誘拐、そして監禁

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1:ゆず:2013/01/26(土) 17:41 ID:tqU

「お〜い、もえ。」
藤原もえは、慣れない制服をガシャガシャいわせ、平田みずきの下へ走った。
「遅いよ。」
「ごめぇん。朝練忘れてて…。」
もえは言い、その場で体操服に着替えた。
「ちょっ…、もえ。ここ、更衣室じゃないんだけど。」

2:ゆず:2013/01/26(土) 17:43 ID:tqU

みずきの言うとおり、ここは体育館の前だった。
「恥ずかしくないの?」
「朝練遅れてんでしょ?ちょっとでも早くしなきゃ…。」
顔を真っ赤にして、もえは言う。本当はこの上ないほど恥ずかしい。
しかし、男子がいないので、よかった。

3:林檎:2013/01/26(土) 17:56 ID:2U6

ゆずさんって……あのユズ!?

4:ゆず:2013/01/26(土) 18:46 ID:tqU

あのユズ…。
とは?
すいません、ちがうと思います。

5:ゆず:2013/01/26(土) 18:51 ID:tqU

「お願いしまーす!」
「遅ーい!」
大声を上げて先に体育館へ入ったみずきは、すぐに先輩にどなられた。もえも急いで中に入る。
「おっ、遅れてすいません…。」
おとなしいといわれるもえは、小さな声だった。
「全く。次からはちゃんと来いよ。」
中学3年の盛岡智恵はキャプテンだった。かなり厳しいが怪我したときは保健室まで肩を貸してくれたりと優しい先輩だ。

6:ゆず:2013/01/26(土) 18:55 ID:tqU

ショボンとしながら歩こうとすると、中3の稲葉ヒカルが来た。
「いいじゃないの、チィちゃん。私たちだって、一年のときはよくおこられたじゃない。」
「うるせーな、ヒカル。だからこそ、だよ。」
「こわーい。もえちゃん、みずきちゃん、この人ね。去年2年のときにきにいらない1年の前でラケットで窓ガラスを割ったのよ。気をつけてね。」
みずきはハハハと笑って頭を軽く下げたが、もえはえっ、と固まった。

7:ゆず:2013/01/26(土) 22:55 ID:tqU

中学生になって、1ヶ月。小学生のころから仲良くしていたみずき以外と会話が弾むことはなかった。勉強も難しく、何度もくじけそうになった。
しかし、それを支えてくれたのはみずき、そして卓球だった。部活に卓球があってよかった。
もえは、小学5年のいつかの卓球大会にやる気はなかったが出てみた。サーブすらできなかった自分が相手の打った球を返すことができるようになったのだ。それだけで、もう卓球の楽しさが分かった気がした。

8:ゆず:2013/01/26(土) 22:58 ID:tqU

一年は球拾いくらいしかさせてもらえないが、いつかカッコイい卓球の選手になりたいと思っている。
「そんなのムリムリ。」
一度そうみずきに話したとき、笑って言われた。
「そんなこと、ないもん。がんばってなってみせるから!」
ムキになって言い返したのを覚えている。

9:ゆず:2013/01/26(土) 23:02 ID:tqU

「一年はいつもどおり、球拾い、掛け声の練習、反復横とび。よし、始め!」
智恵が言うと、一年はサッ、と動き出す。
もえとみずきも動き出した。
「ヨーシ、がんばって球拾いしよ。」
「もえ、いいね。私もっ!」
卓球台の後ろに並ぼうとしたとき、肩をたたかれた。

10:ゆず:2013/01/26(土) 23:07 ID:tqU

もえは後ろを振り向いた。
「桜井先輩…。」
二年の桜井さやかだった。
「平田みずき、そして藤原もえ。ちょっと更衣室に来て。」
桜井の後におとなしくついていく。どうしてだろうともえは首をかしげた。
更衣室は体育館から少し離れたところにあった。そこへ行き、中に入ると桜井は突然二人の頬をパァン!と叩いた。
二人は痛みより先に、驚きがきたのだった。

11:ゆず:2013/01/26(土) 23:17 ID:tqU

「何するんすか!」
みずきは怒りを露わにした。
「あのねぇ、私、あんたらに不満があったのよ。いっつも仲良しこっこ一緒で球拾いだってちゃんと真面目にしないし。」
桜井は言って、ロッカーを叩いた。バァン、と音が響く。
「許せないのよ!うざいのよ!…本当にちゃんとしてないと知らないわよ。本気で怒るからね。」
桜井はロッカーの音にビビっているもえを引っ張り、自分のもとへよせた。

12:ゆず:2013/01/26(土) 23:19 ID:tqU

そしてビンタされた。
「きゃっ!」
ジンジンと頬が痛む。みずきはそれを見て桜井に飛びつこうとするが、おさえられた。
「あんたに私はかなわないわ。おとなしくしてないと、あなたもキツい叩きよ。」
みずきは悔しさに震えていた。

13:ゆず:2013/01/26(土) 23:23 ID:tqU

桜井が出て行ったあと、二人はしばらく黙っていた。沈黙をやぶったのはみずきだ。
「桜井の野郎…。」
いつものみずきの目ではなかった。
「もえ、ごめん。助けてあげられなくて。
ごめんなさい。」
もえは首をふった。
「いいよ。みずきまでたたかれたら私、ヤダもん。」
「ありがとう。」
そこでまた沈黙が流れた。

14:ゆず:2013/01/26(土) 23:27 ID:tqU

その日の放課後、部活に行くのがこわかった。それでもがんばって行った。すると体育館にはまだだれもいない。時間がはやかったのだ。
…が、桜井はいた。不幸なことに。
「平田。藤原。来い。」
桜井が手招きする。
「何でしょう?」
「いい?今日から毎日あんたたちを叩き直すから。覚悟してなさい。」
もえは凍りついた。

15:ゆず:2013/01/27(日) 11:36 ID:tqU

そのとき、みずきが桜井に掴みかかった。
「ふざけんじゃねぇよ。私らは叩かれにきてんじゃねぇ。」
しかし桜井は動じず、冷たい目でみずきを見下ろした。
「あんた、自分の立場わかってんの?私に嫌われてんのよ?」
「…くそ。」
普通、みずきならここでくってかかる。しかし、もしここで先輩に何かすれば、卓球選手を目指すもえに傷がつくと思ったのだろう。

16:ゆず:2013/01/27(日) 11:41 ID:tqU

手を放したみずきを見て、桜井はハハハ、と高らかに笑った。
「あんたらがむかつくのよ。ちょっとくらい、自立したらどうなの?いつも一緒だなんて。」
みずきがぐっと拳をにぎる。
「きなさいよ。」
もえは心でみずきに謝った。
「来れないの?そうね、先輩に殴りかかるなんて、即退部よね。それとも、ただのビビりかしら。」

17:ゆず:2013/01/27(日) 11:44 ID:tqU

その言葉が悔しいのか、みずきの顔はみるみる赤くなっていく。
「あ、部長だ。」
「おはよう。早いな、お前ら。」
「おはようございます。いい筋トレ方法があったんで、教えてたんですよ。」
すっかりいい子になる桜井に、二人は呆れた。
「そうか。」
智恵はにっこり笑った。

18:ゆず:2013/01/27(日) 11:50 ID:tqU

その日から桜井に二人はしごかれ続けた。みずきもよく我慢したと思う。すっかり尻は腫れ上がっていた。頬を叩くと、バレるからだ。
「もう、毎日毎日お尻ペンペンされて、痛いよ。」
塾に行く途中、もえはみずきに言った。
「お尻ペンペンなんて、我慢できるじゃない。私は桜井の性格に我慢できないよ。はぁ、もう部長に言おうかなぁ。」
みずきは考える仕草を見せた。
「正義感強いもんね。」
厳しいが、桜井の厳しさではない。桜井はただの拷問だ。

19:ゆず:2013/01/27(日) 11:53 ID:tqU

塾でも、考えていた。いっそ、退部しようかと。いや、それよりもみずきとひっつくのはやめようかと。桜井は言っていた。
「二人がきちんと自立して、一人でも平気になるまでお尻は赤いわよ」
と。
はっきり言って、もう椅子に座るだけでも痛い。
「藤原!ちゃんと授業を受けろ。」
「あ、はい…。」
上の空だったのだろう。

20:ゆず:2013/01/27(日) 11:55 ID:tqU

みずきと別れ、暗い夜道を歩いた。ペンライトだけが頼りだった。

21:ゆず:2013/01/27(日) 11:58 ID:tqU

ふと、背筋がぞっとした。
胸がドキドキと高鳴る。体中がしめつけられたようだ。
「何よ。」
これが、胸騒ぎというものだろうか。
「…もしかしてみずき、桜井先輩に何かされた?」
もしくはみずきが何かをしたのだろうか。とにかく怖くなった。家に帰ろうと早足にはったときだった。

22:ゆず:2013/01/27(日) 12:02 ID:tqU

「藤原もえちゃん?」
声をかけられた。
「は、はい?」
「お母さんが交通事故に合ったんだよ。ぼくはお母さんの幼なじみ。」
お母さん…。
もえは胸騒ぎはこれだったのかと思った。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫。命に別状はないって。でも病院にいるから車で送ってあげるよ。」
命に別状はないと聞き、ほっとした。
「よかった…ぁ。」

23:ゆず:2013/01/27(日) 15:49 ID:tqU

「ぼくの名前は金田勝。じゃあもえちゃん、車に乗って。」
金田の後ろにある黒いベンツの助手席に乗った。
「行くよ。」
「はい。」
胸のドキドキは止まらない。やはり人間は災いなどを感じられる体なのだともえは、感心した。

24:ゆず:2013/01/27(日) 15:52 ID:tqU

夜の国道をベンツは走る。夜の10時だというのに、周りには車がたくさん走っていた。
「もえちゃん、固くなってるよ。アメいる?リラックスリラックス。」
金田が運転しながら出したのは、アメだった。
「ありがとうございます…。」
正直アメなどいらなかったが、不安をかき消したかった。もしかして母が死んだりしたら、と気が気でないのだ。
口に入れると、アップル味がふわっとひろがる。

25:ゆず:2013/01/27(日) 15:55 ID:tqU

「眠たいなら寝てていいよ。」
金田の言うとおり、眠たい。こんなときにも関わらず。
「じゃあ…。」
もえはがんばってアメを転がし、溶かしきった。
「おやすみなさい、もえちゃん。着いたら起こすから。」
「はい。」
もえは目を閉じた。
意外にすぐ眠りにおちた…。

26:ゆず:2013/01/27(日) 16:02 ID:tqU

「…えちゃん。もえちゃん!」
頬を叩かれ、もえは目覚めた。
「ここ、どこ?」
助手席からは病院が見える…はずが、ベッドに寝転がっている。
「ここは、ぼくの家だよ。純粋だねぇもえちゃんは…。」
「金田、さん…?」
「誘拐ってこと知らずに、ついてきちゃうんだから。」
誘拐…。
言葉の意味を理解するのに時間がかかった。
「どういうことですか…。誘拐なんて、そんな。」
金田はフフフと笑う。
「どうして、どうしてそれなら私の名前を知ってるの…!?」
震える手を押さえ、もえは言った。
「コレコレ。」
金田はもえが持っていた塾カバンを指さした。
「ここに名前が書いてあったの。バカだね、本当にバカだ。」
「そんなぁ…。」
もえは絶望した。

27:ゆず:2013/01/27(日) 16:04 ID:tqU

「帰して。今すぐ、家に帰して…。」
涙をこらえ、もえは金田に悲願する。
「ダメダメ。何のためにかわいい女の子を連れてきたと思ってんの。」
「えっ?」
金田はもえをベッドから立たせ、スカートをめくった。
「キャアアアっ!」

28:ゆず:2013/01/27(日) 16:14 ID:tqU

「ご、ごめん!なんかお尻が大きくなってるから、腫れてんのかな、と思って…。変な意味はないんだ。誘拐したのとは無関係。」
金田はうそはついていなさそうだ。しかし、見られるわけにはいかない。桜井からのお仕置きにより、真っ赤なのだ。恥ずかしくて見せられない。

29:ゆず:2013/01/27(日) 16:19 ID:tqU

「いやだ。別にみなくていいです。だから、とにかく帰して…。」
「ダメ。君はしばらく地下に閉じ込めておく。」
閉じ込めておく、というのにもえは我慢しきれなくなって、大声で泣き出した。
「いやぁ、いやです…!」
金田は怒り顔になった。
「言うことが聞けねぇなら、知らないぞ?」
それでもえは少しおさまった。
「いつ、帰してくれるの…。」
「教えない。来て。」

30:MY:2013/01/27(日) 16:44 ID:tlk

なんか読んでてドキドキしてきました!

続き、楽しみにしています。

頑張ってください!応援してます!

31:ゆず:2013/01/27(日) 16:47 ID:tqU

ありがとうございます!
励みになります。
私は結構小学生のころ小説家になりたいとか言ってたんで、こういうサイトがあるのはうれしいんですよ。
MYさんみたいな方も、嬉しいです。

32:MY:2013/01/27(日) 17:18 ID:tlk

そうですか?
なんか言われてる私も嬉しいです!
本当に続き頑張って下さい!

33:MY:2013/01/27(日) 20:26 ID:tlk

小説まだかなっ♪本当、これ

1回読むと続きが気になりますよ!

34:ゆず:2013/01/27(日) 22:42 ID:tqU

金田はもえを引っ張り、地下へ連れて行った。暗い地下の部屋のドアを開けると、何もないコンクリートの部屋が現れた。
「ここでくらすんだ。今まで倉庫として使ってたからね。広いだろう?」
もえはショックで立ちすくんだ。こんなところで…。
「いいから早く入れ!」
「やめてください。」
「早くっ。」
無理やりおされた。

35:ゆず:2013/01/27(日) 22:46 ID:tqU

入ってすぐに、もえはドアノブを引っ張り金田にしめさせまいとした。しかし、男の大人と女の子供では力の差がたかが知れている。あっさりしめられてしまった。
もえはその場にへたりこむ。
「…お母さん。お父さん。みずき。」
先程泣いたため、どんどん涙が出てきた。

36:ゆず:2013/01/27(日) 22:49 ID:tqU

こんな時、みずきならどうするだろうかと考えた。
あのみずきなら、まずは自分にできることを考えるだろう。悲しむことはしないだろう。もえは涙を流しつつ、ポケットを探った。
「何か、ないかな…ひっく…。」
ポケットを探っていると、固いものにふれた。
「…ペンライト!」
不幸中の幸い、ホッとした。

37:ゆず:2013/01/27(日) 22:52 ID:tqU

早速暗く何も見えない地下室を照らした。もちろん何もないが、明かりがこんなに大切なものだなんて…。
「よかった…。」
しかし、これで解決するわけではない。外に出ないといけないのだ。しかし、無理は無理だ。
「あれ?」
向こうになにか白いものがある。紙らしい。もえはその紙の下へ行った。

38:ゆず:2013/01/27(日) 22:58 ID:tqU

紙は手紙のようだ。
見ていいのか迷ったが、相手は犯罪者。見てもいいだろう。
もえはソッ、と紙を開いた。ペンライトでそれを照らす。

拝啓、金田勝さま
何度も送ってすいません。本当にすいません。
大切なものを失ってしまったのは、私のせいです。
でも、私はあなたを愛し続けています。どうか、どうかもう一度やり直すことはできないでしょうか。
        敬具、金田愛子

39:ゆず:2013/01/28(月) 14:15 ID:tqU

金田愛子…。
「だれだろ。」
それに、大切なもの、とは?愛し続けている、とは?
「もう一度、やり直す…。」
もえはじっと考えた。
金田の奥さんが愛子で、離婚した。納得いかないのでもう一度結婚してほしい。
それくらいしか思いつかない。大切なものとは、何だろうか。結婚しているという証だろうか?
もえは手紙をそっと置く。ふぅ、と息をはいた。

40:ゆず:2013/01/28(月) 14:18 ID:tqU

腕時計を見ると、12時を差していた。外は暗いだろう。
「寝よ。」
夢であることを願い、もえは横になる。コンクリートの冷たさが骨までやってくるようだ。
「みずき…。」
ペンライトを消し、もえはしばらくぼーっとしていた。

41:ゆず:2013/01/28(月) 14:22 ID:tqU

目が覚めたのは、腕時計が10時を差したころだ。
「…真っ暗。」
夢でなかったのを知り、ため息が出る。それでも涙は流さない。
がんばるのだ、自分…。
とにかくペンライトを照らす。
そこで、足音が聞こえた。金田にペンライトを取り上げられては困る。急いでポケットにかくした。
「もえちゃーん。」
ねこなで声と共に、地下室のドアがあいた。
「朝ご飯だよ。」
そう言って、パンをほうりこまれた。

42:ゆず:2013/01/28(月) 14:24 ID:tqU

逃げるヒマなく、閉められた。
もえはコッペパンをかじる。空腹など感じなかったが、食べなければ死ぬことはわかっていた。
「早く出して…。」
涙声が響く。
家族や友達はちゃんと警察に言っただろうか?
「早く見つけて。」

43:ゆず:2013/01/28(月) 14:30 ID:tqU

食べ終え、横たわる。学校に行きたい。今なら、桜井にお尻を何発叩かれてもいいと思った。それで帰られるのなら…。
「もう、やだ。」
するとまた足音が聞こえ、ドアが開いた。かすかに明かりがもれる。
「もえちゃん。面白いもの見せてあげるよ。おいで。」
もえは嫌な予感がするのを、しっかり感じとった。

44:ゆず:2013/01/28(月) 15:39 ID:tqU

もえが金田についていくと、女の子が4人、正座している部屋に入った。コンクリートではないが、ここも殺風景でなにもない。
「この子たちは…。」
「君と同じ、誘拐された子供たちだよ。年齢はそれぞれかな。」
金田は突然一人を鞭で叩いた。
「きゃっ!」
続いて二人目、三人目、四人目と叩く。
「いいか?この子に自己紹介しろ。」

45:ゆず:2013/01/28(月) 15:45 ID:tqU

女の子たちは顔を見合わせた。
「…私は、池田トモカ。小学校6年生です。」
一番左の女の子が言った。
「私は中村セイナ。小学校3年生です。」
「あたしは…、木下ハルカです。小学校4年生。」
「私は大石アスカ。中学一年です。」
四人とも終わると、金田はもえを見た。

46:ゆず:2013/01/28(月) 15:50 ID:tqU

「あ、わ、私は藤原もえ。中学一年…です。」
金田はさっきとは打って変わって厳しい顔でもえをアスカのとなりに座らせた。
「いいか?お前ら全員、俺がつかまえた。逃げることはできない。とにかく、お前ら五人は一緒に暮らすことになるからな。こいつ!」
トモカ、セイナ、ハルカ、アスカ、もえの順に金田について行く。

47:林檎:2013/01/28(月) 15:54 ID:2U6

先程の林檎と言います。
あの……感想を良いですか?

とても面白いです!
見てて続きが読みたい!と思いました

でも少し、行を開けた方が良いですよ
読みにくくなってしまうので、
少しでも良いので行を開けて見て下さい。

私の言う事はそれだけです。でわ

48:ゆず:2013/01/28(月) 15:59 ID:tqU


行を開けるのは、やってみるかもしれません。いえ、多分やります。いえ、わかりません。
アドバイス、ありがとうございます!
面白いと言ってもらえて嬉しいです。頑張ります。

…ところで林檎さんは小学何年生ですか?関係ねぇだろ、とは言わないでください。

49:MY:2013/01/28(月) 17:33 ID:tlk

金田さん4人も誘拐してたの!?
・д・…………。
びっくり

50:ゆず:2013/01/28(月) 18:38 ID:tqU

ありがとうございます!
内容で驚いていただけるのはうれしいです。

51:ゆず:2013/01/28(月) 18:44 ID:tqU

連れてこられたのは、先ほどもえがいた場所だ。
「地下…。」
セイナが不安な声を上げる。
「もえが居た場所だ。入れ。」
五人が入ると一緒に金田も入ってきた。
「トモカ、セイナ、ハルカ、アスカ、もえ。五人で過ごすんだからな、仲良くな!」
言って金田は外へ出ていった。
沈黙が流れる。

52:ゆず:2013/01/28(月) 18:49 ID:tqU

「あの、みなさんはいつ。」
もえが話しかえると、セイナが答えた。
「私は1ヶ月前かな…ぁ。」
続けてハルカも言った。
「うーん、あたしは10日前だと思うよ。日にちわかんないから。」
そのつぎにトモカだ。
「私は一週間前。何か知らないけど帰り道に。」
アスカかと思いきや、アスカは答えない。
「あ、私は昨日なんだ。」
もえが言うと、アスカが言うと思ったが、アスカは顔は見えないが腕を組んでいた。

53:ゆず:2013/01/28(月) 18:53 ID:tqU

もえはペンライトを取り出した。明るくなり、お互いの顔が見える。
「私ね、来てすぐ鞭打ちだったよ。」
「あたしも!」
「私もだよ。」
セイナが言うと、ハルカとトモカが相づちを打つ。
「泣きやまないから。」
「あたしも、それ!」
「うんうん。私もだよ。」
アスカは相変わらずだった。

54:ゆず:2013/01/28(月) 18:59 ID:tqU

「もえちゃんは、どうだった?」
「あの、私は泣き止んだから…。」
「そっかぁ〜。」
こんなところなのにどこか明るい三人にもえは驚く。
「あの、どうしてあなたたちはそんなに明るいの?」
ハルカが答えた。
「私らは来た時から一緒だから、もう仲がいいの。」
するとセイナが言った。
「そうだよ。だからもう寂しくないんだ。不安はすっごくあるけど一人よりまし。」
「どうしてもえちゃんはすぐにここに来なかったんだろ。」
トモカが首を傾げる。
「どうせ…。」
アスカが言葉を発した。

55:ゆず:2013/01/28(月) 19:05 ID:tqU

「どうせ金田の野郎が気に入ったんだよ。もえちゃんのことをさ。いじめたくなったんじゃねーの、孤独でいさせて。」
まるでみずきのような言葉遣いだったので、みずきがいるようだった。
「なるほどねえ。」
ハルカが納得する。
もえはここぞとばかりに聞いた。
「アスカちゃんはいつ?」
「…別にいいでしょうがそんなこと。」
「そう言えばアスカちゃんが一番最初にいたよね。」
セイナが言った。

56:MY:2013/01/28(月) 20:09 ID:tlk

確かにアスカちゃんはいつから
いたのか気なるよ!
アスカちゃんは口が固いね〜♪
続き頑張ってね!

57:ゆず:2013/01/28(月) 22:42 ID:tqU

いつもありがとうございます…。
うれしくてなきそうです。メッチャ頑張ります。

58:ゆず:2013/01/28(月) 22:51 ID:tqU

「寝ろ寝ろ。」
アスカは横になる。
「寝ろって、まだ朝だよ?さっき起きたばっかりじゃん。」
「うるさいな、どうせ何にもすることねぇんだ。」
そのままアスカは眠りこけた。
「アスカさんっていつもこんな感じ?」
もえは聞く。
「そうだよ。何を言ってもそっけなくて、とってもツンとしてて…。」
と、ハルカ。
「でもね、とっても頼りにしてるんだよ。」
セイナが言う。
「うん。一番年上だし、強いしね。」
トモカが言い、三人は優しい目をアスカに向けた。

59:ゆず:2013/01/28(月) 22:55 ID:tqU

アスカが眠っているのをみても、眠る気にはなれなかった。もえは悲しみと不安に押しつぶされそうなのだ。
しばらくお互いに見つめ合って、セイナとハルカは眠ってしまった。
「…もえちゃん。金田にね、私たちにひどい扱いをうけてるの。」
「そ、そうなの?」
ペンライトの光が二人を照らす。

60:ゆず:2013/01/28(月) 22:59 ID:tqU

「突然部屋から出してもらったと思ったら、朝ご飯を作れとか。それだけならいんだけど、ちょっとでもおいしくなかったら鞭打ちだよ。」
金田は、いったい何の目的なのだろう…?
「気、つけたほうがいいよ。どんなお仕置きが待ってるかわかんないからね。」
もえはうなずいた。

61:ゆず:2013/01/28(月) 23:04 ID:tqU

頼むからここから出してほしかった。警察の力はこんなものかと考え出す。
とうに腕時計は夜の七時を差している。
「晩ご飯、まだかなぁ?」
もえの腕時計をみて、セイナが腹を押さえる。
「お腹へった〜。」
お腹がへるほど、ここになれているのだろうか。もえは不思議なほど食欲がなかった。

62:MY:2013/01/29(火) 07:28 ID:tlk

暴力振るうなー!金田ー!
もえちゃん達可愛そう!

63:ゆず:2013/01/29(火) 10:13 ID:tqU

もえがいなくなって二日がたつのに、警察からはまだ連絡がない。
みずきは苛立っていた。
「もぅ、もえ、どこ行っちゃったのよ!」
学校だって行く気にならない。
「早く見つけてー。」
祈るように言った。
どこかで倒れているのか?
いや、誘拐か?
どちらにせよ、心配で食事がのどを通らないみずきであった。

64:ゆず:2013/01/29(火) 10:32 ID:tqU

金田が晩ご飯を持ってきたのは夜八時だ。
「食え。」
そう言って朝と同じコッペパンを中ほうりこむ。
「いぇーい!」
セイナは五つのパンを一人一人に分けた。アスカは寝ているが、その前にも置く。
「いただきます!」

65:ゆず:2013/01/29(火) 13:56 ID:tqU

「もえちゃんは?」
今だにだべようとしないもえを、トモカが気遣う。
「うん…。なんか、食欲なくて。」
「食べなきゃ叱られるよ。せっかくあげたのになんだって。」
ハルカがコッペパンをかじる。
「ねぇ、いつもパンだけなの?」
「ううん。明日はサラダが来ると思う。」

66:MY:2013/01/29(火) 16:06 ID:tlk

私の小説読んでくれてありがとう!
これからも続きを応援します!
頑張って!

67:ゆず:2013/01/29(火) 16:47 ID:tqU

ありがとう。
いつも励まし、本当に!

68:ゆず:2013/01/29(火) 17:42 ID:tqU

なるほど、一日ごとに変わるらしかった。
「もえちゃん、食べてよ。私たちが食べたくなる。」
トモカが言った。
そうだ。こんなもので足りるわけがなかった。
「そうだよね…。」
もえはコッペパンをちびちびとかじった。

69:ゆず:2013/01/29(火) 17:45 ID:tqU

「あーあ、いつ帰られるんだろ。」
言いながら、ハルカが仰向けに寝転がった。
「ほーんと。」
その横でトモカも寝る。
「私、お母さんにあいたーい。」
セイナが言って、トモカの隣で寝転がる。
その三人の言葉そっくり、もえの心の内だった。

70:ゆず:2013/01/29(火) 17:48 ID:tqU

もえも、寝転がる。夢ではないことは明白なのだ。
「お願いします、神様。」
もえがつぶやくと、セイナがあっ、と叫んだ。
「私もこの前金田さんの前でそう言ったらどなられたよ。」
「え?」
「神様なんていねぇ、そんなことを言う前に俺からの仕置きを受けろってね!」
ひどい、とつぶやいた。

71:ゆず:2013/01/29(火) 17:53 ID:tqU

「あの、みんなお仕置きって言ってるけど、どんなときになにをされるの?」
もえが聞くと、トモカが答える。
「私の場合、一番多いのはごめんなさいありがとうございますを言わないときかな。」
続いてハルカが言う。
「あたしは泣くとき。」
最後にセイナだ。
「私はいろんなときだよ。もう、ビクビクしてんの。こわいよね、金田さん。」

72:ゆず:2013/01/29(火) 17:56 ID:tqU

「どんなことを?」
「だいたい鞭打ちだよね。それでお尻をパァンって。」
寝転んだまま、トモカが鞭を振るジェスチャーをする。
「何かほんとにSだよ。」
「金田さんね。」
ハルカがあいづちを打った。

73:ゆず:2013/01/29(火) 18:00 ID:tqU

そこで、セイナがあくびをした。
「ねぇー、ねようよ。」
「そうだね。」
もえは答えた。他の二人もうなずく。
「じゃ、おやすみ。」
もえが言うと、三人がおやすみー、と声を揃えて言った。
トモカ、ハルカ、セイナ、そしてアスカが寝息を立てたあとでも、もえはしばらく眠れなかった。

74:MY:2013/01/29(火) 20:28 ID:tlk

そりゃ、早く家に帰りたいよね〜*
マジ可哀想!

75:ゆず:2013/01/30(水) 16:33 ID:h1o

みずきはもえが二日間帰ってこないのをかなり心配していた。
夜だろうがなんだろうが、見つける!
警察が見つけられないのにみずきがみつけられるわけがないが、試してみる価値はあった。
「お母さん、ねてるよね…。」
みずきは母の寝室を確認し、パジャマから私服に着替え、外へ出た。
「よーしっ。」
とにかくみずきは、もえと最後に別れた塾からもえの家までを歩くことにした。

76:ゆず:2013/01/30(水) 16:36 ID:h1o

暗い夜道は、不気味だった。
「こえー…。」
塾も暗い。そらそうだ。もう夜中の12時なのだから。
「もえー。もえー。いないのー?」
いるはずがないが。
「もえー。」
それでもみずきは探す。その時だ。
「お嬢さん。」
「はい?」
声をかけられても、みずきは普通に答えた。

77:ゆず:2013/01/30(水) 16:39 ID:h1o

「平田みずきちゃんだよね。警察なんだけど、お母さんやお父さんは?」
警察と名乗る男だが、私服だった。
「私服じゃん、おまわりさん。」
「勤務は終わったんでね。でも、未成年が一人で夜中に歩くのは、ダメだよ。ちょっと来てくれる?」
有無を言わせぬまま、みずきは男に連れていかれた…。

78:ゆず:2013/01/30(水) 16:41 ID:h1o

「何ですか!わかったよ。帰りますよ。」
それでも男はみずきをつかんだまま、車に乗せた。
「おいっ。」
言うと、突然ハンカチのようなものを顔にかぶせようとしてきた。
「だまってろ。」
かぶせられると、薬により、みずきは眠りに落ちた。

79:ゆず:2013/01/30(水) 16:44 ID:h1o

もえは目覚めた。
「もえちゃん、おはよー。」
セイナたちはもう起きていた。アスカもあぐらをかいて座っている。
「お、おはよう。」
誘拐され、監禁されたままなのだ。
「朝ご飯まだかな。もえちゃん、今何時?」
ハルカが聞いてきた。
「あ、今は9時。」
「今日はなんか遅いねぇ。」
「本当だね。」
「お腹すいたぁ。」

80:ゆず:2013/01/30(水) 16:47 ID:h1o

足音が聞こえた。
「あ、金田さんだね。」
セイナがお腹をかかえて扉の方向を向く。もえはあわててペンライトをかくした。
「朝飯だ。」
扉が開けられ、サラダがおかれた。
「それと…。」

81:ゆず:2013/01/30(水) 18:01 ID:h1o

五人が金田を見た。
「…新しいお仲間だ。」
金田は少女を突き出し、五人の前に立たせた。
「暗くてよく見えないですよ、金田さん。」
セイナが言うと、金田はポケットから携帯をとりだし、ふたを開けた。
「これで見えるだろ?」
もえはかわいそうに誘拐された少女の顔を見て、言葉を失った。

82:ゆず:2013/01/30(水) 18:04 ID:h1o

「みずき…。」
しかし、みずきはうつむいていて、もえに気がついていないらしい。
金田はセイナの肩に鞭を振った。
「きゃっ。」
次にハルカだ。
「痛いっ…。」
その次にトモカだ。
「わぁっ…。」
アスカは何も言わない。表情すら変えないのだ。

83:ゆず:2013/01/30(水) 18:05 ID:h1o

次はもえだ。右肩にするどい痛みが走った。
「…う。」
でも、みずきがいることに驚き、痛みはあまり感じなかった。
「自己紹介しろ、てめぇら。」

84:ゆず:2013/01/30(水) 18:11 ID:h1o

「小学校三年、中村セイナです。」
「小学校四年、木下ハルカです。」
「小学校六年、池田トモカです。」
少し間をあけ、アスカが言った。
「中一、大石アスカです。」
もえは私だよ、と言う代わりに、力強く言った。
「中学校一年、藤原、もえです。」

85:ゆず:2013/01/30(水) 18:14 ID:h1o

その言葉に、みずきが顔を上げた。
「もっ、もえじゃんか!!」
金田が意外そうに言った。。
「おー。友達か。たしかにもえとみずきは同じところで捕まえたからな。」
みずきは、
「中学一年、平田みずきです!」
と言って、もえの下へ駆け寄ってきた。

86:ゆず:2013/01/30(水) 18:16 ID:h1o

すると、金田が突然みずきに鞭を振った。
「いてぇな!」
「友達どうしをくっつけちゃダメだろ。苦しめることを目的でやってんだから。」
まさかともえは目を開いた。

87:ゆず:2013/01/30(水) 18:21 ID:h1o

「じゃあ二つに分けることにするか。」
「そんな!いやです。」
もえが言うと、容赦なく鞭打ってくる金田。
「だまってろ。」
金田は六人をながめる。
「三人ずつか。よし、じゃあこうしよう。もえ、セイナ、アスカがA。
ハルカ、トモカ、みずきがB。」
もえは絶望した。

88:ゆず:2013/01/30(水) 18:25 ID:h1o

しかし、みんな不満なようだ。
「私、ハルカちゃんやトモカちゃんと離れたくなぁい!みずきちゃんとも暮らしてみたかった。」
セイナが叫ぶ。
「もえちゃんやセイナちゃんやアスカちゃんと離れるなんて、いや!」
ハルカも叫ぶ。
「そうだよ。私だって、いや!みんなで暮らすよ。」
トモカも必死に叫ぶ。

89:ゆず:2013/01/30(水) 18:28 ID:h1o

「私だって、反対だ。せっかくもえと会えたのに。そのまえに、帰せっ!!」
みずきも叫んだ。
すると金田はセイナからみずきまでの四人の首ねっこをつかみ、立たせた。
「セイナ?ハルカ?トモカ?みずき?敬語はどうした。そんなわがまま言って、ただですむと思ってんのか?」
四人は一応はだまるが、怒っていた。

90:ゆず:2013/01/30(水) 18:32 ID:h1o

「お仕置きだ。」
金田が鞭を振り上げたとき、もえは待って、と叫んだ。
「なんだ。もえも、キツいお仕置きをうけたいのか?」
もえは首を振る。
「くじ引きとか、じゃんけんとか、公平になるものは…。」

91:ゆず:2013/01/30(水) 18:36 ID:h1o

はっきり言って、それは無理であり、自分も鞭打ちを食らうのだと思ったが、金田は意外にもオーケーした。
「いい度胸だ。じゃあ手早くじゃんけんな。お前らが勝ったら、みんなで暮らすことにしよう。しかし、俺が勝ったらさっき言ったグループに分かれてもらう。そうだ、それから全員にきついお仕置きをするからな。」
もえたちはうなずいた。ただし、アスカは無表情だった。

92:ゆず:2013/01/30(水) 18:42 ID:h1o

「そっちでじゃんけんの代表を決めろ。」
六人は輪になった。アスカを除く五人は話し合う。
「私はみずきちゃんがいいと思うな。」
ハルカの意見に、セイナが賛成する。
「来たばっかだから、金田さんも何出すかわからないからね。」
トモカも頷く。
「じゃあ五回じゃんけんして、勝ち数が多い人は?決まらないなら、みずきで。」
もえが言った。

93:ゆず:2013/01/30(水) 18:45 ID:h1o

金田にそれぞれのくせを見られないように、じゃんけんした。
一回目、みずき。
二回目、もえ。
三回目、みずき。
四回目、アスカ。
五回目、みずき。
結局、みずきだった。

94:ゆず:2013/01/30(水) 18:48 ID:h1o

「がんばって、みずきちゃん!」
みずきは緊張しているのか、首だけ動かして頷いた。
「みずきか。」
「行くわよ。三回勝負ね。」
「おいおい、敬語敬語ー。」
「はい。じゃあさっそく。じゃんけん…。」
アスカ以外全員が手を合わせる。

95:ゆず:2013/01/30(水) 18:52 ID:h1o

「ぽん!」
みずきがグー、金田がチョキだった。
「よし!」
「くそ…。行くぞ!じゃんけんぽん!」
見ると、みずきがグー、金田がパーだ。
「頑張れ!」
次が最後だ。二人だけでなく、応援も緊張する。
「じゃんけん…、ぽん!」

96:ゆず:2013/01/30(水) 18:54 ID:h1o

「…そんな。」
みずきがチョキを出したまま、崩れ落ちた。
金田はグーをたかだかと天井に上げている。
「はっ、はっ、はっ!俺の勝ちだ。じゃあ約束どおり、グループに分かれてもらう。」

97:ゆず:2013/01/30(水) 18:56 ID:h1o

「そして、お仕置きだ!」
もえたちは肩を落とした。
「来い。まずはセイナからだ。」
セイナは肩を落としながら金田のもとへ行った。
「お仕置きだからな、きついぞぉ。」
ニヤニヤしているのは、じゃんけんに勝ってうれしいからだろう。

98:ゆず:2013/01/30(水) 18:58 ID:h1o

おもむろにセイナはズボンを下ろされ、パンツもおろされた。そして足首をもつよういわれる。
「やだなぁ…。」
セイナのお尻は真っ赤だ。いままで何度も叩かれたのだろう。

99:ゆず:2013/01/30(水) 19:01 ID:h1o

金田は鞭ではなく、平手で叩いた。
「痛いよ〜…!」
涙をためて、セイナは痛がる。もえはかわいそうで見ていられなかった。
セイナはまだ小学校の低学年なのだ。
「次っ!」
ハルカが次はたたかれた。
「わああぁーん…。」
セイナはハルカが叩かれるのをみながら、泣き叫んだ。

100:ゆず:2013/01/30(水) 19:04 ID:h1o

そして、アスカのもとへ行く。ハルカやトモカも、アスカの胸に飛び込んだ。
「次っ!もえ。」
もえはそっと金田の下へ行く。
ズボンとパンツをぬがされるときの羞恥心はこの上ないほど恥ずかしかった。そしてお尻を叩かれるのだ。いたくていたくて、苦しい。

101:ゆず:2013/01/30(水) 19:08 ID:h1o

しかも、親友に下半身をみられているのだ。お仕置きが終わり、ズボンを上げる。涙は流れないが、悲しくて痛い。
「つぎっ!みずき。」
みずきがお仕置きされているときは、もえは見ないでいた。
「いってぇよカス!」
「カス!?許せんぞみずき。お前はおまけだ。」
ペシペシという音が早くなった。

102:ゆず:2013/01/30(水) 19:09 ID:h1o

「いってぇっつってんだろ。」
みずきはそれでやっと許してもらえた。
「次。アスカ。」
もえはアスカを見る。表情ひとつかえずにいるのだ。
驚くほどに落ち着いていた。

103:ゆず:2013/01/30(水) 22:21 ID:h1o

お仕置きを顔色ひとつかえずうけたアスカを、他五人は不思議そうにながめる。
「痛くないのぉ?」
すっかりふつうになったセイナが聞く。アスカはこたえずに座る。
「すごいねー、アスカちゃん。」
みずきは言った。
「私、マジ痛かったよ。ついついキレちゃった。」
みずきはのんきそうに言い、ハッとした。

104:ゆず:2013/01/30(水) 22:24 ID:h1o

「そうだ、グループに分かれるんだった…。」
もえも思い出し、つらくなっていた。大好きなみずきに会えたのに…。
金田はフフフと笑う。
「お仕置きが終わったからって、へらへらしてんじゃねぇぞ。さぁ、みずきとハルカとトモカは来い。」
みずきたちが行ってしまう。まさかこのまま一生会えないのではとも思った。

105:ゆず:2013/01/30(水) 22:27 ID:h1o

「みずき!」
もえは涙をためて、言う。数時間前に再会したばかりだったが、本当は数年前からの親友なのだ…。
「もえっ!絶対また会えるから。大丈夫だよ、絶対!」
「う、うんっ。元気で。」
「もえもね。」
それが最後だった。地下室の扉が、閉められた…。

106:ゆず:2013/01/30(水) 22:31 ID:h1o

ペンライトをつけ、お互いの顔を確認する。
「もえちゃん、アスカちゃん、私たち大丈夫かな。」
セイナが悲しそうな声を上げる。
「大丈夫だよ。」
保証などないが、そうでも言わないと自分も心がおれそうだった。
「もえちゃん、今何時。」
「えーと、午前十一時。」
セイナはそう、と小さく返事し、静かに横になった。

107:ゆず:2013/01/30(水) 22:38 ID:h1o

もえはハっとして、ペンライトを持って立った。その様子をアスカが目だけで見る。
「ここらへんだった…。」
あの、手紙だ。
もう一度目を通す。

108:ゆず:2013/01/31(木) 11:00 ID:h1o

何か、あったことは確かだ。
「…もえちゃん、趣味とか、あんの?」
アスカが優しい口調で言ってきた。もえはすぐさま卓球のことを考える。
「うん、私は部活が卓球なんだ。どうして?」
もえが言うと、アスカはフッと笑う。
「私もね、部活が卓球だったんだよ。それでも…。」
「金田さんに?」
アスカは寂しそうにうなずいた。

109:ゆず:2013/01/31(木) 11:04 ID:h1o

「いつ、連れてこられたの。」
アスカは答えない。もえはもう一度聞いた。
「アスカちゃんはいつ、金田さんに連れてこられたの。」
するとアスカは小さく言った。
「…五年前。」

110:ゆず:2013/01/31(木) 11:06 ID:h1o

「五年、前…。アスカちゃんが小学二年生のころ?」
「そうよ。今だに見つけられてないんだ。」
もえは驚き、立ち尽くしていたが、ふと思い出して手紙をアスカに突き出した。

111:ゆず:2013/01/31(木) 11:54 ID:h1o

アスカは手紙を受け取り、読んだ。

拝啓、金田勝さま
何度も送ってすいません。本当にすいません。
大切なものを失ってしまったのは私のせいです。
でも、私はあなたのことを愛し続けています。どうか、どうかもう一度やり直すことはできないでしょうか。
       敬具、金田愛子

112:ゆず:2013/01/31(木) 18:27 ID:h1o

「これは…。」
アスカは口を押さえ、驚いた表情を見せる。
「え、何なの?教えてくれない…?」
アスカは迷っているらしく、口をつぐんだ。
「お願い!」
「そう?じゃあ、私から教えてもらったってことは内緒よ。」
もえは深く頷いた。

113:MY:2013/01/31(木) 20:18 ID:tlk

わぁー!!!!

どうなるのですかー!?

114:ゆず:2013/01/31(木) 21:52 ID:h1o

自分もどうしようか迷ってました…。
いっつも短くドバッと投稿するのですが、
>>112
からは考えて考えて…。
何とか思いつきましたよ。
というか、いつもありがとうございますね、MYさん。
MYさんのおかげでここまで書けたんだと思います。

115:ゆず:2013/01/31(木) 21:56 ID:h1o

「あのね、私金田さんが離婚した次の月に誘拐されたのよ。それで、金田さんの部屋に監禁されてたんだけどね、しばられて。でも空手やら柔道やら野球やらをやってた私はなわを自力でほどいたの。」
もえはうんうん、とうなずく。
「それで?」
「それで、私は金田さんの日記を見つけたわけ。部屋はカギがかかってるから、金田さんが来る前に脱出しようと思って机とかあさってたら。」

116:ゆず:2013/01/31(木) 21:59 ID:h1o

もえは金田が離婚したことを知り、自分の予想通りだろうかと思っていた。
「そこにはそのことが書いてあったの。」
アスカは言って、うつむいた。
何かつらいことなのだろうか。

117:ゆず:2013/01/31(木) 22:03 ID:h1o

「そいで…、それをまとめると。」
少し顔を上げたアスカは話し始める。
「うん。」
「今から七年前、金田さんは上田愛子さんと結婚したの。それは幸せだったらしい。一年後、子供ができたんだけど…。」
突然アスカは黙る。やはり、つらいことなのだろうと、もえは急かさなかった。

118:ゆず:2013/02/01(金) 18:14 ID:h1o

もともと急かせられるような性格ではなかったが。
「流れちゃったの。」
「…そうなの。」
妙に悲しくなった。泣き叫ぶ金田夫婦の様子が浮かぶ。
「それで金田さんは変わってしまった。流産したのはお前がちゃんとしてないからだって、愛子さんを責めたの。そして、無理やり離婚した。」
もえは唇を噛む。
「愛子さんはそれが受け入れられなくて、毎日毎日手紙を送ったらしいわ。」
アスカは手紙を指差した。

119:ゆず:2013/02/01(金) 18:17 ID:h1o

「それを金田さんは、ここの倉庫に投げ込んでたんだと思うわ…。金田愛子って書いてあるのも、まだ自分は金田さんの妻だってことを表しているんじゃないかな。大切なものって言うのは、きっと赤ちゃんのことだと思う。」
もえは小さくうなずいた。
「ありがとう。アスカちゃん…。」

120:ゆず:2013/02/01(金) 18:19 ID:h1o

「それとね。」
まだあるのかともえは顔を上げる。
「日記にはこう書いていた。…もし、子供が生まれていたら卓球をしたかったって…。」
もえはハッとする。まさかと思って、セイナを起こした。

121:ゆず:2013/02/01(金) 18:22 ID:h1o

「なぁにぃ?もえちゃん。私眠たいよ。」
「ご、ごめんね。セイナちゃんって卓球好き?」
セイナはうなずいた。
「何で知ってるの?私ね、一歳のころから習ってるんだよ。」
もえは力が抜けた。
「やっぱり…。ってことは、金田さんは卓球好きな子供を集めてたんだ。みずきもそうだし…。」

122:ゆず:2013/02/01(金) 18:26 ID:h1o

そのとき、金田が扉を開けた。
「昼飯だ。ちゃんと食えよ。」
「待ってください、金田さん。」
もえが金田を引き止めた。
「んだよ。」
「…あの、あの、卓球しませんか?」
すると金田の顔がとつぜん変わった。うれしそうだが、それをかくしているといった感じだ。

123:ゆず:2013/02/01(金) 18:29 ID:h1o

「なんで…。」
「いや、私たち全員卓球好きだから…。」
セイナが驚いた声を上げた。
「なんとなく、やりたいな、なんて…。」
「金田さん!私は知ってるんです。なにもかも!子供のことも、愛子さんのことも!」
アスカが手紙を突き出すと、金田はヒョロヒョロと崩れ落ちた。

124:ゆず:2013/02/01(金) 18:37 ID:h1o

そして、なんと、土下座。
「ごめんなさい…。本当に、ごめんなさい!」
金田の信じられない行動に、皆唖然とした。
「俺は間違ってた。子供がほしくて、たまらなかったからってこんな罪のない子供たちを。本当にすいません…。」
金田の言い方や声を聞いていると、もえは金田は悪い人でないことがわかった。

125:ゆず:2013/02/01(金) 18:39 ID:h1o

「じゃあ、帰してくださいますか?」
「はい。お尻と、心を傷つけてしまい、すいません!!警察にたっぷりお仕置きされてまいります…。」
変わりようが激しいが、金田はやはり根はいい人だ。
「じゃあ…。」
もえたちは、地下室を出た…。

126:ゆず:2013/02/01(金) 18:43 ID:h1o

もえはパトカーに乗っていく金田を見ていた。アスカたちも、呆然と見ている。
あれから数時間たち、もえたちは外にだされ、金田は警察に自首した。
「金田さん…。」
なにも悪くないのにとは言えずにいた。悪い人でなくても、やはり犯罪は犯罪…。」

127:ゆず:2013/02/01(金) 18:46 ID:h1o

「バイバイ、金田さん。」
アスカが突然涙を流した。そのわけは、だれにもわからなかった…。
「もえ。」
「…みずき。」
二人は抱き合う。
「なんか、私なんてまだ1日なのに。」
みずきはふと笑う。
「まだ、なんて。」

128:ゆず:2013/02/01(金) 18:49 ID:h1o

「どっちにしろ…。」
「藤原!!平田!!」
言ったところで、よばれた。
「桜井さんっ。部長!」
智恵は涙を流していた。桜井は二人を見て言った。
「どうだ?私の特訓は生きたろ。」

129:ゆず:2013/02/01(金) 18:52 ID:h1o

二人の動きが止まる。
「どう…いう…。」
周りの警察、そしてパトカーのなかの金田、トモカ、ハルカ、セイナ、アスカ、父親母親、報道陣…。泣いていた智恵も…。
すべての人がニッ、と笑った。
「これで、自立できたんじゃないかしら。強くなってね。」
二人はしばらく、動けないでいた…。

130:ゆず:2013/02/01(金) 18:53 ID:h1o

終わりです!!
誘拐、そして監禁
が終わりです。最後はよく分からないかもしれませんが。
次の小説に励みたいと思ってます。

131:MY:2013/02/01(金) 20:59 ID:tlk

次も頑張って!


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