嘘つきの恋の人生は長い恋のはじまり

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1:うしゃ子:2012/11/23(金) 21:04 ID:7Pk

はじめまして。


このお話はとある中学生の女の子、小鳥結子(ことりゆいこ)の物語。
中学校に入学するまでは、親に捨てられた寂しさを抱えながら誰にも心を開くことなく生きてきた。

けれど彼女の人生は変わった。


それは結子のひとつ年上の先輩、柏葉優(かしわばゆう)との出会いから始まった。

そしてこの物語は数十年も切なくつづくのであった。

2:うしゃ子:2012/11/23(金) 23:11 ID:7Pk

〜yuiko side〜


「お母さん… お父さん… どうして?!結子も連れてってよぉ…」

「ごめんね結子…」

「ごめんな結子…」


そう言いながら2人はまだ3歳だった私を親戚のおばさんの家においてどこかに去ってしまった。
そしてその時目めた。

私は捨てられた。
私はいらないと思われた。
私は必要ない。

私は邪魔者。

みんなそう思ってるんだ。
そんな風に思ってるなら近づかないでほしい。
そしてそのとき、思い出の品をすべて捨ててもらった。


それから10年も経った。

「あら結子、今日は入学式?」

「うん。けど来なくていいよ。」

「どうせ行けないもの、仕事で忙しいいのよ。」

おばさんは決して優しい人ではない。
けどお金もあるし、別に不便はしてない。
愛など求めてないもの。

4月10日、今日から中学生になる。 
家から徒歩約10分。 
別に青春したいとか恋したいとか、友達100人とか(そりゃないか)は求めてない。

そう考えながらツカツカ歩いた。

3:うしゃ子:2012/11/24(土) 09:17 ID:7Pk

ここで少し私の紹介をしよう。
まあ誰も知りたくないだろうけど…

私は小鳥結子。
名前のとおり小鳥のように小さい身長146cmのロングヘア。
別に美人ではない。
ブサイクでもない。

至って普通。
勉強も普通。
まあでも今日は入学生代表の挨拶をするように頼まれているくらい。

そんなとこ?



「好きです!これ読んでおいてくださいっ」

「えっ…」


ひとつのカドを曲がったとたんに目に入ってきた。
女が男に手紙を押し付け、逃げたのを見てしまった。。
どうやらあの女、私と同じ中学みたい。
制服が同じ… 男もそうだと思う。

手紙をもらった男は私に気づいたのかこっちを向いた。

「あれ、みられちやった?」

「別に見たくて見たわけではないです。」

でも先輩っぽい。
さっきの女もこの男も。

「おもしろいねー君、新入生?俺と同じ学校の制服じゃん。」

「そうみたいですね。」

「へー… って君さ、名前は?」

何この人。



「教える意味ありますか?」

「えー、いいじゃん。俺の初後輩だし。」

やっぱ先輩か。

4:うしゃ子:2012/11/24(土) 09:23 ID:7Pk

「それに君さ、せっかく可愛らしいんだからもっと笑いなよ。ツンツンしないでさ。」

「なっ… これが私の顔なんです!!失礼しますっ」

何なのよアイツ… 腹立つ。
こんな私にナンパでもしようっての?
私に笑え?そんなことできるわけないじゃない。

そして私は走って入学式場の体育館へ向かった。


そして入学式は始まった。

「それでははじめに新入生代表、小鳥結子さんに挨拶していただきます。」

落ち着け私。
家であれほど練習したんだから大丈夫よ。
暗記もバッチリなはず。

私は舞台に上がってマイクを手にした。

そして深く息を吸い、挨拶をはじめた。

5:うしゃ子:2012/11/24(土) 09:29 ID:7Pk

kasiwaba side


「おい柏葉、もう入学式始まってるんだぞ。早く入りなさい。」

「すいませんねー教頭先生♪」

俺、柏葉優はもらった手紙を読んでいるとすっかり遅くなってしまった。
体育館に入った瞬間、俺はつい声をだしてしまった。
新入生代表の挨拶の時だった。

「あ、お前さっきの… !」

あの新入生が言葉を発する前に俺は口を挟んでしまった。

一斉にみんなの視線がこっちに集まる。
そしてざわつく。

「お前っ柏葉何大声出してんだよっ」

教頭先生は俺の口をふさいだ。

それでもはっきり見える。

あの新入生が俺を睨みつけている。。

6:うしゃこ:2012/11/24(土) 11:38 ID:7Pk

yuiko side


な…

何アイツ!!!

さっきの男じゃないっ
せっかく私が挨拶しかけてたってのに。

私は息を飲み、声を張り上げた。

「私は今日確かにここに入学します。ですが、私は何も期待していません。」

こうなったら本性を言ってやるわ。
練習は台無しだけど、アイツの前で訴えてやる。

「中学校生活で青春したいとか、いろいろみなさんあるでしょうが私はありません。
 そんなのバカバカしすぎて笑えます。さっさとみんなで中学校生活を終わらせましょう。
      …以上。」


新入生はもちろん、先輩方もざわつきはじめた。
私のクラスの担任は開いた口がふさがらない。
どうよ。
私、誰よりも心が強いんだから。
強いんだから。

「ァハハハーっなんだアイツやっぱおもしれー!!おい、小鳥結子だってな?
 気に入った、なーみんな?」

アイツはそう言いながら舞台に立っている私を指差した。
まだそんなことをいうかアイツは。
よくそんな恥ずかしことをこの場で… !!

「おもしろくないです、バカにしないでください。それに人を指でささないっ」

「あーごめんごめん♪」

私たちの会話を聞いたみんなはどっと笑い声をあげた。

「うひゃー、優お前もサイコーだよおもろすぎっ」

「柏葉君やるねー」

「柏葉やっぱいいねー」

かしわば?ゆう?
アイツの名前か。

「こら、お前ら黙らんか!小鳥ももう下がれ!」

私は教頭先生に舞台から下ろされた。

7:うしゃこ:2012/11/24(土) 11:52 ID:7Pk

入学式のあと、みんなは教室に戻ったけど、私はしばらく教頭先生に説教された。
それが終わったあとは担任の先生、夏風千歳(なつかぜちとせ)先生に教室まで連れて行ってもらった。

まだ新人だろうか、若い。

「小鳥さん、あんな面白いこと言うなんて。」

「え… いや、ただ本当のこと言っただけで。」

「でもやっぱり中学校生活が一番面白いのよ。私が納得させてあげる。」

「無理ですよそんなの。」

「まあ見てなさいって。」

そんなことを言いながら教室のドアを開けた。

「小鳥さんの席は一番後ろよ。」

私は自分の席に向かった。
みんなこっちを見ながらコソコソ言っている。
まあ悪口なら慣れている。

席に座るとまず、隣のヤツが話しかけてきた。

「あの小鳥さん… 」

「何?って、ん?」

この男、どこかで…
いやいやでも初めて会うよね?

「僕、柏葉海(かしわばかい)っていうんだ。」

「柏葉…? …あ゛。まさかアイツの…!」

「恥ずかしながら弟です。」

「ちょっと、あんたの兄貴はどうなってんのよっ」

「ごめんごめん♪」

このクソが…
誤り方がアイツそっくりじゃんかっっ


「はーい、そこの2人はおしゃべりやめてね。」

ここで話しは途切れてしまった。
 
「今日はもうこれで放課となりますが、明日は学校見学などたくさんあるから覚悟するように。」

それから約10分の話が続いた。

8:うしゃこ:2012/11/24(土) 12:05 ID:7Pk

というのが入学式の流れだった。

「ねーねー、小鳥ちゃん。」

「何その呼び方。まるであんたが鳥をあやしている様じゃない。信じられないっ」

「まーまー、僕のことはカイって呼んで?もう今日はこれで終わりだし、
 これからどっか行こうよ。」

「はぁ?!やだ。」

「えーなんで?仲良くなろうよ。」

「かーい君っ」

そんなことをやっていると女子たちが集まってきた。

「そんな変な子と遊ぶの?それより花蓮たちとあそぼーよ。」

「ごめんねー、今日は変な子と遊ぶんだ♪」

「変な子って何よ!そっちのブリブリと遊べばいいじゃないっ」

「ちょっと小鳥さん。ブリブリって何よ。」

「ぶりっ子の複数バージョンだよっそんなのもわかんないの?!」

「まぁ何?!この花咲可憐(はなさきかれん)にそんなこと言うの?!」

あー…
めんどい×100!

「もうあんたら勝手にやってよねっ私帰る。」

私は荷物を持ち、教室を出た。

9:うしゃこ:2012/11/24(土) 12:26 ID:7Pk

kasiwaba side

「優、今日も行くのか?」

「そう。週1で行かなきゃなんないの。」

「そっかー… 大変だなぁ。」

「昔からのことだし。」

俺は学校帰り、親友の霧重玲(きりしげれい)と話しながら帰っていた。

「あれから10年経ったのかー… 」

そう、アレは10年も前の話。
俺は家族4人でドライブしていたとき、急に凄い音がして俺んちの車は何かに当たって
事故に合ってしまった。
父さんも母さんもそのとき死んだ。
けれど奇跡的に3歳の俺と2歳の弟だけ助かった。

でも俺の足には一生治らないものができてしまった。

ちょっと走ったら足が痛くなる。
それに、だんだんこの先、悪化すると最後には歩けなくなるらしい。

弟のほうは傷だけで済んだ。

でも俺らは怖くなった。
乗り物に乗るということが。
車の音をきくのが。
車を見るのが。

「ただいまー…」

今は2人で暮らしいている。

「お兄ちゃんお帰り。」

「カイ、今日昼飯何食う?」

「お弁当買って来たからたべよ。」

10:うしゃこ:2012/11/24(土) 16:58 ID:7Pk

yuiko side


そして時は流れ5月。
体育祭の時期となった。 

「ちょっとー…誰か実行委員立候補者はいないのー?」

あれから私はすべてが面倒になり、人と話さなくなった。
柏葉優は入学式以来見てないし、弟のほうは女子にちやほやされて大変そう。

実行委員は男女、クラスごとに1人ずついるらしい。

朝のホームルーム、先生は誰も立候補せず困り果てていた。


「もう… じゃあ適当に決めるからね。今日は5月7日だから…出席番号男子5番と、女子7番の人!」

7番かぁ…まあ私じゃ…

「柏葉と小鳥じゃんっ」

はい?

「え、僕と小鳥ちゃん?!」

柏葉弟は私の方をキラキラした目で見てきた。
それに花咲可憐は…こっちを睨んでいる。

「みんないいですねー?」

先生の問にみんなは拍手した。

「早速だけど今日、実行委員会あるらしいからね。よろしくっ」


私は運の悪い女だ。
まあ… どうせ雑用だろうから、適当に済ませればいいか。

11:うしゃこ:2012/11/24(土) 17:00 ID:7Pk

そしてその日の放課後。

「小鳥ちゃーん、行こう♪」

「あのさ、あんたが選ばれたせいで私、めっちゃ睨まれてんだけど。」

今日一日の女子の視線が痛かった。
そんな目で見るなら変わってよって感じ。。

「気にしない気にしない。あと一つ、運命的な情報がっ」

「何?」

「兄ちゃんも実行委員なったってさ。」

「…今なんて?」

「だから…」

「あ゛ーーー!もう終わりだっ何もかもおしまいだよー…」

なんか… 面倒なことが待っているような…
そして実行委員室。

「あ、カイのやつ、いいやつ連れてきてんじゃんっ」

「兄ちゃん!」

「結子ちゃーん♪隣どうぞ。」

隣には座りたくなかったけどもうそこしか席はなかった。
私はしぶしぶ座る。

「なんか久しぶりじゃない?最近会わなかったね。」

「そうですね。」

私もそう思ってたところよ。

「あ、俺柏葉優な?優って呼んでくれよな結子ちゃんっ」

「僕はカイだからな小鳥ちゃんっ」

兄弟そっくり。
顔も性格も仕草も口癖も何もかも…

って、、


私なんでそんなに詳しいの?

「結子ちゃん、どうしたの?」

「あ、いや…ちょっと変なこと思っちゃって。」

「どんな?」

そう言いながらどんどん顔を近づけてくる。

わぁ…

近くから見るとまつげ長い…
目、おっきい…

「結子ちゃんほっぺ赤いよ?俺に惚れた?」

「は?!」

私ったら何考えてんだか…
絶対ない。

「一生かかってもそれはないと思います。」

「あのさ、敬語使わなくていいよ?」

「一応先輩なので。」

「一応って… そんなのどーでもいいじゃんっ」

「もうー、優ちゃん。1年生そんなにいじめちゃだめでしょ。」

だ…

誰この人は?!

12:うしゃこ:2012/11/25(日) 10:50 ID:7Pk

「えっと、小鳥結子ちゃんよね?私、砂凪(さな)っていうの。優ちゃんと同じクラスの実行委員。よろしくねっ」

なんかお嬢様って感じ…
すごい美人…

「よろしくおねがいします…」

「あのさ、結子ちゃん。」

「はい」

砂凪先輩はは私に近づいてきた。

「ぎゅーってしていい?」



一瞬思考停止した。


「はい?」

「もぅ、入学式の時から可愛いなーって思っててね。きゃー、近くにいるなんてっっ」

そう言いながら私に飛び込んできた。
く…
苦しい。

「ちょっ… 砂凪せんぱ… 」

「もーかわいぃーっ」

「わーめずらしい。小鳥ちゃんが人の名前ちゃんと呼ぶなんて。僕なんて柏葉弟ですよ?」

「何それっじゃ俺は柏葉兄か?結子っち、俺らも名前で呼んでよ?」

何なのこの人たち…
どうしてそんなに私に…


私には経験のないこと。
こんなに人に囲まれるなんて…


ちょっとは…

素直になれってこと?



「柏葉君、柏葉先輩。 はい、呼んだよ?」

「柏葉先輩とかカタイからヤダ。優先輩にして?」

「苗字で十分です。別にどうでもいいじゃないですかっ」

「私特別だ♪私だけ名前で呼んでもらってる♪」

いやいや、自己紹介で苗字言わなかっただけでしょ。


「でも私… 久しぶりに人の名前呼んだかも。」



私のその一言で周りはこっちをジロジロ見た。

「な…何?」

「今… 結子っち笑ったよね?」

「笑った笑った!私見たよっ」

「僕もみたっ」

え…

笑ってた?


「おい、お前ら席に付け。実行委員会はじめるぞっ」

ちょうどこのタイミングで体育の男の先生が入ってきた。


私… 無意識に笑っちゃった?
何年も笑うこと忘れてたのに…

13:うしゃこ:2012/11/25(日) 10:59 ID:7Pk

そしてあっという間に実行委員会は終わって下校となったときだった。

「優ちゃん、今日どっかいこうよ。久しぶりのデート。」

デート…ってことは砂凪先輩は柏葉先輩の彼女か。
ま、私には関係ないけど。

「そーだな。今のうちに歩いとかないと。砂凪と歩けなくなっちゃうし。」

「そういう意味で言ったわけじゃないのよ?」

あ… 歩けなくなる?


どう言う意味だろう。
ま… まあ私には関係ないしね…

「じゃあな、結子っちー」

「ばいばい結子ちゃん」

2人は手をつないで教室を出た。


何この感じ…

なんか… 胸が痛い。

疲れたのかな?久しぶりにしゃべって。
多分そうだよね。

「気になる?2人のこと。」

「え?」

「兄ちゃんと砂凪さんのことだよ。」

「なにが?」

「別にっいろいろ考えているような顔してたから。じゃねっ」

私ったら、いつの間に表情豊かになったのよ。
一定の顔が保てなくなった??


その日の夜はちよつと眠れない夜になった。
なんか気になってる。
あの2人付き合ってんのかなとか、足が動かないってどういうことなのかとか…

って、何気にしてんだか。
早く寝付かねば…


その日の夜は夢をみた。

14:うしゃこ:2012/11/25(日) 11:04 ID:7Pk

「優ちゃん、私にずっとつかまってなよ。」

「わりぃな砂凪、これから俺の足になってくれるか?」

「もちろんよ。」

そう言って、砂凪先輩は自分の片方の足をもぎ取り柏葉先輩に差し出した。

なにこれ…
気持ち悪い…

そして2人で2本の足でたっていた。

「ちょっと、それは…」 

ピピピピッ

私は夢の中で何かを言いかけたとき、目が覚めた。
何を言おうとしてたんだろう…
何か訴えようとしていた。
まあいいか。夢だし。

私はせっせと準備をして学校へ向かった。

15:うしゃこ:2012/11/26(月) 21:01 ID:7Pk

「あのさ、小鳥ちゃんどうしたの?」

気がついたら私は教卓に立っていた。
そうだ、今体育祭のみんなが出る種目を決めているところだった。

夢のことが気になって進行がうまくできない。

「ごめん… ちょっと考え事してて。」

「ふーん…大体考えていることは分かる。その前に種目決めよ?みんな早く決めたくてそわそわしてる。
 じゃ、黒板に種目書いたから出たいやつに名前書いてー?」

柏葉君がそう言うと、みんな一斉に黒板に走り出した。


「小鳥ちゃんは何出るの?」

「え… あんまり動かないのがいい。柏葉君は?」

「僕はリレー。ラスト種目の。ってか、もう種目ひとつしか残ってないよ?」

「え…?嘘っ」

気がつくともう名前がぎっしり。
残ってるのは…


「小鳥ちゃん、借り物競争に決まったよ。」

あ… そっか。
つかれそうじゃないからまあいいや。


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