はじまりの朝

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1:シェイク:2012/02/13(月) 14:53 ID:vQM

「ねえねえ、お母さん!」
「なに?」
「どうして僕は人間なの?」
「人間から生まれたからなんじゃないの?」
「どうして人間から生まれたの?」
「人間だからじゃないの?」
「どうして人間なの?」
「運命なのよ、きっと…」
「うんめい?」
「そ、運命よ」
「うんめいってなに?」
「…どうでもいいでしょ、そんなこと。
 さ、これ運んでちょうだい。
 お父さん達が帰ってくる前に、ね?」
ふうたは納得いかない顔で夕飯を机に運んだ。
もうすぐ、お父さん達が帰ってくる。
お父さんとお兄ちゃんはこの家のボス。
2人が言ったことには従わきゃいけない。
お母さんは「強い人だわ」って言うけれど
僕はそう思わない。強いなんて間違いだ。
お父さんとお兄ちゃんは弱いから
自分達より弱い人間の上に立つんだ。
僕はもっと強い人間になりたい、と
小さいながらも僕は思っている。

2:シェイク:2012/02/13(月) 16:36 ID:vQM

ガチャリ
「あ、帰ってきたわ。
 ふうた、お出迎えしてちょうだい」
お母さんは小声で言った。
「分かった」
トコトコと短い廊下を小走りで進む。
「おかえりなさい」
帰ってきたのはお兄ちゃんだった。
「お兄ちゃん、学校どうだった?」
「…」
返事をしない、ということは機嫌が悪い。
「お母さんがご飯の用意をして待ってるよ!
 今日はね、僕が好きなカレーなんだ!
 お兄ちゃんも好きでしょ?」
「…あのクソまずいカレーか。
 あんなもん食ってうまいとか言う奴は
 生ゴミ食ってうまいって言ってると同じだ」
「でも、昔はおいしいって言ってたよ?」
「俺は昔とは違う」
中学生になって、お兄ちゃんの様子がおかしい。
小学生の頃はもっと優しかったのに。
プライドが高くて、何でもできるお兄ちゃんだったのに。
でも、今は違う。
自分では強くなったって思ってるかもしれないけど
それじゃあお父さんと同じだよ。
弱い人間を見下ろすお父さんと同じだよ?

3:シェイク:2012/02/13(月) 17:00 ID:vQM

「そうた、今日はどうだった?」
夕食の時間。
お父さんも帰ってきて家族4人の夕食。
「どうだったってなにが?」
「学校よ、色々あったでしょ?」
「…別になにもなかった」
「そ、そうなの…」
「お母さん、僕はね、学校でねっ」
そう言いかけた時。
お母さんがキリッと僕のことを睨んだ。
いつもそうなんだ。
僕が話そうとしたら睨まれる。
「ご、ごめんなさい」
「そうた」
「はい、なんでしょうか」
「今日の勉強の調子は?」
「はい、今日は数学と英語の問題集を仕上げまして
 数学も英語も全問正解でした」
「ん、よろしい」
「お父さん、僕はね、テストしたよ!
 算数のテストでは最高得点の96点だったんだよ!
 僕、勉強頑張ったんだよ!
 次は100点取れるように頑張るね!」
ガチャン
お父さんがカレーのお皿を投げた。
「…お父さん?どうしたの?」
「お前のくだらない話など聞きたくない」
「ご、ごめんなさい」
「あなた、カレーはもういいですか?」
お父さんはお母さんを無視して
ドタバタと2階に上がっていった。
「…ふうた」
「なに?お母さん」
「なに?じゃないでしょ!」
「僕、悪いことしてないよ!」
「お父さまには敬語を使うんだ、ガキ」
「そうよ。そうたの言う通りよ」
「…はい」
お父さんは一流会社に勤めている。
頭も良くて、生まれながらのお金持ち。
なんでそんな人とお母さんが結婚できたかは謎だけど。

4:シェイク:2012/02/13(月) 17:28 ID:vQM

次の朝。
「お母さん、行ってきまーす!」
「早く行きなさい。遅刻するわよ」
「はーい」
僕は走って待ち合わせ場所に向かった。
まだ、カズは来てなかった。
「ん〜ん〜♪」
僕は好きなアニメのオープニング曲を口ずさんでいた。
「ふうたー!」
「おお、カズ」
「ごめんな、遅れて。何分待った?」
「全然大丈夫だよ、さっき来たとこだし」
「ほんと?よかったー!」
本当は10分以上待っているんだけどね。
ま、カズにしては早いかな。
カズは小学生になってすぐに知り合った。
それから6年間、ずっと一緒にいる。
いわゆる親友だ。
「なあなあ、宿題終わった?」
「終わったよ。まさか、カズ…」
「へっへーん。忘れた」
「…これで何回目だよ?」
「分かんねえけど100回以上だな!」
「もう、カズったら…」
「はははははは!ごめん!
 ってことで宿題の答え移させて!」
「6年間、ほぼ毎日これじゃん。
 もうすぐ卒業だよ?
 中学校に入ってもこの調子じゃ…」
「はいはい、分かってますぅーだ!」
「はあ、全くもう…」

5:*彼方*:2012/02/13(月) 18:31 ID:1rg

がんばってね!!

6:モコモコ:2012/02/13(月) 18:35 ID:DCo

入ります!!
いやぁ〜面白いですね!!

7:シェイク:2012/02/14(火) 17:50 ID:vQM

あざーーっすww
でわ、続き書きまするww

僕は本気で心配してるのに…。
カズはなーんとも思ってないみたい。
「おっし!完璧だ!」
「明日はちゃんとやってくるんだよ?」
「おお!ありがとな!ふうた!」
きっと、明日も忘れてくると思うけど。
ま、僕のたったひとりの親友だからな…
大目に見てやるか、なーんてな。
「富山と吉田、もう座れよ!」
「あ、うん」
気が付くと朝の読書タイムが始まっていた。

この時、ふうたはまだ幸せだった。
親友がいて、家族がいて、なによりも、
ふうたという存在があったのだ。

8:りっこ:2012/02/14(火) 17:56 ID:5g2

面白い!!私も入れて☆

9:シェイク:2012/02/14(火) 18:04 ID:vQM

どぞどぞww
よろしくお願いしますww

10:シェイク:2012/02/14(火) 18:26 ID:vQM

「ただいまぁ〜」
「お帰りなさい」
「ふぅ〜!疲れたぁ〜!」
「ふうた、休んでる場合じゃないでしょ?
 早く宿題終わらせてお手伝いしてちょうだい」
「はーい」
僕は階段を駆け上った。
そして、扉に「そうた・ふうた」と書かれた部屋に入った。
「あ、お兄ちゃん。帰ってたんだね」
「…関係ないだろ」
「学校は?今日は4時間授業なの?」
「……」
「あ、テスト1週間前なの?」
「…うるさい」
「ご、ごめん」
「…ふうた」
「なーに?どうしたの?」
「お前、鍛えてるのか?」
「え?鍛えてるって?」
「体」
「あ〜、どうだろうな。
 サッカーしてるからある程度は…」
「見せろよ」
「…え?」
「見せろって言ってんだよ」
「お、お腹?足?」
「腹」
「んっ…」
僕は服を捲り上げた。
「…まだまだだな。
 全然鍛えられてないじゃねえか」
「そうかな?」
お兄ちゃんは僕に返事もせずに、いきなりお腹を殴ってきた。
「うっ…、なにしてんの?」
「鍛えてやってんだよ」
お兄ちゃんは笑っていた。
でも、それは、昔とは違う。
昔のように、優しくない。
笑い方でも、それは分かる。
もう違うんだ。お兄ちゃんは。
僕が大好きだったお兄ちゃんとは違うんだ。
改めて、そう噛み締めた。
「うぐっ…」
それからも殴られ続けた。
お母さんが僕を呼ぶまで、ずっと。
それでも僕は嬉しかった。
久しぶりにお兄ちゃんに話しかけてもらえて。
久しぶりにお兄ちゃんが笑って。

******

ふうた、お前は本当に優しい子供なのだ。
それなのに、誰にも気付かれなかった。
母親にも父親にも兄にも親友にも。

そのことに、お前は気付いていなかった。

11:りっこ:2012/02/14(火) 20:13 ID:5g2

お兄ちゃんひどっ!!てかふうたどんだけお人よし?!
笑ってるって言ってもあざ笑ってるだけなのに・・・

12:シェイク:2012/02/14(火) 23:18 ID:vQM

そうですねww
でも、この優しさが問題になる……?

13:むにぃ〜☆もふもふ:2012/02/15(水) 16:58 ID:vQM

3ヵ月後、僕は中学校に入学した。
お兄ちゃんとは違って公立の中学校だ。
お兄ちゃんは有名な進学校に合格したから
入学式には親戚が大集合した。
もちろん、僕の入学式には誰ひとり来ていない。ー両親さえも。
入園式にも卒園式にも入学式にも卒業式にも。
参観だって来てもらったことがない。

「ふうた!おはよ!」カズが走って僕の方へ来た。
「おはよ」
「登校1日目だな」
「だな」今年も同じクラスだった。ー7年連続だ。
「なあ、姉ちゃんが言ってたんだけどさ
 ここの中学校って2つの小学校が合体してるじゃん?」
「うん」
「俺達、東小と…」
「西小だろ」
「ああ!それそれ!」
「…で、それがどうしたの?」
「実はな、差別があるらしいんだ」
「差別?」
「うん。西小って東小より早くできたじゃん?
 だからって気取ってるんだぜ」
「まあ、それくらい普通じゃない?」
「俺もそう思ったんだよ!
 でもな、違うんだよ、違うんだ」
「なにが違うの?」
小さい頃から差別を受けている僕にはなんてことなかった。
「…いじめがあるんだ」
「いじめ?」
「そう。ターゲットを決めて。よく漫画とかであるじゃん?」
「いじめかあ…」
「驚かないの?」
「別に」
「自分がターゲットになったら…!とか思わねぇのかよ?」
「ちょっと」
こうして、僕達の中学校生活が始まった。

14:*彼方*:2012/02/15(水) 18:59 ID:1rg

おお!
来たね。この展開!!!

15:+彼方+ :2012/02/17(金) 20:23 ID:6wo

シェイクー?
書いてね??
待ってますんで!

16:シェイク:2012/02/21(火) 17:52 ID:dLI

彼方(?)さん、ありがと&ごめん!

ドンッΣ
「あっ、ごめんなさい!」
「いってー」
「わざとじゃないんです、ごめんなさい」
「…今度やったら許さねえから」
きゃはははははははは…
「カズ、大丈夫?」
「うん」
「なんでペコペコペコペコしてたの?
 どう見たってあいつらからぶつかってきたじゃん」
「ふうた、ほんっと分かってない。
 あいつら西小だろ?目付けられたらどうすんだよ」
「同級生なのに敬語とかおかしいだろ」
「…俺だっておかしいと思ってるけど」
うつむいているカズの顔を見ると、涙ぐんでいた。
いじめがそんなに怖いか?
カズがいじめられても、僕がいるのに。
「入学早々泣くんじゃねーよ!」
僕は明るくカズに言った。
「うん、そうだね!」
下手くそな作り笑いに下手くそな作り笑いを返した。

17:シェイク:2012/02/23(木) 20:32 ID:dLI

「緊張するね」
「まあ、最初だからね」
「目付けられないようにしよ?」
「そうだね」
「ああ…」
「大丈夫だよ。カズがいじめられても、僕が守ってあげるから」
「ずっと、親友でいてくれる?」
「もちろんだよ」
僕は微笑み、カズの手を握った。
「行くぞ。教室入るのにそんなに緊張するとかおかしいだろ」
「う、うん…」
ガラララッ
僕たちは教室に入った。
「…な?意外とガヤガヤしてるだろ?」
「ほんとだ。予想してたのと違う」
「心配しすぎなんだよ」
「へへっ」
カズが久しぶりに笑った。
朝からずっと泣きそうな顔をしてたから、ちょっと安心。
カズは昔からほんっとに臆病な少年なんだな。

18:彼方:2012/02/23(木) 22:13 ID:6wo

シェイクさん!
書いてくれてありがとう!

いつも、読ませて頂いています。
応援してますので、頑張って下さい!

19:シェイク:2012/02/24(金) 17:33 ID:dLI

>彼方さん
 こちらこそありがとう!
 こんな駄作読んでくれて><

20:ゆきだるまん堰F2012/02/24(金) 18:21 ID:m-3Nw

むっちゃ書くの上手い!!入れて!

21:ゆきだるまん堰F2012/02/24(金) 18:21 ID:m-l2k

むっちゃ書くの上手い!!入れて!

22:ゆきだるまん堰F2012/02/24(金) 19:56 ID:m-2hQ

うぅぅゴメンなさい、2重……

23:リサ(・(ェ)・):2012/02/25(土) 16:08 ID:pxc

今日初めて見ましたー
チョー面白いデスネ(*´∀`*)

24:シェイク:2012/02/26(日) 20:13 ID:c2.

>ゆきだるまん、リサ
 ありがとうございます!
 ぜひぜひ入ってください!

25:リサ(・(ェ)・):2012/03/03(土) 16:22 ID:pxc

はい(-^〇^-)
入らせていただきます♥


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