電子パルスの永劫回帰

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1:残月 ◆ain.:2013/01/16(水) 18:30 ID:D5o

少年は繰り返す、何度でも、この世の最期まで。

感想等は喜んで受け付けます。

Level∞-俺様専用
http://www3.atchs.jp/talk555
此処でも書いてるので、良かったらどうぞ書き込み下さいな(^^)

2:残月 ◆ain.:2013/01/16(水) 18:31 ID:D5o

プロローグ

タダイマ、僕の眼に映るこの素晴らしき世界。
タダイマ、僕の五感で感じるこの素晴らしき日々。
タダイマ、僕が僕を生かすこのカラダ。

タダイマ、オカエリ。
生きるコトに貪欲だから、不滅を手に入れてしまった、しかし、だからこそ、彼女をスキになるコトが、愛すコトが、出来た。
いつか、同時に彼女の死を見届けなければいけないコトも分かっていた。
はず、なのに、どうして、こんなに、ココロが痛いのだろう。
痛イ、痛イ、イタイ、イタイ、イタイ。
生きていて、何になるのだろう。
悲しんで、何になるのだろうか。
嘆いて、何になるのだろう。
世界は綺麗であってこそ、僕と言う存在を否定する。
出会いも唐突に訪れて、そして、いつも、別れも唐突に終わる。
僕はいつも孤独と言う世界に浸っている。
世界は終末へと近づき、それも同じように唐突に世界も終わるのだろうか。
ならば、僕はそれを見届けよう。
僕は世界の終末への特急列車だ。

3:残月 ◆ain.:2013/01/16(水) 18:40 ID:D5o

一話

高校に上がり一年目の木枯らしの吹く寒い冬の事だった。その日は珍しく年明け前だと言うのに、粉雪が舞っていた。
僕は路面が凍結する前に早めの朝食を取り、自転車こいで、学校に向かっていた。現在時刻は7時30分。ホームルームは8時45分。ゆっくり走っても、あと15分で学校に着く。
僕が通う高校は周りは畑しかないド級の田舎区域だ。建物があるとしたら、畑の持ち主である民家。それから、学校近くにあるベンチと自販機しかない公園だけだ。
話しに戻るが、たかが粉雪が舞っているだけで、何故僕は、こんな朝早く出掛けるのだろうか。そう、僕は田舎学校の近くにある公園に立ち寄るのが本来の目的なのだ。
僕は自転車から降りて、自販機の前に立ち尽くす少女に声を掛けた。
「待った?ゆき」
この人は浅川有希子。僕と同じクラスメイトの女子であり、僕は親しみを込めて、【ゆきちゃん】と呼ぶ。いや、その呼び名はクラスの皆から呼ばれている。
「うん。私も10分くらい前に来たところだよ。はい、珈琲。いつもの買っといたよ、響希くん」
彼女は僕は缶珈琲を投げ、僕は100円を親指で弾いて投げる。
「はいよー!」
そう、何を隠そう僕と彼女は誰にも言えない秘密があった。その関係は、【飲み友】…っていえば、正しいのかな?
それもこの公園で、この時間帯に限って。この僕こと空夏響希と浅川有希子は珈琲をただ、ここで珈琲を飲みあう仲である。毎日、この時間に二人しかいない公園で珈琲を自販機の缶珈琲を飲みながら、昨日の出来事、宿題について、夜ドラについて。僕らはこの公園で30分ほど語り合っている。
 それが僕の公園に立ち寄る目的の理由だ。でも、僕は彼女のコトが、恋とかスキとか恋愛対象としては見れなかった。
僕はまだ【恋】はなんたるものかを知らない。ただそれだけの理由で。
「そういえば、響希くん、例の研究はどうなったか聞かせて? 」
「ああ、今日は、そういう約束だったね。ちょっと待って」
僕は制服の鞄から、小型の車のサンバイザーみたいなものを取り出す。そのサンバイザーには目の部分の画面はサングラスのように真っ黒で、外からは何も見えない。大きな特徴は耳に付けるものだという事。そして、さらに僕はバッグからそのサンバイザーから伸びているコードに繫がるヘッドギアと呼ばれる特殊なヘッドホンを取り出す。
「ゆきちゃん、これをこのヘルメットを付けて、このヘッドギアを耳に付けて、目を閉じて目の前にないものを想像して欲しい」
ゆきちゃんはヘッドギアを耳に付けて目を閉じた。
「ホントに何でもいいの?例えばこの世に存在しないものとか? 」
「形が創造出来るモノなら何でもいいさ」
僕はそっとその機械にワイヤレスの電源を入れる。徐々にゆきの目の映るその画面に何かが映し出される。
「いいよ。目を開けて。ゆきちゃんが思ったことが、この画面に映ってるはずだから」
ゆきはそろそろ目を開けて立ち上がり、歓喜の声を挙げる。
「わぁお、ホントに向日葵だ。雪が舞い散る公園全体にに咲いている【向日葵】だ。この真冬に咲き誇る向日葵は有り得ないくらいに絶景の絵になりそうだよ響希くん。この機械凄いよ。どうなってるの?」
「脳は目から送られる情報を記号化して認識しているため、それと同様に記憶も記号と言う形式で保存され、人は見たり考えたりするとき、その過去の記憶から組み合わせ、特徴の合致したものを記号化された外部情報と内部記憶を照らし合わせて脳が判断を下す。そして、このマシンで2次元バーコードのQRコードを読み取る携帯電話のように、ヘッドギアから特殊な周波数、僕はこれをARバーコードと呼んでる。ゆきちゃんが想像したものがARバーコードとなって脳に保存された情報をヘッドギアで読み取ることで、その情報をサンバイザーのモニターに送り込み、ゆきちゃんが想像したものが映像化させる仕組みさ。まぁこんな感じ」
ゆきちゃんは僕の研究に感激を受けたらしく、ベンチから立ち上がり、サンバイザーを付けたまま、公園の中でぐるぐると走り回っている。彼女の見ている。余程、画面に映ったものに驚愕しているのだろう。それにしても、真冬の向日葵とはどんなものだろうか。


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