LOVE GAME

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1:nana:2012/07/07(土) 16:01 ID:0Rc

私が恋をして付き合うまでを書いてるnanaです!!

書こうか迷ったんですが書いていこうと思います。自己満足です!

駄作ですが読んでいただけたら嬉しいです(*^_^*)

コメくれたらアホみたいにはしゃいで喜びます(笑)

よろしくお願いします<m(__)m>

2:nana:2012/07/07(土) 16:21 ID:0Rc

プロローグ


裏切られたくなかった。

傷つきたくなかった。

あんな想い、もうしたくなかった。

本当とか確信とか、この世界には一つもない。

ただ、人間がそう決めつけているだけで本物なんかどこにもない。

もう利用されるなんて嫌。

そっちがそうならこっちだって利用してやる。

ただ、自身を満たすだけの存在ならきっと傷つかなくて済む。


あなたはどうなの?

私を好きでいてくれる?

私を愛してくれる?

私を裏切らないでくれる?

きっと無理に決まってる。だって、これはGAME。

本当の愛を知ったのはあなたが初めてだよ。

私の負け。

3:nana:2012/07/07(土) 16:52 ID:0Rc

「ミキちゃんこっち向いて〜いいねぇ」

カシャカシャとカメラのシャッターを切る音が鳴る中、いろんなポーズをキメる。柊美紀(ひいらぎ・みき)21歳。モデル。

14歳の時あることがきっかけでモデルになった。

JUNという人気ファッション雑誌のモデルで、私は人気bPらしい。

「ミキちゃんお疲れ!」

キャップをかぶったいつも私を撮ってくれる少し太っている中年カメラマンさんの、合川健斗(あいかわ・けんと)

「ありがとうございました」

笑顔で彼や周りにいたメイクさんスタッフさんに言う。

「そういえば明日、新人のカメラマンが入って来るから仲良くしてやってね」

「新人カメラマン・・・?男の人ですか?女の人ですか?」

「残念ながら男」

と残念そうに言う合川さん。

「男か・・・・」

私は小声でつぶやいた。

「え?」

合川さんが私の言葉が聞き取れず私の顔を覗き込み聞き直した。

「あ、いえ、何もありません。お疲れ様でした」

私は軽く会釈してスタジオを後にした。

4:nana:2012/07/07(土) 17:11 ID:0Rc

「ミキちゃん、俺、ミキちゃんが好きなんだ」

メールで男に近くの喫茶店で会えないかと言われ、仕方なくその喫茶店に行った。

「さよなら」

私は立ち上がり店を出ようとすると男が私の腕を持ち、引き止めた。

「離して」

男はソファに座りながら私の腕を体を伸ばしながら必死に引き止めた。

「待って!本気なんだ!最後まで話を聞いてくれ!」

男は最近モデルになった奴で、顔は全然タイプじゃないし私のほうが身長も高い。

男は私に一目惚れしたらしく私に告白してきた。

本気で付き合うなんて考えさらさらなかった。ましてやよく私に告白ができたものだ。

だが、金は持っていたので利用できると思い“GAME”を提案した。

2か月付き合い、先に好きの言葉を発した方が負けという安易なGAME。

今回なんて勝つに決まってる。

だって、好きだって言われたやつとやったんだから。

何人かの男とこのGAMEをやったことはあるが私は負けたことがない。

5:nana:2012/07/09(月) 23:47 ID:0Rc

でもそんなの、嘘ついてたらいいんじゃない?って思うでしょ?

私は昔から人の顔色とか窺ったりして生きてきたから何となく“こいつ嘘ついてるな”ってわかる。

わかるから嘘は私に通用しない。

「ミキちゃん、俺と結婚しよう。欲しいものなんだって買ってあげる!お金だってあげる!だから、」

私はその男を殴った。

グーで。

男は右頬に私のパンチを食らい口の端から血を流してしりもちをついた。

「ふざけんなっ!!金であたしを釣って手に入ると思ったら大間違いなんだから!!」

私はこれでもかってくらいに男を睨みつけた。

すると男はポカーンと口を開け固まっていた。

そして私は店を出た。

6:nana:2012/07/10(火) 00:10 ID:0Rc

私は本気で人を愛したくない。

きっと、散々人を狂わせといてポイって簡単に私を捨てると思うから。

もう傷つくのは嫌なの。

二度とあの時のような思いはしたくないの――――・・・・


次の日、撮影現場に行ってみると結構身長の高い黒髪の男が立っていた。

後ろ姿で顔は見えない。ただ、知らない男だということはわかった。

「ミキちゃん、おはよう」

後ろから合川さんの声が聞こえ私の横を合川さんは通って行った。

「おはようございます」

軽く会釈して顔を上げると私は目を見開いた。

かなり整った顔の男の目がじっと私に向けられていた。

私は男と目を合わせ動けなくなった。見惚れてしまったのだ。

吸い込まれそうな黒い大きな瞳が私をじっと捕えている。

「嗚呼、ミキちゃん紹介するよ」

合川さんの声で我に返る。

「今日入ってきた新人。水嶋和也(みずしま・かずや)仲良くしてやって」

「よろしくお願いします」

水島和也は、深々とお辞儀した。

「よろしくお願いします」

私はただ、軽く会釈した。

「かっこいいだろ?水島はモデルになれると思うんだけどな〜」

そう自慢げに言って、合川さんは水島和也の肩をポンポンと叩いた。

水島和也は緩く微笑み「言ったじゃないですか。写真に写るのが苦手だって」と言った。

「カメラマンのくせに写真に写るのが苦手なんて、お前も変わってるなぁ」

合川さんは少し、高笑いした。

7:nana:2012/07/10(火) 00:25 ID:0Rc

これが彼との出会い。

彼も私の写真撮ってくれるのかな?と、思ってたらずっと裏の仕事ばかりやっている。

まぁ、入ってきたばかりだしそんな簡単にはここではカメラに触れないか。

私がポーズを決めている中、彼はじっと私を見つめている時があった。

そうゆう時って、なんかやりにくい。

「お疲れ様です」

そう言って休憩時間に水嶋和也は水が入ったペットボトルを渡してきた。

「どうも」

なんかよくわからないけど凄く、水の入ったペットボトルを受け取るときドキドキした。

椅子に座り足を組んでストローが入った箱から一つ取出し水を飲んだ。

背景に使う道具なので回りが少しゴチャゴチャしていてたくさんのスタッフがいる中、椅子に座っていた。

普通ならこんなに周りはゴチャゴチャしてないしスタッフもこんなにいない。なのに今日だけはやけに多い。

なんだか、たくさんのスタッフで熱気が結構すごい。

すると、横から生温い風がふわふわきた。

横を見ると水嶋和也がパタパタ私に向けて団扇で扇いでた。

8:nana:2012/07/10(火) 14:28 ID:0Rc

「何やってんの?」

「団扇を扇いでるんです」

いや、それはわかってるんだけど・・・・。

「暑いかと思って、扇いでるんです」

「どうも・・・」

やけに気が利く。

「ミキちゃん、もういいよ。ごめんね!お疲れ様〜」

私は立ち上がり軽く会釈した。

「お疲れ様です。ありがとうございました」

控室に行き着替えて家に帰ろうとした時、後ろから名前を呼ばれた。

「ミキちゃーん♪ねぇ、一緒に食事しない?!」

後輩の男が言ってきた。

「無理」

冷たく言う。

「えー!そんなこと言わずに〜おごります!ね?行きましょうよ〜!あ、またあのGAMEしたいです!!」

男は手の平を合わせて私にお願いしている。

GAME、この間やったじゃん。

当然私が勝ったけどね。

後輩のくせに。男って、金を与えたら女は言うこと聞くとでも思ってるの?

どうせ、自分だって体目当てなくせに。

「行かない」

また冷たく言う。

自分ってホント、可愛くない。

無理なら無理でもっと違う断り方があるというのにこんな謝り方して・・・。

こんな無愛想でも男は私に寄って来る。

変な男ばっかだけど。

そんなこと思ってるといきなり男が私にキスをした。

「っ――――・・・」

手首を強くつかまれ、男の力にかなうはずもなく、逃げられない。

もういいや・・・。

静かに目を閉じて男のされるがままになってやろうと思った時、私の手をつかんでいた手はなく、男はむせて横に倒れた。

腕を引っ張られ控室を出て走り出す。

撮影現場から少し離れた着物屋の前で止まった。

「すみません」

「水嶋和也・・・」

彼が助けてくれたのか・・・。

よくわからなかった。

「何で謝るの?」

助けてくれたのに。

「話し全部聞いていて。あと、余計なことしたかなと思って」

「嗚呼、別にいいよそれぐらい。別にどっちでもよかったし」

そう、どっちでもよかった。

抱かれようが抱かれまいが、どっちだってよかった。

9:nana:2012/07/10(火) 14:46 ID:0Rc

「助けてくれたし、時間あるならなんかおごるけど?」

「ありますけど・・。別にいいです」

「行こうよ!」

そう言って近くのお洒落な喫茶店に入った。

奥の席に座った。

「あの、嫌だった?」

もしかしたら迷惑だったかもしれない。

「別に、大丈夫です。ありがとうございます」

彼は逢った時から表情一つ変えない。

無表情。

10:匿名さん:2012/07/10(火) 16:22 ID:PUw

面白い!

11:nana:2012/07/11(水) 13:47 ID:0Rc

匿名さんありがとうございます(;_:)
面白いだなんて勿体ないお言葉ありがとうございます<m(__)m>
嬉しすぎて鼻血でそう←
これからもよろしくお願いします<m(__)m>

12:nana:2012/07/11(水) 14:07 ID:0Rc

「水嶋君ってあんまり笑ったりしないよね」

カレーを突っつきながら私は言った。

「よく人に言われます。笑うのあんまり得意じゃないんで」

だろうね。朝だって少し笑ったけど作り笑いにしか見えなかったし顔が少し引きつってた。

「柊さん、ゲーム好きなんですか?」

「へ?」

いきなりの質問に間抜けな声が出た。

「いや・・・私はどっちかっていうとあんまりかな・・・。どうして?」

「さっき、柊さんが男と話すのを聞いていて」

嗚呼、それでか・・・。

「それはねぇ、」

私は今まで男とやってきたGAMEの内容をすべて水嶋君に話した。

きっと引くだろうな、そう思ってた。

けど、彼の反応は予想外だった。

「面白いゲームしてるんですね」

そう言って彼は笑ったのだった。

13:nana:2012/07/11(水) 14:21 ID:0Rc

そして、彼は驚く言葉を発した。

「俺ともしませんか。“GAME”」

「・・・」

驚いて声も出ない。そんなこと言うなんて思ってなかったから。

「い、いいよ」

水嶋君は緩く微笑んだ。

期間は二か月。

その間、キスだってそれ以上だってOK。

最初に負けた代償として何かを賭ける。

先に好き、愛しているなどの好意を持った言葉を発した方が負け。

負けたほうは賭けた何かを勝った方に渡す。

二か月の間、どちらも相手のことを好きにならなければ何もない。それで終了。

14:nana:2012/07/11(水) 14:33 ID:0Rc

「何賭けるの?」

「ミキは?」

いきなり名前で呼ばれたので驚き、胸が高鳴った。

その私の様子を見てフッと笑う。

「私は、負けたらなんだって言うこと聞いてあげる」

「じゃあ、俺はミキが欲しいものなんだって買ってやる」

なんか、急にタメ口になってる。

絶対に負けない。

負けるなんてありえない。

私は“あの日”から恋愛には深入りしないと決めた。

男を信じないと決めた。

だから、負けるなんて絶対にない――――・・・


 GAME START

15:nana:2012/07/11(水) 14:46 ID:0Rc

「和也、ご飯行こう〜」

ゲームスタートから一週間。特に大きな変化はない。

変わったことと言えば、二人とも名前で呼び合ってタメ口になったところぐらい(和也に関しては初日から)

私と和也は居酒屋に行くことになり近くの洒落た居酒屋に来た。

注文を済ませて個室の部屋に二人っきりになる。

「和やってさぁ写真撮らないの?」

ずっと気になっていた。

和也が現場に来てから二週間、カメラを現場で使っているところなんて見たことがない。

「俺なんかまだまだだからそう簡単には使わさしてはくれないよ」

え、まだまだなんだ。

「へぇ・・。いつも何撮ってんの?」

「公園にいる子供とか、犬とか猫撮ってる」

16:nana:2012/07/11(水) 14:55 ID:0Rc

頼んでいたご飯やビールが運ばれて手を付けていく。

「私で良かったらモデルしてあげようか?」

何気なく言った言葉。

「マジで!?」

それがこんなに人が喜ぶと思ってはいなかった。

「うん。私で良ければね」

「全然いいよ!むしろ嬉しい」

和也は微笑んでそう言った。

私なんかでも役に立つんだ。

私は春巻きを口に入れてしみじみ思った。

「明日開いてるけど?私の家でしな?」

「いいの?」

「良いから言ってるんでしょ!」

和也の目はキラキラと輝いていた。

今日、本当の和也の笑顔を見たような気がする。

17:nana:2012/07/11(水) 23:25 ID:0Rc

次の日。お昼から和也が私の家に来た。

「なんか、お洒落」

「そう?ありがとう」

本人には黙ってたけどかなり気合入れて綺麗にしたからね。

「服、これでいい?」

深い青色のマキシワンピースを着ているだけのシンプルな格好。

「全然いいよ」

そう言ってカシャっとカメラのシャッターを切る。

え、もう始まってるの?

私はポーズを決めていく。

「なんか、肩に力が入ってるからもっとリラックスして?」

「うん・・・」

そんなこと言われても、そんなにじっと見つめられてたら出来ない・・。

撮影は三時間続き、もう三時。

「休憩する?」

私の言葉に彼は頷いた。

彼との撮影も結構慣れてきて集中できるようになった。

「コーヒー飲める?」

「うん。ありがとう」

キッチンに行きコーヒーを作り和也に渡す。

「ありがと」

テーブルの椅子に向かい合わせで座りコーヒーを2人して飲んだ。

「今日は本当にありがとう。なんか、夢見たい」

そう、彼は言った。

「うん。ねぇ、何でカメラマンになりたいの?」

何となく思った疑問を彼にぶつける。

「え、別に・・・ただ、好きだから」

ただ、好きだから。この言葉が私の胸を痛めた。

「ミキは何でモデルになったの?」

その質問で“あいつ”のことを思い出した。

そして胸が痛くなった。

「え、えっと・・・元彼が勝手に私の写真雑誌に送って・・・それで」

彼が勝手に写真を送ったこと、私はすっごく感謝してるよ。

おかげで新しい世界を見ることができたから。

18:nana:2012/07/11(水) 23:35 ID:0Rc

コーヒーを飲み終え、再び撮影開始。

そして気が付けば辺りはオレンジで染まっていた。

「ねぇ、服かえようか?」

一緒のばっかいっぱい撮っても面白くない。

「何がいい?ヌード?何てね」

もちろん冗談で言った。

けど・・・・。

「いいよ」

そういって私の服を和也が脱がせた。

彼の行為に固まる自分。

「え、」

マジでするの?

そんなことを思っているとキスをされた。

彼との初めてのキス。

何人もの男とキスをしてきたのにすごくドキドキする。

「ん・・・っ・・」

キスはだんだんと深くなっていった。

19:nana:2012/07/11(水) 23:44 ID:0Rc

朝。今日はいつもと同じ朝ではない。

「おはよ・・・」

そう。昨日あのまま最後までしてしまったのだ。

私は目をこすり「おはよ・・」と返した。

まさかヤっちゃうとは・・・

まぁ、いいんだけども。

私は朝から彼の引き締まった綺麗な体を見て見惚れていた。

「何?」

私の目線に気付いたのか和也が聞いてくる。

「いや、べつに」

そう言って目をそらした。

「昨日は、ごめん。急に」

「別にいいよ。GAME中ならなおさら」

って、そんなことよりも眠い・・・。

昨日は、うん。かなりハードだったから。

寝たい・・・そんな私の思いも知らず私にキスばかりしてくる。

まぁ、いいんだけどね。

20:雪菜:2012/07/12(木) 00:17 ID:20g

初めて読んだんですけど、とっても×100おもしろかったです♪

続き、楽しみにしていま〜す♪

21:りっこ:2012/07/12(木) 15:01 ID:CDw

とても面白かったです!!

続き書いて下さい!!

22:nana:2012/07/14(土) 01:36 ID:0Rc

雪菜さん、面白いだなんて勿体ないお言葉ありがとうございます(;_:)

涙がチョチョ切れるぐらいに嬉しいです(>_<)←

私が恋をして付き合うまでという小説も書いてるんで良かったら見てください!!(駄作でよければ)

本当にありがとうございました<m(__)m>

23:nana:2012/07/14(土) 01:45 ID:0Rc

りっこさん、面白いだなんてそんな・・・(/_;)

嬉しすぎて死にそうです←

続きさっそく書いていきます(^^)/

私が恋をして付き合うまでという小説も書いてるんで良かったら見てください!!(駄作でよければ)

本当にありがとうございました<m(__)m>

24:nana:2012/07/14(土) 02:03 ID:0Rc

好きだ、愛してる。何度この言葉を男に言われてきただろう?

そして、何度私は騙されてしまったんだろう?

もう私は騙されない。

ただ、男が好きなのは私の体。

心じゃない。

もう、私は二度と騙されない―――――・・・・


「写真集ですか?」

「そう、前からずっと考えてたんだ。どうかな?」

撮影が終わってから合川さんに呼び出され、言って話を聞くと私の写真集を作りたいらしくて・・・。

「嬉しいです。よろしくお願いします」

もちろんOKした。

「よかった。読者は柊美紀のことをもっと知りたいって思ってるはずだからね」

そう言って薄い本を渡された。

「これ読んどいて。写真集のこと書いてるから。いつやるとか、何処でやるとか」

「もう作ってたんですか?」

「嗚呼、きっとミキちゃんならOKしてくれると思ったからね」

OKしなかったらどうするつもりだったんだろう(笑)

「わかりました。失礼します」

私は部屋を出て控室で着替え控室を出た。

「あ、和也」

和也は何もない廊下の壁にもたれかかっていた。

「よお」

「こんなところで何してんの?」

「お前待ってたんだよ」

え、今日、一緒に帰る約束なんかしたっけ?まぁ、いいや。

「ありがと。帰ろう?」

25:nana:2012/07/15(日) 01:21 ID:0Rc

和也と話しているうちに、ご飯を食べに行くことになりこの間、一緒に行った居酒屋に行った。

「ミキって何でこんなことしてるの?」

「こんなこと?」

酎ハイを一口口に含み、脚を組み替えた。

「もしかしてGAMEのこと?」

彼は頷いた。

「・・・ただの暇つぶし」

たしかに理由の中に暇つぶしも入ってる。

けど、本当の大きな理由は・・・・。

「なんか、嘘っぽい」

和也は片方の口元をあげてフッと笑った。

「・・・いいわよ。本当のこと教えてあげる」

ふぅ。と、息を吐き目をつぶった。


3年前―――――・・・・

私は、生まれた時から近所に住んでいた幼馴染に、12歳の時に告白された。

私はずっとその幼馴染のことが好きだった。だから、返事はもちろんOK。

いっぱい笑って、いっぱい喧嘩して泣いて・・・周りからも仲が良いって言われて、交際は順調だった。

けど、18歳になって急に彼が冷たくなった。

電話もメールも全然向こうからしてくれないし、私からしてもあまり出てはくれなかった。

ただ、今は機嫌が悪かったりするだけ・・・そう思ってた。

けど、ある日聞いてしまった・・・。

「お前、柊とは別れね―の?」

「別れねーよ。だってあいつ良い体してんじゃん」

私は耳を疑った。

「んだよ。別れるなら俺がもらおうと思ってたのに」

「今度貸してやろうか?もう、あいつ飽きたし。他の女もいるし」

信じれなかった。私は嘘だと自分に言い聞かせ、夢だと現実から逃げた。

次の日、彼に夜抱かれた。

幸せだった。昨日のことはやっぱり嘘だったんだって、夢だったんだってそう思った。

彼は愛してると何度も言ってくれた。好きだと、ずっと一緒にいようと何度も何度も――――・・・・

彼が寝ている間に私は彼の携帯を見た。

嘘だっていう現実を見たくて、安心したくて。

彼の携帯には他の女とのやり取りが全部あった。

気づいたら服を着て彼の家を飛び出して、自分の家に帰っていた。

26:nana:2012/07/15(日) 01:41 ID:0Rc

ボロボロ流れる涙。何度タオルで涙を止めようと拭っても溢れ出てくる涙。

愛してるって言葉は嘘だったの?

好きだって言葉もずっと一緒にいようって言葉も、今まで言ってくれた言葉も全部全部――――・・・

嘘だったの?

気づいたら大量の薬を含んで気を失っていた。


「マンションの管理人さんが、玄関のドア開けっぱで不審に思って中を覗いたら、私が倒れてて救急車で運ばれたの」

和也は何も言わず、黙って私の話を聞いていた。

「きっと、あの時の私、おかしかったんだね。彼に依存しすぎてた」

私は一気に酎ハイを飲み干した。

27:りっこ:2012/07/15(日) 10:09 ID:iL.

やっぱり面白いです!!

てか幼馴染ひどっ!!

体目当てだなんて・・・

そんな男に引っ掛らないようにしなきゃ・・・

28:nana:2012/07/16(月) 09:57 ID:0Rc

りっこさん、ありがとうございます(/_;)

そうですよね!気を付けないと・・・

って、私は大丈夫かww

29:nana:2012/07/16(月) 10:20 ID:0Rc

もう、男を深くは愛したくない。

利用されるだけなんて、やだ。

だからこっちも利用してやるの。

傷つきたくない。だからもう深い愛はいらない。踏みにじられたくないから。

私は心の誓った。

GAMEをやってるのはただ、自身を満たすためにしてるだけ・・・。


「バカみたい・・・。自分が狂ってしまうほど人を好きになって・・・捨てられて」

私は肘をついた。

きっと、私はこの人生を一人で生きていくんだろうな。

もう誰も信じたくない・・・。

一人でいたら傷つく心配もないし、一人でいたい。

「もう誰も信じたくない・・・。愛したくない」

そう、つぶやく。

すると、黙っていた和也が急に口を開けた。

「俺がミキを惚れさせてやるよ」

30:nana:2012/07/16(月) 10:28 ID:0Rc

私は高笑いした。

「無理。絶対無理!惚れさせる前に、あんたが先に私に惚れちゃうんじゃない?」

「かもな」

彼も笑う。

「和也って面白いね。あ〜こんなに笑ったの久しぶり!」

「ミキの方が面白いよ」

和也は酎ハイを一気飲みした。

31:匿名さん:2012/07/17(火) 19:17 ID:3tY

「結婚しよう」

end

32:雪菜:2012/07/18(水) 23:36 ID:EcI

何回読んでも、飽きないです!
大ファンに、なりました♪
nanaさんなら、プロになれますよ!
私、めっちゃ応援してます!

33:nana:2012/07/19(木) 01:03 ID:0Rc

匿名さん、結婚するかはまだわかりません!!
コメありがとうございます(;_:)

34:nana:2012/07/19(木) 01:07 ID:0Rc

雪菜さん、ファン!?ありがとうございます(゜o゜)
飽きないと言って戴けて嬉しいです(;_:)
プ、プロなんて駄作しか書けない私には絶対無理です(>_<)
応援ありがとうございます<m(__)m>
本当にありがとうございます!!

35:nana:2012/07/19(木) 01:24 ID:0Rc

「友達とか教えてくれないかな?」

「いません」

スタッフの顔が引きつる。

「あ、じゃさ!学生時代とかにいた友達とか・・・」

「いません」

スタッフの顔から笑顔が薄れた。

写真集の中に、柊美紀の実態みたいな特集があって私は撮影の合間を縫ってそれの質問に答えてる。

涼しい控室でスタッフと向い合せになって座る。

「えっと好きな食べ物は?」

スタッフはめげずに私に質問を投げかけた。

「野菜です」

「特に野菜の中で好きなものとかは?」

「野菜なら何でも」

「あ、そうですか」

スタッフの心は折れかけている。

「じゃあ、逆に苦手な食べ物は?」

それが分かったのか他のスタッフの男が質問を投げかける。

「肉系です。あと、乳製品」

「じゃあ、昔付き合った男の人数は?」

何人だろう?GAMEとかしてるから、結構いる・・・。

「8人ぐらいですかね」

36:nana:2012/07/19(木) 14:13 ID:0Rc

友達なんて、できたことない。

作ろうとも、欲しいとも思ったこともない。

友達なんて、私の中ではただ、自分は一人じゃない。自分の周りにはこれだけの人がいます。って、自分を強く見せようと、一人じゃないよって周りに見せるためだけの

利用するもの。そう、私は思ってる。

こんなこと思ってるって、知られたら可愛そうな人間だとか、寂しい人間だとか言われて引かれるに決まってる。

人が嫌い。

特に嫌いなのは、女。

女は大勢で固まって、弱い者をいじめる。

男は女に比べたらましだけど、一緒のようなものだ。

ほぼ毎日のように、大勢固まった女にグチグチ陰口言われたり、人の男を取ったとか、毎日何人もの男とヤってるとかデマを言われたり、トイレで水をかけられたり、体育館とか裏庭に呼び出されてキーキー女がわめいてなぜかビンタを食らわせられたり・・・。

ほぼ毎日のように、男には告られ、ストーカーされ、襲われかけたり、そんなことが起こったら女子たちにキーキーわめかれ・・・・。

学生時代。いい思い出なんて・・・ない。

もう、思い出したくない。

37:nana:2012/07/19(木) 15:01 ID:0Rc

そんな私の学生時代の生きがいはモデルという仕事だった。

モデルなんかやって生意気とか学校で言われたけど、この仕事があるから私は今、生きてるようなもん。

モデルという新しい世界が見れるということ。

私という醜いものを綺麗に映し出してくれる。ただの思い込みだと思うけど、きっとこの世界は私なんかを受け入れてくれてるということ。

私の天国。その天国を私の受け入れてくれる居場所を彼が見つけてくれた。

悔しいけど、すっごく感謝してる。


「やっぱり流石だね〜」

「8人って、やばいっすね!」

心の折れかけていたスッタフが笑顔を取り戻し、他のスタッフと顔を見合わせた。

控室のドアが開き、合川さんが顔を覗かせた。

「すいません。もうそろそろ撮影始めたいんですけど・・・・」

「あ、すみません。ミキちゃん、撮影の合間縫ってくれてありがとうね」

私は立ち上がり、深々と頭を下げた。

「こちらこそありがとうございました」

38:nana:2012/07/19(木) 15:58 ID:0Rc

撮影が終わり町に出る。

「あの!!」

目の前に急に入り込んできたショートヘアーのナチュナルメイクの制服を着た女の子。

「柊美紀ちゃんですよね!?」

スタッフさんとかに町では変装して出ろと、言われたけど、私は変装せずに外に出る。

だって、別に悪いことしたわけでもないのに変装なんてしたくない。

めんどくさい。

町に出たら変装してないから結構な確率で話しかけられる。

「サインください!」

ペンと手帳を出してキラキラ瞳を輝かせながら私に差し出してきた。

私なんかのサイン欲しい人なんかいるんだね。

そんなことを想いながらペンを走らせる。

「ずっと憧れてたんです!頑張ってください!!」

こんな褒められたっていうか、良いように言われたのが初めてでどう反応すればいいかわからなかった。

「ありがとうございます・・・」

ただ、出る言葉はこの言葉だけ。

女の子は深く頭を私に下げて、走ってどこかへ行ってしまった。

携帯が震えたのがわかり、携帯を開く。

和也からだ。

39:nana:2012/07/19(木) 16:23 ID:0Rc

「もしもし?」

「今会える?」

別に予定も何もないし私はOKした。

「じゃあ、三丁目のくるみ駄菓子屋さんの横に喫茶店があるからそこに来てくれない?」

「わかった」

電話を切り携帯を閉じて目的地へと向かう。

割と近いところだったのですぐに着き、喫茶店に入る。

今風ではないレトルトな喫茶店の中に入るとこっちこっちと手を振る和也がいた。

和也の方へと足を進めるともう一人誰かいる。

私は体が固まった。


ここに来たことは、良いのか悪いかわからない。

ただ、複雑な気持ちと昔の記憶が頭の中でグチャグチャになった。

「来希―――――・・・・」

40:nana:2012/07/19(木) 16:53 ID:0Rc

私をモデルという世界に連れてきてくれた人。

そして、私の元彼であなたに裏切られて薬を大量に飲んで死のうとするぐらい私を狂わせた人物。

佐々木来希(ささき・らいき)

どうしてここにいるの?

「ミキ・・・?」

和也が私の名前を言う。

どうしよう。

来希はじっと私を見つめる。

ゆっくりと足を進めて、和也の隣に座った。

「ツイッターで知り合ったんだ。ミキの話したら彼が会いたいって」

何で今更会いたいだなんて・・・・。

「久しぶり。元気にしてた?」

来希は優しく微笑んだ。

あの頃と全然変わってない。

栗色の癖のある髪も声も笑顔も―――――・・・・

「知り合いなの?」

和也が私に問いかけた。

「まぁ・・・」

私は曖昧に答えた。

「幼馴染で6年間ぐらい付き合ってたんだ」

和也は驚いた顔で私の顔を見た。

「二人で話してもいいかな?」

来希は和也に訊く。

「・・・わかった」

和也は喫茶店から出て行った。

41:nana:2012/07/19(木) 17:38 ID:0Rc

「まだモデル続けてたんだ」

「うん」

和也は優しく微笑む。

「何で私に会いに来たの?」

今更、私に言うことなんかないでしょ・・・?

もう、関わらないでほしい・・・。

すると、来希が驚く言葉を発した。

「もう一度、ミキとやり直したい」

来希の言葉で私の中で何かがブチッと切れた。

「来希、本気で言ってるの!!?今更そんなこと、『あの時は本当にごめん!!』

来希が私の言葉をさえぎって言葉を発した。

「俺あの時本当に馬鹿だった・・・・。本当にごめん」

来希は頭を下げて謝った。

「どうして今更・・・」

「ずっとミキのこと探してたんだ。高校を卒業してから、引っ越ししたから・・・。ミキじゃないと駄目だって気づいたんだ。そんなの、今更都合が良すぎるけど・・・」

42:nana:2012/07/19(木) 22:17 ID:0Rc

「はぁ・・・」

「またため息」

あの後、来希と別れてBARに行った。

暗い照明で、キャンドルの光でカクテルのバンブーが美しく輝いている。

「ごめん。まさか彼が例の彼だったとは・・・」

「ふっ、まさかまた、私の目の前に現れるとはね・・・」

そして、まさかやり直したいなんて言うなんて想像もしてなかった。

「どうするの?」

「・・・さぁ?」

クスッと和也は笑いカクテルを飲み干した。

43:nana:2012/07/19(木) 22:23 ID:0Rc

日記掲示板で日記書いてるから良かったら見てください(>_<)
ほとんど独り言で、しょうもないことばっか書き込んでますけど(^_^;)
それでも良かったら見に来てください<m(__)m>
突然宣伝すみません(>_<)

44:nana:2012/07/19(木) 22:38 ID:0Rc

「撮影日は、ちょうど来週の8月5日。小笠原諸島で撮影するそうです」

私は軽く何度か頷く。

JUNの雑誌の撮影を終え、メールとか送られてきていないかチェックする。

すると、知らない人からメールが送られていた。

来希だけど、今日会えない?

来希からのメールに胸が大きく高鳴る。

どうしてメアド知ってるの?

私ずっと変えてないからもしかして、私のメアド消さないでいたの?

私の頭の端っこに、嬉しい自分がいた。

私はすぐに、会えるよと返信した。

来希が家に来てほしいと、メールが送られてきて地図もメールと一緒に送られてきた。

5時に来希と会う約束をした。

45:nana:2012/07/19(木) 23:06 ID:0Rc

来希との約束の時間より30分早く来希の家に着き、家の目の前の喫茶店でレモンティを飲んで暇つぶしした。

綺麗な透明のガラスは、来希の一軒家を映し出していた。

残り10分。

そろそろ行こうか、そう思ってお金を払い店を出た時に、来希が3〜4人の男たちと家の前に来た。

何となく電柱に隠れる。

「マジかよ!?え、あの柊美紀が今日ここに来んの!?」

「嗚呼、それで今日、やり直すかどうか答え訊く」

「ちょっと待てよ〜。訊くの早すぎない?絶対この賭け俺の勝ちだな」

賭け?何それ・・・・。

「やり直すって言うよ。だってあいつバカだもん」

来希はフッと笑う。

「まぁ、断られても無理やりヤるけどな」

「ずるい!俺も混ぜろよ〜。YESって答えたら付き合うの?」

「当たり前じゃん。あいつ良い体してるし、モデルだぜ?自慢にもなるし、金にも困らないから捨てるわけないだろ」

「あ〜羨ましい!飽きたら俺に貸してくんない?」

「いいよ。金は取るけどな」

来希とその周りにいる男たちは笑った。


あなたは何も変わっちゃいなかったね。

私はただの道具?

私はただのロボット?

本当に、何にも変わっちゃいない。

バカのまんま。

気づいたら私は彼の方へと歩んで彼をビンタしていて、気づいたら家に帰っていて家の中で睡眠剤とかかき集めて大量に口に薬を入れて水で流し込んでいた。

46:nana:2012/07/19(木) 23:26 ID:0Rc

目が覚めると、いつもと違う天井が見えた。

ここは天国?私は死んでしまったの?

「ミキ・・・」

和也が心配そうな顔で私の手を握っている姿が見えた。

嗚呼、私また死ねなかった。

笑いが込み上げて、涙が目からとどめなく溢れていく。

「また、死ねなかった・・・」

もう楽になりたい。

「俺が見つけたんだ。控室にハンカチ忘れて行ってたから届けに行ったらドアが開きっぱなしで、ミキが倒れてて・・・」

「は、あはははは、はははは!」

笑い声が病室に鳴り響く。

狂ってしまったのか、自分でもわからない。なんで笑いがこんなに込み上げてくるのか。

私は起き上がり壁にもたれて座る。

「また昔とゴホゲホ、一緒のこと、あ゛、繰り返してる・・・。あはは!!う゛、っは、」

笑いと一緒に、涙も目から溢れて、苦しくて上手くしゃべれない。

私も、変わってない・・・・。

和也が私をきつく抱きしめる。

「何がそんなに面白いの?」

「わが、んない、ヒック」

和也は優しく私の背中をさすった。

47:nana:2012/07/19(木) 23:43 ID:0Rc

なんとか少し落ち着き、ボーっと天井を見つめた。

ドアが開き、和也が事務所や合川さんたちに電話して戻ってきた。

「一応、嘘ついたけど・・・」

「ありがとう」

モデルという仕事だけは、生きている限り失いたくない。

「・・・・」

「・・・・」

沈黙が続き自ら、沈黙を破った。

「あいつは何にも変わってなかった」

和也は黙って私の瞳を見つめた。

「けど、私も、私も変わっちゃいなかった・・・」

静かに私の頬に涙が流れ落ちた。

「また、昔と一緒のこと繰り返して、もうバカだよ・・・」

「あの人のこと、好きだったんだ・・・」

私は静かに頷いた。

悔しいけど、大好きだった。

18歳の時だって、あんなこと言われても心の中ではまだ来希のこと好きな自分がいた。

忘れられない存在だった。

けど、もう同じことは繰り返さない。

二度と・・・繰り返さない――――・・・・

48:nana:2012/07/19(木) 23:57 ID:0Rc

病院は退院して、小笠原諸島へ三泊四日撮影に行く。

「綺麗・・・」

大きく深呼吸する。

船で島まで行き、着いてすぐ一日目は自由行動。撮影は、二日目から。

ホテルに行き、自分の部屋へ荷物を置きベットへ寝ころんだ。

やっぱり一人でいると、いろいろと考えたり思いだしたりしてしまう。

コンコンとドアを叩く音が聞こえる。

起き上がり返事する。

入ってきたのは知らない茶髪の男と合川さんだった。

「急にごめんね!二か月間、メイちゃんの代わりにメイクしてくれる野田涼(のだ・りょう)仲良くしてやってね」

いかにもチャライ人が「よろしくお願いします!」と言った。

「野田君、メイちゃんに劣らないぐらいメイクするの上手だから」

合川さんはニコニコ笑って言った。

49:雪菜:2012/07/21(土) 22:07 ID:87c

新キャラ来たー!!
野田くんかぁ〜。
続き楽しみに、してま〜す♪

50:nana:2012/07/22(日) 00:44 ID:0Rc

雪菜さん、コメありがとうございます(:_;)
これからもよろしくお願いします<m(__)m>

51:nana:2012/07/23(月) 11:29 ID:0Rc

「ミキ、お店とか行ってみない?」

和也が私の部屋に来て、私を誘った。

「うん」

ホテルを出て、雑貨屋とかお土産屋さんとかを回る。

寄ったお土産屋さんで、和也が花柄の色違いのコップを買った。

「誰かにお土産?」

「うん。うちの親がお土産お土産うるさくて・・・。ミキは?親とかに買っていかないの?」

「買って行ってもなぁ・・・。意味ないかな」

お土産屋さんを出て隣の雑貨屋さんに行く。

それを見て和也も後ろを駆け足でついてくる。

「どうして?買って行ったら、きっと喜ぶよ?」

和也は微笑んで言った。

「そうかなぁ。じゃあ、この箱買っていこうかな」

丸くて手に乗るぐらいの小さいデコレーションをしているキラキラの箱を手に乗せた。

「これに貝殻入れてあげよ」

52:nana:2012/07/23(月) 11:41 ID:0Rc

レジに行ってお金を払った。

「じゃあ貝殻入れに行こうよ」

和也は海の方へ指さして言った。

「うん」

雑貨屋やお土産を売ってるお店の並びの目の前には真っ白な砂浜が広がっていて、青いとこまでも続く海が見渡せた。

私たちはしゃがんで貝殻を手に取って行った。

「和也は親と一緒に住んでるの?」

「ううん」

「なんか、仲良さそうだね」

「喧嘩ばっかだよ。けど、俺がカメラマンになるって言ったら親は喜んでくれたよ」

和也は笑顔で話した。

「え、和也の親はカメラマンなの?」

「親父がね。でも今は、趣味って感じやってる。ミキの親は?」

「んー・・・わかんない」

「わかんないってなんだよ」

和也がそう言って笑った。

「私、物心ついてから親に会ったことないんだよね」

「え・・・?」

和也の表情が固まった。

53:nana:2012/07/23(月) 12:05 ID:0Rc

「お父さんが死んで、お母さんは体が弱くて仕事もそんなにできなくて私が3歳の時、施設に入れられたの」

だから、こんな貝殻拾ったって意味はない。箱だって買ったって意味はない。

「今頃何してるかな〜お父さんとお母さん・・・」

顔も声も何もわからない知らない私の親。

きっと元気でいるはず。

「・・・ごめん」

「え、何で謝るの?そんな顔しないでよ!」

「それ、拾ってどうするの?」

「んー家に飾っとく!もう、これぐらいでいいかな。和也あっちでタピオカ飲もう」

私は走ってお店が並んでいるところへ行った。

もし、私に親がいたとしても私を愛してはくれるだろうか?

自殺未遂したような私のことを。

自分の体を男に売るようなことをする私のことを。

愛してくれるのだろうか?

「はい。タピオカマンゴー」

「ありがと」

「勝手に選んだけどマンゴーで良かった?」

「うん」

タピオカマンゴーをストローで飲む。

「ねぇ、もし私に親がいたとして、私を愛してくれるかな?」

「へ?」

いきなりの質問に和也が戸惑う。

「私、自殺未遂とか自分の体男に売るようなことしてるじゃん?そんなんでも、私を愛してくれてたかな・・・」

和也は俯き少ししてバッと顔を上げた。

「愛してくれるよ」

「何でそう思うの?」

和也は微笑んで「親だから」という意味不明な答えを出した。

「・・・なんかよくわかんないけど、そっか」

よくわかんないけど、納得している自分がいたりした。

54:nana:2012/07/24(火) 00:25 ID:0Rc

和也と話しているうちに空は狐色に染まっていた。

「そろそろ戻ろう」

ホテルへと足を進めて自分の部屋に着き、和也と別れる。

部屋の電気をつけテレビの前にあるソファにバックを置く。

買った箱をベットの近くにある白い薔薇が飾ってある花瓶の、小さなテーブルに置いた。

ベットに転がり白い天井を見上げた。

一人でいるといろんなことを考えてしまう。

なんだか、死にたくなってしまう―――――・・・・

私は起き上がりポーチから安定剤を取出し、水が入ったペットボトルのふたを開けて飲んだ。

こんなのに頼ってる自分が情けない。

自分がどれだけ弱いかが、感じれた。

ベットに戻り再び転がる。

すると頬に涙が流れた。

55:nana:2012/07/24(火) 00:37 ID:0Rc

朝早く、目が覚めた。

昨日あのまま寝てしまったのだろう。

シャワーを浴びて髪を乾かし、鼠色のマキシワンピースに着替える。

時計を見ると5時だった。

集合まであと、二時間もある。

暇なので和也が起きていないか見に行った。

「あれ、ミキさん?」

後ろから男の声がして振り返る。

「野田くん・・・?」

野田君が駆け足で私の方へと向かってきた。

「俺の名前、憶えていてくれたんですね!」

野田君が微笑む。

なんか、昨日と雰囲気が少し違う。

昨日はもっとチャラかったのに。

「こんな時間に何してるんですか?」

「別に何も」

私はそっけなく返した。

「今からコーヒー飲みに行きません?」

「え、私と?」

「他に誰がいるんですか!行きましょう!」

野田君に手を引かれコーヒーを飲みに行くことになった。

56:nana:2012/07/24(火) 00:52 ID:0Rc

ホテルのフロントの近くにあるお店に連れて行かれた。

「あ、もしかして嫌でした?」

「別に。暇だったし」

さっき頼んだコーヒーがテーブルに置かれ、ミルクを入れてスプーンで混ぜて口にした。

「おいしい」

「おいしいですか?良かった」

そういいて微笑む野田君。

それにしても、じっと私の顔をさっきからずっと見てような気がする。

「何?」

思わず聞いた。

すると、野田君は肘をつきながら「綺麗な顔してるなぁっ・・・」とボーっとした顔で言った。

「え?」

「あ、ごめんなさい。見惚れてて」

なんか、おかしな人。

フフッと笑った。

「流石モデルさんですよね。スタイル良いし、顔も綺麗だし・・・。あ、ミキさんってなりたい顔、モデルで一位なんですよ?」

「へぇ」

私の反応を見て野田君はクスっと笑った。

「反応薄っ!もっと喜んでくださいよ!」

喜べって言われても・・・。

私は自分が嫌いだし、何度も自分の体を傷つけようとした。

けど、しなかった。しなかったのはモデルが私にはあったから。

「私なんかにならないほうがいいよ。みんな不幸になる・・・」

コーヒーを一口口に含んだ。

57:nana:2012/07/24(火) 01:09 ID:0Rc

見た目だけで生きていけるとはよく言ったものだ。

こんなに無愛想でも、冷たくても、可愛らしくなくても、狂っていても皆は私を求めてくれる。

自分は、人の利益を生み出しているから。

モデルの仕事だってそう。

GAMEだってそう。

ただ、私は利用されてるだけのロボットに過ぎない―――――・・・・


「私、自分の部屋に戻る。・・・ありがとう」

私は自分の部屋へと戻り荷物を綺麗にまとめた。

そういえば、私メイクしてない。すっぴんで出て行ったな・・・・まぁ、いいや。

メイクをして気づけばもう集合時間。

集合場所のフロントへと急いだ。

人は来ていたもののあまり集まってはいなかった。

「ミキ、おはよう」

微笑みながら和也は言った。

「おはよう」

和也は私の顔を覗き込む。

「え、何?」

とっさに一歩後ずさりする。

「昨日泣いた?」

嗚呼、そういえばベットで・・・。

けど心配させたくなかったので首を横に振った。

「無理すんなよ」

そう言って私の頭を撫でた。

「仲良いんですね」

そう言って野田君が割り込んできた。

「あ、野田君」

思わず声が出る。

「朝は楽しかったです」

彼はニッコリと微笑んだ。

58:nana:2012/07/24(火) 01:15 ID:0Rc

「朝、二人でなんかしてたの?」

和也が聞いてくる。

「あ、『秘密です』

朝のことを言おうとしたら、野田君が私が言うのをさえぎって言った。

え?野田君の顔を見た。

別にコーヒー飲んだことくらい言ったってかまわないんじゃあ・・・?

和也と野田君は向い合せになりじっと目を合わせて逸らした。

59:nana:2012/07/24(火) 01:30 ID:0Rc

海の家を借りてそこでメイクすることになった。

野田君と二人っきりでなんだか気まずい。

「こんな綺麗な人のメイクできるなんて、嬉しいです」

彼は微笑みそう言った。

「そう、ですか」

そんな、改めて言われると恥ずかしい。

野田君にアイメイクをしてもらう。

頬にチークを縫ってもらった。

最後に口紅を塗って完成。

野田君がまじまじと私の顔を眺める。

「こんなに綺麗な人、メイクしたの初めてです」

そう言って、野田君は私の頬を手にして顔を近づけ軽くキスした。

60:nana:2012/07/24(火) 01:43 ID:0Rc

ザーザーと海の音とカシャカシャとシャッターを切る音が鳴る中、私は1人、集中出来ずにいた。

「どうしたの?なんか、今日調子悪いねぇ」

合川さんは困ったような顔をする。

「すみません!」

今は仕事中。集中しないと・・・。

「そうそう!もっと笑って〜」

合川さんは笑顔でシャッターを切りつづけた。

撮影は6時まで続きやっと今終わった。

「お疲れ様です」

途中からもちゃんと集中できて良かった。

「お疲れ様です。ミキさん」

「野田君・・・」

61:nana:2012/07/24(火) 02:04 ID:0Rc

「皆であとで飲みに行くらしいですよ?」

「そうなんだ。ありがと」

「帰りましょう?」

「待って」

さっきからずっと和也を探しているのにいない。

どこに行ったんだろう・・・?

「水嶋さんですか?」

「あ、うん」

辺りを見回すけどいるのはもう私と野田君だけ。

もう帰っちゃったのかな・・・?

「いないみたいだし、帰りませんか?」

「うん・・・」

私たちはホテルに帰った。

野田君と別れて、自分の部屋へ入る。

「疲れた・・・」

ベットへダイブする。

んーと伸びをしてベットでゴロゴロする。

あ、ゴロゴロしてる場合じゃない。

早くシャワー浴びて飲みに行く準備しないと・・・。

そう思っているとコンコンとドアを叩く音が聞こえた。

ドアを開けると和也がいた。

「良かった・・・。居て」

「え?」

「野田君にミキは?って聞いたらもう帰りましたよって言われて、でもホテル戻ってもミキの姿見当たらないから他のスタッフさんに聞いたらまだだっていうから・・・」

え?何でそんなこと・・・。

「あ、俺も飲みに行く準備そろそろしないといけないから」

「うん。またあとで」

洗面所で服を脱ぎ、お風呂に入る。

時間がないので30分程度であがり髪を乾かして服を着て薄くメイクしていく。

バックにいるものを詰め込んで部屋を出た。

62:nana:2012/07/24(火) 13:03 ID:0Rc

ホテルから少し離れた居酒屋に着いて、座敷に座りとりあえずお酒をみんな頼んだ。

皆で乾杯して酎ハイを飲む。

皆ワイワイ騒いで私は一人、黙々といろんなお酒を飲んでいった。

お酒は結構強いほうで、酎ハイ5缶とビール2缶と白ワイン一杯とカクテルをこれでもかってくらい飲んだ。

流石に飲みすぎたかな。

和也を見るとフラフラで顔が真っ赤。

ヤバい。私も飲みすぎて・・・吐きそう。

「う゛・・・」

苦しくなり口を押える。

「大丈夫ですか?!」

いち早く気付いてくれたのは野田君だった。

「ん・・・気持ち悪い」

なんかフラフラする。

こんなんになるまでなんで飲んだりしたんだろうと、後悔する。

「ミキさんホテルに連れて行きます」

そう言って私を立ち上がらさせた。

「すみません・・・」

そう言って、二人で店を出た。

63:nana:2012/07/24(火) 13:17 ID:0Rc

自分の部屋に着き、さっそく私はトイレで吐いてしまった。

20分ぐらいしてスッキリしてトイレを出る。

「大丈夫ですか?」

野田君が私のほうへと寄ってきた。

「うん!吐いたらスッキリした♪ごめんね。迷惑かけて」

「いえ。良かったです。それよりお腹空いてません?ミキさん、店でお酒しか飲んでなかったでしょ?」

そういえば・・・。お腹空いたかな。

「何か頼みましょ?」

「そうだね」

何頼もうかな・・・。

ホテルのメニューを眺める。

「何か頼みたいのあった?」

「俺は別に大丈夫です」

「え、お酒ぐらい頼んだら?」

「そうですね。じゃあ、ブドウ酎ハイ」

と私の隣に来てブドウ酎ハイを指差した。

私も何となくと飲むものが決まり電話する。

「もしもし?注文いいですか?ブドウ酎ハイ5缶と野菜の盛り合わせとフルーツの盛り合わせお願いします」

「ご注文ありがとうございます。少々お待ちください」

と、女の人の声が聞こえ、そう言って電話が切れた。

64:nana:2012/07/24(火) 13:47 ID:0Rc

しばらくすると、コンコンとドアを叩く音が聞こえた。

ドアを開けに行くと、想像以上の大きさのフルーツの盛り合わせとサラダの盛り合わせが小さいテーブルの上に置かれた。

ブドウ酎ハイも置かれる。

「失礼しました」

ウエイトレスは帰り、小さいテーブルの椅子に座る。

「結構デカいね」

「予想してたよりも結構デカいんだな」

野田君と向い合せになってブドウ酎ハイを開けて乾杯した。

ごくごくと酎ハイを飲んでいく。

「ミキさん、お酒強いんですね」

「うん。結構強い」

フルーツに手を伸ばす。

「あ、皿に取り分けます」

そう言っていろんなフルーツを皿に入れてくれた。

「ありがとう」

スプーンでキュウイの中をすくって食べる。

甘酸っぱい味が口に広がる。

しゃべってお酒を飲んでいるうちに、あれだけあった野菜の盛り合わせもフルーツの盛り合わせもたいらげていた。

「聞かないんですね」

急に言葉を発した野田君。

「何を?」

「キスですよ」

フッと笑って野田君が言った。

「嗚呼・・・」

野田君は前のめりして私に軽くキスした。

じっと見つめ合い、フッと野田君は笑った。

65:nana:2012/07/24(火) 14:28 ID:0Rc

野田君は私の手を引っ張りベットへ押し倒した。

野田君は私の上に馬乗りになった。

じっと見つめ合い、野田君が顔を近づける。

「抵抗しないの?」

口元の片方を上げてクスッと笑った。

「抵抗したら、離してくれるの?」

「離さないかな」

抵抗しても無駄なら、黙って抱かれればいい。

野田君と唇が重なる。

さっきのような触れるだけのキスではなく、深いキスだった。

そして、野田君によって服を脱がされた。

66:nana:2012/07/24(火) 14:49 ID:0Rc

「ん、あ・・・」

野田君と繋がった。

そして強く、野田君の肩をぎゅっと持つ。

「あ・・や、の・・だく・・ん」

頭の中がフラフラする。

「涼って言って?」

明るい電気が野田君を照らして額の汗がキラキラと輝いた。

「涼・・・っ・・」

野田君は私の浮いた背中をベットに寝ころばせ、私の頬を方手でつかみ深いキスをした。

「んん・・・っ」

野田君の首に手をまわした。

そして頭が真っ白になった。

67:nana:2012/07/24(火) 15:02 ID:0Rc

私はあのまま眠ってしまった。

起きたのは早朝の4時。

誰かが話してる声が聞こえる。

野田君・・・?

意識がはっきりしてきて野田君は部屋の外で誰かと話していた。

何となく気になり、近づいてみる。

「うん。うん。浮気なんかしないよ。お土産?わかってるって」

誰かと電話しているらしい。

浮気なんかしないか。昨日自分がやったことは浮気じゃないの?

この人(男)も他の奴と一緒か・・・。

ガチャっとドアが開き野田君と目が合う。

「おはよう。あ、盗み聞きしてたの?」

「うん。さっき起きた」

野田君はクスっと笑い「うんって・・」と言った。

「彼女いるんだね」

ベットに戻ってベットに座り込む。

「え、嗚呼、うん」

まぁ、相手に彼女がいようと別にどうでもいいんだけどね。

68:nana:2012/07/24(火) 15:37 ID:0Rc

野田君は私の隣に座った。

野田君は自分のほうへと私の顔を向かせキスした。

「彼女。いるんでしょ?」

野田君は黙って頷いた。

私と同じ、裏切られるようなことを彼女にさせたくなかった。

「私じゃなくて彼女にキスしてあげなよ」

私はじっと野田君を見つめた。

彼は私から視線を少しずらす。

「私なんかより、彼女を大切にしてあげなよ」

野田君は逸らしていた眼を私に合わせた。

「彼女と別れるから、俺と付き合ってくれない?」

突然の告白。

「・・・私のどこが好きなの?」

そんな質問をすると彼は少し俯き考える。

「野田君が好きなのは私の顔と体でしょ?」

彼が好きなのは外見だけ。私の心が好きなわけじゃない。

「私なんかやめといたほうがいいよ。彼女を愛してあげたら?」

「俺、そういえばミキさんのこと全然知らない」

野田君は立ち上がり背を向けて「確かに、俺が好きだったのは顔と体だけだったかもしれない。・・・ごめん」と言った。

そして野田君は私の部屋を出て行った。


私は、また利用されただけ・・・?

きっと野田君は付き合ってる彼女とももうじき別れるだろう。

だって、私を選んでまで捨てる女だもん。そうに決まってる。

お風呂に入りシャワーを浴びた。

69:nana:2012/07/25(水) 09:25 ID:0Rc

今思えば野田君って酷い男だったな。

私はこれから一生、野田君のような人に狙われるんだろうな。と思った。

風呂から出て体を拭きバスローブを着て髪の毛を乾かす。

髪を乾かし終え、ベットへダイブする。

時計を見ると6時。

あと、1時間時間がある。

1人になっていろんなことを考え込んでしまう。

このまま死んだら私は楽になれるんじゃないかな。

誰も悲しむ人はいないし。

私がいなくて困らない人も多分いない。

モデルなんていくらでも変わりはいるだろうし。

私には守るものも守られる物もない。

大切なものなんて何一つない。

ハッと我に返り起き上がる。

安定剤飲まないと・・・。

70:nana:2012/07/25(水) 13:31 ID:0Rc

また、変なこと考えてた。

考えちゃ駄目だ。

ベットから降りて白い小さなテーブルの上に乗ってる安定剤を手に取る。

薬を手に乗せて薬を見つめる。

こんなのに頼らないと生きていけないなんて・・・。

頬に涙が流れる。

手の平に乗ってる薬をぎゅっと握りしめて投げつける。

地べたに座り込み頭を抱え込む。

死にたい。もうこんなのやだ。

どうやったら死ねる?

どうやったら死ねるだろう・・・。

私の目に止まったのは昨日、フルーツを小さく分けるために使った小さなナイフだった。

71:nana:2012/07/25(水) 14:01 ID:0Rc

ナイフを手に取ってベットに座るナイフの刃を指で撫でる。

これで・・・死ねる。

そんなこと思ってるとコンコンとドアを叩く音がした。

「ミキ?」

ドアの向こうから和也の声が聞こえる。

あ、野田君が帰っていく時、鍵閉めるの忘れてた・・・。

「ちょっと、『入るよ』

和也の言葉に遮られ和也は言葉と共に私の部屋へ入ってきた。

「何やってんの・・・?」

和也は目を丸めて私に近づいてくる。

「こ、来ないで!」

私はナイフの刃を和也に向けた。

ナイフを持つ手が震える。

「何やってんだよ!!」

和也は私からナイフを奪おうとする。

「離してよ!」

和也ともみ合いになり立ち上がり、何らかの拍子で和也の胸が軽く切れた。

「い・・・った・・」

和也はナイフから手を離した。

ど、どうしよう・・・。

和也が、自分のせいで和也が・・・。

手が震えナイフを地面に落とした。

「あ、ああ、いやぁぁぁあぁぁあ!!」

頭を抱えて泣き叫ぶ。

「ミキ・・・」

胸を押さえながら彼は言った。切れたとこから血が出て、真っ白なTシャツが胸のところだけ少し赤くなっていた。

「や、あ、あ、いや、あぁぁぁあぁぁぁぁ!!あぁあぁぁぁぁぁあ!!」

私はベットのシーツを地べたに落としたり枕を地面に叩きつけた。

そして、近くにあった白い小さなテーブルの上に載ってる物を滑り落とした。

ガシャン!カシャン!

「ミキっ!!」

和也が叫んで私を呼ぶけど私は止まらなかった。

いや、止められなかった。

椅子を投げたり白い小さいテーブルを押し倒したり・・・。

ベットの上にあった安定剤をクシャクシャにして投げた。

72:nana:2012/07/25(水) 14:32 ID:0Rc

地べたで泣く私を和也は強く抱きしめた。

私の頭に手を置いて、頭を撫でた。

「ごめんな、ざい、ヒック・・・」

涙はボロボロ止めなく流れた。

私は和也に何度も謝った。

「もういい。もういいから・・・」

和也はぎゅっとさらに強く抱きしめた。

温かい・・・。

「和也・・・」

「ん?」

私と和也は目を合わせた。

「私、生きてる意味ある・・・?」

「あるから生きてるんだろ」

和也は優しく微笑みながら言った。

「もう、疲れた・・・。死にたい。あんな薬に頼ってまで生きたくない」

「今、ミキがここで死んだら損する」

「何が・・・?」

「これからミキが手に入れるたくさんの幸せを」

今までなかったのに、これから先あるはずがない。

和也は、私から離れて何かを手に持って地べたに転がってた水が入ってるペットボトルを持ってきた。

「俺を信じろ」

和也は真っ直ぐな瞳を私に向けてそう言った。

「もう、人は信じたくない・・・」

人を信じて裏切られてばかりだから。もう、人を信じて裏切られたくない・・・・。

「信じろ。ミキにだって必ず幸せは来る。来なかったら一緒に死ぬから」

和也は笑った。

「飲んで?」

和也は安定剤と水を渡してきた。

どうすればいいの?和也を信じてもいいの?

一緒に死ぬとか嘘じゃないの?

そんなことを考えていると、和也が私の名前を呼んだ。

「薬に頼ってでも一度きりの人生、必死に生きろよ。逃げるな・・・」

もう一度、もう一度だけ、人を信じてみる。

私は頷き薬と水が入ったペットボトルと手にした。

73:nana:2012/07/25(水) 14:47 ID:0Rc

小笠原諸島での撮影は無事に終わり、いつもの生活が戻ってきた。

最近明るくなったとか、雰囲気が変わったとかよく言われる。

そういえば、もう少しで和也とGAMEが終わるなぁ・・・。

なぜか最近、和也を見ると胸の奥がチクチクする。

GAME終了まで二日。

明日と明後日、仕事休みだし和也が空いてたら明日最後の晩餐しようかな。

あ、最後だし写真撮ってほしいな・・・。

和也にそのことをメールする。

74:nana:2012/07/25(水) 23:48 ID:0Rc

この間一緒に来たBARに和也と来た。

「写真撮ってもいいの?」

「全然いいよ」

肘をつきながらカウンターで飲む。

「良かったらうちで撮らない?」

私は和也の顔を見た。

「え、いいの?!」

「ミキがいいなら全然」

ドキドキと胸が高鳴る。

「うちの家なんもないよ?」

と、和也がクスッと笑う。

カクテルを口に含み心の中で喜ぶ。

「そんなに嬉しいの?」

和也が私の顔を覗き込んだ。

「え、別に〜」

と嘘をつく。内心すっごく嬉しいんだけどね。

カクテルと一緒に入ってるさくらんぼの枝をくるくる回す。

「薬ちゃんと飲んでる?」

いきなり話を変えられる。

「飲んでるよ」

さくらんぼを書く輝から引き揚げてさくらんぼを眺める。

和也は私のさくらんぼの枝をつかんでる手を握り、自分の方へ引き寄せ二つあるうちの一個をパクっと食べた。

「あ、うまい」

そう言って口を押える。

「食べないでよ」

私は最後のさくらんぼを一つ口に入れた。

さくらんぼは今まで食べてきたどのさくらんぼよりおいしかった。

75:♪雪菜♪:2012/07/25(水) 23:54 ID:pcM

やっぱり、このお話大好きです!!

続き楽しみにしてます♪

頑張ってください!!

76:nana:2012/07/26(木) 00:09 ID:0Rc

なんだか、いろんなものが明るく見える。

昔より鮮やかにいろんなものが美しく見える。

きっと彼のおかげ――――・・・・


和也がうちに向かいに来てくれて、私と和也は和也の家に行った。

マンションの301号室に和也の部屋はあった。

中に入ると物はほとんどなくてシンプルだった。

綺麗に片付いてあって本がたくさん大きな本棚にびっしり収納されていた。

カメラのなんかよくわかんない本とか、雑誌とか、よくわからない本がとにかくいっぱい並んであった。

「狭くてごめんね。座って?」

ソファに二人並んで座る。

「服、一応何着か持ってきたけど」

和也に紙袋に入った服を見せたりする。

「あ、ありがとう」

和也が微笑んだ。

胸の奥がきゅっと締め付けられた。

何だろう?え、何で?なんか、和也に初めて逢った時よりもかっこよく見える。

「あ、お茶飲む?」

「あ、ありがとう」

彼は立ち上がりキッチンへと向かった。

お茶をコップへ注ぐ音が鳴り響く。

「どうぞ」

和也は注いだお茶を私に渡した。

「ありがと・・・」

私はお茶を受け取る。和也はふたたび私の隣へ座った。

一口お茶を口にする。

「この服でいいの?」

「え、俺はだいたいなんでも・・・」

なんかそう言われると困る。

「ヌードは?なんてね。この間急に誰かさんに襲われたから!」

私は和也の顔を見てクスクス笑った。

和也はフフッと笑って「だって、ミキが可愛かったから」と言った。

顔が熱くなるのが分かる。

「ミキ、顔真っ赤」

和也はそう言って笑った。

77:nana:2012/07/26(木) 00:14 ID:0Rc

♪雪菜♪さん、私なんかの駄作小説を好きだと言ってもらって嬉しいです(:_;)
しかも大好きだなんて・・・(゜o゜)
これ以上私を泣かせないでください(/_;)
頑張ります!!!ありがとうございます<m(__)m>
嬉しい〜(:_;)

78:nana:2012/07/29(日) 15:18 ID:0Rc

「ちょっと、トイレ」

そう言って和也はトイレに行った。

1人になり、キョロキョロ部屋を見渡す。

トイレの水が流れる音がして、和也は再びソファに座った。

和也の俯いた横顔を見つめる。

さらさらの黒髪に、大きな目に長い睫毛。

白い綺麗な肌に高い鼻。

ずっと見ていられる。

「何?」

私の視線に気づいたのか、私の方に顔を向ける。

ゆっくり和也に顔を近づけて目を瞑り和也と唇を重ねた。

ゆっくり唇を離すと、和也と顔を見合わせ笑った。

「何急に?」

和也はクスクス笑いながら私に聞いた。

「ううん。別に」

私も笑って答えた。

79:nana:2012/07/29(日) 15:29 ID:0Rc

あれ、私、何で和也にキスしたんだろう?

なんかよくわかんないけど、和也にキスしたくなった。

ドキドキ胸の音が強く鳴っている。

和也に聞こえてしまいそうなほど胸は高鳴っている。

やめてよ。もしかして私―――――――・・・・・・

和也のこと好きなの?

来希が好きだったあの頃のように、それ以上に、私の胸は高鳴っている。

私が・・・・GAMEに負けた?

嘘・・・。

もう人は好きにならないって決めたのに・・・。

私はぎゅっと目を瞑った。

80:nana:2012/07/29(日) 15:45 ID:0Rc

「ミキ?」

「あ、何?」

パッと目を開き和也に顔を向ける。

「お茶、おかわり要る?」

「あ、大丈夫。ありがとう」

私が一人で考え込んでいるうちに、和也はカメラを出してレンズを拭いていた。

「カメラ見して?」

そう言うと、和也はニコッと笑って「いいよ」と言った。

何度か合川さんのカメラを少し触らしてもらったことがある。

だから何がどこにあるとかは少しならわかる。

私は和也にカメラを向けカシャっとシャッターを切った。

和也は目をパチパチしながら驚いていた。

フフっと笑う私。

「やっべ・・・。びっくりした」

その一言であることを思い出した。

「あ、撮られるの苦手なんだよね・・?」

「そうだよ・・・。嗚呼、ビビった。何年ぶりだろ。撮られるの」

少し悪いことしたかな、そう思い「ごめんね?」と謝る。

「いや、そんな謝らなくていいよ。あ、そうだ一緒に写ろうよ」

和也は笑顔で言った。

「え、大丈夫なの?」

「平気平気」と言う彼。

「じゃあ、私デジカメあるからそれで取りたい」

私はバックからデジカメを取り出した。

「いいよ」

デジカメをテレビの台に置きボタンを押した。

81:nana:2012/07/29(日) 16:07 ID:0Rc

急いでソファに座る。

ピピピピ――――――・・・・

もう少しで撮れる・・・そう思った瞬間、和也は、私の頭に手をやり、私にキスをした。

カシャ

この音と共に私から唇を離す。

「やっぱ無理」

そう言って深いキスを私にする。

「あ・・・ん、」

今日のキスは、なんだかいつものキスより激しい。

「か・・・ず・・ん・・・」

ぎゅっと和也に抱きしめられる。

私は和也の背中に手を回して服をぎゅっとつかむ。

和也はそっと私から唇を離した。

82:nana:2012/07/30(月) 13:19 ID:0Rc

「あ、見てよ」

デジカメを取りに行き撮ったのを確認した。

「見事にキスしてるね」

ふふっと2人顔を見合わせて笑った。

デジカメをバックの中にしまう。

「そろそろ、始める?」

私がそう言うと彼は頷いた。

私は立ち上がり、家の中をフラフラする。

「どこで撮ろうか・・・?」

すると彼がねぇ、と私を呼んだ。

私は彼に視線を向ける。

「脱がないの?」

「へっ?」

まさか、脱がないといけないの?

と、考えていると「嫌ならいいよ」と言った。

なんか、変に強がって「脱ぐ。ヌードぐらいするわよ」と、言ってしまった。

ひそかに、彼が微笑んでいたのはミキは知る由もない。

83:nana:2012/07/30(月) 13:34 ID:0Rc

私は和也の前で服を脱いでいく。

和也はじっと私を見つめた。

そんなに見つめられると緊張する・・・。

とうとう下着だけになってしまった私。

すると、急に私の前に近づき私を持ち上げた。

世に言う、お姫様抱っこだ。

「ちょっと!やだ・・!」

私は抵抗するが彼は私の声も無視してどこかへ連れて行く。

ある、一つのドアにたどり着き、ドアを開けると一つのシンプルな部屋があった。

そこにあったベットに私を寝かせる。

「ちょっと待ってて」

そう言って、部屋を去って行ってしまった。

何なの?まさか、前と一緒のパターン?

今から和也と・・・・

そう思うとドキドキ胸が高鳴った。

ガチャ

ドアが開き、カメラを持った和也が部屋に入ってきた。

和也は私に目をやった。

「どうしたの?そんな顔して」

彼が私に聞いてくる。

「いや・・・別に」

少し期待してた私、バカみたい。

84:nana:2012/07/30(月) 14:19 ID:0Rc

ヌードと言っても、下着は着てやった。

気づけば3時間ぶっ通しでやっていた。

今思えば、和也に3時間もあの真剣な眼差しを受けていたことになる。

最初はその眼差しがあって緊張して、恥ずかしくて、顔をそむけたくなるほど嫌だった。

でも今では慣れて、普通にポーズとかできる。

もう、夜の6時。

「今日は何時までいるの?」

二人で、ベットの真ん中で体育座りする。

「ん〜別に何時でも!」

「そっか」

和也は私にカメラを向けてカシャっとシャッターを切った。

クスクス意地悪そうな顔をこっちに向けて笑った。

「そんなことしていいの〜?」

そう言って隙をついて、和也のカメラを取った。

「あっ、バカッ!」

カメラは簡単に取られてしまった。

「返してよ!」

「いや、これ俺のだし!」

カメラに手を伸ばす。

「うわ!」

和也と共に、一緒にベットから落ちてしまった。

私は彼の上に載って、馬乗りになっていた。

「襲われた」

そう言って彼はクスクス笑った。

彼は背中を浮かし、私と唇が重なった。

85:nana:2012/08/10(金) 12:02 ID:0Rc

全然更新してなくてすみません(:_;)
今日からちゃんとしていきます!
よろしくお願いします<m(__)m>

86:nana:2012/08/10(金) 12:11 ID:0Rc

この二か月、和也と付き合っていて楽しかった。

私を救ってくれた。

そして、和也を好きになった。

言葉では言い表せれない。

「ありがと・・・・」

あなたとの最後の夜。すっごく幸せだった。

すやすや眠る和也の寝顔を最後に、私は部屋を出て服を着て、荷物を持って和也の家を出た。

私の負け・・・・。

GAMEは私の負け。

87:nana:2012/08/10(金) 12:42 ID:0Rc

私は、和也のメアドを消した。

もう、和也のことは忘れなきゃ。

これ以上好きになって後悔するのは私だ。

和也のことは、もう忘れよう・・・・。

「おはようございます」

撮影現場に行って合川さんに挨拶する。

「おはよう」

「今日もよろしくお願いします」

軽く会釈して控室に行こうとしたら合川さんに止められた。

「今日ね、新人の子と撮るからね」

「そうですか。もう控室に?」

そういって控室を指差す。

「嗚呼。メイクしてもらってるよ」

「そうですか」

控室に入ると、野田君が女の子にメイクしていた。

「もういいよ」

と、野田君が言って女の子は立ち上がった。

「どうも。あ、ミキさん!おはようございます♪今日はよろしくお願いします♪」

茶髪の160pぐらいのきゃぴきゃぴしたような女の子。

「こちらこそお願いします」

すると、急に食い入るように私の顔を見てくる。

「やっぱり美人・・・!羨ましいです!」

「ど、どうも・・・」

88:nana:2012/08/10(金) 12:58 ID:0Rc

メイクして撮影現場に行くと、前使ってた後輩モデルが話していた。

「あ、ミキさん!」

後輩モデルの一人が私に気付いて近寄ってくる。

「やっぱり、雑誌で見ても綺麗だけど、生は余計にいいですね!」

続いて、5人も私のところに来た。

「綺麗〜」

「足長い〜」

「目デカい!」

と、連呼する彼女たち。

「今日、撮影一人ですか?」

茶髪の髪をいじりながら聞いてきた。

「ううん。二人でやるの。えっと・・・『堺亜美です』

声が聞こえたほうを向くと私と撮影する子が立ってた。

「いいなぁ。亜美ちゃん。上手いんだろうね、ポージング!」

と、顔を見合わせてクスクス笑う彼女たち。

「あの、ここで撮影見させてもらっていいですか?」

「いいけど・・・」

私はチラッと新人の子を見た。

俯いてて表情が見えない。

けど、小さくは頷いた。

89:nana:2012/08/17(金) 15:32 ID:0Rc

ここの日記を始めました!
よかったら見てください(^^)

Little Joy*゜


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