ゲーム 〜イージープレイ〜

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:エルガ ◆az.c:2012/05/06(日) 16:29 ID:dUc

今、学生に人気の「体感型ゲーム」
イージーモードしか完成に至っていない為に「イージープレイ」と呼ばれた・・・。

俺もこのゲームにハマり、ゲーセンに行っては遊んでいた。
内容はアクションRPGで友人複数人と共同で行う事も可能だった。

しかし、このゲームは完成し数日で使用禁止となった。

理由は「負けた」場合の時、事に寄っては「死亡」するケースもあった。
・・・そう「体感型」とはゲームをする中でプレーヤーが受けたショックはそのまま「自分」が受ける事となる
故に、力自慢の学生や命知らずの学生がハマったのだ。

幸い、俺は今まで然程大きな怪我もなく進んでいた。
使用禁止となった今でも、ネット等を通じ違法にゲームを行う者が後を絶たなかった。

俺はこのゲームを何時も3人でプレイする。

最も仲の良い友人
「大森 拓」
今までゲームをプレイした中で、彼は頼もしく俺の求める強さを充分に持っていた。

次にゲーセンで遊ぶ中で出会った
「山根 圭輔」
彼も、強さを持っているものの時々、輪を乱すなど問題が多い。

そして俺
「伊川 哲雄」
既にゲームの3分の1をクリアし、俺達はゲーマーの中でも一目置かれているチームだった。

その日も3人、ゲーセンで待ち合わせをし遊ぶ予定だった・・・。

2:エルガ ◆az.c:2012/05/06(日) 20:25 ID:dUc

10分程で3人は集まった。
イージープレイは専用のカードを通さなければならない。

この日、圭輔がカードを忘れた事から俺達の悲劇は始まった。

哲雄;圭輔ェ〜、何で忘れるんだよぉ!

圭輔;わ、悪いって。

拓;それにしても、代わりのメンバーどうするか。

そこで俺達は迷った。
が、そこにある1人の青年が声を掛けてきた。

青年;君達。・・・イージープレイ、するの?

拓;あ・・・はい。

青年;よかったぁ。実はこっちのメンバーが揃わなくて・・・

拓;何人プレイですか?

青年;5人。見た所…
君達2人がプレイするようだね。丁度2人欠員で。

哲雄;そうですか。分りました。一緒にやりましょう!

話はあっさり纏まった。そしてイージープレイが始まった。

今回のゲーム背景はどうやらステージ探索型。
迷路のようなステージで隠されたアイテムを入手。
ボスを倒してクリアの簡単な物だ。

哲雄;…メンバーはバラバラなのか。厄介だな。

文句を言いながらもステージ内の部屋や廊下をくまなく詮索。
ゲームが始まって30分した頃だ。
先ほどの青年とも合流した。その流れで彼の知り合い1人も合流。

紹介が遅れたがこの青年
「鈴木 一平」で
見た目は俺達より2,3上だろう。

そして流れで合流した
「佐々木 憲和」
メガネを掛け秀才の雰囲気漂う彼だが、人と関わるのが苦手なのか
顔が良く見えない。恐らく、彼が思っている以上にイケメンだろう。

未だ合流できていない
「園山 栄太」
ゲーム開始前の印象では少しぽっちゃり目のオタク。

一平;そろそろ栄太とも合流したいんだが…

哲雄;…。

一平;あぁ…勿論、君の友達も平行して探さなきゃな。

哲雄;思ったんですけど、なぜこのステージだけ探索型なんでしょう?

一平;…そうだな。今までは直ぐに敵が出てきては倒し。の繰り返し
だものな。ちょっと不思議だよ。

そこで悲劇の旋律が響いた。

栄太;ひ、ひぃぃぃぃぃ!

哲雄;!

一平;栄太!

S字カーブを曲がり左に入った所に大きなフロアが待っていた。
そしてその中央部に赤く染まった床と倒れている栄太があった。

一平;え、栄太!!!

哲雄;むごい・・・。

栄太は右腕を肩から引き千切られていた。それだけに留まらず
首の骨も折れていた。

憲和;2人とも。気をつけて。まだ相手が残ってるかも。

一平;憲和、見てくれよ!栄太が…栄太がぁ…。

一平の話では
憲和と一平がこのゲームをし出したのは彼の影響だという。
彼は体こそゲームに不向きな外見だが
アイテムなど数多く持ち合わせ、頼りになる存在だったという。

一平;栄太がいねぇとボスも難しいぞ・・・憲和ぅ!

憲和;とにかくこれ以上メンバーが減るのも宜しくない。
直ぐに、拓君を探そう。

こうして
俺達の人生に残る最低最悪のゲームが始まったのだ。

3:エルガ ◆az.c:2012/05/08(火) 15:10 ID:dUc

拓を探して既に45分が経過。状況は悪化する一方で
時間を負うごとに敵の数は増えた。

一平;2人とも。アイテムの残りを確認しておいてくれ。この先は厳しくなる。

哲雄;弾数チェック…20分持つかなぁ…。

心もとない装備に俺達3人は苦言を呈した。
3人でこれ程までにキツイのだ。拓1人ではもう…。
そう考えた矢先、新たに大きなフロアに出た。
其処にはこのステージの長であろう、大型の自律起動兵器が立っていた。

自律起動兵器;ピピ…熱関知センサーニ感度アリ。攻撃開始。

そう告げると兵器は右腕装備の大型ガトリングを乱射してきた。

一平;み、皆!戻れ!フロア入り口の曲がり角に隠れるんだ!!

哲雄;アレじゃ近付けない。

一平;憲和!

憲和;あぁ、あの起動兵器、熱関知センサーだけじゃない。

哲雄;え?

憲和;最新式のAI搭載の兵器だ。

一平;要するに、アイツはタダ攻撃するだけの巨体じゃねぇ!考えて攻撃してくるぞ!

哲雄;どういうことです?

一平;アイツにも「考える脳」が備わってるって事。

自律起動兵器は俺達が隠れたと同時に攻撃を辞めた。
即ちこちらが姿を見せなければ攻撃は仕掛けてこない。

そうして既に10分が経過していた。

哲雄;あの兵器…熱関知…なんですよねぇ?

憲和;そうだが。出て行った瞬間に蜂の巣だよ?

哲雄;なら…!

哲雄は手持ちアイテムから発炎筒と手榴弾を取り出しそれを二つガムテープで巻きつける。

一平;お、お前!それ!

哲雄;ほらよ!

哲雄はそれを自律起動兵器の足元へ投げた。自律起動兵器はそれを見逃さず銃を撃つものの
宙に浮いた爆弾を掠めるに留まり足元で爆発。それを一平が見逃さずに攻撃を開始した。

自律起動兵器は音を立てその場に朽ち果てる。
そう、「ゲームセット」
俺達の勝ちだ。

ゲーム機から出て圭輔と顔を合わせる。

圭輔;や、やったな!今回もクリアか!?

哲雄;おう。…タダ、この人たちの仲間が…1人…

圭輔;…哲雄、拓はどうした?

哲雄;そ、そうだ。拓!

拓はゲーム機から消えていた。
最初は先に帰ったのかと思ったが、数日して拓は失踪している事を俺達は知った。

4:エルガ ◆az.c:2012/05/09(水) 19:12 ID:dUc

警察庁にて・・・。
俺たち4人は事情聴取の為に警官数人と話し合いをしていた。

警官;つまり、ゲームを終えた後、彼は姿を消していた?

一平;何度もそういってるでしょう!?

警官;でも…君たちね。危険なゲームなのは知っているだろう?そのせいで
お友達1人も亡くなっているんだよ?その反省もちゃんとしなければね。
それに、その失踪した友達もゲームを辞めて何処かに居るのかも知れないし。

哲雄;拓は…。拓は1人で逃げるような奴じゃない!

警官;落ち着きたまえ。分かっている。ただゲームをやめただけなら君達だって連絡がつくだろう?

拓の失踪を知ってから、俺と圭輔は毎日のように拓に連絡をしたがそれに応答はなかった。
とうとう、拓の両親が失踪届けを出しこの問題が露呈したのだ。

警官;細かい事は今、オジサンたちが調べているが…あのゲームセンターには立ち入りを禁止するよう
お店のほうにも連絡したから。もうあんなゲームはやっちゃいけないよ?

圭輔;そ…そんなぁ。

哲雄;拓が見つかったらちゃんと連絡はしてくれるんですか?

警官;まずは親御さんに連絡が行くだろう。そこで君たちに報告するかどうかの了解を貰う。

憲和;…ずっと考えてたんですが…

警官;何かね?

憲和;まさか、拓君…まだゲームのプログラム内を彷徨っている…のでは?

警官;まさか。

警官は笑い飛ばし俺達の不安を宥め今日の聴取は終わった。
しかし、俺達4人はさっきの憲和のセリフを尤もらしいセリフとして考え
再び、ゲーム内の捜索を試みようとしていた。
が、ゲームセンターは出入り禁止。正直言って、八方塞だった。
俺達には、なす術無く。事の進展を待つだけだった。

この一連の騒ぎは大々的にニュースにもなった。

哲雄;もしもし。一平さん?

一平;どうした?哲雄。

一平とは知り合って間もない上、家も知らなかったために連絡先を交換し情報交換をしていた。

哲雄;一平さんにも…例のメール来ました?

一平;あ…あぁ。

俺の言う「例のメール」
数日前の話だ。俺の携帯に謎のメールが入ったのだ。

「こんにちは。伊川哲雄君。
早速だが、お友達を探すお手伝いをしてあげよう。
勿論、タダでそんな事をするつもりは無い。僕の出す御題をクリアして欲しい。
チームのメンバーにも同様のメールを送ってある。
5日後に3丁目にある廃工場に足を運んで貰いたい。
其処に、ゲーム器機を準備しておく。

最初の御題はあるチームとの対戦だ。
ゲーム機器を弄り、対戦相手は死なないようにセッティングしておいた。
しかし…君達の命の補償は出来ない。
それでも、このチームと対戦し勝利してくれればお友達の居場所のヒントを与えよう。
やるかどうかは君達が決めてくれ。
勿論、参加したくない者は参加は控えてくれ。

では、検討を祈る。  プロフェッサー・ゲームマスター」

哲雄;憲和さんは何て言ってるんです?

一平;参加するそうだ。…そっちは?

哲雄;圭輔もこの間行けなかった分、張り切ってますよ。

5日後の今日。
俺達は工場の前まで来ていた。
ゲームマスターの言う事が信用に足る物とは限らない。
しかし、一連の騒動に関係した者として
……この先の結末を見てみたかったのだ。

5:エルガ ◆az.c:2012/05/10(木) 11:13 ID:dUc

哲雄;どうもこの工場、嫌な臭いがプンプンなんですけど…。

一平;でも、この工場で間違いないんだろ?

ふと振り返り自分達が来た道を見ると
果てしない直線的な道が続き、後戻りを許さない雰囲気だった。

俺達4人はしばらく呆然とその場に立ちすくんで居たが
廃工場の中で大きな音がした。

哲雄;一平さん?

一平;い、いやぁ…俺じゃないって。

哲雄;圭輔?

圭輔;俺でもないって。

哲雄;じゃぁ…。

案の定、憲和が先に工場に入りゲーム器機の探索に入っていた。

憲和;皆!あったぞ。これだ。

ゲーム器機は円を描くように4つ配置されそれぞれに番号が割り振られていた。
この際、番号は関係ないにしても、偉く親切に配置されている。
各々、ゲーム器機を選び準備に取り掛かる。
今回はプログラムでなく「人間」が相手だ。簡単にクリアは出来ない。
現に、ゲームを始めて1時間…誰一人として対戦相手に遭遇していない。

今回のゲームは4対4のチーム戦。
対戦相手のチームリーダーを倒すか全滅させる事でクリアとなる。

圭輔;一平さん達大丈夫かな?

哲雄;気にする事はない。あの人たちは強いよ。

俺達は2人ずつに別れステージを探っていた。
通信機を耳に掛けお互いの状況を随時把握出来るようにしていた。

圭輔;ん?…モニターに感あり。…近いぞ。

哲雄;早速か…。圭輔、何時も通りバックアップ頼む。

圭輔;分かった。

圭輔は背中に背負っていたライフルを構え前に居る俺に照準を合わせる。
コレが何時もの陣形なのだ。
実の所、俺は銃のアイテムを幾つか持っているが銃が全く使えない。
だから、刀や槍といった格闘用のアイテムを多く持ち合わせ
万一にも俺がヤられた場合、俺もろとも後ろからライフルで撃つ事になっている。

俺は直ぐに刀を取り出し片手で斜め下に構えながら突き進む。

圭輔;其処の角を左だ。

角を曲がった先には扉があった。

哲雄;っち。圭輔、頼む。

圭輔;おう。

圭輔は扉に小型爆弾を設置しタイマーをセットした。
2人は角に隠れ爆発の時を待つ。
圭輔は爆発直後、ライフルを乱射しながら扉に突入し
俺が後に続く算段だ。

計算どおり事は進み、フロアに移動したが、其処には対戦相手の影すら見当たらなかった。

哲雄;っは!?何で誰もいねぇんだよ!!圭輔!センサーは!?

圭輔;お、可笑しい!センサーは間違いなく此処を指してる!

哲雄;どういう事だよ!

圭輔;俺に聞かれても…。

この時、哲雄の耳には微弱だが音の鳴るものを察知した。

哲雄;圭輔…今、音しなかったか?

圭輔;え?

次の瞬間、フロアに鳴り響く警報音。

圭輔;は、ハメられた!?

圭輔は振り返り俺に飛び掛りフロアから突き飛ばした。

哲雄;いってぇ…。何すんだよ…圭輔。

圭輔;ご、ごめ…ん。

俺が再び目を開き圭輔を見た時、圭輔は両足を失っていた。
フロアには地雷がセットされていたのだ

哲雄;け、圭輔ぇ!

圭輔;あんまり、騒ぐなよ…。傷に障るだろ…

哲雄;お、お前!傷ってレベルじゃねぇだろ!冗談言ってる場合か!バカ!

圭輔;これじゃあ、俺は退場だな。…拓の事頼んだぜ?

哲雄;おい…俺独りじゃこの先行けねぇよ!お前がバックアップしてくれないと…

圭輔;情けないこと言うなよ。っく。…そこら辺にセンサーが転がってるはずだ。

哲雄;ど、何処だ?…あった。アレか。センサーがどうしたんだ?

圭輔;…餞、別だ。もってけ。…絶対に…。

圭輔は最後の言葉を言い終わるより先に眼の輝きを失った。
ソレは、この先に待つ失望を写すように。

哲雄;圭輔ぇぇぇぇ!

俺はしばらくその場から離れる事が出来なかった。
一平の通信越しに聞こえる叱咤でようやく次のフロアに向かった。


圭輔;………ごっふ…。っち。まだ息が有るのか…。

???;ホント、しぶといね、君。

圭輔;っ!

???;バイバイ。

そのフロアに一発だけ静かに銃声が響いた。

???;一匹駆除完了。

6:エルガ ◆az.c:2012/05/11(金) 16:39 ID:dUc

一方でこちらは一平のチーム。
一平・憲和は幾つかの道に細分化されたフロアに着いていた。

一平;何処に行けば良いんだ?

憲和;こうしてる間にも敵に狙われてるのかも。

一平;だが、こうも道が分かれてると…。

憲和;よし、左側の3番目のルートを行こう。

一平;だ、大丈夫…なのかよ。

一平・憲和の進んだルートには幾つかのトラップがセットされていた。
一平は軽い怪我を負ったものの無事、次のフロアに出た。

一平;このフロア…。

憲和;さっきのフロアだね。

一平・憲和は同じく複数の道に別れたフロアに出た。そう。正しき道を選ばなければならないのだ。

一平;くそぉ!だったら端から潰してくしか…

憲和;一平!後ろ!!

一平の反射神経が一秒早かった。弾丸は右肩スレスレを掠めると壁にめり込んだ。

一平;な、なんだ!?

憲和;ま、まて!

人影は道の影の中に隠れ消えて行った。

一平;憲和!気を抜くな!また来るぞ!

そう、一平を撃とうとした奴が正しいルートを知って居ない限りこのフロアに戻る事になる。
一平たちはどの方角から攻撃されるかも分からない恐怖に襲われるのだ。

憲和;一平…背中合わせになろう。

一平;賛成だ。

それから数分、膠着状態が続いた。

憲和;俺達の緊張状態を煽って疲労させる気か…。

一平;…このチーム…出来るな。

憲和;哲雄に連絡した方が良いんじゃないか?

一平;いや…。相手の人数が把握できない分全戦力を集中させるのはマズイ。
ソレこそ八方塞で蜂の巣になるぞ。

憲和;…相手もそれを分かってて攻撃して来ない?

一平;そうだ。こっちの戦力がまだ隠されてるのかどうかを探っているんだろう。

憲和;だとしたら…哲雄が危ないんじゃ…。

一平;だなぁ。何とかして此処をクリアして助けに行かないと。

憲和;一平、危ない!

2人は更に尻餅をついた。

一平;な、何するんだよ。憲和!

憲和;だっ、だって!……っ!

一平;っ!

分岐した道の全てからレーザーポインターで照準を定められている。

一平;ば、バカな!4対4のはずだぞ!そんなに人が居るわけがない!

憲和;違う。フェイクだ。

一平;フェイク?

憲和;自分の居場所を気付かれない為にポインターをセットしてるんだ。

一平;どうするんだよ…。憲和。


???;こちら、デルタ1(ワン)。目標の足止めは完了した。…残りの一匹を殺っちまえ。

???;アルファ1(ワン)了解。

7:エルガ ◆x1bA:2012/05/13(日) 18:55 ID:dUc

哲雄はフロアの入り口で立ち止まっていた。
殺気立ったフロアに入り口で怖気ついたのだ。

哲雄;…ね、狙われてる…。何処だ?隠れられる場所も無さそうなのに。
一歩でも入ったら……殺される。

哲雄は遠くに見える出口から眼を離せずにいた。
誰かが隠れるとしたら出口の陰に潜むほかない。

???;ふーっ…。良いぞ。もう少し前に来い。そうすれば直ぐにでも楽にしてやる。

哲雄はその恐怖から一歩後ずさりをした。

???;来ない…のか。なら、脅しだけでも掛けるか。

次の瞬間、入り口の左壁に矢が1本突き刺さった。
哲雄はそれにより恐怖し動けなくなる

哲雄;は、外れた…。アイツ、遊んでやがるのか!?この距離じゃ俺の弾は当たらない。どうしよう。

哲雄は銃の扱いが下手な為にハンドガンタイプの銃しか持って居ない
飛距離を考えると相手は余程強力な物を使っているようだ。

哲雄;威力を考えれば連射は出来ないはず。留まっている方が危険だ。動き回ればあたりはしない!

???;っち、調子に乗りやがって。このフロアは通過させん!

謎の声がそう怒鳴ると足元目掛けて数発の弾丸が放たれた。
哲雄は顔が一気に青ざめた。

哲雄;動けば弾丸、止まればボウガン…どうしろってんだ。こ、殺される…。

???;お前に恨みはない。だが、消えてもらう。

そうして謎の声が姿を現した。
その姿に哲雄は驚愕する。

哲雄;い、一平さん!!どうして此処に!?

一平;伊川哲雄だな。死んでもらおう。

その謎の男は一平と瓜二つであった。

哲雄;一平さん!憲和さんはどうしたんです!?なんで貴方が?

その時、通信機越しに一平の声が聞こえた

一平;何を言ってるんだ?哲雄?どうした?

哲雄;っな…。一平さんじゃない…だと。

(偽)一平;俺達はお前達を排除する為に作られたプログラムだ。

哲雄;何!?

(偽)一平;そっちの一平に伝えろ。貴様等を全員殺すと。

???;一平さん。

(偽)一平;来たか。

哲雄;!?

(偽)哲雄;…一平…さん。

そこで偽の哲雄は倒れた。

(偽)一平:て、哲雄!

???;あんまし、本…物を、舐めんじゃねぇーぞ!偽者!

其処には、息を引き取ったはずの圭輔が居た。

8:エルガ ◆hueM:2012/05/17(木) 22:05 ID:dUc

数分前の話だ。
俺は気絶したであろう友人を置き次のフロアへ向かっていた。
其処に現れた偽者の俺
その偽者は友人に向かい銃を据える。
しかし、圭輔は彼の存在を既に感知し、ある賭けに出ていた。

圭輔;オメェ…どう言う事だ?…哲雄…?

偽哲雄;俺達はプログラム。お前達を始末する為にお互いの弱点となる人間を送り込むのが目的。

偽哲雄の語る真実、ソレは
ゲームマスターによる俺達の暗殺。
そして俺達のプログラムを作りゲーム内のボスとして利用する事にあった。

圭輔には哲雄が、哲雄には一平が、一平・憲和には圭輔・憲和が真っ向から対立していた。

圭輔の射撃能力は群を抜くものだがその動きを全て把握した哲雄が攻撃を仕掛けたのだ。

偽哲雄;一匹ずつ確実に仕留める!…それが戦争のセオリーだ。

圭輔;ふん。言い…たい事は、充分分かった。だが…此処までだな!!

壁に空けられた僅か数センチの穴から弾丸が偽哲雄の頭を横から貫いた。

これが、僅か数分の内に秘められた真実だった。
俺は這いずって来た友人に駆け寄った。

哲雄;け、圭輔!

圭輔;此処まで来るのに苦労したぜ…な、なんせ、足がねぇからな…悪かったな。遅れてよ。

偽一平;仲間如きで図に乗るな。…哲雄を始末した所で変わりない!所詮は死損ない1人じゃないか!

偽の一平は再び銃を構え直し俺達に冷たい銃口を向ける

圭輔;哲雄…このゲー、ム…必勝法が…。

哲雄;ど、どうした!?相棒!おい!

圭輔は俺の腕の中で最後の言葉を発する途中再び息を引き取った。
彼が何を言おうとしたのかは分からない。しかし、今此処で負ける訳には行かない。
現実世界に帰り、ちゃんと彼を弔ってやりたい。
俺は、溢れる苦痛の思いに蓋をする事で精一杯だった。

9:エルガ ◆hueM:2012/05/18(金) 14:39 ID:dUc

偽一平;ふん。無様な…。
哲雄を殺ったまでは良いが死んじゃってるよ。ソイツ

偽の一平は大声で圭輔を罵り笑う。
どこぞの映画や漫画なら、主人公が敵討ちの為に奮闘するが
俺には圭輔の死が重過ぎて奮い立つ事も出来ない。

偽一平;さて。良い物も見せて貰ったし、お前にも死んで貰うとする。

哲雄;…。

偽一平;反論も出来ないか?

哲雄;そうか…。そういう事か、圭輔。分かったよ。

偽一平;は?

哲雄は圭輔の手に握られた「ある物」を手に取り逃げ出した。

偽一平;おい!…っち。仲間の死体を置き去りか!?

次の瞬間、圭輔の遺体は偽一平と共に爆散した。
哲雄が圭輔の手の中から取り出したものは起爆装置だった。

哲雄;け…圭輔ぇ!

俺はフロアの入り口で泣き崩れた。
俺が友を爆破したのだ…いくら死体と言えど友を…。
俺の足元には圭輔の首にされていたネックレスと
血で赤く染まった布切れが転がっていた。

ネックレスは首に、布切れは額に巻いた。
布切れからはまだ暖かい血が少し流れてきている。

哲雄;圭輔、このゲーム。意味があって作られたように思う。
何の為かは知らないが…きっと裏がある。…俺、生き残るから。

このゲームの真意
其処に俺達の答えがあるのか?
果たして、其処に行き着くのか。ソレを知っているのは
ゲームマスターだけなのかも知れない。

10:エルガ ◆hueM:2012/05/20(日) 21:07 ID:dUc

哲雄は一平達の元に向かい。背後から偽者の憲和達を始末した。
ゲームセット。
被害は大きいものの勝ち残ったのだ。
ゲーム機から出た瞬間、俺達の携帯に着信音が鳴った。
ゲームマスターからのメールだ。

「良くぞ耐え切った。約束通り『お友達のヒント』をあげよう。
…いや、君たちには真実を知ってもらおう。
翌朝、10時1丁目の廃病院で待つ…」

そのゲームマスターからの報告で、俺達は廃病院へと足を運んだ。

???;待っていたよ。皆。

一平;お前は…確か…。

哲雄;拓ッ!

拓;久しぶりだね、哲雄。

ゲームマスターの正体は拓なのだ。
拓は事細かに事実を話し出した。

拓;このゲームを発案したのはほんの数年前。やっと完成にこぎつけた。
だが、大きな問題があった。…「痛みの共有化」
「体感ゲーム」と言うからには文字通り「本人の五感に作用」しなければ意味がない。
結果、俺の生み出したゲームは殺人ゲームに変わった。

俺は警察から逃れる為に「プロフェッサー・ゲームマスター」を作り出し
実体のない人間を警察に追わせた。

しかし、誤算はコレだけじゃなかった。
このゲームは「ラスボス」が「自分自身」と言う設定になってしまった。
このままでは「自分で自分を殺す」事になる。
ソレを避ける為に「自分でない自分」を生み出す必要があった。

君たちは気付かなかったかい?あのラスボスが少し変な事に…。

一平;何を言っているか、さっぱりだ。

憲和;「ネガ反転させた自分」の構成…か?

拓;そう。「ネガ」。ゲームの中でわざとプレイヤーの性格を反転させ「自分でない自分」を作り
「自分で自分を殺す」という最悪の結末を避けた。

哲雄;憲和さん、拓。もっと分かり易く…。


拓の作り出した「ネガ自分」とはいわば「自分とは間逆の人間」を作り出した事になる
つまり、ソレを倒しても「自殺」にはならない。

拓;俺、自首しようと思う。

哲雄;んあ!?

一平;バカな…。

拓;君たちが180度違う自分達に勝ち残ったらそうしようと決めていたんだ。
その時は俺も180度違う自分に打ち勝てると信じていたから。
皆、ありがとう。


ーーーーーーーー翌年ーーーーーーーーーー

イージープレイは警察管轄の下、全面的に使用禁止となった。
拓もそのゲーム製作の容疑者として捕まった。

アレから1年
俺は一平さん達と連絡を取り合い、獄中の拓に励ましの手紙を送り続けている。
圭輔の形見のネックレスは彼に託した。…2度と同じ惨劇が起きないように…。

to be end

11:エルガ ◆hueM:2012/05/20(日) 21:14 ID:dUc

〜あとがき〜w

イージープレイ…即興にしては良い方だと思いたいですw
実はこの後の話も
「ノーマル」「ハード」と思いついてはいるんですが
あまりにも内容が残酷なために
終始、失踪した拓を無理矢理、ゲームマスターとして変更し
終わらせました。

要望があれば
「ノーマル」や「ハード」も書きたいなぁ。
なんて思っている今日この頃w

(でも残酷描写が酷くて…ちょっとなぁ…とも思います)


書き込む 最新10 サイトマップ