向日葵の幻想

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1:睦月 ◆6wNU:2012/12/12(水) 18:20 ID:7Dk

ど〜も、睦月です★
一旦、今まで書いていた小説をリセットして新しく始めました

今回の小説は『向日葵の幻想』です
ミステリーが書きたいと思っていますが、
難しいのでこの小説を断念することになるかもしれません
もし、そうなったらすみません!!
なるべく、ならないよう頑張りますが…

感想とか…欲しいです……。いや、下さい!!
荒しとか迷惑系以外ならOKですので

では、宜しくお願いします!

2:睦月 ◆6wNU:2012/12/12(水) 20:06 ID:7Dk

油蝉が鳴いている。

油蝉の鳴き声を聞いて、夏を感じ、楽しくなれる人もいるだろう。
だが、僕は違う。
鬱陶しく鳴く蝉の声に、苛々する。

耳を強く手で塞ぎ、先生の声すら聞こえなくする。
聞こえるのはグワーンという無の音だけだった。

ふと、窓の外に目を向けると、強い風が吹いていた。
強く、とにかく強い一陣の風が。
耳を塞いでいる筈なのに、風の音が聞こえた。
恐ろしい、化け物の鳴き声のような音。
恐怖に身震いした。

耳から手を離す。
それと共に戻ってくる蝉の声。
そして、風の音。

きっと、これが全ての始まりだったのだ。
夏の、たった1つの物語。

3:睦月 ◆6wNU:2012/12/15(土) 17:10 ID:7Dk

[−1−]
「誰か奥田の家、行ってくれる奴いるか?」

担任の岩沢先生の声。
奥田というのは6月の半ばから虐めを受け、不登校気味の女子で
いわゆる不思議ちゃんだ。
<奥田って誰だよ?> <あの嫌な奴だろ?> <ってか行きたい奴いるのかよ>
先生の一言で、夏休み前で浮かれていたクラスの男子が騒ぎ始める。

「ほら、そう言わずに。
 行ってくれる奴、居ないのか?」

<おい前島行けよ> <嫌だよ> <家、近いだろ?>
またもや、クラスの男子が騒ぐ。
暑さに、蝉に、風に、クラスの男子に…どれだけ苛々させられるんだ。

「お。土屋、行ってくれるんだな」

怒りで奥歯を噛み締めて、窓の外をじっと眺めていたら、
急に僕の名前が呼ばれた。
慌てて先生を見ると面倒なことがなくなったと、嬉しそうな顔でこちらを見ている。
気がつくのに数秒掛かった。
・・・・無意識の内に・・手を挙げている。

「奥田の家は知ってるな。
 じゃあ、これを頼むぞ」

そう言って、先生からファイルを渡される。
今更、『いえ、間違えて挙げただけです』とも、言い出せず、それを受け取った。
中には通知表や作文等、1学期に書いた物が入っている。
重たくない筈なのに、それが10キロぐらいの重さに感じられた。

4:睦月 ◆6wNU:2012/12/17(月) 19:14 ID:7Dk

「これで行ってくれる奴も決まったな。
 よし、夏休み直前でウカれるのも判るが前を向け」

岩沢先生が手を叩き、それに反応し皆が前を向く。
僕は気づかれないような小さな溜め息を1つ吐くとファイルを鞄に入れた。
それと同時に岩沢先生が話出す。

「今年で小学校生活も終わりでこれが最後の小学校生活の夏休みだ。
 思いっきり楽しむのも良いが小学校の復習として宿題もキチンとやれよ」

そう言う岩沢先生。
僕は最後に纏(マト)めてやる派なので少々反応してしまう。
だが、クラスの男子大半はそうだ。
僕と同じでやらない派の男子が騒ぐ。
<面倒だろ〜?> <だよな、習字とかもあるし> <自由研究最悪〜>

「まぁ、後で苦しむだけだからな
 先生は言ったぞ」

なんて笑いながら言う先生。
聞こえていないかのように僕は窓の外を見ながら聞き流した。

5:睦月 ◆6wNU:2012/12/18(火) 19:13 ID:7Dk

<キーンコーン カーンコーン>
チャイムが鳴り、皆の興奮が高まる。

「よし、チャイムも鳴ったし夏休み前の最後の挨拶だな」

そう言うと、号令係が嬉しそうに号令を掛ける。
<起立!・・気を付け・・・さようなら>
その号令に合わせて全員が声を合わせて礼をしながら挨拶する。

「「さようなら」」

僕は視線は外のまま、ぼそりと挨拶する。
先生はそんなことに気がつかず笑顔で挨拶する。

「さようなら、最後の夏休み楽しめよ!」

そんな言葉で僕の夏休みは始まった。

6:睦月 ◆6wNU:2012/12/19(水) 19:09 ID:7Dk

校門を出て、いつもは右に曲がるところを左に曲がった。
奥田にファイルを届けるためだ。
ジリジリと太陽が照りつけ、油蝉が煩く鳴き続け、強い生暖かい風が吹き付ける。

「クソー!!・・間違えなかったら今頃家なのに」

あれから10分ほど経ったが、奥田の家には一向に着かない。
苛々してくる。
途中、ある言葉を思い出す。

・・・・・・・・たしか、岩沢先生が注意事項で言っていたことだ。

『最近、動物・・特に鳥だな。
 それを殺すという事件がこの辺り周辺で起きているが、見つけても近づくなよ
 すぐに大人を呼べ。いいな?』

なんとなく、寒気がした。
背筋がゾワッとして、先程から吹いていた風が不気味に思えてくる。

周りに人影はなく、急に燦々と輝いていた太陽が、雲で隠れる。
聞いたことのない鳥の声が聞こえた。
目眩のような・・立ち眩みの感覚がしたのと同時だった。

目の前に止まっていた車の陰に、黒い何かが見えた。
見たくもないし、今すぐここから逃げ出したい。
はずなのに、足は止まることなく進み続ける。
僕は、ほんの少しの興味からその陰に目を凝らす。

「・・・・・・・・・っ!!」

7:睦月 ◆6wNU:2012/12/20(木) 19:59 ID:7Dk

そこには、・・・・・濃い赤のベッタリと付いた鳥がいた。

噂通り、頭が取れ・・いや、取れるどころではない。
頭の骨は砕け散り、中身が飛び出ていて辺りには血が広がっている。
体は体で足が、おかしな方向へ折れ曲がって、内臓が体から出ていた。

「・・・・・・っ・・・ぁ・・・・・・・あ・・・・・・・ああああ!!!」

僕は叫びながら奥田の家の方向へ駆け出していた。
【あんなもの見なければ良かった。】
そう思いながら全速力で走った。


・・・・・・どれくらい走っただろうか。
もう息切れしていて、気持ち悪さを感じていた。
血の味がして、呼吸もままならなくなったとき、僕はやっと足を止めた。

ゆっくりと深呼吸すると、振り返った。
当たり前だが、そこには誰もいない。
動物殺しの犯人も、それから地域の人も。

また、明るい太陽が輝いていて辺りを明るく照らしていた。
木の間から溢れる太陽の光はキラキラと輝いていて、先程の光景とはまったく合わなかった。

「・・・ハァハァ・・・ッ・・ハァハァ・・・・・」

また、ゆっくりと歩き出す。
奥田の家のすぐ近くまで来ていたので軽く早歩きで。

「・・・水・・もらお」

8:睦月 ◆6wNU:2012/12/21(金) 17:39 ID:7Dk

<ピンポーン>
チャイムを押す。

僕は、“あれ”を見てからすぐに奥田の家に着いた。
喉はカラカラで、暑くて怠い。

「奥田___?」

休んでいるのだから家にいるはずなのだが、なかなか出てこない。
コッチは暑い中、家とは反対方向にわざわざ来たというのに。

「おーーいっ!
 奥田、いないのかよ?」

だんだんと不安になって来た。
家の裏手に回れば、1つくらい窓があるはずだ。
もし、何か遭っていたらと考えたら、いてもたってもいられず駆け足で裏に回る。

満開の向日葵がコチラを向いている。
相変わらずキラキラと太陽のように輝いている。

9:睦月 ◆6wNU:2012/12/22(土) 20:05 ID:7Dk

<ギシッ ギシッ>
変な音が聞こえてくる。
階段でも降りてきたのだろうか?

網戸しか閉じていなく、窓が開いている場所を見つけた。
そこから、その音が大きく聞こえてくる。

少々、悪いが網戸を開けさせてもらった。

「・・・・・・・っ!?」

そこに、あったのは_______
奥田の死体だった。

足が数センチ浮いており、タンスと壁に縄が張ってあり、壁の方に片方の縄の端が、
もう片方の縄の端は、奥田の首を吊るしていた。
そして、それが網戸から入ってくる風で前へ後ろへとギシギシ揺れていたのだった。

タンスは網戸(窓)の右横にあり、この部屋の奥の壁との真ん中に奥田が吊るされている。
奥田の下には、排泄物があり、奥田の少々後ろには倒れた椅子があった。

「・・・・ぁっ・・・・・・・・あ」

僕は、慌てて駆け出していた。
恐怖のせいで、声も出ない。

僕は、慌てて学校に駆け出した。
何故学校へ行ったかは分からない。

でも、自分では冷静な判断だったと思う。

10:睦月 ◆6wNU:2012/12/24(月) 13:30 ID:7Dk

「・・・クッ・・ハアハア・・・・・・岩沢先生!!」

生徒用昇降口が開いていなかったので教員用昇降口から学校内に入り
迷いもせず、職員室に飛び込んだ。

先生達は驚いたようにコチラを見ている。
僕は6年生の纏まりの先生達の机に行き、1組の位置にいる岩沢先生を呼んだ。
岩沢先生は、驚きながら、僕と廊下に出た。

「どうしたんだ、土屋?
 帰ったんじゃなかったのか?」

僕は一生懸命、呼吸を整えて、簡潔に伝えることにした。
今さっき見た、奥田の死体のことを。

「せ、先生・・・。
 僕、奥田の家に生き・・・窓から、奥田の死体を見ました。
 首を吊っていて、死んで・・・いました」

かなり、簡潔に伝えた。
鳥の死体の話など、伝えなかった。

とにかく、早く奥田のことを伝えなければと必死だった。

「・・・っ!?」

先生は、目を見開き、何度か瞬きした。
僕の話が信じられないというような様子だった。

そして、岩沢先生がやっと口を開いたのは、瞬きを10回以上はしたときだった。

「それは、本当なのか?」

様子とは違い、落ち着いたような声だった。
僕は1つ、首を縦に振った。

11:睦月 ◆6wNU:2012/12/24(月) 17:09 ID:7Dk

岩沢先生の対処は落ち着いていて、僕の返事を聞き、すぐに職員室に入った。
僕も一応ついて行くが、先生が電話の前で立ち止まったので、
それより数メートル後ろで終わるのを待っていた。

「・・・・あ、もしもし。
 上央(カミナカ)小学校教師の岩沢と申しますが、
 ウチの1人の生徒が、ある女子生徒の死体を見たそうです。
 ・・・・はい。住所はですね・・・・・・」

電話でもパニックになることなく、淡々と話していた。
少ししたら、先生が受話器を置いてコチラを見た。

「先生は警察と奥田の家で合流することになった。
 土屋は・・・・・・・・・あ、上田先生。
 土屋を送って行ってくれませんか?」

急に呼ばれた上田先生は、岩沢先生に事情を聞いて、快く了解してくれた。
それじゃぁ、と岩沢先生は言って天野校長先生に何かを話に行った。

「じゃあ、土屋くん。行こっか?」

上田先生に微笑まれる。
上田先生は1年生を受け持つ優しい先生で、30代前半の若い先生だ。
いつも笑顔で、僕も結構好きな先生だった。

僕は頷くとん上田先生と、職員室を後にした。

12:睦月 ◆6wNU:2012/12/24(月) 17:12 ID:7Dk

えぇ、もう起こったあとで、今更なのですが
死体とか、一応ミステリーなのでそういうの出てきます
その辺、ご了承ください
遅れて申し訳ございません

13:睦月 ◆6wNU:2012/12/25(火) 16:00 ID:7Dk

>>11
最後の行の
『僕は頷くとん上田先生と、職員室を後にした。』
は、読んで分かりますが
<頷くと【ん】>ではなく、<頷くと、>です
申し訳ございませんでした


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