とりあえず小説

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1:大和とゆかいな仲間達:2012/07/21(土) 18:55 ID:Xdo

ここは交流掲示板にいる、
「小説掲示板で小説書いてる人、読んでる人話ましょう!」の、(たぶんこんなスレ←)

クロス
アメ
ここな
うにゃ
大和

にて結成されるコラボ企画です。

みなさんご存知の名ばかりですね、僕以外。



そんなこんなでみんなで小説を書こうと思います。



みんな見てね!!



ルール

荒らしナシ。
中傷を与えるような言葉なし。

みんなネガティブな人ばかりなので暖かいご声援をよろしくしたいでs((wwwww

2:大和とゆかいな仲間たt((殴:2012/07/21(土) 19:07 ID:Xdo

申し訳ありません。
訂正があります。
小説を書くのは
アメ、クロス、ここな、うにゃ、大和、home。
となります。
>>1には記されませんがどうかご理解頂けると嬉しいです。

3:大和:2012/07/21(土) 23:02 ID:Xdo

どこまでも続く海。
どこまでも広がる田畑。

田舎特有の爽やかな風が青年の頬を優しく撫でる。
すると青年の髪はふわりとなびき、サラサラな髪は踊る。
男には珍しい白い肌。
暑そうなその白いTシャツを第3ボタンまで開けてはパタパタと手で仰ぐ。
日光を集める黒のズボンは無造作に左右違った長さでまくってある。
そわそわとした足取りはついに我慢ができなくなったのか急ぎ足へと変わる。
永遠に終わりがないようなそのよく整備もされていない
田んぼ道を駆けていった。

煩く騒ぐカエルの声。
木一つないおかげで涼しさを感じるための蝉の声はしなく、
陽はギラギラと青年を照りつけた。

「困るよなぁ……木陰さえないなんて……」

この暑さにしては走る足取りは軽く、淡々のその道を通り抜けた。
やっとのことで田んぼ道を抜けると色々な方向に分けられた道がまた続く。


そこを青年は迷路のように行くとそこには大きな神社があった。


サッと眼鏡を取るとポケットに軽く入れて、
その神社が見えると駆けていたその足をゆっとりと歩くものにする。
そして大きくそびえ立った門をくぐると広い日本庭園が広がり、
これまた大きな木製扉を開けようとする。
すると心張り棒がかかっているのか、扉はあかない。

「おい、誰だよ心張り棒やった奴。
おーーい!!!!開けろよバカタレ!!!!」

そう屋根に向かって叫ぶと屋根から一人の少年が顔を出した。

「あ?あぁ〜ごーめんごめん。忘れてた!今開けんなぁ〜!!」
「ああ。よろしく。………
……………ったく、別に今の時期ぐらい扉なんざ開けといていいんだよ…………
どうせ泥棒入ってもオマエしかいないだろ?」

そう誰かに話かけると扉の向こうからはさっきと同じ少年の声が聞こえた。
ガタガタと心張り棒を懸命に外しているようだ。
ガタンッ!と一つ大きな音がなると扉はガラガラと開いた。

「なぁ?九尾?」
「あのなぁ、ただの九尾じゃねぇよ、「郁狐」(いくご)つー名前があんのに!!」
「はいはい。そうだったねーいくちゃん」
「いくちゃん言うな!!バカ!!!」

こうして青年の夏はまた同じように始まる。









この妖怪が住み着くと言われる小さな田舎の村で。

4:うにゃ ◆4AUw:2012/07/22(日) 20:53 ID:LRU

じりじりと肌を焼いていく太陽から逃れるように俺は建物の中に入って行った。
一旦中へ入ってしまえばこちらのもの。
風通しがいい木造のこの建物の中は、極楽と言って間違いはないだろう。


「…ふー…っとに暑いから参るっての…いくちゃん、今日何度よ?」
「だからいくちゃんって呼ぶな!なんか38度って聞いたぞー。」
「40度の二歩手前かよ!っくそー…こんなんじゃ奴等もへばってるだろ…」
「そーでもないぞ?暑いのが好きな奴は好きだ。」

奴等っていうのは…まぁ、説明が面倒になるけどとりあえず郁狐たちのことだ。




此処、神奈備村ではとある噂が頻りに囁かれていた。


―…『妖怪が住み着いている』


以来、何が見えただの何かがいただのという噂が絶えない。
何かが見えたという一家は一様にして怯えてしまい、大概が引っ越してしまった。
何も見えない、そんなの信じないという一家は一様にしてその様を嗤った。

勿論、その話を聞きつけたオカルト亡者の奴らも未だに頻繁にやってくる。
そして大概が何も見ずに帰っていく。
何かを見たというものも、カメラに抑えようとしても映らずに人々に馬鹿にされて終わる。


本当にそれだけ、だった。




…ハズなのに。




「…人々の怨念、か…」






今まで恐ろしいほど落ち着いていた妖怪どもが


…急に暴れだし始めたのだ。

5:クロス ◆gfIA:2012/07/22(日) 21:47 ID:95g

理由は様々だが人々への怒りや憎しみ妖怪同士の同属嫌悪
あるいは意味もなく暴れている奴さえいる
青年から言わせれば「くだらない」の一言だがそうも言っていられない
なぜなら暴れだした妖怪は人間を襲い被害は拡大していくばかりなのだ
このままではこの村から人はいなくなり妖怪の巣食う場所になる
そうすれば今度は周りの村や最悪都会にまで手を出してくることだろう
つまり青年のような陰陽師や力を持つものたちがそれを食い止め鎮めるしかないのだ
しかしそれにも限界がある人間はどこまでいっても人間だ妖怪に適うはずがない
だから郁狐のような妖怪に助けてもらうことも必要である

この村に一体どれほどの妖怪がいるのかを青年は知らないたぶん知ってるものはいないだろう
だが少なくともかなりの数がいるはずだ青年の家に細かく言えば寺にもいる
力のあるものやないもの合わせて10から20はいるだろう代表的には座敷わらしだ

村には寺や神社が多いしかし陰陽師の数は少ないおそらくはもう数えるほど
必ずしも同じ考えというわけではないので今後の村は危険になっていくだろう

6:大和:2012/07/22(日) 22:47 ID:Xdo

「ねぇ、アイスとかないわけ?」
「んなのあったら俺がとっくに食べてるしッ!!」
「あっそぉ………あー……あっつ〜」

そして青年の家はこの村でも一番大きい陰陽師家である。
その力は全国の代表的陰陽師家も知っているほどの強さ。
さらにこの青年は先代に比べ陰陽道の力が強く、
勾玉、術札などに頼らなくとも妖怪が見え、
さらに征伐することもできる。
それはこの青年の力だけでなく妖怪界の中で名を知らぬ者は
いないであろう強さを誇る九尾である郁狐の力あってのこと。
その証拠にこの青年が住む神社は郁狐が建てていると言っても過言ではないほどに
この神社には郁狐の妖力が使われており、
同時に結界が張ってある。
なので小力妖怪、中力妖怪などはこの神社に入ることはまず不可能であろう。

「あのな、暑い暑いばっかいったって暑くなるばかりだろ?」
「…………オイ、郁狐、オマエさ………
扇風機まんまあたりなから、んなこと言われても説得力ないからね?」
「おっと…………そだった〜〜てへぺろ☆」
「ふざけてんのか、チビコラ」

こんな平和にも見えるような日常。
それでいいと思った。
なにもなければ妖怪だとかどうとかと騒ぐ必要がないではないかと。
しかし。
それで済まされるほど世界は甘くはなく。

しかし、願えるのならこの暑さ、まだ楽しむ余地はあるだろうか。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「死に至る病」と少々被ってるトコありますが気にしないでいただけるといいです。

7:大和:2012/07/24(火) 17:00 ID:Xdo

なぜに進んでない??

8:home ◆VVV2:2012/07/25(水) 19:24 ID:jcU

>>8 からの続き

「あー!!!…ほんとやってらんないよなー」

青年はいきなり大声をだしかと思うと畳に大の字になって寝っ転がった。
扇風機がないのは確かにキツイが
外からすだれ越しに入ってくるわずかな風は涼しい。

「…てかさ、郁狐」
「ん?なに」
「最近…どうなのよ、ほら…暴走…てか」

暴走というのは最近ここらへんで起こっている妖怪達の暴走のことだ。
何が不満なのか、正直陰陽師の青年でさえわからないのだが―…
暴れているのは確かだし、このままでは本当に日本…大げさに言うと世界にまで被害が拡大するかもしれない。

(原因を追求して妖怪をおさめるのが俺の仕事だけどさー…その肝心な原因がわかんねぇ…)

「確かに被害は拡大し続けてるよ、どっかの誰かさんがサボってるせいでねー」
「テメェッ!!そんな事言うとお前も除霊するぞゴラァッ!!!!」
「あははー 冗談だってばぁー てへぺろ☆
 ……まぁ、真面目に言うとやばいねー…そろそろ四神様も怒るかもよー?」

四神…それは、妖怪の中でかなりの力を持つと言われる
青龍・朱雀・玄武・白虎の四体の妖怪である。
その四体が怒れば…間違いなく世界は滅びるだろう。
はっきり言って、今の現状は最悪なのである。

「んなことわかってるけどよ…原因がわからなきゃ…どうしよーもねぇよ…俺には」

青年はさっきのはしゃいだ顔とは一変したとても悲しそうな…いや、悔しそうな表情をみせた。
そんな青年のすぐ横を、青年の心と正反対の爽やかな風が通り過ぎていった。

(俺にどうしろっていうんだよ…親父…)

9:アメ ◆kvG6:2012/07/30(月) 01:55 ID:twA

考えれば考えるほど憂鬱な気分になり青年は深い溜め息をつく。
そんな青年の耳にどこからか聞き覚えのある声が聴こえてきた。
思わず起き上がると郁狐にも聴こえたのか目が合う。
気になったニ人が建物の外を見てみると、小さなニ人の少女がこちらへ走ってきていた。

「いくちゃーんっ!遊びにきたよー!」

「あっ、お兄ちゃんもいるー!」

色違いのワンピースを着たニ人の少女は手を大きく振って青年達に近付いてくる。
もう片方の手にはコンビニのビニール袋を持っていた。

「優香、優希。」

青年はニ人の名前をぽつりと呟いた。
彼女達はこの青年の妹で、水色のワンピースを着ているのが長女の優香。桃色のワンピースを着ているのが次女の優希である。
ニ人共双子でまだ小学3年生だ。
妹達は建物に入ると、持っていたビニール袋の中を漁り始める。
突然やってきて何をやっているんだと青年が袋の中を覗いてみると、そこには大量のアイスやお菓子が入っていた。

「あのねー、おかーさんが買ってくれたのー!」

「だからいくちゃんと食べようと思って持ってきたのー!」

全く同じ顔の二人は笑顔で中の物を取り出していく。
優香と優希はよくここに来て郁狐と遊んでいて郁狐とは仲良しだ。
郁狐はアイスを受け取ると嬉しそうにニ人に礼を言った。

「でもいくちゃんって呼ぶのはやめような?」

二人は、青年が郁狐のことを“いくちゃん”と呼んでいるのをマネてそう呼んでいた。
郁狐が何回その呼び方をやめてほしいと言ってもニ人は全く直そうとしない。
理由はいくちゃんの呼び方のほうが可愛いからだそうだ。


「………。」

青年は妹達を見て再び溜め息をついた。
青年は羨ましいのだ。妖怪のことも陰陽師のことも考えなくていい妹達が。
まだニ人は幼いからだということは分かっているものの、妹達が楽しく遊んでいるのを見ていると無性に羨ましく思ってしまうのだ。

「はいっ、お兄ちゃんにもアイス!」

「ありがとう。」


そんな感情を表に出さないように注意しながら青年は渡されたアイスをゆっくりとかじった。

10:ここな@死ぬ気で更新:2012/08/01(水) 18:03 ID:OHo

郁狐は苺味の飴を、妹達は一袋のスナック菓子を分けあって食べている中、青年はその感情を何処かへ置き去り影に入っているのに溶け出すアイスをやたらと気にしていた。
これも夏特有の暑い『空気』のせいなのか。
「う…頭痛い」
アイスに苛つき一気に頬張った青年はいかにも弱々しい声で言う。
やっぱり頬張るのはダメだったか…いや、溶け出すアイスが悪いんだ!!
青年は頭にパラドックスという言葉をうかばせながらもそう思う。
「あー、馬鹿だー。」
「馬鹿ー。」
そして青年の妹達は自分の兄を指差してはスナック菓子の食べカスを口に付けながら侮辱の言葉を放つ。
「ばーかぁーっ!!」
「お前は黙れ」
その中でも返答が返って来たのは郁狐のみ。それもかなりの速さで。
そして青年は自分を指差してきた郁狐の指を素早く掴み50°くらい曲げる。
「いいっ、いったあぁいぃ!!」
悶える。
悶え終わり郁狐は眉を下げ、子供の様に駄々を捏ねる、それでも青年は無反応。

…けれど、それは決して無視していた訳ではない。
なぜなら…青年の周囲には誰も居なかったのだから。
アイスの頭痛が終わり少したった後、青年はどこか『違う世界』に行っていた。一瞬だが。
静かになった神社の中青年は暑い日光に照らされており、そこには妹の気配も郁狐の気配もなく青年はそこに一人で座っていた。
妹は…? 郁狐は…!?
そう思い辺りを見回すと、

…駄々を捏ねる郁狐、笑う妹達の姿が。
そういう現象にはなれている青年はそこまで気にはしていなかったが…。

「いくちゃんばぁーかっ!!」
「ばぁーかっ!!」
「んな…っ!? 俺は馬鹿じゃねーよっ!!」
「あははははっ!」

どこからか吹く風はサァッと音をたてて砂利道を通る。
妹達の笑い声は神社全体に響く。
…さて、この平和はいつまで続くか考えてみようか。

11:大和:2012/08/02(木) 12:26 ID:Xdo

「郁狐」
「わぁーってるよ、馬鹿」

青年が低く郁狐の名を呼ぶと先程の妹達に見せていた表情とは180度異なり、
青年のほうを振り返ったその時にはもうすでに今までの面影はない。
か弱い光が郁狐を包む。
自分の変化に驚きもなにもしない郁狐はそのまま座っているだけ。
妹達も驚ろかぬままきゃっきゃっと騒いでいる。
見えないのだ。
少女達には。
彼の変化の姿が。
少女達にはただ先程と同じく青年と郁狐がいるだけ。
それだけであって変わりがない。
しかし青年達にとっては変化がある。
郁狐の体は少年サイズから青年サイズへと変わり、
幼かった顔も凛とした顔立ちになる。
服装も黒の羽織りを身に纏う。
しかしそれ意外は変わらない。
しかしこれこそが郁狐の「九尾」の姿である。
耳も尻尾も生えていない。

「さっきっから下級妖怪がうろちょろしてて煩いんだよ………」
「どうやって神社(ウチ)に入ってきたかな……」

そう言うと大きくなった郁狐は不気味に笑い、
その姿のまま瞳を閉じた。

少女達は気づかない。
気づけない。
見えない。
偽りの青年達しか
わからない。
彼等が違う次元に行ってることを。

「………………………いたァ……………」
「…………どこ……?」
「勝手場にいやがる………………」
「行くぞ、酒を飲ますな」

瞳を開くと楽しそうに笑い、速いとも言えない…………
いや、速すぎてわからないほどのスピードで二人は勝手場へと向かう。
そもそも、妖怪は昔からどの妖怪も酒好きなものが多い。
そして多くのものは酒の飲みすぎで暴れ、被害をもたらす。
暴れるというのは人間で言う酔っ払いというようなヤツで。
上級妖怪であると盃を交わしたり、エネルギー、
いわゆる妖力にしたり。
酒の使い方は様々だが妖怪にとって戦うための力となることは変わらない。
だからこそ酒を飲んだ妖怪は後先が面倒なのだ。

「酒?嗚呼、飲ませねェよ。」
「ならさっさと片付けてくれ。可愛い妹達が待ってんの」
「ハッ、上辺だけのクセしてよく言う…」
「狐のクセして口が達者だな」
「……………………悪りィ、正直に言う。
…………ひねくれモンだなオマエ…」

可哀想な人を見るような目で青年を郁狐は見つめる。
こんなときでもただの茶番ができる。

「イタァァァアァアアッッッ!!!!!!!!!」

狐の瞳は耀。

12:うにゃ ◆4AUw:2012/08/02(木) 15:05 ID:pio

「…蛇ときたか。」

目の前でうようよと浮いては沈み、浮いては沈みという柔らかな動きを繰り返す黒く細長い物体を見る。
まるでルビーのような赤い瞳をしており、その瞳は俺らを威嚇するように見つめていた。

妖怪と言えば一般的には郁狐のような九尾、猫又、はたまた雪女…
そんなものを連想する者は多いだろう。
実際、俺も子供の頃はそう信じて疑わなかった。
…だが現実では、本当の九尾、猫又、その他もろもろはいわば上級妖怪だ。
祓うことがかなり難しく、まぁ中には郁狐のように人間の手助けをする妖怪もいるもんだから、ほぼ崇められていると言って間違いはないが。

話を戻すが、上級妖怪は妖怪の中で5分の1ほどの確立でしか出会わない。
比較的に中級、または下級妖怪が多く、そしてそのほとんどが自我を持たずただ自分の抱える感情に身を任す。

下級妖怪とくれば動物系が多く、中でも蜘蛛、蛇、犬、猫…まぁ、そんな動物を象る黒い塊ばかりだ。
確かそれぞれ感情があって…蛇は…嫉妬だったか?
どこから流れ込んだんだか。


「さて、どうするよ!」


大人っぽいその顔立ちが、爛々と期待に輝かせた瞳と表情で子供っぽく見えてしまう。
本当、好きだよなぁこいつ。

それはともかく。

「まずは本体の周りをうろちょろしているモンを祓うぞ。」

目を細め、蛇にまとわりついている、動物の形にもなれていない黒い塊を見つめる。
そして、

拍手。


乾いた音があたりに響き渡り、小さな塊は言葉通り祓われ、かき消された。

これは下級妖怪の中でも下級なやつに使える除霊法で、拍手によって生み出された音の波動に霊力を乗せて除霊する。
図にするならまるで水面波のようなもので、それに触れた者から順に消されていく。

とはいえ乗せた力が強ければ強いほど除霊できる妖怪のレベルは上がっていくが、あまり強すぎると波動とのバランスが崩れてしまう。
俺にとって、こういうのを除去する時にはこれが一番使いやすい。

まぁ乗せた霊力が少ないがために、実際蛇本体は細かい粒子状の霊力を体に浴びながらも周りが微かに削がれていくだけで本体は全く動じない。
だがそれでも削がれたことには変わりないので、今度は明らかに俺らに敵意を向け始める。
ビリビリとした殺気が肌を伝い、思わず感嘆の声をあげる。
隣からは小さく口笛が聞こえ、相変わらずだなと小さく笑ってしまった。


「…さて、最近体がなまってきたし…」
「準備運動にはちょうどいいよな!」

13:ここな:2012/08/11(土) 20:15 ID:MdQ

念のため上げるよ

14:うにゃ ◆4AUw:2012/09/21(金) 23:00 ID:xN6

あげておくよ…。
消えたら泣く(´;ω;`)

15:匿名さん:2012/11/24(土) 00:23 ID:MO6

「とりあえずどーする?拍手は聞かないとなると、次段階だろ。「急急如律令」で消えると思う?」
「甘い甘い!呪符とか使っちゃおーぜ!」
「お前な、久しぶりの形のある下級妖怪だからって興奮すんなよ。呪符とかどれだけ勿体ない事をしたいんだ。」

ぐだぐだぐだ。
あぁ、どうやって倒すかが決まらない。

言っとくけどこっちは至ってシリアスだ。
シリアスだけど…

「うぉっ!!」

まさに木が真っ二つに折れたような音を出しながら、地面に罅が走る。
蛇が自らの尾をまるで鞭のように振るい、それを寸でのところで俺らが跳んで避ける。

あっぶねぇ…話してる途中は卑怯だろ!?
…とか言ってもどうせ鼻で笑われるだけなのはわかってるけどさ。

因みに、形を有するようになると、妖怪たちは言葉を理解し始める。
最終的には上級妖怪たち、たとえば郁狐のように、は完全に会話できるようになるんだけどな。

「マナーのない妖怪さんには、容赦はいらねぇ…よな?」

小さく笑って、俺は人差し指を立てて宙に走らせる。

「…九字か?」
「あぁ。郁狐も手伝えよ。」
「ったりめーだろうが!」

その言葉とともに、郁狐は両手を地面につく。
触れたところから少しずつ、少しずつ…僅かだが、まるで蛍火のような光が漏れだす。

「準備かんりょー。どっちやんの?」
「四神の方。」
「マジでかよ容赦ねっ!」

くくっ、と喉を震わせ、郁狐は笑みを浮かべたまま前を見据えた。
蛇はまたもや尾を振るい、再び攻撃を与えようとしている。
嘲け笑うように、小さく舌を覗かせた。

『…青龍』

二人の声が揃い、部屋に反響して消えていく。
同時に、俺の指が真っ直ぐに一線を描く。

『白虎』
一線。

『朱雀』
一線。

『玄武』
一線。

少しずつ、郁狐の手もとの光が、眩しさを増していく。
それに何か良からぬものを感じ取ったのか、蛇が怯む。そして、小さく威嚇の声を漏らす。

『空陳、南寿、北斗、三体』

俺ら二人の声は、少したりともずれず、全く同時に発される。
きっと蛇にとっては、一人が喋っているように聞き取れるんだろう。

そして、最後に横に一線、

『玉女』

俺の手元から風のような波動が、郁狐の手元から光の波動が、
真っ直ぐに蛇を、

貫いた。


隣で小さく声が聞こえて、久しぶりに溜まっていた妖力を使えて満足げな郁狐の顔を見て、そして小さく笑った。


オオォ、とまるで泣き声のような声が部屋中に響き渡る。
…それは、貫かれた其れの叫び声。

人々の嫉妬の塊から生まれたこの化け物は、自らを生んだ人間の手によって削除される。
それはなんて空しくて、なんて哀れで、なんて無様なんだろう。

こいつらは、どんな感情で、どんな気持ちで、どんな想いで、
消えていくんだろうか。


…まぁ、感情があるかどうかすら、分からないけど…


「せめて、安らかに還るがいい。」


呟いて、小さく笑った。
そしてすぐに、一件落着!と喜んで部屋を出ていく郁狐の後を追った。

16:大和:2012/11/24(土) 23:49 ID:P96

「オイ郁狐ォ。」
「あ?」

てってけてってけまぁ可愛らしいように走っていく郁狐を見つめながら、
ふいに話かけてみる。
すると郁狐は「次は一体なんなんだ」とでも言うような
面倒くさそうな顔でこちらを見る。

「あんな高度なことしなくても、言霊だけでけただろ」
「………いいだろ別に」
「……?…」
「とりあえず成仏できた。それ以外になんの問題がある?」

俺が今言霊と言った時、確かに郁狐はピクと反応した。
言霊。
それは文字通り言葉にのせるということ。
成仏法としては難しいとされながらも一番簡単に殺せる。
なにせ手足を動かさなくとも、自分の思っているままに、
声の声帯のままに相手を殺せるから。
そのはずなのに。
あの面倒くさがりな上級妖怪郁狐が言霊を嫌がる?
まさか、と笑ってしまいそうだった。

「オマエ言霊嫌いなわけじゃないんだろ?」
「……気色悪ぃんだよ。言霊なんてな」

そう一度こちらに振り向いて言うとすぐに踵を返す。
そして郁狐の周りをまたも光が包み、子供の姿へと戻ると郁狐の姿はそこで消えた。


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