犬たちをおくる日

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1:真依(*・∀・*):2012/06/28(木) 17:17 ID:yMM

2009年2月19日、午後1時20分。その日私が殺したのは
30頭の成犬、7匹の子犬、11匹のねこであった。
その死に顔は、人間をうらんでいるようには見えなかった。
彼らはきっと最後のその瞬間まで飼い主が迎えに来ると信じて
待っていたのだろう。

あの日からずっとステンレスの箱の中で死んでいった
彼らを思わない日はなかった。
「だれかをきらいになるより、だれかを信じているほうが幸せだよ」
犬たちの声が聞こえる。
この「命」、どうして裏切ることができるのだろうか…。

2:真依(*・∀・*):2012/06/28(木) 17:32 ID:yMM

【プロローグ この命、買ってください】

1978年、春の出来事である。その日の午後、
獣医師として愛媛県の保健所で勤務していた
渡邉清一のところに、3人の小学生が訪ねてきた。
「すみません、これ買うてくれるんですか?」
少年たちが勢いよく差し出したダンボールの
中には、7匹の小さな子犬が入っている。
「これ?どうしたいん?」
「犬一匹、ここに持ってくれば、500円くれるって
きいたけん。7匹で3500円やけんね、お金くれん?」
そのころ、愛媛県では野良犬の撲滅対策として犬の
買い上げ制度を設け、犬を持ち込んだ県民には
一頭500円の報酬を出して、安全な町づくりの拡大を
図ろうとしていたのである。
少年たちは、そのことを知っているらしかった。

3:真依(*・∀・*):2012/06/28(木) 17:43 ID:yMM

「この子犬と引き換えに3500円がそんなに欲しいんか?」

「そりゃそうじゃけん!」

当時の3500円といえば、かなりの高額である。

「そのお金、何に使うんや?」

「プラモデルじゃけん!欲しいプラモデルがあるで、
それ買いたいんや!はようお金ください!」

「君らが連れてきた子犬、ここに来てどうなるか
知ってるか?」

「……?」

小学生たちは一瞬、顔を見合わせた。
どうやら子犬のその後のことは何も知らないらしい。

「あのな、ここに連れて来られた犬は、みんな
あと数日で殺されてしまうんや。この子犬も
そうじゃけん。みんな殺されてしまうんやで。
それでもええんか?」

「かまわんけん!はようお金ください!はよう
行かんと、プラモデル屋さん、閉まってしまうけん!」

4:オニオン:2012/06/28(木) 17:47 ID:vlQ

持ってます!この小説!
泣けましたよね。
入れてください!


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