都会少女の田舎生活

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1:杏:2013/01/09(水) 15:35 ID:VGQ

思いもしなかった
こんな都会慣れしている私が…
まさかこんなド田舎に来ることになるなんて――…


[杏です 色々掛け持ちしていましたが4つのうちの3つをバッサリ捨ててスッキリしたんですが…
 どうもまた書きたくなって書いてしまいました(−ωー;)
 暇つぶし程度に読んでいってください コメント・感想 募集中です]

2:杏:2013/01/09(水) 16:07 ID:VGQ

「…ごめんね香奈
 そういうことだから…しょうがないの」
お母さんの口から出た突然の引っ越し話
リビングはテレビのニュース番組の音しかしなくなった

「ん、いいよ
 仕事の都合なら仕方ないじゃん で、そんなに遠くないでしょ?」
私が引っ越し話にOKを出したのにお母さんの表情は未だにパッとしなかった
「あのね…その東京を少し離れるの」
…東京を…離れる…?

「別に千葉だからそんなに離れてはいないのよ
 だけど場所が…場所で…すごい田舎なの」
「田舎って…どんぐらい?」
私の田舎のイメージといえば…
夏休みに友達の家である北海道に行って そこが結構田舎だったのを覚えている
だけどそこにはスーパーも大きな本屋や道路もあって…
東京よりは田舎だったな ということぐらいの感想しか持てなかった

「えっと…お母さんもよく知らないんだけどね、結構田舎らしいのよ
 …あら電話 食べ終わったらちゃんと食器下げておいてね」
そういってお母さんはそそくさと逃げるようにケータイと話していた

私は言われた通り食器を流しに持っていき自分の部屋に戻った

3:杏:2013/01/09(水) 16:20 ID:VGQ

まさか…東京を離れるとはねぇ…
一応未央と舞と椎名にはメール入れておくか

親友であるこの3人にケータイで簡単にメールを送っておいた
別に…そんなに私は友達を大切にする主義ではなかったから動揺とかはしなかった
すると2分ほどで3人からメールの返信があった

「From 舞
 ウソ〜 転校しちゃうの〜?(・ω;)
 会えなくなるわけじゃあないよねっ?」
「From  未央
 マジか…香奈のママ建設の仕事だから転勤とか多い系? 
 ガッコーでも発表すんでしょ? 
 そっちに行ってもこまめにメールとかしてよね(笑)」
「From 椎名
 え〜ん(泣)
 カナたんと離れたくないけどしょうがないもんね…
 メールするから返信してね じゃないとシーナ 泣いちゃうから!」

可愛い子ぶって流行りの絵文字とかすごいつけたチャラチャラしたメール…
ホント 皆幼稚で…馬鹿みたい
ほんと低能な親友たち…

4:杏:2013/01/10(木) 18:08 ID:zoI

「…奈? 香奈!」
目が覚めた
「大丈夫?あとちょっとで着く前にトイレとかいいかなって思って香奈をみたら…
 すごい汗でつらそうに寝てたから…」
「……大丈夫 暑かっただけ」
「そう? ならいいけど じゃ車動かすわよ」

――夢を見ていた
忘れもしない7月20日の夏
…私の父と妹が亡くなった
それはあの頃の私にはあまりにもグロテスクで…残酷な
「…っ」
思い出すと吐き気がする

思い出したくもない悪夢
10歳の夏

5:杏:2013/01/10(木) 18:25 ID:zoI

人物紹介1

藍城 香奈 (あいしろ かな)
13歳 小学校6年生 女性
夏に父と妹が死んでからどこか冷めた雰囲気になってしまった

藍城 蛍 (あいしろ ほたる)
9歳 小学校3年生 女性
とある交通事故で9歳の若さにして永眠
生きているときは活発で誰にでも好かれる人種だった

藍城 佐奈 (あいしろ さな)
29歳 建設会社にて設計の仕事をしている 女性
香奈と蛍の母  それなりの美人

藍城 詠二 (あいしろ えいじ)
32歳 元警察官  男性
香奈と蛍の父 蛍と出かけているときに交通事故に遭遇 そこで頭を強打して死亡
生きているときは正義感が強く信頼があった

6:ランプー:2013/01/10(木) 18:25 ID:ooA

おもしろーい!
10歳の夏に何があったのー?
続き気になるーー♪───O(≧∇≦)O────♪

7:杏:2013/01/11(金) 16:27 ID:zoI

それは…ネタバレすると交通事故、です
妹の蛍と父の詠二が亡くなった事故が香奈のトラウマになっています
だけどそのトラウマを乗り越えて香奈の心がどう変化するか、
というのが見所です!

ランプーさん
ご観覧 ありがとうございます!

8:杏:2013/01/11(金) 16:49 ID:zoI

「うわぁ…マジでド田舎…」
車の窓から身体を乗り出し外の景色を見る

そこは緑の木々がかなりはえていて、東京では考えられないような風景だった

「香奈 お母さん荷物並べておくから遊びに行ってらっしゃい
 5時までには戻って来るのよ」
「でも…手伝わなくていいの?」
「いいのよ 業者さん、手伝ってくれるらしいの」
お母さんの笑顔に逆らえずそんなに行く気はなかったが
少し車に酔っていたので森の空気を吸いに行くことにした

そこでどんな出会いがあるのかも知らずに…

9:杏:2013/01/11(金) 18:13 ID:zoI

爽やかに空気が流れる
小さな林の中に私は立っていた
ふと上を見ると高い木々にかこまれて小さな太陽が見えた

「何だか神秘的…」
別世界に来たような感覚
自分が別人になったような感じ…

そう離れてはいないと思う
時計もない ケータイも圏外だ
普通は不安に包まれるのだが 私はこの神秘的な雰囲気の中でただ一人別世界に浸っていた

ガサ…
「……? な 何?」
かすかに何かが動く音がした
風だろうか? いや こんな自然の中だ リスの一匹居ても――

「…!」
違う…もっと大きな…何かが私の後ろに…

10:杏:2013/01/14(月) 09:48 ID:13A

「…!鹿?」
私の目の前に現れたのは一頭のシカだった
なんとなく一瞬だけホッとした

本当に 一瞬だけ

そのとき改めてシカを見るとシカは息を荒くして私の方を見ていた
目の色も赤く見えた

「ま 待って!シカだって十分――!」
大きな体、立派な角、丈夫な脚…
あれらは立派なシカの武器!

シカからにじみ出て見えそうな殺気は私への威嚇(いかく)

「い 嫌… やめて…来ないでよ! 誰かっ…」
シカは私にジリジリと近づいてくる
絶体絶命だと思った

11:杏:2013/01/14(月) 14:48 ID:13A

fee――

どこかで笛の音がした
恐怖でいっぱいになった私の頭にもその笛の音はしっかりと聞こえた

「…え?」
驚いたのはそれから
シカが急に私に興味がなくなったかのようにフイと反対方向の林の奥に帰って行った
奇跡が起きたと思った

「な 何が起こったの…」
林の木々は何もなかったかのように葉をサワサワと揺らしているだけだった

12:杏:2013/01/14(月) 14:59 ID:13A

「…ただいま」
ボソッとそう言って玄関に上がる

リビングと言えるほどの広さもない部屋
もう荷物を入れていた  結構内装はオシャレでこれは母のチョイスなのだろう

ソファーに座り込みテレビを入れる
が、何度リモコンのスイッチを押してもテレビの画面はつかない

「あら、香奈帰ってたの?」
母が扉から出てきた
「…うん さっき帰ったばっか テレビつかないよ」
「あ ごめんね!テレビのコード忘れちゃって…
 明日届くから ケータイでも見れるでしょう?」

ケータイの画面を開く
どうやら圏外ではなさそうだ
ふろそこらを歩いていると「香奈」と書かれたネームプレートがぶら下がっているドアがあった
「…ここが私の部屋」

少し期待と開けた後の感想を想像しながら
ドアを開けた

13:杏:2013/01/15(火) 09:51 ID:13A

部屋は前の家のよりは小さく、こじんまりしたという感じだった
まだ机もベッドも置いてなく本当に「無」の状態だった

ただ部屋の真ん中に紙が置いてあるのに気づいた
「…翔さん…!」
それは東京で仲が良くなった人からの手紙だった

「香奈ちゃんへ
 お元気ですか? 香奈ちゃんがそっちにつくのに合わせて手紙を送りました
 本当はお花も送りたかったんだけどそれはまた今度、別で送ります
 そっちはどう? 田舎?都会? どっちにしろ香奈ちゃんが気持ちよく生活できればいいね
 こまめに手紙出すから それじゃあまた 香奈ちゃんも手紙送ってね?
                      翔」

綺麗な白いびんせんに万年筆で丁寧に書かれた翔さんの字――…
嬉しくて涙が出そうになったけど何とかこらえた
この万年筆のインクが私なんかの涙で滲んでしまうのは嫌だもの
学校の馬鹿な人たちとは違って 飾りもない簡素な手紙
それが一番好きになった

14:杏:2013/01/15(火) 09:55 ID:13A

人物紹介

佐伯 翔(さえき しょう)
19歳 大学生 男性
大学と花屋のバイトを両立している青年
香奈と仲が良く天然 
香奈は翔に恋心を抱いているが翔は気づいていない


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