GSM ―守護霊使い―

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1:葉月リド ◆FfaY:2012/10/02(火) 17:47 ID:i-rfA



小さい頃の事は、あまり覚えていない。

「どうして?」って尋ねられても答え様が無いし、自分も分かってないんだから単なる愚問。
皆だってそうでしょ?覚えてる人なんて稀少だし、どうせ断片的なもの。

…嗚呼、ちょっと訂正。小さい頃の事なんだけど、少し記憶に残ってる事があるの。
あれは…そう。保育園に行ってた頃かな。

うちは何故かハブられていて、何時も独りぼっちだった―――。


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どうも、知ってる人は知ってるリドこと、葉月リドです。
今回が初の小説の執筆になるので色々と未熟なところが目立つと思いますが、其れなりに楽しんで貰えたら幸いです。

あ、そうそう。読者様にあまり偉そうには言えない立場ではありますがルールだけは守って戴きたく、幾つか挙げさしてもらいます。

・常識的なネットマナーを守っての書き込み等お願いします。
・感想、誤字指摘、アドバイス等の善良なコメントは歓迎しますが、ただの悪口、批判、読者様経営の小説の宣伝等は控えて下さい。また、先に挙げました悪意あるコメントを発見した読者様が過剰反応や反論するのも控えて下さい。
・読者様同士での雑談使用は極力控えて下さい。

以上を守れる方だけお楽しみ下さい。
※更新は亀並みです。

2:葉月リド ◆FfaY:2012/10/02(火) 19:10 ID:i-D0s


「ひっくっ…っ、ぐすっ…。」

うちはたった独りで園内に設置されている砂場の中で独りで創った砂山を前にし遠くで響く同い年の子達の笑い声を耳に入れながら、一人の孤独と寂しさにポタリ、ポタリと大粒の涙を溢しながら泣いていた。

「ううっ…、どうして?どうして独りぼっちにならなくちゃいけないの?」
『…ェ。』
「えっ…?」

気付けば自分の前に良く日に焼けた褐色肌の自分よりも幾分か歳上らしい女の子が胡座をかいた状態で座っていて、不思議な色をした目で此方を見ていた。

『ねェ。アンタ、独りなの?』
「………うん。」

幼い自分は当然の事ながら、突如として現れた見た事もない出で立ちの女の子を怪しむ事もなく、寧ろ話し掛けてくれたと感激しながら濡れた頬を拭うのを忘れたままこくりと頷いた。

『…そっ。なら、アタシが一緒に遊んであげる!』
「本当……っ?一緒に遊んでくれるの?」
『当然じゃなァい?アタシも暇だったのよ!アンタ、アタシの遊び相手決定だからね?』
「うんっ!あっ…、ねえ。お姉ちゃんのお名前は?」
『アタシの名前ェ〜?アタシの名前はねェ…。』

其処で、記憶を辿るフィルムが色褪せて止まった。

3:葉月リド ◆FfaY:2012/10/04(木) 20:30 ID:i-J5w


ピピピピピピピピピピピピピピピピ………ガチャッ

「ふぁ〜〜〜…、良く寝た!…あれ?何か夢見てた気がするんやけど…。」

毎朝毎朝低血圧な自分を起こす為にけたたましく鳴ってくれる目覚まし時計を無意識の内に叩き止めては、所々に寝癖を作ったダークブラウンの短い髪を鋤きながら大きく伸びをする。
大胆な欠伸を済ませ、自然と視界が滲む目を擦っては、夢現の差がつかない記憶を手繰り寄せようとしたが、一向に内容を思い出すことが出来ず、首を傾げた。

何だったっけ…確か、小さな女の子が泣いていたような…。傍に居た褐色肌の女の子は誰だったんだろう?
凄く綺麗な目をしてたっけ…、あの色、確か――…

「翡翠色…。」

「何が翡翠色〜?」

「うわぁっ!?おかん!?」

自分の知っている色の中で一番ピッタリ来る色の名前を呟きながらのそのそと着替えをしては、いきなり背後からかけられた声に心臓を跳ねさせながら振り向くと、エプロン姿の母親が腰に手を当てながら不思議そうに此方を見ていた。
恐らく、何時まで経っても下りてこない寝坊助の娘を起こしに来たのだろう。

「くぉらっ!おかんって呼ばないのって言ってるでしょ!?」

「へ〜い…。」

「へ〜い、も無し!もうっ、良い年してるんだからちゃんと女の子らしく喋りなさいよ?」

あー、はいはい。分かりましたよ。
うちは心の中でおかんの言葉に返事をしながらまだ口煩くお小言を続けるおかんを部屋の外に追い出し、そのままドアを閉めてはおかんの気配が去っていくのを着替えを済ませながら待っていた。

漸く着替えを済ませバッグを片手に階段を下りていては何やらリビングの方から荒々しい言葉のやり取りが聞こえたから、うちは朝食も摂らず、そのまま靴を履いて家を出、何も入っていない空っぽの胃に何か入れてやろうと何時もなら真っ直ぐ高校に向かうはずの道をコンビニを目指し寄り道をした。




この時は、この行動をとった事で近い未来の自分に訪れる運命が変わるとは露程も知らなかった――…。

4:葉月リド ◆FfaY:2012/10/13(土) 20:40 ID:i-THA



「あ〜、腹減ったなぁ…ってあれ?何だろ、あの人垣…。事故…かなぁ?」


目的のコンビニはもうすぐというところで平日の朝には不自然な人垣が視界に入り思わず足を止めてポツリと呟いては、人々の足の隙間から微かに見える状況を見て事故かな。と思案するも、その考えはふと視線を上に向けた瞬間、あっさりと否定された。
自分以外の人には見えていないのか周りの人たちは全く“それ”に見向きもしていないが、うちには“視”えた。


爽やかな朝の光に似つかわしくない真っ黒で長い髪を靡かせ、地に横たわる人を宙から見下ろしている“それ”は見るからに怪しい雰囲気で、思わず死神を連想してしまうような外見の男だった。夢を見ているのだろうかと呆然としていると、口の端から赤い液体を滴らせ、不気味な笑みを浮かべている男の金色の鋭く、無慈悲な目が此方の視線を感じ取ったのかゆっくりとうちの目とピッタリ重なった。


『ほぉ…?貴様、俺が“視”えるのか…面白い。』


低く響く男の声にぞくりと身震いすると同時に、桁違いの美しく整った顔に見惚れるのを通り越して恐怖を抱き、自然と腕を抱いては微かに後退りした。


『フッ、俺が怖いか…。その怯えた表情(かお)、襲いたくなる…。』


ペロリと艶かしく口の端に付着していた赤を舐めとりながらニィと笑い、うちが怯えてるのを悦しんでいる相手に本能的に危機感を抱いては、竦み上がった足に鞭を入れて踵を返すも、何時の間にか此方に回り込んでいた相手に黒紫色のマントで行く先を遮られ、骨ばった手に腕を掴まれ強引に身体を抱き寄せられては、無理矢理相手の方へ顔を向けられた。


『俺から逃れられるとでも思ったのか?愚かだな…。そんなに怯えるな…なに、直に恐怖など消える。』

『へェ〜、あ、そう?』

「『!?』」


クスリと笑う相手から逃れようと足掻くもしっかりと固定された身体は動かず、徐々に近付く相手の顔から少しでも離れようと頭を仰け反らそうとしたとき、いきなり第三者の声が割って入り、自分同様、驚きの表情を浮かべる相手の拘束する力が緩和したため、声が降ってきた頭上へ頭を傾け視線を向けた。


―――ふわりと、やわらかな白色の髪が風に舞い、薄く細められた翡翠色の双眸が此方を見ていた。


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