魅頼の夜

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1:LoNe:2012/10/05(金) 18:59 ID:ZH6

感想書いてくれると嬉しい。
実話、少し入りますд(´ω`●)

2:LoNe:2012/10/05(金) 21:22 ID:ZH6

私が小さい時、祖母に昔の話を聞いたことがある。

祖母は確かこう言ってた。

【9年前】

『おばあちゃま、何かお話きかせて〜』
当時4歳だった私は、祖母と家の庭で遊んでいた。

「じゃあ、白雪姫のお話をしましょうかね」

『白雪姫はきのう聞いたからちがうお話がいい』

それで私がごねて、祖母が困ったんだっけ。
「…ああ。いいお話がありますよ」
『ほんとに!?やった〜話して』

私は祖母の膝に座って話を聞いた。
「魅頼が生まれる前のお話をしましょうか。
 魅頼はね、お姫様だったんですよ」

『おひめ…さま?みよりが?』

あの時は正直驚いた。
祖母がいきなりお姫様なんて言うから。

「そうよ。魅頼はお母さんからネックレスもらった?
 十字架の、黒いやつです」
『うん。おかあさまから、もらった』

「あれはね、悪いものをやっつけることができるんですよ」

『ほんとに〜?』

半信半疑で聞いたら祖母は、笑ってこう言った。
私の髪を撫でながら。

「お姫様だった魅頼はね、お国を守った、
 英雄なんですよ。その十字架でね」

『おひめさまなのに、お国をまもるの?』

「ええ。すごく大きな力を持っていたのよ。
 幼いときからずっと……」

遠い人を映すように、祖母の目は細くなった。
『へ〜、みよりもなれるかな?お国をまもるの』

「なれますよ。じゃあ、お婆ちゃんと一緒に練習しましょうか」

『うんっ!!でも、じゅーじかだけでいいの?』

「教えてませんでしたね。十字架を持ち、こう唱えるのです」



「ウィルネー・ア・メルノ」

3:LoNe:2012/10/05(金) 21:51 ID:ZH6

魅頼side

「魅頼〜、テストできた?」
『全然、できなかった。死ぬかも』

「ええっ!?ウソ死んじゃ嫌だ〜!
 魅頼居なくなったらどう生活すればいいの?
 食費、電気代、水道代、ああー!
 どうしたらいいのっ!それにうち、
 友達魅頼しかいないから居なくなったら寂しいんだけど!」

……どんだけ喋るの?
頭を抱えてゼーハーゼーハー息を荒くする私の友達、相良きのである。

『へー』

ため息混じりにそう言うと、
「へーじゃないよ!だってね、これは………」
などと、また話始めた。

「魅頼ちゃん。ちょっと、」
手招きをしてくる愛グループのリーダー吉本愛。

『何?』と言って近づくと愛が。
「あなた夏休み、駅で壱希先輩と会ったんだって?!」

『……は?よくわかんない。イツキ?って誰』

4:LoNe:2012/10/05(金) 23:31 ID:ZH6

「みよちゃん、誰って…知らないの?
 2年生の澤田壱希先輩だよ」

愛グループの春木茶織が、髪の毛をクルクル触りながら話す。

それにしても、聞いた事ない。

「モモが詳しく知ってるのよ。モモー」
愛が呼ぶと、モモが黒板のところからダッシュしてきた。
は、速い……。

「モモ、説明」

コクリ、頷いて口を開く。
まず手に持っている黒板消し、一旦置こうか。
「はい、愛さん。壱希先輩が
 魅頼さんを駅で見たそうなんです」

『へー』

だから?という感じだ。
会ってはないし。

『私知らないし』

「そっか〜」
茶織が言うと同時にお腹が鳴った。

ぐぎゅるるるるー

恥ずかしっ!

5:LoNe:2012/10/06(土) 07:55 ID:ZH6

あれから愛たちと別れて今は……

「っだからぁ、マジうけんのっ!!」
「やだ〜ララったら。キャハハハハハハ」
ララのグループに引き込まれた。

『ララ、私人待たせてるから』

私が思いきって言うと、ララの眉間にシワがよった。

「え〜いいじゃん。てゆーかぁ、
 魅頼こっちのグループに入んなよ!なっ?」

キャハハハ笑うララ。
いや、そういう訳にもいかないんですけど。

『う〜ん。私グループとか入らないから。ごめんね』

そう言い残して、私を待っているだろう人のところに歩いて行く。
「みより〜、給食当番でしょー?」

6:LoNe:2012/10/06(土) 20:44 ID:ZH6

『ごめんごめん。遅くなった』

そうきのに言うと、きのは笑った。
「ふふっ、みよりが帰ってくるの待ってた」

帰ってくるのって…2、3分しか離れてないんですけど。
『さ、さー今日の給食は何かな〜。
 献立見てこよ〜っと』

わざとらしく…まあワザトだけど。
献立をみに行く。

カレーだ!!

カレー美味しく頂いてから、食間をおきに配膳室に1人で向かった。
他のみんなは遅いから置いてきちゃった。

『こんにちはー♪』

…先輩に会ったら挨拶しないとしょうがないっていうのがキツい。

明るくしないと……でも自分じゃないみたいで。
こんな自分は嫌いだ。

私が挨拶した先輩は、私と目が合うと笑って返してきた。

毎日が楽しくない。
中学に入って自分の時間が減ったから?

友達との付き合いが上手くいってないから?

部活が面白くないから?

それとも……好きになる人がいないから?

全部そう。毎日が楽しくないんだ。
何か…面白くなる事があるといいのに。

7:LoNe:2012/10/07(日) 00:11 ID:ZH6

……食間を返して配膳室から出ると、
同級生の向井たちが私を見ていた。
2年生らしき先輩も一緒に。

「ほら、行ってきなって。壱希くん!」
向井くんが先輩を押す。

「わっ!やめろよ幸汰」
向井に背中を押されて、バランスを崩す先輩。

大丈夫かよ。

ドンっ!!

………今のはイラってくるね。
バランスを崩した先輩は、私にぶつかってきたのだ。

肩だけだけど。

「おいっ!幸汰!!……わりぃっごめんな」
向井たちを追いかけようとする。

あ、逃げたのか。



『あの……大丈夫ですか?』

男でも一応先輩。
敬語は使わないと。
「えっ?あ、うん。ごめんね」

『?…はい』

先輩は走っていってしまった。

8:LoNe:2012/10/07(日) 11:08 ID:ZH6

次の日の放課後。

部活がなかったため友達と帰ろうと、自転車置き場にいた。

『茶織一緒に帰ろー?』
茶織とは幼なじみで家も結構近い。
「うん。みよちゃん一緒に帰ろ〜」

愛がいないからか、強気な顔ではなく幼なじみの顔となっている。
強気の茶織より幼なじみの茶織の方がすごく可愛い。

『そういえば、愛たちどうしたの?』
ずっと疑問に思っていたことを口に出す。

「あー、うん。ちょっと喧嘩しちゃって。
 茶織が悪いんだけどね」
ヘラヘラ笑う茶織。

私はわかってたよ。
喧嘩のこと、どうして仲間はずれにされたのかも。

知ってて聞いた。

嫌な奴でしょ。私って。

……でも私は幼なじみだから。

ちゃんと本当のこと話してくれると信じて。
茶織が仲間はずれになったのは、男絡み。

愛が狙っていた男を茶織が………

じゃない。それは噂。
本当は男が茶織に言い寄った。

………もう最悪。
男は壊れてしまえばいいんだ。

9:LoNe:2012/10/07(日) 13:32 ID:ZH6

「みよりちゃんバイバーイ!」

男の声。

………誰。
振り向きはしなかったけど、誰だよ。

こんな大事なこと話してたのに…、空気よめない奴。

「みよちゃん…」
『?』

「壱希先輩だよ、今声かけてきたの」

『先輩……だよね』
男の先輩だけど挨拶した方がいい。

後ろを振り替えって手を振る。
私の手の振り方は、すごく独特だそうだ。

すぐわかるらしい……。

『壱希先輩さよなら!』

先輩に聞こえるように大きな声で言うと、先輩は驚いた顔をした。

「あ…バイバイ!」

女の子のように微笑む先輩。
八重歯が見えて可愛い。
こんなにいい顔するんだな。

人間って。

10:LoNe:2012/10/07(日) 14:00 ID:ZH6

その夜……

今は午後11時30分すぎ。

大抵中学生はもう寝ているであろう時間。
事件は起こった。

「魅頼!1人、中学生が学校に行った!!」
お風呂から急いで出てきたお兄ちゃん。
『うそっ!?何でこんな時間にっ!』

だってもうすぐ12時になる。
その中学生……必ず、狙われる。

アイツラに。

『行ってくる!』
ドアを開けてとびだす。


「魅頼、アレ持ったか?」
後ろからお兄ちゃんの声が聞こえたけど、
返事をする余裕は私にはなかった。

12時になると必ずアイツラが現れ、狙われた人間は……喰われる。

早く助けなければ、死す。


誰なんだ、こんな時間に。
学校に行く馬鹿な奴は。

11:LoNe:2012/10/07(日) 16:52 ID:ZH6

『雅、遅い〜っ!』

走っていると雅がきた。
雅というのは……、簡単に言うと妖精。


「だって〜僕のこと置いていっちゃうんだもん」

めんどくさそうに着いてくる雅。
小さい羽をパタパタ動かしている。

「あーあ。アイツラもうきちゃったよ。
 どーするの?魅〜頼♪」
楽しそうに聞いてくる。

一大事だっていうのに。
この妖精はー……。

『倒すしかないでしょ』

「そーだね。……でも、人質がいるからね〜」
人質…、そうだ。
こっちには不利。

『そうね。でも負けるわけには…あっ!』

「どーしたの?魅頼。……あ、そっか。人間がいたんだね?」

『……行くよ』

そうして私たちは夜の学校に入った。

12:LoNe:2012/10/07(日) 17:30 ID:ZH6

壱希side

うぇっ。夜の学校って気味悪っ。
ノートなんか忘れなきゃよかった。

ノートを忘れた俺は、学校に取りに行った。

つーか暗い。
月の光だけで動かなきゃ行けないじゃんか。
「うわっ!?」

………びっくりしたー。
鳥かよ。

13:LoNe:2012/10/08(月) 08:00 ID:ZH6

「おーほっほっほっ!ワタクシ一番に人間見つけましたわ」

………え、誰この人。
俺の目の前に突然現れた女。
「小鳥〜翼があるからじゃーん」

ムスッとした奴がいつの間にか小鳥と呼ばれた奴の後ろにいた。

何なんだ?こいつら……。

「小鳥が喰う?それとも僕が喰う?」

ニヤッと笑う女は、ワタクシがお先に…と言って俺の方を見た。

14:LoNe:2012/10/08(月) 20:59 ID:ZH6

「そ。じゃあ拝見しておくよ」

「それがいいですわ。
 だって水無月、喰べる立場じゃありませんもの。
 どちらかというと………」

ヒヤリ、俺の頬を汗が伝う。
この事を世間では冷や汗という。

「ま、そうだね。僕は喰うんじゃなくて狩る立場だからね」

女の言葉を遮って水無月と呼ばれた男が答える。

そして2人はこう言った。



「ショータイムの始まり」

15:LoNe:2012/10/08(月) 21:07 ID:ZH6

女が鳥のような姿をし、急に上に上がった。
何をするつもりだ?…そう思ったときには、時すでに遅し。

「うわあ”あああああ!!!」

一気に上に上がったと思ったら、下に急降下してきた。

鳥の嘴が喉めがけて。
気を失いそうになった。
すごく怖かった。

助けがくるはずないのに、気づくと俺は叫んでいた。



「助けてくれーーー!!」

16:LoNe:2012/10/08(月) 23:43 ID:ZH6

うっ……

反射的に目をつぶった俺。
痛い、そういう感触は一切感じない

ソッと目を開けてみる。

「え?」

目を開けるとここは……屋上だった。

どういうことだ?

だって俺は校舎外にいたはず。
つまり、中庭を歩いていたのに屋上に来れるわけがないんだ。

辺りを見渡すと、苦しそうにしている女と男。

意味がわからん。
そんなことを考えていると、真後ろから声が。



『馬鹿が。…アイツラは昨日と違う奴か』

そこにはフードを被った、女がいた。

暗くてよく見えなかったけど、女だということは確か。


「そんなこと言っちゃいけないよ、ロンア。
 馬鹿なんて言葉はだめ〜♪」

17:LoNe:2012/10/09(火) 07:12 ID:ZH6

え…羽がはえてる。

妖精?!かよ。
きっとこれは夢だ。
『雅、だって馬鹿なんだもん。
 わざわざ倒されにくるなんて』

その言葉を合図に、それまで黙っていた女と男がとびかかっていった。

『あんた、雅と一緒にいて。離れるな』

ドンと強く押された。
普通なら、態勢をたち直せるのに。

押される…というより、突き飛ばされるが合っている。
グズグズしている俺に向かって鋭い目付きを見せた。

『早く行け!!』

18:LoNe:2012/10/09(火) 18:26 ID:ZH6

しぶしぶ立った俺。
そんなに怒鳴らなくても…。
どうせこれは俺の[夢]なんだから。

「お前、殺されるよ〜」
妖精が俺を楽しそうに見る。

「…?」

誰に??女と男にか?

「ふふっロンアにだよ」
俺を助けたこの女が、か?

そんなこと信じられるわけがない。


「確実にお前も殺される。
 アイツラみたいになりたくないでしょ?」
指を指した方向を見る。


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