Dear sky *

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1:白くま:2012/03/12(月) 21:06 ID:7UM

小説初心者の白くまです☆
よろしくです!
感想とかたくさんもらえると嬉しいです!
呼び捨て・タメ口でOKです♪
小説書くのは私だけでお願いします!

では、スタートです!!



目の前には、
真っ青な空。白い雲。
そして、桜の花びらが舞っている。
しばらくながめた後、柚は立ち上がり、学校を出た。
私は今日卒業した。

もし、あなたが今、私の隣にいたら…
もし、あなたと同じ時を過ごせたら…
私たちにはどんな未来が待っていたのかな…?

蒼空、わたしはまだ、
空に恋をしています。

Dear sky.


〜*☆*〜*☆*〜*☆*〜*☆*〜


私、葵 柚(あおい ゆず)。
16歳。
人見知りで、友達が少ない。
もうすぐ1年生が終わる。

「柚〜。おはよー!」

「おー!おはよぉ。」

私の一番の友達の竹内 亜実(たけのうち あみ)。
髪はショートカット。
私とは真逆の性格で、友達が多く、活発。
一緒にいると楽しい。

「昨日の゛ひみつの○○○ちゃん!゛見た??」

「見たよー!」

「相○ちゃん最高!!」

「そこはに○だろ(笑)」

「あはは(笑) 
 あ。もう教室戻らなきゃ!また部活でね♪」

「うん!バイバーイ。」

教室に入り、教科書を机に押し込む。
クラスには、友達という友達がいない。
授業は面白くないし、ましてや休み時間なんてつまんない。
でも、そのおかげか5分前着席。いや、10分前着席は完璧。
授業中のノートの切れ端を使った、手紙の交換なんてしたことがない。
15分も前に読書を始める。
一体、高校生になって何冊目だろう…。
ふと、外を見る。
もうすっかり雪が溶けている。

春の予感…なんてね。

「ねえ、ねえ。」

いきなり声をかけられ、びっくりしながらも、後ろを振り向く。
同じクラスの西崎 巳波(にしざき みなみ)さんだ。

「あのさ、葵さんって、蒼空くんと同じ小中学校だったんでしょ?」

「うん。」

勇気を振り絞って言った一言。
この一言で緊張がとけた。
同じ小中学校もなにも、家、目の前なんだよな…。

「どんな人なの?」

「えっと…。」

どんな人ーーーーーー?!
まだ聞くのか…(汗)

「よく分からないけど…、明るくて活発な人かな…。」

「ありがと。」

一件落着。
そして、私はまた読書を始めた。

2:白くま:2012/03/12(月) 21:22 ID:7UM



一時間目は、理科。
私の嫌いな移動教室…。

「はあ…。」

誰も気づかないような小さなため息をして、
教科書、ノート、筆箱を持ち教室を出る。

どんっ!

誰かとぶつかった。

「…すみません……。」

小さな声で謝る。
きっと、相手には聞こえてないんだろうな…。

「ごめん。」

ん…? この声は…。
私は顔を上げた。…やっぱり…。
三浦 蒼空(みうら そら)だ。
噂をすれば…ってやつか…。
蒼空は、それだけ言うと、立ち去ってしまった。
久しぶりに会ったな。
変わってない。でも、
背、伸びたな…。
って、変わってんじゃん。
そんなことを考えながら、私は立ち上がり、また歩き出した。

3:白くま:2012/03/29(木) 23:30 ID:7UM


理科の授業。

「赤塚、答えろ。」

「分かりません・・・。」

「葵、答えろ。」

「はい。−−−−−−−です。」

「正解だ。これも答えろ。」

「ーーーーーです。」

「よし。ちゃんと予習できてるな。」

私は美術部に所属している。
休日はほとんど部活がなく暇なため、予習・復習を欠かさずにやっている。

キーンコーンカーンコーン・・・


授業が終わり、教室に戻るために廊下をゆっくり歩く。
ふと窓の外を見ると、蒼空たちがサッカーをして遊んでいた。

「何見てるのっ♪?」

「わっ!!」
いきなり肩をたたかれる。

「びっくりした?」

「凜花ぁー!
 びっくりさせないでよー。」


有明 凜花(ありあけ りんか)。
私の保育所からの友達なので、12年の付き合い。
どこから仕入れているのか分からないけど、ものすごい情報通。

「蒼空、すっかり人気者だね。」

「・・・うん。」

「私の情報によると・・・」

どこからか小さなノートを取り出し、パラパラとめくる。

「校内人気No.1。 彼女なし。4人家族で、お姉ちゃんがいる。・・・
 とりあえず、情報提供ここまで。」

ぱたん。
と、ノートを閉じる。

「ま、頑張れ♪」

「は?」

「授業遅れないようにねー♪」

時計を見る。
授業開始1分前!!

「やばっ!」

教室に向かって、私は走り出した。

4:白くま:2012/03/31(土) 19:31 ID:7UM


2時間目はなんとか間に合い、
3・4時間目も無事終了。
お弁当も食べ終わり、昼休みです。

ひらひら・・・

読書をしていた私の元に桜の花びらが舞い降りる。
キレイなハートの形・・・

あ!そうだ
雪も溶けたし、またあの場所で読書しよう!

私にはお気に入りの場所がある。
それは・・・

「良かった・・・、誰もいない。」

誰もいないのはいつものこと。
ある意味、”私の秘密基地”
この場所からは、空が良く見える。

読書を始める。

「へー、柚ってこんな所で読書してるんだ。」

「ひゃいっっ??!」

「あはははwww 変なの。」

ど!どうしてここに蒼空がいるの?!

蒼空が私の隣に座る。

「何読んでんの?」

「え、あ・・、”謎解きは○ィナーのあとで””」

「面白い?」

「うん!そりゃね!
 だって、○ょうくんがドラマやった小説だよ!」

「ふーん。」

蒼空がニヤニヤしてる。
つい、熱くなってしまった・・・

「そうやって笑ってれば可愛いのに。」

「・・・え・・?」

「俺もう行くわ。じゃね!」

蒼空が去っていく。

い・・・今、何て・・・?

5:白くま:2012/04/01(日) 19:37 ID:7UM


「「そうやって笑ってれば可愛いのに。」」

昨日、蒼空に言われた言葉が何度も頭をよぎる。
そのせいで今日はすごく眠い・・・。
良く寝れなかった・・・。

今日も”あの場所”に来ている。
学校の裏庭にある、桜の木の下。
きれいな空に、白い雲がふわふわと浮いている。

私は本を読むのを止め、空を眺める。

いつの間にか、私は寝てしまっていたらしい・・・。

6:白くま:2012/04/24(火) 23:03 ID:7UM


《 蒼空 》

今日も俺はあの場所に行く。
そう、柚がいるはずの裏庭へ。

「おーい、ゆ・・・
 なんだよ・・・寝てんのかよ・・・。」

独り言、言っちゃったじゃん・・・


今日の空は、灰色い雲が空を覆いつくしている・・・
雨が降りそうな予感。
少し肌寒い風が、俺と柚の間を通り抜ける。

「さむ・・・」

柚の顔を覗き込む。

「すー・・・すー・・・ 」

思わず笑みがこぼれる。
可愛い寝顔・・・



いつの間にか、空から明るい太陽が少し顔を出していた。

7:白くま:2012/04/26(木) 18:07 ID:7UM


《 柚 》

暑い・・・

薄っすらと目を開ける。
眩しい太陽が私を照らしている。

「あ、起きた。」

「?!」

「お前こんなところで寝てんじゃねーよ。」

「なんで・・・」

「なんでって、お前無防備すぎるだろ。」

「そうじゃなくてっ・・・なんでいるの?」

なんで蒼空がいるの・・・?

「いちゃ悪いかよ。」

「そういう意味じゃなくて!
・・・あれ?・・・」

「何?」

「今・・・何時?」

私、どのくらい寝ていたんだろう・・・

「うーん、分かんねー。」

「ええ?!」

「だってずっと柚の隣にいたし。」

ドキッ・・・

な・・・に? 今の

8:白くま:2012/04/26(木) 18:28 ID:7UM


結局、
5時間目に遅れ、
先生に怒られ、
さんざん説教を受け・・・

あの時の感覚は一体なんだったのか・・・?
わからぬまま。
いや、
そんなこと考える暇も無かった。

「ほら!はやくしろー!」

只今、先生に監視されながらの廊下拭きをしています・・・。

「せんせー疲れたぁー!」

「しゃべっている暇があったら早く拭け!!」

「へいへい。」

もちろん、蒼空も一緒に。

「柚?何してるの?」

「亜実ぃー!
 今日部活少し遅れるー。」

「そっか、分かった。
 部長に言っとくね。」

「ありがとー!お願いねー。」

一体いつになったら、この雑巾がけは終わるのだろうか・・・





「よし。雑巾がけ終わり。」

「やったー!」

真っ先に蒼空が声を上げる。

「ぶーかつぅー♪ぶーかつぅー♪」

「こらまて三浦。まだ完全に終わりとは言ってないぞ。」

「え・・・?」

私と蒼空の声がかぶる。

「次は、書類運びを手伝ってもらう。」

「えぇーーーーー!!!!」

「まだぁーーーーーーー?!!」

「つべこべ言わない!」

「はぁい・・・。」

まだ等分終わりそうにありません・・・。

9:白くま:2012/04/26(木) 19:16 ID:7UM



「よし、終わりだ。」

「本当・・・ですか?」

「ああ。ごくろうさん。」

「やったぁーー!ぶかつぅー♪」

蒼空が荷物を取りに走っていく。

「もう、授業とかに遅れたりするなよ?」

「はい。気をつけます・・・。」


オレンジ色に染まる空を眺める。
今日はもう、部活をやる時間などない。
雑巾がけに書類運び、そこまで苦ではなかった。
それはきっと蒼空がいたから・・・。

きれいな夕日を背に、
私は残り少ない時間、部活に励んだ。

「蒼空は今頃なにしてるかな?
 顧問に怒られてたりして。」
そんなことを考えながら。





その頃の蒼空

「何してたんだ!もう部活終わるぞ?!」

「すいませんっ。」

「罰として、外周だ。」

「はいっ。」


顧問に怒られていた。

10:白くま:2012/05/03(木) 17:27 ID:7UM


「柚ー! そっち持ってぇー。」

もうすぐ卒業式がやってきます。
みんな準備で大忙し!

「もうちょっと右じゃない?」

「えー? もうちょっと左だよ!」

友達がまったくいなかった私に友達ができそうな予感。
いや、できたといってもいいんじゃない?
このチャンス、逃すわけにはいかない!!


数分前・・・

「葵さん。」

「な、何ですか?」

「コレ手伝ってくれる?
 一人じゃ持ち上げられないの。」

同じクラスの大崎 真椰(おおさき まや)ちゃん。
身長は私と同じくらい。
さらさらのロングヘアー。
頭が良くて、ほとんど一桁の順位らしい。

「うんっ!」



・・・・・・・・・

「よいしょ、よいしょ・・・」

「・・・。」

何か話さなきゃっ!
うーんと・・・、うーーーーーんとぉ・・・

「ねえ、葵さん。」

「な、何でしょうっ?!」

「あははっ!」

麻耶ちゃんが笑い出し、きょとんとする私。

「敬語じゃなくてもいいのに、
 同じクラスなんだし。
 あたしのこと、真椰って呼んでねっ♪」

「うんっ!
 私のことは柚って呼んでね。」

「了解っっ!」と言って、敬礼をする真椰。
「よろしくね!」と言って私も敬礼をする。

「あははっ♪ おっかしー」


「ほら!そこの2人、喋ってないで運びなさい!」

「はあーい。」

真椰と顔を見合わせてクスッと笑った。

11:白くま:2012/05/03(木) 17:34 ID:7UM


キーンコーンカーンコーン・・・

下校のチャイムが鳴る。

「柚!」

教室を出ようとした私を真椰が呼び止める。

「一緒に帰ろ♪」

い・・・一緒に・・・
友達と一緒に帰る日がこの私に訪れるなんて!

12:白くま:2012/05/03(木) 17:51 ID:7UM


「あ!柚、あのお店寄ろうよ」

真椰がアイスクリーム屋さんを指差す。

「OK!行こー♪」

いつの間にか、真椰とは気軽に話せるようになっていた。

誕生日、
血液型、
最近ハマっているもの、
好きな漫画、
好きな歌手、
好きな食べ物・・・


「ええっ?!
 真椰、彼氏いるのっ?!」

「うん。最近・・・ね。」

真椰の顔が赤くなる。

「柚は?」

「へ? 私?
 いないよぉー♪」

「そうなんだ・・・なんかゴメン」

「いいよ、いいよ♪
 別に欲しいとは思ってないからさあ。」

「そんなこと言っちゃって〜♪
 好きな人ぐらいいるでしょ?」


好きな人・・・

なぜか、蒼空の顔が浮かぶ。

「いるんだ♪」

「へ?」

「今の顔は、恋してる顔だったよ♪」


私が・・・恋・・・?

13:白くま:2012/05/03(木) 18:10 ID:7UM


私が・・・恋・・・してる・・・?


「やっぱり!いるんだ♪ 誰だれっ?♪」

「ねえ、真椰。」

「何?」

「”恋”って何?」

「え?」

「恋ってどういうことなのかな?」


あのときの感覚が蘇る。
あの、
”ドキッ・・・”
っていう、

いままで経験したことない感覚・・・。


「うーん・・・例えば・・・」

「例えば?」

「その人を見るだけで胸がきゅう・・・ってなったり、
 一緒の空間にいるだけで、幸せだなって思ったり?」

胸がきゅう??

一緒にいるだけで幸せ??





「分かった?」


理解不能・・・。

14:白くま:2012/05/03(木) 18:23 ID:7UM


「わかんなーーーーーいっ!」

わかんないよ・・・
あの感覚は何?

ベッドに横になり、脳をフル稼働中。


真椰がくれたヒントは、

胸がきゅうってなること
一緒にいるだけで幸せってこと


きゅう・・・じゃないんだよな・・・


「「まあ、恋の形は人それぞれだから。」」

真椰が最後に教えてくれたコト。

じゃあ、あの時の ドキッ っていう感覚が
私なりの恋の形?


いやいやいや・・・

私が恋って・・・

ないでしょ。


でも・・・





あーーーもぉーーーーーーーーーー!!!!

わかんないーー!!


とりあえず、今日は寝るっ!


「おやすみっ!」

そう言って、私は部屋の電気を消した。

15:白くま:2012/05/10(木) 15:30 ID:7UM


「・・・ず
 ・ゆ・・ず
 ・・・柚・・」

聞きなれた声。
目の前には真っ青な空が映っている。
ここはどこ? ・・野原?
見知らぬ場所・・・。
何も無い、ただの野原・・・。

「柚」

今度は私を呼ぶ声がはっきりと聞こえた。
でも、その声の主が見当たらない・・・

「・・・蒼空?」

しんと静まり返る。

「蒼空?」

「・・・」

「蒼空? どこにいるの?」

「柚」

「蒼空!」

「・・・」

声は聞こえるのに、蒼空の姿が見当たらない・・・。
どこにいるの・・・?

「お願いだから出てきてよっ!!」

私の声が空に空しく響く。

どうしてっ?
ここはどこなの?
蒼空はどこにいるのっ?

いるはずの人がいない・・・。
声がするのに姿が見当たらない・・・。

怖くなってしゃがみこむ。

「・・・なんなの・・?」

小さな声ではいた言葉。

「柚」

また突然名前を呼ばれ、顔を上げる。

「?!」

遠くに蒼空の姿が!
とっさに立ち上がったものの、足がすくんでしまい、前に足を踏み出すことが出来ない。

「・・蒼空っ・・・!」

蒼空がニコッと微笑み、ほっとしたその時、
空は曇り、瞬時に雨が降り、雷が鳴り始めた。

「きゃあ!」

思わず耳を塞ぎ、目を瞑る。

「ゴロゴロゴロッ!」

「きゃああっ!」


「ピカぁっ!!」

「きゃあーーーーーっ!!」



ばっっ!!

「ハアハア・・・あれ?」

私はベッドの上で勢い良く起き上がっていた。

今のは・・・夢・・・?

16:白くま:2012/05/10(木) 16:01 ID:7UM


「あんた、昨日の夜本当に大丈夫だったの?」

「大丈夫だって。」

朝から、お母さんはこの質問しかしてこない。

「どうせ変な夢でも見たんだろ?
 ねぇちゃんの叫び声のせいであの後寝れなかったんですけどぉ。
 鼓膜が破れそーだったしぃ?」

「はいはいすいませんでしたぁ。」

私の弟の葵 剣人(あおい けんと)。
中学2年生。


「ほんと、いい迷惑。」

「もういいでしょっ!(怒)」



夜中の3時。

私はものすごい叫び声を上げ、
ベッドから飛び起きていた・・・らしい。

そのせいで、私もその後寝れなかった。

「いってきまーす。」

だるい・・・
とにかくだるい・・・

「朝からそんなんで大丈夫か?」

「だから!大丈夫だって言ってるで・・・えええ!?」

「怖ぁー!」

「えっと、違うのっ!今のは、ええっと・・・(汗)」

まさか蒼空だったなんて・・・。

「ねえねえ蒼空、その人だぁれぇ?」


「え・・・?」


蒼空の後ろから、女子が顔を出していた。

17:匿名さん:2012/06/15(金) 23:57 ID:eaw


え・・・、

私の心に衝撃が走る。



見間違い・・・

なわけない。

けど、

「見間違いだよ」って

言ってよ・・・



そんな・・・

「あれ? 柚じゃんっ♪」

「え?柚のこと知ってんの?」

「知ってるも何も、友達ですから♪」


そんな・・・

「あ!改めて紹介します。

 彼氏の蒼空でぇーす!」






蒼空の彼女が、


麻耶ちゃんだなんて・・・

18:匿名さん:2012/06/16(土) 00:10 ID:eaw



「・・・」


ため息すらでない・・・

そんな昼休み。



今日の空は

今にも雨が降りそうな曇り空・・・。





私の頬を雨のように冷たい滴が流れ落ちる。


心が痛い・・・。



この気持ちは

きっと

失恋という名の

鋭い亀裂のせい。



ぽっかりと空いた

私の心は

“蒼空に恋をしていた”証拠。





今更嘆いたって遅い。


そんなの分かってる。


泣いてたって何も変わらないって、

分かってる。





なのに。









どうしてこんなにも

涙が止まらないの・・・?









どうして・・・?

19:匿名さん:2012/06/16(土) 00:16 ID:eaw


終学活


「明日、転校生が来るらしいよ。」

「マジ?!」

「しかも、イケメンっていう噂だよ!」

「楽しみだねぇ〜♪」



ひそひそと会話をするクラスの女子。







この転校生が

私の運命を左右するかもしれないことに

私はまだ気づいていなかった。

20:匿名さん:2012/06/16(土) 00:28 ID:eaw






「転校生を紹介するぞ。」



転校生?

こんな微妙な時期に??



卒業式が明後日に迫っているにも関わらず・・・

今・・・?




ガラガラッ。

「どーも、水原大地です。よろしく。」




「「きゃああああああーーーーっつ!!」」


教室の中、

響き渡る悲鳴。



いきなりの転校生、
水原 大地(みずはら だいち)。

ちょっとチャラチャラした感じ。




一生関わらない人。


そう思っていたのに、

神様はどうして・・・


「じゃあ、水原の席は葵の後ろな。」





こんなにも

意地悪なのでしょうか・・・?

21:匿名さん:2012/06/16(土) 00:47 ID:eaw


「よろしくね。葵ちゃん♪ 」

ひいぃぃぃっ!

葵ちゃん⁈

苗字に“ちゃん”つけちゃう⁈
名前につけられるのもヤだけどっ。




じいーーっと

私を見つめる水原さん。


な!なんなのこの人⁈

「葵ちゃんってさ、」

またっ!

ちゃんはつけないでぇ〜っ!


「可愛いね」


「・・・」



はい?

今、何とおっしゃいました?



「ねぇ、聞いてる?」


「は、はひっ⁈」


「ふふっ。やっぱ、葵ちゃん可愛い。」




どさっ…

「ええっ⁈ ちょっと葵ちゃん大丈夫⁈」







私の頭の中は、

いろんなことがいっぱいで…



「おいっ!しっかりしろよ!」




“真っ黒”になっていました。

22:↑白くま:2012/06/16(土) 00:59 ID:eaw


「ん?」

ここは…保健室?

なんで私が保健室に…?


「あ。目ぇ覚めた?」


ひいぃぃぃぃぃぃっ!

み、水原さんっ?!

「もー。葵ちゃんがいきなり倒れちゃうからびっくりしたよ。」

ああ。
そっかぁ、

私、水原さんに“可愛い”って言われて…


かぁぁぁぁぁあっ!

なんか
頬が熱いんですけどっ!



むにっ。

「なひふるんひぇふかっ?!」
(何するんですか?!)

「あんまり、そういう顔しないで?
襲っちゃうぞ☆」

「・・・」

「あれ?襲ってもいいの?」

「襲っ…え…え… いやああああああーーーっ!」


私はダッシュで保健室を飛び出した。

23:白くま:2012/06/16(土) 01:07 ID:eaw


* 大地Side *

「おい!しっかりしろよ!」

普通、“可愛い”だけで倒れるか?



葵をお姫様抱っこする。

「先生、ちょっと保健室行ってきます。」

「ど!どうしたんだっ?!」

クラスがざわつく。

「なんでもないっす。」

なんでもなくはないんだけどね。
だから、保健室行くんだけどね。

まぁ、いいや。
とりあえず保健室保健室っと。



ん…?







保健室…どこ?

24:白くま:2012/06/16(土) 17:13 ID:eaw


やべえ…

保健室どこだよ?
ま、適当に歩いてみるか。

「こっち…かな?」


「ちょっと君!どこいくの?」

お!ちょうどいいところに先生到来。

「保健室に行くところなんですけど…」

「保健室ならあっちだよ。」

先生が俺の向かっている反対方向を指さす。

「ありがとうございます。」

俺、方向音痴だなぁ…
改めて気づかされた…。

この学校にたどり着くのも大変だった。

まあ、
結局は時間内にこれたから良かったけど。

「あ…れ…?」

通り過ぎたかな?
なかなか着かないような…

「君!そっちじゃなくてこっち。」

「なんかすんません。」

あーあ、
俺って…




ガラッ。

「失礼します…って先生いないし。」


俺は葵をベッドに寝かせた。

25:白くま:2012/06/16(土) 17:28 ID:eaw


葵を寝かせてから約10分。

なんか授業すんのもだるいし。
さぼろっかな。


ポロポロ…

「え…?」

なっ?ええっ?!

ポロポロポロ…

な、何でこいつ泣いてんだ…?
俺何かした?


「そ…ら……。」

「?」

今こいつ…

「……そ、ら…。」

“そら”って言ったよな?

窓の外のそらを見上げる。


「?」

ただの曇り空。
そういえば最近、
空なんて見てなかったなぁ…。



「お前って…何者?」

俺は優しく

葵のおでこにキスをした。

26:白くま:2012/06/16(土) 17:41 ID:eaw


「そら」

葵がその言葉を発した時、

ぎゅっ

って、
心が締め付けられた。


だってお前が

まるで「そら」っていう人の名前を呼んでいるようで…。

27:白くま:2012/06/17(日) 00:01 ID:eaw


「はぁ…。」

なんだかな〜。

「ん…っ…」

おお。
目ぇ開いた。

「ん?」

何その声…
超可愛いんだけど。

「あ、目ぇ覚めた?」

葵の頭の上にハテナマークが3つ程ならんでいる。

「もー。葵ちゃんがいきなり倒れちゃうからびっくりしたよ〜。」


徐々に赤く染まっていく
葵の顔。



まじ、可愛い。





思わず手で葵の頬を挟む。

「なひふるんひぇふかっ?」

「あんまりそういう顔しないで?
襲っちゃうぞ☆」

「・・・」

ん…?
反応なしですかい?

「あれ?襲ってもいいの?」

「襲っ…え…え…いやああああああーーーっ!」

そこまで否定する?

俺の誘い断るとか…
やっぱりお前って

何者?



「おい!待てよっ!」

いきなり葵がベッドから駆け出す。




「待てって!」

俺は葵を追いかけていた。

28:白くま:2012/06/17(日) 00:20 ID:eaw


* 柚Side *

なっ!なんなのこの人っ!

保健室から脱出っ。

意味わかんない。
襲うって…






何を?


なんか、思わず出てきちゃった。

身の危険を感じた。
っていうの?

まあ、そんな感じ。



「ねー、蒼空ぁ。
保健室行かない?」

「別にいいけど。何で?」

「もー。わかってるくせにぃー!」


ぁ。

向こうに見えるのは…
蒼空と麻耶…。

ズキっ。


目の奥が熱くなる。

駄目っ
泣いちゃう。



「おい、葵っ!待てって!」

どきいいいいいいいいっ!

「なっ!ついて来たの?!」

「葵がいきなり保健室飛び出すからだろ?」

「別にっ」

「保健室? 2人って、もうそういう関係なの?」



ズキっ。


今の声は

蒼空…。



「そ!蒼空には関係ないでしょっ!」



あ…。

「そぅだよね。なんかごめんね。」

今私…。


「ねぇ、もしかして柚って蒼空の事…」

「違うっ!!」

お願い麻耶。
それ以上、今は何も言わないで…。

29:匿名さん:2012/06/17(日) 00:26 ID:eaw


* 大地Side *

「そ!蒼空には関係ないでしょっ!」

え…
この人の名前、


“そら”ーー?


「そぅだよね。なんかごめんね。」

「ねぇ、もしかして柚って蒼空の事…」

「違うっ!!」



ああ。
そうか、

葵は、



こいつが、

そらが、


好きなのか…。

30:匿名さん:2012/06/17(日) 00:43 ID:eaw


* 蒼空Side *

キッカケは
ほんのささいなこと。


「すすすすすす 好きですっ!
付き合って下さいっ。」

「・・・」

え…?

誰?

「あの…。」

「あ! い、1の3の大崎麻椰ですっ。」

いちのさん…。
隣のクラスだ。

「大崎…麻椰さん?」

「は、はいぃっ!」

顔は…
可愛い方に入るのかな?

普通か?


「うーーーーーん。
いいよ。」

「へ? ほ、本当ですか?」

「え?違うの?」

「ち、違くないっ! と、嬉しい…です。」

うわ。
顔真っ赤。

「じゃあ、そういうことで。」

「はいっ!」



これで良かったのかな?


ま、

いっか。








この時、

俺はまだ

自分の気持ちに気づいていなかったんだ。

31:白くま:2012/06/17(日) 08:38 ID:eaw


* 柚Side *

今すぐにでも

この場から逃げ出したい…



ぐいっ。

いきなり水原さんに腕を掴まれる。

「葵もらってくわ。じゃね☆ 」


水原さんに引っ張られ…

「ごめん、あのさ…」












「ここどこ?」


私は迷路へと迷い込む…

32:匿名さん:2012/06/17(日) 21:36 ID:eaw


「え…?」

もしかして、


「ごめん、迷った…。」

やっぱり。

「そっか。今日きたばっかりだもんね。
この学校広いしねぇ…。」

「ま、まあな。」


「さっきはありがとう。」

「え…、いや。」

気づいてくれた。
私が、あの場所から抜け出したかったこと。

ありがとう。
ありがとう。

33:白くま:2012/06/17(日) 23:01 ID:eaw


でも。

これで良かったのかな…?

34:白くま:2012/06/18(月) 23:14 ID:eaw


「なあ。」

「何?」

「いや…やっぱ何でもない。」

「そ、そう?」

「・・・」




なんか、

さっきから気まずいんだけど…



何なの?

この空気。



「き、教室に戻ろっか。」

「ああ。そうだな。」

何か悩んでる…?
考え事かな?

すごい真剣な顔してる…。



「何かあったら相談してね。
出来ることならなんでもするから。」

「ふっ。ありがとな。」

ドキッ

あ。
また、この感覚…





この感覚が

もし、

もしも、



ならば




私の

本命は
どっち…?

35:白くま:2012/06/18(月) 23:20 ID:eaw


恋って難しい…


「柚っ!」

え…?
今のって、

後ろを振り向く。



「柚…。」

「えっ、なんで…。」

蒼空…どうして…
麻椰は?

36:白くま:2012/06/19(火) 22:26 ID:eaw


* 蒼空Side *

保健室の前で
柚が知らない男子と何か話している。

ズキっ…

何故か心が痛む。


「2人ってそういう関係なの?」

思わず自分の口から出てきた言葉。


「そ!蒼空には関係ないでしょっ!」

ズキっ。

再び心に鋭い刺激が走る。

「そうだよね。なんかごめん。」

そうだよ。
俺には関係ないじゃないか。
なのに
なのに…
なんでこんなにも
気になってしまうのだろう?

柚と一緒にいた見知らぬ男子が柚の腕をつかむ。

「葵もらってくわ。じゃね☆」

柚と手を握り、去っていく…

ズキっ…


この痛みは…

何?

37:白くま:2012/06/19(火) 23:05 ID:eaw


「あ!友樹じゃんっ。何してんのぉ?」

麻椰が友樹という名の男子のもとへ。

「おー!麻椰じゃん。
お前こそ、何してんだよ?」

「え? みてわからない?
彼氏と校内デート中〜♪」

「なんだよー。お前彼氏GETしたのかよ。
麻椰ズリーぞ!」

麻椰の頭をワシャワシャにする友樹。


何も感じない。
普通、自分の彼女が誰かに触られれば
嫉妬するものなんじゃないのか?

柚が触られたときは
何かを感じたのに…。

38:白くま:2012/06/19(火) 23:11 ID:eaw


そうか、
違うんだ。

俺は正直、麻椰に恋愛感情を持ったことがない。

今回だってそうだ。
何も感じない。



俺は麻椰を恋愛感情の好きじゃなく、
違う好きだったんだ。


俺は柚に
恋愛感情の好きを感じていたんだ…。




なんで
なんで
なんでもっと早く
この気持ちに気づけなかったんだろう…

39:白くま:2012/06/19(火) 23:16 ID:eaw



「麻椰、ごめん。」

「な、何?いきなりどーしたの?」

「別れよう。
俺の自分勝手だって、分かってる。」

「そんな…。」

「ごめんな…。」




「えっ?ちょっと蒼空っ?!どこ行くの!?」




俺は柚のもとへと走り出した。

40:白くま:2012/06/19(火) 23:21 ID:eaw


* 麻椰Side *


「別れよう。」

え ?

今、何て?

「ごめんな…」

そんな!
そんな自分勝手なことないよっ


いきなり蒼空が走り出す。

「ちょっと蒼空!?どこ行くのー!?」


話、まだ終わってないのに…

嫌だ。
絶対に




あたし、
蒼空と別れないからね。







他の女に私の蒼空はあげないよ。

41:白くま:2012/06/20(水) 23:44 ID:eaw


* 柚Side *

「蒼空…どうして…麻椰は…?」

「別れた。」


え?なんで…

「俺、大切な事に、自分の本当の気持ちに気づいたんだ。」

大切な事…?

「柚が好き。」











「今日の天気は嵐になるでしょう。」

ふと、今朝のニュースを思い出した。

42:白くま:2012/06/21(木) 17:04 ID:eaw


ドキッ。

「答えはまだいらない。これから、俺頑張るから…見てて。」

「うん…見てる。」

見てるよ。
見てるから。

私に、



本当の恋を教えて?

43:白くま:2012/06/21(木) 23:44 ID:eaw


卒業式当日

「柚おはよ。」

「蒼空、おはよ。」

「やっと、2年になれんだな。」

「そうだね。なんか、1年生長く感じた。」


普通に会話をする。

ただそれだけなのに、
どうしてこんなにも周りの景色が輝いて見えるのだろう?

君がそばにいる。

ただそれだけなのに、
どうしてこんなにも幸せを感じることが出来るのだろう?



「全校の皆さん、急いで体育館に集合して下さい。」
と、放送が流れる。


「よし、行くか。」

「うん、行こう。」



何気なく過ごす中に存在する大切な人。

その一つ一つを知るために



私たちはまた、

新たな一歩を踏み出す。

44:白くま:2012/06/22(金) 22:33 ID:eaw


ざわざわ…
がやがや…

「今年は同じクラスになれるかなぁ?
ねぇ、亜実。」

「そうだねぇ、柚。」



「あ!私の名前あった!
2の… 1だ。」

「あたしは… あった!
2の1だよっ!やった!柚と一緒ぉ♪」

「・・・」


「柚? どした?顔赤いよ?」

「へっ?!」

「何考えてたのぉ〜?」

「べ…べつに 何も?」

「ふーん。それはいいけど、あたしと一緒のクラスになった事、もうちょっと喜んでよ。」

「ええっ?!一緒ぉーーーーっ?!
やったああああーーー!!」

嬉しい
嬉しい嬉しいっ!
やったあ♪

亜実に抱きつく。

「ちょっと!それは喜びすぎ(笑)」

45:白くま:2012/06/25(月) 21:26 ID:eaw


「2人はいいなぁ…。」

「わあっ!水絹っ!」

大岩 水絹(おおいわ みずき)。
私と亜実の親友の一人。
大人しく、優しい性格。

「休み時間、遊びに行くからさ。」

「私も行くよ。」

「2人とも優しいね。
あ、そろそろ教室行かなきゃ。」

「そうだね。」

「またね〜。」

46:白くま:2012/06/25(月) 23:30 ID:eaw


「よし、あたしたちも教室行きますか。」

「そうだねぇ♪」

水絹と違う教室なのは残念だけど、
きっと大丈夫。

「あたしの席はどこかなあ〜♪」



どんな事にだって
ちゃんと、
理由があるんだよ。


「おはよ。同じクラスだな♪ 」

「そうだね。蒼空。」





そうだよね?

蒼空。

47:白くま:2012/06/25(月) 23:50 ID:eaw


* 蒼空Side *

「あ。あった。」

今年は2の1か。


柚は…

「あ…。」

よっしゃあっ!

軽くガッツポーズをする。

「何してんだよ?そんなに2の1が嬉しいのか?」

「別に?」

俺の親友、香川 萎和(かがわ なお)。
小学校からのつきあい。

「わかった。好きな子と同じクラスになれたとか。」

だから、
何でもわかられてしまう。

いいんだか、悪いんだか…

「うわ。図星♪」

48:白くま:2012/06/25(月) 23:59 ID:eaw


「萎和は何組なんだよ。」

「わー、話し空したぁ〜!」

「いいから!」

「しょうがないなぁ。そんなに知りたいなら…」
「ああ、じゃあやっぱいいや。」

「おいっ!そこは聞けよっ!」

「だって聞かなくてもわかるし。」

「じゃあ何組だよ?」
「6組。」

「…当たりです…。」

目の前に名前あるし…

「じゃあな。」

「おお。またな。」


教室に近づくほど、
俺の鼓動が速くなる。

落ち着け!俺!




ガラガラ。


あれ…?









柚はまだきていなかった。


「遅…。」

49:白くま:2012/06/26(火) 00:06 ID:eaw


「教室着いたよ、亜実。」

「ほんとだあ〜!入ろ入ろ♪」


柚とその友達と思われる声が聞こえる。


ガラガラ。

「あたしの席はどこかなあ〜?」

「私は〜?」

「うぎゃっ!あたし窓側。」

「私、廊下側。」


「おはよ、柚。同じクラスだな♪」

「そうだね、蒼空。」



眩しい日差しの中、
また、新しい一日が始まる。

50:白くま:2012/06/27(水) 00:22 ID:eaw


* 柚Side *

「隣の席だなんて偶然だね。」

「そうだな。」

何故か知らないけど、
黒板には名簿順ではなく
よくわからない並びになっていた。

そしてラッキー(?)な事に
蒼空と隣の席になれたのだ。

よくわかんないけど神様ありがとうっ!


「あ、そうだ柚。」

「なに?」

「今日部活ある?」

「無いよ?」

まさか…
まさかまさかっ!

「一緒に帰ろうぜ。」

きたあーーーっ!

「うん!帰ろう♪」


放課後が楽しみだなっ♪

「なあ柚。」

…ん、?
この声は。

「水原さんっ?!どうしたんですかっ?!」

「好い加減、“水原さん”と“敬語”やめてくんない?」

「い、今のは突然だったからで…だよっ!」

あ、危ない危ない。
また敬語使うところだった…。

「ところで、みずは…大地は何組になったんで…の?」

「何言ってっかわかんねぇし(笑)」

「だあってぇ〜!」

いきなりは難しいよぉ…


「俺、8組。」

「あー…一番遠いクラスだね…。」

話が弾む中、
私は蒼空が苦い表情をしている事に気付かなかった。


そして、
大地の笑顔がいつもと違う事にも
私は気づいていなかった…

51:白くま:2012/06/27(水) 00:29 ID:eaw


* 大地Side *

柚と知らない男子が楽しそうに話をしている。

なんで、8組の俺が1組の前の廊下にいるのかって?
たまたま通りかかっただけ。

なんてのは嘘で。
実は柚の事が気になり見にきたのだ。
理由は…分からないけど。


ズキっ…

また、心が痛む。

「なあ柚。」



何時の間にか
俺は柚に話しかけていた。

52:白くま:2012/06/27(水) 00:37 ID:eaw


俺が葵の事を“柚”と呼び、
柚が俺の事を“大地”と呼ぶ
(まだ、あまり定着していないが、)
様になったのは
つい最近の事。


春休みの最終日、
俺は柚とばったり出会うことになった。

「よお。葵じゃん。」

「あ、水原さん!どうも、お久しぶりです。」

「なあ…」

「…はい。」

頭の上にクエスチョンマーク3つ程浮かべている。

「名前で呼んでよ。ついでに、敬語禁止。」

「え…えええっ!?」

53:白くま:2012/06/28(木) 00:32 ID:eaw


「だったら水原さんも私の事、名前で呼ぶことにしましょうよ。」

「…は?」

「私だけなんて不公平です。」

「ち、ちょっと待て。」

「何ですか?」

お前の名前って…

「葵じゃないのか…?」





俺はどうやら、
勘違いをしていたらしい…。

54:白くま:2012/06/29(金) 00:02 ID:eaw


「ひっ…ひどい…」

「ごめんって。」

「こんなのあんまりです。」

「だからごめんって!」

機嫌を損ねてしまった…
どう立て直そうか。

「まあさ、もう過ぎた事だし?
仲直りしません?」

「あなたの言える事ですか?」

やばい…
悪化させちゃった。

「あの…」
「あっ!」

俺が言いかけた言葉は
柚の言葉にかき消された。

「どうしたんだよ。」

「ドラマ始まるっ!さよならっ!」

「はあああ?」

走り去って行く柚。
その背中を見つめる。

「名前で呼んでくれるかな。」

小さな声でつぶやいた。
その時、

「今回だけは許すっ!」

遠くから聞こえた柚の声。

「サンキューッ!」




「バイバイ柚!」

「バイバイ大地!」

55:白くま:2012/06/29(金) 00:14 ID:eaw


* 柚Side *

大地とわかれて、自分の席へ戻る。

横からの視線を感じ、
目を移す。

「?!」

蒼空がムスッとした表情で私を見ている。

蒼空に
一体何があったのだろうか…?
怒ってる?
私、何かしたかな…。

「ねぇ、蒼空…。」

「なに。」

「ど、どう、したの?」

少しの間、沈黙が続く。

「柚が他の男子と楽しそーに話してたのみてただけ。」

は、はい?

「わかんないの?」

蒼空の言葉にコクリと頭を縦にふる。


「嫉妬。」

かあああああっ!
自分の頬が熱くなっていくのがわかる。

ぐいっ。

「?!」



「他の男子にそんな顔見せないで?」


私は何時の間にか、
蒼空の腕の中にいた。

56:白くま:2012/06/29(金) 23:23 ID:eaw


ざわざわ…

「蒼空っ…みんなが見てるっ…!」


「ねぇ、蒼空っ…」

「そんなに俺に抱きしめられてるの
みんなに見られたくない?」

「え、あ…あの、だから…っ」

どうして蒼空はそんなに余裕なの?
蒼空に抱きしめられるのは嫌じゃない。
むしろ、嬉しい…けどっ!
見せるものではないんじゃないかな…?

っていうか心臓もたないっ!


ぎゅっ…。

より一層、強く抱きしめられる。

私の心臓の音が伝わっちゃうっ…!
あれ…?

蒼空の心臓の音…?

2つの心臓の音が2人の中で響き合う。


ドキドキしてるの、私だけじゃなかった!


何故か嬉しくなる柚。

私、こんなにドキドキしたの初めて。
もしかして…っ
思わず、蒼空を抱きしめ返そうとした時…


ぐいっ。

「?!」

蒼空からはがされる。

「あたしの柚に何してんの?」

「あ、亜実…っ」

「何って、見ててわかんなかった?」

「行こ、柚。」

「あ、亜実っ!待って。」


もう少し…
もう少しだった…

たった今、ほんとの恋がわかりそうだったのに。

57:匿名さん:2012/07/01(日) 23:05 ID:eaw


* 亜実Side *

窓側の席とか…
ありえないんですけどっ!

なに?
なんなの!?
誰か私に恨みでもあるのかあーーーっ!


そんなあたしに比べて、柚はいいなあ。
あんなかっこいい人の隣だなんてっ!

58:白くま:2012/07/02(月) 23:22 ID:eaw


あれ?
柚、何時の間に転校生と仲良くなってんの?!
ていうか柚の周りイケメンだらけじゃん…


…トイレ行ってこよ。

59:白くま:2012/07/04(水) 06:16 ID:eaw


トイレで友達と長話した後、
あたしは教室へ向かっていた。

ザワザワ
ガヤガヤ…

教室がやけに騒がしい…。
どうしたんだろ?

まさか…
うちのクラスにイケメン転校生とか?!
な訳ないけどさ。


「ーーーっ!?」

教室に入ると、
その騒がしい理由がすぐにわかった。

60:白くま:2012/07/04(水) 21:23 ID:eaw


「ゆっ?!柚っ!!」

たっ、助けなきゃっ!

「あたしの柚になにしてんの?」

「あ、亜実…っ」

「何って、見ててわかんなかった?」

なっ、なんなのこいつ!
意味わかんないっ!!

61:匿名さん:2012/07/06(金) 23:48 ID:eaw


「行こ、柚。」

「あ、亜実っ!待って。」


教室からでる。

「亜実っ…。」

「柚大丈夫?!何もされてない?」

「大丈夫だよ。あのさ、亜「やっぱり何かされたの?何?セクハ「蒼空が好きなのっ!」

「…は…?」


そ…ら……?

柚がハッとしたように口をおさえる。
徐々に赤く染まっていく柚の頬。

「ごめん…。」

「いっ、いいんだよ!あれは「だれ?」

62:白くま:2012/07/07(土) 18:05 ID:eaw


* 柚Side *

「だれ?」






真と静まり返る。
長い沈黙…


「あ、あ、そうだよね!
蒼空って言われたってわかんないよね。」

「もしかして…。」

どきん、どきん…
心臓が高鳴る。

「あのイケメン転校生?」

「え…?」

「え…?」

「それって、大地のこと?」

「だいち? あの人だいちって言うの?」

「うん、私が好きなのは…」

蒼空。
ってハッキリ言ったけど…

大地が頭をよぎる。


「ごめん、やっぱり忘れて。」

「は?何で?」


何故かハッキリ言えない。

「あたしに隠し事するの?」

「ち!ちがっ…」

ちがくない。
これはきっと隠し事にはいる。

亜実には知って欲しい。
私のこの気持ちを。

助けて…


「私…



恋が分からないの。
好きってどんな気持ち?」





私の心の中が晴れることを願って。

63:白くま:2012/07/08(日) 07:24 ID:eaw


「柚は鈍臭すぎ。」

「わかんないんだもん。」


裏庭でお話中。

蒼空や大地に対する
よくわからない気持ちを亜実に伝えた。



「そっかあ、ついに柚も恋しちゃったか。」

「柚も ってどういうこと?」

「あれ?言ってなかったっけ?
あたしの好きな人。」

「きいてないよ?」

「あたしの好きな人は 香川萎和 って人。」

「かがわ…なお?」

「そう、香川萎和。」

亜実の顔が赤く染まる。



「みんな、恋してるんだね…。」

64:白くま:2012/07/09(月) 18:02 ID:eaw


「まあ、頑張って。」

「そんなあ…助けてよぉ〜。」

「しょうがないじゃん。
自分の心の中は自分しか分からないんだから。」

「そうだけど…。」

もどかしい。
なんなのだろうか…
この気持ち。

誰にもわからない。
私しかわからない気持ち。

私しかわからないのなら、
自分で解決するしかないっ!

「ありがとう、亜実。」

「え…?」


何か、
わかった気がする。

65:白くま:2012/07/09(月) 18:21 ID:eaw


「はあ、はあ、もう…ムリ…っ!」

「少し、休む?」

「いや、まだっ!」

「な!何してるんだお前らぁっ!」

「先生、今は見逃して、下さ、いっ!」

「そんなことできるかぁーーっ!」





今、私は


亜実と一緒に廊下を猛ダッシュしています。
(良い子のみんなは真似しちゃダメだよ!)

疲れたっ!
一体全体、どこにいるのーっ!






蒼空を探して。

66:白くま:2012/07/09(月) 20:06 ID:eaw


「あ…。」

ふと目に入った晴れ渡る青い空。





「亜実、蒼空の居場所わかった。
ありがとう。もう一人で大丈夫だよ。」

私の言葉に亜実が微笑む。

「…わかった。頑張ってね。」

「…うん。」







向かった先は…
私のお気に入りの場所。

きっと蒼空はそこにいる。
そんな気がしたから…。










きっと。

67:白くま:2012/07/09(月) 23:26 ID:eaw


裏庭までもう目と鼻の先。

ごくり…
唾を飲み込む。

あと、もう1歩…
踏み出そうとした時、

「何なのよっ!あたしと付き合ってたときだって、休み時間こんなとこ来て!」

「お前には関係ないだろ…。」

「知ってるんだからね。“あいつ”に会いに来てたんでしょ?」

真椰と蒼空がケンカ…
“あいつ”って私のことだよね…。
もう、柚って呼んでくれない…のかな…。

「蒼空、あいつの事が好きなんでしょ?」

「真椰には関係ない…。」

「何よっ!関係ない関係ない関係ないって!
さっきからそればっかり!」

沈黙が続く。

私のせいだ…
私のせいで、2人の関係を壊してしまったんだ。
真椰…
ごめんね…



「なんで…?なんであたしじゃダメなの?
なんであいつなの?」

パチンッ。

透き通った空に乾いた音が響いた…。

68:白くま:2012/07/09(月) 23:44 ID:eaw



私の…せいで…っ…


ぽろ…
一粒の涙がこぼれ落ちる。

苦しい…
心が痛い…

でも、
真椰の方が絶対苦しくて、心が痛いはず。

ごめんね…真椰…


でもね、


蒼空だけはわたせないの。





私、気づいたよ。


蒼空…

あなたが好き。

69:白くま:2012/07/10(火) 17:06 ID:eaw


* 大地Side *

「何なのよっ!ーーーーー!」

「ーーにはかーーーー。」

窓の外から声がする。
ケンカ?
確か…裏庭があるってきいたような…。

窓の外を覗き込む。


ぱちんっ

あ。
平手打ち…

「蒼空なんか…、あんたなんか最低っ!」


あーあ。
あいつふられた。
確か…蒼空…っていったかな。

ん?
“そら”って…!


柚が好きな男…。

あいつが
ふら…れた…
俺、ピンチじゃんっ!

“柚をとられちゃう…!”




ーーっ!?

な、んで…

ふと、目をそらすと、裏庭の一歩手前に柚がいる。


自分の好きな男がフリーになったのに
柚の頬が濡れ、目に光が無い。

…どういう事だ?









俺は柚のもとへ走り出した。

70:白くま:2012/07/10(火) 17:15 ID:eaw


「…柚…?」

びくっ!と柚の肩が揺れる。

「なあ、柚。どうかしたのか?」

「だめっ!」

「は?」


柚が振り向く。

?!

柚の顔は、さっき見たときとは
比べ物にならないくらい、はっきりと何かを見つめていた。
俺じゃない、
誰かを、何かを見つめている。

俺じゃ…ない…。





その瞳で、
その瞳の中に、
俺は柚の答えが見えた気がした。

71:白くま:2012/07/10(火) 18:50 ID:eaw


柚が俺の隣を通り過ぎ、
校舎へ戻っていく。

あいつのとこ、行かないのか?



俺は蒼空の隣へ座った。

「?!」

蒼空は一瞬驚いたような顔をしたが、
すぐに俺のことを思い出したようだ。

「何しにきたんですか?」

「お前さ、柚のこと、好きか?」

「いきなり何ですか。
彼女を取られたくないからですか?」

「は?」

72:白くま:2012/07/10(火) 18:58 ID:eaw


「バカ言ってんじゃねぇよ。
あいつは彼女じゃねぇ。」

「え…っ!?」

こいつ、勘違いしてやがった。
でも、こいつから俺らがカレカノに見えてたのか。

嬉しさが込み上げる
と、同時に悔しさが込み上げてくる。

俺は今まで、落とせない女なんていなかった。
でも、あいつは違う。
ただひたすら、こいつのことを思って
俺に惑わされなかった。多分…。


「行けよ。」

「え?」

「あいつはもう、自分の気持ちにきづいてる。」



蒼空が走り出した。

俺の頬を一粒の滴が
新しい道をつくっていった。

73:白くま:2012/07/10(火) 22:02 ID:eaw


* 柚Side *

「蒼空なんか…あんたなんか最低っ!
大っ嫌いっ!」

そう言い放つと、
真椰はこっちに向かってくる。

私を睨みつけ、
横を通り過ぎる。
その時、私の耳元で真椰が囁いた。


「ーーっ!?」

私は真椰の言葉に息をのんだ。


遠ざかっていく、
真椰の後ろ姿…。





真椰が見えなくなってすぐ、
私は蒼空をみやる。

果てなく続く青い空、
流れる雲をみる蒼空。

その後ろ姿は…

「…柚…?」

びくっ…!
この声は間違いなく大地。

「なあ、柚。どうかしたのか?」

「だめっ!」

思わず口からこぼれた言葉。

「は?」


ごめんね…大地。

私は、
私は…

蒼空への気持ちに気づいたんだ。









大切な
私の初恋。

74:白くま:2012/07/10(火) 22:46 ID:eaw


* 蒼空Side *

「あいつはもう、自分の気持ちに気付いてる。」

どきっ…
それっ、て…




柚を追って走り出した。

75:白くま:2012/07/11(水) 18:31 ID:eaw


ただの思い込みかもしれない。

それでも
その一筋の光を信じて…


「柚…っ!」






あなたを信じて。

76:白くま:2012/07/12(木) 22:49 ID:eaw


* 水絹Side *

みんなとクラスわかれちゃった…
悲しい…

でも、休み時間来てくれるって言ってくれたし。
みんな優し過ぎるよ…

私からもみんなに会いに行こぉ。



昼休み
柚と亜実のクラスへ着く。


亜実の周りには相変わらず人がいっぱい。
お?
柚が知らない男子と話してる…
何時の間に?
すごいなぁ、柚と亜実は。

私も友達たくさん欲しいな…

よし。
頑張ろうかなっ!




どんっ!

「きゃっ…。」

「ごめんっ!大丈夫?」

「あ、あ…あの、すすすすみませんっ!」

柚と話してた男の子に声をかけられた。






これが、

私の恋の始まりだった。

77:白くま:2012/07/12(木) 23:04 ID:eaw


「ふっ。」っと男の子が笑う。

どきっ。


「あっ!あの!」

「なに?」

これはきっと友達をつくる
第一段階!

が、頑張らなきゃ!

「な、名前は…。」

「俺? 俺は 水原大地。」

「水原さん…。」

「こんなとこでナンパだなんて、キミ大胆だね。」

「は、はい?」

な、ナンパ…?
わわわっ私そんな意味で聞いたんじゃ…!

「あの、ちっ!違っ!」

また水原さんが優しく笑う。

「わかってるよ。
ちょっとからかっちゃった。ごめんね。」

「は、はあ…。」

「で、キミの名前は?」

「水絹です。」

「水絹か。可愛い名前だね。」





「じゃあね。水絹ちゃん!」

「は!はいっ。水原さん…。」




話せた…
柚と亜実以外とお話できたっ!



やったあ!










これからも頑張るぞ!
と、心に決めた水絹だった。

78:白くま:2012/07/12(木) 23:18 ID:eaw


「ごめんね…。」

「いいもんっ!
あたしは水絹の車で帰るもんっ!」

言い忘れてたけど、
水絹は大財閥のお嬢様。
お家は大きくて立派で、まるでお城。

「じゃあねっ!」

「ばいばーい!」

「また明日ねー!」




今日は蒼空と帰るから
亜実と水絹とは一緒に帰れない。

「柚。」

「あ、蒼空。帰ろう?」

79:白くま ※78より * 柚Side *:2012/07/14(土) 06:58 ID:eaw


「…。」

静かな帰り道。
蒼空は話があるって言ってたけど…
まさか、
やっぱり真椰の事が…なんて言わないよね…?
っていうか、
もっと楽しい帰り道を想像してたんだけどな…
この空気は…何?
もう家…目の前なんだけどなぁ…


「…柚。」

「な、何…?」

「今日の19時にあの電柱の下、集合。」

「え…。」

それだけ言うと蒼空は自分の家へ入ってしまった。

「な、何なの…?」

80:匿名さん:2012/07/17(火) 17:34 ID:eaw


只今の時刻…18:35。
待ち合わせまであと20分…。

っていうか、
待ち合わせって…なんかデートみたいじゃん…。
顔が熱くなる〜!!

そんな事を考えながら、着替え中。


ちょっと早く行ったほうがいいかな?
でも蒼空の事だから、そんなに早く来ないよね。

「…え…?」

まだ20分もあるのに…
窓の外を見ると、電柱の下には蒼空の姿が。

「早くねっ?!」




私は急いで着替えて
待ち合わせ場所へ向かった。

81:↑白くま:2012/07/17(火) 17:44 ID:eaw


「蒼空っ!」

「柚?! 早くね?」

「蒼空のほうが早すぎ!」

「夜なのに、柚を一人で待たせておくなんて危ないし…。」

私の事…考えてくれてたんだ…

「まあでも、柚は時間にルーズだから
こんなに早くなくても良かったかもな。」

「余計なお世話ですぅ〜!」

確かに私は時間にルーズだけどっ…

「ここで立ち話もなんだから、行くか。」

「どこに?」

「ついて来いっ♪」

私も笑顔に変えてしまう、
あなたの楽しそうな横顔…









楽しい時間になりますように…。

82:白くま:2012/07/17(火) 17:58 ID:eaw


「ここ?」

「うん。ここ。」

今私たちがいるのは、
田んぼの真ん中。

なんで…ここ?


「ねぇ、どうして「しー。」

ドキッ。
蒼空が私の唇に人差し指をあてる。

「…3…」

「…2…」

蒼空のカウントダウンが始まる。

「…1っ!」

ひゅーっ… どおーーーーんっ!!

「…え、は、花火…?」

次々と夜空に花を咲かせていく無数の光…。

「すごい。花火だっ♪」

テンションの上がる私。

「すごいすごいすごいっ!キレーだねっ!
ありがとう蒼空っ!」

優しく笑う蒼空。
どきんっ。

「蒼空、あのね!私っ蒼空の事が…んっ」

私の口が塞がれる。










甘い甘い時間が流れた…

83:白くま:2012/07/17(火) 18:01 ID:eaw


一瞬のキス。
でも、それは私にとって長い長い時間で…


「俺に言わせて?」













「柚が好き。」

84:白くま:2012/07/17(火) 18:06 ID:eaw


「柚が好き。
付き合って下さい。」


何もかもが唐突で。

ポロ…

「な、なんで泣いてんだっ?!」


何もかもが幸せで。

「はい。」













「私も、蒼空が大好きです。」


とっても甘い
ファーストキス。

85:白くま:2012/07/17(火) 18:43 ID:eaw


制服の胸元のリボンをキュッとしめ、
髪をとかす。

「柚〜?そろそろ出る時間じゃないの〜?」

「はーい!」

階段を駆け下り、靴を履く。

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃーい。」

86:匿名さん:2012/07/17(火) 19:11 ID:vT6


いやぁん

87:匿名さん:2012/07/17(火) 19:14 ID:vT6

よ待ってたぜ一緒に行こう

88:白くま:2012/07/17(火) 22:02 ID:eaw


まずは蒼空の家へ。
ドアを開ける。

「おはようございまーす!」

「あら!柚ちゃんじゃないの!
どうしたの?」

「あ、あの…蒼空って…?」

「ああ!蒼空ね♪ ちょっと待ってね。」

蒼空のお母さんが家の中へ。

「蒼空〜!!柚ちゃんが迎えにきてるわよーっ♪
早くしなさーい!」

だだだだだだだだっ
すごい音を立てながら、蒼空が駆け下りてくる。

「ごめん、柚!ちょっと待って!」

「うん♪」

「ごめんねぇ。うちの子は時間にルーズでねぇ。
蒼空〜!早くしなさいよーっ!」

「分かってるって!」

89:白くま:2012/07/17(火) 22:33 ID:eaw


「ごめんなー!!こんな事になって!」

「全然いいよー!こっちの方が気持ちいいし♪」

自転車で2人乗り。
先生に見つかったら…確実にまずいっ。
でもいいや♪

90:白くま:2012/07/18(水) 16:14 ID:eaw


「なあ、この問題どうやんの?」

「これはね、ーーーーーー。」

「さんきゅ。」


笑いあって、
涙を流して、
告白されて、
両想いになって、
付き合って…
始めての事、いっぱいだけど
私は今、すっごく幸せだよ。

91:白くま:2012/07/18(水) 16:31 ID:eaw


キーンコーンカーンコーン…
授業が終わり、
トイレへ。


トイレからでる。

「ねぇ、葵柚ってあんた?」

「は、はい…。」

目の前には、
1人の気の強そうな女子。
そのわきに2人の女子。

こ…怖い。

「王子と付き合ってるって本当?」

王…子…?
付き合ってるってことは蒼空の事だよね?

「蒼空の事…ですよね?」

「はあ?!そうに決まってるでしょ!!
呼び捨てとかマジあり得ないんだけどっ!!」

こ!怖いよぉー!
誰か助けてー…

とりあえずここは、
はっきり言った方がいい…よねっ?

「あの…はい、えっと…
お付き合いさせてもらってます。」

ばんっ!!

びくぅ!
耳元で大きな音が響く。

「今すぐ別れてくんない?」

「無理です。
なんであなたにそんな事言われなきゃいけないんです?」

「王子はみんなのものなの。
だから、誰のものにもなれないのよ。
なっちゃいけないの。
わかったら早く別れてくんない?」

「嫌です。」

「あんたってやつはっ!!」

手が振り上げられる。

叩かれるっ!
とっさに目を閉じる。














しーーん…

「あれ…?」

目を開けると目の前には…

「何すんのよっ!」

「キミこそ何してるの?」

「ちっ!」と舌打ちをして、
女子3人組は帰って行った。

92:白くま:2012/07/18(水) 16:37 ID:eaw


「大丈夫か?」

「うん。ありがとう…。」

「怖かっただろ?
もう大丈夫だから…。」

ポロ…ポロポロ…

「…うぅ……ぐすんっ…」

ぐいっと引き寄せられる。

「ごめんな…。」













「助けにきたのあいつじゃなくて。」

93:白くま:2012/07/18(水) 22:16 ID:eaw


蒼空以外の男子と…
ダメだって分かってる。
だけど、
今だけは…

パシャ。

え…?
今の音…

「な、に…してるの…?」

94:陽歌(あきか):2012/07/18(水) 22:43 ID:HCA

読んでるとドキドキできて、とっても面白いです!続き、頑張って下さい♪

95:白くま:2012/07/19(木) 19:24 ID:eaw


陽歌さんありがとう\(^o^)/
続き、頑張りますっ(`_´)ゞ(笑)

96:白くま:2012/07/19(木) 19:34 ID:eaw


「凛…花…?」

な…ん、で…?

「どうしてっ…!」

「あれぇ?言ってなかったっけ?」

凛花が一枚のカードを取り出す。
そこには…

「リー…ダー?」

「そ。私、王子のファンクラブのリーダーなの。」

え…
そんなの…
嘘だっ…そんな
嘘だって言ってよ…

「いい写真ゲットできたよ♪」

「どうしてっ!
どうしてなの?応援してくれたの、凛花だよ」

「ふふふ…。
そんなの、計画の一つよ。」

97:白くま:2012/07/19(木) 21:42 ID:eaw


「計画…?
私たち、親友だよねっ?」

「親友?
何言ってるの。
あんたと私は親友なんかじゃないわ。」


そん…な…









これは悪い夢…?

98:白くま:2012/07/19(木) 22:03 ID:eaw


ぽつり…ぽつりと
私の下には涙の跡…

いつからこんなに涙もろくなっちゃったのかな…?




凛花は私の初めての友達。

保育所で…

「柚ちゃん?一緒に遊ぼ?」

ひとりぼっちだった私に、
声をかけてくれたのは凛花。
きっとあの時、凛花が声をかけてくれなかったら今の私はいなかったと思う。

99:白くま:2012/07/19(木) 22:09 ID:eaw












「どうした?何かあったか?」

「ううん。何もないよっ…♪」

無理矢理笑顔をつくる。
ちゃんと笑えてるかな…?


帰り道。
蒼空と一緒に帰る。

ファンクラブの人と思われる人たちの視線が痛い…

100:白くま:2012/07/19(木) 22:54 ID:eaw


ぐいっ

「ーっ?!」

腕を引っ張られ、
裏庭へ。


「なあ。」

「な…なに?」

どくんっ、どくんっ…
し、心臓が…

「何があったんだよ。」

「何もないよ?」

「その顔、何もないようには思えないけど?」

どきいっ!
やっぱりちゃんと笑えてなかった…
蒼空、分かっちゃうんだね…

「蒼空…。」

ぽろ…
涙が溢れてくる。

ぎゅっ。
蒼空が私を抱きしめてくれた…


「言ってみ?」

「あの…っ、ね…っ」



私、負けないよ。
強くなるから。

101:匿名さん:2012/07/19(木) 22:57 ID:eaw


ぐいっ

「ーっ?!」

腕を引っ張られ、
裏庭へ。


「なあ。」

「な…なに?」

どくんっ、どくんっ…
し、心臓が…

「何があったんだよ。」

「何もないよ?」

「その顔、何もないようには思えないけど?」

どきいっ!
やっぱりちゃんと笑えてなかった…
蒼空、分かっちゃうんだね…

「蒼空…。」

ぽろ…
涙が溢れてくる。

ぎゅっ。
蒼空が私を抱きしめてくれた…


「言ってみ?」

「あの…っ、ね…っ」



私、負けないよ。
強くなるから。

102:白くま:2012/07/20(金) 19:29 ID:eaw


蒼空に打ち明けた次の日。
何かされるのではと心配…恐怖を感じていた。

「今日もいい天気だな。」

「…うん…、そうだねっ♪」

「柚…。」

「なに?」

「俺の前では強がんなくていいよ。」

「蒼空…。」

蒼空からの優しい言葉。

「それに、もう大丈夫だから。
誰も何もしてこないよ。」








この後 私は
蒼空の言葉の意味を知ることになる。

103:白くま:2012/07/20(金) 21:47 ID:eaw



1時間目
2時間目
3時間目

本当に、何もない。
何でだろう…?


「蒼空、一緒にお弁当食べよ♪」

「ごめん。今日先約があってさ。
ごめんな。」

「ねぇー、蒼空ぁ♪ 早くぅー♡」

「ううん。わかった。」

「ごめんな。」







「蒼空っ、帰ろう?」

「ごめん、今日ダメ。」

「蒼空っ、か・え・ろ?♡」







なっ、


何なのぉーーー?!

104:白くま:2012/07/20(金) 23:05 ID:eaw


次の日も、

「ごめん。」

また次の日も…

「ごめんな。」

その次の日も。
次の日も。
次の日も…





「ねぇねぇ、あの人最近
ひとりぼっちじゃない?」

「蒼空といるとこ見ないよね。」

「ってかさ、蒼空
違う女と一緒にいない?」

「毎日違う相手だよね。」

「別れたんじゃない?」



すぐそこから聞こえてくる。
女子たちの会話。

一つ一つの言葉が胸に刺さる。



私…何かしたかな…?
面倒くさい女だって思われたかな。
私たち、
付き合ってる…よね?



「ありがとう、蒼空♡」

この声は…凛花…

105:白くま:2012/07/21(土) 14:17 ID:eaw


ズキんっ…!

楽しそうな会話が聞こえる…
よく聞き取れないけど…


目の前の景色がにじむ。

だめっ!
泣いちゃダメ!
強くなるって決めたんだから。

ぐっと涙をこらえる。

106:白くま:2012/07/21(土) 14:24 ID:eaw


「柚ー♪
今日一緒に帰ろー♪ 」

「亜実ぃ…。」

「ね?」

「…うん…。」

「何でも聞くよ。
私たち、親友なんだからさ。」

親友…
何故かこころに刺さる。

「うん…。」

「よしっ!決まりね♪ 」

「あのさ…亜実は…」

首を傾ける亜実。

「やっぱ何もないや。」

「何よぉー!気になるじゃーんっ!」






亜実は、
ずっと
私の親友でいてくれるよね?

107:白くま:2012/07/21(土) 18:03 ID:eaw


帰ろうと、亜実と下駄箱へ移動する。

「今日、寄り道して帰らない?」

「…うん。」

「よしっ!じゃあ決まりね♪ 」

私は、亜実には悪いと思いつつも
心が言うことを聞かず…

だから、亜実は私を少しでも元気づけようとしてくれてるんだと思う。

ありがとう…亜実

「最近ね、新しいカフェができたんだよ♪ 」

「そうなんだ…♪ ありがとう亜実。 」

「え?いきなりどぉーした?
さっ♪ カフェで楽しもっ!」

108:白くま:2012/07/21(土) 18:13 ID:eaw



「いらっしゃいませ。
2名様でよろしいですか?」

落ち着いた雰囲気のお店。


「さあ柚、何があったのか聞こうじゃないの。」

「亜実ぃ…、私どうしよう…。」

「どうしようって、蒼空と付き合うことになれたのに
まさか、浮気とか?」

「…。」

「え…。まじ…? ごめん。」

「ちっ…違うよね。蒼空が浮気なんて…するわけ、ない…よね…。」

だんだんと小さくなっていく私の声。

「彼氏を疑うなんて、私どうかしてるよね。」

「柚…。」

109:白くま:2012/07/21(土) 18:18 ID:eaw


* 亜実Side *

柚がすごく悩んでる。
思いつめてる。

ここはあたしが助けるところだよね!

だけど…
あたしは最近、柚が蒼空と一緒にいるところを見ていない。

本当に浮気…
してたら許さない。

あたしの大切な親友を傷つけるような事したら、
一生許さないからね。




あたしの大切な…親友。

110:白くま:2012/07/21(土) 18:22 ID:eaw



しーん…。

この沈黙を破ったのは、

「ご注文はお決まりになりましたか?」

水とおしぼりを持ってきてくれた
ニコニコ笑顔の店員さん。

「ご注文がお決まりになりましたら、お声かけ下さい。」

111:白くま:2012/07/21(土) 18:26 ID:eaw


店員さんKYー…
まあ仕方ないか。

「柚は何にする?
ほら、レモンティーもあるよ♪」

「じゃあ私、レモンティーにする。」

「じゃああたしはー、ミルクティー♪
すみませーん!」

店員さんを呼んで注文。

112:白くま:2012/07/21(土) 18:56 ID:eaw


「最近ね…蒼空に、一緒に帰ろうって言っても、一緒にお弁当食べよって言っても「うん。」って言ってくれないの。」

「は…?」

「蒼空は悪くないんだよ?
私が蒼空に迷惑かけちゃったから…。」

「そんなの、彼氏に迷惑かけて何が悪いのっ?」

「でも…。」

「彼女の“迷惑”も“甘え”も“不安”も、
彼氏が受け止められなくてどーするのっ?!」

「亜実…。」

一体蒼空は何をしてるの?
柚が悩んでるんだよ?
助けを求めてさまよってるんだよ?

それに、
柚が明らかに泣くのを我慢してる。
目が潤んでるのに…

彼女が一番安心するのは、彼氏の腕の中なのに…
どうして…

113:白くま:2012/07/21(土) 19:09 ID:eaw


* 萎和Side *

“柚と付き合うことになった”
蒼空が嬉しそうに教えてくれた。

それから、数日…
毎日機嫌が良かった蒼空の顔が曇り始めた。

「何かあったのか?良かったら聞くぜ。」

そう言ったけど、蒼空は無理矢理笑顔をつくる。

俺には話せない事でもあるのだろうか。
彼女の事だろうと予想はつくが…




「蒼空、あのさ「そーらぁー♪ 一緒にお弁当食べよおー♡」

「あぁ。」

は…?
彼女がいるのに、他の女と?
別れたとか言わないよな?

「どういう事だよっ!」

「ちょっと…いろいろあって、な…。」

「いろいろって…、別れた…とか言わないよな?」

「別れてないよ。」


いろいろってなんだよ。
何を隠してんだよ。

114:白くま:2012/07/21(土) 19:13 ID:eaw


* 柚Side *

「あれ?柚って携帯にストラップ付けてたっけ?」

「蒼空と付き合ってからね。」

「もらったの?」

「うん。昔…ね。」

115:白くま:2012/07/21(土) 23:29 ID:eaw


次の日…

昨日の帰りに亜実と話したせいか、
少しだけ軽くなった気がする。

それでも、遠くから蒼空を見るだけで
胸が苦しくなる…
いままでとは違う感じ…



帰り。
今日は1人で帰る。
亜実は居残りだし、
水絹は家の用事で早退したし、
蒼空は…今日も…

窓から空を見る。
携帯を取り出し、写メを撮る。

やっぱり裏庭が1番いい…。



ふわっ

いきなり携帯が軽くなった気がした。

「っ!?」

その時私が見たのは、
大切な大切な蒼空からもらったストラップ…。

ドクンッ!

「い…や、っ…!」

ここは3階。
あっと言う間に、ストラップが消えてゆく…

「いやあっ!」



この時、
最悪な映像が私の頭の中を過っていた。

116:白くま:2012/07/22(日) 07:23 ID:eaw


「ない…ないよ…
どぉ…、っ…しよっ…っ…」

落ちたはずのストラップが見当たらない。



「蒼空ぁーウケるぅ♪ 」

凛花の声。
蒼空が近くにいる。

きちゃダメ…っ!
無くした何て言ったら、嫌われるかもしれない、
早く探さなきゃ…

「柚?何してんだよっ。」

「うわー、汚なーい。」

形振り構わず探していたから、
私は泥まみれになっていた。

ぎゅっ。
蒼空が私を抱きしめる。

「蒼空っ!早く行こうよっ!」

それでも、蒼空は私を抱きしめ続ける。

「蒼空っ!!またそいついじめるよ!」

えっ…?

「良いよ、もうこれからは俺が柚のそばにいて守る。」

「何よっ!もう知らないっ!」

凛花が走り去っていく。

「…う、っ…う…、うぅ…ふぐっ、」

涙が次々と溢れだしてくる。
久しぶりに感じた蒼空のあたたかさ。

「ごめんな…。」
そう言って、蒼空は私の頭をなでてくれた。


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