鳳凰伝説

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1:ヒヒーン ◆931k:2013/01/28(月) 11:54 ID:406

どうもです。
見てくださってありがとうございます。

ここで小説を書くのは初めてですがよろしくお願いします。

下手でもけして嗤わないでください。
落ち込みます。

荒らしは無しです。
悪口も無しです。
妨害も無しです((というかやめてください。

多分グダグダの駄作になると思いますがどうか暖かい目で
見てくださいな。

面白いなと思ってくださったら光栄です。
日本語がおかしいときは突っ込んでください。

登場人物は作中の中で紹介します。

2:ヒヒーン ◆931k:2013/01/28(月) 12:27 ID:406

1話 鳳凰伝説

この町には古くから伝わる伝説があった。
鳳凰と呼ばれる伝説の鳥が村を救ったという伝説が。
小一の頃からずっとばあちゃんに聞かされ続けた。
俺、寛崎 麻央はその伝説を信じたことは一度もなかった。
鳳凰なんて想像上の動物だと、そう思っていた。

その考えのせいでまわりからは可愛いげのない子と思われるようになった。
別に気にしちゃいないが。

だが、ある日を境に鳳凰はいると信じるようになった。
昨日夕方のことだ。

「なぁ、麻央。安と鷹が呼んでるぞ」
「今いくよ」

安とは原田 安人、鷹とは鈴木 鷹雄のことだ。
どちらも麻央の友人である。

麻央は安と鷹の方に向かう。
二人は何やらニヤニヤと笑いながら麻央を待っていた。
──何か企んでいるな。
そう思った麻央は少し警戒しながら二人に近づく。

「よ、麻央。突然で悪いが今日肝試しにいかないか?」
「何をそんな急に」

安は「まぁまぁ」と言って話を続ける。

「ほら、旧校舎あるだろ?夜中に行って肝試しやろうぜ」

またそんな幼稚な事を。
そう思ったが口に出すのはやめた。
「パス」とだけいって席に戻ろうとした。
それを鷹が止める。
鷹は何故か顔を赤らめて頼んできた。

「お願いだって!…その、彩乃ちゃんも誘ったんだよ」
「だからなん…あー。頑張って」

彩乃ちゃんとは、榎本 彩乃のこと。
鷹は中一のときから彩乃のことが好きだった。
面倒事はごめんなので逃げようとした。
だが、あまりに必死に頼んでくるため断るわけにはいかなかった。
「わかったよ」とだけ言うと「よし、じゃあ明日の午前3時な」といって教室に帰っていった。

これがきっかけになった。

3:ヒヒーン ◆931k:2013/01/28(月) 13:20 ID:406


そして午前3時。
麻央は旧校舎に向かった。
親の目を盗んで出てくるなど実に容易いことだ。
春とはいえ、やはりこの時間だと少し肌寒い。
中二がこんな夜遅くに出歩いてたら補導されるに違いない。
それだけは勘弁。

そんなことを考えていると学校についていた。
夜の学校の他に怖いものはない。
少なくとも俺はそう思っている。

麻央は門を飛び越えて旧校舎の入り口まで来る。
そこには彩乃が立っていた。

「早いな。まだ五分前だぞ」
「ふふ。だってこういうの初めてだから。ワクワクしちゃって」

マフラーを巻いているのが気になるが、毎年のことだ。
あまり気にしていなかった。

「お、麻央ー。彩乃ちゃーん」
「あ、彩乃ちゃん…」
「バカか。そんな大声出したらばれるだろー」

二人はハッとして口を慌てて両手で抑える。
その様子が可笑しかったのか彩乃はクスクスと笑っていた。
二人は小走りでこちらに向かってきた。

「いいか?二人一組で行くんだ。俺はぁ、麻央と組むから」
「彩乃と鷹で一組な」

指を差し最初に入る。
ルールは校舎の理科室の中に入って一周して帰ってくるといった簡単な内容だ。
別に古いだけでなにも無いだろうと思っていた。

「そう言えばさぁ…橋本が旧校舎に行って帰ってきたやつはいないって言ってたけど」

横の安を見ると麻央を見て固まっていた。
そして次の瞬間「早く言え──!!」というびびった声が響きわたった。
怖がる安を左に麻央は右下を見た。
いたんだ。奴等が。

「おお、こやつ。ワシ等が見えるみたいだぞ」
「いや、久しぶりに楽しめそうじゃの」

小さい仮面をかぶったおじいちゃん達が麻央を見て言った。
俺は幻覚を見ているのか?
目をこすってもう一度見てみるとやはりいた。
((な…なんなんだ!?こいつらは…!))
烏帽子をかぶって仮面をつけて…しかも小さいこいつらは。
慌てて左を見る。
窓の外にも人の形をしたカラスが飛んでいた。
安の目の前にいるのになんで気づかないんだ。
辺りを見渡すとさっきまでは気がつかなかったが色々変なものがいた。
麻央は冷や汗を垂らした。
今まで見えていなかったものが見えるようになって…。

麻央は安の手を引っ張り走って理科室を目指した。

4:ヒヒーン ◆931k:2013/01/28(月) 16:40 ID:406


「ちょ、麻央?どうしたんだよ、急に」
「ここから早く出よう。色々マズイ」

辺りはまだ変なものがいた。
種類も数も多すぎる。
走っても走っても奴等がいる。
小さい仮面のおじいちゃん、毛玉のような生き物など。
そして…今、目の前にいるのが…大きな顔にひとつ目の生き物。
ここまできたらもはや生き物では無い。
顔はこっちを見てニタリと笑った。

「お前か…見えるやつは…」

大きな目玉がギョロリと麻央をとらえる。
麻央は何も無かったように顔と壁の隙間を通り抜けた。

「待てぇ!」
「ちぃ…安、走るぞ」
「え、またぁ?」

安の手を引っ張り再び走り出す。
今度は追いかけて来てるんだ。しかも速いし。
右に曲がると理科室があった。
助かった。
そう思い理科室に飛び込む。奴が入って来ないようにドアを閉めた。

「麻央…さっきからどうしたんだ?」
「…な、成り行きで」

壁にもたれかかり心を落ち着かせる。
まさかこんなことが起きるとは…。
ドアの方を見る。顔はいなかった。
にしても不思議だった。この部屋には変なものはいない。
一体どうして…。

「あやつら…漣様のところへ入ったぞ」
「よほど命が要らぬようだな」
「馬鹿なやつらよ」

そう言うとすぐに消えて行ってしまった。
──さざなみ…?
漣様と呼ばれると言うことは偉いのだろう。
どんな奴なのだろう。自然と興味がわいた。

「下級が騒ぎよって…眠れんではないか」

準備室の方から何やら低い声が聞こえていた。
全身に鳥肌が立つ。
ものすごい気だ。
立つことはもちろん、動くことすらできなかった。
扉が開き、龍の顔が覗いた。
凛々しい顔つきで高貴な姿。
──これが…漣。

「…お前…私が見えるのか?」
「…まぁ」

漣はボンッと音を立て、小さくなった。
黒い招き猫のような体に耳の間からは角らしきものが生えている。

「…黒豚」
「なんだと!?これは私の仮の姿だ!どう見ても猫だろう」

漣は怒って麻央に体当たりをした。
ちょうど角が当たって痛かった。

「フン、折角久しぶりに人と喋ったがやはり気にくわん。
大体お前らは貧弱すぎる」
「お前は何しに仮の姿になったんだよ」

漣はキョトンとして麻央に尋ねた。

「お前…祖母から聞いておらんのか」

意外な言葉に麻央は頭にはてなを浮かべた。
祖母が俺に話すことなんて無いだろう。
そう思ったからだった。

5:ヒヒーン ◆931k:2013/01/29(火) 18:22 ID:406


「約束したのさ。血縁のお前を守るとな。まぁ、もう一つの理由もあるが」

漣は頭を手で擦りながら麻央に言う。
麻央はそんな様子を見ながら「そっか…」と呟いた。
安は一人で先に行ってしまったようで理科室にはいなかった。
無事に戻れたのならそれで良いのだが万が一の事があったときには…。
そう考えると背筋が凍った。
そんな様子を見ていた漣は「大丈夫だ。あやつならとっくに帰っておる」と言った。
漣の言葉に安心した麻央はため息をつき、理科室を出た。

廊下にはおじいちゃん達や毛玉が走り回っていた。
別に逃げているようでは無かったのでそのまま通りすぎた。


「麻央!遅かったな!」
「急にいなくなったからびっくりしたんだぞ」
「ごめん。ちょっとこけちゃってさ」

照れ臭そうに笑って誤魔化した。
安は「なんだよ〜」といって麻央の肩を軽く殴った。
鷹は照れ臭そうに彩乃と麻央の話題で盛り上がっていた。
すると彩乃が漣の存在に気づいた。

「寛崎くん、そのニャンコは?」
「あぁー。えーと…そこで拾った…」
「名前はねーのか?なら俺がつけるー」

安は漣を抱き抱え「ポンタ」だとか「猫のすけ」とか
何やらネーミングのない事を言っていた。
鷹は横から「太ってるからデブりんでよくねーか?」といった。
漣は「なんだと!?私は漣だ!漣!」と言っていたが恐らく聞こえないのであろう。
鷹も安も「クリ〇ン」とか「ア〇ム」とか言っていた。

「漣って言うんだって…」
「は?オヤジ臭っ。クロとかポチとかそこらへんでいいんじゃねーか?」
「私はねやっぱり寛崎くんが決めた方がいいと思う」
「だよねぇ。ほら麻央、決めちゃいなよ」

鷹は彩乃の意見にすぐ乗り、麻央が名付ける事を勧めた。
麻央はため息をつき、漣の方を見た。

「なんだ?麻央。漣様と呼べ」
「わかったよ。さざま先生とでも呼ぶよ」
「さざなみさまのなみさを取っただけではないか!」

「さざま先生かぁ…ネーミングセンスねーなぁ」

安はお腹を抱えて笑った。
それにつられて彩乃も鷹も笑った。

星が輝く夜空に響く。
この出会いがきっかけに俺は鳳凰を信じるようになったんだ。

6:ヒヒーン ◆931k:2013/01/29(火) 18:25 ID:406

はい、ここでやっと一話が修了いたしました。

どうだったでしょうか?

感想をよろしくお願いいたします\(^o^)/

7:ヒヒーン ◆931k:2013/02/02(土) 13:34 ID:406

では続いて第二話です。

2話 祓魔の剣

「あー…暇だぁ」

今日は日曜日。部活も休みで暇をしていた。
春だからポカポカしてるし、散歩にでも行こうかと思ったが面倒だったので却下。
家でだらけている方がいいと判断して、この状況。
さざま先生はと言うと、座布団の上でおやすみ中。
こうやってじっとしているとただの猫なのにな。
お母さんは仕事で家を留守にしているし、お父さんは単身赴任。
弟と二人で留守番をすることが多かった。

「兄ちゃん…お腹空いたよ」

弟の名前は弥央(みお)。昔から女の子の名前だとからかわれていた。
麻央も同じ。小学校の頃まではすごくからかわれた。
ただ、二人は顔と性格、全てが良くモテている。
二人はそれを知らない。知らなくて当たり前だが。
弥央はお腹に手をあて、麻央をじっと見つめた。
お腹の音が鳴り、照れ笑いをした。
麻央はふぅとため息をつくと「わかったよ」と言って台所に向かった。

冷蔵庫を開けるとお肉も魚もあった。
下の段は野菜が入っていた。キャベツなんて二個もあった。
冷蔵庫の隣の棚のじゃがいもとニンジンを見た。
これだけあればなんとかなるだろう。
そう思い、フライパンを取り出した。


「兄ちゃんまだ?」
「待てよ。もう少しだから」

簡単に野菜炒めを作った。
これなら簡単で時間もかからないからだ。
鍋しきを出し、フライパンを置く。
弥央は取り皿を二枚だして箸を取った。
茶碗にご飯をよそり、机に並べる。
ほかほかの柔らかいご飯を目の前に弥央の目がひかる。
「いただきまーす」と言って野菜炒めを食べる。
幸せそうに食べるのを見ながら麻央も箸を取り、野菜炒めを食べ始めた。



二階に上がり、窓を開けた。
心地よい風が体を抜ける。

「!?」

ふと顔を上げると髪の長い女の人が空中に浮かんでいた。
恐らく妖。
窓を閉めようとしたとたんにやつは家に入ってきた。
──まずい…。
そう思い、窓を開けたままにして下に降りる。

「待て…魂を食わせろ」

女はすごい勢いで麻央を追いかけ回す。
それがわかった麻央は和室に刀が置いてあることを思い出した。
妖に効くかどうかはわからないがやってみる価値はある。
和室に飛び込み、祖母の形見である刀を掴んだ。
刀は飾られていて、すぐにわかった。だが、いくら抜こうとしても抜けなかった。

「抜けない…」
「魂を…!?それは…」

女は刀を指差し、にやりと笑った。

「小僧…それをよこせ」
「やるもんか!これは祖母の形見だ」

刀を握りしめ、女を睨む。
女はケラケラと笑った。そして麻央に向かってこう言った。

「その刀はお前には扱いきれないよ。さぁ、あたしに渡すんだ」

それを聞いてもう一度抜こうと試みるがやはり抜けなかった。
女はまた笑った。

8:ヒヒーン ◆931k:2013/02/03(日) 10:30 ID:406


駄目だ…。何度抜いても抜けない…。
女はそのようすを見ながらケラケラと笑って麻央に話しかけた。

「さぁ、よこしな…。お前が持ってても使えねーんだ。さぁ…さぁ!」

手を前にだして迫ってくる。女はさっきとは全く違う獣のような目をしていた。
次第に手が震えだし、身体中に冷や汗を垂らした。
相手が近づいてくるに連れてどんどん体が固まっていく。また一本踏み出されると後ろはもう壁だった。
女はどんどん近づいてくる、だが麻央は逃げる術を完全に失った。戦うしかないのだ。
だが、刀は何度抜いても抜けない。おまけに体も固まっていて動けない。

「やれやれ…これだから貧弱ものは困る…てぃ!」

さざま先生が強い光を放つ。すると女は悲鳴をあげてその場に座り込んでしまった。
体は動くようになっており、その女のせいだと思われる。

「麻央!それでこやつを斬れ」
「抜けないんだ」
「阿呆か、普通に抜いてもそれは抜けん。念じろ」

念じろ…と言われてもどう念じたら良いのかわからない。
何か言葉があれば良いのだが…。
そう思うとふと母が言っていた言葉を思い出した。
「我が使いし者よ、力をかせ…ってお婆ちゃんがねよくこの刀を抜くときに言ってたの。
お母さんもやってみたんだけど抜けなくって…何か理由があるのかしら?
麻央…あなたが抜いたら…この刀はあなたにあげるわ。大事に使いなさいね」
そう言っていた。だが何で今頃思い出すのだろうか、よくあることだが不思議だ。
右手に力を込めて目を瞑った。

「我が使いし者よ、力をかせ」

すると、刀はすっと抜けた。
抜けた…!
刀を握りしめ、女を斬った。
すると女から黒い何かが出ていくのが見えた。
それと同時に女は優しい顔をして消えていった。

「麻央、お前が死んだときその刀は私が頂くことになっておる。それまではお前のものだ」
「ばあちゃん…」

この刀はきっと妖の悪い心を取り除く刀なのだと悟った。
それは人間も同じ。悪い心とよい心を持っている人間も、表に出た悪い心を取り除けばきっと優しくなる。
ばあちゃんはそれを知っていてこの刀を作ったんだ。
自然と心が温かくなった。

「これ、人間にも効くのかな?」
「やめとけ、捕まるぞ」

和室に明るい雰囲気が流れ込む。
あぁ、また学校が始まるんだな。
───明日が楽しみだ

9:ヒヒーン ◆931k:2013/02/03(日) 18:02 ID:406

二話が終わりました。
今回は短かったですね。

コメントお願いします

10:ヒヒーン ◆931k:2013/02/06(水) 21:40 ID:406

3話 祓う者

今日もいつもと変わりなく平凡な日だった。
いつものように6時に起き、いつものように支度をし、いつものように家を出た。
そして、いつもと変わらず変なものを見た。
空に首が飛んでいたり、道路を毛玉が横断したり、木の上からデカイ顔を覗かせたりと
はたから見たら理解できないものばかりがいた。
だが、もうすっかり慣れてしまった麻央には普段となにも変わらなかった。

学校の予鈴が鳴り、生徒たちは次々と教室に入っていく。
ここまではいつもと変わりはなかったが席に着いたとたん違和感を感じた。
麻央の席の横には昨日までは何もなかったはず。だが、今日になると机が一つ置いてあったのだ。
少しは気になったがあまり気にしないことにした。
変に騒いでもウザいと思われるだけでなんの利益も無いからだ。
机の中から読みかけの本を取り出すと、しおりの差してあるページを開いた。
すると予鈴が鳴り、読書の時間になった。
この学校では8時半から40分までの10分間、読書の時間が与えられる。
その間は絶対に本を読んでおかないと先生に怒られる。
それが嫌で本を読んでいるふりをする人もいる。
だが、今日は違った。
皆が本を読もうとしているときに先生が入ってきて「本を閉じろ」と言った。
もちろん、皆は素早く片付けた。ニコニコと笑って。
先生は皆が本を片付け終わったら「皆に報告がある」と言ってドアを開けた。

「入ってきてくれ」

そう先生が言うと少し灰色がかった髪の男子が入ってきた。
顔つきは整っていて優しそうな顔だった。体型もすらっとしていた。
先生は背中の黒板に『晦日 ギン』と書いた。

「今日から皆の仲間になる晦日ギンくんだ。挨拶してくれるか?」
「晦日ギンです。よろしくお願いします」

晦日の口調は優しくて、でもどこか冷めていた。
晦日は自分の席に着くと、俺に向かって「よろしく」と笑いかけてきた。
それに麻央も笑って返す。

休み時間になると女子たちは寄ってたかって晦日の周りに集まった。
晦日は少し困っている様子だった。
少し…助けてやろうか。

「晦日。ちょっと来てくれないか?」
「あぁ…ごめんな」

晦日は周りの女子に謝ると少し走ってこっちに来てくれた。
なんか話すことは無いものか…。呼んでおいて話題が無いのは逆に困らせるだけだ。
かと言って考えてみるも麻央は人付き合いが苦手であるためすぐには浮かばなかった。
ふと、窓の外を見ると、妖が塀から落ちかけていた。
思わず声が出そうになったが隣に晦日がいるので急いで口を抑えた。
だが、麻央の予想は大きく外れていた。

「危ないっ!」

晦日が窓から身を乗り出して塀の方に叫んだ。
その妖は塀から落ちるとそのまま着地し、山へと帰っていった。
麻央はその妖よりも晦日の方が気になった。
見えているのではないか…と疑った。
隣では「良かった…」と安心したようにほっとため息をついていた。
すると、こっちに気がついて微笑んだ。

「ごめん。気にしないで…たぶん気のせいなんだ」
「気のせいなんかじゃねーよ。今、あそこで妖が塀から落ちそうになってたんだろ?」
「…見えるのか?」
「見えるよ。まぁ、最近になってから見えるようになったんだけどな」

そういって笑ったら晦日は驚きを隠せないようだった。目を見開いていた。
麻央も嬉しかったのか口元が緩んだ。

「…見える人にあったことはあったけど、同い年に会うのは初めてかな…」

この言葉はあとで知ることになる。
だが、まだ麻央は何も知らなかったのだった。

11:ヒヒーン ◆931k:2013/02/09(土) 22:55 ID:406


帰り道、いつもと変わりなく歩いていた。
木の上からデカイ顔を除かせた妖や、毛玉のような妖もいつもとかわりなかった。
だが、一つ変わったところがあった。
大人の人がこっちを向いて立っている。
とくに気にしないで通りすぎようとすると「ねぇ」と声をかけられた。
思わず足が止まり、振り返る。大人は黒い帽子を深くかぶり、口元をニヤッとさせた。
眼鏡をかけているもののなかなかの顔立ちだと言うことはすぐにわかった。

「君、鳳凰という伝説の鳥を知っているかい?」
「…それが何か」

鳳凰のことを聞いてくる人は少なかった。
この土地の人は全員が知っているほどの伝説である。
ということは、この人はここの人ではない。他の違う土地から来た人なのだ。
怪しい…そう思い「急いでいるので」と言って帰ろうとした。
次はあっさりと帰してくれた。
諦めたのか、呼び止めもしなかった。
それはそれで怪しかったが気にしないことにした。



「ただいま〜」

戸を開けると家には誰も居なかった。
お母さんは仕事、お父さんは単身赴任。兄弟はいない。
だが、昔からなのでもうすっかり慣れてしまった。
自分の部屋に行き、鞄を置いて、下に降りてくる。
食卓で置き手紙を見ると、帰りは9時ぐらいになると書いてあった。
その手紙を見るとまた部屋に行き、ベッドの上に寝転んだ。
なんか面白いことは無いものかと辺りを見渡してみるも何も無い。
少しガッカリして正面を向くと、大きな人形の紙が目の前にあった。

「ぅわァァァ!」

ベッドから飛び降り、窓を開け、屋根に飛びうつった。
屋根から地面へと飛び降り、近くの森へ逃げ込む。
あんなものさっきまでは無かったのに。
後ろを見て走っているとさっきの大人が前にいるのに気づかずそのまま突っ込んでしまった。

「すみません!」
「…見えるんだね」
「え…?」

この人も見える…。
というか、この人は俺をつけていたのか…?
そう疑った麻央は急いで大人から離れた。
すると大人はクスクスと笑い、その場に座り込んだ。

「私の名前は古取 辰彦。祓魔師をやっている。もちろん、妖ものが見えるよ」

祓魔師というものをはじめて聞いた麻央はなんのことだかわからなかった。
古取はニコリと笑うと話を続けた。

「さっきはいきなりすまなかったね。どうやらこの村には鳳凰伝説という言い伝えがあると聞いてね。
鳳凰は妖者の中でもトップクラスの妖でね、ずっと探しているんだ」
「鳳凰は…この村にはいません。伝説も役にたちません。お引き取りください」
「捕まえないし、殺したりもしないさ。鳳凰はね…だけど、知る必要があるんだよ」

古取は少し真剣な顔で言ってくる。
だが、麻央は信じてはいなかった。
「…お引き取りください」とだけ言って、その場から立ち去ろうとした。
古取はそれを見逃さなかった。
紙を麻央に向かって投げ、術を唱えた。
すると、紙はすぐさま麻央を包み込んだ。

「くそっ…」
「大人しく話してくれないか?」

古取はニコニコして言ってくる。
「…話しません」と言うと締め付ける力が強くなった。

「うっ…」

「やめてください!」

聞き覚えのある声が左から聞こえた。
誰だっけ…覚えてないや。
声がしたかと思うと締め付ける力は次第に弱くなり、そのうち紙は消えた。
もう、そこには古取はおらず、一人、灰色がかった髪の男子がいた。
晦日だった。

「寛崎くん。大丈夫?」
「お前が言ってたのはこういうことだったんだな…」

晦日は少し悲しそうな顔をして笑った。

12:ヒヒーン ◆931k:2013/02/10(日) 11:50 ID:406

11訂正。

弟の存在を忘れていました。
あと、今後兄も付け加える予定です。

弟は遊びにいっていていない。

と訂正します。
すみません。

13:ヒヒーン ◆931k:2013/02/10(日) 15:13 ID:406


「そうさ。物心ついた頃からずっと見えていた。誰も信じてくれなくて寂しかったんだ。
そんなとき、祓魔師たちが俺を見つけてね…最初は楽しかったんだ。でも、彼らとはやり方が合わなかった」

拳を強く握るのを見て麻央は真剣な顔をして晦日を見た。
小さい頃からずっと見えていた晦日はどんな苦労をしてきたのだろう。
麻央は晦日の気持ちを考えたら自分が嫌になった。
晦日の気持ちをわかってやれればとそう思った。

「彼らは妖の気持ちなんか考えていないんだ」

晦日の目から涙がこぼれた。
妖のことを思い、涙を流す…優しいやつだと思った。
きっと、昔からそう思っていたんだ。
麻央は晦日の肩に手を置いて体を揺すった。
「お前は正しいよ」と言って立ち上がった。

「寛崎くん…俺の、パートナーになってくれるか?」
「…パートナー?」

晦日は少し頷くと話を続けた。
話によると祓魔師はチームを作って妖を退治することが多いらしい。
最大で四人までだが、チームでやると仕事がはかどるらしい。
晦日がチームを作らなかったのはやり方が合わなかったかららしい。

「俺なんかに何ができる?」
「できるさ…だって、そのニャンコが君の用心棒なんだろ?」

晦日の指差す先にはさざま先生がよちよちと歩いて来た。
刀を持っていた。

「ふん、祓魔師になんかなってどうするんだ?麻央。良いことなんて何も無いぞ」
「妖にも優しいやつはいるってあの人たちにわからせたいんだ。俺には先生がついてるし、晦日もいるからな」
「やって…くれるのか?」

晦日が恐る恐る聞いてきた。
それに麻央は笑って言った。
「当たり前だろ」と。
そう言って晦日に手を差し出し、立たせた。
晦日は「ギンって呼んで」と言った。それに麻央も「俺も麻央でいいから」と言った。
二人は握手をして、笑いあった。

「これからよろしく」

「おぉ、うまそうなやつらだ…」

突然の声に二人は驚いた。
声のする方を振り向くと大きな顔をした妖が立っていた。
歯を剥き出しにして笑っている。
ギンは横幅10センチ縦30センチほどの半紙を取り出すと筆で何かを書きはじめた。
落書きのようだが字にも見える…書いている間、襲われないように麻央は刀を抜いた。
念を込めれば邪は消えたり、何でもできる。
だが、今はそんなものは必要ない。ただ、ギンを守るだけだ。
右から手を回してきた妖を刀で振り払う。
傷つけないように念を込め、刀を振るうので傷つけることはない。
後ろでギンは「よし」と言って立ち上がった。

ギンはその紙をビリビリに破り、上に投げた。

「妖よ、邪の心を捨て、里に帰れ」

手を強く合わせる。
すると上に投げた紙から文字が出ていき、妖に入っていった。
その妖から黒い何かが出ていった。
これは、祓魔剣と同じだった。
すると、その妖は消えた。

ギンはこっちを見て笑った。
そして、疲れたのかそのまま眠ってしまった。
それを支えて地面に寝かした麻央は顔を見て「お疲れさま」と言って、家に連れて行ったのだった。

14:ヒヒーン ◆931k:2013/02/12(火) 00:16 ID:406

第3話が終わりました。

さて、ここまで書いてみると

段々文章がおかしくなってきてるのでは無いか

と思うことがよくあります。
自分でも時々読み返してみるのですが…話の意味があまり理解できません。
自分で書いておいて何ですが…。

なんか段々、他の話に似てきているような気がしてならないのですが、決してパクっているわけではありません。

さて、この調子で4話も行ってみよー!と言いたいところなのですが…
ここでこのまま行ってしまったら、グダグダのダラダラになりかねないので、慎重にいきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

15:& ◆X2IE:2013/02/12(火) 12:56 ID:406

4話 祟り寺

前々から、妙な噂を聞いた。
祟り寺の娘がこの学校にいる──と。
騒ぐようなことでもないし、別にいたってなんの支障もないのに何故そんなに騒ぐのだろうか。
人間とは複雑な生き物だ。

「麻央」
「ギンか…どうした?」

ギンこと晦日ギンは麻央同様、妖を目に写すことができた。
そして、妖者を祓う祓魔師でもあった。
一週間前に俺と一緒に妖者を祓うことになった。
祓魔師はチームで祓うことが多いらしい。
ギンがチームを組まなかったのは、他の祓魔師とやり方が合わなかったから。

ギンは何か聞きたそうな顔をして麻央のところによってきた。

「祟り寺の娘の話…」
「あー…四組の湯浅のことか。ほんとだよ。あいつん家寺だし」

祟り寺とは、10年前くらいから、悪霊に取りつかれて災いが起きる寺のこと。
本当は、山神寺と言って山神様を奉る寺である。
湯浅とは湯浅 泰(とおる)のこと。彼女が喋ったところは見たことがない。
無表情で暗い感じだが、顔は可愛かった。
麻央は「ついてこいよ」と言って教室を出た。

四組ではやはり、彼女の悪口を言う人がいた。
四組にはカービィ…星野 健(たける)がいる。
カービィとは小学校の頃からの友達で、仲が良かった。
人の悪口も言うやつではないし、みんなからの人気者だが、顔はメガネザルである。

「おーい、カービィ。ちょっときて」
「了解した!星野カービィ只今参上!」

カービィはすごい勢いでこちらに向かってくる。
それに驚いたギンが一歩後退りをした。
目の前にきたカービィが「何かご用でありますか」と敬礼をしながら言った。
それに合わせて麻央も敬礼し、「湯浅さん呼んでくれますでしょうか」と言った。

「湯浅〜麻央がよーんでーるよー」

湯浅さんはこっちを向くと読んでいた本を閉じてこちらに向かってきてくれた。





時間がなかったので続きはあとで

すみません!


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