼ぶ。

「何?」
「報告しに行くぞ。」
「じゃあ私も。」
漆黒の髪の女も行くことになり、残されるのは天一のみ。

「大丈夫。ここは守っておくから。」
天一はふわりとほほ笑んだ。

47:annri:2012/04/08(日) 16:28 ID:3WQ

すみません!!
突然なんですが、忙しくなってきたので
書く時間もなさそうなことですし、
終わりにさせていただきたいと思います。
今までありがとうございました。
ごめんなさい!

48:ゆりりん:2013/10/19(土) 23:40 ID:Ir.

私これとても大好きですし続きもきになります
ぜほつづけてください お願いします(願)

49:雪:2014/04/21(月) 17:11 ID:1Uk

続きが気になります
ぜひ続けて欲しいです


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