KIKKA〜君に出会えたから〜

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1:彩花:2012/08/31(金) 19:44 ID:BmY

プロローグ
ー私は、陸上にこの人生をかけていた。
人間関係も捨てて…
そう、あの日まではー
第1話
ピーッ
この笛の音で、私は走り出す。
肩までないくらい短い髪が風の力でなびく。
「ハァッハァハァハァ…」
息をきらす私に、顧問の内村先生が話しかける。若くて、かっこいい、人気者の先生。
「すごいよキッカちゃん!」
私の名前は松村紀久夏。みんな言いにくいから、キッカと呼んでいる。
「え?…」
先生が私の手を引っぱって部員のところまで連れて行く。
「みなさーん。聴いてくださーい!!キッカちゃんは、全国大会に出場することになりました。
みんな、拍手ーーッ」
ウソ!?夢じゃないでしょ!?
みんなが私を見て、
「良かったなー!」
「さすがキッカちゃん!」
と私に尊敬のまなざし。でも、愛美だけは、
「チッ」
と舌打ちをしている
私は今年で高1で、愛美は高3。元々は愛美が1番優秀な部員だった。
でも、私は4ヶ月で大会に出た。それはうらやましく思うのは当たり前だ。

次の日、私はいつものようにグラウンドに向かう。階段を下りるときのことだっとた。
ガッ
「あーーッ」
誰かに押されたようだ。その犯人は、逃げて行った。とても足が速いから、きっと陸上部員だ。

その後、私は病院に搬送されていったらしい。それまでの記憶が全然ない。
病院のベットの天井を見つめてつぶやく。
「愛美だろうな。犯人…」
でも、愛美はみんなの前では猫をかぶり、「キッちゃんすご〜い」とか言ってるから絶対疑われないだろう。
もうどうしようもなくて、イライラして、バンッとベットを叩く。
ふいに涙があふれる。
「もう、イヤだよ・・・」
と泣いていたら、
「ないちゃダメだよ!」
と、誰かが言う。
「誰・・・?」

続く

2:彩花:2012/09/01(土) 16:35 ID:zFE

漢字を使い忘れたところがいくつかありました。
すいませんでした。

3:彩花:2012/09/02(日) 12:46 ID:Whw

第2話
「泣いちゃダメだよ!」
「誰・・・?」
そこにいたのは、黒ぶちメガネにふわふわな髪の毛をツインテールにした、私と同い年ぐらいの、
ちょっと可愛い女の子だった。
「あ、ごめんね。びっくりした?私、お兄ちゃんのお見舞いに来たんだけど、今日は寝てるみたい。」
この子、ひとりで勝手に喋ってる。
「えっと・・・」
この子の喋るペースにはついていけない。
「あ、名前言ってなかったね。私、谷原真理子。高1。君は?」
「松村紀久夏。高1。言いにくいから、みんなキッカって呼んでる。」
「ふ〜ん。じゃ、キッカちゃん。明日、もっと早く来てお兄ちゃんとキッカちゃんの3人で喋ろうね。」
「え・・・」
「それじゃ!また明日。」
と言って病室から出て行く。門限でも決まってるのかな?
私は、しばらく誰とも話したくない気分だった。なのにあの子がまた来るなんて。
めんどくさい。しかも、お兄さんも一緒になんて。
でも、ちょっと気になる。あの子のお兄さんって、どんな顔してんだろう。
ベットの周りはカーテンで囲んであるから顔が全然見えない。

そして次の日。
やはりあの子は来た。
「こんにちは〜」
と言って走って来た。すると、私のベットに足をぶつけた。
「いてててて〜」
「もう、谷原さんはドジなんだから〜」
と言って、笑ってしまった。しばらく、笑いも泣きしないでいようと思ってたけど。
「あ、キッカちゃんが笑ってくれた。それと、私のことは真理子って呼んでね。」
「う、うん。マリ・・・コ」
少し恥かしかった。
「ん、何だ?騒がしいな。」
男の人の声が聞こえた。
「あ、お兄ちゃ〜ん。」
「え、あの人がマリコのお兄さん?」
「うん。そうだよ。」
他の人と比べられないくらいの美形だった。光に当たって微笑む顔は、絵になるくらいだ。
マリコに車いすに乗せてもらい、そのお兄さんは、私の方に来た。
「初めまして。真理子の兄の真人です。19歳です。」
「は、初めまして。」
最近気が付いたけど、私って、結構人見知りなんだな。
「そうだ、りんご持ってきたから、食べる?」
と言ってマリコは、りんごの皮をむく。
「イテッ」
マリコがむいて間もなく言う。
「どうしたの!?」
「指、切れちゃったみたい。」
やっぱり、思ってたとおり。すかさず、真人さんは
「バンソウコウ持ってきた?」
と聞く。しっかりしているな。マリコと違って。
「あ、忘れた!」
「じゃあ、私の貸すよ。」
と言って、カバンの中の大量にあるバンソウコウから1枚出して、マリコに渡した。
「すごーい。いっつもこんなに持ち歩いてるの?」
「うん。まあね。陸上部だったから。でも・・・」
「でもって、何?ねえ、何?」
マリコに、思い出したくないことを言われ、ついに、
「うるさいよ、何も苦しんでないあんたに、何が分かるの!」
と、怒ってしまったのだ。
「ご、ごめん。」
と小さな声で言い、病室から出て行った。
そしたら、真人さんは、
「お前、何言ってんだよ!」
と、私に怒鳴りつける。怒鳴られなきゃいけないのは、マリコの方なのに。
そして、また喋り続ける。
「真理子は、真理子は耳が聞こえないんだよ・・・」
え?私の耳に、真人さんの言った言葉が、何度も繰り返して聞こえるのだった。

続く


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