君の運命は僕の手の中。

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1:梨依:2013/01/15(火) 20:23 ID:xBM


「……人間、隙を見せたら……」

メリーナは私のカードから一枚選び、愉快そうに微笑んだ。
そして、そのカードを私へ向け。

「終わりなのよね」

と呟く。
ダイヤの9。
それは、紛れもなく上がり、勝利を意味する。
私の手には、ぐしゃりと潰されたババのカード。

「チェックメイト。じゃーね。早く来なさいよ」

赤いチェック柄コートを翻し、此方を向いてにこりと微笑んでからそう言った。
濃い化粧の奥の瞳は、潤んでいるようだった。

2:梨依:2013/01/15(火) 20:30 ID:xBM


「ババ抜きでもしましょうか」

私も随分舐められたものだ。
メリーナ=ソラリスは、慣れた手つきでカードを混ぜ、私も小さい頃よくしたわ、とぼやいた。
何度も何度も、もういいんじゃないかと言うまでカードを混ぜ続ける彼女は、一旦手を止めた。

「ちょっとくらい、子供らしさっていうの、無いの?」

私は、明るすぎる部屋に顔をしかめ、

「そんなもの、ありません」

メリーナはふぅ、と溜息を一つつくと、右手の人差し指を立て、私の両目へ近づけた。

「このゲームに勝ったら、今日一日お休み。それでどう?」

「……のった」

メリーナは赤く染まった唇をあげ、優しく微笑んだ。

3:梨依:2013/01/15(火) 20:37 ID:xBM


最初は、私がどんどんカードを捨てて行った。
その度にメリーナは嬉しそうに微笑む。
まるで、我が子の成長を眺める母親のように。

「ん、お? あらぁ、リルムちゃん結構やるじゃなあい」

ババを取らせる作戦なのであろう攻撃を無視し、眈々とカードを奪って行く私に呟く。
じゃあそろそろ本気を出しましょ、と言うと、メリーナはまるでカード全てが見えているのかのようにどんどんカードを捨てて行く。

「……強いんですね」

「まあねん」

お、また当たり、と声が聞こえ、視線を手に戻す。
カードは残り二枚。
メリーナのカードは一枚。
これは、決勝戦を意味する。

「んー……」

私の顔を伺いながら指を右往左往させると、何も言わずにカードを奪った。
そして、

「チェックメイト」

と楽しそうに言ったのである。


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