都落ち 〜合戦〜

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1:エルガ ◆hueM:2012/06/23(土) 20:06 ID:dUc

ヒト成らざる者がその国には居た…。
その者は人を喰いヒトに成り代わり生活していた
その者「症鬼」と呼ばれた

その国に「鬼取り」が現れ「合戦」が始まった。

佐久間;昨日も症鬼にやられたヒトが出たってよ!

???;んで、症鬼の方は?

佐久間;逃げてるらしい

???;追ってる部隊は?

佐久間;確か…「皐月」だったかな?

友人B;ば、バカ!「東屋」だ!

???;「東屋」…か。道理で手が遅い訳だ

佐久間;終香、俺達はどうする?

終香;俺達も追うぞ。症鬼にこの国を歩かれちゃ溜まらん。

宍戸 終香(ししど ついか)…鬼取り家系にあり家系もそこそこの家柄にある。
この部隊「五月雨」の副隊長。
隊長である「宍戸 散香」の弟に当たる。年齢は19。
単独行動を好み口が悪く、仲間を足蹴にする事もあるが姉「散香」の面前には弱い。
その性格の悪さに比例して腕だけは一流。

佐久間 閃太郎
宍戸家に対し唯一、関係を許された家系の持ち主で終香と同い年である。
終香が周囲から毛嫌いされる一方で彼だけが終香の良き理解者であり
唯一、終香の行動にも順応できる人物である

友人C;おい…。向こうの草陰で何か動いたぞ!?

終香;大方、お姉様のお帰りだろ?ちょっと見て来い。

友人C;わ、分かった。

俺達「五月雨」の目的は「都」に入る症鬼を滅する事にある。
専ら、身を隠す症鬼を討伐することは別の部隊の仕事だった。

この夜も「都」へと繋がる大桟橋の前での警護が任務だった。
故に、症鬼との遭遇も殆どなかった。

友人C;さ、散香様…?

ガサ…ガサガサ

佐久間;何を手間取っているんだ、アイツは!

友人B;大方、暗いからビビってんだろうよw

終香;…。ん?

友人C;散…香様、おふざけが過ぎます!さ、帰りましょう?

終香;さ、下がれ!死ぬぞ!!

友人C;…あ?

反応が一瞬遅かった。振り返り様に首を切られその場に倒れた。

友人B;しょ、症鬼だぁ!!!

終香;退け!俺がやる!

佐久間;終香!危険だ!


翌朝、俺達には都より伝令が出された。
昨夜取り逃がした症鬼の発見と討伐が任務と成った。
終香は症鬼の攻撃を受け怪我を負いソレが素で逃げられたのだ。

佐久間;だから言っただろう?危険だと。

終香;う…うるせぇ。次は確実に首を刎ねる!ヤツがしたようにな!

こうして俺達の合戦が幕を空ける。

2:エルガ ◆hueM:2012/06/24(日) 21:00 ID:dUc

俺達の部隊「五月雨」が着いた小さな村。
入り口から嫌な雰囲気を醸し出し妙な静けさがあった。

散香;ねぇ、終香。この作戦が終わったら買い物付き合ってよ。

終香;お姉様…。仮にも作戦行動中。私情を挟むと碌な事になりませんよ?

散香;良いじゃないのぉ。ケチィ。

俺の姉「宍戸 散香」
世話好きで情に厚く、人に好かれる。弟である俺に対し溺愛し何時も甘えてくる。
しかし、俺が一番姉に対して弱い所は…。

終香;姉さん!危ない!!

散香を押し退け前に出た俺。その額に少し刀の刃先が擦れた。

終香;な、何なんだ、貴様は!…眼に血が…。

村人1;お前等!何しに来た!…出てけ!この村から出て行け!

散香;っあ…つ、終香…。

終香;…!、マズイ、佐久間!

佐久間;わ、分かってる!

佐久間は急いで散香の武装を取り上げ当人を羽交い絞めにした。

散香;テメェ!其処動くなよ!?大事な弟を傷物にしてくれたんだ!タダで帰れると思ってんじゃないわよ!

終香;始まった…。

俺が唯一、姉の苦手な部分。ソレは溺愛のあまり何か起これば直ぐに激情する所にあった。

終香;おい、止血道具を。

友人B;承知しました。

終香;よし…。姉上、対した事ないのです。落ち着いて下さい。

散香;あの男!…直ぐに首刎ねて村中のさらし者にしてやるんだから!

終香;姉上!

散香の激情は終香の力強い一言で回復した。

散香;終香…大丈夫?

終香;問題はこの男がなぜ危害を加えて来たのか。です

男の話では
前にこの村に別の「鬼取り」の部隊が訪れたのだと言う。
しかし、鬼取りの一人が症鬼に襲われ
その鬼取り自身が症鬼となり暴れ出した。
被害を抑える為に鬼取りの部隊は仲間もろとも村を焼き払ったのだと言う。

村人;貴様等のせいで村は半壊。復興は望めない。後は廃れて行くのみ

終香;しかし…この村の近辺で症鬼の目撃例が…。

村人;…。

佐久間;症鬼の消滅を確認出来るまで、帰るに帰れません。

村人;…。

終香;寝る場所や食べ物に関しても要求はありません。どうか、村の出入りだけでも…。

村人の男は黙ったまま口を開かなかった。
しかし、村長の計らいにより寝る場だけの確保は行った

散香;この村、何か変な感じ…。

佐久間;空気が重い…と言うか何と言うか。

終香;…鬼が出るか、蛇が出るか…。

3:エルガ ◆hueM:2012/06/25(月) 23:00 ID:dUc

村に滞在し始め2日経った。
已然とし、違和感が拭えない村
終香は気付いていた。村人が殆ど存在しない事に。
建物に反比例し人物が居ないのだ。

終香;随分と…人口の少ない村だ

村人;…!、…ソレは…例の一件以来人が寄り付かなくなったからだ。

散香;『ねぇ、佐久間』

佐久間;『何です?』

散香;『今の会話の間は何?』

佐久間;『分からないです』

終香;…。そういえば、お名前聞いてませんでしたね。

村人;千野木と申します

自己紹介を終えたと同時に外で聞こえる悲鳴
全員で慌てて状況を確認しようと外へ出ようとした。
しかし、千野木の妨害によりドアの前で足止めを喰らった

千野木;だ、ダメです!!今外に出ては!

佐久間;何を仰る?症鬼かもしれません!退いて下さい!

千野木;私は、貴方達を通すわけには行かない!

終香;退かないのなら、死んでもらう!

千野木;貴方達は何も聞かなかった!それで良いじゃないですか!

終香;ッチ!閃太郎!

佐久間;おっ、おう!

佐久間の手刀は千野木の鳩尾に入った。千野木はその場に倒れ気を失った

散香;行くわよ?2人とも。

外に出て声の元を探ると大広場に出た。
其処には村の住人が円を組むように並び中心部分に人影が見える

佐久間;あ、アレは!!

散香;ウソでしょ…?

中心に見えたもの、ソレは症鬼とそれに襲われている人間だった。

人;や、辞めろ!来るなぁ…。し、死にたくない!助けて、助けてぇ!


終香;む、むごいな…。

一目見ただけで分かる。「助からない」
下半身は捥がれ内臓が見える。あんな無残な姿でも意識のある事が地獄だ。

佐久間;く、クソ!ここの住人は何で助けないんだ!

終香;……儀式の一種だ。

佐久間;儀式?

終香;とにかく、症鬼もやっと見つけたんだ。此処で会ったが百年目だ!行くぞ!

3人は各々、武装を取り出す。
その次の瞬間、状況は一変した…。

4:エルガ ◆hueM:2012/06/27(水) 15:09 ID:dUc

終香達を驚かせた光景、それは
周囲に居た野次馬が一斉に立ち上がり症鬼滅殺の邪魔をして来た事だ。

佐久間;こ、こいつ等、どうかしてるんじゃないのか!?

終香;なぜ、邪魔をする!退け!!

村人達の眼に輝きは無かった

終香;まさか…これ全部症鬼じゃねぇだろうなぁ!?

散香;そんな訳ないでしょ?

村人達は静かにユラユラと近付いてくる
その内の独りが口を開いた

村人;鬼取りのせいで村は滅びかけた…なら、症鬼の手を借りて報復するまで。

村人達は定期的にヒトを生贄に捧げ症鬼の力を利用しようとしていた。
そう、まるで猛獣にエサを与える感覚と同じように。

終香;邪魔をするなら殺す!

またしても俺は頭に血が上り、独り先走っていた

数人を切り倒した後、佐久間によって俺は取り押さえられた。

佐久間;落ち着けって!あの症鬼、言っちゃ悪いが切れ者だ!独りじゃまた怪我するぞ!!

佐久間を振り払い村人に襲いかかろうとした俺に散香が怒鳴った。

散香;誰一人殺すな!これ、命令!!隊長じゃなく宍戸家として!

終香;っく…。甘すぎます!お姉様!

宍戸家筆頭の散香の号令、ソレはいわば絶対命令と言っても良い。
俺の幼い頃の記憶が蘇る…。
宍戸家筆頭にあった父は、その教えに背いた母を躊躇う事無く始末した。
ソレほど、命令が重い物なのだ。身内でも許される事は無い。

終香は手にしていた大鎌を捨てトンファーに切り替える
佐久間は銃の弾奏を外し実弾から麻酔弾に切り替え、2人は戦闘を再開した。
散香は刀を鞘にしまい、その場から動く事は無かった。

症鬼;鬼取リ…ココデ、殺ス。


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