−復讐ノ時−

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1:夜空 ◆tbQI:2012/10/12(金) 22:07 ID:9go

 「死ね」

いつだったか、誰かに言われた気がする。
 
 「お前なんか必要ない」

嗚呼、これも誰かに言われたな。


いつ頃だったか。
顔も、名前も。見覚えのない相手に。暴言を吐かれるようになったのは。


学校に来れば靴箱にはゴミの山。
廊下を歩けば皆が避け、遠巻きにこそこそと話をする。
教室に入れば足を掛けられ、自分の机が隅に寄っている。
中を確認すれば給食の牛乳。ゴミ。

今更どうも思わない。
むしろ、ありきたりすぎてつまらなくなってきた。


さあどうだろう?
そろそろこの時が来たか…?




−復讐ノ時ガ−

 

2:夜空 ◆tbQI:2012/10/12(金) 22:18 ID:9go

いつだった、かな。
教室に入りたくなくなったのは。

中一?いや、その時はまだ平気だった。友達もいた。

じゃあ…中二に入ってからか。

認めたくないが認めなければいけない真実。

俺が、いじめられるようになったのは…。



−有須田 悠季。
中学二年生。

俺は、実際いじめられている。
今日も事実。教室に入った際に頭からバケツで水を掛けられた。
昨日は確か、机に落書き、と体育着がなくなっていた。

かれこれ半年。
この下らないゲームが始まったのは。

初めは確かー…。
そう、友人との仲たがいが原因と思われる。
多少の口喧嘩になり、俺の言った言葉に腹を立てた友人は、
ありもしない噂。つまり嘘を仕立てあげ、それを広めた。

自分の言った言葉に責任感を持たずにベラベラとありもしないことを離す奴がいるもんだから
噂は瞬く間に広まり、ついには学年全体に広まることとなった。

3:夜空 ◆tbQI:2012/10/12(金) 22:33 ID:9go

責任感を持たない、人間という生物は。
まあそれも数日前に友達だった奴が、だ。

人間はすべてが責任感を持ってないわけではないということは重々承知している。
自分の周りにいる人間が、たまたまそういう奴等だった。それだけのことだ。

最初こそ反論をしていたが今ではそれも面倒事となっていった。
よくもまあ、同じことを飽きもせずやっていると思う。
授業の集中力は物の五分と持たずに切れる癖に、楽しいことは延々と続けられるのか。
それはしょうがないことなのかもしれないが、妨げるのはやめてほしいところだ。


ー…ある、面白いことに気付いてからは、学校に行くのが少し、楽しくなった。
楽しい≠ニいうのは少々不適切かもしれない。
どちらかといえば正しいほうは、愉快≠セ。
今日はどんなことをしかけてくるかな、と。予想するのが少しばかり楽しい。
予想どうりの行動をしてくれるクラスメイトがいれば、それは愉快に変わる。

まるで、手の内の駒みたいに思えてくるのだからー…。

4:夜空 ◆tbQI:2012/10/21(日) 20:33 ID:hV.

―有須田 悠季。

私のクラスにいる、ごく平凡な普通の男子生徒だった。
成績も特別いいわけでもなく、悪くもない。体育も、顔立ちも。
だからといって目立たないわけではなかった。

それは、良い意味でも、悪い意味でもー…。



「今日からこのクラスに転入してきた、入江 陽さんだ。皆、仲良くするように。」

私は入江 陽。(イリエ-ヒナタ)
十月に入って転入してきた転校生だった。
この季節に転入なんて変な話だけれど、クラスの人は割と自然に話しかけてくれた。

その中、私の隣になったのが、有須田 悠季だった。
最初は教科書が揃っていないから、一緒に見せてもらっていた。
が、別にそれ以下でもそれ以上でもない関わりだった。

実は、その時から気付いていたんだ。

彼が、いじめられていることに。
そして、復讐をしようとしていること。

どうしてわかったかなんて彼を見れば一目瞭然。
今の彼の眼は、昔の私と同じ眼をしているから。

5:夜空 ◆tbQI:2012/10/21(日) 20:46 ID:hV.

入江 陽。

俺のクラスに来た転校生。
こんな時期に転校だなんて変な話だとは思ったが別に言うことも無いので言わなかった。

席は隣。
人一人通れる通路が空いているものの、授業中は別だ。

そう、彼女は隣の席の転校生。
制服が違ければ、教科書だって違う。
教科書を見せてやる、ということは隣の席の奴の使命だ。
別に見せたくもないが。そうしなければまた噂を流されることになるであろう。


―彼女は、気付いている。
俺がいじめられていること。
そして、復讐のことも。

だからこそ、俺との距離を作らない。
普通に話しかける。教科書を見せても他の奴らのように扱わない。
そしてただの傍観者。

味方、とかではないと思う。きっと。
ただ、こいつはなにか知恵を持っている。そう思った。

だから、その知恵を貸してもらおうと思う。



そして、今日。
彼女に、呼び出された。

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     有須田君へ
 
    今日の放課後
    少し話したいことがあります。
 
    もし、私の話を聞こうと思ってくれるのなら
    放課後、第二屋上へ来てください。

 
               入江 陽
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