ああなんて可愛い人!

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1:subaru*:2012/06/19(火) 00:04 ID:Y3A

深緑の背の低い二人掛けのソファーは、ハルが選んだ。
例えば食後にくつろぐとき、持ち帰りの仕事をするとき、そのソファーに腰掛けて過ごす時間は長い。

それはたまの休みに、ハルと2人で何の気なしに過ごす午後のひと時も例外ではない。
俺はコーヒー、ハルはカフェオレ。実のある会話もなく、のんびりと時間は過ぎていく。
俺達は小さなソファーの上でひどく自然に寄り添い合っていた。

「あ、買い物いかないといけなかったなー」

肩に乗っていた頭が動いて、やわらかい髪の毛が首にかかる。
言葉とは裏腹に、人の肩の上を陣取ってどかない頭の持ち主は、なかなか動こうとはしない。

俺は体重を少しだけハルの方へ傾けた。同時にふっと思わず笑いが漏れる。

「ふっ、いっつもそうやん。今日どうしようかって朝聞いたのに、」

まーたこんな微妙な時間にそういうこと言い出すんやから。

「うーん、どうしよ。」

「行って来れば?」

俺は読んでいた文庫本のページをめくりながら答える。

「・・・うーん」

「・・・」

「あ、そういえば俺も、」

「なになに?」

「シーツ洗うの忘れてたわ。」


「・・・もう来週私しとくから」

俺の肩からハルの頭が離れた。今度は俺の頭がハルの肩にのっかる。この姿勢はなかなか厳しいものがある。
俺は起き上がって読んでいた文庫本をテーブルに置いた。

「来週は雨だ、」

ハルがおなかをすかせた猫みたいな非難めいた目で俺を見てくる。
俺はなぜだか自然と顔が笑ってしまった。


「だから再来週にしよう。」

ハルの目が俺の真意を探ろうとみるみる大きくなる。


「俺の気が変わらんうちに、30秒で支度しな!」

返事もせずにダイニングから飛び出したハルの背中を、俺の大爆笑が見送った。


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