歌姫と歌王子

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1:ブラックキャット:2012/11/18(日) 17:04 ID:bAY

−登場人物−

  灯音ヒナ

現在話題の謎の歌姫の1人。
薫音ユウとペアを組んで活動中。
基本ツッコミ役。
目つきが悪く、パソコンが好き。
中学1年生。ユウの親友。ハルの友達。


  薫音ユウ

現在話題の謎の歌姫の1人。
灯音ヒナとペアを組んで活動中。
基本ボケ役。天然。(馬鹿)
馬鹿力の持ち主。お菓子(食べ物)が大好き。
中学1年生。ヒナの親友。ハルの友達。


  宇音ハル

現在話題の謎の歌王子。
一応1人だが、ヒナとユウと一緒にいる。
基本ツッコミ&ボケ。
ゲームとパソコン大好き。
中学1年生。ヒナとユウの友達。

2:ブラックキャット:2012/11/18(日) 18:02 ID:bAY

 #1 3人の中学生


「おはよー」 「おはよー」
朝の教室。話題に上ったのは、
「ねぇ、昨日の歌番組見た?」
「見たよ!3人の“死者と暗黒のサーカス〜blackanddream〜”良かったよね!」

―そう、現在話題の歌姫と歌王子。

デビューして1週間も経たないうちにいろんな所で取り上げららるようになるほどの話題を呼んだ3人。……らしい。
そして、その3人はこの学校にいる。
「おはよ、ヒナとハル!」
「…よぉ、ユウとハル。」
「どーも、ヒナとユウ。」
階段を上りながら話すうちを含めこの3人が話題の3人。
いつ話題になったのかがよく分かんないんだけどね。
ここは一応学校。変な噂なんて立ったらそれこそめんどくさい。
てな訳で、ハルとは別れる。だってハルは男子だよ?
まぁ、同じクラスなんだし、あんまり意味無いような気がするのはうちだけ?
ヘッドフォンで耳を塞ぐ。鞄を置いて廊下に出る。
ユウも一緒に出てきた。
廊下の窓を開けて、風に当たる。冷たいけど気持ちいい。
「ユウ、今日の1時間目なんだっけ。」
ユウは、即「忘れた!」と答えた。
「……聞いた自分が馬鹿だった。」
「!なによぅ、失礼な!」
失礼だろうがなんだろうが、本当のことだし。
「……まぁそうだけどさぁ。」
来ているブレザーのポケットで携帯が揺れる。…メール?
校則違反の携帯をそっと開く。

『 ヒナへ
 
 ごめん!今日の12時、駅に来て!!
 急に仕事が入っちゃった。ほんとにごめん!!
 ユウとハルにも伝えておいて! 

                 マスター』

マスターって言うのは、事務所の社長。はっきり言って変人。
眼鏡越しの画面を睨む。
そんなうちを見て、ユウは「また仕事?」と訊いてきた。
馬鹿なのにそこら辺は察しがいい。
「…うん。馬鹿なユウに授業を受けさせてあげなよ。成績下がりっぱなしだって言うのに。」
「なぁ…!まぁほんとうのことだけどさぁ。」
あ、そこ認めんの?
そこでチャイムが鳴った。
教室に戻る。…って言っても、ユウとハルは同じクラスだけど。
「ハルー、仕事だって。12時に駅だってー。」
「え!?またかよ!ユウの成績どうすんだよ、下がりっぱなしだぜ?」
「ハルも!?えーなんで皆そう言うのぉ!?」
ユウの声が耳を貫く。うるさい。
クラスの皆さんはそんなうち達を見ている。
ヘッドフォンは、まぁ、気づかれているけど、問題なし。
皆さんは睨めばスルーだ。
さて、授業授業。

3:ブラックキャット:2012/11/18(日) 19:05 ID:bAY

12時の30分前―つまりは11時30分に学校を出る。
駅に着いたら、うちは明らかに校則違反のパソコンを開いた。
ヘッドフォンも装着。
ネットに接続する。なんとなく昨日の歌番組を放送していたテレビ局のホームページを検索する。
……よく分からんわ。

ハルはゲーム、ユウは本を読んでいたら、1台の車が止まった。
ドアが開くと、うち達はその車に乗り込んだ。
座席を倒して1番後ろの席に陣取る。
「着替えるから、前向いてて。」
制服のままじゃいろいろと問題があるらしい。ってな訳で、学校を抜け出して仕事のときは、大体うちが最初に着替える。
次にユウ、最後がハル。
車酔いでフラフラしながら、席を移動する。
「…大丈夫かよ、ヒナ。いつにも増して顔が真っ青だぞ?」
うちは、親指で後ろにいるユウを指す。
「朝、ユウにお味噌汁とご飯と魚食べさせられた。………気持ち悪い。」
吐き気が込み上げてきた。口を押さえる。
「おいおい…ヒナってそんなに食わねぇだろ…」
そんなこんなあって、ハルの着替えはかなり遅くなった。ユウの説教をしていたからだ。

4:ブラックキャット:2012/11/19(月) 22:29 ID:bAY

カーテンを開けて、窓を開けたい。思いっきり新鮮な空気が吸いたい……
なんて、まぁ無理だよねぇ。
車が止まると、ドアを即効で開ける。


―ここ、どこだよ。


うちがまだ見たことの無い景色が広がっていた。…市内?
「ユウー、ハルー。ここってさ、市内?」
振り向きながら2人に訊いてみる。
「「知らない。」」
……あ、そっすか。
マスターはいつもの通り、黒ずくめの姿で運転席から降りてきた。

「こんにちはー、マスター!お昼ごはんちょーだい!!」
とユウ。
「…こんにちは。相変わらずの無茶振りのスケジュールだよね。ユウの成績の心配してあげなよ?」
とハル。
「………その格好で警察に引き渡したら、確実に逮捕されるくらい怪しいよね。マスター。」
とうち。

マスターは、サングラスの下からでも分かる、苦笑いですべてをごまかした。
「あはは……ごめんごめん。急に入っちゃってね…。お昼ごはんはすぐだから。」
ユウは髪を結びながら。
ハルは携帯をいじりながら。
うちはヘッドフォンを耳に装着して。


「「「了解っ」」」

5:ブラックキャット:2012/11/20(火) 22:15 ID:bAY

今日はCDの録音作業らしい。
夕方にやるつもりだったのが、その時間に仕事が入ったんだと。

“空想パーソナル計画”がうち、灯音ヒナ。
“お菓子魔女は罠の中で”がユウ。
“感情クエスト”がハル。
“死者と暗黒のサーカス”がうちら3人。

うちら3人は、ぶっつけ本番で録音する。
最初はかなり反対されたんだけど、あきらかにこっちのほうが調子が出やすい、っていうのを実践してみたら黙った。
まぁ、歌えるときと、歌えないときの落差が大きいんだけどね。

「じゃ、いくよー。頑張ってね〜。」
その言葉で、現場は緊張した雰囲気に包まれた。
マスターの声がヘッドフォン越しに聞こえた。けど、無視!

まずは空想パーソナル計画!

眼を閉じて。息を吸う。吐いて。眼を開いて。
―前奏が聞こえた。


[… もういらない 何も 何事も 昨日叫んだ
  ここは寒い でも 明るい
  ぼろぼろになった 自分
  初めてやること そうまだだ
  やったことのないってつぶやいた
  馬鹿なのは 馬鹿なのは そう他の何でも
  少年少女 前を向く 自分 ]


…おわったぁー…
歌っている時の記憶はほとんどが抜け落ちているのがほとんど。
今だって、ふっと意識が戻ったばかりのような感覚。
次はユウか。
チラッと見ると、相変わらず緊張感のない顔だった。……大丈夫かな?
―始まった。か。


[…苦い 苦い チョコレート
  大人の味 ビターかしら
  二口 三口 もう少しなの
  早く食べきっちゃって
  私の想い 無駄にしないで頂戴 ]


終わった…。暇だ。
さっさと終わりたい。ハルは緊張しているのが丸分かりだ。…おもしろい。
―始まった。


[…あんなに荒立てたのに 今この
  レースは終わる? 感情クエスト
  謎 謎 謎 謎 わからない
  この問題は解けるのか
  そして自分は在るのか ]

…そしてさっさと最後が始まる。


[…さぁ始めるわよ 準備はいい?
  覚悟しなさい 死者のサーカス
  13年に一度のスペシャルステージ
  魔法のような曲芸に みんな惑わされるでしょう
  捕まったお客は帰さない
  13年間のスペシャルステージ
  今宵始まる 暗黒のサーカス
  さぁショーをごらんなさい! ]



「「「………つかれたぁ〜」」」
3人は勢いよく、床にへたり込んだ。

6:ブラックキャット:2012/11/24(土) 14:03 ID:bAY

家に戻り、鞄を投げ出す。
ベッドに倒れこむ。只今時刻は午後11時でございます……
「あー、もうご飯抜きでいいや。眠い。」
そう言うと、ユウの声が聞こえた。
「駄目!あたしもうお腹ペコペコなんだよ!!」
知るか。っていうか知らねぇよ。
「ユウは異常なんだよ!いい加減にしろよ、朝まで寝てろ!」
…ハルもハルだ。うるさいよ。
「悪かったわねぇ!異常で!!」
………あぁ、もう。
うちはムクり、と起き上がった。


「…うるさい。眠い。さっさと寝ろ。」


そしてまた倒れる。
ユウはまだブツブツ言ってるけど無視。
ハルはドアを開けて自分の部屋に戻った。
さばらくすると、意識は眠りの渦に入っていった。


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