希望の光は、君の存在

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1:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 19:18 ID:/Os




無力な自分が、大嫌いだった。



だから、惹かれたんだ。


偽りのない心
濁りのない瞳


優しい—————笑顔。

2:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 19:26 ID:/Os


第1章 笑い合っていた毎日



私って、すごく幸せだと思う。


大切な家族も、優しい親友もいる。

暖かく笑える日々が、毎日来る。


平凡な毎日が、ただ幸せだった。

幸せで、幸せで、夢のようで。


いつか夢から覚めるんじゃないかとは思っていたけど、恐れることはなかった。


今が楽しければ、それでいい。


そんな甘い考えを頭に浮かべられた私は、本当に幸せだったんだと思う。

本当に、何も考えていなかったんだと思う。



「…暑」



眩しい太陽の陽が、私に向けて降り注がれる。

今日も、真夏を越したような暑さが、私の毎日に訪れていた。


「実莉(みのり)! 課題写させて〜」


鼓膜に響く高い声。

自分の名前を呼ばれたことで、窓の外に出していた顔を、声の方に向ける。

誰かはもう分かっていた。

3:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 19:35 ID:/Os


振り向き目に入ったのは、顔の前に手を合わせ、お願いをしている親友。


「きいちゃん、また忘れたの?」


「ごめん、ごめん。お昼何か奢るよ」


きいちゃんは、幼稚園の時からの親友。

本名は、佐賀希依華(さが きいか)。


見た目すごく大人っぽくて、近寄りがたい存在と、よく思われがち。

でも本当は、おっちょこちょいで、無邪気で、優しい。


私の自慢の親友。


「しょうがないなぁ……はい。」

「ありがと、実莉っ」


ノートを、きいちゃんに渡す。

きいちゃんは安心したように微笑み、椅子に座って課題を写し始めた。


それを確認し、再び窓へと向き直る。


わざわざこんなに暑い夏の日に、窓に近づく必要はないと思う。

そう言われたら、きっとあたしも共感することだ。


でもこれは、いつものこと。


窓から顔を出すのは、暇だからという理由。


きいちゃんの席は窓側だし、本来の目的はグランドに隠されてる。

4:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 19:38 ID:/Os

きいちゃんの席は窓側だからと、本来の目的はグランドに隠されてる。

↑こっち本当

5:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 19:53 ID:/Os


窓から見えるグランド。

そこには、いつもサッカーをやっている男子らがいる。


クラスの男子はいつも休み時間の度に教室を飛び出して、グランドを駆け回ってる。


その中に、…いるんだ。


私が初めて、好きになった男の子が。


ブラウンの髪の毛に、毎日のサッカーのせいで焼けた肌が素敵で。

優しく垂れ下がった瞳と、血色のいい唇は、すれ違った瞬間、誰もが振り返るような人だ。


現に、すごくモテてる。


告白の最中は、何度も見かけたことがある。

その度に、私は密かに安心するんだ。

…嫌な女。


「実莉っ! ……あ、また咲坂のこと見てたの?」


課題を写し終えたのか、気づけばきいちゃんが隣にいた。

咲坂、という名前を聞いて、体が反応する。


頬に熱が集中して、心臓が大きく跳ねてしまう。


…咲坂 涼太(りょうた)くんを好きになったのは、いつのことだろう。

6:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 20:02 ID:/Os


きっと…入学式の時だ。



『実莉、実莉!! うちら同じクラスだ!!』


クラス名簿を見て、きいちゃんは人前も気にせず叫ぶ。

私もすごく嬉しくて、笑みが止まらなかった。

堪えきれない嬉しさを、顔で表した時、


『仲が良いんだね』


その時話しかけてきたのが、涼太くんだった。

私ときいちゃんは固まって、ただ涼太くんを見つめる。


『俺も同じクラスだから…よろしくね』


その時の笑顔が、あまりに眩しくて。

無邪気で、可愛くて。

私はあっという間に、涼太くんを好きになってしまった。


それから、挨拶を交わすような仲にもなった。

ドキドキして、苦しい。

けど次第に、嬉しくて堪らなくなるようになった。


それからサッカーをやる涼太くんも見たりした。

サッカーをやってる涼太くんは、すごく真剣で、上手で。

真剣な顔に、心臓が鷲掴みにされた。


それからだと思う。

少し迷いのあった「好き」が、堂々と言える「好き」になったのは。

7:薫 ◆0rlM:2012/12/10(月) 20:45 ID:/Os



初恋は高校一年生。

今思うと、私全然恋してなかったんだなぁ。


惚れるような人もいないし、
告白されたこともないし……。


恋のことなんて、全然知らなかった。


…こんなにも、焦がれる想いを。


「もう告白しちゃえば?」


「こっ、告白っ!?」


再び顔に熱が集中する。

きいちゃんの口から、今衝撃な言葉が出た。

私が告白したって、相手にされないことくらい知ってる。


でも優しくされる度に、期待しちゃうんだ。

…私なんか、絶対無理だよ。

弱気で何でも素直に言えなくて…。


地味だとはちゃんと分かってる。


「じゃあさ、帰り誘ってみたら?」


「え、ええっ……他の女の子たちの方が可愛いし、」


「何言ってんの! 可愛いとか関係なしだよっ」


ふふっときいちゃんは笑う。

不適な笑みに、思わず冷や汗たらり。

でも、応援してくれてるんだ。

本当感謝しなきゃなぁ。

8:薫 ◆0rlM:2012/12/11(火) 15:10 ID:/Os


きいちゃんの長い髪の毛が、ふわりと揺れる。

縛ればいいのに。

きいちゃんは可愛いから、私のようなことにはならないと思うし。


後ろで髪を束ねてる私は、誰が見ても決して大人っぽいとは言えない。


メイクも、周りの子達と違って制服を可愛く着飾ったりもしない。


素がきいちゃんのように可愛かったら、メイクもして、涼太くんの視界に映るようにしたい。

でもそんなこと、とてもじゃないけど…できないよ。


どうせ私は、何をしたって可愛くないもの。


「実莉。逃げてばかりじゃダメだよ?」


口元に笑みを浮かべ、遠い目で、きいちゃんは窓に目を向ける。


グランドで走る涼太くん。


…私よりも、きいちゃんの方が似合ってる。

私が涼太くんの隣なんかにいたら、不格好なだけだ。


ほんの少しだけ、嫉妬しちゃうな。


「…うん、そうだね。自分なりに頑張ってみる」


「うん。じゃ、帰りは誘いなよ」


再び私に目を向けて、ニヤリと笑う。


さっきとの遠い目とは違う、普通の目だった。


そんなこと、全然気になっていなかったけれど。


「む…無理だよ」


火照った顔を、必死に手で仰ぎ冷ます。

でも熱は引いてくれることはない。


そして気づけば、


「ほら、来たよっ」


きいちゃんの声で動きが止まる。


もっと顔が熱くなって、心臓が跳ねた。


クラスの男子と共に、涼太くんが帰って来た。

9:薫 ◆0rlM:2012/12/11(火) 16:01 ID:/Os


どくん、どくん。
心臓が何度も、大きく跳ねる。


その時、教室に入ってきた涼太くんと視線が重なる。


ふわりと微笑みかけられ、私は咄嗟に目を逸らした。


今の…感じ悪かったよね。

でも、あんな顔で笑われたら…心臓何個あっても足りない。


可愛くて優しい笑顔が、何度も私の頭でぐるぐる回る。


頬に熱が籠って、苦しいくらいに心臓が跳ねて…。


いつの間に、こんなに意識するようになったんだろう。


「きいちゃん……この恋やっぱダメだよ…っ」


「何言ってるの……早く誘いなよ!」


「わ、私なんかと帰ってくれるわけない…!」


でも少し、本当に少しだけ、期待したんだ。

優しい涼太くんなら、ひょっとして…って。


でも目が合っただけで恥ずかしくなって逸らしてしまうような私には、一緒に帰るなんて、夢のまた夢。


積極的にも素直にもなれない。

きっと涼太くんから誘われても、何も言えずに立ち尽くして、迷惑をかけるだけに違いない。



…私なんかが恋してよかったのかなぁ。



時々、そう思ってしまう。

10:薫 ◆0rlM:2012/12/11(火) 16:16 ID:/Os


俯いていると、

「実莉!! 顔上げて、ほら!」

きいちゃんの声が耳に響く。


その声は酷く驚愕していて、でも嬉しそうな…。


言われた通り、顔を上げてみる。

するとそこには、


「り……涼太、くん」


垂れ下がった目が、今は釣り上がっている。

不満そうな顔だけど、涼太くんは私を見てにっこり笑った。


「ちょっと借りるね」


きいちゃんに向かって涼太くんは小さくお辞儀をした後、私の手を引く。


もう少しでチャイムは鳴るのに。


そんな安易なことを考えているけれど、本当は心臓バクバクだ。

頭がくらくらして、引かれた手は緊張で汗ばむ。


いきなり…いきなり何…!?


動揺も緊張も隠しきれない。

前を進む涼太くんに真っ赤であろうこの顔を見られませんように、と、ただ祈った。

11:薫 ◆0rlM:2012/12/12(水) 16:52 ID:/Os


先に先にと進んで行くと、徐々に人気がなくなっていく。


さっきから心臓がバクバクとうるさい。


一歩歩く度に痺れて熱くなる体は、どうすることもできないのだろうか。


「古賀(こが)さん」


自分の名前が呼ばれ、尋常じゃないほどに体が反応する。


恥ずかしい。恥ずかしい。


私ばかりがドキドキしてる。

私ばかりが期待してる。


平然とした顔の涼太くんとは、なぜか目が合わせづらい。

合わしてしまったら、きっと、心臓が鷲掴みにされたように苦しくなって、体が熱くなるんだ。

私ばかりが恥ずかしい思いをするなんて…少し寂しい。


涼太くんは全然意識してないってことになるから、ちょっと悲しいんだ。


「古賀さん?」


「あ、は、はいっ…?」


緊張で声が裏返る。

普通に返事が出来なかったことに後悔して、冷まそうとした熱は余計に上がっていく。


それを見た涼太くんは、ふふっと声を漏らした。



「古賀さんって、小さくして、ふわふわして…うさぎみたい」



それは私にとって、倒れそうなほどに嬉しい言葉。

12:薫 ◆0rlM:2012/12/12(水) 17:10 ID:/Os


くらくらと目眩がする。

でもその目眩は、苦しさではなく、嬉しさを表していた。


「う、うさぎって…どういうことですか」


「敬語? 同い年なのに。やっぱり面白い。可愛いってことだよ」


涼太くんは平然とした顔で、当たり前かのように笑う。

その笑顔と言葉に、私は立っていられなくなるくらいだ。


こんなこと、簡単に言えるものなのだろうか。


いや、きっと冗談だ。

冗談なら笑ってそんなことが言える。うん、そうに違いない。


私はバカにされてるだけ。そう、バカにされてるだけ…。


「涼太くんに、敬語だなんて、失礼じゃないですか?」


バカにされてるというなら、それはそれで悲しい。

実際可愛くないのに、涼太くんの言葉一つで、こんなにも胸が痛くなる。


可愛くないのは本当で、自分も認めてるはずなのに、何だかすごく虚しい気分。


涼太くんの言葉で、私の心は高鳴ったり、簡単に壊れてしまうのだ。


「全然迷惑じゃないよ。…あ、そうだ、なんか無理やり…ごめんね」


涼太くんの言葉に、私は首を傾げる。

すると涼太くんは笑いながら、そっと指を指す。


その指の先にあるのは、繋がっている涼太くんと私の手。


そうだ。

緊張してて全然気にしてなかったけど、私は今まで涼太くんに手を引かれてきたんだ。


…そして、今も。

13:あんず:2012/12/12(水) 18:10 ID:mTs

薫、来たよ〜♪

こういうの好き♪♪
イケメンからの告白いい!!(/^ω^\){スキ♪

応援してるからね♪

14:薫 ◆0rlM:2012/12/18(火) 07:41 ID:/Os

>>13:あんず

ありがとう(*^^*)
頑張るね。

15:薫 ◆0rlM:2012/12/18(火) 07:49 ID:/Os


しっかりと繋がれた手。

今までは気にしていなかったけど、気づいた瞬間どっと手に汗が出る。


「ご、ご、ごめんなさい!」


慌てて手を離し、頭を下げる。

名残惜しいと思ってる自分がいて、穴に入りたい…いや、穴に埋まりたいと思った。


涼太くんはそんな私を見て、クスクス笑う。

その笑顔がまた素敵で、輝いていて、胸が締め付けられた。


「大丈夫だよ。そんなに頑なにならないで?」


涼太くんはそう言って、私の頭を撫でる。

頭に触れた涼太くんの手は、私にとっては宝物のようで。


沸騰しそうな勢いで熱を持った頭は、やがて全身に広がっていく。


…熱い、嬉しい、熱い。


2つの思いが交差して、頭がおかしくなりそうだ。


「あ、あの…」


頑なになるなと言われても、それは無理に決まってる。

だっていつだって涼太くんは、私に笑顔をくれる優しい人。

そんな人に敬語以外で話すなんて、一生無理。


「ん?」


涼太くんは首を傾げる。

私の言いたいことは、ただ一つ。

言いたいことを何度も心の中で繰り返す。

そして、涼太くんの顔を見つめた。

16:薫 ◆0rlM:2012/12/18(火) 17:19 ID:09U


小さく深呼吸してから、震える唇を開く。


「き、今日の帰り…一緒に帰れませんか…?」


全身が心臓になったように、ドクドクとうるさい。

きっと顔は真っ赤だ。

恥ずかしいけど、言えて安心した。


あとは返事。

良いという返事が返ってきたら…きっと躍り上がるだろう。

泣きそうになるほど嬉しくなるんだと思う。


「うん。大丈夫だよ」


涼太くんはそう言って、微笑んだ。


顔から発せられる熱が、半端なものではない。


初の涼太くんと下校。

嬉しい…嬉しすぎる。


眩しい涼太くんの顔が、今日はいつもより眩しく見えた。

17:あんず:2012/12/18(火) 17:21 ID:mTs

初下校おめでと〜!!

更新キター!!
待ってたよっ!!!!

18:薫 ◆0rlM:2012/12/18(火) 18:03 ID:09U



「…じゃあ、戻ろうか?」


「え、よ、用があって呼んだんじゃなかった…のですか?」


「ああ。ごめん忘れてた」


ふふ、と涼太くんは声を漏らす。

その笑顔に胸が高鳴った。


どうしてこんなにかっこいいんだろう。

しかも優しくて、元気で…。


こんな人の隣を歩いて下校していいのか、という心配があった。


涼太くんは少し黙ったあと、私を見ずに悩み始める。

開きかかった口は、再び閉ざされてしまった。


こんなに静かだと、心臓の音が聞こえそう。

…恥ずかしい。

早く口が開かれることを祈る。


「…ごめんね。古賀さんに目逸らされて、嫌われたのかと思った」


え?

目…私逸らした?


……あ、そうだ。


恥ずかしくて、涼太くんが眩しすぎて、思わず逸らしてしまったんだ。


嫌うなんてこと、あるわけないのに。

誤解されるようなことして、私…最低。


「ごめんなさい…涼太くんが、か、かっこよくて」


「そんなことないのに。古賀さんってやっぱり面白い。じゃあ許すかわりに、敬語はやめてね」


涼太くんはそう言って、にっこり笑った。


窓から入る風が、熱い頬を撫でる。


…優しい。この優しさは、私だけに欲しい。


なんて、わがまま言ったって仕方ない。


「……う、うん」


手に入れられないことくらい分かってる。

涼太くんは私をただのクラスメイトとしか見ていないことくらい。


分かってるんだ。

分かってる、けど。


涼太くんが優しくする度に、どうしても期待してしまう。

狂おしいほどに好きが溢れてくる。


“ただ、好きでいたい”。


この思いが、壊れていく。

19:薫 ◆0rlM:2012/12/18(火) 19:31 ID:09U


「よしじゃあ戻ろうか」


涼太くんは同じように笑って、私の手を強く引く。


あっという間に熱くなる身体。


涼太くんは何とも思っていないのだろうけど、私にとっては死にそうなほどに恥ずかしいこと。

こんなこと簡単にできちゃうのは、少しだけ心が痛む。


慣れてるみたいで、嫌だ。

私にだけ、してほしいよ。他の子には、やめてよ。


涼太くんに恋する限り、私はわがままになっていく。


「放課後、ね」


急に涼太くんが口を開く。


「う、うん…よろしく、ね」


やっぱり敬語は慣れないよ。

でも少し距離が近づけた気がする。


ドキドキしたり、嬉しかったり、悲しかったり。


気持ちがふらふら変わって、おかしくなりそうだ。

…恋してる、って感じだなぁ。


「楽しみだね。古賀さんとちゃんと話したのは、これが初めてだし。これからもっと仲良くなりたい」


私の汗ばむ手を引きながら、涼太くんはふわりと笑う。

ぐっと胸が痛くなった。


嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて。


涼太くんが言ってくれた言葉が、
向けられた笑顔が、


私をおかしくしていく。狂わせていく。


恋という感情が、私を乱す。

20:薫 ◆0rlM:2012/12/19(水) 16:49 ID:09U




—————…



チャイムは放課後を告げた。


瞬間、胸が跳ねる。

帰りは…涼太くんと一緒だ。


きいちゃんには、もう言った。

自分のことのように喜んでくれたし、どんな風に話せばいいかとかを、詳しく教えてくれた。


本当に私は、良い友達を持っているな、と、実感した。


「実莉! 素直に可愛く、ね!」


教科書を鞄にしまう私の傍に来て、きいちゃんはこっそり言う。

ニヤニヤとしながら言うものだから、あっという間に私の顔は真っ赤。


考えただけでこんなに赤くなるのに、涼太くんとちゃんと話せるわけがない。

緊張し過ぎて倒れてしまわないことだけ、祈ろう。


「ありがとうね、きいちゃん。私頑張ってみるよ」


弱い力で、ぐっと拳を握る。

きいちゃんは嬉しそうに微笑んで、

「頑張って!」

と言い、教室を出た。


ゆっくり空気を吸い込む。

肺の奥まで到達した空気は、熱い緊張の籠ったもの。

涼太くんと少しでも進展があるなら、これをキッカケに友達にでもなれるなら。


頑張ってみたいと思う。
頑張ってみようと思う。


勇気を出して、話しかけなきゃ。

頑張ろう。きいちゃんの応援を、無駄にしないように。


そして、息を吐き出した。

21:薫 ◆0rlM:2012/12/20(木) 19:08 ID:09U


涼太くんが立つ前に行く。

一瞬にして、涼太くんの周りにいる男女全員の注目の的。


「何この子」とか
「地味なくせに」とか
「涼太くんに易々近寄るな」とか思われているかもしれない。


けれど、勇気を出すって決めたから。

ちっぽけな勇気でも、きいちゃんの応援が、涼太くんの言葉が、大きくしてくれた。


伝えきれないほどの想い。

…好き、って、簡単に言えたらどんなに楽だろう。


「い……行きま、せんか」


誰?という言葉が涼太くんに飛び交う。


心臓が大きく跳ねた。

…やっぱり、私なんかが話しかけて良かったのだろうか。


弱気にならないって、今決めたはずなのに。


「…うん行こうか。ごめん。この子と帰る約束してるんだ」


涼太くんはそう微笑んで、私の手を引いた。

かあっと顔が熱くなる。

寂しさを放っていた手は、再び涼太くんの温もりに包まれた。


そして教室を出る寸前に、涼太くんの周りにいた人達をこっそり見る。


冷やかしてる男子と、…冷たい瞳で私を見ている女子がいた。


私をそれを見なかったことにして、前を向く。


…やっぱり、勇気なんて、出さなければ良かったかもしれない。

22:茜 ◆1Dso:2012/12/20(木) 19:34 ID:WFk

久しぶり〜♪
いやぁ、お薫の小説は、どんなのでも面白いね!
頑張れ!

23:あんず:2012/12/20(木) 19:39 ID:mTs

>>22
だよね!!
薫の小説は、どんなのでも面白い!!


実莉ちゃん!勇気だしていいんだよ!
頑張って!!実莉ちゃん!
涼太くんの心をゲットしてーっ
実莉ちゃん、狙い撃ちだぁ♪

24:茜 ◆1Dso:2012/12/20(木) 19:54 ID:WFk

>>23
ですよねっ!
薫の小説、読んだの全部面白くて…


実莉ちゃん頑張って告白をー!!

25:薫 ◆0rlM:2012/12/20(木) 20:02 ID:09U


下駄箱までの道が、すごく短く感じた。

いつもは歩くのがめんどくさくて、ため息を吐き捨ててから靴を履き替えるというのに。


…涼太くんと、いるからだ。


さっきから心臓はうるさく鳴り響いている。

明らかにいつもとは違って鼓動は速く、苦しくなるほど。


でもやっぱり好きと思ってしまうのは、どうしてだろう。


「古賀さん、ちょっと聞いていいかな」


「あ、は、はい?」


緊張して声が裏返る。

う、は、恥ずかしい…!


「堅苦しいなぁ。敬語はやめるって約束したでしょ」


「う、うん」


無理。心の中はそればかり。

話すことでさえ恥ずかしくていっぱいいっぱいだよ。


…涼太くんは、こんな私だから意識したりはしないのかなぁ…。

26:薫 ◆0rlM:2012/12/20(木) 20:05 ID:09U

>>22 >>24:茜
ありがとう!!
面白いかな?今回の純愛っぽい(←)のも表すの下手だし(笑)
でも嬉しいよー( ´∀ ` *)

>>23:あんず
感想ありがとう!
いやー本気で嬉しい、読者様に感謝だわ〜

27:茜 ◆1Dso:2012/12/20(木) 20:39 ID:WFk


うそ〜!
凄い上手くかけてるのに!

28:クロ:2012/12/20(木) 22:15 ID:xxY

ほんっと上手いですわね、奥様(´∀`)←

恋する乙女には悲劇もあるかもですね、はい
実莉ちゃん、fight!

更新、頑張ってくださいなヾ(´∀`*)ノ

29:薫 ◆0rlM:2012/12/21(金) 16:25 ID:9nk


一人で勝手に落ち込んでしまう。

…バカ、みたい。


「それで、聞きたいことなんだけど」


俯き加減で歩く私に、涼太くんは軽快に話しかける。


「どうしたの?」「何かあったの?」
この言葉が欲しかったなんて、わがままを言いそうな自分がいる。


涼太くんを困らせたい訳じゃない。


私は何も言わず、作り笑顔で微笑んだ。


「佐賀さんのことだけど、いつも一緒にいるよね?」


…きいちゃん?


目の前が空白になった気がした。

何も見えない。感じられない。


これは100%私の考えだけど、涼太くんは、きいちゃんのことを知るために私と仲良くしたいと思った?



きいちゃんのことが…好きなの?



「…き、いちゃんに、何か用があるの?」



動揺を隠せない。


でも、今自分が出来る限りの笑顔を作って、涼太くんに問いかけた。

30:薫 ◆0rlM:2012/12/21(金) 16:28 ID:9nk


>>27:茜
ありがとう( ´∀ ` *)
そう言ってくれると嬉しいよ…!


>>28:クロちゃん
いや、クロ様には敵いませんのよ♥←

悲劇もちろんあります、あります←
ただの純愛と思っちゃいけねーぜ(ry

ありがとう、全力で頑張らせていただきます←

31:薫 ◆5Jqw:2012/12/21(金) 17:49 ID:9nk


涼太くんは、少し困ったような顔をする。


あ…迷惑かけちゃった。

勝手に動揺して、好きな人困らせて…何してるんだろう、私。


「言わなくても大丈夫」。


そう言おうとした時、


「少しだけ気になってるんだ」


涼太くんは、変わらず困った顔で小さく笑った。


…目の前が真っ暗になった気がした。


期待してた自分が、バカみたいに思える。


そうか。


意識しないのも、二人っきりの登下校なのに笑顔で隣を歩く理由も。



きいちゃんが、好きだからか。



きっときいちゃんだったら、涼太くんは恥ずかしそうに顔を染めていた。

上手く喋れなくて、それを笑うきいちゃんを愛おしく思うんだ。


苦しい。

心臓が破裂しそう。


今までの恥ずかしさや嬉しさが、消えていく。

真っ黒なキャンバスに、塗りつぶされていく。



…素直に、「頑張って」って応援できない。


困らせたくない。

でも、私を好きになってほしい。



なんて勝手なんだろう。

32:薫 ◆5Jqw:2012/12/21(金) 17:57 ID:9nk


「何か、急にごめんね。佐賀さんみたいな人、初めてだから」


「…はじ、めて?」


聞いちゃいけない。

傷口に塩を塗るなんて、本当バカ。


傷つくだけって、分かってるのに。


「見た目はすごく近寄りがたいのに、中身は楽しくて面白い子。ギャップが良いっていうか…」


涼太くんは、きいちゃんの話を笑顔で語った。

恥ずかしそうに、嬉しそうに、綻んだ表情は、私にはできない。


きいちゃんしか、できない。

特別な…表情。


ぐっと胸が痛くなった。

針を刺されたものとは違う、強く掴まれたような。


苦しい。苦しいよ。

私を…私を見てよ。


ねえ、何で。





何できいちゃんなの。





恋は、その人をわがままにする。
狂おしいほどに溺れさせて、暗闇に突き落とす。
なんて残酷なのだろう。

今日、この日。

全てが狂ってしまった。
関係が崩れていった。



…今日、この日。



最高に、わがままになった日。





第1章 終了

33:薫 ◆5Jqw:2012/12/21(金) 18:05 ID:9nk


第2章 全てが狂った時





あの日。

涼太くんと別れたあと、私は家で泣くことしかできなかった。


最後まで落ち込む私には気づかなくて、涼太くんは

「このことは、皆に内緒でね」

と言って、帰って行った。


苦しくて、悲しくて、堪らない。

優しい涼太くんに、期待した。


皆とは違う。

私は…特別なんだ、って。


優しくされる度に、そう思っていた。

今考えれば、涼太くんが他の人に向ける笑顔も優しさも、全部私と一緒なのに。


素直じゃなくて、弱気で、すぐ諦めて、可愛くもない。

何の取り柄もない私が、恋をすること自体がおかしいんだ。





今日は早く家を出た。

いつものきいちゃんとの待ち合わせ場所には、行かないで一人で学校に向かった。


きっときいちゃんは、私が来るのを何の疑いもせずに待っている。

…胸が痛い。今さら後悔なんて、しても遅いのに。


ただ今は、きいちゃんに会いたくない。

顔も見たくない。


きっと、これが、「嫌い」という感情——。

34:薫 ◆0rlM:2012/12/22(土) 11:15 ID:9nk






教室を目の前にして、私は立ち止まった。


…もしも、もしもここにきいちゃんがいて。

私よりも先に、きいちゃんが裏切ったとしたら?


…嫌だ。

…許せない。


悲しさと怒りが混じり合う。

私って本当勝手だよ。


唾を呑み込んでから、私は慎重に戸を開けた。



「あ、古賀さんおはよー」



甲高い声が、教室に響く。

教室にいたのは、前から可愛いと思っていた女子二人。


「あ、お、おはよ…ございます」


教室にはその二人だけ。

きいちゃんの姿は、どこにもない。


…待ってるんだ。私を。


ぐっと胸の痛みを我慢しようと、拳を握る。

今頃後悔してどうするんだ。さっきも自分に言い聞かせたはずなのに。


「あ、ねぇねぇ古賀さん」


机に鞄を置いた時。

教室にいた二人が、私の元に駆け寄って来る。


他人と話すのは苦手だ。

こういう時きいちゃんがいてくれれば…と思ってしまう。


やっぱり、私には、裏切るなんて無理だ。

35:薫 ◆0rlM:2012/12/22(土) 11:23 ID:9nk


それでも無視するのはよくないと思って、恐る恐る顔を上げる。


「そんなに緊張しなくていいのに」
「古賀さんかわいー」


か、か、可愛い?


その言葉に私はポカンと口を開ける。


この二人の方が、輝いて見えるのに。


…今思ったけど、私の名前、覚えてくれたんだ。


「いつも、希依華と一緒にいるじゃない?」


とその時、一人の声が急に変わる。

心臓が大きく跳ねた。

「は、はい」…と、私は小さな声で言ったあと、俯いた。


…怖い、きいちゃんが何なんだろ。



「ウザイと思うんだよねー。古賀さんは希依華のこと、好きなの?」
「友達と思ってる?古賀さん優しいから、無理してるんじゃないかと思って」



二人の口から出た言葉に私は硬直する。


きいちゃんが、ウザイ…?


笑いながら話す二人には、きっと罪悪感がこれっぽっちもないのだろう。


ウザイと思ったことなんて、一度もない。

優しくて、可愛くて、無邪気で。

大切な大切な友達。


ただ一度、怒りを抱いたのは



涼太くんが、きいちゃんを好きと知った時——…



「ね、どう思うかな」


一人の子が、もう一度聞く。


迷っていたはずの、
怖がっていたはずの私の口が、


ゆっくり上がっていった。

36:薫 ◆0rlM:2012/12/22(土) 20:06 ID:9nk


そして私は言う。


目覚めた感情を、ありのままに。



「——うん、ずっと…嫌いだった」

「あはは、やっぱり!」



ずっと、ずっとずっとずっと。


嫌いだった。きいちゃんが妬ましかった。



美人で、優しくて、言いたいことはハッキリ言えて、誰にでもフレンドリーで、一緒にいて楽しくて。



私とは正反対の女の子。


何で私なんかと友達になってくれたんだろ?

そう考えて、いつも惨めな気持ちになった。


きっと、きいちゃんは密かに嘲笑っているんだ。


上手く喋れない私を

可愛くない私を


近くで見て、心の中で嘲笑っていたんだ。



悔しい。悔しい悔しい悔しい。

許せない。何できいちゃんなの。



何で、あんな子なの——…



「実莉!!」



その時、教室の戸が勢いよく開いた。

37:薫 ◆0rlM:2012/12/23(日) 12:40 ID:9nk


振り返らなくても分かる。


耳に焼きついた高い声。
涼太くんを魅力させた、離れない憎らしい声…。


きいちゃん、だ。


「よかったぁ…実莉に何かあったと思ったよ。先に来てたんだ…ね」


悲しそうに微笑むきいちゃん。


——『うん、ずっと…嫌いだった』


頭にこだまする声。

…聞かれていた?


迷いなく真っ直ぐに、嫌いと言えるはずなのに。

本人に聞かれたと思ったら、冷や汗が止まらない。


関係が壊れることを、覚悟で言ったのに。


「…あ、わ、私達ちょっとトイレ…」


教室にいた女子二人が、逃げるように教室を出て行こうとする。


私はそれを止めることもできないまま、見送るしかなかった。

38:薫 ◆0rlM:2012/12/23(日) 12:54 ID:9nk


教室に、私ときいちゃんの二人が残る。


暑くなんてないのに、冷や汗が出る。
暑さのせいだなんて…言えない。


それどころか窓をつき抜ける風は、今日に限っていつもより冷たい。


気づけば、夏の終わりは近づいていた。


「…実莉、」


きいちゃんが沈黙を破る。


今この瞬間、誰か来てくれれば。
この冷たい空気を抜け出せれるのに。


きいちゃんと話している時に、こんなにも誰かに邪魔してほしいと思ったのは初めてだ。


「どうして、先に行っちゃったの?」


きいちゃんの声は、悲しさと……怒りを表しているようで。


冷たい声が、私の鼓膜を侵食していく。


「ご…めん。忘れ物しちゃって、急いで来たんだ」


咄嗟に思いついた言い訳を言う。


嫌い、こう本人にはっきり言えば、離れられるのに。


関係を壊したくない。
本当は、きいちゃんが…大好きなのに。


嫌いと感じた私の心を、残った思い出が嘆いて私をおかしくしていく。


何を言っていいのか。
何を…していいのか。


よく分からない。

…本心は、どっちなんだろう。


「……そう」


きいちゃんは小さく言うと、もう口を開かなかった。


唇を噛み締めている姿は、見ていて痛々しい。


完全に私が悪者だ。

…怒り任せに、あんなこと言って。


本当は、誰よりもきいちゃんが大好きなのに。

39:薫 ◆0rlM:2012/12/23(日) 16:44 ID:Xmg

あげておく

40:薫 ◆0rlM:2012/12/23(日) 19:45 ID:Xmg


ごめんなさい。そう言おう。


嫌いって、言ってしまったことも謝ろう。

きっと、聞かれてる…はずだから。


「き、きいちゃん、」


「ん?」


「ご、ごめんなさい。聞いていたよね…?」


目が合わせづらくなり、咄嗟に私は下を向く。

気づけばスカートの裾を強く握っていて、手には汗が滲んでいる。


きっと責められる。
無視されたり…する?


…嫌だ。怖い。


「きいちゃ、」


「えっと……何のこと?」


耐えられなくなり顔を上げた時、きいちゃんは呆気とした顔で問いかける。


……え?


驚きを隠せず、ぽかんと口を開ける。


聞かれていなかった…?


なんだ。…なんだ。


「う、うえぇ……ご、ごめ…」


「え、な、何で泣くの!?」


「ごめんなさい……わ、たしっ…き、いちゃんが……羨ましくて」


可愛くて優しくて、無邪気で明るくて、誰にでも好かれて。

見た目は少し近寄りがたい存在なのに、話してみると楽しくて。

誰もが好きになる女の子。

…涼太くんも、そう。


きいちゃんに嫉妬してた。

けど、違うよね。

私は何一つ努力なんてしてない。


弱気で地味で、上手く喋れなくて、何でも足手まといになってしまう。


でも努力はしないで、涼太くんに好きになってもらおうなんて。


…本当、バカだ。


「ごめん…ごめんね」


「え、えっと…うん。気にしないで」



そう言って、きいちゃんは笑った。



私の視界が更に滲む中、



きいちゃんの作り笑顔が剥がれる瞬間に、誰一人気づかなかった。

41:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 10:55 ID:Xmg


第3章 始まりと、憎しみと。





早朝。

今日もいつもより早く家を出たかった。


それは昨日と同じように、一人で学校に行くわけではなくて。

きいちゃんに会って、昨日のことを話したかった。


やっぱり正直に言おう。

そう決心したのは、あまりにきいちゃんの笑顔が優しいから。

黙ってきいちゃんの隣にいることが、辛かった。


だから、ごめんなさいしよう。


涼太くんのことも、少しずつ頑張っていきたい。


心の中できいちゃんへの謝罪を何度も繰り返しながら、いつもの待ち合わせ場所へ行く。


時間は結構早かったのに、きいちゃんはとっくに待ち合わせ場所で待っていた。

42:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 11:03 ID:Xmg


「きいちゃん!!」


大声を張り上げて、きいちゃんの元へ駆け寄る。

いつも通りの笑顔に、どこかホッとしている自分がいた。


「おはよう、実莉!」


微笑むきいちゃんに安心するけど、胸が痛んだりもする。


早く言わなきゃ。

言わなきゃいけないのに、言いづらくて…言えない。


こんなんじゃダメなのに。


隠し事をしたままきいちゃんと付き合っていくのは、どうしても辛い。


「き、きいちゃん、あのね」


口を開く。

きいちゃんは「ん?」と私の方に顔を向けた。

心臓が跳ねてるのが分かる。

でも、口は開いているのに、言葉は出なくて。

戸惑う私に、きいちゃんは柔らかい笑みを向ける。


「実莉、あのね。今日は皆が迎えてくれるよ」


「…え?」


迎えて、くれる?

私はただ首を傾けることしかできない。


「皆には内緒って言われたんだけどね。…ほら、今日は実莉の…」


「あ…」


今思い出す。

今日は、私の誕生日。


そのために、皆が?


私なんかの、ために…?


「ほら泣かない、泣かない。でもごめんね言っちゃって。私隠し事とかできないし、あまりにも楽しみだったから」


「ううん、う、嬉しい…」




“あまりにも楽しみだったから”。


この言葉の意味は、後に学校で知ることになる。

43:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 12:03 ID:Xmg




いざ学校を目の前にすると、ワクワクしてくる。

緊張というか、嬉しいというか…。

とにかくすごく楽しみで、ダッシュで廊下を駆け抜けたいぐらい。


そんなことしたら怒られるから、するわけないんだけど…。


「楽しみ?」


校門をくぐったとこで、きいちゃんが問いかける。


「うんっ」


私は満面の笑みを浮かべた。

するときいちゃんも、同じように笑みを浮かべる。



「私も」





きいちゃんが楽しみな理由。
私を迎えるのに、きいちゃんが楽しみっていうことは…あるだろうか?



そんな疑問は欠片も浮かばなかった。

44:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 12:56 ID:Xmg




ついに教室を目の前にする。

心拍数は次第に上がっていって、口元が上がるのをおさえられない。


「…あ、開けるね」


なぜか緊迫とした雰囲気になる。

きいちゃんは微笑みつつも、興奮してるような落ち着きない状態。


そんなの、気にする暇もなく。


微かな物音さえ聞こえない教室に、今私は入ることになる。


ドクンと大きく心臓が跳ねたと同時に、私は思いきって教室の戸を開ける。



——と同時に、バシャッ、という音が耳に鈍く響いた。



……え?


すぐには状況を呑み込めなかった。

ぽつ、ぽつ…と音をたてているのは、大量の水。

でも、何でこんなに大量の水が?


そう考えていると、


「……ぷっ」
「……ははっ、」


耳に入る笑い声。
次第にそれは大きくなっていく。



「あはははははははは!!!」



最後には全ての笑い声が重ねって、耳をつんざく笑い声となった。


…何が、起こっているの?

状況把握ができなくて、ゆっくり一歩、踏み出してみる。

45:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 13:00 ID:Xmg


すると、ピチャン、という音が教室内に響いた。

笑いは一瞬にして止まる。

ゆっくり顔を上げれば、好奇心大勢の顔で私を見ている…女子全員。


男子の姿はなかった。

まだ早い時間だから…だろうか。


まだ状況が把握できず、一歩、また一歩と、4cmぐらいずつ、進んでみる。


歩くたびに、ピチャン、ピチャンと音が鳴った。



目の前には、転がっているバケツ。

掃除に使う…バケツだ。



目の前が、真っ暗になった気がした。



濡れているのは…私。

笑われたのは……私だ。

46:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 13:15 ID:Xmg



「き、きいちゃ………、ん…?」


思考が働かない。

何で。何で?どういうこと?


きいちゃん、きいちゃん、きいちゃん——…


「こっち見ないでよね。私のこと、嫌いなんでしょ?」


助けてくれると思った。

でもきいちゃんは、私を…突き放した。


嫌い?……嫌いなんかじゃない。

大好きだよ。きいちゃんは、大切な友達だもん。


「な……んで…?」


すがりつくように、きいちゃんを見つめる。

涙で視界が歪んで、きいちゃんの顔がよく見えない。


でも、笑っているってことは、分かってしまった。


「嫌いって言ったのは誰よ?一人が可哀想だから、友達になってやったのに。誰もあんたのこと友達なんて思ってないっつーの」


冷たく、鋭く。

きいちゃんは私を睨みながら、言った。


咄嗟にクラスを見回す。

昨日、教室にいた二人。

あの二人は、曇った顔で…俯いていた。


自分は悪くない、とでも言うように。


どうして?

怒り任せにあんなことを言ったのが、悪かったの?


私は…どうなるの?


一つ分かるのは、きいちゃんはずっと…私のことを友達だって思ってなかった、ってこと………。



「う、うあ……ああああああぁぁぁ……!!」


私の苦痛の叫び声は、


きいちゃん含め女子達の笑い声で、呆気なく消されていった。

47:薫 ◆0rlM:2012/12/24(月) 18:56 ID:Xmg


それからしばらくうずくまっていた。


嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。

こんなの夢だ。夢だ、悪い夢だ…。


早く覚めて。覚めてよ、ねえ。

ちゃんときいちゃんに謝るから。

あんなこと、もう言わないから……


「ぷっ、虫みたい。気持ち悪い。あんたなんか…死ねばいいのに」


紛れもなくきいちゃんの声だった。

降り注ぐ罵倒に、再び笑いが溢れる。

瞬間、涙腺が緩み涙がこぼれた。


視界が歪む。

私の心も同じように…ゆっくり歪んで、崩れていく。


笑い合っていた頃の面影は、もう少しも残っていない。


「ずっとそのままでいれば?バーカッ」


あははは!ときいちゃんは高らかに笑ってから、私の腹部を蹴った。


「っ、う…」


痛い。気持ち悪い。

グッと堪えるけど、痛みはなくならない。

痛いよりも気持ち悪くて、気分が悪くなりそうだった。


不思議な感覚…。

ぐっと熱くなって、痛くて、息がしづらい。


助けて。助けて、誰か。誰か……。





「古賀さん!!」





とその時、誰かの私を呼ぶ声で、女子達の笑い声が途絶えた。

48:薫 ◆0rlM:2012/12/25(火) 16:12 ID:yDk


顔を上げるのにかなりの時間がかかった。

あまりに痛い腹部を庇いながら、ゆっくり顔を上げる。


顔を上げなくても、とっくに誰か分かっていたよ。



「涼太くん……」



安心して、涙が浮かんだ。

涼太くんはすぐに私の元に駆け寄って来る。


舌打ちをしている女子、悔しそうな顔をしている女子、焦っている女子…。


きいちゃんは少し驚いたあと、きいちゃんに背を向ける涼太くんを睨んだ。

きっとそのことは、涼太くんは気づいていないんだろうな。


好きな人にあんなこと、…どんなに辛いだろう。私を好きになれば…いいのに。


そう思ってしまう私は、涼太くんの恋の応援をしてあげられないということだ。


「大丈夫?……何の騒ぎ?」


涼太くんが、女子全員を睨んだ。


もちろん、きいちゃんも。


でもきいちゃんを睨むのと一緒に、悲しそうな表情になっているのも私には見えた。


変わらず睨み続けてるきいちゃんと、悲しそうにした涼太くん。


それを見て、どうしようもないくらいに、腹部よりも胸が痛かった。

49:薫 ◆0rlM:2012/12/25(火) 17:41 ID:yDk


何も答えない女子達に涼太くんは同じように悲しそうな顔を向けてから、私へと向き直る。


とくん、と心臓が鳴った。

こんな時までドキドキするなんて…バカ、みたい。


自分の状況を理解しなきゃ。

今も冷たい目を向けている女子も…いるのだから。


「平気?」


「ぬ、濡れちゃう…」


「構わないよ。何があったの?」


涼太くんはハンカチを取り出して私の顔を拭く。

触れられた頬が、とてつもなく熱い。

私はゆっくり息を吸ってから、本当のことを話そうと思った。


すると、



「ごめん、実莉。平気?」



急に声色を変えたきいちゃんが、私に近寄った。


びくり、身体が震える。


怖い。次は何をされるのか。

たまらなく押し寄せてくる恐怖。


嫌だよ。

普通の友達に、戻りたいよ…


「どういうことなの?」


涼太くんはもう一度、次はきいちゃんに聞く。

きいちゃんは…優しく微笑んだ。

その笑顔は、私にとってはすごく不気味で。

ぞっと背筋が冷たくなった。


「バケツの水を持っていた人が、入ってきた実莉とぶつかったみたいで…」


次は困ったように眉を下げる。


…それで、私はこんなにずぶ濡れだって言いたいの…?


ふざけないで。
ふざけないで。


…酷、い。

50:薫 ◆0rlM:2012/12/25(火) 18:14 ID:yDk


祝50!!!

ここまで来れたのは
「読者がいると思う……!!」←
と自分に言い聞かせれたからなのです…!!

もしも見てくれたって言うのなら、泣いて土下座してお礼言いたいくらいです。

次は100目指して頑張りたいです!

何とか完結させますので…!(多分←


これからも薫をよろしくお願いします!!!!



12/25 クリスマスぅぅぅぅ(黙

51:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 11:57 ID:WRY


唇を噛み締める。


悔しさと悲しさが…溢れてきて。


友達だったきいちゃんは、もういない。


今目の前にいるのは、真っ黒に染まったきいちゃんだ。


「いじめ」というものに手を出す人ではないはずなのに。

優しくて、それこそいじめなんかを毛嫌いしてて…。


人が変わる瞬間。

きっとそれは、“裏切り”が原因——…



「…こんな時間に、バケツ?」


「…ごめんなさい。昨日私が、捨て忘れちゃって…」


涼太くんの問いかけに、今まで見ていた子が乱入する。

女の子がそう言ったあと、きいちゃんは不気味に微笑んだ…気がした。


いや、微笑んだ。


私を嘲笑うかのような顔で、「謝れば許してくれる…」なんて私の浅はかな願いを、もみ消した。


悔しい。
何も言えない自分が。



「…そう、なんだ」



きいちゃんが、変わることを信じてしまって


真実を伝えられない自分が、憎い。

52:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 15:53 ID:Euo


やだ。
やだよ、涼太くん。

そんな顔しないで。

安心したように、微笑んだりしないでよ。


私にも聞いて。

そしたら、正直に言うから。

きいちゃんを変える一つとして、素直に言うから。


ねえ、涼太くん。



涼太くんは、好きな女の子の言うことを信じるの?



「…涼太、くん」



痛い。痛いよ。


裏切られて、助けてくれた人には素直に言えなくて…。


きいちゃんが不気味に笑うその顔を、ただ見ていることしかできない。


涼太くん。涼太くん、ちゃんと見てよ。


笑ってるのが分からないの?
ほくそ笑んで、私をまた苦しめようとしている心が見えないの?



「ん?」



涼太くんが振り返る。

目を合わせただけで、言いづらくなって。


…涼太くんが私を好きならば、今頃気づいて傍にいてくれたかな。





「何でも、ない。ハンカチ…ありがとう」





この苦しみは、どこにやればいいだろうか?

53:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 18:40 ID:Euo


—————…


「っ!」


ぱっと目を開ける。

机、窓、本棚…。

そして黄色いカーペット。


間違いなく、私のだ。


「……ゆ、め?」


夢であってほしい。
そう願った。

学校に行って、いつも通りきいちゃんと笑い合って…。


嫌いと言ってしまったことをちゃんと謝って、またいつもみたいに隣にいたい。

課題見せてって言われて、仕方なく見せたり…そんな平凡な毎日。


それがどんなに幸せなのか。

あの“夢”のおかげで分かったよ。



「……っ、た…」





——違う。夢なんかじゃない。


きいちゃんに裏切られたことも、バケツの水を被ったことも、涼太くんに助けてもらったことも…。





全てが、現実だ。

54:陽実 ◆NLsI:2012/12/26(水) 18:46 ID:euY

えっと…、勝手に乱入ごめんなさい。

薫の文才は素晴らしいし、私なんかが言えることじゃないんだけど…

>>53の“夢”じゃないって気づいた事の原因?がわかりにくいかなって…思いまし、た。


いやこんな糞駄作者が偉そうにごめんなさいです←

55:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 18:56 ID:Euo

>>53間違えた;


—————…


「っ!」


ぱっと目が開く。

視界いっぱいに、真っ白いものが映った。


…天井?


ゆっくり周りを見回す。

机、本棚、窓。


間違いなく…私の部屋。


そして窓からは、眩しい太陽の光が差し込んでいる。

鳥のさえずりも聞こえた。


咄嗟に時計を見る。

針は5時半を指していた。


「ゆ、め…」


気づけば体はぐっしょり濡れていた。


バケツを被った教室。
裏切られた教室。
助けられた教室…。


全てが悪い夢だったんだ。

夢、そう…夢。

言い聞かせるように何度も心の中で繰り返す。


妙に…リアルだった。

56:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 18:57 ID:Euo


Σうお、書き直し中に書き込みが

分かってて書き直したとこだったんだ、なんかごめん

>>陽実

57:陽実 ◆NLsI:2012/12/26(水) 18:58 ID:euY

>>薫
這狽サうか

こちらこそゴメンだ…

58:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 19:04 ID:Euo


体中に汗が流れてる気がして、気持ち悪い。


…早く起きたことだし、朝風呂でも入ろうかな。


眠たい目を擦りながら、あくびをする。


あの夢、…怖かったな。

きいちゃんに裏切られるのは、いくら夢でも耐えられない。


夢でよかった。
また今日もいつも通り笑えることが、すごく幸せな感じがするよ。


不思議と笑みがこぼれた。

ふふ、と小さく笑ったあと、ゆっくり起き上がる。


とその時、


「いっ……た…」


ズキン、とお腹が痛んだ。

これまでにないくらいの痛み。


腹痛なんかじゃ、ない。

何かにぶつけたりでもしなきゃ、こうにはならないよ。



…どくん、と心臓が鳴る。



夢じゃ、ない…?

59:薫 ◆0rlM:2012/12/26(水) 21:49 ID:Euo


どくん、どくん、と心臓の音は大きくなっていく。

息が苦しくなるほどに、心臓は暴れた。


変わらず痛みを持つお腹。

夢じゃないとしたら、現実?

きいちゃんに…裏切られ、た…?


「う……あ……あぁっ…」


上手く状況把握ができない。

苦しくて、ただ混乱して。

嘘だよ、嘘だよね?ただ必死に心の中で問いかけて。

返ってくるはずのない返事を求めて、私は頭をぐしゃぐしゃにかき乱した。


夢じゃなかった。

…そうだ、昨日はあれから何もされずに帰って来られたんだ。


涼太くんが近くにいてくれたおかげで。


でも、時折きいちゃんを探す涼太くんを近くで見てて、すごく苦しくなったんだ。


夢だと思い込んでいた自分がバカみたい。

自分は幸せだと思って…バカ、みたい。



地獄の幕開けは、今日からかもしれないのに。

60:♪えりヵ`♪:2012/12/26(水) 22:43 ID:xBM

やばい、すっごく面白い!!!

一気に読んじゃいました。
文才やばいですね!!
私が他人の小説一気に読むことなんてそうそうないですよ(ry
続き楽しみにしてます★

61:薫 ◆0rlM:2012/12/27(木) 11:21 ID:Euo


あ、ありがとうございます…!!!
このような駄作を読んでくださるだなんてっ…!!!!
嬉しいです、頑張らせていただきます!!!

>>♪えりヵ`♪さん

62:薫 ◆0rlM:2012/12/27(木) 11:50 ID:Euo


頭とお腹がどうしようもないくらいに、痛い。

行きたくない。
学校なんて…行きたくないよ。


「実莉、起きなさい!」


その時、お母さんの鬼のような低い声が響く。

びくり、と体は反応したけど、布団から出ることはなかった。

尋常じゃないほどに体が震えて、力が入らない。


返事をすることなくただ震えていると、お母さんが階段を上る音が聞こえた。


「実莉!!」


鼓膜が破れそうってほどに、お母さんの声は部屋中に響いた。

とっくに起きているというのに、「起きなさい!」とお母さんは怒鳴り、私の布団を無理やり剥ぎ取る。

それでも私は何も言えなくて…。

するとお母さんは、眉をひそめてからゆっくり布団を取る力を緩める。


「泣いてるの?」


「う、えっ?そ…んなこと、ないよ」


誤魔化しは、お母さんに通じないようで。

先程の鬼の形相が欠片も残らない優しい顔で、私のベッドに腰かける。


「言いなさい」


強く、頼りがいのある目だった。

だから私はすごく安心したんだ。

よかった。
お母さんなら、助けてくれる。


本当、いい家族だよ…。


「わ、たしね……いじめられ、てる」

63:薫 ◆0rlM:2012/12/27(木) 11:59 ID:Euo


正しくは、“いじめられる”。


怖いはずなのに、震えはもう止まっていた。

お母さんに相談すればもう平気。大丈夫。
そう思うと、安心できた。


…けれど、


「…希依華ちゃんがいるでしょ?」


お母さんが最初に言った言葉は、それだった。

どこか焦ってるようにも感じて、私は確信した。


…信じてない。
…私はもう、逃げられない。


「ほ、本当だよ…!」


でも事実を受け止めたくなくて、必死に訴えた。

「きいちゃんがいじめる」とは言わなかった。…いや、言えなかった。


もしお母さんが、きいちゃんのお母さんや学校に電話したら?


…きいちゃんとは、もう永遠に友達に戻ることはない。


そんなの、嫌だ。絶対嫌だ。

私はただ、きいちゃんと仲を取り戻したいだけ。

64:薫 ◆0rlM:2012/12/27(木) 13:34 ID:Euo


そして私は、すがるような目でお母さんを見つめる。

お母さんはぎゅっと口を結んで、喋ろうとしない。

額から汗が垂れていた。


…おかあ、さん?


「お母さん、なんで」


なんで。
なんで「大丈夫だよ」って「お母さんがいるよ」って、言ってくれないの?


自分の子供でしょ?

大切な娘なんでしょ?家族なんでしょ?


「助けて…くれないの?」


ついに思っていたことを口に出した。

お母さんの腕をしっかり掴む。

微かに震えたお母さんの腕は、弱々しくて頼りなかった。


瞳もいつの間にか、弱くて、儚いものになっていた。


…助けて、くれないんだ。


変わらず口を開かないお母さんに絶望した。

逃げられない。きいちゃんにほくそ笑まれ続け、私は生きていくんだ。


将来大人になって、幸せな家庭を作っても、いじめというものはいつまでも私を追い詰める。

苦しみから救ってくれるものなどいない。心に傷を抱いて、生涯歩み続けなければいけないのだ。



もう、私の未来には何もない。

65:時雨 ◆97Dk:2012/12/27(木) 13:56 ID:T/.

>>64の話……

感動ですわ。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

Σなぜにお母さん、実莉ちゃんを助けてあげないんだぁぁぁぁ!((黙死蹴殴

グスン…

更新、ガンバ!ですわ♥←

66:時雨 ◆97Dk:2012/12/27(木) 13:57 ID:T/.

↑クロです、はいスマソ…

67:薫 ◆0rlM:2012/12/27(木) 14:59 ID:Euo

ありがとう泣←
頑張るねぇぇぇ!!!!
>>時雨ちゃん

68:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 12:24 ID:Euo


沈黙は数分続いた。

お母さんは何も言わず、少したりとも動かず。

私は目を潤わせることしかできない。


ただ真っ直ぐにお母さんを見つめても、
お母さんは曇った顔をして目を逸らす。


それがどうしようもないほど悲しくて、
いじめられるという恐怖が大きくて、


私の心は崩壊しそうに、
ボロボロになっている気がした。


「…早く、準備しなさい」


ようやくお母さんの口が開く。

でも、出たのはそんな言葉。


「お母さんっ……お母さん、何で……!」


叫ぶように、すがるようにお母さんの腕を掴む。

優しく暖かい家族。
だから助けてくれると、安心していた。


そんなの…間違いだったの?
お母さんは、何で助けてくれないの?


「っ…いいから用意しなさい!!」


バッとお母さんは私の手を振り払い、
驚愕する私にそう叫ぶ。


私の目から、大量に涙が零れる。
心が叫び声を上げた。


お母さん……なん、で?

69:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 13:00 ID:Euo


そしてお母さんは、部屋を出ていく。
放心状態の私を置き去りにして。

ポロポロと溢れる涙は、布団を湿らせていく。

ぎゅ、っと布団の端を握った。

手が震えて力は出ず、

強く握ったつもりの布団は
呆気なく私の手から解放される。


学校なんて行きたくない。

助けるのが難しいとしても、
「学校休む?」
くらいの気遣いがほしかった。


でもお母さんは?
なんて言った?


——『…早く、準備しなさい』。


私を突き放した。
優しいお母さんが、私を助けようとしてくれなかった。


どうして?
私は…大切じゃないの?


唇を噛み締める。
血の味がして、噛んだ部分が痛い。
それでも強く噛み締めた。

手にも再び力を入れ、
強く布団を握りしめる。


…自業自得。きいちゃんの悪口なんて言ったのが悪かったんだ。

怒り任せにあんなことを言ってしまって、
自分の未来を自分で壊してしまった。


友達ごっこだとしても、
ずっときいちゃんの隣で笑っていたかったよ。



——私は、どうしてこんなにも弱いの。

70:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 14:26 ID:Euo

はい、まぁ一応祝70ということで。
応援コメントありがとうございます!!

雑談にならない程度のコメントがすごく嬉しく感じてます(笑)

元々読者は少ないと思うんで、
コメントが少ないのも仕方ないですがゞ

これからも頑張りますので、
密かに応援してくれてる方も応援続けてお願いします!

71:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 15:20 ID:Euo






それでも私は学校へ行く準備をして、
家を出ることになった。

準備の間から家を出るまで、
お母さんとは一言も話すことはなかった。

「行ってきます」も言わずに、
家を飛び出して来た、ということ。


…今はお母さんの顔も見たくない。

そう思ってしまうほどだった。


そして
地獄、と呼んでもいいほどの学校へ足を運ぶ。

行きたくないという気持ちが、
私の足をいつもより格段に遅めた。


でも、休むことは許されない。

高校生だから。
勉強も遅れたら困る。


すう、と息を吸った。


入ってくるのは、
淀んだ汚い空気だけ。

清々しい空気なんて、
少しも私の周りにはなかった。


…行きたく、ない。

72:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 15:25 ID:Euo


いじめと言う名の地獄。

それはいつ私を待ち構えているか分からない。


登校中かもしれない。
学校に入ってすぐかもしれない。
教室に入った瞬間かもしれない。

油断させといて、
放課後に派手なことをされるかもしれない。


そう思うと、
情けないほどに足が震える。


それはただのいじめではなくて、
きいちゃんからのいじめだからだ。

裏切られた親友から受けるいじめは、
普通に受けるいじめよりきっと苦しい。

辛くて泣きたくて、
最後は命をたってしまうかもしれないんだ。


テレビのニュースでよく見る
“いじめが原因で自殺する生徒”。

可哀想、と
いつも他人事のように考えていた。


今は他人事じゃない。
自分もいつかニュースでやるのかもしれない…。


そう思うと、
余計に学校に行きたくなくて。


“私”という名の存在が、
消えてしまえばと思ってしまう。

73:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 15:35 ID:Euo


「……っあ、」


何考えてるんだろう私。

消えてしまえばいい…なんて。

せっかくお母さんが産んでくれた命。
神様がくれた命、なのに。

ダメ。
あんなこと考えちゃ…ダメだよ。


自分に何度も言い聞かせているうちに、見えてきた建物。


それは、自分の学校で。

まるで不のオーラを出しているように、
私にとってはすごく不気味に感じた。


…ごくり、唾を呑む。

怖い、
けど逃げてちゃダメってことくらい分かってる。


きいちゃんと話をしよう。
話し合って、また友達に戻りたい。


まだ微かに残った希望を信じて、
前のきいちゃんを取り戻すんだ。

また
優しいきいちゃんに戻ってほしい。


涼太くんのことは
私自身、一生懸命頑張ろう。

例え好きになってくれなくても、
私の初恋は生涯胸で輝き続ける。


…頑張らなきゃ。


そう決心し、
私は早足で学校に入った。

74:実莉ちゃんが可哀想すぎて号泣中のあんず:2012/12/28(金) 15:57 ID:mTs

実莉ちゃん、可哀想………。

ヤバイ……涙でそうっ………。
お母さん、助けてあげてよおおぉ……。

75:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 16:03 ID:Euo

Σ私の小説なんかで涙!?
ありえないありえない、あんず平気?
眼科を進める、うちの小説は駄作過ぎて泣けるわけがないry
>>あんず

76:あんず:2012/12/28(金) 16:29 ID:mTs

平気平気!目は正常!!

あと、訂正。

【誤×】小説は駄作すぎて……

【正○】小説は神作すぎて……

77:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 21:21 ID:Euo






…嘘でしょ。


きっと顔は真っ青。
心臓が口から飛び出しそうなほどに激しく動く。


目の前には下駄箱。
その下駄箱にはもちろん上靴。

でもいつもと同じものじゃない。


たっぷりと入った、汚い水。


掃除用のバケツで、
汚い雑巾を何度も洗ったような若干黒い水だ。

それが、私の上靴の中にある。

夢だと思いたい。
でも心の痛みが、現実だって言ってるような気がして。


——怖い。


教室に入ったら何をされる?
どんな目で見られる?

恐怖が私の体を呑み込む。

震える手足。
とにかく今は、この上靴の水を捨てなければ。

今日は一日…スリッパということになる。


嫌な顔をしつつも、必死に耐える。
きいちゃんと話せる機会さえあれば。

大丈夫。
話せば…分かってくれるよ。



…分かって、くれる?



本当にきいちゃんは、
いじめるのをやめていつも通りに戻ってくれる?


そんなのありえない。


信じたいのに、
信じられない。

きいちゃんは
永遠にあのままのような気がして。

私が何をしたって、ダメだってくらい
本当は自分で理解できてるんだ。


何を、考えて…いた、の。


現実を見ろ。
いじめは簡単に終わりを遂げるわけではない。


犠牲者がいるのは
止まらない、いじめのせい。

78:薫 ◆0rlM:2012/12/28(金) 21:22 ID:Euo

ありがとう、
神作ってのは嬉しいけど、そんなことないよ…(苦笑)
葉っぱで上手い人はたくさんいるよ。
だから頑張るんです(笑)
>>あんず

79:あんず:2012/12/28(金) 21:25 ID:mTs

どんどん上を目指してる薫は、
私の憧れだよ。
小説に対してとても真剣な薫みたいな
小説がいつか私は書きたい。
(私の中の葉っぱで上手い人の中に
もちろん薫は入ってるよ!)

80:薫 ◆0rlM:2012/12/29(土) 10:48 ID:Euo


それから私は、
すぐさま上靴の中の水を外に捨てた。

そして靴下のまま、職員室へ行く。
微かに足が震えてることは、気づきたくなかった。

ここまでしたら、
必然的に教室へ行かなければいけない。


元々行くつもりだった。
けれど、怖くて。

逃げ出してしまいたかったけど、
このままじゃ前に進まない気がして。


前に進む気はさらさらない。
どうすればいいかも分からない。

けれど、逃げていたら
きいちゃん含め女子らの思うがまま。


今頃机が汚されていたり、
ロッカーに何か入ったりというのがあるかもしれない。


怖い。
けど、行かなきゃいけない。


お母さんが助けてくれるわけじゃないなら
自分でできることをしたいよ。

81:薫 ◆0rlM:2012/12/29(土) 10:49 ID:Euo

照れるんだけど//←
上手い人の中では私は最下位orz
その前に、上手い人の中に入ってることが嬉しす。w
>>あんず

82:薫 ◆0rlM:2012/12/29(土) 11:06 ID:Euo




目の前には教室の戸。

珍しく中は静まり返ってる。

何かされる、
とは普通に考えられた。

慣れた素振りをしてるけど、
実は震えが止まらない。


だから拳を強く握って、
ゆっくり教室の戸に手をかけた。


ガラッ、と戸が開く。


ポフ、という
柔らかい物が落ちるような音。

そして頭に違和感。

床に転がる黒板消しは、
落ちた拍子に床に粉がつく。


当たり前のように、教室には


「あははははは……っ!!」


笑い声が響いた。

83:薫 ◆0rlM:2012/12/29(土) 16:04 ID:Euo


床に落ちる黒板消しを見つめる。

呆気と下を見ていると、パラパラと何かが落ちてきた。

それも頭から。
ゆっくり頭に手を触れてみる。

ザラ、という感触。


「っ!!」


手を恐る恐る見てみた。
白くついたものは、間違いなく粉。

チョークの……粉、だ。


「実莉、あんた本当バカ」


怖い。
近寄って来るきいちゃんが。

頭に落ちた黒板消し。
今までなかった喪失感が溢れた。


「何で!?どうして私なの…!」


「はぁ?」


私の言葉を遮るように、
きいちゃんが冷たい声を漏らす。

84:薫 ◆0rlM:2012/12/29(土) 17:51 ID:6OU


どくんと心臓が鳴った。

指先が冷えて震える。
それを隠すように私は強く拳を握りしめた。


そして改めて、教室を見回す。
今日は男子もいた。

でも男子は共犯じゃない。

「女子って怖いな」、なんてこそこそと話すだけ。

涼太くんの姿はなかった。

ここにもし涼太くんがいたら、
助けてくれたかもしれないのに。


「…きいちゃ、ん。私、きいちゃんと前みたいに笑い合いたいよ」


「……」


「ついカッとなっただけ。ずっと後悔してた。私はきいちゃんが必要だよ。嫌いなんて、思ったことないよ…!」


近寄るきいちゃんの腕を、
私は強く掴み訴えかける。

きいちゃんは曇った顔のまま
じっと無言で私を見ていて。


前みたいに戻りたい。

その感情が溢れてきて。


たくさんの涙が溢れた瞬間、
静かだった教室に耳障りな音が響く。


—パンッ……と。

85:薫 ◆0rlM:2012/12/30(日) 11:53 ID:6OU


高笑いしていた女子も、
見ているだけだった男子も、

両方が驚いたような目で見る。


一瞬静まり返ったあと、ぐっときいちゃんに胸ぐらを掴まれる。


冷たい目…。

真っ暗な瞳は、
私を見てるかさえも分からない。

ただ背筋が凍るような
今までにみたことのない瞳が向けられる。


「きい…ちゃ」


「あんたなんか大嫌い」


私の言葉を遮り、
きいちゃんは強く言い放つ。

ぐるりと世界が一回転したような、
不と悲しみに呑み込まれるような感覚。


でも、
苦しむ私よりも、

どこかきいちゃんの方が悲しそうに見えた。

86:薫 ◆0rlM:2012/12/30(日) 14:18 ID:6OU


何で。
何できいちゃんがそんな顔するの?

今そんな顔すべき人は、私のはずだよ。

きいちゃんに胸ぐら掴まれて、苦しくて、
親友だった人に裏切られて。

泣いてもいい場面だよ。


どうして?
どうしてそんなに悲しそうなの?


「な、んでそんな…」


「っ…うるさいっ……!!」


ぐっ、ときいちゃんの手に力が籠められる。

苦しい。
苦しいのに、なぜかきいちゃんのことが心配になって仕方ない。

そんな顔しないで。
そんな目で見ないで。


きいちゃん。
何か背負ってるものがあるなら、私に言ってよ。


もう私は
きいちゃんにとって邪魔なだけな存在—?


「…きいちゃ、っ、泣…いてるの?」


きいちゃん。
真実が知りたいよ。

87:薫 ◆0rlM:2012/12/30(日) 15:19 ID:6OU


きいちゃんをじっと見つめる。
するときいちゃんは私を睨み付け、


「っ…あんたなんか大嫌い…!」


そう強く言った。

その鋭い言葉は心に刺さって。
抜こうとすればするほど痛くなる。


“大嫌い”


何度もこだまするきいちゃんの言葉に、頭がおかしくなりそうだった。


「っ、き、きいちゃ……」


もがきながらも名前を呼ぶと、
きいちゃんは勢いよく私を床に叩きつけた。


いた、い。


心も。
叩きつけられた体も。
叩かれた頬も…。


全部全部痛い。
もう、壊れそうだよ。
私という人間が……消えちゃいそうだよ。


「っ…う、」


ポツン、と床に雫が零れた。

それに気づいたきいちゃんは、
口元に不適な笑みを浮かべる。


「あはははっ……いい気味…!」




静まり返った教室に響くのは



希依華という名の少女の笑い声。

88:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 12:04 ID:6OU


クラス全員の顔が
青く青く染まっていて、

きいちゃんだけの笑い声が響いて。


きいちゃん?

ねぇ、どうして?どうして笑うの?


「悲しいなら、泣いていいんだよ…」


気づけば口から出ていた言葉。

言葉を発した私本人も、驚くしかなかった。


きいちゃんの笑い声は止む。

遠ざかっていたきいちゃんとの距離が再び縮まった時、



「……え?」



ふと耳に響いた声。

小さくて弱くて、
よく耳を傾けなきゃ聞こえないようなボリューム。

それは確かに私の耳に響いて。


愛しい人の声。
大好きな人の声。

私を助けてくれる優しい声—…



「りょ、うた…くん」

89:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 12:30 ID:6OU


きいちゃんとの微妙な距離。
そしてクラス全員の引きつった青い顔。

これを見ておかしく思わないはずがない。


私って本当ダメだな。
二回も助けてもらうことになるなんて。


殺気だってるきいちゃんの瞳が近づいて来て、
震えが止まらなかった。


ただ真実を言っただけなのに。

もしもあのまま涼太くんが来なかったら、
どんなことになっていただろう?


「佐賀さん、これは…」


涼太くんの悲しそうな顔が、再び目に映る。

針で刺されたみたい。
胸が痛くて、痛くて、ジッとしてられない。


やめてよ。
そんな顔しないで。


もう、自分が分かんないよ…。



「…だから、あんた、きらい」



きいちゃんの顔は
バカにしてるんでも、怒ってるんでもなくて。

今までにないような
悲しみと寂しさに満ちた表情。


それを見た私までもが
悲しくなって、何も言えなくて。


“きらい”、そう言われて悲しかったはずなのに。

きいちゃんの表情が
“きらい”と言ったきいちゃんの方が
悲しそうに見えた。

90:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 15:18 ID:3gw


はい、また駄作者の登場です。
皆様の応援のおかげでようやく90!

ありがとうございます!

まさかね、90もいくとはw
思ってもなかったです!

前回も言った通り、この小説はとにかく完結させたいです。


いじめ×恋愛×ミステリー


↑この小説のジャンルはこれ!!

ただの恋愛でもいじめ小説でもない、でも決してすごい推理的なものでもない。

けっこー驚くこととかも入ってます!


ってことで
これからも応援お願いしますノ

91:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 18:13 ID:3gw



「……涼太く、こ、これは」


難しそうな顔をしている涼太くんに、
私は声をかける。

何か言わなきゃ
この空間にいるのが耐えられなかった。


「とにかく座りなよ」


“大丈夫?”、その言葉はくれなかった。

呆然としている私から涼太くんは目を離す。


「…ごめん、ちょっと、整理したい」


——何それ。


どう見ても、きいちゃんが悪者だったよ。

それなのに、何も言わないの?


きいちゃんが好きだから?
きいちゃんの言うことを信じたいの?


…何で?

私だって涼太くんが好きだよ。
大好き、なの、に。


「涼太…く、…」


目から暖かいものが溢れ出る。

苦しい。
息ができない。


なんで?
私の方が涼太くんを好きだよ。


なんできいちゃんばかりなの?
私のことも、少しくらいは見てよ。


ぺたりとその場に座り込む。
きいちゃんと涼太くん含めクラス全員の視線が私に寄る。


「——…もう、みんな、きらい」


そう一言だけ言い放ち

私は、教室から飛び出した。

92:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 18:23 ID:3gw


きらい。
みんな、みんな、だいきらい。

私を裏切ったきいちゃんも。
一緒になって笑う女子も。
見るだけの男子も。
きいちゃんしか見えてない涼太くんも。
私を助けてくれないお母さんも。


きらい。
何もできない自分が、だいきらい。


「っ……う…」


静かな廊下に声が漏れる。

もう予鈴が鳴って、廊下にいた人達はみんな教室に戻って行った。


私、一人。
私一人が廊下を歩く。


静かで、どこか儚い。
歩くだけで涙が溢れそうな廊下。

どこかを目指していたわけじゃない。

ただ気がつけば、目の前には空き教室があって。


…サボるなら、ここ。


そう考えた私は、人気のない廊下に戸を開ける音を響かせる。


開けてすぐ目の前にあったは、
一つの机と椅子。

その横の段ボールの中から覗くのは、
古い教科書、なんだと思う。



そして——

93:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 18:32 ID:3gw




「…誰、」



校則を堂々と破った茶色い髪の毛。
制服はろくにネクタイもしていない。

しかもブレザーは
たくさんある段ボールの一つにかかっている。


う、わ、な、何この人…!


顔が青くなる。
私はこの人を不良と見た。


高すぎる目線。
何だか合わせたくなかった。

顔が見れない。
なんとなく、怖い。


余計に涙が浮かぶ。
やだ、こ、怖い。誰か、誰か助けて。


ぎゅっと目を瞑る。とその時、


「おいこら、聞いてんのか」


びくっと体が飛び上がる。

私は咄嗟に下を見た。


目を合わせたら殺されそうな雰囲気。
震え上がるほどの低い声。


第一印象は“不良”、だった。

94:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 18:45 ID:3gw


すると、
前からは重いため息が聞こえる。

一瞬にして鳥肌がたった。


ヤバイ。
殴られる?殴られる?殴られる?

ど、ど、ど、どうすれば。


どうしてこんなとこに来ちゃったんだろう…。

後悔という名の感情が、私の体からため息を吐き出させる。


——やってしまった。


この人の前で、重苦しいため息を吐き出してしまうなんて。


「…おい」


い、嫌だ嫌だ嫌だ。

もう少し生きたい。
もっと生きたかったよ。


きいちゃんに…謝ってないもの。


……って。

しんみりしてる場合じゃない。
絶体絶命、どうしよう。


その時、ふっと影ができる。


床に映るのは、
私に手を伸ばす男の彼。


背中と額に、大量の汗が流れた。



「す、す、す、すみません!!今すぐ出ていくので、どうか命は…!!」



声も体も震えてる。
でもかっこ悪いなんて言ってらんない。

95:薫 ◆0rlM:2012/12/31(月) 18:47 ID:3gw

私に手を伸ばす男の彼
→私に手を伸ばす男の影

96:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 12:54 ID:3gw


サッと私はその場にうずくまる。

怖い、という恐怖心しかない。

怖い怖い怖いと体の中で
唱えもののようにして繰り返すせいか、
余計に恐怖が沸き上がる。


死にたくない。
死にたくない死にたくない。

きいちゃんと仲直りしたい。
本当は、きいちゃんだけが好きなんだから——…


「おい!!」


「ひっ」


「……何もしねぇよ」


「う、あ、す、すみませっ…」


改めて、
自分はビビりだと実感。

でも殺されなくてよかった。
そんな当たり前なことに安心してしまう。


私はそっと、顔を上げてみた。


釣り上がった瞳
そして薄い唇


明らかに不良。
今までに何人の人を病院送りにしたのだろう、とまた怖くなる。

とにかく目が怖い。

何でそんな怖い顔なの、と思ってしまうほど。


ああ…自分、情けない。
でもやっぱり、怖い。

97:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 14:21 ID:3gw



「お前サボりか。それとも失恋か?」


立ち上がろうとした瞬間、
男は切れ長の目をきゅっと細くさせて笑った。


失恋どころか、告白さえもしてないし。

いやでも、きっと告白されても振られるんだから、
失恋と同じかぁ。


そう思うと、悲しくなる。
この人といたら、涙腺が崩壊されそう…。


「…いじめ、られてるんです」


「いじめ?」


「はい。大好きだった親友に…裏切られて」


ぎゅっと拳を握る。
思い出しただけで、苦しい。


男は驚いた顔一つせず、段ボールの上に座った。


そして壁に頭をつき、ため息を吐く。

すると、耳についたピアスが揺れた。


やっぱり不良だ…。
耳についている数個のピアスを見て、再び恐怖が沸き上がった。

98:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 14:29 ID:3gw


それからしばらく沈黙が続く。


心臓がバクバクうるさい。
何を言われるのかと思うと、不思議と体が戦闘体勢。


勝てるはずないって分かってるのに。
絶対強そうだなぁ、この人。

私なんかきっと、一発KO…


「……いじめ、いじめか」


とその時、男が口を開いたかと思ったら、
クスクスと笑い始めた。


な…何この人。


いじめられてるって聞いて、普通笑う?
…なんて、最低なの。


酷すぎるよ。
私の気も知らないで。


「さ……最低、」


ポツリと涙が床に落ちる。

やっぱりこの人とはいられない。
毎日が泣いてばかりになってしまう。


もうこの教室には来ないようにしよう。
そして、早くこの場を逃げ出したい。


…なのに、体が動かない。


きいちゃんの笑い声が、頭にこだまする。
きいちゃんの顔が、頭に浮かぶ。


「いじめられたことも…ないのに、笑ったり…しな、いでくださ…」


助けてほしくて、
この男に話したんだと思う。

笑われるなんて思ってなかった。


でも結局は、
自分で何もしようとしない弱虫。


この人が悪いわけじゃないのに、
涙が止まらないよ——…。

99:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 15:07 ID:3gw



窓から入り込む風が、
私の頬を撫でる。

涙で濡れている頬は、
風が当たって冷たかった。


男は泣いている私を見ても、
全く動じない。


立ち上がろうともしないし、
何か言うわけでもない。

それどころか目も向けず、
パタパタと顔を仰いでいた。


この人は悪くないのに、
やっぱり必然的に悪者にしてしまう。

だって
慰めてくれてもいいと思うよ。

でも、初対面だから。
慰めてくれるわけがないよね。


変わらず涙を流す私と、
変わらず座り続けたままの男。


時間がたち、
涙でぼやけた視界を男に向けていた。



とその時、

100:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 15:09 ID:3gw


…………っ!!!!

まさかの!!!!
まさかの100レス到達です!!!!!

めちゃくちゃ嬉しい…っ!


これからも頑張りますので、
よかったら応援お願いします!!!!



1/1(火) はっぴーにゅーいやー←

101:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 17:33 ID:3gw



「んっ」


目の前が暗くなった。
同時に何かが私の顔に舞い降りる。
舞い降りた何かを手に取ってみた。
紺色のそれは、この男が投げたのだと思われる。

何これ?

紺色のものを広げてみる。
金色のボタンがついていた。

間違いなく、制服。
…この人の、制服なのかな。


「…こ、これ」
「泣き顔キモい」
「なっ」
「涙拭けよ」


すごい口悪い。…なのに優しい。
不良なくせに。何でこんなことするの。
優しさだってくらい分かるよ。
侮辱してるふりして、慰めようとしてるってくらい。

分かるから、余計変な気持ちになる。

いじめられてるって事実を笑ったくせに、急に優しくなるなんて。
なんて返せばいいか分からない。

…ありがと、って、取り合えず心の中で言ってみる。

102:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 17:51 ID:3gw


だからと言って、人のブレザーで涙を拭いたりなんててできない。
だから私は自分のブレザーでゴシゴシと拭いた。

泣きすぎたかな、目が痛い。

この人に泣かされたのに。
優しくされたら、何も言えなくなっちゃったよ。

カチカチと時計の音だけが響く。
男は壁に頭をつけた状態で、動かない。
顔の上に腕を乗せているから、表情は分からなくて。

私はただ男を密かに見つめることしかできなかった。

…「ありがと」、素直にそう言えない。
まだ少し怖いし、言いづらいし。
泣かされた相手にお礼を言うのも変だから。

目の前にある椅子に、小さな音一つたてずに静かに座った時だった。


「いじめって、どんなことされんの」


男の問いかけに、一瞬戸惑った。
なんて答えればいいんだろう?
また言って、笑われるのが怖い。

…どうしよう。


「物隠されたりとかか?」
「……」
「やり返せよ」
「……でも」
「逃げてばかりじゃ変わらねぇよ」


男の言うことは、正論で。
私は逃げてばかりだって、本当は気づいているの。
でもどうすることもできないから。
大人しくやられることしかできない臆病者。

そんなの自分が一番分かってるよ。

103:あんず:2013/01/01(火) 17:52 ID:mTs

恋愛系に進んでるね〜♪
やっぱり私的には、いじめ系より
恋愛系だなぁ〜♪

あと、100おめでとうっ!!

104:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 17:56 ID:3gw

恋愛、恋愛なのか←
そうか…(だから何なんだよ
大丈夫、もう少ししたらいじめに戻ると思うから←

ありがとう!!
>あんず

105:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 18:05 ID:3gw


…そもそも、いじめは始まったばかり。
これを「いじめられてる」と表現していいのだろうか?

そんなどうでもいい疑問。
これを理由にいじめの内容を言わないようにと考えてる私は、やっぱり弱虫だ。

初めてはバケツの水をかけられたこと。
そしてあの日は女子全員に無視された。
今日は黒板消し。

…あのまま教室にいたら、男子からも無視されていたのかな。

そう思うと、涙腺が緩んだ。
いつの間にこんなに弱くなったんだ、私の涙腺。


「あ、あの、」


その前に。
全てを話して助けを求める前に、私はこの人のことを知らない。

同じ学年にはいない、はず。
私は手に持っているブレザーを見た。

1年生のネクタイまたはリボンの色は、赤。
2年生はオレンジ。
そして3年生は緑だ。

この人のネクタイの色は、緑。
…3年生なんだ。

二歳も年上だと知った時には、敬意を払うことができなかったことに後悔する。
ちゃんと敬語使わなきゃ。


「おい」
「は、はい」
「何なんだよ?」
「あ、え、えっと、名前を…」


男は「名前?」と言って、顔を上げた。
私の方に向けられる視線はやっぱり怖くて、目を逸らしてしまう。

106:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 18:21 ID:3gw


はぁ、と男のため息が聞こえる。
そのため息があまりに怖くて、びくっと肩が揺れた。

やっぱり目を逸らすのは、失礼だったかな。

教えてくれないかもしれない。
そう思うと後悔が押し寄せてくる。

もう一度言い直そうとすると、


「お前の名前は?」


と、男が聞いてくる。
どこかめんどくさそうにも見えるけど。


「こ、古賀 実莉です」
「そうか」
「……」


……じゃなくて!!


「あ、あなたの名前が知りたいんです」
「んだよ、それならそう言えよ」
「す、す、すみません」


慌てて頭を下げる。
チッと男は舌打ちをしてから、再び壁に頭をつけた。

怖すぎる。
気づけば涙は止まっていて。

悲しみも残っていない。
そのことに、私は全く気づいていなかったのだけれど。

107:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 22:23 ID:3gw


男はめんどくさそうに頭を掻いた。
やっぱり聞かない方がよかったのかもしれない。

この人、私をこんなにも怖がらせていることに気づいてないの!?

何となく身を屈めた時、


「三浦一馬(みうら かずま)」
「…三浦、一馬…さん」
「一馬でいいんだ、ばか」


か、か、一馬と。
年上を呼び捨てで呼べと?

いやいや、無理。
そして怖すぎる。

でも、何となく、気になるから。
名前で呼んだら、もっと親しくなれるのかなぁ…?

108:あんず:2013/01/01(火) 22:48 ID:mTs

三浦一馬くんって……
ツンデレキャラ?

実莉ちゃん!頑張って!!
なんか、色々と……ね?w

もちろん薫も頑張って♪

109:薫 ◆0rlM:2013/01/01(火) 22:57 ID:3gw

ツンデレ…
うん、そういう系目指してるな←
ありがとう!!
全力で頑張らせていただきます(笑)

>>あんず

110:薫 ◆0rlM:2013/01/02(水) 16:33 ID:3gw


って。
何考えてるんだろう。
この人と仲良くなる気は、ないって思っていたのに。
親しく…なんて、自分がそんな関係を望んでいることに恥辱を感じる。

一馬……先輩、に、何もかも話していいのかもしれない、って思ってしまってる私は、一体どうしたんだろう。
誰かに支えてもらわなきゃ…自分が壊れてしまいそう、という気持ちが、ある。

「か、か、一馬先輩」
「あ?」
「ひっ……え、あ、ご、ごめんなさい。」
「……何だよ」

やっぱり怖い。

111:薫 ◆0rlM:2013/01/02(水) 17:21 ID:CXk


そして頭を下げる。
恐る恐る顔を上げれば、睨んでる一馬先輩がいて。

ひっ、とまた声が漏れそうになった。
必死におさえたけど。


「……何もしねぇよ。最初にも言った」
「う、す、すみませ」
「さすがに傷つくんだけど?」


そう言って、一馬先輩はそっぽを向いた。

……あれ?

頬が赤くなった気がした。
私の考えが、間違っていなければ……。

…拗ねてる?落ち込んでる…?

112:薫 ◆0rlM:2013/01/02(水) 23:31 ID:3gw


勘違いしていたかもしれない。
…一馬先輩は優しい。
きっとそう。
怖いけど、犬みたいなこの顔は結構……うん。

私は体を屈め、バレないように小さく笑った。

けど一馬先輩にはすぐバレて、


「おい、何笑ってんだよ。きもい」


そう毒を吐く。
私は苦笑い。きもい、って……やっぱり口悪い。
優しいなんて思った私が、バカみたいに思える。


……でも、


「……ありがとう、ございます」


心が軽くなった気がした。
一馬先輩といたら、全てを忘れられる気がする。
現実逃避してても仕方ないのに。……今この時間だけ、このままでいたい。


「……何もしてねぇし」


少しだけ、心が熱くなったんだ。
これが何なのか、気づくはずもなくて。


高校一年生の夏。

いじめが始まり、裏切りを受けた。


そして、


先輩に、出逢ったんだ。





第3章 終わり

113:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 12:44 ID:4vU


第4章 放課後の教室



授業の終わりのチャイムが響く。
私の顔はみるみるうちに笑顔が消えていった。


「……行くんだろ」
「一馬先輩は?受験生でしょ?」
「いいんだよ」


ぶっきらぼうにそう言われ、私は何て返していいか……分からなくなる。

もう私達は高校生。
授業を一度サボっただけで、勉強は追いつけなくなる。

ましてや、一馬先輩は3年生。
就職か大学かは分からないけど、サボっていい結果が出るわけじゃない。

このままこの教室に居続けようとしてる先輩を、とてもじゃないけど真似できないよ。

私はゆっくり立ち上がった。


「……また、今度」


先輩から返事は返ってこなかった。
それでも私は教室を出る。

また会える?
……また話せる?

寂しい気持ちが心にある。
……あんなに嫌がっていたはずなのに。

結局一時間ここにいたし。いつの間にか先輩は怖くなくなっていたんだ。

114:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 13:52 ID:4vU


静かな廊下を歩きながら、先輩のことを考える。


目付きは悪いし、ピアスジャラジャラだから、普通に怖い。


けど、優しさもある。
それはすごく分かりづらくて、人を侮辱しているようにも思える。

「いじめられてる」。私が言った時、一馬先輩が笑った理由は、後に言った
「逃げてばかりじゃ何も変わらない」という言葉。

逃げてばかりで、うじうじしてる私を笑ったんだ。
決していじめられてるといい事実を笑ったわけじゃなくて。


どうして言ってくれないの?
あのままだと、一馬先輩は永遠に私の憎しみを買う人だったよ。


分かってる。
先輩は不器用ってだけだから。
……分かってるよ。


だから、余計に頭がおかしくなる。
体が熱くなって、頭がくらくらするような感覚。


例えるなら、涼太くんと話した時と同じ。

……あれ?

私、涼太くんのこと好きだからあんなに頭がくらくらしたんだよね?


じゃあどうして一馬先輩相手に、あんな気持ちになるんだろう?


「……分かんない…よ」


……この感情に、なんて名前をつけていいかわからない。

115:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 13:53 ID:4vU

いじめられてるといい事実
→いじめられてるという事実

116:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 14:04 ID:gTo

えっと・・・
入れてください!

正直言うとこのスレ立てた頃からずっと見てたんですよネ
でもなかなか勇気なくて・・・
こんなことはさて置き

薫さんの作品
感動しました!!
それと共感しました!!
全てにおいて同じっていうか・・・

とにかくこの小説好きです!

117:あんず:2013/01/03(木) 14:30 ID:mTs

実莉ちゃんはどっちと付き合うの……?
涼太くん?一馬先輩??
私的には先輩派ww
実莉ちゃん&一馬先輩カップル
きいちゃん&涼太くんカップル
になることを予想してる←
当たるかしら♪

118:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:30 ID:4vU


梅子さん>うわぁ…嬉しいです…!!!
     気軽にコメントどうぞ(笑)
     
     感動という言葉に感動( ´;ω;`)ブワッ
     ありがとうございます!!

     めちゃくちゃ嬉しいです…
     tk呼び捨てタメ口だったような気がします、
     改めて、いいでしょうか?

119:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:33 ID:4vU


あんず>私も一馬が好き!!!!w
    書いてて涼太は好きになれないな、って思う(笑)
    これからの展開をきっかけに、涼太を好きっていう人はいなくなると思う。うん。←
    
    コメントありがとう!!
    どうなるか知りたかったら、最後まで見r(殴
    見てください!!ww

120:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:42 ID:4vU


何となく、その先を考えるのはやめた。
どうしてか分からないけど、今はそれどころじゃない気がして。

自分の教室を目の前に立ち止まることが、私にとって精一杯の勇気だった。

ここまでたどり着いたのは、自分でもすごいと思う。
逃げずに来れたのは一馬先輩のおかげ。

けど、
この戸を開くことはどうしても躊躇ってしまう。

…どうなるか、なんて、予想はできていたからだ。


私は少し後ろに体重をかけた。
黒板消しが落ちてきたら、ぱっと避けられるように。


そしてゆっくり戸に手をかける。
カラカラ、と開く時の小さい音に怯えてる自分がいた。


「あ、れ……?」

121:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 14:48 ID:gTo

>薫さん
今からは気軽にいきます(笑)

いやいや、本当に感動しますよ!!
ありがとうだなんて私には勿体無いですw

私はいいんですが薫さんはいいでしょうか?
(呼びタメ)

そしてもっと薫さんとお話ししたいので
私のスレ(フリト板にあります)に来て頂けないでしょうか?

122:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:50 ID:4vU


目を見開く。
私の視界に広がるのは、いつもの教室。

黒板消しは落ちてこない。
試しに上を見上げたけど、何もなくて。

目の前でバケツの水をかけようと待ち構えている人もいなかった。


どうして?
疑問と同時に恐怖が沸き上がる。

このあと、何かされるかもしれない。
油断させといて、私が一番傷つくことをするんだとしたら?


……怖い。


恐怖心を抱きながらも、私は自分の席に座った。

机の中を確認してみる。
……何もされていない。


教科書にイタズラ書きとかあるんじゃないか、と思ったけど、なかった。


呆気としている私とは違って、元気にチャイムが鳴り響く。
5分休みが終わり、しばらくして先生が来た。


「古賀。後で職員室に来い」
「……」
「古賀?」
「……あ、は、はい」


サボりのことだ。
でも、怒られることに恐怖は抱かない。

何もされないことに恐怖を抱いた。

123:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:52 ID:4vU


梅子さん>本当に嬉しいです!!
     何度でもお礼を言いますよ、本当ありがとうございますっ
     
     全然okです(・ω・)♪
     梅子って呼んでいいですか?
     
     行きます!!……と、言いたいところなのですが。
     なぜかフリトに書き込めないんです(><)
     書き禁になったのかは知らないんですが、初めて書き込もうとした時から書き込めないんです。
     
     すみません!!

124:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:58 ID:4vU


授業が始まり、私はすぐにきいちゃんの方を見た。

窓側が席の私とは違って、廊下側という距離の遠いきいちゃん。


きいちゃんはいつも通り、普通に授業を受けていた。
ただつまらなさそうに、まるで人形のように真っ黒な目で。

そんなきいちゃんに胸を痛める。

どうしてこんなことになったんだろう?
私が嫌い、って言っちゃったから?


……けど、きいちゃんは、初めから私を嫌いだったと言った。

ってことはもう、どっちにしても潮時だったってことかぁ。



「——&mdash:—…」



きいちゃん。
もう私逹は元に戻れないの?

125:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 14:59 ID:4vU


「————…」

です、なんか変なの入ってしまった(笑)

126:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 15:03 ID:gTo

>薫さん
お礼なんて...て...照れますよぉ〜

では今からお互い呼びタメってことで♪
梅子でいいですよ〜
薫って呼んでいいですか?

残念ですネ・・・
では、交流板で話せますか?

127:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 15:06 ID:gTo

何もされない...だと...?
何か後で起きそうな予感が...

実莉ちゃんときぃちゃんの関係の進展が気になります!

128:あんず:2013/01/03(木) 15:06 ID:mTs

薫も一馬派なんだね★
な、なにかやらかすのかな……?涼太は。

どういうカップルになるかより
そっちの方が気になるww

もちろん最後まで見てやr((殴
見てy((殴&蹴 見てやるよ!←

>>124
の、最後から3行目「ーーーー:ー…」って、なんかおかしくない……?
間の「:」って要らないよ……ね?

129:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 15:10 ID:4vU


梅子>全然ok!!
   薫でもかおるんでもどうぞ(笑)
   交流板では話せますよー!

   そう、何もされてないんです←
   進展…進展か、どうしよ←


あんず>やらかしちゃいます、涼太くん←
    わーいありがとう♪←
    >>125にて修正しました(笑)

130:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 15:14 ID:4vU


教科書を持つ手に力が入る。
おかげで教科書はぐしゃぐしゃ。

それでも力は弱めることなく、むしろ強くしていった。


『逃げてばかりじゃ変わらねぇよ』


ふと頭に浮かんだ一馬先輩の言葉。
時間が止まったかのように、私の動きは静止した。

…変わらない。
そうだ、考えるだけじゃ変わらないよ。


きいちゃんの苦しそうな顔には、何か隠されているかもしれない。
私は手を強く握り直した。


放課後。
今日の放課後をキッカケに、変わる。……変わりたい。


私はもう一度、きいちゃんを見つめてからそう決心した。

131:梅子 ◆N4dg 憧れ・・・:2013/01/03(木) 15:17 ID:gTo

>薫
では薫で♪
今から交流板へ一直線w

この後において何かされるのかな...?
進展考えてないの?(笑)

132:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 15:22 ID:4vU


梅子>進展…いや、話は全て考えてる。
   けど進展する前にきいちゃんg(きゃーきゃーきゃー!!←

133:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 15:28 ID:gTo

薫>
そうなんだ!私は書くときその場で決める((馬鹿
きいちゃんが!?

134:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 15:31 ID:4vU






昼休み。

一馬先輩のとこに行こうかな、と少し考えた。

けど先生に呼び出される。
すっかり忘れていた私は、かなりの落ち込みぶりで職員室に向かった。


教室を出る前にきいちゃんを確認してみた。
きいちゃんはクラスの女の子逹と騒いでいて、普通に楽しそうで。

でも一人だけ真っ黒な瞳に、私の心が痛みそして疑問が浮かんだ。


あんなに楽しそうなのに、
どうして目は笑ってないの?


サボりからの未だに起きぬいじめ。
トイレに行ってる間も、何かされる訳ではなかった。

けどもちろん無視。
きいちゃんに「放課後…」と話しかけただけで睨まれた。

クラスの子に話しかける勇気もなく、授業と授業の間の5分間が妙に長く感じた。


そこで気づいたこと。
涼太くんは心配そうに話しかけてきてくれることもなく、目も合わせてもらえない。


涼太くんを目で追っているうちに、重なる視線。
けどそれはすぐに逸らされる。


それが悲しくてたまらなかった。
何でか分からないけど、話しかけちゃいけない気がして。

友達と一緒にいるから近づくこともできず、様子がおかしい涼太くんを遠くで見つめることしかできない。

135:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 15:32 ID:4vU


梅子>きいちゃんが……!!!(
   ……はい、ネタバレになるんで教えない(笑)
   多分もう少しで分かるさ!うん。

136:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 15:36 ID:gTo

涼太くんふざけんじゃないよ......
なにを実莉ちゃんを傷つけてるんだ!
可哀想だろぉ〜....

そしてきいちゃんが酷い...

>薫
ケ...ケt((なんでもないw
もう少し?もう待てないかもww

137:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 18:25 ID:4vU



あれこれ考えながら歩いていると、職員室はもう目の前だった。

血の気が引く。
やっぱり怖いものは怖い。

ゴクリと唾を飲み、覚悟を決めて職員室に入った。





「……古賀」
「…はい」


緊迫とした雰囲気を、担任の先生は作り出す。
私の背中は汗でいっぱいだった。

怒られると思ったら、不思議と体が屈むような状態になる。
怒鳴られるのか静かに嫌味を言われるのか、どっちにしても辛い。

どっちかというと、怒鳴られた方がいい。
ネチネチ嫌味を言われる方が耐えられない。


「今回は見逃す代わりに、やってほしいことがあるんだ」
「え…」
「断ったら、内申は」
「わ、分かりました」


必然的に頷かなければいけない。
むちゃくちゃなことを言われたらどうしよう、という不安と一緒に、怒られなくてよかった、という安心も涌き出てきた。

138:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 19:14 ID:4vU


先生は一呼吸置いてから、困ったようにため息を吐き出し言った。


「3年の三浦一馬が、授業をなかなか受けないらしくてな」
「一馬の先輩がっ?」


突拍子もなく言う先生に、私は目を丸くさせる。
三浦一馬。
同姓同名とかじゃなければ、私の知っている人。

何でここで一馬先輩の名前が?

訳が分からずただ先生の言葉を待つ。
先生は、嬉しそうに私を見ていた。


「知り合いなら簡単だな。授業へ出るよう言ってほしいんだ」


…え?

一馬先輩に、私から?
「きもい」と暴言を吐く、優しさなのかただの侮辱なのか分からない先輩に?

ネクタイはゆるゆるで、ピアスジャラジャラの……あの不良生徒に、私が?


「…………む、無理です!!」
「知り合いなんだろう?」
「そ、そりゃ話したことありますけど」


知り合いも何も、授業をサボった際に会いましたよ。

そんなことは言えず。
先生の不気味な笑顔に体を固まらせるだけ。


「内申、きっと残酷になるな」
「っ!」


ずるい。
ずるすぎる、何この担任。


「分かりました」と言えば、一馬先輩とまた話すことになる。

「嫌です」と言えば、私の内申は見るも無惨な姿に……


「わ、分かりました」


こうするしかないんだ。
ため息を吐きつつも、一馬先輩とまた会うことに緊張していた。

139:梅子 ◆N4dg:2013/01/03(木) 19:40 ID:gTo

なんだよ、この担任は......
実莉ちゃんはおもちゃじゃない!
可哀想...

でも一馬先輩が出るなら担任許せるw

140:薫 ◆0rlM:2013/01/03(木) 20:42 ID:4vU


梅子>はははは、一馬先輩相手に実莉はちゃんと喋れるのでしょうかw
   実莉ってけっこう弱気だからさ、扱いつらいんだよね←

141:あんず:2013/01/03(木) 22:19 ID:mTs

先生鬼じゃんw
実莉ちゃん喋れるのかな〜?
おどおどしてそうw

扱いずらいのかっ!
>>薫

142:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 10:46 ID:4vU


あんず>でも引き受けなきゃ、
    内申が大変なことになるのです(ノ∀`)
    
    そう、扱いづらいの。
    弱虫だし、うじうじしてるし、勇気出さないし……(
    だからなかなか話が大きく進まなくて、困るw

143:あんず:2013/01/04(金) 11:00 ID:mTs

内申……ね。
大変だなー、高校生は。

ポジティブなキャラクターの方が
書きやすいってことだよね?

困る!?

144:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 11:09 ID:4vU


説教……もとい先生の命令を告げられることによって、昼休みは潰れた。

私は独りぼっちで、一馬先輩のことを考え肩を落とす。


いくら知ってるからって、親しく喋ったり会う仲じゃない。

それに、また会う保証なんてないから、もしもあの空き教室にいない場合は3年生の教室へレッツゴー。


あんな不良みたいな人だから、きっと友達もピアスジャラジャラ。

そしてズボンはだらしなく腰辺りまで下げて、刺すような目付きで見てくるんだ。


思うだけで身体が震える。
顔は青ざめ、会いに行くのがより怖くなった。


そりゃあ、また会いたいけど。

……また話したい、とは思う、けど。


私にハキハキ喋れる勇気なんてない。

ましてや、あんな人に命令するなんて。……自殺行為。

145:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 11:11 ID:4vU


あんず>そう、高校生は大変だよ。
    部活のやってない実莉は取り合えず帰宅後は勉強、っていうね←
    あ、みんなの部活設定もちゃんと書いておこうw
    
    そう、ハキハキした子は扱いやすい。
    そしてきいちゃんのような悪い子?(笑)

146:梅子 ◆N4dg:2013/01/04(金) 11:14 ID:gTo

あぁ可哀想な実莉ちゃん......
ていうか一馬先輩出ておくれ♪

147:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 11:19 ID:4vU


青ざめた顔のまま、私は教室に戻った。

ガラッという思ったより大きな音が響く。
開けた自分が一番驚いた。


冷たい目で、見られるんじゃないか。
そう思ったけど、誰もそんなことはしなかった。

私に目も向けないクラスメイトに、ホッとする。


とその時予鈴が鳴って、私は慌てて席についた。


古典の授業だというのに、私の机の中には古典の教科書が入っていなかった。

隠されたわけではない。
……忘れただけ。


それにしても、今日はあれから何も起こらないなんて。
少し驚いたけど、いじめが終わったのかと安心する自分がいた。



……バカ、みたい。

148:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 11:21 ID:4vU


梅子>一馬先輩はもう少しかな!
   その前に実莉劇場←
   ちょっと可哀想過ぎることが起きるかも←

149:あんず:2013/01/04(金) 12:09 ID:mTs

え、可哀想過ぎることっ!?
それは実莉に……?
それともきいちゃんに……?

150:梅子 ◆N4dg:2013/01/04(金) 12:13 ID:gTo

>薫
残酷な薫......
ていうか実莉ちゃん劇場ってww

可哀想過ぎなことだと!?
一体なんなんだろう......

151:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 13:14 ID:4vU


あんず>実莉に!
    こんな私でもさすがに傷ついちゃうな、あんなことされたら←


梅子>あはは、何でしょう←
   実莉の反応ってどうすればいいのか困るんだよねぇww

152:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 13:20 ID:4vU


ふぅ、と一息つく。
心臓がバクバクと暴れた。

きっと……きっと大丈夫。
いつも通りだよ。

そう信じて、私は隣にいる女の子に目を向けた。


彼女は水城 千尋(みずき ちひろ)。


きいちゃんと並ぶくらいに可愛くて、クラスの人気者。

千尋ちゃんもきいちゃんと同じく優しくて、一緒に話していて楽しい子。


いじめられる前は、よく一緒に話すことが多かった。
それで先生に怒られた時もあったよね。


けど、
いじめが始まってから——全く話すことはなくなったんだ。


千尋ちゃんは、いじめを笑って見てるわけではなかった。
クラス全員に笑われていたと思っていたけど、千尋ちゃんは青ざめた顔で私を見る。

だから少しだけ期待した。けど、目も合わせてもらえない。


しょうがない。
私だって、誰かがいじめられているのを見てるだけしかできないんだから。



……仕方ない、よ。

153:梅子 ◆xgV2:2013/01/04(金) 13:28 ID:gTo

新キャラご登場ですな
千尋ちゃん……助けようよ

実莉ちゃ〜ん仕方ない訳ないよ( ;´Д`)

>薫
教えなさいな!
それじゃないとぉ〜((調子に乗るな馬鹿

154:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 13:30 ID:4vU


……あ、早く言わなきゃ。


手を強く握ったら、緊張で汗が滲んだ。

大丈夫。
千尋ちゃんは皆と違う。


何もされなくなったんだ。
……きっと、平気だよ。


「…ち、ひろちゃん」
「……」
「教科書、見せてほしいんだけど…」
「……」


苦しそうな表情で、
千尋ちゃんは私を無視し続けた。


「……あ、きょ、教科書、貸して…」


今度は後ろを振り返り、男女に話しかける。
私の声は届いているはずなのに、二人は何も言わなかった。



————まさか。



心臓が大きく波打つ。
咄嗟に私はきいちゃんを見た。

するときいちゃんは今まで私を見ていたのか、私達の視線はすぐ重なる。


…と同時に、きいちゃんは怪しげに口角を上げた。

155:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 13:31 ID:4vU


梅子>まさかの千尋ちゃん登場は予想外だった←
   この子は先の話に使おうと企みました←

   もう少しで全てが分かる!
   きっと薄々気づいてると思うけど(笑)

156:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 13:39 ID:4vU


私はぎゅっと顔を歪める。

何で?何が起こってるの?


いじめは———終わってなかったの?


するときいちゃんは、ゆっくり目を伏せたあと、楽しそうに私を見た。





『ぜ』
『ん』
『い』
『ん』







『む』
『し』







そして、確かにそう口を動かしたんだ。

157:梅子 ◆xgV2:2013/01/04(金) 13:40 ID:gTo

>薫
なんだ……と…?
自分でも予想外?凄いなww
企むなよ^^;

まだ気づいてない(鈍感ですw)

158:梅子 ◆xgV2:2013/01/04(金) 13:42 ID:gTo

おぉ?
全員無視だと?
ふざけるんじゃないよ!きいちゃんの野郎……

うわ〜ん可哀想な実莉ちゃん!!

159:あんず:2013/01/04(金) 15:03 ID:mTs

全員無視っ!?
きーいーちゃーん^^?
これはどういうことかなぁー^^?

実莉ちゃん!頑張って!!

そして、きい!!!((ついに呼び捨てw
実莉ちゃん虐めるなぁ!
そして千尋ちゃんを意地悪にするなぁ!

160:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 16:26 ID:4vU


頭が何かで殴られたように、痛い。
同時に胸も鷲掴みにされてるような感覚。

無視?全員?


直接的ないじめはなくなった。
けど、今度はクラス全員で無視する気?


そういえば、思い当たることはある。
涼太くん態度がおかしい、ということだ。

目はすぐに逸らして、何の一言もかけてくれない。


優しい涼太くんまでもが、私を無視?
「やめろ」って言わないの?


……ああ、そっか。

きいちゃん……大好きな人のことだからか。


急に涙が零れそうになった。
それを必死におさえる。

結局教科書は見せてもらえず、先生には怒られ、私はただボーッと授業を受けていた。

161:薫 ◆0rlM:2013/01/04(金) 16:29 ID:4vU

>梅子
さすがに私みたいなのも、クラス全員からの無視は傷つくなww
誰とも喋ってもらえないって、辛いし色々困ることもあるよね?
小説にもある通り、教科書とか……。

いじめは良くないよ!←



>あんず
希依華です!(笑)
きいは本名じゃないよ(・ω・)
千尋ちゃんはどんどんドス黒くなっていk(殴

162:梅子 ◆xgV2:2013/01/04(金) 16:43 ID:gTo

>薫
全てにおいて、自分で書いて言えるのか……ww

おい、涼太、お前さんふざけるんじゃない!
きいちゃんもだ!
実莉ちゃん傷つけて何になるのだ!

163:あんず:2013/01/04(金) 17:44 ID:mTs

>>薫
希依華か〜!
きいだと思ってたww

か、薫……?
千尋ちゃん、ドス黒くしちゃダメだよ^^♡
ドス黒くしたらどうなるか分かっt((殴

164:薫 ◆0rlM:2013/01/05(土) 10:38 ID:4vU

あんず>>
ドス黒……くはならないね。
千尋ちゃんは最後すごい活躍する(と思う)し、
きいちゃんに対しては同情だったけど、詳しく話決めたら私嫌いだわw
ってことで、コメントありがとう(T_T)


梅子>>
二人とも酷いよね(お前が書いてるんだよ
もーきいちゃんとか書いててうざい♥←



続き↓







放課後。
私は一番に教室を出た。

グラウンドでは、野球部が部活の準備をしている。
……私も何か部活に入れば、楽しくなるかなぁ。

そうは考えてみたけど、きっと仲間ハズレにされるだけ。
きいちゃんの手によって、年上からもいじめられるかもしれない。


私は、独りでいるしかないんだ。


急に滲んでくる涙を私は強い力で拭き取り、家に向かって全速力で走った。

165:麗愛:2013/01/05(土) 11:34 ID:RNw

初めましてっ!
タメOKですか?
あたしはOKです!
よろしくおねがいしますつ!

小説面白いですねっ♪
本当に小説だぁあって☆

私、改行しまくってるから内容が薄くなるんですよね……
小説つくってても………

166:薫 ◆0rlM:2013/01/05(土) 12:00 ID:4vU

麗愛さん>>
ありがとうございます!!
改行は、話が変わる時にするのが小説には適してるようですよ。
私は見やすいように、少し間を空けつつ書いていますが……。

タメ呼びOKです。
そして名前は、れいあ…と読むのでしょうか?
間違ってたらすみません;





続き↓





「……ただいま」


気力のない声でそう呟いてから、私は階段をかけ上がろうとした。

とその時、


「実莉、ちょっと…いい?」


お母さんの弱々しい声が響く。
私は振り返らずに、足だけ止めた。

正直、お母さんとは話したくない。
自分の娘一人いじめから救えない親なんて、要らない。

だからここ最近、ご飯中は会話を一言も交わしていない。
お父さんはいつも仕事で遅くなって、夜中に目が覚めればいつも言い争いをしている。



『貴方の子供でしょ!?』
『仕事が忙しいんだから仕方ないじゃないか!!』



と、いつも二階まで響く声は、いつしか私はストレスとして溜まっていった。


家族の中が壊れたのも、空気が悪いのも、全部私のせい。
私がいじめられなければ、こうはならなかったの。


けれど次第に溜まっていくストレスが、イライラとなって出される。

お母さんのせいだ。喧嘩をする、この両親のせいだ。


そうやって人のせいにしている。
それじゃなきゃ、私自身がいじめに押し倒されて消えてしまいそうだったから。


けれど、
本当に悪いのはどっち?

そう考えた時は、やっぱり助けてくれないお母さんだと自覚したんだ。
……今の家族は大嫌い。


明るく笑い合って過ごしていた毎日に、
仕事が終わって早帰りするお父さんと、家族皆でご飯を食べていた毎日に、



戻りたいと何度願ったことだろう。

167:麗愛:2013/01/05(土) 15:43 ID:RNw

>166
うん、れいあだょ★
でも、麗って呼んで♪
れいあでもいーけどねww

168:梅子 ◆xgV2:2013/01/05(土) 15:59 ID:gTo

>薫
ちょ、何を…!
作者がそれ言ったらアカんだろ!!


実莉ちゃんは何故こんなに不幸なんだ!
もう少し幸せを神様、恵んでやろうよ( ;´Д`)

169:薫 ◆0rlM:2013/01/05(土) 17:38 ID:4vU


「……何、」


言葉を詰まらせるお母さんに、私はそう言い放つ。
早くこの場から去りたい。

……泣きそうで、たまらない。


「実莉、本当に悪かったと思ってる。ごめんね。……お母さん、実莉もお父さんも大切だから、」
「……何、それ」


お母さんは驚いたのか、口を閉ざした。
握りしめた手が震える。

もう我慢できない。

目から溢れる涙。
私はそのまま後ろを振り返った。



「嘘つかないで!!知ってるんだから……毎日毎日、喧嘩ばっかり」
「実莉、あれは」
「言い訳なんて聞きたくない!!
 お父さんもお母さんも、クラスの皆も……大嫌い!!」



言ってから後悔する。
——「大嫌い」。

言い過ぎたかもしれない。
けど、本当のこと。

罪悪感を感じたり、感じなかったり。

自分でも分からない気持ちに困惑しながらも、お母さんを見た。



声が出なくなるほどに、お母さんの顔は残酷で。



「ごめんね……」とお母さんは何度も呟く。
眉を下げ、でも必死に笑って。

目に浮かぶ涙に、私の体は石のように固まった。

170:麗愛:2013/01/05(土) 18:40 ID:RNw

実莉ちゃあーーーん!
可哀想っ………………………

171:あんず:2013/01/05(土) 19:43 ID:mTs

みっ、実莉ちゃぁーーんっ!!
可哀想に…………。
私が心を癒してあげるy((キモッ

薫の小説は最近悲しい系に進んでるよね。
いじめ、虐待……。
私、そういうの書けないからうらやましいよ。

……ところで一馬先輩は?

172:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 10:55 ID:4vU

麗愛>>
書いてる作者も可哀想だと思う←


あんず>>
とにかく伝えたいのが生きる大切さry

この小説のテーマは
「生きる大切さ」と「友情の儚さ」かな?

どんなに辛いことがあっても、裏切られても、
命を捨てずに前に進まなきゃダメだよって感じ。

一馬先輩は次の日に多分出る((
今はお母さんとの劇場をお楽しみ下さい←

173:麗愛:2013/01/06(日) 13:23 ID:RNw

本当に仲がいい友達を裏切るなんて出来ないし、裏切られるのも絶対つらいよね…

174:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 13:51 ID:4vU


お母さんは悪くない。
いじめを片づけるのは難しいから、仕方ないんだ。

そう思ってしまう自分がいる。


———結局は、自分が悪いと分かってるから。


「ごめんね……実莉。助けられなくて、いっぱい迷惑かけて……」
「……分かってるよ」


涙ぐんだお母さんに、ゆっくり近づく。
少しだけ距離を取ってから、ほぼ同じ目線のお母さんをじっと見つめた。


私が悪いから。
だからお父さんとは喧嘩する。

知ってるよ。


……けど、助けてほしかった。

一日でもきいちゃんと離れることは、こんなにも怖いことだから。


「でも、私ね……
 お母さんに助けてほしかった!!」


近くなっていた距離を、私は自ら遠ざけた。
そう強く言い放ったあとは、私を呼び止めるお母さんを無視して階段をかけ上がる。


助けてほしかったよ。
私は弱いから、独りじゃいられないから。



———前の楽しい生活に、戻りたいの。

175:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 15:49 ID:4vU




その日は、夜ご飯も食べずに部屋に閉じこもった。


「実莉、夜ご飯下に置いとくからね」というお母さんの言葉も無視。


そしてまた、喧嘩をするお父さんとお母さんの声が聞こえてきた。

3日連続で聞こえてくる怒鳴り声は、今日が一番酷かったと思う。

176:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 16:37 ID:4vU



—————…
———…
——…



ピピピピ……という音が耳に響く。


「……ん」


目を開ければ、目の前にはうるさい音を出している張本人。
赤い目覚まし時計を私は強く押して、音を止めた。

そしてゆっくり起きる。

まだ眠たいけど、早く起きなきゃ。
……一馬先輩に言わなきゃ。


少し嫌な気持ちもあるけど、また会える喜びもある。
一馬先輩は、話を聞いて正しいことを言ってくれそう。


それはいつだって、私にとって都合の良いことばかりじゃない。
けど、一馬先輩といると心が和らぐんだ。


あの空き教室に、一馬先輩はいるだろうか。


ただ会うことに緊張を抱いてる自分と、
お母さんと顔を合わせることに躊躇いを持つ自分がいる。


嬉しいのか悲しいのか、
自分が今どんななのかがよく分からない。

177:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 18:54 ID:4vU








学校。
いつもの騒がしい教室。

私はただ一人で、椅子に座っていた。


「全員無視」———…この行動は本当に辛いもの。


誰もが私をいない存在として、笑い合っている。
今までにない悲しみと屈辱に、私の心は壊れてしまいそうだった。


おまけにお母さんと喧嘩。
……もう、どうすればいいの。


涙ぐんだ目を、私はそっと隣にいる千尋ちゃんへと向ける。


千尋ちゃんは、クラスの皆と騒いだりしない。
千尋ちゃんの友達はたまに千尋ちゃんの元に来るけど、少し話したらすぐ皆の元へ戻って行く。

それを千尋ちゃんは名残惜しそうに見ることもなく、どこかホッとするんだ。

そしてまた、口を閉ざしてぎゅっと膝の上で拳を握る。


これの繰り返し。
……千尋ちゃんは、優しい子だから。

きっと無視が辛いんだと思う。


———けど、助けもしてくれないなら、所詮きいちゃんと同じ。


もう、クラスの皆も、誰も信じられない。

178:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 19:10 ID:4vU



…………あ。


とその時、担任に言われたことを思い出す。


『授業に出るように……』。


そうだ。一馬先輩。
…会いに行かなきゃ。


私はゆっくり立ち上がる。

横にいる千尋ちゃんの肩が、驚きによりビクッと震えた。
でも私を見たりもしない。


……悲しい、なんて、思ってられないよ。


これが現実。
いじめられるのが怖くて、あっさり人を裏切るのが人間。

……そんなの、わかってるよ。


私は静かに教室を出た。
もちろん誰も私を見ることなく。

緩む涙腺を必死に抑えながら、私は走ってあの教室へ向かった。

179:梅子 ◆xgV2:2013/01/06(日) 19:15 ID:gTo

うぅ、実莉ちゃぁ〜ん!!
誰かに甘えなよ(´;ω;`)

一馬先輩!!実莉ちゃんに励ましの言葉を……!

180:薫 ◆0rlM:2013/01/06(日) 19:22 ID:4vU

梅子>>

果たして毒舌一馬は励ますなんてことできるのk(殴
甘える相手がいないっていう←
教師とかには言わないんです…きいちゃんのことまだ信じてるから←←

181:あんず:2013/01/06(日) 22:07 ID:mTs

>>180
実莉ちゃんっ!
まだきいちゃんを信じてるの……。
優しいっていうかなんていうか……
やっぱり、いい子だね。
何故こんないい子をきいちゃんがいじめるのっ!?

一馬先輩、助けてあげてっ!!

182:舞:2013/01/06(日) 22:09 ID:RNw

きいちゃんさえ改心すれば、実莉ちゃん救われるのにぃ〜

183:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 10:05 ID:4vU

あんず>>
まだ信じてるって意外とバカ正直(^p^)
小説内でも説明しときますんでゞ(信じてるってこと)

舞(麗愛)>>
だよね〜きいちゃん悪しww←



続き↓




涙が止まらない。
後ろへ後ろへと流れる涙を、おさえる術が分からない。

私は何度も強く目を擦りながら、走り続けた。


そして、空き教室前。
私は躊躇うことなく戸を開け放つ。


「……お前」


すると中には、昨日あったばかりの人。
一馬先輩…。

涙を流す私に、初めて一馬先輩は驚いたような顔を見せた。
けどすぐに、一馬先輩は目を逸らす。


私は扉を開け放ったまま、その場に立ち尽くした。


「ど…やったら、強くなれるんですか……」

184:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 10:42 ID:4vU


嗚咽が出る。
一馬先輩は無言のまま、昨日と同じ段ボールの上に座っていた。

私はただ涙を流し続ける。

叶うことなら、涙を止めてほしい。
一馬先輩の前で泣いたら、何を言われるか分からないのに。


それでも、苦しい。
息ができないほどに襲う悲しみと、憎しみ。


元のきいちゃんに戻って。

未だに持ってる願い。どれだけ私はバカなんだろう。


きいちゃんは変わらない。
私が何もしない限り。

いじめは止まらない。
私が弱い限り。


分かってる、けど、強くなれない。


「わたし……つよく、なりたい。きい、ちゃんも…たすけ、たい」


途切れ途切れにそう言えば、一馬先輩は重苦しいため息を吐いた。

185:梅子 ◆N4dg:2013/01/07(月) 12:15 ID:gTo

一馬先輩?
なんで実莉ちゃんに優しくしないのだ!

しかも何を言う気...?

186:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 12:18 ID:4vU


音もなく立ち上がる一馬先輩。

私の動きが止まる。
そして咄嗟に下を向いた。

……でも、もう、怖いなんて思わない。


一馬先輩は、優しいって分かってる。


震えはなかった。
けど、涙は増す。

何でかは分からない。


「お前さぁ」


いきなり発せられた声に、私は驚き肩を揺らす。

とその時、下に向けていた顔が無理やり上げられる。

目の前には一馬先輩。
頬に触れる一馬先輩の手は冷たい。


手が冷たい人は、心が暖かい。
いつか聞いたことのある言葉が頭をよぎった。


「強くなりたい?
 ……お前みたいな弱くてぐずぐずしてる奴ははっきり言って、無理」


無理……。
その言葉を聞いて、私は呆然とする。

そうだ。
私みたいな弱い奴は…無理か。


驚きで止まっていた涙は、再び浮かぶ。
一馬先輩の顔が、よく見えない。

187:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 12:19 ID:4vU

梅子>>

>>186←こう言う気ww

188:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 15:33 ID:4vU



「これだから女は……」


一馬先輩は少し困惑したように言ったあと、舌打ちをする。
私の肩がびくっと揺れた。

やっぱり怖いよ。
一馬先輩に言わなきゃならないことがあるのに、声が出ない。


すると、私の視界があっという間に暗くなった。

…前と同じ行動。


私の上に被さった一馬先輩の制服。
これを被せるのは、泣き止めってこと。


急に優しくされたら、もっと涙が溢れてくるよ……。


「あのな、お前は弱いんだから頼れよ」


少し離れた場所から、一馬先輩の声が聞こえた。
頬に触れていた手はもうない。

ほんの少し残った名残惜しさと、不器用な優しさ。


私の寂しさと苦しみを消すには、十分だった。
……十分過ぎる。

189:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 15:53 ID:4vU


心が暖かい。
ぽかぽかするような……。

心地いい暖かさに、私は目を細めた。


「ありがとう…ございます」


そう言っても、一馬先輩は無言。
ありがとうございます。
私は何度も心の中でそう伝えた。


「……涙止めろ。拭け」
「え、あ、は……はい」


言われるがままに、私は涙でいっぱいの顔を上げた。
目の前には、さっきと同じ近距離にいる一馬先輩。

私の心臓が大きく跳ねた。


ぐしゃぐしゃであろう顔を見られて、恥ずかしがらないわけがない。
私は再び顔を下げて、涙を自分の制服で拭おうとした。


とその時、被さっていた制服が消える。


「あ、……れ?」


慌てて顔を上げれば、一馬先輩がその制服を持っていた。
どこか気に入らないような顔をした一馬先輩。

涙を拭くのも忘れて一馬先輩を見つめていると、


「これで拭け」
「え、いや、あの」


人のでなんか拭けるわけない。
そう言おうとするのを一馬先輩は遮る。


「俺のは汚れていいんだよ」


そう言って、一馬先輩は無理やり私の顔にそれをあてた。
上下されるたびに制服の生地が顔に当たって、くすぐったい。


……ずるい。


頬に籠る熱は、次第に身体全身へと広がっていった。

190:あんず:2013/01/07(月) 16:16 ID:mTs

一馬先輩、優しいっ!格好いいっ!!
頼りたい!頼りたくなるよっ♪

実莉ちゃん、いいなぁ〜……。
うらやましいぃぃ〜♪

でも、相変わらず実莉ちゃんは信じてるのか……。
あの、超極悪人のきいちゃんのこと。
バカ正直だもんね〜、実莉ちゃん。

私は信じないけどなぁーww


さぁ、実莉ちゃん!!本当に勇気出してっ!
「授業に出てください。」
って、早く一馬先輩に言うんだよ!!

191:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 17:41 ID:4vU

あんず>>
一馬とあんずってのも面白そう(笑)
交流板にて、あんず×一馬の書こうか?←

バカ正直は勇気を出して言えるのか←

192:あんず:2013/01/07(月) 17:52 ID:mTs

>>可愛い可愛い薫様
はい!はい!!
書いてくださいませ!!薫様♪♪
お願いいたしますっ!!!


Q,バカ正直は勇気を出して言えるのか?

実莉A,言えないに決まってる。
私なんか、一馬先輩に口出ししていい立場じゃないし……。
作者の薫さん……。
私には無理なんです…………。
設定変えてくださいぃぃ……。
というか、主人公は、きいちゃんとか、
一馬先輩のほうがいいんじゃ……?
私なんかが主人公じゃダメになっちゃうよ。

193:saki:2013/01/07(月) 18:00 ID:cnc

一馬先輩優しい…(;д;)
>>薫

194:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:08 ID:4vU

あんず>>
おーけー、交流板へGo→→

ええええ、実莉じゃなきゃダメだって!!ww
あ、千尋ちゃんでもいっk(おい


saki>>
うふふふふ、一馬先輩の人気が上がる上がる↑

195:saki:2013/01/07(月) 18:09 ID:cnc

一馬先輩ファンクラブつくちゃu((無茶なww
>>薫

196:梅子 ◆xgV2:2013/01/07(月) 18:21 ID:gTo

むむ!
一馬先輩、
意外に優しそうじゃないか!

197:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:21 ID:4vU

saki>>
それ私が一番入りたい←



続き↓



……と、忘れていたことを思い出す。

涙の跡を拭いてから、私は俯き小声で言った。


「授業には…で、で、出ないんですか」


一馬先輩相手に命令なんて無理。
これで精一杯だよ。

何を言われるのかとドキドキしていると、近くでふはっと声が漏れる。


「何お前、心配?」
「え?あ、ま、まぁ……」
「悪いけどその必要はない」


きっぱり言う一馬先輩に、私の顔から血の気が引く。

このままじゃ絶対に授業へ出させることはできない。
内申終わり……なんてことになりたくない!


「お、お、お願いします、出てください!!」
「……あ?」


疑問と怒りの混じった声を出され、私の体は硬直する。

198:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:21 ID:4vU

梅子>>

……優しいよ←

199:saki:2013/01/07(月) 18:23 ID:cnc

私に入れされろォォオ←
>>薫

200:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:26 ID:4vU


けど、ここで諦めたら終わりだ。
特に将来やりたいことはないけど、取り合えず頑張りたい。

いざ何かやろうと決めた時に、内申が大変なことになったら……高校卒業後はアルバイト生活。

そんなの、無理。やだやだやだ。


「た、頼まれたんです。一馬先輩を……授業に出させるようにって」
「何でお前なんだよ?」
「サ、サボった罰で……」


お願いします!
そう言おうと顔を上げた時、私は石のように固まった。

一馬先輩は、今にも誰かを殴りにいきそうな不機嫌オーラむんむんの顔。

眉をひそめ、小さく舌打ちを繰り返して。


思わず、ひっ、と声が出そうになった。

201:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:27 ID:4vU

saki>>
……(笑)←



皆様!!!!
ようやく200に到達です!!!!

感想コメント本当にありがとうございます(;▽;)!

これからも頑張らせていただきます!
どうか完結まで、見届けてくださいませ…!

202:芽実:2013/01/07(月) 18:29 ID:2Ig

※小説関係ないです。すみません。
薫、返事ください。
更新より先に読者さんの要望に答えてあげるべきなんだと思う。
気づいているなら返事ください。

203:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 18:34 ID:4vU

芽実ちゃん>>
完全に気づいてなかったですorz
返信しました( ´ ;ω;`)ゴメンナサイ

204:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 19:33 ID:4vU


何かされるんじゃないかと、怯えてしまう。

けれど一馬先輩は、何もすることなく段ボールの上に座った。
それに私はついて行くかのように、椅子に座る。

2歳も上なのに、私がこんな椅子に座っていいのかな、と不安になった時だった。


「やっぱりお前、強くなれねぇわ」
「えっ!?」
「断れもしない奴が、強くなろうなんて無理」


……酷すぎる。

けど、正論だ。
断れもしない、内申だけに縛られてる私は強くなれない。

強くなりたい、なんて言うだけ無駄だったってこと?

……そんなこと、ないよ。


私は断れなかったんじゃない。
断らなかったんだ。

一馬先輩と、また話せるから。会えるから。
理由がなかったら、この教室に入れない気がして。
一馬先輩と、関われない気がして。


本当は、一馬先輩に会いたいから、断らなかったの。


「一馬先輩以外の人だったら、断ってました。
 内申が大変なことになるって脅された…けど、決めたのは自分の意思です」


先輩に会いたい。先輩と繋がりたい。
その一心が、私を動かした。

内申も……大切だけど。


「先輩だから、断らなかったんです…!」


だからお願い。
もう少し、この教室にいることを許してください。

205:薫 ◆0rlM:2013/01/07(月) 20:12 ID:4vU


ぎゅっと目を瞑る。
一馬先輩からの返事は、ない。

舌打ちさえも、動く音さえも聞こえない。

不審に思った私は、そっと目を開ける。


と同時に、私の顔に熱がこもる。


「み、見てんじゃねぇ!!」
「ひっ、ご、ごめんなさい!!」


咄嗟に私は顔を背ける。
……今のは、幻覚?

あの一馬先輩が。
口が悪くて、ピアスジャラジャラで、制服もきちんと着ない不良先輩が。



赤面———……だなんて。



気のせい。
……そう、気のせいだ。

暑さのせいで赤くなった顔を、私は見ただけ。


暑さのせい。
ありえない。一馬先輩が、赤……


「今の忘れろ!!おい!!」
「え、あ、は、はいっ」
「くっそ……」


はい、なんて咄嗟に言ったけど、忘れられるわけない。


レア。
レアすぎる。


一馬先輩の……赤面。
写真、撮りたかったな。

206:麗愛:2013/01/07(月) 21:58 ID:RNw


ダンボールの上に座っても潰れにゃいの?

207:あんず:2013/01/07(月) 22:35 ID:mTs

200おめでと〜♪薫っ!!

か、一馬先輩が赤面だとぉ!?
私も、その写真、撮りたかったな。

みみみみみ実莉ちゃん!!!
も、もし今度その写真撮れたら、私にも頂戴っ!!

208:薫 ◆0rlM:2013/01/08(火) 09:19 ID:4vU

麗愛>>
中に教科書とか入ってるから(使われなくなった)…。
いつか説明したはずなんだけど、してなかったらごめん!


あんず>>
ありがとう!!
私も撮りたかった…っ!

209:薫 ◆0rlM:2013/01/08(火) 10:42 ID:4vU

*お知らせ*

今日で薫は、葉っぱ天国を卒業します。





———なんてことはなくて。



けどそれに近いです。

しばらく葉っぱ天国、細かく言うとネットができなくなります。
けれど、この小説を放置する気はありません。
いつか必ず戻って来る気でいます。

またいつか、会える日がくることを待ち望んでいます!
待っててくれると嬉しいです。

今まで本当にありがとうございました。
感想コメントをたくさんもらって、すごく嬉しかったです。

今まで色んな人に迷惑をかけました。
最後まで迷惑かけてごめんなさい。

そして私が戻ってきた時も、仲良くしてくれると嬉しいです。

小説もいっぱい書いて、上手くなるように頑張ります。


では、また会える日まで。

210:梅子 ◆N4dg:2013/01/08(火) 12:14 ID:gTo

>大好きな薫
ネットが出来るようになるまで待ってるよ!
その時はきっと仲良くしてね
交流板でも、交換日記でも、此処でも

「希望の光は、君の存在」が更新されたらいつでも見に来る!
(迷惑だったらゴメンネ)

うん、また会える日まで......

211:大和:2013/01/08(火) 13:38 ID:P96

正式な挨拶ということで一応ここに書きこませて頂きます。
それに近いと言っていたから今がいいと思ったので…。

薫は本当に初期の頃から支えてくれてたね。
俺の小説はコメントとかが少ない方だから、
何度も書くことに意味はあるのかとか悩んだけど
ああいうふうに薫達がいたからここまで俺は書けたんだと思うよ。
交流のとこでも仲良くしてもらったし。
薫は小説を書くのが上手いから、その分上を目指そうとがんばってた。
ちょっとトラブルもあったけどね;;
みんなは「上手い人」をなにかと天才だ、文才がある。
とか「才能」を前提にしてしまう。
確かに「才能」という面も少しあるとしても、
「上手い人」というのは必ずしも努力がある。
いくら自分が自覚していなくとも、もしかしたらそれが「努力」かもしれない。
だから俺はあまり人を「才能」といって誉めることは好きじゃない。
その人の糧を努力を過程を。
わかってあげて褒めたいと思ってる。
そういうふうにがんばったから、
薫には読んでくれる人がいるんだと思うよ。
一度書いた小説の物語は誰でも続きを書くことができる。
だけど、見ている人にとっては書いた人が書き終わらせることこそが大事。
だからちゃんと完結をさせるんだ。
薫のその考えと思考を使って。
俺は薫になにかしてあげるということはできなかったけど、
「久しぶり」という文字を待ってるよ。
きっとそれは俺だけじゃない。

212:saki:2013/01/08(火) 16:25 ID:cnc

薫へ

薫を待ってるから、私。
小説も楽しみにして待ってる、突然のことだったけど
ここでまた会えることを祈るよ
私、薫や陽実…他の努力した方々の上にいこうって頑張った。
それは、薫がいてくれたおかげ
薫が私を強くさせる言葉をくれて本当にありがとう。
トラブルもあったけど私、薫と仲良くしたい。
いつ薫が来るのかもわからないけど
待ってるよ、小説の更新も楽しみにしてます。

薫も私のこと忘れんなよ〜!!

213:あんず:2013/01/08(火) 16:32 ID:mTs

薫、私、薫が戻って来るまで、
ずっとずっと待ってるから。
私も、大和さんと同じように、
「久しぶり」って言えることを待ってる。
もう一度、薫の小説が読めることを、
もう一度、薫と楽しく話せることを、
とても、とても楽しみにしてるよ。

私、薫のこと、リア友と同じくらい、
いや、それ以上の友達だと思ってるよ。
迷惑かもしれないけど。

いつか、薫が戻ってきた時は、私、
薫と『友達』から『親友』になりたい。
その為に(?)私も、小説書くの、頑張るね。

214:りっこ ◆5SxA:2013/01/08(火) 16:34 ID:XhY

薫、時間がどれだけかかったとしても、私はいつまでも薫の事を待ってるよ。
薫には凄くお世話になったし、いっつも楽しい雑談をしてくれたね。
ありがとう。とっても嬉しかった。

それに薫はとっても小説が上手で……
時々『ずるい』って思った時もあったんだ。
私はそれもなしに、ずっと『何で薫にはこんなに上手に小説が書けるんだ』って思ってた。
でもそれは、薫がちゃんと小説に向き合って努力してるからなんだよね。
そんな薫には、とっても憧れてるよ。
だから薫が帰ってくる頃には、薫を越えられるように頑張るね。

じゃあまた会えるまで。

215:麗愛:2013/01/08(火) 21:58 ID:RNw

薫へ

すごい短い間だったけどありがとね!
本当に短かったけど……

戻って来たときゎまた絶対見にいくし、コメントも絶対するからっ!

葉っぱに来れなくなることゎ悲しいけど薫が他の事を全力でがんばってるって信じてるからね!

次、此処で会うときゎいつになるか分からんけど大好きやでなっ!

ありがとう(^▽^)

216:梅子 ◆xgV2:2013/01/12(土) 13:53 ID:gTo

勝手に上げます( ;´Д`)

217:薫 ◆0rlM:2013/01/12(土) 18:29 ID:Uxk

4日ぶり。今日何となく来てみた。
ネット…またしばらくできないかも。

取り合えずコメ返


梅子>>
ありがとう…っ!
今から更新する!今日からまた来れなくなるんで…;;


大和くん>>
本当に…ありがとう。
私も大和くんたちがいたから、上を目指そうと思えた。頑張ろうと思えたよ。
一時期全くコメントがない時もあってレスは全て私で埋まってたけど、
大和くんも同じような状況で、でも懸命に書いていた。
それは皆も一緒で。
応援してくれる皆のおかげで、ここまで来れました。

本当に、感謝してます。


saki>>
トラブルもあったのに、あれから何事もなく話してくれたよね。
そんなsakiに私は感謝してる。
心の隅では嫉妬心もあったけど…。
それでも仲良くしてくれて、すごく嬉しかった。
皆のおかげだよ。私は頑張ろうと思えたし、上を目指そうと努力できた。

本当に、ありがとう。


あんず>>
うん、私も、すごくあんずは大切な存在。
だからかな、私はずっと前から『親友』以上と思えたよ。
時に本音をぶちまけあって、けれど最後は大好きと言うことができて。
本当に嬉しかった。
ありがとう、これからも仲良くしてね。


りっこ>>
私も、思ってたよ、上手い人達はずるいって。
けど、何も分かってなかった。
上手い人は上手い人なりに、努力をしてるんだよね。
「文才」っていうのは、結局は努力のかたまり。

…お互い頑張ろうね。これからも全力で。


麗愛>>
コメントも少なかった中、麗愛は誉め言葉いっぱいで書き込みしてくれた。
あれは本当に嬉しかったし、今でも心の支えになってるよ。
本当に嬉しかった。
まだ出会ってまもないけど、これからも仲良くしてね。



コメントをくれた皆さん、本当にありがとうございます。
この書き込み全てを見た瞬間、涙が出ました。

こんなにも別れを惜しんで、けれど応援してくれる人がいる。
その事実がたまらなく嬉しかった。

これからまた来れなくなって、みんなと話すことができなくなる。
けれど必ず戻ってくるつもりです。

だから、また会った時は
「久しぶり」
って言い合えることを夢見てます。


今日は何度か更新してから落ちます。
皆の気持ちが届いた中、今までにないような小説が書けそうです。


どうか、
これからもよろしくお願いします。

218:薫 ◆0rlM:2013/01/12(土) 18:36 ID:Uxk


ぼーっとつっ立っていると、一馬先輩が表情を整え、私を見る。


「……俺の人生は俺が決めるんだよ」


そう一言言い放たれ、私はどう返していいか迷った。

自分の人生は…自分で。

もちろん私もそうするつもりだし、そうしたい。
人に指図されて動くくらいなら、めちゃくちゃに自分の意思で動いた方がいい。


だから何も言えなくて、押し黙っていたら、


「……強くなるなら」
「え?」
「強くなれるって言えよ。それならお前の通りにする」


それは、私にとって最大のチャンス。

けれど、強くなる、なんて簡単に言えなかった。

無理だよ。
勇気なんて簡単に出るものじゃない。
きいちゃんと、クラス全員と向き合うなんて不可能だよ。

でも、このままは……嫌だよ。


「つ……つよ、…く」


けど言わなきゃ、一馬先輩は授業に出てくれない。
言うからには、強くなるんだ。

強く……


「……あー、くそ」


めんどくさそうに、一馬先輩は口を開く。

無理だよ。
私の頬を伝う涙は、ぽろぽろと床にこぼれ落ちた。


怖い。
向き合うなんて、できない。

けど、きいちゃんと元に戻りたい。


どうすればいいの……。

219:薫 ◆0rlM:2013/01/12(土) 19:35 ID:Uxk



「っ……め、んなさい……」


迷惑かけてばかり。
泣いてばかり。

何でこんなに、弱いんだろう。


「ごめんなさい……!」


ただ強くなりたい。
けれど、なれない。

クラス全員から無視という行為を受けて、涼太くんにも避けられて。
きいちゃんにも千尋ちゃんにも、無視されて……。

それどころか、いじめの張本人はきいちゃんだ。


本当は、心のどこかで気づいてる。


きいちゃんはもう戻らないって。
けれど、もしも1%でも可能性があるならって、思ってしまうんだ。

だからお母さんにも、先生にも相談できない。


一馬先輩に相談しても、助けてくれたり何かしてくれるわけでもない。
笑みをこぼすだけ。


冷たいの。
不器用な優しさは、たまにで。
一馬先輩は冷たい。



けど、





「かず……ま、せんぱい……?」





一馬先輩は、やっぱり優しい。

先輩の腕の中で、私はそう思った。

220:あんず:2013/01/12(土) 22:55 ID:mTs

久しぶり……って言っても4日しか
たってないんだよね。
薫がいない4日……。
他にも友達はいたけど、
何だかやけに長く感じられた。
まだ4日しかたってないのに、
辛くて苦しくて悲しくて……。
薫の書き込みみたとたん、
嬉しくて、嬉しくて…………
涙が溢れてた。
私、1年も薫と離れてたら、死んじゃいそう。

親友……って思っていいってことだよね?
そうだね、もう親友だよね。
信じてるから。
私も嬉しかった。
本音、ぶつけて、大好きって言い合った時、
すごく幸せな時間だったよね。

また、その時間がやってくるまで、
私は薫を待ってます。

薫は私にとって、

世界で一番大切な親友

だから。

221:あんず:2013/01/12(土) 23:06 ID:mTs

君と私のlove図書館
私の作品です。
もし、暇なら見てくれるかな?

222:麗愛:2013/01/12(土) 23:35 ID:RNw


あたしも小説書きだしました。
「私の友達と恋物語」

>薫

コメ返、ありがとう!
あたしは天然なところがあるから気づかない間に相手を傷つけることがあるんだ。
これから、そういうことがあったらごめんね……
小説楽しみにしてるよ。
薫がいなかった日、一週間もなかったのにとても久しぶりに感じた……

223:薫 ◆0rlM:2013/01/13(日) 14:37 ID:uIk

今日も来れた!!
友達の借りてやってます(・ω・)

あんず>>
私もあんずの書き込み見て、死ぬほど嬉しかった…!
これからも仲良くしてね;

麗愛>>
ありがとう!
全然傷ついてませんのん

224:薫 ◆0rlM:2013/01/13(日) 14:41 ID:uIk


一馬先輩は、見るからに不良。
しかも口は悪くて、冷たい。

けど、本当は暖かくて、優しくて。


私を抱きしめる力は、優しくて弱くて、暖かい。


恥ずかしさが込み上げたけど、泣きたい気持ちも溢れてきた。


『泣けよ』


そう言われてるようだった。
無言の教室。私は先輩の腕の中で、泣いた。

225:薫純:2013/01/13(日) 15:04 ID:z32

薫さん>
はじめまして、
薫さん、流石です!
すごい面白いです。
あんまり、最初から読むっていうのはないんですけど、これは面白かったので最初から一気に読めました。
これからも頑張ってください

226:あんず:2013/01/13(日) 15:05 ID:mTs

>>薫
ありがとう。
ありがとう、ありがとう!
もう、ありがとうしか言えないよ……。

これからも仲良くしようね。
離れていても、どこにいても、
ずっと、親友だからね。

227:薫 ◆0rlM:2013/01/13(日) 19:19 ID:uIk

薫純さん>>
ありがとうございます…!
同じ薫同士、仲良くしてくれると嬉しいです(笑)

あんず>>
こちらこそありがとうっ!!
大好きだよっ…!

228:薫 ◆0rlM:2013/01/13(日) 19:24 ID:uIk






しばらくして、一馬先輩は無言で私から離れた。
とくんとくんと、心臓が鳴る。

きっと真っ赤であろう頬に手を当てれば、案の定熱を持っていた。


「そろそろ、戻れよ」
「か、一馬先輩は?」


背を向けて話す先輩に、私は焦りながら言う。
一馬先輩は背を向けたまま、ブレザーを着た。


「出ればいいんだろ」


そう言ってから、一馬先輩は私を見る。
思っていたより顔は普通で、抱きしめたことは何も言わない。

私の体には、きちんと温もりも感覚も残っているというのに。
一馬先輩にとってどうでもいいことかもしれないけど、私は焦った。

けど、それ以上に嬉しかった。


私、涼太くんじゃなくて、一馬先輩が、す、好きなのかなぁ……。

229:薫 ◆0rlM:2013/01/13(日) 19:36 ID:uIk


そこで、はっと我に返る。
ぽーっとしてる間に変なことを考えてしまい、後悔が押し寄せてきた。

す、す、好きなんてありえない。
何考えてるんだろう。


「……おいっ、おい!」
「は、はいっ」
「予鈴鳴ったけど」
「あ、は、はい、さよなら!!」


ダッシュで教室を出る。
お礼も言わないで、感じ悪かったかな。

けど、あのままいたら、何だか恥ずかしくて。
目も合わせられないような動悸が襲ってきた。

だから、これでよかったのかもしれない。


一馬先輩といたら、変なこと考えちゃうし。
いじめられてることは忘れられて、いいんだけど。

けど、教室を出たら、現実に引き戻される。

自分の教室へ戻る道のりが、すごく長く感じて、足が重たかった。

230:麗愛:2013/01/13(日) 22:32 ID:RNw

一馬くんゎ実莉ちゃんのこと好きなのかなー?

231:あんず:2013/01/13(日) 22:41 ID:mTs

>>薫
私も、大好き!!
いや……愛してるよ!!!






……本当は、こんなこと言っちゃダメって分かってる。
でも……本音は…………
行かないでほしいっ。
ずっと、ここにいてほしい。
前みたいに、毎日、笑って、泣いて……
もう一回、大好きって言い合いたい。
バカみたいな話や、お遊びがしたい。
____行かないで……っ

……ごめ、ん。
こんなこと言ったら、上にも書いたけど、
ダメだって、いけないって分かってる。
でも、止められなくて……っ。
もう、会えないって思ったら……
淋しくて、辛くて、悲しくて、寂しくて、
おかしいくらい、涙が溢れてきて……
____心が……痛くて。


……ごめんね、こんなに弱くて。
……ごめん、ごめんね。
気にしなくていいから……っ。

232:薫 ◆0rlM:2013/01/14(月) 02:23 ID:uIk


麗愛>>
さぁどうなんでしょ…
最後まではっきりしないかも(

あんず>>
あんず……。
この真夜中に、泣いちゃったよ。しかも友達の家で。
私だって離れたくない。
もっといたいし、話したい。小説だってみんなに見てもらいたい。

けど、けじめ……つけてないから。
内緒でネットやってることに今さら罪悪感感じるなんておかしいけど。
でもやっぱり、堂々と行けるようになってから、皆と話したいんだ。

233:薫 ◆0rlM:2013/01/14(月) 09:50 ID:uIk


教室の戸を開ける。
視線を寄せる者は誰もいなくて、私の心がずきりと痛んだ。


けど、ただ一人。


きいちゃんだけが、私をじっと見ていた。


どく、と心臓が鳴る。
胸騒ぎが起きる。

また何か、される?

震えが止まらなくて、しばらくその場に立ち尽くしていた時だった。




「……放課後、この教室ね」




そう冷たく言い放ったと思ったら、きいちゃんはにこっと笑った。

ゾッと、背筋が凍るような感覚が襲う。


放課後……?

234:梅子 ◆xgV2:2013/01/14(月) 10:03 ID:gTo

きいちゃんは何を考えているのだ!?
ていうか行かなかったらどうなるんだろう…ボソッ

続き待ってるよ!

235:薫 ◆0rlM:2013/01/14(月) 10:47 ID:uIk

梅子>>
どうなるんだろ←
続き楽しみにしててね、書けるか分かんないけど←

236:麗愛:2013/01/14(月) 14:46 ID:T4A

仲直りしろぉーーーー!

ごめんなさい・・・《汗

237:梅子 ◆xgV2:2013/01/14(月) 14:50 ID:gTo

>薫
うぉ?どうなんだろうねってww(´ж`;)
楽しみにしとーく!!待ってるお♪

238:あんず:2013/01/14(月) 17:15 ID:8Sc

〉〉薫
薫、私も泣けてきちゃったよ…。

私、薫が堂々とここに来るために
けじめ付けて、また久しぶりって
言える時を、ずっとずっと

待ってるから。
ずっと、待ってるから。

だからそれまでお別れだね。
だけど、だけど、私のこと、
忘れないでねないでね?
私も忘れずに、待ってるから。

239:時雨 ◆97Dk:2013/01/14(月) 22:01 ID:T/.

ぐえっ!!!???←

薫、卒業に近いことしちゃうの!?
……じゃ、じゃあ俺も←

更新、頑張って!!…できたらですけど

240:薫 ◆0rlM:2013/01/15(火) 14:29 ID:S1E

pcからの登場
感想どうもです!
pcからは来れるんです。

続き↓

疑問しかなかった。
放心状態に近いようにぼーっと立ち尽くす。
すると、周りから聞こえるのは笑い声。
はっと我に返る。

みんなの笑い方は、必死に笑いをこらえるような感じ。

これから起こることを、楽しみにしているかのように――――。


「古賀?」


気づけば、先生は教室に来ていて。
私はあわてて席についた。

いやな予感がする。
けど、もし何か変わるなら、残った方がいい。
まんまとはめられるかもしれない。

でも、もしもきいちゃんを変えれるとしたら?
そのチャンス、逃すわけにはいかない。

無視され続けて話せないのも、今日は何とか会話ができそうだ。


隣で苦しそうに顔を歪める千尋ちゃんに気づくはずもなく、
私はきいちゃんの言う通り、残ることにした。

241:麗愛:2013/01/15(火) 19:43 ID:RNw

きぃちゃん何するのかな?

242:薫 ◆0rlM:2013/01/15(火) 20:27 ID:S1E

毎日短時間なら、来れるかも!?


続き↓



——————……
———……
——…


放課後。

まず先に、一馬先輩のことを伝えに職員室へ行った。
先生はすごく喜んでいて、「授業に出ていたようだ」と言っていた。

ほっと、ため息が出る。

よかった……出てくれたんだ。
明日、お礼言わなきゃ。


「失礼しました」


頭を下げて、職員室を後にする。
ここからが、放課後の始まりだ。

バッグは教室にあるため、私は教室へと足を運ぶ。
本当ならば、バッグを持ってきて報告後はそのまま帰るつもりだった。

けど、今日は特別。

きいちゃんに、言われたから。
きいちゃんを取り戻すために、全力で行動したい。

ぎゅっと拳を握る。

強くなんてなれない。
私は弱い。そう一馬先輩にもはっきり言われた。

けど、できる限りのことはしたいよ。


私はさらに強く拳を握り、階段をかけ上がった。

243:薫 ◆0rlM:2013/01/15(火) 20:28 ID:S1E

宣伝!

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=mikan1013

魔法のiらんどでも小説書いてますっ
よかったら見てください!

244:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 10:19 ID:S1E



教室の戸を目の前にし、私は立ち止まった。
止まらない震えを、拳を握っておさえようとする。

けど、震えは止まらない。
とめどなく押し寄せる恐怖に立っていられなくなった。


「きいちゃん……っ」


でも、進まなきゃいけない。
強くなるため。きいちゃんを変えるため。

そう言い聞かせるけど、手は簡単に動こうとはしない。
中からは何も聞こえなくて、静かだった。


大丈夫、行ける。
ううん、行かなきゃいけない。


思いきって、私は戸を勢いよく開いた。

245:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 14:14 ID:S1E


戸を開けて、すぐ体が凍りついた。
石のように固まった体は、動くこともへたり込むこともない。

中にいたのは、いじめの主犯のきいちゃん。
……と数人の女子。



そして————



「りょ……た、くん……?」



涼太くんだった。
涼太くんは、俯き気味に、机に座るきいちゃんの前に立っていた。

曇った顔の涼太くん。
もしかして、きいちゃんに言われて?



——どうして、ここまでしてきいちゃんの言うことを聞くの。



ただ絶望しかない。
何かされる、とは確信していた。
けど、涼太くんがいるなんて予想だにもしていなかった。


——逃げなきゃ。


反射的に、そう思う。

246:梅子 ◆xgV2:2013/01/16(水) 15:44 ID:Utc

なんだと!?
実莉ちゃん、逃げないと!!
急げー==333(つ°д°)つ

247:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 15:46 ID:S1E

梅子>>
逃げられるかなー(おい

248:梅子 ◆xgV2:2013/01/16(水) 15:49 ID:Utc

>薫

絶対に逃げさs((なんでもないッス

249:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 16:08 ID:S1E


けど、鞄は机の上。
廊下側が席のきいちゃんは、今の私と距離が近い。
鞄を持って逃げるのは不可能だし、今ここで中に入るのは危険だ。

だからといって鞄を置いたまま逃げれば、どうなるか分からない。
明日の朝困るし、中身が全て捨てられたり、ってこともある。

ニヤニヤと笑うきいちゃんを、私は強い眼差しで見つめる。


「何か用、でも?」


強いふりして、強く言ってみる。
なるべく涼太くんには視線を向けない。
怖くて、怖くて、仕方なかった。


「……さぁ、何だと思う?」
「どうして、どうして私なの?私は、きいちゃんが大好きだよ……」
「嫌いって言ったじゃない」
「それは、ちょっとカッとなっちゃって……!」
「……ふーん」


きいちゃんはニヤニヤ笑いながら、机から降りた。
それに反応して、肩が揺れる。

……いつ、何をされるか、分からない。

警戒でいっぱいだった。

250:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 18:03 ID:S1E



「そうだ、実莉」


思いついたように声を漏らし、ゆっくり私の元に寄るきいちゃん。
私は後ずさりしながらも、


「……何?」


と恐る恐る聞いてみる。
するときいちゃんは、にっこり笑った。
その笑顔が不気味で。
いつもに増して、きいちゃんの周りは黒い空気が取り囲んでるようだった。


「友達に戻りたいんだよね?」
「……?」
「そんな警戒しないでよ。ねえ、実莉」


長い足を動かして、きいちゃんはあっという間に私の前に立ちはだかる。
後ずさりしたけど、もうこれ以上はできない。後ろは壁。

教室の状況も分からず、きいちゃんのアップだけが私の視界にある。
ごくりと喉を鳴らした時だった。


「戻ろっか、友達」

251:梅子 ◆xgV2:2013/01/16(水) 18:50 ID:Utc

えっ…(°д°||)
衝撃的なんだけど…
何じゃーそりゃっ!って感じなんだけど。

きいちゃんって結局、優しいの?
わかんねぇ〜……

252:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 19:10 ID:S1E

梅子≫
さあどうなんでしょうw
作者も衝撃!←
まあ、先が分かってるんで何とも言えないんだけどww

253:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 19:15 ID:S1E


最初、何を言われているのか分からなかった。
理解した頃には、背中に緊張の汗が流れる。
楽しそうに眉を上げ、ニヤニヤと笑っているきいちゃん。

―――信じられない。

私は無言のまま、首を横に振った。
不思議と息を潜めてしまう。

254:薫 ◆0rlM:2013/01/16(水) 20:04 ID:S1E

はい!短いですね!
スマソです……。

255:舞:2013/01/16(水) 20:16 ID:RNw

友達に戻れるのっ!?
でもなぁ…………………
きぃちゃんやから…………………

オソロシッ!!

256:薫 ◆0rlM:2013/01/17(木) 10:26 ID:S1E

息を十分に吸ってないせいか、息苦しくなる。
すう、と、前より大きく息を吸い込んだ時だった。


「取り合えず、教室に入ろうか」
「……何、で」
「いいから早く」


一瞬、きいちゃんの顔が一変した。
ニコニコ笑ってるのは作り笑いだって分かっていたけど、もうそんなの関係ない。

作り笑顔の欠片もない、暗闇に包まれた顔——。
眉を釣り上げ、瞳は細く切れ長に、綺麗な顔はまるで悪魔。
ぞくっと鳥肌がたった。

今度こそ、逃げなきゃ、と思った。
体勢を変え、鞄を置いて走る。


その時、



「……待ちなさいよ」

257:薫 ◆0rlM:2013/01/17(木) 11:57 ID:S1E




後ろから響く低い声。
私は構わず走り抜けようとした。


——が、



「待ちなさいって言ってるのが聞こえないの?」



ふっと笑いが漏れたと思ったら、ぐっと髪が引っ張られる。


「痛……っ!」


髪を引っ張っていたのは、紛れもなく悪魔の笑みを浮かべたきいちゃん。
教室の開いた戸からは、女子全員と涼太くんがいた。

そこに千尋ちゃんはいない。

何で?と思ったけど、今はそんなことを考えられるような状況じゃなかった。


「私が足が速いって知ってるよね。
 ——逃げられるわけ、ないじゃん」


「痛いっ……!」


ぐっとさらに髪を引っ張られ、私はついて行くしかなかった。
というよりも、無理に連れて行かれた。

258:薫 ◆0rlM:2013/01/17(木) 13:40 ID:S1E



教室に入って、叩きつけるようにきいちゃんは私の髪から手を離す。
痛い、なんて言ってる場合じゃなかった。

本能が警戒して、心拍数は上がっていく。


“危ない”。
そう思っているうちに、ぴしゃりと戸が閉ざされる。


同時にきいちゃんは、ふふ、と可愛らしい声を漏らした。


今となっては、悪魔の微笑みとしか感じられない。

259:薫 ◆0rlM:2013/01/18(金) 16:40 ID:S1E


震える体を、私は必死に起こそうとする。
けど、バクバクと体が跳び跳ねそうな心臓と、震える手が邪魔して起き上がることができない。


「せっかく、友達に戻ってやろうとしたのに」
「友達なんかに、もう友達なんかになりたくない……!」


震える声を絞り出すように、私は必死に叫んだ。
教室にいる全員の動きが静止する。

その雰囲気を壊すように、きいちゃんは高らかと笑った。


「ふ、ふふ……あはははっ!!」


何がおかしいのか。

ただ、悔しかった。
何もできない自分と、きいちゃんの思い通りになる現実。
悔しくて、悔しくて、でも、何かすることはできなかった。


弱い私が勇気を出して、ましてや、きいちゃん、そして大人数の女子相手に闘うことなんてできない。

楽しそうに笑うきいちゃんを、私は歯を噛み締め見ていることしかできなかった。

260:薫 ◆0rlM:2013/01/18(金) 18:24 ID:S1E


しばらくして、きいちゃんは笑うのをやめる。
静まり返った教室。

ようやく入るようになった力を入れて、私は立ち上がった。


きいちゃんは私の全身を突き刺すように冷たく見る。
その目にもう惑わされない、と心に思っても、背中の辺りは冷たくなった。


途端に、後ずさりのせいで後ろにいる誰かと体を交じり合わせてしまう。
はっとした時には、もう遅かった。


「なにすんのよ……!」


上げられた手のひらを、阻止する時間さえなかった。
ぶつかってしまった一人の女の子に、平手打ちされると覚悟した。


パンッ、と、響く音にクラス全員が笑ったことだろう。
バランスを崩した私は、再び体を地に預ける。

261:薫 ◆0rlM:2013/01/18(金) 18:33 ID:S1E

*修正*
クラス全員→女子全員



頬と、床に叩きつけられた体が痛い。
そっと庇うように頬に触れれば、熱を持っているのに自分が一番驚いた。

無意識に、私は涼太くんに視線を向けてしまう。

何故だか分からない。
助けてほしかったのかもしれない。
ここまでされてまだ、きいちゃんや涼太くんに助ける私はどこまでも馬鹿だ。


「う……あ、」


酷く怯えた様子だった。
てっきり共に笑っているかと思っていたから、驚きと恐怖で再び震えが発祥する。

とその時、後ろにいるきいちゃんから聞こえたのは舌打ち。
ばっと後ろを振り返った時、私は驚愕で声が出なくなった。


「な……に、それ」

262:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 10:40 ID:S1E

凍ったように固まる体。
恐怖一色で染まる体は、驚きさえも忘れていた。

きいちゃん含め女子全員は、怪しげに笑みを浮かべている。
クスクスという声が聞こえて、皆がおかしくなったんじゃないかと思った。


だって、笑えるはずがない。


きいちゃんの手に握られていたのは、ギラギラと光るハサミ。
眩い光とは違って、怪しげに光るそれをきいちゃんはうっとりしながら見つめている。


「……綺麗だよね、」
「っ」
「これで、その髪の毛切ってやろっかなって」
「……!?」


指を差されたのは私の髪の毛。
咄嗟に髪の毛を庇うように、ぎゅっと握った。

263:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 10:44 ID:S1E

なんかすっごい間違えを発見

席が窓側→実莉
廊下側→きいちゃん

です!
で、課題を写す時は実莉の席を借りてやった。ということです。

264:りっこ ◆5SxA:2013/01/19(土) 11:40 ID:FlY

きいちゃん……もう昔の君はいないのだね。
あと、実莉ちゃんいじめに負けるな!
実莉ちゃんが幸せになる事を願っていますぞ。

265:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 12:00 ID:S1E

りっこ>>
わ、りっこ久しぶり!!
はいはい、幸せにできたらしようかな((

266:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 15:12 ID:S1E


必死な私を、きいちゃんはバカにするかのように笑みをこぼす。
起き上がれない私にハサミを向けて近寄ってくるきいちゃん。


「やめて……っ、」


ひたすら手を動かす。後ずさりする私を見て、楽しそうにきいちゃんは笑った。

それが悔しくてたまらない。
ぎゅっと下唇を噛み締める。
痛みさえも感じられない、恐怖は相当な大きさだった。


「まだ切らないよ? お楽しみは後で」
「……っ」
「本当、馬鹿だよね。弱いくせに、私達に刃向かおうとしてんの?」


目の前で、きいちゃんは口角を上げる。
そして、ハサミの刃で私の顎を持ち上げた。


「やめ、」
「その顔が見たいの」
「っ…!」


悔しい。悔しい悔しい悔しい。
ぎゅっと拳を握る。
震えるもう片方の手で、私はハサミを払いのけた。



「どうして? 前のきいちゃんを、返してよ!!」

267:あんず:2013/01/19(土) 15:27 ID:mTs

きいちゃん、ヒドッ!
実莉ちゃんの悔しそうな顔が見たいだと!?
じゃあ私の顔を代わりに見せるから←
実莉ちゃんを虐めるなぁっ!ww

実莉ちゃん、頑張って!!
幸せな方に、ね?進んでね??

268:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 16:05 ID:S1E

あんず>>

きいちゃん酷いよ、最高に酷い(^ω^)
書いてて潰してyゲフンゲフン、酷いな、と思ってる…。

どんどん悪魔になりゆくきいちゃん…←

269:あんず:2013/01/19(土) 16:16 ID:mTs

>>薫

きいちゃん悪魔になってる。
見てて潰れちまeゲホゲホ……
最低だな、って思ってる。
きいちゃん、マジ最低性悪おんnゴホゴホ……
意地悪な女の子だな、って思う。

きいちゃん、天使に戻れ!!←

270:ゆい:2013/01/19(土) 19:26 ID:dyE

いやー

すごいY

めっちゃすごい

読んでかんどーした!!

きいちゃんこわいね・

271:ゆい:2013/01/19(土) 19:29 ID:dyE

続きはやくみたいです

272:薫 ◆0rlM:2013/01/19(土) 20:27 ID:S1E

あんず>>
きいちゃんはどうなるんでしょ…
作者も分からn(
嘘、分かるよー、ハハ←


ゆいさん>>
ありがとうございます……!
続きは明日になると思いますが、また読んでくれると嬉しいです><*

273:ゆい:2013/01/19(土) 22:04 ID:dyE

絶対読む

めっちゃきになるもん!!

274:あんず:2013/01/19(土) 22:12 ID:mTs

>>薫
作者も分からんって!!ww
分かるよね??w

きいちゃんをもっと優しい子にしてあげてよww

275:麗愛:2013/01/19(土) 23:36 ID:RNw

りっこs正月以来に感じるのゎ気のせいかなw

きいちゃん………………
実莉ちゃんファイト!!

276:りっこ ◆5SxA:2013/01/20(日) 09:46 ID:eHY

>>275

そうですねwwしばらく小説は書かないと決めていたので。

っと。これ以上話すと雑談に発展してしまいますね。

277:麗愛:2013/01/20(日) 11:15 ID:RNw

>276
そうですね。

>薫
実莉ちゃんを助けてあげてぇっ(>_<)
まぁ、それが小説ですけどw

278:薫 ◆0rlM:2013/01/20(日) 13:13 ID:S1E


声が掠れた。喉が痛い。
関係なしに、私は強くきいちゃんを見つめる。

しん、と静まり返った教室に、今度はきいちゃんの笑い声は響かない。
誰もが口を閉ざした瞬間だった。


「前の、……私?」


きいちゃんがゆっくり私から離れた。
驚いたように目を見開いている。
そのうちに、私は近くの机を支えに立ち上がった。


「私、もう一度きいちゃんと……元に戻りたい」
「……」
「きいちゃん、ねえ、目を冷まして」


涙が浮かぶ。
こんな弱々しかったら、またバカにされるに違いない。

何で私は、こんなに弱いんだろう。

ぐっと拳を握る。
きいちゃんは目を見開いたまま、動きを止めた。


「昔の、……」


予想だにしてなかった反応。
私は戸惑うことしかできない。

279:薫 ◆0rlM:2013/01/20(日) 18:59 ID:S1E



「き、希依華……?」


女子の一人が、恐る恐る声を出す。
きいちゃんは、ハッとしたように目を更に大きく開いた。

ゆっくり口角が上がる。
震えてる唇に、私は気づくはずもない。


「昔? 元から私は、こういう奴よ」
「きいちゃ、」
「本当、うるっさいんだよね」


きいちゃん。
ほんの一瞬だけ、苦しそうに見えたのは気のせい?

今は瞳を釣り上げ、また冷ややかな視線を私に向けている。
けど、見間違えとは思えなかった。

目が、叫んでるような気がして。


「もう、いいや。早く出てきてよ」


意味不明な言葉を吐き捨て、きいちゃんはふっと笑った。
真っ黒な瞳は、何も映っていない。

何か分からず立ち尽くす。
その時、目の前の戸が静かに開いた。


「なん……で、」

280:麗愛:2013/01/20(日) 19:35 ID:RNw

うむ、一馬くん…………………

登場してくれないのかなぁ?

てか、薫って本当に小説書くのうまい!
尊敬するっ!

281:薫 ◆0rlM:2013/01/21(月) 12:37 ID:S1E

麗愛>>
一馬先輩……むーん。
次の日くらいには出てくると思いまする。

今はきいちゃんと、実莉の…対けt((

そ、そうかな。
ありがとう(//ω//)

282:薫 ◆0rlM:2013/01/22(火) 17:09 ID:S1E


自分の目を疑った。
けど今見えていることは、紛れもなく現実で。



千尋ちゃんが、青い顔で私を見ているのは——現実。



「あ……」


恐怖か何かで開いた千尋ちゃんの口は、そこから声が漏れる。
私も体が震え、恐怖が押し寄せた。

いなかったと思った、千尋ちゃん。

けど、それは姿を隠していただけ。
きっときいちゃんから指示を受けたに違いない。


ある意味、きいちゃんよりも今は千尋ちゃんの方が怖いと思った。


「切りなさいよ」


楽しそうに、軽い口調できいちゃんは千尋ちゃんにハサミを向ける。
後ろ姿しか見えてないのに、きいちゃんは絶対に笑ってると思った。


「切……?」


ピンっと体の筋が伸びて、千尋ちゃんはガクガクと震え出した。
震える唇から出た声は、戸惑いと恐怖が混じっている。

きいちゃんが発した言葉の意味は、もう分かっている。
だから余計に、世界がドス黒く見える。

283:薫 ◆0rlM:2013/01/23(水) 15:47 ID:S1E


千尋ちゃんも意味が分かったらしくて、顔が強ばった。
それをきいちゃんは見逃さない。


「友達だから、嫌だっての?」


声は低い。けれども表情は楽しそう。
本当に思っていることが何かは分からない。

けど、楽しい、という気持ちは絶対にあるはずだ。


「千尋、ちゃん」


ぎゅ、と、スカートの裾を強く握る。
千尋ちゃんの肩がびくっと揺れた。
私は目を細め、笑う。



千尋ちゃんを、助けたかったの。




「私なら……平気」


不思議と恐怖はなかった。


平気。
千尋ちゃんを助けるため。

そう考えているからか、震えも何もなかった。
ただニコニコと明るい表情を浮かべるだけ。



だから、




涙なんて、出るはずないと思っていたのに。

284:薫 ◆0rlM:2013/01/23(水) 18:12 ID:S1E


一筋の涙が、頬を伝う。
それに私が気づいた時には、既に床にこぼれ落ちていた。


「——…え?」


頬に触れてみる。
目から溢れ出る暖かいもの。
それは、私の手まで濡らしていく。

涙、だ。
気づいた時には、もう遅い。


「嘘。泣いてるの?」


きいちゃんが、大きく目を開いて私を凝視する。
私はそんなきいちゃんを、強く睨んだ。


「あら、友達になりたいんじゃなかったの」
「……っ、」
「あんたが私を睨むなんて、百年早いわ」


ケラケラと笑い出すきいちゃん。
私は悔しさのあまり、重たかったはずの足を引きずった。


「ちょ、近寄るな……!」


きいちゃんの声が響く。
それと同時に、女子は出動。私の体をおさえつけた。

けれど抵抗を繰り返し、きいちゃんの胸ぐらを掴み床に押し倒す。
ぽろぽろと流れる涙は、きいちゃんの顔にこぼれ落ちた。

285:薫 ◆0rlM:2013/01/24(木) 15:54 ID:S1E

上げときます

286:薫 ◆0rlM:2013/01/25(金) 16:13 ID:sBo


私の行動に驚いたのか、もう誰も止めることはない。
きいちゃんも、もがいたり怒ったり、ましてやバカにするわけでもない。

ただ目を見開いて、体を硬直させていた。


「こんなことしか……できないの?」


ズキズキと痛む頭に、自分の掠れた声が鋭く頭に響く。
そして、グッと胸ぐらを掴む力を強めた。


「あんたに教える必要なんて、」
「あるよ」


言葉を遮り、じっときいちゃんを見つめる。

きいちゃんが変わってしまったことは、もう受け入れている。
ただ、理由が分かれば、逃れられるような気がした。ただ、それだけ。

千尋ちゃんとだって、また話したい。


「いじめられる理由を知って、何になるのよ」


今まで驚愕した表情のきいちゃんが、いつもみたいに黒々とした笑顔を浮かべる。
歪む視界で必死にきいちゃんを見捉え、私は瞳を伏せた。



「また、友達に戻れるかも……しれないじゃない」

287:莉羽 ◆EppM:2013/01/25(金) 17:11 ID:Lyk


薫…小説、書いてたんかい(((
今、やっと全部…読み終わったよ(`・ω・´)b

本当に面白い!
泣ける!

…が、一つだけ…
「おいゴラァァァァァァ!!!!!」って言いたくなる点が……(^言^)

うん…でも本当に小説が面白くて!
感動ばっかりしてるよ、私(笑)

頑張ってね☆ミ

288:薫 ◆0rlM:2013/01/25(金) 17:22 ID:sBo

莉羽>>

書いてる!!
ありがとう、めちゃくちゃ嬉しい(泣)

あ、作者も書きながら思っております←

うう、本当嬉しい……っ
ありがとう!!頑張る!!

289:莉羽 ◆EppM:2013/01/25(金) 17:30 ID:Lyk


>>288 薫

うん、頑張ってねw

あとなんか、書き込めるんだよねぇ←
一時的解除かな…?

「おいゴラァァァァァァ!!!!!!」
と、もう言っちゃってますが←
お分かり…でしょうか?(黒笑)

290:薫 ◆0rlM:2013/01/25(金) 18:10 ID:sBo

莉羽>>
完全解除って可能性もあるよ!!!!
そうだったらおめでとうっっ!!!

お分かり、です(笑)
「うわ、うわぁぁ、タヒね」って笑みを浮かべながら書i……((嘘です



続き↓





目を伏せているからか、今度はきいちゃんの服に雫が落ちる。
きいちゃんは何も言わない。


「今のきいちゃんは、嫌い、だけど、前のきいちゃんは、私、誰よりも好きだよ……」


苦しくて堪らないけど、私は無理に口角を上げた。

今のきいちゃんと友達になんて、なりたくない。
けどもしも、前のきいちゃんに戻ってくれたら、私は友達になりたいって思うはずだ。


だから。



前の自分を、思い出してよ。
笑い合っていた毎日を……返してよ、きいちゃん。

291:薫 ◆0rlM:2013/01/25(金) 21:43 ID:sBo

徐々に、私の顔から笑みは消えていく。
やがて残ったのは、悔しさだ。


弱い自分と、変わってしまった親友、毎日。


自業自得なはずなのに、全てを壊したのはきいちゃんだと嘆く自分。
何もできない、無力な自分が私は大嫌いだと思う。


今だって、



「知らない……邪魔!!」



大好きな親友一人さえ、取り戻すことができない。


突き飛ばされた拍子に、バランスが崩れ背中と腕が床に擦れる。

クスクスと聞こえる笑い声は、女子逹のもの。
驚きと恐怖の目を向けているのは、涼太くんと千尋ちゃん。


もう誰も、止められない。
狂ったように、きいちゃんと女子逹は笑う。

これまでにない恐怖と、背中の辺りに冷たいものを感じた。

292:莉羽 ◆EppM:2013/01/25(金) 22:10 ID:Lyk

うわわぁ〜…。
きいちゃん、酷いね…。
まぁ、本当は優しい子だと思うけど(笑)


>>薫
そうかそうか、分かるか←
あのねぇ…面白いし感動するし、いじめがリアルで良いのよ、うん←
でもね、ごもっとも………感想がめっちゃくちゃ言いにくいよ!?
正直に言って!!!(笑)
あ…一つ言っとくけど、薫を嫌って言ってるんじゃないからねっ!
嫌味じゃないからねっ!!
ただ、最初に見た時「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!!!」って思っただけ((笑))
神作に[ピーーーーー]ってなってたからw
うん…うん。←
やっぱり薫は小説上手だなぁ〜…。
私のが超駄作って引き立つよ、うんw
続き頑張れ!

完全解除…だったらいいな(*´∀`*)

293:麗愛:2013/01/25(金) 23:25 ID:RNw

薫小説うますぎ〜

活動休止的なこと言ってたから一時はどうなるかと思ったけど、安心♪

294:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 10:48 ID:sBo

莉羽>>
ま、ま、ま、感想に困るわよね、この話は(笑)
それでもコメントしてくれるとか、超嬉しい(ノ∀`)
[ピ———]とか[ピ———]とかムカついちゃうよね♥

莉羽のは駄作なんかじゃないよ!
上手いし面白いじゃん♪


麗愛>>
ありがとう…っ!
はは、心配かけてスマソ(笑)

295:莉羽 ◆Ao1Q:2013/01/26(土) 12:16 ID:Lyk

>>薫
だって超面白いんだもん、薫の小説!
だから神作に[ピーーーーー]ってなってたのが少し嬉しかったりして(*´∀`*)
しかも全然ムカつかない♪
でもその場合、皆の倍以上泣けるよ…この小説は(笑)
感動しすぎて!

296:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 14:21 ID:sBo

莉羽>>
うう、嬉しい、ありがとう(´;∀; ` )

297:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 15:04 ID:sBo



「そろそろ始めようかしら」


高笑いをやめて、きいちゃんは口角を上げる。
警戒しながら、私はふらつきながらも立ち上がった。
止められない。
そう感じたからか、もう恐怖はない。
その代わりに警戒しながらも、一歩ずつ後ずさりした。


「わっ」


五歩程下がった時、後ろにいた誰かとぶつかる。
さっきの女子かと思い、反射的に離れた。
けど、ぶつかった相手は……涼太くん。


「ご、ごめ、なさ、」
「……」


相手が涼太くんだからか、謝ってしまう。
涼太くんは男子。
きいちゃんよりも警戒する必要がある。
謝っても無言の涼太くんから、私は一歩下がってきいちゃんの方を向いた。

瞬間、ガッと頭を掴まれ、そのまま私は床に押しつけられた。

298:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 15:18 ID:sBo

もしも、
薫と雑談がしたい!と思っている人はこちらへどうぞ↓
http://ha10.net/test/read.cgi/yy/1359110487

299:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 15:25 ID:sBo

>>298 追記
感想はここでokです!


続き↓


涼太くんじゃない。それだけは分かった。
不意打ちでやられたため、私は簡単にバランスを崩した。
何度目かも分からないまま、床に体を預ける。
痛い。
そんなことを思ってる場合ではないと、分かっていた。
けど痛くて、肩をおさえながら顔を上げる。

そこには、冷めた目をしたきいちゃん。
可愛らしい顔も、今は暗黒で歪んだ顔としか見捉えることができない。

恐怖はないと思っていたけど、やっぱりぶるっと体が震えた。


「いつもヘラヘラと笑っちゃって、気持ち悪かったんだけど」
「きいちゃんだって笑って、うっ」


お腹辺りに痛みを感じる。
スラリと伸びた長い足が、私のお腹を強い力で押した。
きいちゃんの苦しそうな顔。
ああ、まただ。
また、悲しそうに、顔を歪めてる。

どうして?
私の方が悲しいよ。
馬鹿にしたと思えば、悲しい顔を見せたり……きいちゃんが、分かんないよ。

きいちゃんにとって、楽しいであろう“いじめ”。
なのに、いじめられている私よりも苦しそうなのは、何で?

300:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 15:27 ID:sBo

祝!300!!

うわあぁぁ…
ここまで来れたことに、作者が一番驚いてます!

皆様の応援のおかげです。
本当に、ありがとうございます。

私にとって300は、とても大きな数字に感じてます。

これからも頑張りますので、
どうか完結まで暖かい目で見守ってください。

301:あんず:2013/01/26(土) 15:32 ID:mTs

300おめでとう!!
こちらこそ神作を、感動する、涙する作品をありがとう!!
ずっと応援してるから、頑張ってね!

>>299
きいちゃんかっ!!!

302:薫 ◆0rlM:2013/01/26(土) 15:35 ID:sBo

あんず>>

ありがとう!!!
そんなこと言ってもらえて嬉しいよ…!
これからも頑張るね!!!

きいちゃんです(・ω・)

303:薫 ◆0rlM:2013/01/27(日) 12:55 ID:sBo


「きい、ちゃん」

苦しい中、声を振り絞り名前を呼んでみる。
返答はなく、お腹にある足は力を強めるだけ。

その時視界の隅に映ったのは、顔を青くさせて口を抑えた千尋ちゃん。
何度も足を踏み出したり、引っ込めたりしている。

助けようとしてくれるのかは分からない。
ただ、千尋ちゃんは悔しそうに唇を噛み締めていた。
自分は弱い、と、挫折した時の私に似ていた。

止まっていたはずの涙が、一筋、頬を伝う。

「それだけで、十分……だよ」

千尋ちゃんを見て、私は微笑んだ。
苦しいはずなのに、嬉しい。
そんな私を見て、きいちゃんは足を引っ込めた。

何こいつ、と、女子全員の声が聞こえる。
きいちゃんも気味悪そうに、私を見ていた。

今だ。

ばっと立ち上がる。
すぐに私はきいちゃんから離れて、お腹を擦りつつ、今度はぶつからないように後ろに下がった。

304:莉羽 ◆Ao1Q:2013/01/27(日) 13:24 ID:Lyk

実莉サンは優しいですねwwwwwwwwwwwwwww←

何とも切ない…(/△\)アウ…

305:薫 ◆0rlM:2013/01/27(日) 13:33 ID:sBo

莉羽>>

実莉より千尋ちゃんの方が……((
切ない系好き好き好き←

306:莉羽 ◆QrF6:2013/01/27(日) 13:38 ID:Lyk

>>薫

…かもねっw
千尋も優しぃわ←

切ないのって、やっぱり泣ける(´∀`°)←
やっぱり文才のある薫サンの小説は神だわw

あー私も小説、書こっかなぁ…w

307:あんず:2013/01/27(日) 13:59 ID:mTs

やっぱり切ないね。
そういうところに涙しちゃうんだよー!!
「それだけで、十分……だよ」
この言葉でもう目、うるうるなんだよ〜っ!!

千尋ちゃん、やっぱり優しいね。
優しいところが実莉ちゃんと同類って感じがするな。

>>305
実莉より千尋ちゃんの方が……!?
それ言っちゃダメでしょww
でも、私もその意見に賛せ((殴蹴

308:薫 ◆0rlM:2013/01/27(日) 14:18 ID:sBo

莉羽>>
そんなこと言ってもらえると嬉しいわぁ° ( ° ´Д ` ° ) °
神に近づけるように頑張る、まだ全然神じゃないんで(`・ω・ ´ )キリッ

あんず>>
涙されると、すっごい嬉しいんだよなぁ。
本当ありがとう° ( ° ´Д ` ° ) °
優しい×優しい×悪魔…だね(殴



続き↓



左横には、涼太くん。
前には、きいちゃん。そのきいちゃんの後ろには、千尋ちゃん。
そして右横には、クラスの女子。

完全に逃げ場はない。
それでも私は、千尋ちゃんと一緒に逃げることのできる方法を考え続けた。


「あー……もう、うざすぎる」


その時、きいちゃんがため息混じりにそう言う。
また苦しみの表情が消えていて、私は何とも言えなかった。


「もう、帰っていいよ」


クラスの女子に向けて、きいちゃんは言う。
みんな戸惑ってる様子だったけど、「早く」ときいちゃんに言われ、慌てて教室を出ていった。

この時間のいじめは、終わったのかもしれない。
そう思うとほっとして、口元が緩む。


「あんたも消えて」


今度は、涼太くんを指差す。
少し乱暴な言葉だけど、逃がしてくれるのかと思うと安心した。

涼太くんも少し戸惑う。
けど、きいちゃんの冷めた表情に勝てなかったのか、走って教室を出た。

男の人でさえ、しかも、みんなのアイドル涼太くんでさえ。
きいちゃんに、逆らえない。

……少しだけ、恐怖を感じた。

309:莉羽 ◆EppM:2013/01/27(日) 14:24 ID:Lyk

きいちゃん…怖すぎっ←


薫サン、もう君は神ですよーw

310:薫 ◆0rlM:2013/01/28(月) 16:24 ID:sBo

莉羽>>
確かに、怖い…w
神じゃないすよー(・∀・)


続き↓



しん、と静まり返る教室内。
「帰っていい」と、きいちゃんは言わない。
もしかして、と後ろ向きなことばかり考えてしまう。
安心が消えて、溢れる緊張感。
ごくりと、喉を鳴らした時だった。


「始めようかな」


きいちゃんの口角が、上に上がる。

……始める?

意味が分からない。
けれど、背中に大量の汗が伝っていた。

311:あんず:2013/01/28(月) 16:45 ID:mTs

きいちゃん、何を始めるんだ!?!?

あんず「き、きい……ちゃん?何、する、の……?」

実莉「何、するの……?私にも分からないよ……きいちゃん、何、するの?」

きいちゃん「殺るの(やる)」

とか言わないよね!?
てか、言わないで!!

312:麗愛:2013/01/28(月) 20:02 ID:RNw

きぃちゃんっ………………
怖いぃよぉ(泣

千尋ちゃんって優しい♪

313:薫 ◆0rlM:2013/01/31(木) 16:43 ID:3VQ

ドクドクと、心臓が暴れる。
帰してくれるんじゃないの?
心の中にあった安心感が、全て恐怖に変わった瞬間だった。


「ん」


私を見ていたきいちゃんが、くるりと体を後ろに向ける。
その先にいるのは……千尋ちゃんだ。
後ろからでも、きいちゃんが何をしたかよく分かる。

ハサミを千尋ちゃんに手渡そうとするきいちゃんに、私は今から起こることを理解した。


「……え、」
「早く取って」


戸惑う千尋ちゃんの手に、きいちゃんが強引にハサミを持たせる。
そしてまた体を回し、私を見て楽しそうに口角を上げた。


「切りなよ」

314:薫 ◆0rlM:2013/02/01(金) 16:44 ID:3VQ

上げます。
一応、皆様へお知らせです。

更新率が激減します…すみません。

気長に待っててくれると嬉しいです( ´ ;ω;`)
よかったら、応援願います!

315:莉羽 ◆EppM:2013/02/01(金) 22:07 ID:Lyk


ずっと待ってるちょ♪\(*^○^*)/

面白い小説は、待ちがいがあるからね☆←

316:薫 ◆0rlM:2013/02/02(土) 12:35 ID:Zqg


その言葉は、千尋ちゃんにかけられた言葉。
私の思考が奪われ、何一つ考えることさえできない。
真っ白な頭の中、見えているのは、楽しそうなきいゃんと怯える千尋ちゃん。
あたしは愕然と口を開けて、立ち尽くすことしかできない。


「ちょっと、早く」


きいちゃんが、顔だけ後ろに向けて命令する。
千尋ちゃんは何も言わずに、引きつった表情で私だけを見ていた。
きいちゃんは小さく舌打ちをしてから、ツカツカと長い足を動かし、千尋ちゃんの後ろに回る。

何も言えずに、私はその光景を見るだけで。

固まる千尋ちゃんの耳元で、きいちゃんは怪しげな笑みを浮かべた。

317:莉羽 ◆EppM:2013/02/02(土) 15:43 ID:Lyk


千尋ちゃんに、何て言うんだろ…。

「早く切らないと、あんたをいじめるよ?」
とか、笑いながら言ったりしたら恐怖!←

318:薫 ◆0rlM:2013/02/02(土) 16:09 ID:Zqg

なんか…コメ返できなくてすみません(´・ω・ ` )
もちろん全部見てますよ!!!
返事が来ないから見るのやめた、とか思われたら泣きます←

ちゃんと見てますんでっ
励みになってます、これからも応援お願いします…(土下座)

319:麗愛:2013/02/02(土) 16:52 ID:RNw

もう、きいちゃんを敵としか認識出来なくたなっちゃったよ………

320:あんず:2013/02/02(土) 23:13 ID:mTs

返事、来ないから、来るの止める!!

……なんて言わないですww
見たくて見たくてたまらないしね。
見れない方が辛いww

もちろん応援しますd(・∀・´)


てか、きいちゃんの悪魔度がヤバイよ……。
もう、悪魔を通り越して魔王という地位に君臨しているんじゃ……。
ってぐらいきいちゃん怖い←

321:薫 ◆0rlM:2013/02/03(日) 16:16 ID:Zqg


「自分がいじめられるのと、目の前にいるあの子がいじめられるのと……どっちがいいの?」


細く低い声が、私のところまでハッキリ響く。
真っ黒に染まる視界。
呼吸さえも忘れて、胸が苦しくなった。

…私と、千尋ちゃんと。
そんなの、私がいじめられた方が千尋ちゃんにとって、良いこと。
いじめられるのは、誰だって嫌なはずなんだから。

…でも、辛い。

もし千尋ちゃんが、私をいじめることに賛成したら。
…私に対するいじめは止まらない。
自分がいじめられることを千尋ちゃんが選択したら、私はいじめなければいけないんだ。

嫌だ。
いじめられたく、ない。
でも、いじめたくもない。ましてや千尋ちゃんを相手にして。

ズキ、ズキ、と胸が痛む。
ギラギラと、千尋ちゃんの手に握られたハサミが光った。


「———…私、は」


ガクガクと震えている、千尋ちゃんの膝。
喉を鳴らして、私は息を潜めた。

私を助けるか、助けないか。
千尋ちゃんが選択するのはどっちなのか。
…そんなの、とっくに分かっていた。

322:かおる ◆0rlM:2013/02/06(水) 17:32 ID:Zqg


悔しそうに、千尋ちゃんは固く目を瞑る。
ああ、やっぱり。


「やる…」


予想していた言葉。
驚きはしなかったし、千尋ちゃんが決めたこと。

平気だとは思ったけど、体は嘘をつかない。

小刻みに震える手足。
ちょっと力を抜けば、この場にへたりこんでしまいそうなほどだ。


「…じゃあ、早く」


口角を上げ、楽しそうに笑うきいちゃん。
怖くて、堪らない。
今度は素直に、そう思ってしまった。

ハサミを持った千尋ちゃんは、半歩だけ前に進む。
それを何度も繰り返し、きいちゃんを越し…私の、目の前。
近くで見ると、顔色の悪さがよく分かった。
けど、心配する暇もない。

窓を背に、私は千尋ちゃんと同じように半歩ずつ、後ろに下がった。

323:かおる ◆0rlM:2013/02/07(木) 19:03 ID:Zqg

青ざめた顔で、千尋ちゃんが近づく。
逃げ場はない。
震える足が、逃げ回ることを遮る。
ドク、ドク、と跳ねる心臓。
あたしは固く目を瞑った。




「………何、で」


目を開けた時。
視界に入ったのは、きいちゃんにハサミを返そうとする千尋ちゃん。
ただ驚きしかなくて、私はその場に座り込む。

ハサミを返す千尋ちゃんの顔が、青い。
何をされるか分からない恐怖が…あるからだ。
きいちゃんは私より驚いたように、大きな目を更に大きく見開いている。

その時千尋ちゃんが、震えながらもきいちゃんにハサミを押しつけた。


「できない…」

324:かおる ◆0rlM:2013/02/07(木) 19:16 ID:Zqg

千尋ちゃんの震えた声。
喉が渇いて、私は声にならない声を上げた。


「ど……し、」


どうして。
——何で?

涙が浮かぶ。
期待なんてしちゃいけない。


「な……っ、あんた、いじめられたいわけ!?」


酷く混乱したきいちゃんが、千尋ちゃんの胸ぐらを掴む。
その拍子に、カシャンと音をたて、ハサミが床に落ちた。


「きいちゃ……」
「何でこいつなの。何でこいつだけなの。何で何で。何でこいつだけ、幸せになるの」


——え?

しん…、と教室内が静まり返る。
なんて声をかけたらいいか分からない。
きいちゃんは、また苦しげな表情を浮かべた。


「どうせ心の中で思ってたんでしょう? 可哀想って。私は恵まれてない子だって。それとも、何?
 笑ってでもいたの!?」
「やめて、きいちゃん!!」


力を入れる。
やっとの思いで立ち上がり、私はきいちゃんの手を強く掴んだ。
千尋ちゃんが解放される。
苦しそうに咳き込む千尋ちゃんが、今度は口を開いた。


「実莉ちゃんは……、そんな子じゃないよ」


強い眼差しで、睨むように千尋ちゃんがきいちゃんを見つめる。
その目に、恐怖などもう宿っていない。

325:かおる ◆0rlM:2013/02/08(金) 16:11 ID:Zqg


——…千尋ちゃん。

目から温かなものが流れ落ちる。
私はすぐにそれを拭って、同じようにきいちゃんを強く見つめた。


「私は……きいちゃんと、仲を取り戻したいだけだよ」


ぎゅっと、きいちゃんの手を握る。
拒まなかったことに、私は驚いた。
きいちゃんの手は、冷たくてどこか寂しかった。
苦しそうに顔を歪めるきいちゃん。
私は、涙の跡を頬につけたまま、きいちゃんに笑いかける。


「やり直したいよ」


きいちゃん、お願い。
祈る気持ちで目を瞑る。
きいちゃんからの返事はなくて、隣にいる千尋ちゃんと、一緒にきいちゃんを見た。
目を開けたすぐ、手が握り返される。

——きいちゃん?


「きいちゃ、」
「…………バカ、みたい」
「え?」


目を伏せたまま、握り返されたと思った手が離される。
するりと滑り落ちた、きいちゃんの手。
私は、きいちゃんの答えを理解した。

326:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 11:33 ID:Zqg

読者様へ

話がごちゃごちゃになってきましたね;;
恋愛の方にもなかなか行けず、同じような話ばかりで。
それにノロノロ更新同様、話の進みもかなりの遅さですね。

自分の文才なさを痛感しました。

…ので、もしかすると、この小説は捨てるかもしれません。

途中放棄なんて、バカなことをしていると自分でも分かっております。
どうにか最後まで続けたいと思っていたのですが…。
この様な進み方では、読者様の期待を裏切るだけです。

最後まで続けられなくて、すみません。
違う小説の方で、頑張ろうと思います。
今まで応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。

327:麗愛:2013/02/09(土) 11:42 ID:RNw

かおるっ!?
この小説やめちゃうの?

この小説を書くことをやめる方が期待を裏切ることになるんだよ?
グダグダでもいいから最後まで書いてよ(泣

まず、みんなグダグダなんて思ってないよ!!

薫に文才があるからみんな読んでるんだから!
そうでしょ?

328:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 12:14 ID:Zqg

麗愛

本当にごめんなさい;;
自分で話がgdgdになってきてるって、思ったから。
麗愛がそう言ってくれるだけで嬉しい。

いつになるか分かんないけど、違う話を書くつもりです!
(新スレたてます)

329:麗愛:2013/02/09(土) 16:54 ID:RNw

本当に書かないの?

330:莉羽 ◆EppM:2013/02/09(土) 19:10 ID:Lyk


うそぉぉぉぉぉん(泣)

薫(平仮名?)が決めたことだから、口出しは出来ないけど…。
うん…仕方ない、か…。

この小説、途中までだけど面白かった!
文才ないなんて言わないで!
充分あるし、面白いし!

次の小説も、頑張ってね^^

331:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 19:18 ID:Zqg

新作です。
http://ha10.net/novel/1360400636.html


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