想い続けて。

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1:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 08:40 ID:ZKc


初めまして!!

またはこんにちは(´∀ ` *)



薫です。

ちなみに元・ユッピン♪です。

知ってるという人は、ぜひ声をかけて下さいな♪



ってことで、小説書きたいと思います。



感想お願いします。

アドバイスも全然OKです。


荒らしや悪口はご遠慮下さい*

小説を書くのは私だけでお願いします!!





ではでは、start!

2:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 08:53 ID:ZKc




プロローグ



あなたは今、笑っていますか?

あなたは今、泣いてませんか?

あなたは今、苦しんでいませんか?

あなたは今、愛する人と並んでますか?



告白の相手も

キスの相手も

傷ついた相手も



全部、あなたでした。

初めては、あなたが教えてくれました。



私はあなたが、大好きでした。

ずっとずっと、大好きでした。



ありがとう。

大好き。



今日も、涙がこぼれ落ちる。






May you. my dearest one. be happy eternally.

3:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 09:01 ID:ZKc


第1章 出会い、始まり



騒がしい体育館。

制服をきっちり身に付けた生徒。

真っ直ぐ前、校長先生を名乗る人を見つめる。

誰もがめんどくさい、という気持ちに溢れてるんじゃないかと思っていた。



退屈な長い校長の話。

まだかまだかと、終わるのを待ち構える。


遅い。
遅すぎる。

ため息を投げ捨ててやろうかと心の中で考えていた。


つまんない。


私は身に付けている制服をまじまじと見る。



赤いリボン、チェックのスカート。

最後まで閉めたボタン。

そこまで短くしていないスカート。


あんまり短かったら、呼び出しを喰らうに違いないから。


意味もなく、自分のつま先を見つめていた。

4:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 09:04 ID:ZKc



中学生。



私にとっては、心踊る響き。



待っていた。
今日、この日を…。



ああ、もう。
テンション上がりすぎだよ。


叫んでしまいそう。

ふう、と一息ついても、落ち着くのはほんの10秒ぐらい。



落ち着かない私は、まだまだ子供だと思い知らされる。

5:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 09:08 ID:ZKc




あれ。

気づくと校長の話は終了。


皆、頭を下げていた。


あ、礼。忘れてた。


私は少し遅れてから頭を下げる。



皆頭を下げていて、遅れた私に気づかなかったみたい。
ラッキー。

おかげで恥をかくことはなかった。


安心、安心。

でも、先生には気づかれたかも。


入学早々、目立っちゃったかな。



まぁ、いいや。
話が長い校長が悪い。
そういうことにしておこう。



まだまだ続く入学式。


私はその場にいただけ、

と言っても嘘にはならなかった。

6:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 09:20 ID:ZKc




「ね、ね、優香っ」

途中、隣から聞こえる声。

誰かはすぐに分かった。


「何?」


私の小学生からの親友、桜丘 香奈(さくらおか かな)は、目を輝かせながら私を見つめる。


小学生の時から、この瞳は変わってない。

何か嬉しいことや、興味を持った時に目を輝かせる。


香奈の特徴。



「見て見て、あの人」

耳打ちしようと、顔を近づける。


やっぱり、可愛い。

丸い大きな瞳に私は釘付けだった。



「ちょっと、優香」
「何?」
「見てる?」
「見てない」


はい、沈黙。


めんどくさい。
付き合ってる暇はない。

そんなことはなかなか言えない。

あんまりしつこかったら、言うことにしよう。


「優香の好きそうなタイプだよ」
「どんな人?」


かっこいい男でも見つけたのかな。

私の好きそうなタイプ、と聞いて、耳を傾ける私は単純だ。

7:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 09:45 ID:ZKc




香奈が指差す先には、一人の男。

背筋をピンと伸ばして、前を向いている。



黒髪、
背が高い、
かっこいい。


よし、クリア。

…って、何言ってるんだ、私。


性格が一番の難題じゃん。
性格が悪かったら一瞬で終わり。即、終了。



…でも、なんか、なぁ。

かっこいいけどさ。


チャラい感じがする。

女遊びとか激しそう。


誰にでも優しくて、でも裏の顔がある。


あ、本当そんな感じ。



「何考えてるの、優香」

「え?」

「性格はあとから知っていけばいいでしょ」

「え、うん?」



思わず頷いてしまう。


考えてること、バレてるよ…。

本当のことだからいいけどさ。


ていうか、知っていけばいいって。


それって付き合えってこと?



私、付き合うどころが、恋なんてしてないんだけど。



余計なお世話です。

なんて、言えない雰囲気。

8:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 16:10 ID:ZKc




「まさか優香が、入学早々恋に堕ちるとは」
「は?」

嘘。

これは完全に勘違いしてらっしゃる。


どうしよう。

なんとかして、誤解を解かないと。


「私…恋してないよ」

「照れなくてもいいのに」

「ちょ、してないって!!」

危ない、危ない。

もう少しで皆に聞こえるところだった。


私は少し声を抑えるのに必死だった。



「本当に?」
「うん」

即答の私を、眉間にシワを寄せて見つめる香奈。


「優の香って本当頑固」

「はい?」

「もー、認めなよ」


違うのに!!

9:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 16:11 ID:ZKc

『優の香』じゃないです、『優香』ですw

10:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 16:11 ID:ZKc


10(´∀ ` *)

地味に嬉しいww



誰かコメント下さいな( ´・ω・`)

11:姫♪ ◆F4eo:2012/09/03(月) 17:23 ID:212

あたしでよければ…なのだが。
ユッピン!また腕を上げおったなこのこのッ!
続きも楽しみにしてるぞ♪

12:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 17:31 ID:ZKc


姫!!

来てくれたんだね!!

全然上がってないw
てか変わってないw

てか…もっと下手に((←


続きは後で更新する…と思う

13:りさりん☆:2012/09/03(月) 17:36 ID:0Hg

はじめまして。
いれて下さい!!

14:姫♪ ◆F4eo:2012/09/03(月) 17:43 ID:212

>>ユッピン
なにを言ってやがるこんなに上手くなりやがってこの野郎!←
私の小説読んでみればわかるだろーよ、私が思っていることが…←
とりあえずあたしよりもうまいことは事実、だからね?

15:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 19:21 ID:ZKc




「私は…、」



「うるさいな」



…は?


思わず声に出すところだった。


危ない、危ない。

てか、誰。



「入学式中。うるさい。」

鋭い瞳を私に向ける。

何だ、こいつ。

…何だこいつ!!!



「あーあ、一瞬にして恋が…」

「恋じゃないってば!」

「かわいそ」

哀れみの笑みですか、それは。

私を哀れんでるのですか。

…どいつもこいつも。



私を睨み付け

『うるさい』と低い声で言ったのは



私のタイプの人と全く同じ、

黒髪、長身、イケメンの男だった。

16:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 19:24 ID:ZKc




ようやく、入学式は終了。

教室に戻る時に、また睨まれた気がした。


何なの、もう。

私何もしてないじゃん。

そんな睨まなくてもいいのに…。



別に傷ついてなんてないけどさ。


頬を少し膨らまし、私は教室に向かう。


そういえば。

席って、どうなるんだろ。


香奈が隣だといいのに。





そんな私の願いも、呆気なく壊された。

17:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 19:26 ID:ZKc


りさりん☆さん>どうぞ、どうぞ!お入りください!!


姫♪>ははは。何をおっしゃる。
   腕を上げた姫♪には構いませんよ。
   (今度見て、コメしにいくね)


   まぁでも…ありがとう!

18:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 19:31 ID:ZKc




黒板に記されている、私の席の場所。


窓側の一番後ろ。

…ラッキー。


少し、ルンルン気分。

香奈とは席が遠いけど、窓側で、しかも一番後ろだなんて。
こんな嬉しいことってある?


一人でガッツポーズ。

やった。
寝よう…じゃなかった、夏は涼もう。


私は自分の席の前に行く。



…ピタ。すぐさま足を止めた。



血の気が引いていく。
同時に震える足腰。


嘘。嘘嘘嘘。



今の私には、"最悪"という言葉が似合ってる。



何度目を擦っても、変わらない現実。



私の席の隣。

そこに座っていたのは、





私を2度睨んだ、あの男だった。

19:りな:2012/09/03(月) 19:36 ID:L6c

いれて♪

20:薫:2012/09/03(月) 19:40 ID:ZKc


りな>りなって、難民板にいたりな?

   あ、入っていいよ!

21:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 19:57 ID:ZKc




「…あの、あなたは席はそこですか」


恐る恐る聞く。


瞬間、男はこっちを見るから、目が合う。


あ、またあの冷たい瞳。


「言わなきゃ分からない?」

「分からないです」

「頭狂ってるね」

おい。

おいおい。

何を言う。

危なく殴ってしまうとこだった。


狂ってる?

喧嘩売ってるの?



隣の席はコイツ?

…納得いかない!!



「誰か席変わって!!」

大声で言う。

皆は私を見て、不思議そうに首を傾ける。


私の隣の席の男。

コイツを見た瞬間、教室が静まり帰った。



…え、何。



「…俺、無理」
「私も…」
「頑張って…」

そそくさと逃げていく人々。

どうして?


「…嫌なら座るなよ」

22:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 20:01 ID:ZKc




あの男の方に向けていた背中が、一瞬凍り付く。


低い声。

暖かさなんて欠片もない。



「な、…私の席はここしかないでしょ」


「じゃあ俺が違うとこ行こうか?」


つきつけられる冷たい瞳と言葉。


体が動かない。



クラスの皆はひきつった顔で、私達のやり取りを見る。



「私は…!」



冷たい瞳、言葉。
冷たい態度。
暴言。


こんな男は見たことない。

それほど最悪。


なのに、なのに…。



席を離れるのを、ためらってしまうのはどうしてだろ。

23:椿 ◆XZbk:2012/09/03(月) 20:02 ID:/CE

薫、入っていい?
あ、元眞璃亜ですww

24:薫(ユッピン♪):2012/09/03(月) 21:05 ID:ZKc


椿>え、え、マジで?
  入っていいよ!!

  椿のスレにも行きたい!
  もしもスレたててたら、
  スレ名教えとくれ〜

25:つばき:2012/09/03(月) 21:21 ID:i-OX.

『小さな小さな私の初恋。』ってのと、『わたしとあなたとあなた』って言うのですww
下手すぎロワタ\(^O^)/な、小説ですwwww

26:薫(ユッピン♪):2012/09/04(火) 16:08 ID:PUw




「…っ!」



でも、言えない。


席を離れたくないなんて。
この人の隣が良いなんて。



どう言い訳すればいいの。




「離れたいんだろ」


「…そういうわけじゃっ」


「俺さ」

ぴく。

私の指先がほんの少し動く。


何を言われるか、少し怖がってる自がいるような気がした。



「冷たい、無視とかで小学生の頃いじめられてたんだよね」



どうして?
って、聞きたかった。


だって、おかしいよ。



どうしてそんな悲しいことなのに、笑ってるの。
どうしてそんな悲しいことなのに、泣かないの。



確かに笑ってる。


でも私には、

瞳の奥が悲しみに満ちたように見えた。

27:薫(ユッピン♪):2012/09/04(火) 16:09 ID:PUw


椿>了解!
  見に行くね〜

28:椿 ◆XZbk:2012/09/04(火) 16:17 ID:/CE

優香ちゃん、もしや恋に…!!!?続きが気になる!!(>∀<)

>>27
ありがとん♪

29:薫( ユッピン♪):2012/09/04(火) 17:09 ID:PUw


椿>感想ありがとう!!

  椿のスレは、今拝見中w

30:薫(ユッピン♪):2012/09/04(火) 17:42 ID:MXQ




何も言えない。



この男に突き刺さる視線。

考えただけでも、苦しいはずなのに。


どうして、苦しんだりしないんだろ。
弱音ぐらい、吐けばいいのに。


「で、席変えようか」


ガタ、と教科書片手に立ち上がる男。


「待って…!」



「…何?」



関わるのは、これで最後。
だから最後は優しくしてあげる。

そんな感情がこもってる笑顔。


やっぱり少し寂しそうだった。



どうしよう。

変えたくない。
変えなくていい。

でも…そうしたら…



『隣の席の奴は偽善者』
『いい子ぶってるんじゃないの』
『アイツの隣とかありえない』


そんな声が聞こえる可能性も、低くはない。


…裏切られる。

香奈も離れていくのかも。

このクラスの人達全員を敵に廻してしまうことになる。



一人になる?
友達がいなくなる?

楽しい生活が崩壊してしまう。


そんなの…耐えられないよ。



「…私、」

31:薫(ユッピン♪):2012/09/04(火) 17:46 ID:MXQ




無視
悪口
冷たい視線

これを、全部体験することになる。


私の決断次第で、香奈はどう動くか決まる。
皆はどう動くか決まる。



「っ…」


言葉が詰まる。

クラス皆、この男も含め、私から目を離さない。



ハブられる。

その一言が頭に浮かんだ。



「勝手に席変えていい、のかな」

確かに声は震えていた。

「いいんじゃない?言い訳なんていくでも浮かぶよ」

寂しさはもうなかった。

この男の声が、心に突き刺さる。



…心の中でしか謝れない私は卑怯だ。



「…移動、お願いします…」


目を強く瞑り、拳を握りしめた。

32:椿 ◆XZbk:2012/09/04(火) 17:48 ID:/CE

>>29
何かハズいwww

>>30
「私…」!!?続きが気になるぅ…!!!!

33:椿 ◆XZbk:2012/09/04(火) 17:49 ID:/CE

>>31
あ、更新されてたww

34:薫(ユッピン♪) :2012/09/04(火) 18:12 ID:MXQ

>>32
見た!!!!
めっちゃ凄いw
コメもしてきたよ〜



>>33
更新は気まぐれですからww
たくさん更新する日があるw

35:椿:2012/09/04(火) 18:30 ID:/CE

>>34
わかった〜楽しみにしとるからなァ〜(*>▽・)b

36:薫(ユッピン♪):2012/09/04(火) 21:13 ID:MXQ




瞑っていた目をそっと開ける。


瞬間、心が酷く傷んだ。



「一人になるけど、我慢して」

眉を下げているのに、この男は笑っていた。


必死に笑いを作ってるようにも見えた。



最低だ。

私…本当に最低だ。





「優香…」

あの男が席を移動したあと、香奈はそっと近寄ってきた。



「…けっこう、いじめられてたみたいだよ」

こそっと耳打ち。


何もしてあげられない。
そう思うと、悔しくてたまらない。



「いいの?」
「…え?」





「隣じゃなくて、いいの?
 あの人、すごい優しそうだけど」



何を、今さら。

バカみたいじゃん。


隣じゃなくたって困らない。

隣じゃなくたって、
…私の生活に、被害はない。



そうだよ。
今さら言うことない。



ないのに。





いつの間にか、瞳には涙が浮かんでいた。

37:椿 ◆XZbk:2012/09/04(火) 21:18 ID:/CE

あぁ!!優香ぁっ!

薫は天才すぎだぁっ!!

38:薫(ユッピン♪):2012/09/05(水) 06:53 ID:MXQ


椿> 毎回、毎回…
  本当にありがとう!!

  天才じゃないけどね(笑)
  私小6でこの文才だぞ、オイ(´・ω・)

39:薫(ユッピン♪):2012/09/05(水) 16:19 ID:MXQ




「優香…」

慰めるように、トントンと私の背中をさすってくれる。


本当、香奈は優しい。
優しくて、暖かい。

私もこんな優しくなれたらいいのに。


人一人傷つけることのない、優しい人間になれたらいいのに。


そしたら、誰かが悲しむことはない。

悲しそうな顔で、授業を受けることもないのに。





…悔しい。

40:薫(ユッピン♪):2012/09/05(水) 16:24 ID:MXQ






それからすぐに担任の先生が入ってきた。

先生は男で、意外と若い。
優しそうだし何より。


席のことは気づいていないらしく、何も言ってこなかった。



私の隣の席…

そこには誰もいない。


同じくあの男の隣も誰もいない。

あの男は、隣の人がいない寂しい隅っこの空(あ)いてる席に座ったから。


…見てて悲しくなる。





気づくと皆は教室を出ていた。

もう帰る時間らしい。


良かった、入学式は午前で終わりで。

家帰って…テレビ見てゆっくりしよう。



「帰ろ、優香」

「あ…うん」


話しかけてきてるのは香奈。



でも、私の視線の先には、










独りぼっちで帰ろうと鞄を持ち上げる、あの男だった。

41:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 14:58 ID:XIg




なんだか、なぁ。


虚しいって言うか寂しいって言うか。


親が出掛けて、独りで留守番。

その時と同じような気持ち。



何かが、足りなくて。
何かが、欲しくて。

温もりを求めている。
心が、痛んでる。



「優香?」
「…ん?」
「どしたの?」
「え?」


ポツ。
額に何かが落ちる。

…雨?





「何で、泣いてるの?」



不思議そうに問いかける香奈。



嘘。
雨じゃないの?



瞳からこぼれ落ちる雫。



それは間違いなく、涙だった。

42:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 15:45 ID:XIg




止まらない?


その前に私、どうして泣いてるの?



「優香…どうした〜?」


少しばかり焦る香奈を見て、私は涙を拭う。


「分かんない…」


笑って見せる。



拭った涙は再び溢れてきた。



分からないよ。

私はどうして、泣いてるの?

誰か教えてよ。



虚しく、寂しい心。

誰か、満たしてよ。


私の心を満たして。

温もりが欲しい。



慰めて。慰めて。

お願い、誰か。



抱き締めて…

43:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 15:50 ID:XIg






グイ、と誰かが手を引く。


驚き目を見開く香奈。


私も驚きを隠せず、危なく息が止まるところだった。



「なんで、泣いてんだよ…」


驚いて私を見るのは、あの男。

愛想のない奴だけど、優しそうな瞳の持ち主の。あの、男。



驚きたいのはこっちだよ…!!


びっくりした涙が止まってしまった。


いや、びっくりしたからじゃないか。


この男が…手を握って、私を心配してくれたからか。


心が暖かくなったのも、この男のおかげか。



「ちょっと借りる」

「ど、どうぞ」

あまりに鋭い瞳に、香奈は迫力負け。

そんなに怖いかな。


私には、この瞳をするのは不器用なだけ。

本当は優しいような感じ。



…って、私何でこんな男のこと良く言ってるの。

44:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 15:57 ID:XIg




ていうか!!

私、どこに連れて行かれるの!?


脅迫?

脅迫じゃないよね?

額から流れ落ちる汗の理由は何だ。


怖い。

怖い怖い!!

何されるの、私。


何か怒られる?

やだ。やだやだ。怖い。



香奈!!


助けを求めるかのように、香奈の方を見る。


完全に私は涙目になってた。



パチリ。
目が合い、香奈が見せるのは憎たらしい笑顔。


「頑張って!」


ちょ…!!

まるで恋する乙女を応援する友達だ。


私はこの男に恋なんてしてない!!

助けてよ…!!



何度願っても、助けてくれることはなかった。

この男にずるずる引きずられていくだけ。


もう、いい。

どうとでもなれ。




…気づいていなかった。



この男が握る手に安心して、虚しさも寂しさも消えていたことを。





…気づいていなかった。



この男がいきなり手を握るから、心臓がうるさいことも。

45:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 16:04 ID:XIg






さて。

私はどうなることやら。



着いたのは、近くの公園。


たくさんの家が並ぶ、住宅街。



こんなところで中学1年生の男女が、二人っきりで立っているって。

近所の人に誤解でもされるんじゃないか。



「…あの、」



「なんで泣いてたんだよ」



近づく顔。


ちょ、近すぎ。



下がろうにも下がれない。

塀が邪魔で、後ろに行けないもの。


どうしよう。


距離はどんどん縮まる。


「ち、近いっ…」


「…聞こえない、もっとはっきり言えよ」


眉間にシワを寄せるのはやめてくれ。


怖いじゃないか。



「ち、近いってば」


「…聞こえねぇ」



…聞こえてるくせに!!

46:理沙♪:2012/09/06(木) 16:05 ID:0Hg

いれて下さい!
すっごい面白いデス💓

47:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 16:10 ID:XIg




ムカつく!!

この男、やっぱりイライラする。


怒りなしではこの男といられない。


…厄介だな。



「何で泣いてたんだよ。日本語通じないのか」


「なっ、通じるに決まってるでしょ」


「じゃあ答えろよ」


「そ、それは…」


寂しくて泣いた。


そんなこと言って。

笑われないわけがない。


生涯バカにされ続ける未来が見えている。


…ああもう、本当イラつく人。



「おい」
「何ですか」
「聞いてるのかよ」

「聞いてますよ!!」

怒鳴ってしまう。

悪かったな、って気持ちなんか全然ない。

「嘘つけ、じゃあ答えろよ。
それとも言ってる意味が分からない?
もっと"ここ"使えよ」


男は私の頭をトントンと叩く。


ブチ。
私の中の何かが切れた。



「うるさいな!!!!!」



こんなムカつく奴は世界でたった一人だ。

48:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 16:11 ID:XIg


理沙さん>どうぞ!!
     
     面白いだなんて…嬉しいです!!
     ありがとうございます(´ω ` )

49:りさりん☆ ◆XL8M:2012/09/06(木) 16:20 ID:0Hg

私は本当のことを言ってるだけですから!
本当に面白いです☆
わたしの小説とは大違い♪
続き頑張って下さいね!

50:結愛:2012/09/06(木) 16:31 ID:i-vQE

薫さん初めまして。最初から全て読ませて頂きました
凄く面白かったです。

51:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 16:56 ID:XIg

りさりん☆(理沙)さん>ありがとうございます(⊃д⊂)
           めちゃくちゃ嬉しいです!調子に乗っちゃいますよ!←         
           
           そんなこと言わないで下さいよ!
           私よりksな小説は存在しませんw



結愛さん>初めまして!!

     ありがとうございます!!
     面白いだなんて(´▽ ` )エヘヘ←
     感謝です(>ω<)

52:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 17:03 ID:XIg




「怒るなよ」

「…あなたが悪いんでしょ」


わざとらしく、そっぽを向いてみせる。

怒った。
完全に怒ったんだから。

そんな素振りを見せたあと、私は頬を膨らまし、目を合わせようとしない。


すぐ前から聞こえてくるため息。

ドキ、と反応してしまう。


「何?寂しくでもなった?」

「んなっ…」

熱がこもる。

最悪だ。
一瞬にしてバレた。

恥ずかしい。


きっと、心の底で私のことをあざ笑ってるに違いない。


悔しい!!


「寂しかった…わけじゃっ」
「じゃあ何」
「…泣いてない」
「嘘つけ」
「……」


言い返せない。



腹立たしい。

というか、何だかバカバカしい。



素直に言えばいいのに。



あなたに嫌われたかと思って、悲しかった…って。

53:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 17:10 ID:XIg



素直じゃない。

そんなこと、前々から分かってる。


でも、素直じゃないせいで、こうやって人を傷つけてしまう。

…変わりたいのに。



目を瞑っても、すぐに現実に引き戻される。

嫌だ。

もう、人を傷つけたりなんてしたくない。


嫌だよ。
傷つきたくない。

…もう、何もかも嫌気がさす。



「あのさ」

私の顔に手が近づく。

この男の、大きな手が。


「っ!?」

ぐい、と力強く瞳を擦られる。

痛い痛い!!


「じっとしてろよ」


痛い。
こんなの、意味分かんない。


でも、大人しく従ってしまう。


「ん…」


気づけば手は放されていた。

何、されたんだろ。


「涙、拭いてやっただけだよ」

「…あっ、そ」

ぷい、と下を向く。

何だか目が合わせづらい。


だって、目を背けたかった。





…こういうちょっとした優しさに、不覚にもドキッとしてしまったから。

54:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 17:19 ID:XIg




「名前、なんだっけ」

ちょ、空気読んでよ。
なんて言っても分かんないか。

一人で目そらしてたしてただけだしね。

…何だか変な気持ち。
こんなの、はじめて。


呼吸を整えたあと、私はすうっと肺の奥まで息を吸う。

「優香…神咲優香(かんざき ゆうか)」

「ふーん」

ふーん、て…。

聞いたのは誰ですか?

「俺は…」

一旦言葉が止まる。

緊張でもしてるのか、咳払いをしていた。


少し恥ずかしそうな感じだし。
こんな一面もあるんだ、意外。


「…瀬川 光也(せがわ こうや)」


名前を知った途端。


何だか心が、じゅわりとなった。

55:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 17:29 ID:XIg



光也。

名前だけはカッコいいじゃん。



名前だけは、ね?


「学校ではあんまり俺の近くにいない方がいい」

「…何で?」

聞いてすぐに思い出す。

あ、いじめられてたんだ。

私にも被害が加わるかもって、心配してくれてるのかな。



「私は大丈夫だよ」
「別に…お前の心配なんてしてない」
「そ、それは酷い」

嘘泣きする私を見て、瀬川光也…、瀬川くんは笑う。

柔らかい表情。


今日見せた、悲しそうな笑顔じゃない。


「嘘だよ。お前もいじめられるだろ」

「だ、大丈夫!」

「何がだよ、バカ」

「痛っ」

デコピン。

しかもかなり痛い。
ジンジンと痛む。

きっと、赤くなってるはず。
…酷すぎる。

「俺のことは構うな」
「…さぁね」

分かった、とは言わない。

だってきっと、話しかけてしまう。

瀬川くんのことを少しだけ知って、舞い上がってる。

どうしてこんなに嬉しいんだろ。
あんなに憎たらしいと思ってたのに。

「じゃあ、何かあったらすぐ言え」
「うん」
「約束破ったらデコピンな」
「う、うん」

怖い罰だな。

何かあったら言う。
約束事。

…瀬川くんとの、約束。

何だか…心が熱いよ。


「じゃあ今日はもう帰る」

「あ、せ、席は…!」

隣になりたい。
そんなことは言えないけど。

…あの席に戻りたいよ。


「勝手にすれば」

ふ、と微笑む瀬川くん。

込み上げてくる嬉しさ。
同時に暖かさも。

私は名一杯元気に笑うと、瀬川くんに手を振って別れた。



敵対していた相手。
ムカつくあの男。

本当は、
少しいじわる。
でも、優しい。


少しだけど、私は彼を知った。





1章終了

56:ルナ LETORO:2012/09/06(木) 18:04 ID:ZT.

いや〜上手いデスね〜
頑張って!!

57:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 18:17 ID:XIg

ルナさん>ありがとうございますううう!!!
     上手いだなんて(´∀ ` )グヘヘ…←
     
     頑張ります( `・ω・´)

58:ルナ:2012/09/06(木) 18:35 ID:ZT.

ちょっ グヘヘ てww
怖キモだよ(*з)

59:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 18:40 ID:XIg


第2章 ドキドキ



家に帰宅。

ただいまも言わず、私は階段を掛け上る。


跳び跳ねてる心臓。
にやけてる口元。

私きっと今、変な顔してる。

そんなこと分かってる。
ちゃんと実感してる。

でも、でも、顔を引き締めることができない。


にやけてしまう。
緩んでしまう。

…心臓がうるさい。


部屋に入るとまず先に、ベッドにダイブ。


教科書とか用意しなきゃ。

ああ、そうだ。
1日目からやることもあるんだ。
自己紹介の内容を考えなきゃ。

でも、体が動かない。

動く気になれない。


全身が痺れて、じわじわしてる。

心臓がうるさすぎて落ち着かない。

何だ、これ。
何だ、この気持ち。


瀬川くんの顔が浮かぶ。

何だか、明日会うのが照れくさい。



どうしちゃったんだろ、私。

60:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 18:41 ID:XIg


ルナさん>えへへww
     すみませんw

     凄く嬉しくて…(´;ω;)

61:ルナ LETORO:2012/09/06(木) 19:08 ID:ZT.

小説も面白いけど
薫も面白いww

62:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 19:30 ID:XIg


ルナ>でしょ?((キリッ←

   これからも見てくれると嬉しいな(^ω^)
   

ってことで、雑談stopします!!
小説の続きはまた明日*

63:薫(ユッピン♪):2012/09/06(木) 19:30 ID:XIg

>>62
うわああああ!!!

思いっきりタメ口呼び捨て!!
ごめんなさい!!

64:ルナ LETORO:2012/09/06(木) 19:48 ID:ZT.

えー?別にいいよ!
タメ&呼び捨てでよろしく(^∀^)

65:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 12:23 ID:XIg




変なの。


心臓が鳴りやまない。


なんだ、これ。
胸騒ぎでもしてるのかな。

これから嫌なことが起こったりするのかな?


…んなわけないか。


だっておかしいよ。

心臓は鳴ってるから、胸騒ぎなのかもしれない。

でもね。



頬が熱い。

落ち着かない。


それは瀬川くんの顔が浮かぶからで。


きっと釣り上がった瞳。

最初は怖かった。
今になっては怖くない。

少し不器用なだけで、あの瞳の奥には優しさが隠されている。



分かってるのは私だけ。

そう思うと、胸が高鳴る。



それに、いつもより息がしずらい。
苦しいというか、なんというか。


胸がドクドクして、体が飛び上がりそう。





…私、なんだかおかしい。

66:ルナ LETORO:2012/09/07(金) 16:51 ID:3to

めっちゃキュンキュンする〜♪
純粋(#ω^)
頑張って〜♪

67:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 17:17 ID:XIg


ルナ>返事遅れた!!
   ルナもタメよびでいいよ(*^^*)
   
   感想ありがとう!!
   純粋かーらーのー切ない!!に、しようと思ってるよww

68:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 17:22 ID:XIg






私の名前を呼ぶ声。

部屋中に響いていた。

同時に体も揺さぶられる。

ああ、もう。
うっとうしい。


怒りが込み上げる。

誰なの、一体。


「優香!!」

「ひっ」

びく、と体が反応する。

相当大きい声だった。

こんな鬼のような声を出す人間。
私の母以外にいないはず。

「ん〜、どうしたの?」

眠たそうに目を擦る私を見て、お母さんははあ、とため息をつく。


「寝てないで、下りてきなさい。ご飯食べてないでしょ!!」

あ、私いつの間にか寝てたのか。
ようやく気づいた。


寝ている私を起こそうと、私を呼んだのか。

…なるほど、納得した。



「あ、さっき男の子が来てたわよ」



…え?



男の子?私の家に?


…ありえない。



私の耳が腐ってるとしか思えなかった。

69:みみ:2012/09/07(金) 17:30 ID:Bn2

ユッユッピンさんですか!?
私、ユッピンさんの小説大好き!!
今までの、小説全部読みました!!
おもしろいです!!
応援してます!!

70:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 18:16 ID:XIg




ははは。

ありえない。


どうして、瀬川くんの顔が浮かぶんだ。



おかしい。

その前に、私の家なんて知らないはずだよ。


来るわけない。



「どういう子?」


「黒髪、イケメンね」


ふふ、と笑うお母さんはまるで恋する乙女。

そんな母に私はドン引き。


キモ、というか怖い。


いい年してなんて顔してるの。



「黒髪かぁ」

「いいから早くご飯食べなさいよ」

テーブルにご飯とお味噌汁と…色々出すお母さん。


黒髪に引っ掛かる。


瀬川くんは黒髪。
瀬川くんはイケメン。

そう、第一印象はまさにこれ。


黒髪、イケメン男。


まさか。

まさか、ね。



鳴り響く心臓の理由は何だ。

71:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 18:17 ID:XIg


みみさん>ユッピン♪ですよ(´∀ ` *)

     大好き!!なんてありがたい言葉!!
     ありがとうございますっ!!
     応援していただけるなんて、嬉しいです♪

72:薫(ユッピン♪):2012/09/07(金) 18:53 ID:XIg




いいや。

明日、聞こう。


白米を頬張る。


あれ、ちょっと待って。

よく考えれば、聞くってことは話しかけなきゃ。
学校で瀬川くんに話しかけなきゃ。


何だか緊張する。

目をそらしてしまいそう。


大丈夫だよね。


気づけば箸を持つ手が止まっていた。

ボーッと天井を見つけて、上の空。

お母さんに早く食べろと怒られる前に、私は箸を動かす。



さっきから、変なの。

ドキドキドキドキして。



明日、香奈にも質問しよう。

この気持ちって何かな、って。

73:みみ:2012/09/07(金) 19:57 ID:Bn2

おおおお!!
ユッピンさん!!!
すごくおもしろいです!!

74:藍香:2012/09/07(金) 23:01 ID:Z5E

来たよ♪

75:薫(ユッピン♪):2012/09/08(土) 09:52 ID:XIg


みみさん>ありがとうございます(´∀ ` *)



藍香>来てくれてありがとう!!

76:匿名さん:2012/09/08(土) 11:07 ID:Bn2

あの…ユッピンさんて、
線香花火という小説かいてますか?
ちがったら、すみません!

77:みみ:2012/09/08(土) 11:08 ID:Bn2

上私です!

78:みずき:2012/09/08(土) 11:59 ID:TO.

はじめまして!
ユッピンさん、よかったら私の小説も読んでくださいっ!
青い空 〜ワタシノオモイ〜 っていうヤツです。
ぜひみなさん来てくださいっ!

79:薫(ユッピン♪):2012/09/08(土) 22:24 ID:XIg











頬を撫でる眩しい日差し。

眩しくなり、私は目を開ける。

カーテンから差し込む光はとても眩しく、輝いていた。


朝だ。

…起きなきゃ


本を読んでるうちに、いつの間にか眠りについてしまったらしい。

枕元には折り目のついた恋愛小説。

あーあ。
大好きなやつだったのに。


少しがっかり。

まあ、とりあえず起きなきゃ。



重い体。

これは…、体が拒否反応を起こしている。

起きるのが相当嫌らしい。


じゃあもう少し寝ようかな。


もう一度布団に潜り、眠りにつこうとする。



そこで浮かんだのは、恐ろしい形相をしたお母さんの顔。

起きないと、部屋に入ってきて…



朝から怒鳴られるのは嫌だ。


トン、トン、と、階段を上る音が聞こえ、私は慌ててベッドを抜け出す。



改めて実感。



恐るべし、母。

80:薫(ユッピン♪):2012/09/08(土) 23:38 ID:XIg


みみさん>あ、書いてましたよぉ〜
     もう書いてませんが(笑)←



みずきさん>了解です*
      時間のあるときに読ませてもらいます!

81:みみ:2012/09/09(日) 07:32 ID:Bn2

やっぱり!!
ユッピンさんだったんですね!
すごく、おもしろかったです!
なんか、文章てきにユッピンさんだったので…それに、すごく上手だったから><

82:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 09:38 ID:XIg




「あら、優香」

ふふ、と笑うお母さんを見て、背筋が凍るかと思った。

笑顔が怖いな。

やっぱりちゃんと起きてよかった。



部屋のドアの前にお母さんは立って動かない。

ピクリとも表情を変えず、私を見つめる。

…なんなんだ、一体。



「これから朝早く起きなかったら携帯没収」

「…は?」

形態募集?

じゃなかった、携帯没収?


頭の中は真っ白。

お母さんは1階に下りていく。


取られる、ってことを考えてたわけじゃない。



携帯があったことを忘れてた。

そうだ、昨日香奈にメールすればよかったんだ。


…あーあ。


私のバカ…。

83:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 09:40 ID:XIg


みみさん>『文章的に』w
     そうです、私ですw

     上手いだなんて(´▽ ` )
     嬉しいです*

84:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 11:01 ID:XIg



まあ、とにかく。

用意、用意。



制服を手に取り、すぐさま着替える。

きゅ、とリボンを締めて。

大鏡の前に立つ。


シワ1つないブレザー。
可愛らしいリボン。
チェックのスカート。

こういう制服には憧れていた。

小学校は私服だったから、制服に変わると嬉しい。



私が通う中学校の制服。

この制服を着るのは2回目。


今日からもう午後まで授業。

今日は確か部活の1日入部。

色んな部活に1日入部して、入りたいと思う部活に入れる。



できれば香奈と同じがいい。

あ、帰宅部でもいいかも。



あれこれ考えてるうちに浮かぶのは、やっぱり瀬川くんの顔。


瀬川くんとも同じ部活に入れたらいいな。

気づいたらそんな希望を持っていた。

85:匿名さん:2012/09/09(日) 11:28 ID:Bn2

おお!
おもしろいです!
ユッピンさんは、私のあこがれです!

86:みみ:2012/09/09(日) 11:29 ID:Bn2

上、私です!

87:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 12:05 ID:XIg


みみさん>ありがとうございます*

     憧れだなんて…照れちゃいますよ(笑)

88:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 14:38 ID:XIg




「行ってきまーす」

爪先をトントンと床につけ、しっかり靴を履く。

靴を履き終えたら、小さく深呼吸。


初めてじゃないはずなのにな。

小学生の頃に同じクラスだった子もいるのに。



…瀬川くんとは違う小学校だったから、緊張してるのかな。



「優香〜」

「あ、香奈っ」

香奈の声が玄関に響いたため、私は慌てて外に飛び出す。

外では笑顔で私を迎える香奈。


真っ白な歯を出して、ニカッと笑って。



今日も元気に頑張ろうね、って言ってるみたいだった。

89:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 14:44 ID:XIg



じゃあ行こうか、と微笑む香奈。


…やっぱり可愛いな。

私も可愛くなれたらいいのに。


そしたら、瀬川くんは私を女の子として見てくれる。



…って、私何を考えてるんだろ。

瀬川くんに女の子として見られたからって何だって言うの。

どうして、どうしてさっきから瀬川くんのことばっかり。



部活のことも。

そういえば、制服を着てる時も本当は考えていた。



"どういう風に着こなせば、瀬川くんは見てくれるのかな"



ああもう、何だか変。

私おかしい。

忘れよう。
こんな変なこと考えない。



「ねぇ、香奈」

90:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 14:50 ID:XIg



無理やりでも考えないようにしようと、香奈に話しかける。

他人にも迷惑、かけてるようだな。



「ん?」


それでも笑顔で振り向く香奈を見て、何だか惨めな気持ちになる。



可愛くて、優しくて。

男の子の好きなタイプの女の子。



…瀬川くんも、こういう女の子を好きになるのかな。



「あ、あのさ…」

「うん、何?」

「……」

ピタリと足を止める。

香奈も不思議顔で足を止めた。



沈黙が続く。

香奈はきっと私の言葉を待ってるんだ。



…なぜか声が、出ない。



「…な、なんでもない!忘れていいよ!」

「ええー、何それ」

「た、たいしたことじゃないから!」

ニコ、と笑いを作って見せた。

香奈は首をかしげながらもまた歩き出す。



可愛くて優しい、香奈。

そんな香奈を、瀬川くんは好きになるかも。



「…何これ」



心がモヤモヤする。

91:みみ:2012/09/09(日) 15:41 ID:Bn2

うあぁぁぁぁ!
おもしろすぎる!
天才だ…

92:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 17:54 ID:XIg


みみさん>およよ…
     そんなこと言ってくれるのはあなた様だけです…←
     ありがとうございます…!

93:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 17:59 ID:XIg






ガラリ、ドアを開ける。

目の前に広がる光景はいつもと変わらなくて、笑顔の皆。

何人かでかたまって、お喋り。

ほとんどは小学校の時に一緒にいたグループだった。

「おはよっ」

そんな中に、香奈が声を張り上げる。

可愛く優しい人気者の香奈。

「香奈!おはよ!」
「おはよ!昨日のテレビ見た?」
「ねえ香奈ぁ、どうやったらそんな可愛くなれるのぉ?」


わらわらと香奈の周りに集まる女子逹。


それを羨ましそうに見る男子。
はっきり言って、キモい。



話をしている香奈から、あの人にと視線を移す。



本を片手に、ピンと背筋を張って真剣顔。



まさしく、それは…

94:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 19:02 ID:XIg











瀬川くん。



「おはよ」

か細い声でそう呟く。

何だか緊張する。



「…無理に挨拶しなくても」

喋ってるのに本は離さず、見続ける。

瀬川くんって感じ。

「別に…無理してないよ」
「小さい声で言ってる」
「どういうこと?」
「クラスの皆に聞こえたら、俺に話しかけてるってことであんたも無視されるし」

な…

ななな…

何を言ってるんだ。



そんなの私は気にしない。
昨日言ったはず。

分かってない。

私は、瀬川くんに好きで話しかけてるのに。



「あんた、無視とか怖いんでしょ」

無視。

怖くないと言ったら嘘になる。



それ以前にね。
さっきもそうだったけどさ。



どうして、"あんた"なの?

昨日は優香って言ってくれたのに。

どうして、どうして?










仲良くなれたと思ってたのは、私だけだったの?

95:薫(ユッピン♪):2012/09/09(日) 19:04 ID:XIg

>>94修正



それ以前にね。
さっきもそうだったけどさ。



どうして、"あんた"なの?

冷たい声で、私を呼ぶ。

昨日は優しかったのに。










仲良くなれたと思ってたのは、私だけだったの?





これが本当です!

96:椿:2012/09/09(日) 19:35 ID:i-3iA

わー!!!!小説めっちゃ進んでる(ノд<。)゜。あ、全部見たよ!超面白かった!
これさ、野いちごで書いてたら、絶対小説化されてるよ!(o>ω<o)

97:みみ:2012/09/09(日) 22:11 ID:Bn2

ユッピンさんの小説を、見て元気がでました!よし!宿題やろう!

98:薫(ユッピン♪):2012/09/10(月) 06:53 ID:XIg


椿>見てくれてありがとう°(° ´д` °)°
  椿のもまた見てコメしに行く!!!

  野イチゴで書籍化…
  書籍化はしたいけど私の文才じゃ無理だ(笑)



みみさん>そう言われると嬉しいです!
     宿題頑張って下さい〜

99:薫(ユッピン♪):2012/09/10(月) 06:54 ID:XIg

100まであと1〜!

100:薫(ユッピン♪):2012/09/10(月) 06:55 ID:XIg

わ〜い、ついに100♪

いつもコメントありがとうございます(^∀^)

101:匿名さん:2012/09/10(月) 15:31 ID:Bn2

ユッピンさん!
ついに100ですね!
これからも頑張ってください!
応援してます!

102:椿:2012/09/10(月) 20:37 ID:i-cew

おぉ!祝100゚+。(*′∇`)。+゚

いや、薫なら出来るね((キリッ←
しかも、野いちごなら、お金がかかるけど、小説つくれるし!まぁ薫は、ピンクレーベル賞を受賞して、小説化されると思うけどっ!

103:薫(ユッピン♪):2012/09/11(火) 15:49 ID:XIg




声が出ない。

話しかけたいのに話せない。



本へと視線を戻す瀬川くんを見て、感じたことのない痛みに襲われる。


どうして?

どうして、私を見てくれないの?



どうして、冷たいの…



「瀬川くん…っ」

「何…」

自分の服の裾を強く握る。

目を見開く瀬川くんを私はただ、見つめていた。



「…なんで」
「え…」



「どうしてっ」



走り出す。


教室を出て、階段を下りて。


とにかく瀬川くんに会いたくないという気持ちでいっぱいだった。



よく分からない。…けど、凄い痛い。





…痛いよ。

104:薫(ユッピン♪):2012/09/11(火) 17:11 ID:XIg




冷たい風が吹く屋上。

その隅っこに私は座る。

…驚いた顔で瀬川くんは私を見てた。

そりゃあ、驚くよね。

…目の前でいきなり、泣いたんだもん。


まだ微かに浮かんでる涙。

涙腺が緩んで、少しの衝撃ですぐ流れそう。

…分からない。どうしてこんな気持ちになるのか。



…そう言えば。

教室を出る時に、香奈に呼ばれた気がする。

泣いてたの、バレたかな。



…どうして、かな。

どうして、瀬川くんはあんなに冷たいのかな。

どうして、心を閉ざしてるのかな。



分からないよ。

瀬川くんのこと、何も分からない。



仲良くなりたいのに。

心を開いてくれないばかりに、一人で話しかけて傷ついて。

もう、嫌だ。

話しかけなければよかった。

そうすれば、こんなややこしい気持ちもなかったのに。





「う…」


…涙が止まらないよ。

105:薫(ユッピン♪):2012/09/11(火) 17:13 ID:XIg


みみさん>ありがとうございます!
     ここまで来れたのはみみさんのおかげ…!
     
     これからも応援していただけると嬉しいですっ



椿>ありがとう!!
  椿のおかげや(´∀` *)

  お金かかるんだ…
  じゃあ書くことはないな(笑)

  それに私の夢は、魔法のiらんどで書籍化することなんです!
  そのために、iらんどでも小説書いてるんだよ(´∀ ` *)

106:薫(ユッピン♪):2012/09/11(火) 18:33 ID:XIg



冷たく吹く風。
まだ4月だからだと思う。

私の頬をそっと撫でるわけではなく、突き刺してくる。

…冷たい。



ていうか私、何してるんだろ。



やっと中学生になったのに。
友達もいるのに。
楽しい学校生活を送ろうと思ってたのに。


全然、楽しくない。



涙しか溢れないよ。



大量の涙が頬を伝うから、顔を伏せる。



すると、ギギギ、という音が大きく響いた。



屋上のドア。

少し錆びてて、開ける時に嫌な音がする。

耳を塞ぎたくなるような、
さっきと同じ音。



屋上の扉が今、開かれたんだ。



トン、トン、と聞こえるのはきっと足音。

誰かが歩いている。

その足音は迷いなく、近づいてくる。



トン、トン、トン…。

足音が止まる。

すぐ近くで、止まった。



誰か、いる。
誰かが私を見下ろしてる。

顔を上げずに私はただ考えていた。



ポン、と肩に乗る手。

大きくはないけど、凄く暖かい。



余計、涙が溢れそうだった。



顔を上げる。

涙でぐしゃぐしゃになった顔なのに、目の前にいる人は優しく笑った。

107:クレヨン:2012/09/11(火) 19:04 ID:cnc

私の夢も、魔法iらんどで
書籍化されることですっ!
ケータイ持ってないんで無理ですが

頑張ってください。

108:椿:2012/09/11(火) 19:54 ID:i-bNw

や、人気だったら書籍化されるよ〜(´∀`)まだ出来て、5年なんだくど、109もの人が、書籍化されてるんだぁ(*^^*)
私は、そこで書籍化されるのが夢なんだぁ゚+。(*′∇`)。+゚

何か、めっちゃ続き気になるわ!

てか薫、関西人?

109:みみ:2012/09/11(火) 22:33 ID:Bn2

ううう!
おもしろすぎる!

110:姫♪ ◆F4eo:2012/09/11(火) 22:39 ID:Aqs

…失礼。
…ユッピンもiらんどやってんの!?

111:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 15:35 ID:XIg


クレヨンさん>ありがとうございます!



椿>へえ〜!野いちごって凄いね!
  頑張って(´∀ ` *)

  関西人やない(笑)
  こういう喋り方最近、癖になっちゃって…



姫♪>やってるよ〜

112:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 15:36 ID:XIg

追記

みみさん>ありがとうございます…!

113:姫♪ ◆F4eo:2012/09/12(水) 15:37 ID:c1s

>>111
…マジで!?
…あたしも。

114:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 15:40 ID:XIg






「香奈…」

優しく笑って慰めてくれる。

やっぱり香奈は優しいよ。

「何があったか知らないけど…あの人となにかあったの?」

背中をさすりながら香奈はポツリと言う。

…答えたくない。
言ったら、また泣きそうで。

無言でいると、香奈は優しく微笑む。

悲しいほど綺麗で、現に香奈は少し悲しそうな顔をしていた。


「無理しなくていい。言わなくていいから。」

「…うん」

「ゆっくりでいいから」

そう強く言う香奈はとてもたくましく、美しかった。

115:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 15:42 ID:XIg




ねえ、香奈。

これって何かな。



瀬川くんを思うと、締め付けられる。
瀬川くんを思うと、切なくなる。
瀬川くんを思うと、泣きたくなる。



分からないよ。

こんなの、初めて。



よく分からないけど、私…





…ドキドキしてる?

116:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 15:43 ID:XIg


姫♪>マジだよ〜
   一緒だね〜

117:姫♪ ◆F4eo:2012/09/12(水) 15:53 ID:c1s

>>ユッピン
でもあのサイト書きにくい…。
どうしてもあたし、長文になっちゃうから1000文字以内に収まらないんだ…w

…それはそうとして、また腕を上げたねユッピン…。
それだけあたしから離れていく気だ!?

118:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 17:22 ID:XIg


姫♪>そうかな?w
   私はどこよりも書きやすい!

   1000文字以上こえるってずいぶん長文だね…。
   1P1Pがあんまり長文だと、読者も見る気失せちゃうよ。
   
   全然あげておりませぬ(笑)
   下手くそのままだよ…
   
   ちょ、姫♪より私の方が上手いと言うことか?ww

119:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 17:28 ID:XIg




聞こうかな。

聞いてみようかな。

何だか聞きづらい。

もし、考えてる通りの答えが出なかったら?
もし、悩んでしまうような答えが出たら?

…なんか、嫌だな。



落ちている小石を指先で掴み、柵の外に投げ捨てる。

こんな無意味なことして何がしたいのか。
自分でも分からない。

でも、投げる度に心がスカッとする。

この小石がもし私の心なら、きっと何個も投げると思う。
スッキリするまで、忘れるまで、何個も何個も投げる。

このモヤモヤを消したい。

ただ、それだけ。



「…香奈」
「ん?」
「質問が…」
「何?」

スッと立ち上がる香奈に、何だか緊張する。

こんなこと言って、答えてくれるかな。
予想してる言葉が帰ってくるかな。

そんな心配をなんとか退けて、私は口を開く。

120:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 18:21 ID:XIg




「瀬川くんのことで…」
「瀬川くん?」

被さって喋るものだから、先が言えなかった。

まあ、瀬川くんという名前を分からないでもない。

瀬川くんは同じ小学校じゃなかったからね。

「入学式の時、かっこいいって言ってた…」

「ああ。瀬川くんて言うんだ。あのとき、教えてもらったの?」

あのとき、と言うのはきっと放課後のことを指している、んだと思う。

多分そう。
私が泣いた時の…

「うん、それでね」

話を続けようとすると、香奈はすぐに口を閉ざす。

何故か歩く速さが遅くなる。

緊張してるからかな、
話が長いからかな。

ゆっくり歩いて行った方が言いやすい感じがする。

「…悲しいの」

うつむきそう呟くと、香奈は首をかしげる。

聞かれる前に私は言った。

「冷たい言い方をされただけで泣きそうになった。自分でも分からないけど、心が傷い。昨日は笑ってくれて、心が暖かかったのに」

今にも涙が流れそう。

その気持ちは拳を強く握り、奥底に沈み込めた。

121:姫♪ ◆F4eo:2012/09/12(水) 18:23 ID:AG.

>>ユッピン
ったり前だ!
…あははっ、越えちまうので仕方ないのさ。
そうなんだよ…だから気をつけてんだけどね。

あげてうまいままじゃないかw

122:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 19:03 ID:XIg


姫♪>おいおいおい(笑)
   ありえないって(笑)

   お世辞やめぃw
   上手くなんてないw



じゃあiらんどHP↓
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=sennkouhanabi

123:椿:2012/09/12(水) 19:17 ID:i-HL2

神同士の争いは、地上にいるうちには、嫌味にしか聞こえ無いからやめて…(ノд<。)゜。

124:薫(ユッピン♪):2012/09/12(水) 20:04 ID:XIg


椿>ちょww
  何言ってるのww

  椿だって凄いよ…
  私のは葉っぱ天国一の駄作でございます(笑)

125:椿:2012/09/12(水) 20:21 ID:i-HL2

私は、凡人だ。((うちの名言ww

薫…頼むから、自分の事を駄作者とか言わないでくれ……

126:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 14:49 ID:XIg




優香、と優しく声をかける香奈だけど、何故だか今日は心に響かない。


香奈の優しさよりも、悲しさと虚しさが勝ってしまってる。


香奈に申し訳ないよ。
せっかく慰めてくれてるのに。



「優香」
「うん?」

香奈は分かったのかな。
どうしてこんな気持ちになるのか。

そう思うと何だか…心臓が跳ねる。


これはどういう気持ちなの?
どうしてこんな気持ちになるの?

気づくと身を乗り出して、香奈が喋るのを待っていた。



「きっと、きっとそれはね」

額から汗が流れる。

気になって仕方ない。

早く言ってと言わんばかりの顔で見つめてたのか、香奈はすぐ口を開く。

「いつか、気づくことだよ」

ふわりと笑う香奈。

どういう気持ちなのか理解できなかった。
少しだけ、残念と思ってる自分がいる。

でもそんなのも、香奈の笑顔を見てなくなった。

同時に心が軽くなった気がする。

127:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 14:52 ID:XIg


椿>椿が凡人だったら私は一体…?

  いや、言わないもなにも…
  駄作者ですので(笑)

128:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 15:23 ID:XIg


答えは知らないけど、今は我慢。

香奈の言うことを聞こう。

自分が気づくまでゆっくり待つ。
そうしよう。

いつ気づくことになるかな。

明日?明後日?明明後日?

ああもう。
我慢って決めたのに…。

「気づくのはそんなに遅くないと思うよ」

「え、どういうこと?」

「内緒。瀬川くんのとこ行っておいで?」

頬の上の涙のあと。

香奈はピンクの花柄のハンカチを取りだし、そっと拭き取る。

そして柔らかい笑顔を見せた。

私も笑顔を見せる。
まだ完全に傷が癒された訳ではないけど。

「いいのかな、私が行って。」
「大丈夫だよ」
「…そうかなぁ」

きゅ、と拳を軽く握る。

だんだんと暖かくなる手。

きっと、これぐらい、…ううん、これ以上

瀬川くんの心は暖かいって分かってる。


きっと…話してくれる。

大丈夫、大丈夫。


心を落ち着かせる。


でも、手は微かに震えていた。

129:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 17:12 ID:XIg




おさまらない、という理由で汗が大量発生中。

心臓の音がおさまらない。

…どうしよ、どうしよ。

教室の前で立ち止まり、うんうんと悩むばかり。

入ろうか、入らないか。
迷ってばっかりだった。

「優香、早く行っといで」

ぐいぐいと背中を押す香奈に、私は涙目。

怖い。嫌だ。
まだ心の準備が出来てない。

これで話しかけて無視されて、
また勝手に傷つくだけだ。

…そんなの、耐えられないよ。

悲しくてたまらなくなる。

「優香」

いつもより少し低い声。

怒ってる訳ではなさそうたけど。

私の背中を押す力も弱まって、香奈はきちんと足を合わせ立つ。



「…頑張るんでしょ?」



そうだ。

そうだよ、その通り。

頑張りたい。
頑張りたいよ。

話しかけたい。

今すぐ、話したい。

逃げてばかりじゃダメだ。



「わかっ…た」

まだ心臓が止まないうちに、私は教室に足を踏み入れる。

130:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 17:19 ID:XIg




う、うわ。心臓うるさい。
足も震えてるよ。

足を踏み入れたものの、どうしていいか分からない。

目線は足元。前を見ることが出来ない。

早く、早く見なきゃ。
顔を上げなきゃ…

吹き出る汗を袖で拭いたあと、思いきって顔をあげる。

ほとんどやけくそ。

「…あれ?」

あるはずの姿がない。

隅っこにある瀬川くんの席。

まだ、私達は隣になってない。
早く隣になりたいと思ってるのは私だけなのかもしれないから。

机の上に乱暴に投げ捨てられた本に私は呆気にとられる。

あんなに大事に抱えてたのに。
いつも読んでたのに。

乱暴に投げ捨てていった理由が分からない。

今にも落ちそう。
私は落ちないように、そっと机の真ん中に本を置く。

「…瀬川、くん」

もしかしたら私に会うのが嫌で逃げたのかもしれない。

その可能性は高い。

でも耐えられない。
今すぐ会いたいよ。

チャイムのなるギリギリの時間、私は教室を飛び出した。

131:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 17:26 ID:XIg




ホームルームが始まってしまう。

中学生になって2日目からサボりなんて、完全にふざけてる。

第一サボりなんて初めて。
怒られるというのが怖くてたまらない。

でもそんな気持ちを押し付けたのは、瀬川くんに会いたいという気持ち。

どこにいるかも分からない。

瀬川くんは授業をサボるような人じゃない。

もしかしたら、お手洗いに行っただけ?

そうだったら、悲しい。
こんなの、無駄骨。

でも、でも。

どうしても、体が動く。

お手洗いに行った、って保証はない。

どこか校内にいるはず。

本を持たずに、しかもあんなに乱暴に投げ捨てられていた本の理由。

それが知りたくて、私は階段をかけ下りる。

さすがに廊下は走らなかった。

でも、急ぎ足で、流れてくる汗も気にしなかった。

132:姫♪ ◆F4eo:2012/09/13(木) 17:30 ID:8W2

>>ユッピン
お世辞なんて一言でも言った?ww
うまくないユッピンなんてこの世に存在しないw

>>椿様
神?
…あぁ、椿様とユッピンの事ですねw

133:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 17:34 ID:XIg


姫♪>HA??w
   お世辞以外に何があるw

   それとも嫌味か!!w
   自分が腕を上げたからって…!((殴
   上手いユッピン♪なんてこの世に存在しないww
   
   神が私?
   ちょ、何言ってる?
   あ、私の目が腐ってるのか…?

134:姫♪ ◆F4eo:2012/09/13(木) 17:45 ID:8W2

>>ユッピン
え、事実w

イヤミ?ちゃうちゃう!
…あんたこそ腕を上げたからって…((殴
うまいユッピンなんてこの世に存在するしまくる!

…神がユッピン?
そんな当たり前の事になに驚いてるんだ?

…あ、あたしのスレ「スナイパー」にIランドHPのURLはったw

135:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 17:56 ID:XIg


姫♪>腕上げとらんわ(笑)
   上手いユッピン♪おらへんw

   私が神?w
   そんなありえないこと言って…全くもう( ` з´)←

   お、見た見た。
   いやぁ、さっそく手紙送ったよw

136:KIRARI☆ ◆uMhM:2012/09/13(木) 18:02 ID:HvE

やっほ〜!
最近IDが変わっててビックリしてる…w

137:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 18:08 ID:XIg




…あ、1日入部。

忘れてはいなかった。

ヤバイ。
戻らなきゃ。

どうしてもサボりは恐ろしい。
今の私に、しかも入学早々サボりなんて勇気のない私には無理。

諦めよう。

渋々と元来た道に戻る。

あーあ。
結局、瀬川くんはどこに行ったの?

とぼとぼ歩いていると、後ろから走ってくる音。

かなり急いでるらしい。

あ、私と同じ時間を気にしてる人かな。

じゃあ私も走ろうかな。

そう思った時、腕を強く掴まれて走れなかった。

何がなんだか分からなくて、混乱する。

え、だ、誰?

後ろを振り向く。

危なかった。

体が、頬が、火照っていく。

嘘、嘘。

目の前には汗だくになった…





瀬川くんの姿があった。

138:薫(ユッピン♪):2012/09/13(木) 18:09 ID:XIg


きらり>来てくれてありがとう*

    はは、私もIDよく変わる(笑)

139:みみ:2012/09/13(木) 18:45 ID:Bn2

ユッピンさん!!!
すごく面白いです!!!!
うん。よし!

















宿題やろう(笑)

140:りっこ:2012/09/14(金) 06:22 ID:oZE

審査結果

いや、もう言う事ないっすww

薫先生!

私が逆審査してもらいたいくらい!

少し見ない間に随分腕を上げましたね!

よっ先生!

もうマジで。

うん。

言う事ニャイ (・Д・)ポカーン

これからも頑張ってくださいまし!先生!!

141:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 16:12 ID:XIg


みみさん>ありがとうございます*

     しゅ、宿題…(笑)
     頑張って下さいな!



りっこ>うわああありがとう><
    先生って言われるほどの実力はないww
    
    審査ありがとう!!
    りっこの小説も見るね♪

142:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 16:39 ID:XIg




どうしてここにいるの?

そんな呑気なこと聞いてられない。

体が硬直して、言葉も出ないよ。

どうして?
どうして、私の腕を掴んでる?
どうして、そんな必死な顔してる?


「…来い」

「え!?」

息切れもして疲れてるはずなのに、何でまた動くの?

必死になる理由がわからないよ。
私のことなんて、どうも思ってないんでしょう?

「ま、待って…授業が、」

瀬川くんの服の裾を引っ張る。

すると瀬川くんはその手を振り払った。

「あ…」

何も言わない瀬川くんに、声を漏らしてしまう私。

振り払われた。
やっぱり、嫌われてる?
それとも、怒ってる?

必死になったり、怒ったり…意味分かんないよ。

「っ、授業と俺とどっちが大切?」

振り払った手を強く握る。

取り乱してる瀬川くんを見て、私の心は一瞬にして答えを決めた。



「つ…ついて行く…!」

143:椿:2012/09/14(金) 17:02 ID:i-MlA

七時間授業で疲れてた時にこれみたら、一気に疲れが取れた(*´∀`*)

更新ガンバ☆ヽ(▽⌒*)

144:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:33 ID:XIg


椿>そう言ってくれると嬉しい!!
  およよ…(泣)←
  頑張る!!

145:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:41 ID:XIg







何で私、言っちゃったんだろう。

さっき断ったら、すぐに教室に戻って授業に間に合った。

自己紹介もあると言うのに。
まあ、私的にはラッキーかも。

なんて、言ってたらダメだ。

2日目でサボるだなんて完全に問題児。

先生からは冷たい態度をとられ…

「…だ、大丈夫かな」

急に汗が流れ出る。

無言で私の手を引く瀬川くんには聞こえてるはずなのに返事はなし。

そのうち本鈴が鳴るはず。

瞬間、私の中学生活は崩壊するかも。



でも、でも。



瀬川くんと仲良くなれるなら、
瀬川くんと話せるなら、

中学生活なんて、どうでもいいと思っている自分がいる。

146:椿:2012/09/14(金) 17:44 ID:i-MlA

わぁ…(*´∀`*)

147:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:48 ID:XIg




いや、でも。

サボりはせめて、1ヶ月たってからの方が良かったんじゃ…

って、1ヶ月たったらサボっていいって訳じゃないけど。

ああ、もう。
瀬川くんの方が大切なはずなのに。

怒られると思ったら…心臓が、激しく動く。

今からでも間に合う。
間に合うはずだよ。

うん、そうだ。今から走れば…

「戻ろうか?」

くるり、振り向き無表情。

そんな瀬川くんを見て、ぽっかり口を開ける。

連れて来たのは…誰ですか。

今から戻るって。
じゃあ最初から呼ばないで!!

「じゃあ行こう」

もう手は引かない。

一人で廊下を歩いていく。

ちょ、ちょっと待ってよ。

ついて来いって言ったり、戻るって言ったり。

振り回しすぎ。

私も私だよ。

振り回されても、嫌とは思わないんだから。

訳わかんない。
あんなに敵対してたのに。

「ま、待ってよ!!」

声を張り上げると同時に私の額からは汗。

大声を出しすぎた。

「授業なんてどうでも良い!!連れて行ってよ!!」


私がそう言うとほぼ同時に、ホームルームの時間を告げるチャイムが鳴り響いた。

148:姫♪ ◆F4eo:2012/09/14(金) 17:48 ID:aPo

>>ユッピン
手紙返したよw
…ったく…勝手に腕をあげよって…。
…俺との二人の約束はどうした!?【してないしてないww】

149:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:49 ID:XIg


椿>『わぁ…』?w
  そこまで私の小説は下手かい?ww

150:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:50 ID:XIg


姫♪>thank you!!
   後で見るねっ

   腕上げとらんww
   約束しとらんww←
   むしろ下手に←ぇ

151:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 17:55 ID:XIg



ああ。

鳴ってしまった。

さっきの私なら、こんなこと思ってたのかな。

今は思わない。

瀬川くんについて行きたい。
もう、後悔はない。

私は瀬川くんに手を引かれた。

「怒られたらあんたのせいね」

一方的に振り回したのはこのお方ですよね。

私のせいって…ずるい。

「何があってもあなたのせいにします」

同じく敬語で返してみる。
なんか慣れないな。

すると瀬川くんはそれを聞いて、小さく笑った。

その時の笑顔が印象に残る。
頭にもしっかり焼き付いた。

あ、あれ。あれあれ。
何これ。

動悸が、動悸が激しい。

何これ。

「っ…笑うとか意味分かんない」

わざとそう言った。

きっと、ううん、絶対。

…これは照れ隠し。

152:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 18:00 ID:XIg




ていうか。

校内でのサボりはヤバくないのかな。

「屋上なら大丈夫だろ」

平然とした顔。
サボって怒られることを恐れていないのか。

そういうならば、結構度胸がある。

なんか、意外。

「て、てか、何で…何で汗だくでっ」

もう混乱。

今まで忘れていたくせに。
急に思い出して質問ぜめだ。

階段を掛け上りながら、瀬川くんは表情一つ変えずに口を動かす。

「あんたを探してたこと以外に何があるの?」

わ、わ、わ。
何言ってるの。

こんなの、やめてほしい。
慣れない。

…冷たい態度とったくせに、どうして絶対最後はドキドキさせるの。

153:姫♪ ◆F4eo:2012/09/14(金) 18:05 ID:aPo

>>ユッピン
yourwelcome!!
了解だぞっ!

腕上げてんじゃんww
約束したわよw忘れるなんてひどいw
寧ろうまくなってるわよww

154:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 18:08 ID:XIg






こもっていた熱も引く。

学校の外を見渡せる、屋上に私達は無言で立っていた。

ただ景色を見つめる。

このまま時間が止まればいいのに。

「…泣いただろ」

急に声をかけられ、びくっと体が反応する。

泣いた?
どういうこと…
って、ああああ!!瀬川くんの前で…泣いた!!

あれを汗で誤魔化すのもしんどい。

なんて言えば…

「な、泣いてなんか」

「嘘つきだな、本当」

「う、嘘つきじゃない、もん」

見透かされてる。

瀬川くんに嘘はつけないって分かってるのに。

だって、だって。
泣いてる、って言ったら理由を聞かれる。

瀬川くんに冷たい態度をとられたから。
悲しくて泣いた、なんて言えるわけないじゃん。

昨日の帰りもそうだったんだから。

寂しくて泣きました、なんて言えなかった。

今また同じ状況に曝されてる。
ピンチ、なんて言い逃れよう。

「見、見間違えでしょ」

私のバカ。

見間違えるとかどれだけ目悪いの。

「バカじゃねぇの」

やっぱり。

でも何か、瀬川くんに言われるとムカつくような…。

否定は出来ないけど。

「まぁ取り合えずだな、」

軽く咳払いをしたあと、瀬川くんは綺麗な瞳で私を見つめた。

155:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 18:10 ID:XIg


姫♪>今手紙見てくる〜

   じゃあ姫♪も約束破ってるわww
   私より上手くなって…腕を上げたじゃないww
   酷いわよww

156:姫♪ ◆F4eo:2012/09/14(金) 18:31 ID:aPo

>>ユッピン
了解〜。

え、わ…私は破ってないわよッ!!
ユッピンが…ユッピンが…二人で葉っぱ一の駄作者でいようっていう約束w((ry







はい、すいません。そんな約束はしてません。申し訳ありませんでした←

157:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 19:36 ID:XIg


姫♪>破った!w
   腕上げすぎだww

   駄作者ww
   私は今も駄作者やでww
   姫♪は最初から駄作者やないけどww

158:姫♪ ◆F4eo:2012/09/14(金) 20:04 ID:aPo

>>ユッピン
破ってない!
腕上げてないむしろ下げたw

ユッピンと私の…二人で葉っぱ一の駄作者でいようって言う…約s((ry
ユッピンは今も昔も神作者だろうが。
…あたしは最初から約束するまでもない駄作者w

159:薫(ユッピン♪):2012/09/14(金) 20:49 ID:XIg




「俺に話しかけるなって言っただろ」

ふう、とため息をつかれる。

柵に寄りかかり、瀬川くんは偉そうに腕を組んだ。

「っ…迷惑、なの?」

ヤバイ。

泣きそう、かも。

話しかけるな。
そう言われただけで、酷く心が傷んだ。


理由は…



…よく分からない。



「まぁ…迷惑と言えば迷惑」

「…そっ、か」

どうしよう。
なんて言えばいいの。

悲しくてたまらない。

やっぱり私は一人で舞い上がってただけ。
なんて虚しいことなの。


泣きそうになるのをおさえ、私はうつむいた。

160:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 09:35 ID:XIg




服の裾を強く握りしめる。

ダメだ。
泣いちゃダメ。

こういうのが迷惑。
瀬川くんにとって、迷惑。

もう…それならいっそのこと



一緒にいなければ…



「…勘違いするなよ」



強く抱き締めてくる瀬川くんに混乱して、私は何も言えない。

何で?どうして?

その質問を遮るかのように暖かく、優しい温もりを私に与えた。

161:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 09:39 ID:XIg




首筋に当たる瀬川くんの髪の毛。

ドキドキしてる自分がいる。

やだ。何これ。
瀬川くんに抱き締められただけ…

って、それだけで一大事だよ。

「ごめん」

腰から首筋に移動する手。

するりと絡まり、そのせいで心臓が飛び出るかと思った。

な、何?
何でこんなことするの?
どうしてごめんなさいなの?

迷惑、って言ったのは瀬川くんでしょ…?

「な…んでっ」

耐えきれなくなり、私は我慢していたものを出す。

瀬川くんの服の袖に、雫がポタリとこぼれ落ちた。

162:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 09:41 ID:XIg


姫♪>上げたではないかw
   下げたのは私やw

   こんなこと言ったってきりない…
   じゃあ姫♪の方が上ってことで、終わりにしよう(笑)

163:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 14:28 ID:XIg




雫に気づいたのか。

瀬川くんは私から離れると、ぎょっとした顔をする。

何をしていいのか焦っている。
こんなことして私は気を引こうとしてる。

…私はなんてズルいんだろう。

「んだよ…意味分かんね」

少し焦った顔つきをしながらもつくため息。

私もどうしていいか分からない。

「だっ…て…分かんなっ…い」

途切れ途切れに言う。

早く涙を止めなきゃいけないのに。

…私また、迷惑かけてる。

164:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 16:23 ID:XIg




「何がだよ」

文句ありげな瀬川くんに、私は口を開く。

「迷惑って言ったり…抱き締めたり…わけわかんないよ」

一度流した涙は止まらない。

私はひたすら服の裾で拭い続ける。

すると前から、ため息が聞こえてきた。

何回目だろう、瀬川くんにため息をつかれるのは。

何回目だろう、瀬川くんに迷惑をかけるのは。

やっぱり、関わらない方が良かったのかな。

「話しかけたら…お前はいじめられる」

そう言い私の涙を拭く瀬川くんは、どこか悲しそうだった。

165:姫♪ ◆F4eo:2012/09/15(土) 19:31 ID:jhI

>>ユッピン
あげた?むしろ下がりまくりで逆フィーバーやわw
上がったのはあんたやウチやないw

こんなこと言ったってきりがないね…。
よし、ユッピンのがうえすぎるっつーことで幕を閉じようw

166:薫(ユッピン♪):2012/09/15(土) 20:48 ID:XIg


姫♪>よし決めた

   腕を上げたのは姫♪。
   私はむしろ下がった。
   文才が上なのは姫♪。
   私はks。

   これで幕を閉じますw

167:姫♪ ◆F4eo:2012/09/15(土) 21:10 ID:jhI

>>ユッピン
決めた?

…腕を上げたのはユッピン。
あたしは下がる一方。
文才が上なのはユッピン。
あたしは文才ゼロ。


これでOKだw

168:薫(ユッピン♪):2012/09/16(日) 12:09 ID:UG6




どうして?

どうして、そんな辛そうな顔するの。

私の心までもが…悲しくなる。

瀬川くんがそんな顔するからだよ。

「私は…それでも良いって言った」
「バカじゃねぇの」
「バカで良い。いじめなんて怖くない。」

本当は怖い。

でも、瀬川くんと話せなくなるよりは怖くない。

涙を拭い、瀬川くんの方に向き合う。

そこには何か言いたそうな顔をする瀬川くん。
眉を下げて、困ったようで。

言葉が出ない。

こういう時って、どうすればいいの。

「…私は大丈夫だから」

す、と瀬川くんの手を取ろうとした。

微かに瀬川くんの手に触れた時、私の手を強く振り払う。

「俺が嫌なんだよ!!」

悔しそうに声を張り上げる瀬川くんは、凄く悲しそうだった。
凄く凄く、傷ついてるようだった。

169:薫(ユッピン♪):2012/09/16(日) 17:37 ID:UG6




嫌だってこと、悲しいってことはよく分かった。


でも、でも。



私も今は、悲しかった。


振り払われた手が痛い。
心が傷い。

冷たすぎる態度に言葉も出ない。

私はやっぱり、仲良くなれない。

私を黒く染める現実に、目を背けたくなる。

本当は仲良くなりたい。
心を許してほしい。

どうして、ダメなの。
どうして、冷たいの。


こぼされるため息に現実を感じた。

この現実は変わらない。
事実だってことを思い知らされる。


やっぱり私は仲良くなれない。

仲良くするべき相手じゃない。



瀬川くんとは、友達になれる運命じゃない。

170:匿名さん:2012/09/16(日) 18:14 ID:Bn2

そんなことない!
友達になれるよ!
頑張れば、それ以上も…

171:薫:2012/09/16(日) 19:43 ID:UG6


みみさん>毎回、本当にありがとうございます!!
     励みになります…

172:薫(ユッピン♪):2012/09/16(日) 19:49 ID:UG6



吹き荒れ、頬を突き刺す風。

春だけあって、まだ冷たい。

そんな冷たい風は、私の心をどんどん凍らせていく。

もう…涙も出ない。

「あのさ」

ぐ、と私の手首を掴む力は、強いようで優しい。

そんな優しさに惑わされることはない。

もう、運命は分かってるもの。
友達になんてなれない。

瀬川くんからは、嫌われてるはず。

「バカみたいだけどさ、お前と話すのは楽しいよ」

瞬間、動きが止まり、息でさえ潜めてしまう。

嘘。嘘だ。
今のは、聞き間違え。

だって、だって。

いっつも、鋭い瞳で…

「でもさ、俺の考えだけじゃダメでしょ」

ふ、と浮かべられた笑みは、優しく悲しく、儚い。

…泣きそうになっちゃうじゃん。

173:薫(ユッピン♪):2012/09/16(日) 19:53 ID:UG6




掴んでいた手が離される。

プツン、と糸が切れたみたい。

寂しい気持ちになるのは…何でだろ。

もっと、繋がっていたかった。

そんなわがまま、叶うはずないのに。

「お前も無視とかされちゃ、困る」

…何で?

私がそう聞く前に、瀬川くんは続ける。

「せっかくの中学校。無視されたら生活はめちゃくちゃ。
 そんなの、嫌だろ。だから、話しかけなくてもいい。」

だんだんと弱々しくなる声。

分かんないよ。

どうして、そんなに私のこと心配するの?

そういうこと言うから…





期待するんじゃん。

174:みみ:2012/09/17(月) 01:01 ID:Bn2

うんうん。たしかに期待しちゃうよ!
ユッピンさん、小説上手すぎです!

175:薫(ユッピン♪):2012/09/18(火) 16:17 ID:UG6



 泣きそうになったなんて言えない。
言っても、困らせるだけだもん。
 この気持ちって本当なんだろう。
さっきまで苦しかったのに、瀬川くんと話しただけで止まる痛み。
訳わかんない。
 香奈も教えてくれないしね。
自分で気づけるわけないじゃん。

「分かったら、もう話しかけるな」

 そう言う瀬川くんは、とても残酷だ。
そんなこと言って、なんて顔してるの。
傷ついてるぐらい分かるよ。
 友達がほしいってことぐらい分かるよ。

「…嫌だ」

 ポツリと呟いたその言葉は、瀬川くんには聞こえなかったみたい。
耳を傾けている。
 拳を握って、唇を噛み締めて。
鋭い瞳にしたつもりの目で、瀬川くんを睨む。

「どうして!! 意味分かんないよ!!」

 張り上げた声に驚き、目を見開く瀬川くんなんて、最初から目蓋の裏に浮かんでる。
 でもすぐに冷静な顔に直し、私を無言で見つめる。
私みたいに鋭い瞳ではない。
 悲しそうな、寂しそうな。
私の心が痛くなる表情。

176:薫(ユッピン♪):2012/09/18(火) 16:25 ID:UG6




 何か言いたげ。
でも、口を開くことはない。
何度も何度も口を開けては閉めて。
…何が言いたいの。

 私から喋ればいい?
…やっぱり瀬川くんの答えを待とう。
でも…何も言わないし。
 微かに震えた唇。
あんなこと言って、後悔してる。
 どうして…あんなこと言わなきゃならなかったの。
 その気を紛らわすためでもある。
 そっと口を開いた時だった。

「わっ…」

 強く吹く風に、髪の毛がなびく。
顔の前に髪の毛が現れ、前が見えない。
必死に髪の毛を掻き分けるが、風はしばらくおさまらなくて。
 おさまる頃を見計らい、吹き荒れる風に嫌気を感じながらも、髪の毛を掻き分け、広がる視界。

_____涙が、出そうになった。



 目の前にいるのは、瀬川くん。
それは変わらない。
でも、変わってるのが一つ。
それは瀬川くんの表情。



 悲しいほどに美しく、儚いほどに優しい。
そんな表情が、ただただ私を見ていた。

177:薫(ユッピン♪):2012/09/18(火) 17:15 ID:UG6




「っ…」

 言葉も出ない。
優しい笑顔に凍り付くのは初めて。
どうして、こんな虚しい気持ちになるの。
どうして、こんな悲しい気持ちになるの。

 今にも泣きそうな瀬川くんの顔は、ピクリとも動かず。

「な、んで。なんで」

 足が震える。
どうして?
怖いことなんてない。
笑ってる。瀬川くんは笑ってるのに。

 あまりに悲しい表情で、ピクリとも動かないなんて。
まるで人形のようで、怖くて。

 瀬川くんがいなくなるのが怖くて。

「もう…耐えられないんだ」

 息をするのも忘れる。
やだ、なんで。
なんで、溢れてくるの。

 生暖かい、しょっぱい液。
私の頬を伝って、地面に静かにこぼれ落ちる。

 瀬川くんが消えそうで、
手を伸ばしたら掴めなさそうで、
怖い。怖いよ。

「っ…分かんないよ」

 その場にしゃがみこむ。
 慰めてくれることを期待したのかな。

 慰めも動きもしない瀬川くんに、頭の中はめちゃくちゃ。

 瀬川くん、なんで。なんで。

 そんな表情、やめて。

178:():2012/09/18(火) 17:38 ID:Bn2

うう…せつないよ…!!!ユッピン
さん、小説うますぎる!

179:みみ:2012/09/18(火) 17:40 ID:Bn2

上私です!

180:薫(ユッピン♪):2012/09/18(火) 18:00 ID:UG6


みみさん>本当にありがとうございます。
     みみさんのおかげで、人がいなくても何でも更新することができます。  
     一人でも応援してくれる人がいると凄く嬉しいです。
     
     こんな私の書いた駄作小説を見てくれて、本当にありがとうございます。

181:みみ:2012/09/18(火) 22:22 ID:Bn2

そんな!?
駄作小説!?
そんなことないですよ!
私、ユッピンさんの小説みると、
元気がでて、よし!
がんばろう!っておもいます!
↑何をだよww
たとえ、こんな素晴らしいところに
くる人がへっても、私は絶対に
きます!
なので、しょうせつ頑張ってください!

182:葉月ありさ:2012/09/19(水) 06:28 ID:NwE

こんにちは漫画家志望!!ショウコミオタクの葉月ありさでーす!!小6でーすよかったら入っていいかな!?

183:みみ:2012/09/19(水) 17:03 ID:Bn2

ユッピンさん………

貴方は天才?ww

184:薫(ユッピン♪):2012/09/20(木) 17:30 ID:UG6



 何だろうね、もう。
最近、涙腺が緩みすぎだよ。
何もかも嫌になる。
泣きたくなんてないのに。
瀬川くんが関わると、必ず泣く。
意味分かんない。
何なの、これ。
何なの、この気持ち。

「お願いだから、近づかないで」

 拒絶。
世の中ではそういうのかな。
拒絶された。
瀬川くんに、嫌われた?
しつこかった?
うざかった?
私は嫌いな奴だった?

 何で、泣くの、私。

「や…っ、やだ…! 何で? どうして…!」

 涙は止まらないから、涙声。
何で、私こんなに必死なの。
分かんないよ。
分かんないよ。
分かんないよ…。

 ペタリ、その場に座り込む。

 悲しそうな瞳を見たくなかった。
何も言わず、ただ立ち尽くす姿を見たくなかった。
これ以上、泣きたくなかった。

185:薫(ユッピン♪):2012/09/20(木) 17:32 ID:UG6


みみさん>ありがとうございます…!
     私もみみさんのおかげで、頑張ろうと思えることが出来ます!!
     応援、良かったらこれからもお願いします!!
     
     天才じゃないです(笑)



葉月ありささん>初めまして!!
        どうぞ、お入り下さいっ

186:椿:2012/09/20(木) 17:45 ID:i-Xoo

薫久しぶりー゚+。(*′∇`)。+゚

ごめんね、これなくて…

小説、超面白いよ〜
なんか二人ってさ、何か濃い1日を送ってるよね(笑)

187:薫(ユッピン♪):2012/09/21(金) 16:08 ID:C1s



 酷く胸が傷む。
どうして、どうして。
苦しくて辛くて泣きたくなる。
実感したことのない気持ち。

 誰か、教えて。
この気持ちが何なのか。
 誰か、教えて。
どうして、瀬川くんはこんなに悲しそうなのか。

「お前は、いじめを、いじめを体験したことがないから」
「え?」
「体験したことがないから、耐えられるなんて言えるんだ」

 うつむき、表情を見せようとしない瀬川くんに、再び心が傷む。
分かんないよ、それだけじゃ。
どうして何も言ってくれないの。

「辛いんだよ」

 ポツリ、呟いたその声は弱く、風でかき消されそうだった。

「無視だけでも辛いんだよ」

 辛いなんて分かってるよ。
分かってるよ。…だから、笑わないで。
無理して笑わないで。

 眉を下げ、でも必死に笑う瀬川くんは、見てられないほどに悲しい。

 閉ざされた心を、私が開くことは…できないの?

188:薫(ユッピン♪):2012/09/21(金) 16:11 ID:C1s


椿>ひっさしぶりー
  
  ありがとう!!
  確かに、濃いww
  今だけだよ(笑)

189:みみ:2012/09/21(金) 16:33 ID:Bn2

おお!小説面白いです!
ユッピンさん返事、ありがとうございます!
いやぁ〜、ユッピンさんと話せる時がくるなんて!!
うれしい!

190:薫(ユッピン♪):2012/09/21(金) 17:26 ID:C1s


みみさん>ありがとうございます!
     いえいえ、お返事は絶対しますよw
     
     嬉しいだなんて!
     私と話してて良いことはないですよ(笑)
     喜んでもらえるとは光栄です!

191:薫(ユッピン♪):2012/09/21(金) 17:32 ID:C1s




 コツ、と響くのは靴の音。
静かだからか、やけにうるさく感じた。

 涙は十分流した。
それでも、心は痛いまま。
泣きたい気持ちも悲しい気持ちも、ただ溢れる。

 瀬川くんの全てが知りたい。

「何があったか分からないけど、私は…瀬川くんと話せなくなるのは嫌だよ」

 声は震えるし、涙目になるし。
最悪だよ、もう。
中学生になったばかりで、こんなこと起こるなんて。
思ってもいなかったから、凄く悲しくてたまらない。

「…無視されるよ、そのうち」
「瀬川くんがいるから、いい」
「意味分かんない」
「いいよ、それでも」

 私が言うと、瀬川くんはゆっくり顔を上げた。

 ドキ、と鳴る心臓。
頬が熱を持ったのに気づいた。

「…勝手にすれば」

そう言って笑う瀬川くんの笑顔は、悲しくて泣きたくなるようなものじゃない。
 暖かくて優しくて、心を開いたような笑顔だった。

192:薫(ユッピン♪):2012/09/21(金) 17:41 ID:C1s



 意味分かんないよ。
泣きそうな顔したり、笑ったり。

 どうして、そんな顔見せるの。
 どうして、あんなこと言ったたの。

 知りたいことはたくさんあるのに、それを誤魔化すように笑う瀬川くんには、百面相と言うあだ名がぴったりだよ。

「話して、いいんだよね」

 最終確認。
これだけは知っておきたい。

 いいよ、という返事だけを待つ。
もしもダメって言われたら、って考えるとまた泣きそうになったら困るから。

 瞑っていた瞳を、更に強く瞑る。
 お願い、瀬川くん…



「無視されても知らないから」



 呟き顔を隠すから、すぐに分かった。
 照れてる。

 ってことは…良いの?
話しても、良いの?

 込み上げる嬉しさを隠しきれず、顔は赤く染まる。

 心を開いてくれた。
 同時に私を見て笑ってくれた。

 そんな現実が嬉しくて嬉しくて、名一杯の笑顔が溢れた。

「ありがとう…」

 嬉しさは溢れるばかり。

 そして、




胸の高鳴りも止むことはなかった。





第2章 終了

193:椿:2012/09/21(金) 20:25 ID:i-ZCs

あぁ、2章終了しちゃった(´Д`)

てか、二人に爆発しろって言いたくなる♪

194:薫:2012/09/23(日) 10:10 ID:Z6s


椿>終わっちゃったよ(笑)
  1章と比べて長かった…

  分かる分かる♥
  爆発しちゃえ♥w

195:薫(ユッピン♪):2012/09/23(日) 10:22 ID:Z6s


第3章 秘密



廊下に響く笑い声。
教室に近づくにつれて、音量は上がっていく。
今日も…今日も騒がしい毎日が始まる。

いつもとおんなじで楽しい毎日。
いつもとおんなじで男子を見たりなんてしない。女友達とだけ話す。
なんてことは、昨日まで。

「おはよー」

教室のドアを開ける。
するとすぐに挨拶は帰って来た。
一人の子は私の元に駆け寄る。

「おっはよー! 昨日どうだった?」

耳元で呟いたその中には、唐突な質問も入っていた。
戸惑ってる場合じゃないっ

どうしよう、なんて答えればいいの。
どうだったと聞かれても。
何もなかったのが本当。
でも、私からしたら、かなり前進した。
ただ、昨日から心臓は鳴りやまない。
…何でかな。

「別に何も…」

「ええー?」

苦笑いで言う私に対して、香奈の期待していた顔は一瞬にして変わる。
残念そうに声を発すると、机へ向かう私の後ろを渋々歩きついてくる。

期待外れ。
絶対そう思われてるはず。
だって言いたくない。
勿体ない気がする。
これは、この高鳴りは、私の心だけに取っておく。
昨日、一歩前進したと言う証拠に。

自分の机へと行く前に、ある人の机へと行く。
速くなる鼓動。
大丈夫、大丈夫。
昨日、あんなことがあったんだ。
ちゃんと返してくれるよ。
そうだよね?

瀬川くん…

196:椿:2012/09/23(日) 14:27 ID:i-Je2

続きが気になる…!(〇>_<)

197:薫(ユッピン♪):2012/09/23(日) 17:50 ID:Z6s


一歩歩いただけで、身体中に響きわたる心臓の音。
大丈夫大丈夫と言い聞かせても、心臓は暴れるばかり。
小さく深呼吸をしても無駄。
落ち着くのは十秒ぐらいのみ。
ということは、何をしても無駄。
心臓はおさまらない。
こうなったら、話しかけるしかない。
出ない勇気を無理やり出す。
す、といっぱい空気を含めた。

「お、おは」

「…おはよう」

え?
ちょっと待って。
今、挨拶したのは瀬川くん?
私が言うのを遮り、先に挨拶。
相変わらず片手に本だけど、一瞬だけ目を合わせてくれた。
暴れていた心臓はおさまるどころか、もっと悪化。

「お……はよう」

どうしよう。
ドキドキする。
顔が合わせられない。
…嬉しい。
無視されるなんて予想はあっさり潰れた。
しかも向こうからの挨拶。
自分から言えなかったことは悔しいけど、嬉しくてたまらない。

胸の奥から何かが込み上げてくる。
どんどんどんどん溢れて、いつしか頬は熱を持つ。
込み上げてくるものの正体はまだ…分からない。

198:椿:2012/09/23(日) 17:56 ID:i-MlA

恋する乙女だなぁ(*´∀`*)

199:みみ:2012/09/23(日) 18:33 ID:Bn2

たしかにww
恋する 乙女だなぁ

200:匿名さん:2012/09/23(日) 18:48 ID:jtk

200〜

201:薫(ユッピン♪):2012/09/23(日) 18:55 ID:Z6s


椿>恋する乙女ww
  感想ありがと!



みみさん>毎回感想ありがとうございます♪



匿名さん>すみませんが
     いきなり来てそれはないと思います。
     返信は不要です。
     できればこういうことはやめてほしいです。

202:椿:2012/09/23(日) 19:00 ID:i-lTw

匿名さん…私がみみさんにまた米を書こうと思ったけど、それだったら、200入っちゃうから我慢してたのに…!!
薫が可哀想だよ!

203:薫(ユッピン♪):2012/09/23(日) 19:06 ID:Z6s


にやける口元。
やばい、早く直さなきゃ。
端から見たら変人みたいじゃん。
直そうとするが顔は緩んだまま。
相当嬉しかったのかな。
なんか自分でもよく分からない。
乱れる呼吸はだんだんと落ち着く。
一息ついたあと、鞄を机の上に少し乱暴に置く。

教科書をしまう私の元へ、口元に笑みを浮かべた香奈が寄って来る。
ああ、もうめんどくさい。
ため息を投げ捨てるが、それをあっさり避けたように表情を変えず顔を近づける。

「何々、付き合ってるの?」

「はあ?」

付き合ってるわけない。
その前に…瀬川くんに好かれてなんていない。
だからって傷ついてるわけじゃないよ。
私だって好きじゃないもん。
恋なんてしてないもん。
だから、傷つく必要なんて…ないよ。

「付き合ってなんか…ないし」

素っ気ない態度に、香奈は目を丸くする。

「え? 両想いでしょ?」

「いつそんなこと言った?」

「直感的に」

やめてほしい。
自分の予想でそんなこと言うなんて。
瀬川くんが私を好きなはずない。
私も瀬川くんなんて好きじゃない。

それなのに、それなのに。

何だか無償にイライラする。
瀬川くんに好きな人がいるんじゃないかと考えただけでイライラするんだ。

訳わかんない。
その前に瀬川くんに好きな人はいるのだろうか。
聞いてみるしかないよね。

もし、いるという返事が帰ってきたら?
それは、絶対に私じゃない。
もし、いないという返事が帰ってきたら?
それは私を好きじゃないと言うこと。

私を好きじゃなくても何も変わらない。
私には関係無い。

…じゃあどうして
こんなにモヤモヤするんだろう?

204:薫(ユッピン♪):2012/09/23(日) 19:07 ID:Z6s


椿>あ、気にしなくていいよ…
  1000取られたわけじゃないしね(笑)
  その前にこの小説は1000行くのかという話だけどw
  私のために怒ってくれてありがとう。

205:椿:2012/09/23(日) 19:08 ID:i-MlA

終止ニヤニヤがとまらない←

206:椿:2012/09/23(日) 19:12 ID:i-lTw

204
ありがとう何て言われる様な事やってないよ〜(^^;)

207:薫(ユッピン♪):2012/09/24(月) 07:28 ID:t6I


そういえば。
なんで昨日はあんな顔したの?
「もう…耐えられないんだ」と瀬川くんは確かに言った。
その言葉の意味は何?
耐えられないって何が?
どうして言ってくれないの?
もしかして、女の子が関わってる?
瀬川くんは前にもこんなことあった?
前にも…こうやって女の子と仲良くしていた?

…嫌だ。なんて言う資格ないのに。
握りしめた拳が痛くて悲しくて辛くて。
何度も何度も瀬川くんを見つめた。

「優香、少しは素直になりなよ」

頭に乗せられる手は小さくて細くて、すぐに折れそう。
でも心強くて暖かくて、本当はそう簡単に折れない。
同時に笑顔も降ってきた。
周りに花が咲いてるような雰囲気を出す香奈は、美しく儚いほどの笑顔を私に見せた。

慰めのつもりかな。
すごく心強い。
何よりも嬉しい。

今すぐ素直になるなんて無理だけど、香奈の気持ちを受け止めようと思えた。

208:みみ:2012/09/24(月) 17:37 ID:Bn2

キャアァャャ!!←ww
面白過ぎるぅ!!!

209:薫(ユッピン♪):2012/09/24(月) 17:42 ID:t6I


椿>ニヤニヤww
  純愛目指してますから(`・ω・´ )ゞ←
  切ない系になると思うけどねw

  私のために怒ってくれたでしょぅ
  私のためだったか分からんけどw違ったら私自意識過剰…w
  嬉しかった!



みみさん>本当感謝です。
     泣いていいですか←
     ありがとうございます!!

210:椿 ◆XZbk:2012/09/24(月) 17:56 ID:/CE


何か…そういわれると嬉しい(*´∀`*){テレチャウww
続きが気になるわ〜

211:薫(ユッピン♪):2012/09/24(月) 18:37 ID:t6I






「で、何があったわけ?」

お昼休み。
口に入れていた食べ物を吹き出すところだった。
聞かないと思ったのに。
やっぱり言わなきゃいけない運命。
あんまり言いたくないな。
言ってまた一人で傷つくだけなんだから。

「てかさ、好きなんでしょ」

「誰を?」

次は喉に飲み物を詰まらせる。
咳き込んでる私を見て、香奈は小さく笑った。

「良かった、いつもの優香」

…え?
聞き返そうと思ったけどやっぱりやめた。
香奈の表情が少し悲しそうで、話しかけちゃいけない気がして。

私、心配かけてた?
昨日は一人で勝手に落ち込んだ。
今日は何だか虚しくてうつむいて。
香奈には何も言わない。
心配される理由はたくさんあった。
気づかないうちに、友達に心配をかけていた。

「優香さ、何も言ってくれなかったから、どうしたのかなって」

でも良かった、と香奈は付け足す。
返す言葉もない。
瀬川くんのことばっかりだったかも。
香奈に相談ぐらいすれば良かった。

そうだよ。
私を支えてくれる人がいる。
私を慰めてくれる人がいる。

その存在を忘れるなんて。
鈍感なのかバカなのか。

傷ついてたのは私だけじゃない。
香奈も、何も言わない私に傷ついていたんだ。

そう考えると胸に残るのは罪悪感だけ。
唇を噛み締め、お弁当を包むハンカチを握り締める。

その場は教室で、皆は食堂。
瀬川くんは一人で教室を出ていった。
ハンカチを握りしめたことは誰にも気づかれなかった。

「…ご、めん」

震える声は、罪悪感に満ちていた。

212:みみ:2012/09/24(月) 18:37 ID:Bn2

あああ…この小説面白すぎる…♪♪♪

213:薫(ユッピン♪):2012/09/24(月) 18:39 ID:t6I


椿>おおぅ!w
  でも期待に応えられるかどうかw
  精一杯頑張るー!w



みみさん>ありがとうございます…!

214:椿:2012/09/24(月) 18:43 ID:/CE

もうヤバすぎ。
上手すぎて、気持ち悪いレベルいってるよ、薫!

215:みみ:2012/09/24(月) 18:53 ID:Bn2

たしかにww
言えてますww

216:〜*ココロ♯♪*〜:2012/09/24(月) 19:50 ID:7VE

入れて下さいっ上手いですっ!

217:薫(ユッピン♪):2012/09/25(火) 10:26 ID:t6I


椿>あああ…ありがとう…!
  (喜び噛み締め中w)
  上手すぎて気持ち悪いレベルまでは全然届かないよ(笑)



みみさん>みみさんまでありがとうございます°(°´ Д` °)°



ココロさん>どうぞ!
      上手いだなんて…ありがとうございます!

218:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 14:08 ID:t6I


「気にしないで。でも、私だって相談くらい乗れるんだからね」

ニカッと歯を出し笑う。
その瞳の奥は、寂しそうだった。

優しい。
怒ったりも責めたりもせず。
それどころか、何があったか未だに聞きもしない。
そんな優しさが、涙腺を刺激していく。

ごめんね、の言葉しかうかばない。

「どんなに時間がかかってもいい。相談なら乗るよ」

「…うん」

「大丈夫、私がいるから…」

そういう香奈は凄く心強かった。
涙が出そうなほどに優しくて、それから何も言えなくて。
香奈はこんなに大人だったかな、って。
こんなにも優しかったかな、って。
何度も疑ったけど、この優しさは偽りではなかった。

219:みみ:2012/09/26(水) 16:27 ID:Bn2

香奈〜〜!
めっちゃ、いい友達じゃないですかぁ!(涙)

220:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 16:36 ID:t6I


ごめんね、と私は再び微笑みかけた。
まだ言いたくない。
口に出すと涙がこぼれそうで、少し怖かった。
それでも香奈は何も聞かず、一緒にいて笑った。

大丈夫だよ、っていう声が響く。
心強い眼差し、そして感情に、いつの間にか悲しいなんて気持ちは吹っ飛んだ。

221:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 16:38 ID:t6I


みみさん>感想ありがとうございます!
     私的には、香奈は凄くお気に入りです…!





>>220は短くてすみません((汗

それと、風邪引いちゃいました…
いつもの倍下手なことに気づいたでしょうか?w
風邪引いてるのに小説書いて…もう文めちゃくちゃですw
おかしいとこあったら、なんなりと言って下さいw

222:椿:2012/09/26(水) 17:11 ID:i-hLk

わぁ〜

この文章で下手とか言ってるの、嫌みだそw
上手すぎんぞ!

こうゆうのって、才能あるかないかなのかなぁ…(´Д`)

223:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 17:14 ID:t6I




「ごちそうさまでした」

空になったお弁当箱にフタを閉める。
美味しかった。
いつもはこう思っていたんだろうな。
今日は思わない。
そりゃあ美味しかった。
でも、今日は何だか暖かい。
愛情がこもってる気がした。
香奈の優しさのおかげかな。

「あ、あのね」

私が口を開くと、香奈は箸をくわえながら首を傾げる。
行儀悪いな。
なんてことは言ってられない。

香奈の優しさに浸ってしまおう。
そんな甘い考えだけど、試しに聞いてみる。
軽く咳払いをしたあと、とぼけた顔の香奈を強く見つめる。

「胸の奥がきゅってなるのって…風邪かな」

言った途端、うつむいてしまう。
もしかしたら最初から気づいていたのかもしれない。
ただそらしたかっただけかも。

私は、私は…

「優香! それはねっ」

「やっぱり、瀬川くんと友達になりたいってことかな…」

一気にテンションを下げてしまったよう。
首を傾ける私に、香奈は文句ありげな顔で私を見る。

どうしてそんな呆れた顔?
同時にため息を吐かれる。

…何を、想像してたんだろう?

224:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 17:16 ID:t6I


椿>わ、なんかごめん…(´_ `;)
  ありがとう、本当感謝…!

225:薫(ユッピン♪):2012/09/26(水) 18:15 ID:Omg


呆れて言葉も出ない。
そんな言葉を体から出している。
何がなんだか…分からない。
私はただ首を傾けるだけで、香奈はただため息をつくだけで。
私の顔を見ては、落ち込んだようにため息をついている。

「何でガッカリして…?」

「優香、友達になりたいだけで、胸はきゅっとなんてなるわけないんだよ」

今の私には、キョトンと言う擬音が似合うと思われる。
全身で「?」を出しまくってることに、自分でも気づいてるのだから。

226:椿:2012/09/26(水) 18:29 ID:/CE

優花ロワタwwwww
気づかんてww

227:薫(ユッピン♪):2012/09/27(木) 15:07 ID:Omg


椿>優花じゃなくて、優香w
  ロワタじゃなくて、ワロタw
  何でこんな間違いが?w

228:薫(ユッピン♪):2012/09/28(金) 07:35 ID:Omg


「瀬川くんと友達になりたいの」

「分かるよ。分かるけど…」

納得いかない顔つきの香奈。
頭は混乱。何を言ってるのかさっぱり。

どういうこと?
胸が締め付けられる理由は…友達になりたい、とかじゃないの?
考えれば考えるほど頭が痛くなる。
自分が分からない。

その時、開いていた窓から風が教室に入り込む。
そのおかげでカーテンは揺れ、大きく膨らみ視界を奪う。

「うわっ」

カーテンを退けた時、





本を片手に、でも読むことなく、ドアによしかかる瀬川くんの姿が…在った。

229:椿:2012/09/28(金) 19:11 ID:/CE

>>227
何でだろう?ww
優香って書いたはずなのに…w
しかもワロタがロワタてww

230:桜:2012/09/29(土) 07:12 ID:Ex2

あの.入ってもいいですか?
私、椿様の小説大好きなんです!
いいですか........?

231:椿:2012/09/29(土) 07:40 ID:i-W3k

桜様
えっと、入っていいと思いますが、此処は薫という、偉大なるお方のスレで私のスレでは有りません(´ω`)

私の小説好きとか言ってくれて有難うございます。
私も小説スレ立てているので、来てみて下さい♪

232:& ◆mdRg:2012/09/29(土) 07:55 ID:Ex2

ありありがとうございます!
ちょくちょく来ますけど
親がきびしいから
時間あくかもです!

233:桜:2012/09/29(土) 07:59 ID:Ex2

わあ!なんか名前が!
232は私です。桜です
なんかくるっちゃった?

234:薫(ユッピン♪):2012/09/29(土) 08:43 ID:Omg


椿>まあまあ間違えはよくありますょ
  
  偉大なるお方…ありがたきお言葉w



桜さん>私も椿の小説大好きです〜

235:桜:2012/09/29(土) 09:08 ID:Ex2

薫さん 呼び捨てでいいですよ!
薫さん以外の人も!
椿様はすごいですよね......
私も一応小説家目指してるんです
スレはやってませんが
続き気になりますね!

236:桜:2012/09/29(土) 09:20 ID:Ex2

ごめんなさい!
私勘違いしてたみたいで......
ホントにすいません!
私は、みなさんの小説大好きです!
薫様ごめんなさい!
ホントにすいませんでした!!

237:薫(ユッピン♪):2012/09/29(土) 10:52 ID:Omg


唖然と口を開く私。
不思議そうに思った香奈は、私と同じ場所に視線を向ける。
それからすぐに香奈からは、あ、と言う声が漏れた。

もしかして聞かれてた?
やばい。どこからだろ。

額を伝う汗はゆっくりと滴り落ちた。
瞬間、瀬川くんは教室に入ってくる。

何故か心臓が暴れる。
何か言われるかもしれない。
無表情からの感情予想は難しい。
何を考えてるんだろう。

瀬川くんは真っ直ぐに自分の席に行く。
ホッと胸を撫で下ろす。
良かった、聞かれてなかったのかも。
なんて安心したのも束の間。
瀬川くんは机に本を置いたあと、早足で私の席へと来る。

嘘。なんでこっちに来るの。
血の気が引いて、顔が真っ青になる。
驚きというより恐怖。
何かを察した香奈は逃走。
私を置き去りにして。

恨むよ、香奈。
動くに動けない私は、黙って席に座ったまま。
私を見下ろす瀬川くんとは必死に目を合わせまいと、うつむく。

誰か助けて。
ここから逃げさして…!

238:薫(ユッピン♪):2012/09/29(土) 16:36 ID:Omg


ふ、と視界に影が出来る。瀬川くんの影が近づいたからだ。
不覚にも怖くて、心臓が跳ねた。

「…え?」

頭に乗せられた大きな掌。
わしわしと髪の毛を乱される。
今何してる?
今何されてる?
状況がよく理解できなくて、フリーズする私の頭に乗っけられた掌は、あっさりと離された。
名残惜しいと思ってる自分がいる。
…何考えてるんだ。

「最初から友達だろ」

拗ねたように目線をずらして。
そんな瀬川くんに心が揺れ動いた。

「友達って…言われたわけじゃないし」

そういうと、瀬川くんはむっと気に入らない表情。
こんな瀬川くん初めて見た。
高鳴る心臓。
二人っきりで、しかも静か。聞こえないとは言い切れない。
やだ。バレないかな。
その前になんで私こんなにドキドキしてるの。

「俺だけかよ」

…え?

「友達だって、思ってた」

ボソリと呟かれたその一言。
瀬川くんのその一言は、私の心を持ち上げたように揺れさせた。

239:薫(ユッピン♪):2012/09/30(日) 10:02 ID:Omg


すみません間違えました♥((殴

2章の題名が秘密ですね、はい(笑)
で、今書いてる章…3章がドキドキでございます、アハ( ´∀ ` )

謝る気ゼロだなとか言わないで。w
すみませんっ

240:匿名さん:2012/09/30(日) 23:14 ID:Bn2

最近全然これない………
3DS禁止中で!
ユッピンさん!
小説面白いです!
あ、ちなみに今はかくれてやってます

241:薫(ユッピン♪):2012/10/01(月) 17:47 ID:Omg


まさか。
瀬川くんが…拗ねるなんて行為するものか。
それどころか、私に対して感情を抱くのだろうか。
…あ、今自分で言って傷ついた。

風により瀬川くんの前髪が揺れる。
私の大好きな黒髪の…。

…最初は嫌な奴だと思っていた。

睨んできたし。
優しいかと思ったら全然だし。
私のこと見ないし。
最後は…優しいし。
笑って、でもそれは作り笑いで、席を離れた。
未だに遠い席。
そういえば…くっつけるの忘れた。
その前に、くっつけていいのかな。
瀬川くんは望んでいるのかな。

「友達という…関係なのでしょうか」

うつむく。
上から突かれる視線が怖くて。
何を言われるか、どんな表情をされるか。
背中には痛々しい熱い何かが照りつける。

「バカ」
「は?」
「お前最悪」

彼はそういうと










私の頬に触れた。

242:薫(ユッピン♪):2012/10/01(月) 17:49 ID:Omg


みみさん>おぉ!お久しぶり(?)ですね!
     ありがとうございます!

     まさか3DSをお持ちだとは…
     私も3DSからの小説投稿…というかインターネットです(笑)

243:薫(ユッピン♪):2012/10/01(月) 18:02 ID:Omg


ぴくりと肩が揺れる。
少女漫画のようなときめきなんてしてない、とは言えない。

ときめくというか…今は驚きの方が近い。

何故、彼は私の頬に触れてるのだろう。
そういう疑問。

「な、なんっ……ですか…」

緊張しすぎで敬語。
先輩と話してるのか、私は。

「友達と思ったことないの?」

どこか冷たい声。
少しずつおさまる心臓に、何かを感じた。

…友達というものは自然にできる。

友達になろうね、って言って友達が成立するわけではない。
だからと言って勝手に成立するわけでもない。
一緒にいて、話して、楽しくて、笑い合って、向き合えて。
そこから友情は芽生える。
私達はもう、友達だったのかもしれない。
望んでたのは私だけではない。
瀬川くんも、友達になりたいと望んでたはず。
瞳の奥からそう叫んでるのを感じた。
寂しそうな、悲しさで溢れそうな。
何となく罪悪感に包まれた理由はこれだ。

「ごめんなさい」
「…意味分かんないんだけど」
「私達は、」

大丈夫。
私だけじゃない。
瀬川くんも同じ。
人はみんな…仲良くなれる。
人はみんな…笑える。

「友達です」

244:みみ:2012/10/01(月) 18:04 ID:Bn2

いやぁ〜!
私、バカだからローマ字あんまり
分かんなくてww
だから3DSから来てますww
ええええ!?
頬にふれた!?
おおお!どうなる×2wwww

245:薫(ユッピン♪):2012/10/01(月) 19:06 ID:Omg


みみさん>感想ありがとうございますっ
     
     これからどうしよう←←

246:& ◆mdRg:2012/10/01(月) 20:14 ID:Ex2

薫様お久しぶりです!
忙しくてなかなか
来れなくて.......


すごいですよね!
続き気になります♪
頑張ってくださいね!

247:桜:2012/10/01(月) 20:19 ID:Ex2

まただ....!
246わた私です
ウザイコンピュータ!

248:花梨:2012/10/01(月) 21:39 ID:AxU

はじめまして ユッピン様には昔から憧れてました!
入れてくださーい

249:ARISA:2012/10/01(月) 22:14 ID:k2k

来ました。
薫よ…その文才を10分の1でも良いから…………くれ……


(タメでよかったですよね?)

250:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 08:48 ID:Omg


桜さん>お久しぶりです!
    ありがとうございます♪



花梨さん>どうぞ!
     憧れだなんて…嬉しい((照←



ARISA>来てくれてありがとう〜!
    文才なんて分けるほどもありませぬ。はははww

251:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 11:42 ID:Omg


何だか体が熱くなった。
でも、これで全てが終わったような快感に包まれる。

「上出来」

上から降ってくる笑顔。
優しく暖かく。
頬が赤くならないはずがない。

「…偉そうに、」

ねえ。
こう言えばまた言い返してくれる?
こう言えば笑ってくれる?
いつの間にかそんな考えを抱いている。
ずるいかな。

252:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 13:02 ID:Omg


ずるい。けど瀬川くんは笑った。

「バカ」

って言って頭を掻き乱す。
その行為に心が暖かくなった。

緩む口元。
私気持ち悪。
鏡を今一番見たくない瞬間。
幸せというか緊張というか。
感じたことのないくすぐったい感情。
柔らかく…暖かく。
心が暖まって、嬉しくなる。
幸せな気持ちになる。

「一つ質問」

急に口を開く瀬川くんは至って真剣。
さっきの笑みはもう消えた。
優しさはある。
笑いは欠片もない。
よっぽど深刻なことなのかな。

「友達以上の関係は、…求める?」

「え?」

求めない。
そう言い切れるとは限らない。
だから答えに困る。
だって既に求めてしまいそうだった。
瀬川くんを求めてしまいそうだった。

変なの、私。
変なの、瀬川くん。

一番変なのは瀬川くんだよ。
何でそんな質問急に出すの?
何でそんなに深刻そうな顔?
真剣で笑いの欠片もないその顔。
中にあるのは、真剣ではない。
間違いないと言い切れるわけではないけど、私の予想だけど。
もしかしたらだけど。


何かを抱えてるような表情にも見えた。

253:花梨:2012/10/02(火) 15:58 ID:AxU

ありがとうございます! 呼びタメOKです
イケメン…私のクラスはちっちゃくてかわいい男子はいますが
性格が…。たまに優しいんですがね
そして文章力高いです

254:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 16:32 ID:Omg


花梨さん>うちのクラスはイケメンがホイホイと←←
     優しいですよぉ。
     キャーですからw

     ありがとうございます、マジで((
     文章力…高くなりたいです←

255:椿:2012/10/02(火) 16:54 ID:/CE

いぃやぁぁぁぁっ!!!!
私の瀬川くんがぁっ!!!!
優香に…優香にぃ…
とられちゃう……(´・ω・`)←

256:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 17:46 ID:Omg




「瀬川くん?」

「何」

あれ。気のせいだったのかな。
…寂しそうな表情が見えたのは。
見間違えではなかったと思うけど。
時折見せる瀬川くんの表情が心配になる。
どうしてそんなに悲しそうなんだろう…って。

「何でもない…」

そう言って笑うと、

「じゃ言うなバーカ」

と口は悪いけど返してくれた。
同時に頭も叩いてきたけど。
それでも分かった。
友達って、こういう感じか。
初めて出会った時の瀬川くんとは違う。
口はやっぱり悪いけど、優しい。
一つ一つの言葉が…暖かい。
それは私の心を暖める。
友情の力…というやつかな。

257:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 17:47 ID:Omg


椿>いやいやいや。
  瀬川くんはわた…
  …優香のものですから!

  …さりげなく自分の物にしていた私←←

258:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 18:36 ID:Omg


「あ、香奈」

忘れてた。なんて言ったら怒られるかな。
扉の横からちょこちょこ顔を出し様子を伺う香奈。
心配で、何かあったらどうしよう。そんな感覚で見てるのか…
面白い、私が見届けよう。そんな好奇心で見てるのか…
どっちにしても見られてるということは忘れられない。
爆弾発言は厳禁だ。

「…かな?」

誰だそいつとでも言いたそうな顔。
クラスメイトのことぐらい知ろうよ。
…あ、小学校違ったもんね。
まだ覚えられてないのかな。

「私の友達で…」

「嫌だ、聞かない」

おい。
…なんて言葉遣いはやめよう。
耳を塞ぐ瀬川くんにさすがに怒りが。

「何で?」

そういうと、しばらく間を置いた。
意味分かんない。
そもそも考えることがよくわからない。
耳を塞ぐって…子供か。

「聞いて友達になることになったら困る」

「何で? 友達は増えた方がいいでしょ?」

「嫌だ」

それでも首を振り続ける瀬川くん。
私はもう首を傾げることしかできない。
何で嫌なの?
友達が本当は欲しいんじゃないの?
何を考えてるんだ、一体。
やっぱり瀬川くんは分かんないなあ。

「…友達は優香だけでいい」

「…は!?」

259:桜:2012/10/02(火) 18:40 ID:Ex2

はいっ来ましたあ!
みなさんタメ呼びで
お願いします♪
薫様やっぱりすごい!
私もその才能ほし欲しい!
続き気になります★

260:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 18:48 ID:Omg


桜さん>私もタメ呼びでいいのでしょうかww
    
    ありがとうございます!
    私も才能欲しいです!←
    でも才能ないです!←
    自分で言ってガッカリです!←

261:薫(ユッピン♪):2012/10/02(火) 18:52 ID:Omg


聞き間違え?
ううん、違う。
瀬川くんの真剣な顔と、私の心臓が言ってる。
…聞き間違えじゃない。
心臓はバクバク状態。
嘘でしょ。
まず衝撃なのは私だけで良いと言うこと。
友達は私だけで良い。
他の奴は要らない…ってことになる。
どうしよう。
私、…ドキドキしてる。
そして一番の衝撃事実。
それは、瀬川くんが____





“優香”





と呼んだこと。

262:花梨& ◆iuFo:2012/10/02(火) 19:07 ID:AxU

はいっ!おんぷをつけた花梨です!
正直、体重減って、歯がキレイと言われて調子に乗ってます
イケメンがいっぱいなんていいですね〜
イケメン好きでもなかなか周りにいないので
二次元や芸能人に逃げてます
瀬川くんみたいな人好きです

263:花梨:2012/10/02(火) 19:58 ID:AxU

すいません 上、まちがえました テヘぺロ❤
おんぷついてませんでした

264:薫(ユッピン♪):2012/10/04(木) 09:18 ID:Omg


「顔赤いけど」
「う…」

瀬川くんのせいだよ。
優香なんて…いきなりの呼び捨てなんて反則だ。
不覚にも心臓が揺れ動いて、頭がクラッとなった。
激しい動悸が私を襲う。
優香、という先程の瀬川くんの低めの声がこだまして、思考をおかしくしていく。
どうしてここまでドキドキするの。
止まれ、自分。
もちろん自分を攻め称えることで心臓の音は止まるはずもなく、いつもより確実に速く脈打ってく。
手足が痺れてきた。
思考回脳がピンチだ。
頭が熱くなって何も考えられない。

「どうしたの」

天然、というか鈍感というか。
自分が呼び捨てにしたこと気づいてないのかな。
それとも知らないふり?
緊張するほどのことでもない?
本当何なのこの男は。

「な、んでも…ない」

ああもう。
心臓が止まらない。
いや、止まったら困るけど。
平常心を保てない。
何なの、このドキドキは。
何なの、この顔は。
熱いし赤いし…意味分かんない。
私の体に今異常が起きている。
…病院、

「だって顔赤い」
「ひっ」

迫りくる手に驚き、情けない声が漏れる。
それを聞き逃さなかった瀬川くん。
気に入らない顔…むっとした顔で私を見つめる。

「何だよ、それ」

やっぱり聞かれた。
やっぱり気に入らなかったんだ。
そもそも瀬川くんが気に入らなかったとこってどこ?
今の場面でどこが気に入らないの?
…私がびびったぐらいでこんなにふくれた顔をするだろうか。

265:椿:2012/10/04(木) 18:22 ID:/CE

ああ!!二人の関係(小説)を見てて終始ニヤニヤ❤
薫ガンバ!!

266:薫(ユッピン♪):2012/10/05(金) 18:37 ID:J1Q


考えても何も浮かばない。
そもそも集中して考えるなんて出来ない。
近くにはふくれ顔の瀬川くんがいて、私をチラチラ見ている。
何か言ってほしいのかな。謝るのでも待ってるのかな。
…私が謝るのはおかしいと思うけど。
何を待つのか、それとも何か言いたいのか、うずうずと肩を揺らし頬を膨らます子供のような瀬川くんがあまりにも可愛くて、胸が締め付けられた。
何この生き物、可愛い。幼稚園児みたい。
…あ、今の言葉絶対に瀬川くんに言えない。

「えっと、なんか…ごめんね」

結局私が謝罪。
瀬川くんが何を怒ってるのかいまいち分からないし、私が何のことで謝っているのか自分でも分からない。
でも取り合えずご機嫌取り、といこうか。
私が謝っても瀬川くんはふくれ顔。
何も言わずただ私の隣の空席に腰を下ろした。
いつしか子犬のような、悲しそうな怒ったような瞳で私をジッと見つめてきた。
これには私も完敗。
あまりに可愛くて胸が高鳴った。
尻尾が、尻尾が見えるよ。
可愛いよ、瀬川くん。…なんて言ったら怒る?

「どうしたの…かな?」

首を傾けて、苦笑いを浮かべた。
ぷい、という擬音が付きそうなほどに首を反対方向に向けた瀬川くんは、変わらず子犬のような瞳。
その瞳にふくれ顔は…反則でしょ。
「あああああ」と今にも絶叫したい衝動に激しく襲われた。
可愛い、可愛すぎる。
わざと? これはわざと私に萌えさせるためにやってる行為? …そうとは思えないけど。

267:ARISA:2012/10/05(金) 18:59 ID:k2k

瀬川くん………

キュンキュンしちゃうぞっ!!!!!

268:薫(ユッピン♪):2012/10/06(土) 11:24 ID:J1Q


なんて顔してるの私。
頬を赤くして、身を乗り出してまで瀬川くんを見つめて。
これじゃあ端から見たら変人だよ。
ピッと背中を伸ばし、キリッとした顔文字のように眉を釣り上げ、平常心。
しかしそれも長くは続かなくて。
む、とした顔でうつむく瀬川くんを見て、すぐに顔が緩んだ。
も…萌える…。
何なのこの顔。可愛すぎだよ。
胸がキュンキュンしそう。
理性が吹っ飛びそう。
瀬川くんは…わざとやってるのか?
赤くなる頬を冷まそうと、ピンクの下敷きを出すため机の中を探る。
ああ…何かのノートの中に入れっぱなしかも。
色んなノートを開いて、下敷きを探すけど見つからない。
暑さは…増すばかり。
頬が熱い。熱くて堪らない。
ドキドキと興奮のしすぎと言うところだろうか。
落ち着け、私。
平常心保て、私。
どうしても顔が緩むから、目線を落とす。
瀬川くんを見ないように。
高鳴る心臓も熱くなる頬も、全部はじめてだ。
こんなの経験したことない。
何でこんなに……暑くなるんだ。

「優香、優香?」

「ひょえっ…何?」

あまりの驚きに赤面と間抜け声。
恥ずかしいな。動揺しすぎだ。
でも、いきなり名前で呼ぶなんて反則。
ドキドキするし、期待してしまう。
…何の期待なんだか。
今の私、バカみたい。

「かな…かなちゃん、消えたよ」

呼び方が私と違って、ぎこちない。
でも私だけがはっきりと言ってくれるなら嬉しい。
そんなことしか頭になかった。
話もよく聞かないで。
香奈がどうした、なんて…すぐに耳から抜けていったもの。
聞き返すのも忘れて、うつむく。
こんな赤面した顔、瀬川くんに見せられないよ。
そもそもまだ子犬顔だし。
目合わせたら…理性吹っ飛びそう。

「…いいの?」

疑問形だからきっと、首を傾けてるはず。
首を傾けて子犬顔の瀬川くん。
想像しただけで…やばい。倒れてしまう。
何でこんな…いきなり可愛いオーラ出てるの。

「っあ、ごめん…何が?」

ボーッとしてた。
ああ、怒られないかな。
瀬川くんは怒ることはないけど、無言。
さっきの香奈がどうかとかっていう話を聞いていなかったことと、返事を待たせてしまったことに怒ってるはず。
怖くて、それに申し訳なくて、心の中でしか謝れない。
ごめんね、瀬川くん。

269:薫(ユッピン♪):2012/10/06(土) 17:15 ID:J1Q


ふう、と聞こえたのはため息。
ああ…完全に怒ってる。
なぜか身を屈めてしまう。
叩かれる、とかはないのに。
怒鳴られる、ってのはありそう。
あの入学式時の冷たい瀬川くんなら。
今の瀬川くんはそんなの無さそうだけど。
そもそも子犬みたいな瞳で怒鳴られても…ねえ。

「大丈夫、怒ってないから」

私の考えを察したのか、瀬川くんは即座に口を開いた。
そして、私の頭の上に手が置かれる。
あ、あ…これは瀬川くんの手?
子犬のような瞳して、こんなに可愛いのに。
大きくて、男の人って感じの手だ。
暖かくて…なんだかドキドキしちゃう。
何でかな。
男の子にドキドキなんて初めてだよ。

「あ、ありがとう…」

「それでさ、かな? …が、いないよ。いいの?」

「え?」

ちょ、ちょっと待って。
何だ、いないって。
私はすぐに教室の扉へと目線を移す。
瀬川くんの言った通り。
香奈の姿はなかった。
な、何で?
てっきり見てるかと思った。
いなかったんだ。
でも…どこに行ったんだろ?





すみません、
途中ですが切ります(´;ω;` )

270:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 11:03 ID:J1Q


頭に浮かぶ「?」のマーク。
それは私を悩ませた。
うーんと首をかしげる私を、瀬川くんはただ無言で見つめる。
…見られると、なんかなあ。
ちょっと恥ずかしい。
気になって身動きが取りづらいよ。
胸が跳ねる。
…何で見てるの。目線ずらしてよ。
だんだんと赤く染まる頬。
それに気づいた瀬川くん。

「熱あるの? それとも暑い?」

「えっ!? い、いや…」

瀬川くんのせいでしょ。
なんて言えない。

「嘘ついてる。暑いの?」

瀬川くんの手が、



私のおでこに触れようとした。

271:りり:2012/10/07(日) 12:38 ID:Bn2

おお!しばらくの間に
こんなに瀬川くんと仲良く
なってる!?
小説おもしろいです!

272:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 12:58 ID:J1Q


みみさん>仲良くなってますよ〜(笑)
     それ以上の関係は…どうなるのでしょうか
     毎回ありがとうございます♪

273:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 13:07 ID:J1Q


状況反射というところだろうか。
いや、恥ずかしさが込み上げたからだろうか。
どちらにしても私は、大変なことをしてしまった。
瀬川くんが傷ついたと思われる、私も自分でまずいと思った行動。
やってしまった。

「…あ、ご、ごめ…なさ」

驚きと微かにある悲しみのせいで、言葉は途切れ途切れ。
瀬川くんは無言。
私のおでこに触れようとした瀬川くんの手。
私はそれを強く払った。
パシッ、と言う音が教室に響きわたり、私は何も言えなくなった。
どうしよう。やってしまった。
振り払ってしまった。
傷つけた。どうしよう。
そんな感情が私を呑み込んだ。
だんだんと罪悪感に満ちていく。
怖かった。
罪悪感でいっぱいになったこの体だからなおさら、瀬川くんに突き放されるのが怖かった。
だから目を瞑った。
手は誰にも気づかれることなく、小刻みに震えていた。
なんて言えばいいの?
謝ればいい?
そうしたら、瀬川くんは許してくれる?
また笑顔を見せてくれる?
こんなどうしようもない私の隣に、いてくれる?
…怖くて仕方ない。
瀬川くんが離れていくと思うと、怖い。
違う。違うんだよ、瀬川くん。
私は、私はただね、ドキドキしただけなんだよ。
心臓が暴れたんだよ。
顔が赤くなったんだよ。
またドキドキすると思っただけなんだよ。
そう説明して、誤解を解くことのできない弱い自分。
こんな性格、もう嫌だ。
変わりたい。
変わりたいよ。
人を傷つけない人間になりたい。
ごめんね。ごめんなさい。
ごめん、瀬川くん…。

274:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 14:57 ID:J1Q


ふ、と視界に影がかかる。
瀬川くんが手を伸ばしたからできた影。
瀬川くんの手は、私の頭へと移動。
ポカーンという擬音が似合う私の頭を、強く撫で回した。

「っ、な、何…」

動揺する。
当たり前だよ。
無言でいきなり頭を撫でたかと思ったら、次は叩いたんだから。
瀬川くんは手を引っ込める。
私はすぐに頭に触れた。
…暖かい。
すぐさま顔をあげる。
そこにはさっきと同じ膨れ顔の瀬川くん。

「別に気にしなくていい。怒ってないから」

「瀬川くん…」

言ってることと顔が全く違います。
なんて言えない。
瀬川くんはそれを塞ぐように、私の頬に触れ、持ち上げた。
ドクドクと脈打つ心臓。
きっと今顔が真っ赤だ。
だって、恥ずかしい。
これじゃあキスするみたい。
何で私こんなことされてるの。
持ち上げられたまま、動かない瀬川くん。
綺麗なブラウンの瞳が私を捕らえて動けない。

「…本当、バカみたい」

小さな声で言ったその言葉は、私には聞こえた。
え、と首を傾ける暇もない。
私は瀬川くんに唇を奪われた。

275:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 15:01 ID:J1Q


嘘、何で…

「っ…」

口を塞がれたからには喋れない。
いつ人が入ってくるかも分からないのに。
どうして、どうして?
混乱する頭。今の状況が理解できない。
頬を持ち上げられて、そして今…



あたしは瀬川くんとキスしてる。



「離してっ…」



小さく言ったつもりだけど、思ったより教室に響いた。
手どころが、足腰もたたなくなるほど全身が震える。
怖い、んじゃない。
ドキドキするんだ。

「どうし…て」

残る感触。
黙って座ってるのは耐えられなかった。
恥ずかしくて、心臓が暴れて、





もっと、求めてる。

276:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 15:06 ID:J1Q


おかしい。
今の私おかしいよ。
離して、って突き放した。
私は自分から瀬川くんから離れた。
それなのに。
もっと、と求めてる自分がいる。
信じたくない。
私が、
瀬川くんのことを…

「あああああっ!!」

いきなりの絶叫。
先の言葉が知りたくなくて出た声。
瀬川くんも少し驚いた顔。
…驚きたいのは、こっちなのに。
ただうつむくという行動しかできなかった。
何も言えない。
瀬川くんと…して、嫌だって気持ちはなかった。
でも、私は今以上の関係なんて求めてない。
瀬川くんとはずっと友達でいたい。
どんな思いで私にキスしたのなんか知らない。
ただ、今の関係を壊したくない。
…それだけなんだ。

277:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 15:17 ID:J1Q


やっぱり。
思った通りの沈黙時間が続く。
瀬川くんは少し離れたところに立ち尽くしている。
何か考えているのか、ただ立ってるだけなのか。
あの無表情から感情を読み取ることは不可能だった。
私も聞けたらいいのに。
どうして、したの? って。
答えが、私の望んでる答えじゃなかったら私はきっと悩む。
悩んで困る。
私は…逃げてるんだ。
そんな弱い自分に無力さを感じる。
ため息もこぼれないほどに呆れてしまう。
変わりたいのに、変われない。
私はやっぱり弱い。

「どうして、って聞かないの?」

沈黙を破ったのは瀬川くんだった。
軽快に話しかける瀬川くんに、驚きはなかった。
逆に重々しい雰囲気を漂わせたままよりも、明るくしてくれた方が良い。
私はどうせ話さず、逃げるくせにね。
口を結ぶ私に、瀬川くんは再び近づく。
びく、と体が跳ねて反応する。
怖いなんて感情はないはず。
でも、また…って思うと、どうしても怯えずにはいられなかった。

「怖い?」

近くまで来ることなく、少し距離を置いて瀬川くんが言った。
瞳の奥が悲しみに満ちてる。
また私は傷つけてしまった。

「こわ…くな、い」

そう言いながら、体は震えてる。
顔も引きつって、瀬川くんに触れられるのが怖いと思ってしまった。
やっぱり男の人だ。
表情も、仕草も、全部全部。
頬を掴み持ち上げる手が強かったことは、忘れていたのに。
男の人という感じが一気に瀬川くんを引き立てる。
怖い。
本当は、震えが止まらなくなるほど怖い。
悲しそうな瞳に見られたくなくて、私はすぐに目線を落とした。
すると、誰かが近づいてるような感覚がした。
殺気が走る。何でかは分からない。
瀬川くんだと思うと怖かった。
震える手を、強く握りしめた。

278:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 17:43 ID:J1Q


はあ、と近くから重いため息が聞こえる。
教室は静かだから、けっこう響いた。
何で、ため息なんて…
唾をごくりと飲み込む。
顔は上げられずにいた。

「ごめん、あのね」

「っ、ごめんなさい」

瀬川くんの言葉を遮る。
申し訳ない気持ちがもういっぱいになったから。

「何が?」

やっぱり。
予想通りの言葉。
返事はもう決まってる。

「私は弱いから、人を傷つけてしまう。悲しませてしまう。思ってることも言わないから、勘違いされて傷つけたりしちゃう。」

いきなりずらずらと説明しすぎた。
ついていけてないんじゃないかと、一旦止めた。
でも瀬川くんは、ふわりと優しく微笑んだ。

「うん、続けていいよ」

私の目の前にしゃがみこむ。
もう怖いなんて気持ちはなかった。
やっぱりいつでも瀬川くんは、私の心を暖める。すごく優しい。
私だけだと思うとなおさら。
心が熱くなって仕方ない。

279:リリ:2012/10/07(日) 17:43 ID:Bn2

おおおお!!キス!?

280:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 17:51 ID:J1Q


「それでね、今も言えなくて」

曇った表情の私を見て、瀬川くんからはもう笑みは消えていた。
真剣な顔で、何も言わず身動きも取らず、ただ大人しく聞いてくれてる。
時には私の頭を撫でてくれて。

「っ…私ね、嫌じゃなかったよ」

しばらくして口を開いたかと思うと、自分でも驚くようなことを言っていた。
急に何を言ってるんだ、自分。
「え?」と瀬川くんも思わず立ち上がる。
でも、言えた。やっと。
瀬川くんの優しさが支えてくれて、思っていたことが言えた。
こんなにもすっきりするとは。
やっぱり素直になったほうがいいんだね。

「どういうこと?」

平然とした顔。
それどころか、微かに笑みを浮かべている。
動揺は隠しきれてないけど。
私はゆっくり空気を含めると言った。

「それ以上の関係は求めない。でも、嫌ではなかったよ」

言ってから後悔。
顔に熱がこもる。
恥ずかしい。言わなきゃよかった。
…なんてことは思えない。
言ってよかった。言えてよかった。
瀬川くんに感謝だよ。

281:薫(ユッピン♪):2012/10/07(日) 17:55 ID:J1Q


また沈黙。
喋りづらい。
あんなこと言ったばかりなんだから。

「ごめん、優香。キスしたのは…」

ドキリと心臓が跳ねる。
必死な瀬川くん。
瀬川くんも、思ったことを伝えようとしてくれてる。
嬉しいというか、よかったというか。
言葉が詰まったけど、私は続きを待った。

「…重なって、見えたんだ」

すぐに瀬川くんはうつむいた。
悲しそうな顔で。
…かさなって、みえた?
その言葉が何を表すのか。
瀬川くんの表情は何を表すのか。
この時はまだ、知らなかった。
瀬川くんには、泣いても泣いても泣ききれない過去があるって。
私の気持ちは、何かって。



この時はもう歯車は動き出していた。





3章終了

282:薫(ユッピン♪):2012/10/08(月) 09:36 ID:mgU


第4章 面影



桜も大分散った。
学校の前にあるたくさんの桜の木も、花が残ってるのは数本。
もう少しで春も終わると思われる。
瀬川くんとの関係は変わらない。
普通に挨拶を交わして…ってような仲。
まだ気軽に喋るなんて勇気はない。
なかなか話も切り出せず、席も離れたまま。
本当のことをちゃんと言わない癖はまだ治っていなかった。
あのときは、瀬川くんの優しさもあったからかな。
自分から言えるようになりたい。
そう言っても、どうせ話しかけることが不可能だろうけど。

「優香?」

あれこれ考えてるうちに、視界いっぱいに飛び込んできたのは香奈の顔。
丸い目と綺麗な唇が、香奈の美しさを強調している。
それに比べて平凡な私は…。
また入学式の時の気持ちに戻ってしまう。
可愛くなれば、瀬川くんも見てくれるのかな。

「あ、あれー?」

思わず口を塞ぐ。
それを見て、「は?」と呆れたような顔をする香奈。
私また…何考えてるの。
瀬川くんの顔はやっぱり離れなかった。
それもそう。
ファーストキスを奪った相手だ。忘れるはずがない。
でももう感触も微か。
あの日のことの記憶は薄れている。
やっぱり時がたつとこうなるもんなんだな。
忘れたくなかったのに。

283:薫(ユッピン♪):2012/10/08(月) 13:09 ID:mgU


ああ、また私…バカなことを。
何でこんなに気になるんだろ。
あの日の言葉も…忘れてはいない。



『…重なって、見えたんだ』



何が? 誰と誰が?
重なったってどういうことなの?
つまりは、私だと思ってなかったの?
そんな意思で…キスしたの?

…嫌だ。

他の子のこと考えてたの?
私といたのに。
どうして? 何で、その子は誰なの?

誰かも分からない人に、小さな憎しみが生まれた。

聞けない。
瀬川くんに、聞くわけにはいかない。
怖くて仕方ない。
私が期待してる返事が帰ってこなかったら?

先のことはちゃんと考えてる。
きっと私は、両目から暖かいものを溢れ出されるに違いない。

もう、泣きたくはないんだ。

284:りり:2012/10/08(月) 13:22 ID:Bn2

(涙)

285:薫(ユッピン♪):2012/10/08(月) 13:31 ID:mgU


りりさん>いやぁ…ようやく切ない系突入ですよ
     純愛サヨナラです(笑)
     
瀬川くんの過去は実はあんまり決めてないというね。

286:りり:2012/10/10(水) 15:52 ID:Bn2

過去決めてないんだww

287:薫(ユッピン♪):2012/10/10(水) 17:08 ID:lcg


でも、考えるだけで涙腺は緩む。
段々と自分の心が崩れかけてるように、じわじわと痛みが体を走る。

「っ、ダメだな…」

口角は上がってる。
でも、泣くのを我慢してる。
やってることと見た目が全く違う。
でも、笑わなきゃ耐えられなかった。
苦しませるように溢れる涙を思い出しただけで、涙はもう出かかっている。

泣くな。
泣くな、私。

こんなにも胸が苦しくなるのは何でだろう。
こんなにも瀬川くんのことを思うのは何でだろう。

もう、いいかな。

もう、間違いないってことでいいかな。





私は瀬川くんに恋してる。

288:薫(ユッピン♪):2012/10/10(水) 19:25 ID:lcg


あ、あれ。
あれあれあれ。

熱を持つ頬。
その温度は半端なものではない。
手を離したくなるような熱さ。

気づいてから、実感してから、
何だか恥ずかしくて、いてもたってもいられない。
私の中にこんな感情があったなんて。

いつから?
いつから、思ってた?

心当たりなんてない。
気づいたのも今。
本当にそうなのかも分からない。

でも、心が暖まるのが事実と言うことを表している。
瀬川くんといる時だけこんなにも暖まる心。

友達とは違う楽しさ。嬉しさ。
手を振り払ったのも、恥ずかしかったから。

泣きたくなる気持ちになるのも、私を見てほしいと嘆いているから。

ああ、私って瀬川くんのこと、凄い好きだ。

289:薫(ユッピン♪):2012/10/11(木) 15:13 ID:Rvo


「優香」
不満そうな声。
呆れたようなこの声の主は香奈。
あからさまにため息を大きく吐き出して、めんどくさそうに私にと視線を向ける。

「何考えてるの」
「べ、別に何も」
「顔赤くなって…私が目の前にいること忘れてたでしょ」

あまりの図星。
目の前に香奈がいたことは本当に忘れていた。

どうしよう。ここは素直に言うべき?

考えてるうちにまた顔に熱がこもる。
小さく深呼吸をして呼吸を整えてから、目線を落とす。

「…私ね」
「うん」

喉から心臓が飛び出しそうなくらいに激しく高鳴る。

落ち着け落ち着け落ち着け。
深呼吸、深呼吸しなきゃ。
乱れた呼吸が戻るのには時間がかかった。





「…私ね、瀬川くんが好きだよ」





まるで時間が止まったように。
歯車が動き出してしまったように。

静かな冷たい空気が、私の心をすり抜けた。

290:優愛。:2012/10/11(木) 15:23 ID:P6o

薫ー!!((
うちです、なつみです←←

最初から最後まで読んだよ!!
(実はちょくちょく見にきてたっていうねw)
ヤバイ超上手いよぉ((( ° д ° )))ガクブル
優花ちゃんと瀬川くん……
お似合いだと思うけど…(´・ω・`)
そして薫、切ない系書くの上手い…!!*

えへへ、急にごめんね(´∀`;;)
一回逝ってくる(`・ω・´)w←

291:薫(ユッピン♪):2012/10/11(木) 16:32 ID:FAQ


優愛。>うわあああああ!!!!!!
    来てくれたのかい!!!!!!!
    上手だなんて…ありえぬな
    優愛。の方が上手いよ〜
    お似合いだと私も思う。((
    ありがとう…!!!
    切ない系が上手いのはね、主人公が泣いて苦しむ姿がたまらなくて書いてるんだy((殴
    嘘です、嘘です。

    コメントありがとう…!!!!
    本当に感謝っす!!!

292:優愛。:2012/10/11(木) 16:42 ID:P6o

薫うちなんて全然上手くないよ(´・ω・`)
苦しむ姿がたまらない…!?!?
ゆみk…じゃなくて薫はSですな(・∀・)
((嘘って書いてるだろ

うん!!
続き楽しみにしてるよ(´∀`///)
頑張って!!!

293:薫(ユッピン♪):2012/10/11(木) 17:55 ID:FAQ


優愛。>上手いょ
    …凄い絶望感。
    本気でやめてくれ〜( ´д `;)
    ありがとう〜
    頑張るん



皆さんへ〜←

ゆみkは、HNです
違うサイトでのHNです

294:薫(ユッピン♪):2012/10/11(木) 18:08 ID:FAQ


嫌な空気が流れる。
香奈はポカンと口を開けたまま。
喉まででかかってる、どうしたの? って言葉がいざとなると出てこない。

驚いてるだけ?
…それだけとは思えない。
瞳の奥が何かを訴えてる。
悲しそうな、切なそうな…。

…何で?
その言葉しか浮かばない。
「あ…ごめん、そっか」

苦笑い。
それを作ったものだと言うことはすぐに気づいた。
ぎこちないその笑顔は、私に何かを示してる。
何故だか嫌な予感と、黒い霧が心を動き回る衝動がおさまらない。

信じたくない。
でも、





香奈は瀬川くんが好きなの?

295:優愛。:2012/10/11(木) 18:46 ID:P6o

ですよねっ!、ですよねーっ!!!((
香奈ちゃん…好きなのか……!
瀬川君は優香ちゃんとがいいn((

296:匿名さん:2012/10/12(金) 16:58 ID:Bn2

ええ!?
かなぁ〜〜〜!!
瀬川くんのことがすき!?
ありゃ……ww

297:薫(ユッピン♪):2012/10/12(金) 18:11 ID:uAM


何も発しない香奈は、浮かない顔をして、うつむく。
落ち込んでる?
「香奈、もしかして」
「…うん?」

知らないふりでもしようというのか。
香奈は可愛らしく首をかしげる。
誤魔化せてないなんてことに気づいていない。
香奈は瀬川くんが好きなんだ。

そっか。
…そっか。

胸の奥がチクチク痛む。
香奈のような美人は滅多にいない。
性格も良くて可愛くて、勉強も運動もそこそこできる。
こんなに完璧な「女の子」はいない。
羨ましいといつも思うけど、今ばかりはすごく羨ましい。

だって、こんなに可愛かったら、瀬川くんは香奈を好きになる。
そしたら…私の恋はどうなるの?

「ごめん…正直に、瀬川くんのこと好き?」

自分でも思ってなかった質問。
香奈は驚いたように目を見開いたけど、すぐに真剣な顔に変化する。
時々顔が歪んで見えるのは、気のせいかな。

こんなこと言ってどうするの。
好きって言ったらどうするの。

勝てない相手。
絶対に私は…こんな私は、香奈と瀬川くんを取り合ったら勝てない。
叶わない恋にとなってしまう。

ごめんなさい、香奈。
ごめんなさい、瀬川くん。

香奈に出会いたくなかったという感情が少しでも出てきてしまった。

298:薫(ユッピン♪):2012/10/12(金) 18:15 ID:uAM


瀬川くんは物じゃない。
どんなに欲しくても、手には入れられない。
私が好きでも、瀬川くんが好きじゃなかったら意味がない。

ただただ心が寂しい。虚しい。
それでも瀬川くんと話したい。好きでいる。

無茶苦茶だけど、瀬川くんを好きな気持ちは誰にも負けたくない。

それは、香奈にも…

「話したこともないのに、好きになるわけないじゃん」

ふふ、と小さく笑う。
それは無理に作ってる笑いと言うわけではないけど、悲しさが露となっていた。

どうして? って聞いたら答えてくれる?



瀬川くんが時々する顔と、

香奈が今見せた笑顔と、



重なって見えた。

299:薫(ユッピン♪):2012/10/12(金) 18:22 ID:uAM


泣きたい気持ちが一気に私の心を染めた。
黒い空間に、まるで吸い込まれていくかのように。
私は黒く黒く、醜く染まっていく。

悔しい。
よく分からないけど悔しい。

香奈が、香奈が羨ましい。
私も香奈みたいに可愛かったら。

瀬川くんは、私を見てくれた?

「重なって見えた」

香奈を真っ直ぐに見る。
今にも泣き出しそうな私を、香奈は何か言うことなくただ見つめる。
沈黙が痛かった。

「香奈と瀬川くん、重なって見えたんだよ」

唇を噛み締めた。
口の中に広がる血の味。微かに、その中には塩分が含まれていた。
…しょっぱい。
雫がスカートの上にこぼれる。

クラスメイトはいつものように馬鹿騒ぎ。
私達のような、冷ややかな空気ではなかった。
気づかれなくて安心したけど、私は目から熱いものをボロボロこぼしてた。

300:薫(ユッピン♪):2012/10/12(金) 18:23 ID:uAM


ついに300…!

嬉しいと言うよりびっくり!
もちろん嬉しさもありますよ*

でも本当にびっくりです。

まさかここまで続くとは。

応援してくれる皆さん、この小説を見てくれてる人に

感謝です!

これからも応援お願いします*

301:薫(ユッピン♪):2012/10/13(土) 11:30 ID:TaM


あ…あれ…?
目のすぐ下に手を置く。
暖かい液体が、私の手を伝った。

「優香…?」
目を見開く香奈。
驚きたいのはこっちだよ。
私、何で泣いてるの。

涙は止まらなかった。
どんなに拭いても、どんなに香奈に優しく声をかけられても、
冷えきった心は溶けなかった。

「優香、優香違うの。信じて…お願い。私が好きなのは…あの人じゃない」

涙声になる香奈に、涙が止まるほど驚いた。
どういうこと?
言葉の意味が分からない。

「あの人って…誰?」

涙は止まって一安心。
そうと思えば次は香奈が泣き出しそうになる。
戸惑いもあって、声が震えた。

「瀬川じゃない…私が好きなのは、」

瞬間、心臓が大きく鳴った。
言葉に詰まる香奈を、私は何も言わずに見る。

「っ…違う、違うの」

「え?」

ホロホロと泣き出してしまった香奈。
あんぐりと口を開けた間抜けな状態になる。
言葉の意味が分からない。
泣いてる理由が分からない。

香奈に何があったの?
香奈の中の何が香奈を惑わせてるの?
好きな人は誰なの?

頭が混乱したのは香奈だけではなかった。

302:優愛。:2012/10/13(土) 12:45 ID:P6o

300おめでとう!!´∀`*

えー!?
どういうこと…!?
ヤキモチとか?((違うだろ
続き気になる〜!!(><*

303:薫(ユッピン♪):2012/10/13(土) 15:57 ID:Nb6


太陽の光が私達を照らす。
照らされてるはずが、雰囲気は暗く冷たく、何も言えない。
涙のたまった丸い瞳を何度も擦る香奈。
こんな香奈初めて見た。
涙を流してしまいそうなほど悲しみに満ち溢れる香奈は、何か重いものを抱え込んでるようで。
やっぱり瀬川くんと重なって見えた。
二人の過去に何かあるのかもしれない。
二人の間に、何かあったのかもしれない。

そう思うと、心は傷まずにはいられなくなる。
ズキ、ズキ、と、傷口に消毒液を名一杯垂らした時の耐えられない痛みと同じようなもの。
いつの間にか呼吸もしずらくなって、心は悲しみが支配する。

「香奈、何かあった…の?」

言ってからすぐ、聞いてはいけないような気がした。
香奈も口を結ぶから、やっぱり聞いてはいけないことだったのかもしれない。
私も耳を塞ぎたい衝動に襲われる。
知りたくない。聞きたくない。
強く拳を握り締めた。
香奈にバレないよう、机で隠れる位置、膝の上で。

「…優香、」

「HRを始める。席につけ」

香奈が口を開いたすぐ。
運悪く先生が教室に入って来た。
香奈は無言で席に戻っていく。
聞けなくて残念。
でも、聞けなくてホッとした自分もいる。
良かった、なんて思っちゃう。
何でだろうね。

「今日は転校生が来ている」

プリントやら何やらを見つめながら、先生は生徒の方を見ずに言う。
クラスはわっと騒がしくなった。
女子は男子を期待、男子は女子を期待。
そんな中、騒げなかったのは私だけではない。
香奈もうつむいたまま、動こうともしなかった。

304:薫(ユッピン♪):2012/10/13(土) 15:59 ID:Nb6


優愛。>今日も来てくれるとは…!
    こんな小説見てくれて感謝だ( ´;ω;`)
    全てが分かるのはけっこう先かな〜
    少しずつ過去が解明してきやす

305:薫(ユッピン♪):2012/10/13(土) 16:08 ID:Nb6


心配でたまらない。
香奈があんな状態になるなんて。
いつも明るくて優しい香奈。
泣き顔も見たことなかったし、弱音を吐いたり隠し事をしたりする香奈も見たことなかった。
私があんなこと言ったからだ。
私が、私が瀬川くんのことを言ったから。
瀬川くんのことが好きなのかどうかは分からない。
だって知ってるのは本人だけだもの。
でも、
瀬川くんは香奈の過去に関係している。
これはきっと、いや絶対。
でも、瀬川くんと関わることなんてあった?

出会ったのは高校生になってから。
小学生から香奈とはずっと一緒で、瀬川くんは違う学校。
会うこともないし知ることもない。
香奈には好きな人もいなかったし、付き合ってる人もいなかった。
恋愛のことで繋がってるわけではないのかもしれない。

関係してない可能性だってあるはず。
でも、私の中にはそんなものなどない。
瞳が、時たま瀬川くんが見せるあの瞳と、香奈のさっきの瞳が同じだった。
そして瀬川くんの「重なって見えた」という言葉。

何が繋がってるの?
香奈と瀬川くんの間に何があったの?
考えれば考えるほど深くはまっていって分からなくなる。
疑問と不安でいっぱいの頭は今にも破裂しそう。

そんな時、先生はいつの間にか転校生を呼んでいた。
緊迫な雰囲気が流れる教室に、一人の男子生徒が入ってきた。

306:桜花 ◆SCyE:2012/10/13(土) 16:24 ID:uoM

久しぶりです。
いれてください!

307:薫(ユッピン♪):2012/10/13(土) 16:46 ID:uQ.


桜花>久しぶり!
   入って入って〜(・∀・)

308:匿名さん:2012/10/13(土) 16:50 ID:Bn2

なんかすごい進んでる!
え!?
転校生?

309:りり:2012/10/13(土) 16:51 ID:Bn2

上、私です!

310:匿名さん:2012/10/13(土) 16:55 ID:3Js

はじめましてです。
ゆっきーです。
よろしくおねがいします。

311:ゆっきー:2012/10/13(土) 16:58 ID:3Js

私、ときどきしかできませんので・・・。

312:薫(ユッピン♪):2012/10/14(日) 11:38 ID:uQ.


一気に男子からブーイング。
女子じゃなかったことに相当怒りを抱いている。
その裏、女子は誰もが口をぽっかり開けている。
段々と熱を持っていくその頬。
その頃には目がハート。

茶色に近い地毛と思われる髪の毛
タレかかった瞳
今は無表情だけれど、きっと笑ったら王子様のようにかっこいいんだろうな。
女子にモテて大変そう。

「…佐賀見 槙(さがみ しん)です」

ポツリと呟いたその声が届いた人は少ないと思う。
黒板に文字が書かれていて助かった。
そう安心している人で溢れてるはず。
なんて、男子も女子もそんな場合じゃないけど。

女子の誰もが赤く染めてる頬。
男子の誰もが抱いてる怒り。

瀬川くんが気になった私は、瀬川くんの方を見る。
無表情でただ口を閉ざしてる。
額にうっすら浮かぶ汗。
唾をこぐりと飲んだのを、私は確かに見た。

香奈も同じ様子。
微かに体が震えてる。
目をただただ開いて、泣きそうな瞳をしては目をそらしていた。

この人は…一体何なの?

胸騒ぎしかしない。
この人が運命を背負ってるようで。
私達の運命が…決まることになりそうで。

313:薫(ユッピン♪):2012/10/14(日) 11:40 ID:uQ.


りりさん>進んでますよ〜(笑)
     転校生は男の子ですっ



ゆっきーさん>よろしくお願いします(・∀・)!

314:優愛。:2012/10/14(日) 14:58 ID:P6o

おおおお!!
転校生きた!!
2人ともどうしたのだろうか……
やっぱり続き気になるっ!(><*

315:薫(ユッピン♪):2012/10/14(日) 18:43 ID:uQ.


短い名前だけの自己紹介は終了。
笑いもせず無表情で淡々と喋っていく彼は、まるで壁を作ってるようだった。
話しかけづらいタイプだなぁ。
何とか話さずにいたい。
でも、胸騒ぎしかしなかった。
未だに空いてる隣の席。
この人が座るとしたら、瀬川くんの隣か…私の隣。
隣になったら話すことは必ずあるはず。
ああ…なんか急に憂鬱だよ。

「席は…」
先生が教室を見渡す。
私は体を屈めて、何とか先生と目が合わないように目線を落とす。

うーんと考えてる様子の先生。
まだ決まらないの?
顔を上げると、まさかの目が合う。
や、やばい。
これは…これはまさか、

「アイツの隣に座ってくれ」

ピシッと伸ばす指。
指の先にいるのは紛れもなく私。
ため息しか出てこなかった。

転校生君ははい、と小さく返事をしたあと、変わらず無表情で私の方に歩み寄る。
女子の視線が痛い。
そりゃこんなイケメンの隣が、私のような子なんだから。
…恨むよ、先生。

316:りり:2012/10/14(日) 22:07 ID:Bn2

あははww

317:花梨:2012/10/14(日) 22:16 ID:gxQ

転校生欲しいですね、男女問わず

318:ムーミン:2012/10/14(日) 23:00 ID:sFY

本当におもしろいです!つづきがきになる〜(^∀^)

319:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 16:44 ID:uQ.


りりさん>優香は笑えませんよww



花梨さん>ああ…同じです
     でも私は男でイケメン…((



ムーミンさん>ありがとうございます!!
       続きはただいまっ

320:優愛。:2012/10/15(月) 16:48 ID:P6o

優香ちゃんピーンチ!!ww

321:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 16:52 ID:uQ.


静かに椅子に座る転校生君。
近くで見るとやっぱりかっこいい。
見とれてしまうほど。
黒髪でイケメンというのは自分のタイプだし、瀬川くんと共通してる。
でも背は同じぐらいで、そこが不満。
そして少しは笑ってほしいよ。
…って、何勝手に審査してんの。

「えっと、よろしくお願い…します」
小さく礼。

転校生君はこちらに目線を向ける。
心を閉ざしてるのか、冷たい瞳。
気に入らないな、初対面の人に向かって。
もう少し笑ってほしいよ、全く…。

「……」

…え、ちょっと待って。
そのまま彼は視線を黒板へと戻した。
平然とした、当たり前と全身で言ってるかのような雰囲気が漂う。

怒りは頂点寸前。

無視。無視されたんだ。
地味(性格が)なくせに偉そうな。
やっぱり皆が想像してる人とは違った。
王子様のような人じゃないし、それどころか無視。
相手の話に対応するのはこれ基本。
ふざけてる、完全に。

「殺意って簡単に生まれるものなんだよ、知ってる?」

冗談っぽく言ってみた。
ふふふ、と微かに笑みを漏らしながら。

転校生君は、転校生君は…

「…アホか」

ぐしゃりと教科書が折り曲がる。
この男のせいで、教科書はぐしゃぐしゃになってしまった。

対応するってこういうことじゃないよね?

322:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 16:54 ID:uQ.


優愛。>優香ちゃんお怒りですww
    てか…優香の苗字忘れたんだよね、昨日( ´・ω・`)ハハ
    神咲だよ、神咲。
    ちゃんと覚えなさi((お前がな

323:花梨:2012/10/15(月) 16:56 ID:gxQ

黒髪イケメンなんてもろタイプじゃないですか。
でも性格は…

324:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 17:01 ID:uQ.


怒りは頂点に達していた。
それでも少し大人になった私。
怒りを吐き出しはしなかった。
代わりに瀬川くんでも見て、ストレス解消しよう。
瀬川くんの方をこっそり見ると、瀬川くんとすぐに目が合った。

…嘘。

即座に顔を前に向け直す。
嘘だ。
見られてた。
瀬川くんに…見られてた。

えええ、ちょっと待って何でだろう。
何で見てたの?
やめてよ、ホント。
期待しちゃうじゃん。
私だけがドキドキしてる。
瀬川くんは私のことをどうとも思ってないけど、私は苦しいくらいに思ってる。
だからこういうこと…期待しちゃうんだよ。
瀬川くんは違う子を見てるのに。



『重なって…見えたんだ。』



頭によぎるあの言葉。
チク、と胸が痛んだ。
唇を噛み締め、悲しみをおさえる。

瀬川くん。
私は誰と重なって見えたの?
キスした理由は…それだけ?

あ、どうしよう。

悲しみが一瞬にして溢れてきた。

325:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 17:02 ID:uQ.


花梨さん>無視男です(笑)
     見た目は良いのですがね…勿体ない。

326:優愛。:2012/10/15(月) 17:05 ID:P6o

薫>>神咲…!!
覚えときます((

てか…無視したあああ(・д・;;)
オイオイオイ←
うちも黒髪イケメン好きだn((

327:花梨:2012/10/15(月) 17:06 ID:gxQ

私的にはタイプは瀬川君ですね

薫さんの文章力で私と同じくらいの年っていうのもスゴイです

328:優愛。:2012/10/15(月) 17:08 ID:P6o

薫、書くの早い!!ww
瀬川くん、何故みてたのですか←

329:りり:2012/10/15(月) 17:19 ID:Bn2

転校生くん面白いwww

330:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 17:37 ID:uQ.


優愛。>確か神咲だったはず…((
    書くの早いよww
    急いで更新してるし(`・ω・´ )ゞ

花梨さん>同じく瀬川くんです!
     花梨さんは…小学生ですか?中学生ですか?
     文章力なんてないです…

りりさん>転校生君、生意気(笑)

331:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 17:42 ID:uQ.


心臓は激しく跳ねてるのに、悲しみでいっぱいになる。
何なの…この気持ち。
痛いし苦しいし…暖かいのは時たま。
恋ってこんなものなの?
こんな苦しくなるの?
そうだとしたら、よくみんな恋してると思う。

こんなに苦しいんだから、好きになるのなんてやめちゃえばいいのに。
こんなに泣きたくなるんだから、恋なんてしなければいいのに。

そう思う。
私も…やめちゃおうかな。
そんな感情を抱いた瞬間、はち切れそうなほどに心が痛くなった。

…何? 痛い。痛いよ。

今、みんなが恋をやめない理由が分かったかもしれない。



諦めて恋をやめるほうが、よっぽど痛い。

332:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 18:11 ID:uQ.


「おい」
「…えっ」

ハッと、我に帰る。
めんどくさそうに私を見ている転校生君。
何なの、偉そうに。
また怒りが込み上げる。
そんな時、トントンと私の教科書を叩く。

「37P」

小さくそう呟くと、転校生君は黒板に向き直る。
ボーッとしてたことで開いていなかった教科書を開く。
37P。転校生君が教えてくれた。
なんだ。
こんなことも…出来るんだ。

こういう時はやっぱり、ときめいてしまう。
最初は無視。次に対応。
そして今はこっそり教えてくれた。
この人、きっと優しい。
…いや、きっとじゃない。
絶対にこの人は、優しい人だ。

でも…じゃあ何でこんなに冷たい態度なんだろう?
笑いもせず、無表情な転校生君。
よく疲れないな。こんな硬い表情で。

ジッと転校生君を見る。
相変わらず無表情。
…よく分かんないな、この人。

333:花梨:2012/10/15(月) 18:39 ID:gxQ

薫さん
私は小6です。文章力ありまくりじゃありませんか!

はぁ…恋したいな…

おっ?転校生くんはツンデレですか?

334:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 21:34 ID:uQ.


花梨さん>同じじゃないですか!
     文章力なんて…ないですw
     でも言われたら嬉しいのです←
     恋ねえ…やめた方がいいy((
     私は誰が好きかってよく分からないんです。
     転校生君ツンデレです。((そんな設定じゃないです。

335:薫(ユッピン♪):2012/10/15(月) 21:42 ID:uQ.


ダルいダルい、授業の終わりを知らせるチャイム。
同時に私は大きなあくびをして、先生に見られた。
いや、あれは睨まれたと言うのだろうか。

教室を見回し、視界に映った少女。
香奈は、うつむいて動こうとしてなかった。

不思議に思う。
いつもなら、「優香っ」って、すぐ私のところに来るのに。
おかしい。
何かあったのかな?
それとも、私が何かしちゃったかな?

ああ…どうしよう。
「どうしたの?」なんて簡単に話しかけられない。
私が何かしてしまったなら、「どうしたの?」なんて言う時点で、自分のしたことに気づいていないということ。
そんな最低なことしたくない。

どうしよう、どうしよう。
取り合えず…普通に声をかけてみよう。

席を立ち上がった瞬間、横目で転校生君に見られる。
怒りをまた抱いてしまいそうで、私はすぐに目線を香奈にと向ける。

ふと思い浮かんだ。
あれ、まだ1時限目だよね。
それほどまだ時間なんてたってないのに。

転校生君の名前、何だっけ。

やばい、本気で忘れた。
というか聞いてなかった。
テヘペロなんて言って許される年でもないよね。

336:花梨 ◆YhlI:2012/10/15(月) 21:58 ID:gxQ

薫さん
同じですよね、年 私本当に作文系ダメなんですよ
才能交換してほしいです

恋やめた方がいいですか?だったらやめます!ww
恋に恋するお年頃なのです!

ホントに瀬川君とか、え〜っと…佐賀見君!
みたいなイケメン君欲しいです…

337:薫(ユッピン♪):2012/10/16(火) 16:49 ID:wkc


花梨さん>才能なんてないです!
     交換なんてしたら、花梨さん、バカになっちゃいますよ♥←    
     恋はやっぱり、もう少し大きくなってからのほうがいいですよ。
     
     わ…わ〜
     私、佐賀見って苗字忘れてましたよ!←
     昨日の夜必死に考えましたがダメでした(笑)

338:薫(ユッピン♪):2012/10/16(火) 17:21 ID:wkc


聞いたら失礼かな…。
その前に話しかけたくない。
また何か言われそうだもん。それか無視。
でも、もしかしたら…答えてくれるかもしれない。
所持している優しさを出してくれるかもしれない。
そう考えると、話しかけようかな、と思える。

「…ね、ねぇ」

小さく囁いてみる。
案の定無視。
緊張で暴れていた心臓は一気に沈む。
代わりに憎しみというものが溢れる。
…嘘だよ、嘘。

「ねぇ…聞いてる?」
「……」
「名前教えてくれないかなっ」

ぶっきらぼうに言う。
無視されてもお構いなし。
この野郎、と心の中で叫んだ。

「ねぇ、ちょっと…」

「…佐賀見槙。話聞いてろよ」

いっぱいのため息。
ため息をつきたいのはこっちだ。
めんどくさそうに頬杖をつく彼をぶっ飛ばしてやりたかった。
…なんて、何言ってるの私。

339:薫(ユッピン♪):2012/10/16(火) 17:22 ID:wkc


ちょ、これ切ない&純愛小説よね?

ギャグに突っ走っていて怖いな。

340:花梨:2012/10/16(火) 19:42 ID:gxQ

優香ちゃん…

一発殴っちまえ!!!!(転校生くんを)

341:りり:2012/10/16(火) 22:12 ID:Bn2

転校生めっちゃおもろい!
ユッピンさん、小説頑張ってください!

342:薫(ユッピン♪):2012/10/17(水) 16:41 ID:84.


花梨さん>じゃあ殴らせm((
     嘘です。



りりさん>面白い…ですかww
     はい、頑張りますね!

343:花梨:2012/10/17(水) 16:51 ID:gxQ

多分私だったら殴ってますよ ブチ切れます!

優香ちゃん我慢強いですね〜 

344:薫(ユッピン♪):2012/10/17(水) 16:53 ID:84.


なんて呼ぶべきだろう。
佐賀見くん?
槙くん?
…槙が一番しっくりくる。
いきなりの呼び捨てに睨まれることは見えている。

ああ…なんかめんどくさい。
ツンデレなのか、この転校生は。
ってことはさっきはデレ?
今まで無視してたくせに、わざわざ教えてくれた。
でもまた今、最初は無視をした。

…ツンデレだ、ツンデレ。
ツンデレって一番扱いづらいんだよね。
めんどくさ。

はー、と大きくため息をつく。
槙の目の前だったことに気づくと、慌てて口を塞いだ。
また何か言われると分かっていたからだ。

槙は睨むかのように私を見た。
う、怒ってるのかな。
そう思ったけど、槙はすぐに目線をずらす。
数学の教科書を開いて、勉強タイム。
やることはやっぱり地味だなぁ。
存在が地味で顔だけって、瀬川くんみたい。
…私今、最低なこと言ったな。

そう思いながら罪悪感なども感じず、香奈の元に行く。
近づくにつれ、分かっていく香奈の様子。
いつもと違う。
指先が震えていることに気づいたのは、もう目の前に香奈がいる頃。
よく見ると、傷ついたような瞳と顔の香奈。

何かあった?
一体…どうしたの。
表情と動作からだけでは、何があったかは分からない。
でも何か傷つくことがあったに違いない。
私でさえも気づいた。

345:薫(ユッピン♪):2012/10/18(木) 14:21 ID:84.


「香奈」

私が呼ぶと、すぐにハッとなる。
見せた笑顔は作り物。
明らかに目が傷ついている。
澄んだ瞳は、黒く光のない瞳に変化していく。
無理してる。

「何かあったの?」
「ううん…」
「じゃあなんで、心から笑わないの」
「…ごめんね」
「謝るだけじゃ分かんないよ」
「そうだよね…」

何かを求めてるかのような眼差し。
私が経験した傷みを、香奈が今味わってるのかもしれない。
寂しい心を満たそうと、温もりを求めたあの日。
あの日の私と、今の香奈は同じ状態なんだ。

346:薫(ユッピン♪):2012/10/18(木) 16:38 ID:84.


あの孤独を味わっている香奈。
泣いたのもそのせいかもしれない。
香奈も、こんな気持ちだったのかな。
何があったかも分からない不安。
どうして話してくれなかったの? って言う疑問
香奈も同じだったんだ。
不安だったんだ。

ここはごめんねと言うべき?
それともまず先に、泣いた理由をちゃんと聞くべき?

どうしよう…。

「優香」
「んっ?」

ビクッと体が反応。
私が呼ぶはずだったのに。
先に言われた。

「聞かない…の?」
「…え?」

聞く?
何を、何を聞けばいいの?
あ、泣いた理由とか…かな。

「香奈が話したい時でいいよ」

私って嘘つきだなぁ。
本当は今すぐ知りたい。
今だって聞こうとした。
だって、悲しみを香奈一人に背負わせたくない。
一緒に背負う。
そういうものが友達だよ。

「…ありがとう」

香奈は柔らかい笑顔を見せる。
やっぱり今すぐは聞けないか。
期待してしまった。
話してくれるかと思ったのにな。
私って頼りがいないからな。
話しても無駄とか思われてたらどうしよう。

347:薫(ユッピン♪):2012/10/18(木) 18:03 ID:84.


年恋復活の予感

知ってる人は少ないと思うけどorz

掛け持ちしちゃぉかな

348:薫(ユッピン♪):2012/10/18(木) 19:04 ID:84.


ふー。
色々考えると疲れる。

「香奈が話したい時でいいよ」って言ったの誰なの。
気になって気になって仕方ない。
香奈の過去に何があったのか。
はぁ〜気になる。気になる気になる。

香奈をジッと見つめる。
熱い眼差しに、香奈は首を傾ける。
分かっていないようだ。

私がこんなんだからなあ。
話してくれない気持ちはよく分かる。
でも、でも…



やっぱり気になる。



「もう少しでチャイムが、」
「ああ!! 鳴るね!!! じゃあバイバイ!!」

大声を出す私を唖然と見つめる香奈。
クラスメイトからの、そこそこ痛い視線。
ああ…私を見ないで。

こそこそと怪しげに席へと戻る。

349:りり:2012/10/18(木) 22:06 ID:Bn2

にょあ!?

小説うまい……

350:菜実♪ 1216:2012/10/18(木) 22:28 ID:8Sc

こんにちは。菜美♪です。
薫さん、小説書くの上手ですね!!
私も書いているので参考になります!

ちなみに・・・。私は、12さい(小6)なんですが、薫さんは、何歳ですか?
(失礼なことを聞いてすいません。)

351:薫(ユッピン♪):2012/10/19(金) 06:58 ID:84.


りりさん>そんなことないですっ
     でもありがとうございます!

菜美♪さん>ああ…ありがとうございます…
      菜美♪さんと同い年です☆

352:薫(ユッピン♪):2012/10/19(金) 17:07 ID:84.


椅子を引くと、かたん、と音がなる。
私が座ったと気づいた槙。
長い前髪から覗く、透き通った瞳。
微かに濁りが見えた。

「…何」
素っ気なく言ってみる。
「は? …見てねぇし」
もっと素っ気なく帰された。

何となくムカつく。
何も言わず、無視してやった。

槙も何も言わない。
…つまんないなぁ。
そんなことを思う自分。
私はいつからツンデレ好きになったの?

先生が教室に現れ、授業が始まる。
英語は苦手。
やだな…。
教科書を開くように言われ、淡々と授業を進めていく英語担当の先生。

…苦手なのに。何でやるわけ。
むっとしたオーラを出す。
先生は気づくことなく、黒板に意味の分からない英語やら、教科書の、なんて読むかも分からない長い英文を読む。
ただ私はその場にいて、時間を潰すだけ。

暇だから槙を見てみた。
予想外。
真剣に黒板を見て、ノートに写して、教科書も見て。
真剣に勉強してる。
意外と偉いんだなぁ。
私はこんなの、時間潰すだけだよ。

…ふんだ。

私だってできるんだから。
話聞けるんだから。
だから、優等生ぶったりとかやめてよね。
私だって…頑張ればできるんだ。



…よし。



シャーペンを力強く握り締めて、黒板に書かれた英文をノートにひたすら書き写した。

353:薫(ユッピン♪):2012/10/19(金) 18:39 ID:84.


「頑張ってんじゃん」

ふ、と鼻で笑われた気がした。
そう、アイツ…槙に。
苛立つことはない。
笑ったと同時に見せた笑顔は、すごく素敵で輝いていたから。
不覚にも、心臓が揺れてしまった。

キラキラしてて
柔らかくて、優しくて
かっこよくて…

こんな奴なんて誉めたくない。
けど、あまりにも輝いてたから。かっこよかったから。

心臓が揺れないほうがおかしい。

こんな顔、するんだ。
優しいその笑顔をずっと見てると顔が赤く染まってくる。
私はパッと視線を落とした。

恥ずかしさで、シャーペンを持つ手が震える。
先生の話も耳に入らない。

「…真っ赤。何で?」
「うるさい…見ないで」

とぼけてる?
それとも本当に気づいてない?

私が好きなのは瀬川くんなのに。
心が揺れてしまった。

私って、なんて単純。

354:りり:2012/10/19(金) 21:10 ID:Bn2

うん。単純w

355:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 13:17 ID:84.




長かった学校の時間が終わる。
バッグに教科書を突っ込んだあと、私は一人で教室を出た。
ガヤガヤと、隣の学級から出てくる生徒は馬鹿騒ぎ。
それでも楽しそう。
少し、羨ましい気持ちもある。
皆と仲良くできるんだから。

そこでふと、瀬川くんを思い出す。
皆に好かれてる訳では…ない。
友達もいない。唯一の友達は私。
瀬川くんは言った。
友達は私だけでいい、って。

でも、そんなんじゃ寂しすぎるよ。
誰だって、たくさんの友達に恵まれたいと思ってるはずなのだから。
瀬川くんには、色んな“男友達”を作ってほしい。

…なんて、私はわがままだ。

“女友達”を作ってほしいとは思えない。
私だけ。私だけ見ててほしい。
それ以上の関係に恵まれなくとも、瀬川くんの視界には、私だけの女の子が映っててほしい。

そんな私はわがままですか?

それでもやっぱり…瀬川くんが好きだから。

スカートの裾を握り締める。
スカートは入学式とは変わらず膝丈。
短くするのは3年生からと決めてる。

…と、考えてないで早く帰ろう。

いつの間にか止めていた足を再び動かす。
窓から差し込む太陽が、眩しかった。

356:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 13:46 ID:84.


「はぁ…」

ため息が漏れる。
何で出たのか、理由はよく分かってる。

まず一つ。
香奈と瀬川くんの過去が知りたい。
でも、聞いちゃいけない気がする。
香奈もまだ言わなくて、残念な気持ちもあった反面、少し安心もした。

二つ目。
単純すぎるこの性格に呆れる。
瀬川くんが好きなのに、槙相手に不覚にも心が揺れた。

単純な私。それは呆れるほど。
槙なんかに…心が揺れるなんてバカみたい。
やっぱり、まだちゃんと瀬川くんが好きってわけではないのかもしれない。
やっぱり恋って分かんないなぁ。

門を出る。
正しくは、出ていた。
でたらめに歩いていたら、いつの間にか外に出ていた。
他の教室やら何やらに行ったりしてなくて良かった。
目的の場所にでたらめに歩いて行けたなんて、凄いよね?

自画自賛。
何してんだ、私。

また出てきそうなため息を、奥に閉じ込める。

一人でふーらふらと歩いていると、途中で手を引かれた。

「えっ!?」

バランスを崩す。
足が引っ掛かったんだ。
転びそうになり、私は咄嗟に手を引いたと思われる人に抱きついた。

357:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 14:03 ID:84.


「っう…」

気づけば閉じてた目を開く。
なぜか暖かい。
春の終わり頃だけあって、寒いわけではない。
でもやっぱり肌寒い時はある。
人間の体温は暖かいものだ。

何てそんな呑気なこと言ってらんない。
私は今…見知らぬ人の胸の中。
ていうか手引かれたよね?
一体誰…

「…ごめん、大丈夫?」

胸の中にいる私を、上から見下ろす瀬川くんの姿。
死にそうなほどに、心臓が跳ねる。
ぎゃ…ぎゃあああっ…!
叫びたい気持ちを抑え、私は直ちに瀬川くんから離れた。

358:椿:2012/10/20(土) 14:06 ID:/CE

Σ(゚Д゚)スゲェ!!……
270位から、一気読みしますた(`・ω・´)((キリッ←
ニヤニヤしまくりだったww

薫ヤバイヨ━━━━!!
年下なのに、スゴズキルヨ━━━━!!


…壊れた。

359:花梨:2012/10/20(土) 14:18 ID:gxQ

瀬川君登場!

この後の展開が楽しみです!

360:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 14:23 ID:84.


椿>一気読みって…!!
  一つ一つが糞長い、そして内容も薄いつまらないこの小説を…!?
  なんと心優しい…!!!
  凄くないよ…( ´∀ ` ;)
  でも嬉しい…ありがとう!!

花梨さん>はい!!瀬川くん登場です!!
     すごい久しぶりな気がw
     楽しめるような展開にできるかどうか…(笑)
     頑張ります!!

361:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 18:48 ID:84.


「ごめっ、ごめっ、ごめんっ」

動揺しすぎ。
噛むし顔は赤いし…最悪。
風が私を小馬鹿にするかのように頬を刺す。

「ふ…動揺しすぎ」

微笑む瀬川くん。
心臓がくっと締め付けられる。
泣きたい。
泣きたかった。
この笑顔は、この笑顔は宝物だ。
友達の私に見せてくれた笑顔。
私は今、世界で一番幸せだ。

叶わなくていい。
届かなくていい。

ただ、想い続ける。

友達で良い
私にその笑顔を
永遠に
見せてください。

362:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 18:55 ID:84.


「…っ」
「優香?」

耐えきれない、泣きたい気持ちは声となって漏れた。
必死に唇を噛み締める。
このまま泣いたら質問攻めだ。
必死に耐える。

「何か我慢してる?」

何で気づくんだろう。
瀬川くんはすぐに気づいた。

「な…んで分かった…」
「当たり前じゃん」

瀬川くんは一呼吸置いてから、私の頭にそっと手を乗せる。
涙目のまま、頬が赤く染まった。

「俺はいつでも優香を見てるよ」

はにかみながらも、最後は名一杯の笑顔を見せた。

そんな瀬川くんが素敵で。

好きでたまらなくて。

私はゆっくり、瀬川くんの手を取った。

「…優香?」

冷静を装うつもりか。
頬は赤くなっていた。

瀬川くん。
受け止めて、くれますか。

私は、私は…

「好き…」

貴方がたまらなく好きなんです。

363:花梨:2012/10/20(土) 21:13 ID:gxQ

きゃあぁぁーーー!!!
いきなりの告白!
瀬川君はどんな反応をするんでしょう!?

364:薫(ユッピン♪):2012/10/20(土) 21:47 ID:84.


言ったあと、顔が青ざめる。
何言ってるの、私…!

「…ごめん、もう一回」

ごめん、という言葉を聞いて、心臓が跳ねた。
びっくりした。
断られたわけじゃないんだ。
って、安心なんてしてる場合じゃない。
言っちゃった。
言っちゃったよ。
どうしよう…!

「あ…え、と」

ただ戸惑う。
目線を逸らしていると、瀬川くんの顔が近づいた。
また叫び声を上げそうになる。
それを必死におさえた。

「な、何っ…」

「好き…って、のは、聞き…間違え…なのかな」

頭を掻きながら、頬を染める瀬川くん。
嘘。聞こえてた。
やばい。非常にやばい。
額からは大量の汗が噴き出ていた。

365:優愛。:2012/10/21(日) 10:25 ID:P6o

わぁーーーー!!
瀬川くんカッコいい…!!
しかも好きって言っちゃった!!

366:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 11:49 ID:mDc


花梨>こんな予定じゃなかったんですよ( ´∀ ` *)←
   でもまぁ言わせようかな的な…
   この展開のせいで、先が狂っていく(笑)

優愛。>カッコいいよね〜
    言っちゃったよ!ww
    どうしようかな、展開ww

367:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 11:50 ID:mDc

>>366
間違えました、花梨さんです…!

368:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 11:57 ID:mDc


透き通った瞳が私を見つめる。
私は何も言わず立ち尽くすだけ。
近くをうろつく猫が、私を見て小さく鳴いた。
丸い瞳で猫は見つめる。
早く言え、と言うように。

息苦しさは、破裂しそうな心臓を表す。
どうしようかと言う迷いと、言って振られたらどうしようと言う不安。
私の体を駆け巡る。

ここは取り合えず、誤魔化すしかない。
震える唇をそっと開く。

「好き…です、瀬川くんが」
「え?」
「と、友達として…!」

あとに付け足す。
これで大丈夫かな?
不安が私の心を埋め尽くす。
唖然とする瀬川くんは、動こうとせず立ち尽くすだけだった。
瀬川くんの反応は…?

「…うん、そう、だね。俺も好き」

ふ、とすぐに瀬川くんは笑う。
顔が赤くなる。
好き、って言うのは友達としてだって分かってる。
分かってるのに、ドキドキしてしまう。
期待してしまう。

本当は恋愛として、瀬川くんに好きと言ってほしかった。

369:優愛。:2012/10/21(日) 12:07 ID:P6o

あああああ
誤魔化しちゃった!
でもこれからが面白いんだもんね!((

370:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 12:25 ID:mDc


何でだろう?
胸が…痛い。
自分で思ってる以上に、私は傷ついている。

そう思うと、急に悲しくなった。
締め付けられる胸。
目から溢れる雫。

髪の毛が風によって揺れる。
唇を噛み締めた。

「優香? 優香、どうし…」
「好きなの…」

小さく呟く。
え? と聞き返す瀬川くん。

溢れる雫が、瞬きすることによって飛び散る。
今度は大きく口を開けた。

「友達としてじゃない…好き、好きなの」

ボロボロとこぼれる雫。
瀬川くんは、ただ驚いた顔で私を見つめる。
拭いても拭いても、雫が流れるのは止まらない。

その場にしゃがみこむ。
止まらない感情と雫に、声を漏らした。

371:花梨:2012/10/21(日) 12:43 ID:gxQ

結局告白❤
誤魔化した意味ねーーー!!!

瀬川くんはどんな答えを出すのでしょう❤

楽しみです!!!

372:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 17:15 ID:mDc


もう、後戻りはできない。
はっきり言った。
悔いは…残ってない。
ずっと伝えたかった言葉。
叶うはずのない気持ち。
受け止めてくれるはずはない。
未来は絶望に囚われてる。
何で言っちゃったんだろう。
やっぱり悔いはあった。

しゃがみ込んだまま、顔を伏せる。
ゆっくり瞳だけを動かせる。
暗闇。
広がる闇に、恐怖は感じない。
ただ不安は感じる。
振られて、瀬川くんと友達に戻れないかもしれない。
あーあ。
やっと友達になれたのに。
友達関係が崩れるのって、早いな。
色々上手くいかないものだよ。

瞳を閉じ、光は途絶える。
もう希望はない。
終わった。
瀬川くんとの関係は、幕を閉じる。
誰もが閉幕と思えるはず。

その時、頭に暖かさを感じる。
大きくて、暖かくて…。
これは間違いなく、瀬川くんの手。
何度も感じた瀬川くんの手だ。
暖かくて、安心する。
でも今はしない。
瀬川くんの手から伝わるのは、申し訳ないと言う言葉。
振られる。そう確信した。
そう思うと、瀬川くんの手が冷たかった。

徐々に冷えていく体。
怖くて、目を強く瞑った。
震えが止まらない。
失恋というものは、こんなにも苦しい。
たまらなく心に積もる不安と苦しみ。
言葉を失い、頭が真っ白になる。

373:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 18:50 ID:mDc


「永遠の片想い」というの書き始めました。
よろしくお願いします。

374:薫(ユッピン♪):2012/10/21(日) 22:06 ID:mDc


私は顔を伏せたまま泣いた。
ごめんなさいって全身で言われてるようで。
振られたんだ。
返事ももらってないのに、自分で自覚した。
そう思うと涙が止まらなかった。
瀬川くんはただ頭を撫でる。
沈黙が辛かった。

「うっ…あああああっ…!」

声を漏らす。
同時に瀬川くんは手を離した。

「…ごめん、普通は俺から気持ち伝えるべきだった」

え…?
目を見開く。
ポタ、ポタ、と変わらず涙は膝に落ちる。
どういうこと?
そう聞く暇もない。
瀬川くんは続けた。

「好きでもないのにキスはしないよな」

ハハッ、と笑いが混じる。
勢いよく私は顔を上げた。
そこには優しく微笑む瀬川くん。
締め付けられた心臓が、一気に解放された。
同時に涙が大量に溢れる。

「な、んで…重なって、見えた…って…!」

「あれ忘れて。重なって見えたんじゃない。したかったからしたんだと思う」

違う。違うよ。
重なって見えたってのは、誰と重なって見えたの?
余裕も何もない私には聞けなかった。

「期待しちゃうじゃん…」

小さく言う。
瀬川くんは、再び頭に手を乗せた。
暖かい。

「期待していい」

ぐっと自分の胸に引き寄せる。
私は瀬川くんの胸に包み込まれる。
暖かくて安心する瀬川くんの温もり。
もはや「重なって見えた」という言葉など忘れていた。
瀬川くんの心に誰かの面影があったとしても関係無い。
私は瀬川くんが好き。
そして瀬川くんは…

瀬川くんも、私のことが好き?

よく分からない。
はっきり言われたわけでもないから。
でも、「期待していい」という言葉は私の悲しみを取り除いた。

375:鏡時:2012/11/11(日) 12:05 ID:XeQ

面白いです〜。

一気読みしました!!

やっぱり、自分の小説はダメだな…。

りっこや彼方様、薫様もいるし…

376:薫:2012/11/11(日) 15:00 ID:67o


鏡時さん>ありがとうございます!!
     gdgdですみません…((汗

377:匿名さん 1216:2012/11/11(日) 16:35 ID:8Sc

薫さん!
すごく面白いです!!
一気に読んじゃいました!
他の作品もひそかに、よんでました。

申し遅れました。私、麻衣です。
まい とよみます。
もし、よければいれて下さい!

378:鏡時:2012/11/11(日) 16:42 ID:XeQ

薫様>

いえいえいえいえいえいえ!

とんでもない…!

gdgdなんかじゃないです!!

私の小説の方がgdgdですよ!

379:麻衣 1216:2012/11/11(日) 16:43 ID:8Sc

377は、私麻衣です。

380:薫:2012/11/11(日) 17:16 ID:67o


通じ合えた?
そんなこと…分からない。
でも私は、瀬川くんが———…



「…ん」



目を開ければ、部屋に日差しが入り込んでいた。
鳥のさえずりと目覚まし時計が同時に音を出す。

そうだ…あれから帰って、

「…っ」

顔が赤く染まるのを感じた。
そうだ、昨日は瀬川くんに…告白を。
期待していい、って返事は…瀬川くんも好きってこと?

そう考えれば、身体は熱を持つばかりで。

取り合えず、起きなきゃ。
重い体をゆっくり起こし、鏡に映る自分を見つめる。

赤くなった顔に触れてみれば、相当の熱を持っていて。
息をすれば、心臓がうるさく暴れて。

昨日のことが夢じゃないのなら。
私は今、世界中で一番幸せだよ。

「…あ、時間っ」

ふと目に入った時計。
それを見て慌てて制服に袖を通す。

昨日、瀬川くんが抱き締めた制服は、しっかり瀬川くんの匂いが刻まれている。
ぎゅっと制服を抱けば、瀬川くんと抱き合ってるようで。

好き、という感情が、溢れ出てくる。

381:匿名さん 1216:2012/11/11(日) 17:18 ID:8Sc

入ってもいいですか?

今回も面白いですね!

382:薫:2012/11/11(日) 17:19 ID:67o


麻衣さん>ありがとうございます!
     う、嬉しいです…!
     感謝カンゲキ(雨嵐←)です!!
     どうぞ入ってくださいっ


鏡時さん>gdgdですよー(笑)
     駄作過ぎて目が腐りそうな勢いです(ノ∀`)

383:麻衣 1216:2012/11/11(日) 17:21 ID:8Sc

すいません。薫さん。
また、入れ忘れ。
381 麻衣です。

★入ってもいいですか?

384:麻衣 1216:2012/11/11(日) 17:24 ID:8Sc

入れてくれてありがとうございます!

あの、薫さん。
タメ口ってOKですか?
(OKなら次からタメ口にします)

385:ムーミン:2012/11/11(日) 17:25 ID:/KE

続きってあるんですか?あるなら、ものすごーく気になります!頑張ってください!

386:薫:2012/11/11(日) 17:25 ID:67o




「行ってきます!!」

用意を終え、そう叫ぶと同時にドアを閉める。
熱のこもる頬に風が当たって、気持ちが良い。

——早く、瀬川くんに会いたい。
その気持ちでいっぱいだった。



「おはよ」



その時、透き通った声が聞こえた。
誰かはすぐに分かる。
少し緩んだ顔を直した後、声の方を向く。

「香奈…おはよ」

名一杯の笑顔を浮かべてみた。
香奈はそれを見て、笑い返す。
やっぱり私と比べ物にならないぐらい可愛い。

瀬川くんも、やっぱり可愛い子の方がいいよね?

「何?ご機嫌じゃん」

歩き始めてすぐに、香奈は怪しげに笑みを浮かべる。

「別に何もないけど…」

と言いながらも、顔は桜色に。
香奈は気づいたのか、私に問い詰める。

「何かあったでしょ」
「いや別に」
「顔緩んでるけど。恋愛?」
「緩んで…!?…ち、違う」

慌てて俯く。
緩んでたのか。…いつの間に。

387:薫:2012/11/11(日) 17:31 ID:67o


赤くなった顔を、香奈は覗き込む。
落ち込んでいた顔の面影もなくて、密かに安心した。

「瀬川…くん、と?」
「えっ」

肩がビクッと動く。
———バレた?
案の定香奈はニヤニヤとした顔で私を見ていた。
でもどこか悲しげで。
そんなこと、気にも止めなかったけど。

「へ〜付き合、」
「付き合ってないから!!」

顔を真っ赤にさせて大声を出す私に、香奈はハイハイと適当に言う。
付き合ってはない。
それどころか、両想いなのかも謎。

期待していい…って、どういう意味なんだろう。
瀬川くんは私が好き?…ってことでいいのかな?

学校に行ったら、確認しなきゃな…

「好きって言われてないの?」

考えてる私に、キョトンとした顔で香奈は聞く。
大きくて丸い目をもっと丸くして。

「うん。でもね…距離が縮まった気がしたんだ」

思い出して、笑みをこぼす。

388:薫:2012/11/11(日) 19:16 ID:67o

それを香奈は、悲しそうな顔で見つめる。
次は私が香奈の顔を覗き込む。

「香奈?…どうしたの?」

俯く香奈は、どこか悲しそうで寂しそうで。
でも、必死に笑顔を作っている。
何故か胸が痛んだ。

「ごめんね…瀬川くんと優香が付き合ったら、私はもう必要ないのかなって思って」

そういう香奈はいつもと違う。
涙ぐんだ声で、俯きながら言う。
声は震えていて、不安で染まっていた。
そんな香奈の頭を気づけば撫でていた。
目を見開く香奈に、ゆっくり口角を上げる。

「私には…ずっと香奈が必要なんだけどな」

にひ、と笑ってみた。
そんな私を見て、香奈は安心したように笑顔になる。

———気づかなかった。
———香奈の笑顔が、やっぱり悲しそうだってこと。

389:麻衣 1216:2012/11/11(日) 21:02 ID:8Sc

薫、天才だよ!神だよ!

どうしたらそんなにうまくなるの?

もしよかったら私の書いてる

赤面少女 見てね!

アドバイスじゃんじゃん書いて♪

390:薫:2012/11/11(日) 21:45 ID:67o


麻衣さん>ありがとうございます。
     それと、敬語は基本だと思います。
     小説以外のことでレスを無駄にしたくないので、感想のみお願いします。

391:麻衣 1216:2012/11/12(月) 16:37 ID:8Sc

薫さん。無駄なことを書いて
本当にすいませんでした。
また、基本の敬語も知らない私に
もう来る資格はないと思うので
もう来ません。本当にすいませんでした。

392:薫:2012/11/12(月) 17:00 ID:67o




学校に行けば、香奈の周りにはいつもの人だかり。
そんななか、私は会いたかった人物を探す。
その人はすぐに見つかった。
いつものように本を片手に、でも私に視線を向けていて。
視線が重なった時、ドクンと心臓が跳ねる。

———瀬川くん。

赤くなる頬。
恥ずかしかったけど、目を逸らすのは失礼な気がして。
そして何より、もっと見ていたくて。見られたくて。
瀬川くんも視線を逸らすことはない。

気づけば笑顔を浮かべていて。

きゅうっと胸が締め付けられる。
かっこよくて、きらきらしてて。
私には勿体ない笑顔。
こんな笑顔を…いつも向けてもらえたらいいのに。

わがままと分かっているけど、どうしても瀬川くんが好きという気持ちは止められない。

393:薫:2012/11/12(月) 17:02 ID:67o


麻衣>すみません、きつく言ってしまい…
   もう来る資格はない、なんて言わないでください。
   勝手ですみません。ただのわがままなので、流してくれて構わないです。 
   また来てくれませんか?

394:匿名さん 1216:2012/11/12(月) 20:59 ID:8Sc

こちらこそすいません。
ただ、小説上手な薫さんと仲良くしたかっただけなんです。
皆さんみたいに仲良く話したり、アドバイスしてもらったり、したりしたかっただけなんです。

【感想】
人の感情が凄く伝わってきます。
薫さんみたいになれるようにしたいです。また、小説の中にどんどん引き込まれてきます。とても続きが気になります。

395:薫:2012/11/14(水) 07:38 ID:5Vc


自分の席に向かう。
その時はわざと瀬川くんの机の前を通った。
ドキドキと鳴り止まない心臓は、瀬川くんの前に来てからは、体が飛び上がるほどに暴れる。

挨拶、しなきゃ。
おはようって、いつも通りに…!

そう思ってるのに、顔は真っ赤で。
瀬川くんの机の前で立ち尽くす私は、瀬川くんからも皆からも不審に思われそう。

思いきって、ふっと瀬川くんを見てみる。
ジッと強い眼差しで私を見ていて、真っ赤な顔はもっと赤くなり熱を持つ。

目合っちゃったよ…!
いけ、いけ。早く挨拶…!

「お、おは、おは、」

どこから見ても不自然。
落ち着け、自分。

「おは、おはよう…!!」

息苦しいほどに好きという気持ちが溢れて、緊張して。
そんな私を瀬川くんは笑って受け入れてくれる。

ああ、あたし———この笑顔好きだな。

「おはよう」

そして瀬川くんは快く返事を返してくれた。

396:薫:2012/11/14(水) 07:40 ID:5Vc

麻衣>本当にすみません。
   今頃ですが、友達になっていただけないでしょうか…?
   
   感想ありがとうございます!
   引き込まれるような小説を書けるよう努力できるのは、読者様の応援のおかげです。
   ありがとうございます。

397:麻衣 1216:2012/11/14(水) 16:07 ID:8Sc

薫さん、こんな私でもいいのなら、友達にしてください。

私は、ずっと薫さんのファンでいます

【感想】ドキドキしている感じがすごく伝わってきました!
勉強になります。

398:薫:2012/11/14(水) 16:17 ID:8Xo


きゅっと胸が締め付けられる。
同時に安心した。

今の瀬川くんの笑顔を見た人がいれば、好きになっちゃうんじゃないか。
瀬川くんはモテちゃうんじゃないか。

そんな心配が、頭の中で浮かんでしまう。

瀬川くんと話せる人が増えるなら、きっと本人は嬉しいはず。
なのに、私は素直に喜べない。
瀬川くんの笑顔を、声を、優しさを、私だけが知っていればいいのに。

そんなわがまま、なんて子供なんだろう。


「あ…おはよう」


顔を赤くしたまま席に着けば、槙がジッと私を見ていた。
いつもと同じ冷たい目。当然苛々は頭に到達する。

挨拶なんて、しなきゃ良かったよ!!

当然のように槙は無視。
私の顔は別の意味で赤くなる。

「キモい———…男できたからって調子に乗るな」

口を開いたと思ったら、見下す言い方に馬鹿にした笑み。

「は…?」

笑ってる私の顔は、間違いなく引きつっている。

399:薫:2012/11/14(水) 16:18 ID:8Xo


麻衣さん>あ、前回のように、タメ口呼び捨てのハイテンションでOKですよ。   
     感想ありがとうございます。

400:薫:2012/11/14(水) 16:19 ID:8Xo

400!
読者様!いつもありがとうございます!!

401:りり:2012/11/14(水) 16:21 ID:oag

瀬川くんって……イケメン?

>ユッピンさん

402:薫:2012/11/14(水) 16:26 ID:8Xo


りりさん>最初のほう見れば分かります☆
     優香のタイプの、黒髪・長身・イケメンです!

403:薫:2012/11/14(水) 16:32 ID:8Xo


ちょっと待って。
男、男ができたって何?

まさか瀬川くんとのやりとり—&mdash:見られてた?

恥ずかしいというか…屈辱というか…
こんな人に見られてたなんて。
絶対に馬鹿にされる。

思ってた通り。
槙はふっと笑みを浮かべた。
これまた憎たらしいもので。

苛立ちを覚える。
…言うまでもないか。

「何?」

冷たく放ってみる。

「別に…その緩み顔キモいと思って」

笑顔で返す槙は、やっぱり苛つく。

何その笑み。
何その馬鹿にした態度。

ムカつくっ…!

「最低だね?」
「今のうちに忠告しとく。あんたみたいなめんどくさいのは振られるよ」
「…めんどくさい?」

同時にバッグを乱暴に下ろす。
ムカつく、この男。
てか、何で瀬川くんが私の男だなんて。
挨拶しただけだし、私が一方的に好きなだけだし。

「誰かが好きになるんじゃないか…みたいな心配してるんじゃねぇの?」

間違いなく図星。
何で分かるの。

404:麻衣 1216:2012/11/14(水) 16:38 ID:8Sc

400おめでとー!!

>402 瀬川くん、黒髪の長身!?
しかしイケメン!?
わぁー私もタイプ♪

なんでわかるんだろ?
まさかの『超能力』とか!?なんて。

405:薫:2012/11/14(水) 17:19 ID:8Xo


麻衣さん>ありがとうございます!
     
     イケメンですよ、ただ態度が冷たくてクラスで浮き気味(笑)
     でも勿体ないのは、槙ですけど(笑) 
     超能力…は、ないですね

406:薫:2012/11/15(木) 17:07 ID:8Xo


もういいや。
こんなのに構ってたら、話は永遠に終わらない。
そうため息をつけば、

「言い返すこともできないの?」

なんて、バカにしてくる。
我慢だ、我慢。
いちいち反応したら、槙の思い通りじゃん。

落ち着け、落ち着け。
槙なんて…ほっとこう。

407:りり:2012/11/22(木) 18:02 ID:oag

転校生…萌える(((


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