笑わせたるやん!〜20才落語への挑戦〜

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:暇猫 う6597607^7¥:2013/01/30(水) 22:55 ID:lpI

こんにちは暇猫といいます。
この小説板にある秘密警察特殊部隊に衝撃を受け、小説を書き始めました。
下手ですけど、ちょっとでものぞいてやってください。
 
 

あらすじ

普段は全く笑顔を見せないくらい暗い性格だが一度、舞台に立つと
天才的な演技力で客を魅了させるという演技の才能を持つ
準。高二から準と同じ劇団に所属していた冴はそんな準を尊敬していた。
同じ有名演劇サークルのある大学に入学した二人。
冴は当然、準が演技サークルに入り、大学演劇会で活躍するものと信じていた。
しかし準が選んだのは演劇サークルではなく、
部員五人の弱小サークル「落語研究会」であった。

2:暇猫 う6597607^7¥:2013/01/30(水) 23:22 ID:lpI

「落研入るわ」
大学の入学式、二日前、準が突然そう言った。
「落研・・・?お前、どこに落ちるつもりやねん」
「落ちるつもりないわ。落研言うたらあれやん」
準は一枚の紙を俺の目の前につきだした。着物を着た男子の絵が描かれている。
「落語。落語研究会や」
落語。名前は聞いたことがある。あれだ。ジュゲムとかやるやつだ。そんでなんか、
話すやつだ。それ以外の知識は俺のなかにはなかった。
「いやいやちょっと待てや」
止めないと。そう思った。とりあえずこいつをそんな訳の分からないサークルに入らせるわけには
いかない。なにせ、こいつには才能があるのだから。そんじゅそこらの奴にはない
演技って名前の才能が。
 高二の夏のことを思い出す。準が切れ長の目で観客を見つめている。女子達の高い声。
照明のまぶしさ。舞台にたった胸のどきどき感。全部、覚えている。胸がぴりりと痛んだ。
準はあの時、舞台をほぼ独占していた。主役じゃなかったのに、主役より輝いていて、
主役より、どこか存在感があって、軽く唇を噛んだ。
「もったいないやん」
とりあえずそう言ってみた。
「せっかく演劇サークルが強いとこ入ったんに」
「落語やって演技のうちやん。1人で五人くらい演じわけんねんで」
そうなのか・・・1人で一役演じるのも難しいのに・・・落語すげぇ、
って、そういう問題じゃない。
「演劇のほうがおもろいやん。ってかさ・・・しょうみ、落語ってお笑いやろ」
「まぁ、笑いの要素は強いわな」
「お前、普段、全然笑わんやん!この前、笑い飯とパンクブーブーの漫才見せたけど笑わんかったやん!
ノン・スタイル見ても笑わんかったやん!はじめてやで、んな奴。面白くなかったん?」
「いや、おもろかったで。ただ、舞台じゃない世界でそれをどう表現したらええんか分からんかった
だけや」
何を難しい言葉を言っているんだ。
「んな奴が落語できるん?」
「だからこそや」
準の目がきらりと輝いた。
「知りたいねん。笑いって言うんを」

3:ささ:2013/01/31(木) 09:26 ID:7e.

面白すぎますw

4:あみる:2013/01/31(木) 13:42 ID:iks

すいません、感想よろしいでしょうか……?
少し、話してる時の動きが少ないと思います。表情とか、場所とか……。
セリフだけで物語を進めると、淡々としますので注意してください。

でも、お話はとっても面白そうです! がんばってくださいっ!

5:暇猫 う6597607^7¥:2013/01/31(木) 18:19 ID:lpI

さささん、ありがとうございます。もう感激して泣きそうです
あみるさん、アドバイスありがとうございました。初心者なんでそういうとこ
      あんま気がついてませんでした。がんばります

6:暇猫 う6597607^7¥:2013/01/31(木) 18:39 ID:lpI

ー準が落語をやる−
別に俺は準じゃないから準のやることに口出しなんてできない。けど、
何だろう。胸が重い。
ーなんでやねんー
この気持ちはなになんだろう。考えれば考えるほど白い霧のようなものがうかんできて
訳が分からなくなってくる。自分の住むアパートの扉を開けて床に寝ころんだ。
ーこの気持ちはー
二十分くらいしてからはっと気がつく
ー悔しいんやー
準と出会ったときのことを思い出した。
 高校生の時、俺は地元の劇団に所属していた。劇団といっても練習は週に一回。地元の舞台で年に
数回、演劇をするという小さな劇団だった。
俺が高二になったとき、準は急にその劇団を訪ねてきた。そして言った。
「俺を・・・ここに入団させてください」
と。
準・・・あいつの第一印象ははっきりいって最悪だった。
「高校どこなん?」
「演劇やってたん?」
何を聞いても
「橋川高校・・・」「演劇は・・・はじめてやる」みたいな感じで歯切れ悪くぼそぼそと話す。
表情も硬く、せっかくこっちが話しかけてるのに、にこりともしなかった。
ーこんな奴が演劇できるわけないやんー そう思った。
 けど、違った。いざ、台本が渡されると準は激変した。低い声で陰険なおっさんの役を演じきった
かと思えば、次は甲高い声ではしゃぎまわり小学生の男の子を演じきる。
誰もが言葉もなく準を見ていた。準が演技をおえると劇団の先生は一言、こうつぶやいた
「・・・天才かもしれんわ」
演技経験は俺のほうが長かった。小三からこの劇団に入って演技をしていた。舞台経験もあるし、
自らオーディションを受け二回くらいコマンシャルーにでたこともある。
けど、準には勝てなかった。
俺は素直に演技を終えた準にこう言った。
「お前、すごいな」
その言葉を聞いた準は恥ずかしそうに目を伏せた。二重の切れ長の目。通った鼻筋の先がほんのりと
赤く染まる。
ーこいつ容姿もええんやなー
そう思った。
 それ以来、準とはずっと友達だ。一緒に何回か舞台を踏んだ。どの舞台でも準は最高だった。
すごい・・・演技力。
 −やのに・・・やのに・・・ー
「・・・なんで落語やねん」
なんで落語を選んだんだ。そうつぶやいたとき、携帯が鳴った。メール。準からだ。
<冴、大学入ったら落研の見学一緒にいかんか(^^)/>
「・・・」 すぐさまメールをかえす
<行かんわ!ってか何やねんその顔文字!何かむかつくぞ>
<うん、分かっててやってる(笑)>
普段は笑いもしないくせに準はメールの中ではやけに明るい。どう返事をおくろうか迷っていると
またメールがきた
<落研の部長は美人らしいぞ>
「やからなんやねん!」ついそう叫んでしまった。
<行かんわ>すぐさまそうメールを送り返せない自分が悲しい
「・・・なんやねんな・・・」
落語をやるのはいいけど、ヒトを巻き込まないでほしいものだ。

7:白粉 ◆5g2E:2013/01/31(木) 21:28 ID:T6Y

おお、落語小説とは新しい……!
『まんじゅうこわい』と『ときそば』ならどちらの知名度が上なのか。
とにもかくにも、日本びいきの私としては見逃せない作品です。
影から応援させていただくので是非ともがんばって下さい!

8:大和:2013/01/31(木) 21:52 ID:P96

では言っていた通りアドバイスを。

• 改行。
• 心情、情景の描写。
• 段落のつけ方。
• 会話文等の表示。

大きく分けてこの4つ。
明日から一つづく細かく教えてくから、
それを実際に実行してみよう!!

そしてこれだけはちゃんとわかっててほしいのは、
絶対に小説を途中でやめちゃだめだよ。
その「やめてしまいたい」という気持ちはつまり面白くないということ。
なら自分で面白くしていけばいいだけだ。
俺は小説書くのが好きだから、コメントとかなくてもここまで書いてこれたしね。
とにかく小説を大事にしてこう〜

9:暇猫 うい7507^7899−:2013/01/31(木) 23:07 ID:lpI

大和さん、ありがとう。
本当にアドバイスがもらえるなんて・・・ちょっと言葉にできない。
今から倒れていいですか?
最後の六行にすごくはげまされました。がんばります

10:暇猫 うい7507^7899−:2013/02/01(金) 22:44 ID:lpI

 「入学式終わったら落研の見学ってことで」
「んオッケー。正門の前で集合な」
「んじゃ」
−集合なちゃうわ!−
頭の中でそうつっこむ。結局、俺は準からの誘いをことわりきれなかった。
ーやけどー
見学だけなら、まぁ、いいだろう。入るわけじゃないし、なんて自分のなかで言い訳をする。
「・・・にしても」
ぐるりと辺りを見回した。どこを見ても人しかいない。入学前は広い、迷子になりそうだ、なんて
思っていたキャンパスが今はとても窮屈に感じられた。知っている顔は全然見あたらない。
自分が迷子になったような、違う世界に迷い込んだような気がして、胸が少し痛んだ。
 準とは大学は一緒だが学部が違う。俺は経済学部。準は外国語学部だった。中国語を専攻してするらしい。
−外国語学部か−
この大学だけかもしれないけれど、外国語学部は異常に女子が多いという噂だ。それなのになぜか経済学部には
見るかぎり、女子の人数が少ない。今頃、女子に囲まれているであろう準を思い浮かべた。
−藁人形作ったろうかな−
 入学式が終わり、約束通り、準と待ち合わせをする。予想どおり、準は大勢の女子に囲まれていた。
女子達はスマホを手にし、しきりに準にメルアドを尋ねている。
「なぁなぁラインとかやってる?」 「ツイッターとかやってる?」
準の答えは簡単だった。
「やってへん」
にこりともせずにそう言ってぼくのほうに近づいてきた。
「あー、ごめん。待った?」
怖い。準よお前の後ろにいる女子たちの視線が怖いぞ。ねっとりとまとわりついて離れなさそうな視線。
「待ったちゃうわ!」
俺は女子達の恨みをはらしてあげるべく準の頭をどついた。
「・・・何すんねん」
準はたいして表情をかえないまま言う。
「何すんねんちゃうわ!お前・・・女子にあんな冷たい仕打ちを・・・『やってへん』って
そっけなさすぎやろ!ってかまず笑顔くらい返そうや!」
準はしばらく沈黙して言った。
「やって、なんや、女子と話すときってどんな表情したらええか分からんし」
「中学生男子か!」
「眠っている俺の人格が・・・」
「厨二病かよ!」
だめだ。入学式早々、なんで俺はこんなにつっこみをしているんだろう。ため息をついて準の後ろを見る。
準にまとわりついていた女子達はすでにいなくなっていた。数人、しつこいのがまだ準のほうをじっと
見つめているけど。
「お前が通ってた橋高って共学やんな」
ため息まじりにそう聞いた。
「女子で苦労したタイプやろ」 これは半分冗談。けど、準は真面目な顔で答えた。
「高校時代はバイトと劇団と勉強の三足ワラジ。女子といる暇なかったわ」
そうだ。確かこいつは高校の学費と劇団の金をバイトでまかなっていた。大学も−まぁ、俺の大学はそんなに金
がかからないけれど、奨学金とかバイトとかそんなんでまかなう気なのだろう。
−親、金だしてくれへんのかな−
何回かそう思った。けれど、そんなこと聞けなかった。とくに俺みたいに親に学費も劇団の金も払って
もらっていたような奴は絶対に聞いちゃいけないような気がする。
「よし・・・見学行くか!」
少し空いた沈黙を埋めるように、わざと元気な声でそう言った。

11:暇猫 う9507−9@89^:2013/02/02(土) 16:41 ID:lpI

「落研・・・落ちぶれてるな」
思わずそう言ってしまった。学校内の敷地のすみ、倉庫のような部屋が落研の教室だった。
窓ガラスにはひびが入っていて、絶えずぴゅーぴゅーと言う細い音をだしている。
他の冷暖房が完備され真新しい机と椅子が並び、ロッカーまでついた他のサークルとはえらい違いだ。
「名前だけに」
準がそう言って部室を見上げる。
「ナァ・・・諦めて演劇サークルにしようや。準、お前の才能をこんなぼろ倉庫で終わらせてええんか」
「何がぼろ倉庫やねん」
あきらかに準とは違う声がした。振り返る。小さな女の子が腕を組んで俺たちを睨み付けていた。
−かわええ!−
大きくぱっちりとした二重の目、細いあご、唇はとれたてのさくらんぼのようにつやつやと輝いている。
緊張でもしているのか長く真っ黒なまつげが小刻みに震えていた。
「・・・迷子やろか」
準にそうささやく。確かにかわいいけれど、その女の子はあまりに小さかった。身長は−ぱっと見、
148センチくらいしかない。どう見ても中学一年生か二年生くらいにか見えない。
「アホかいな。部長や落研の」
俺の頭は一瞬フリーズした。準のメールの画面が頭の中に蘇る。
<落研の部長は美人らしいぞ>
「お前、落研の部長は美人らしいぞってメールくれたよな」
「美人やん。俺、審美眼には自信あんで」
「いや、まぁ、そやけど」
ちょっと小さすぎ、大学生に見えない。いや、俺もそんなに女の子に対して贅沢は言わない主義だ、けど、
「美人やん」準にそう言われて女の子−部長はわずかに頬を染めた。
「・・・落研の見学にきたんです」
あまりにも染まった頬が綺麗だったから、俺は思わずそう言ってしまった。部長はぱっと笑顔になる。
よく表情のかわる子だと思った。
「ウチ、部長の吉川です。四回生。めっちゃ歓迎します。入って!」
四回生!どう突っ込めばいいのか分からない。大学生って言われても信じられないのに・・・四回生。
ってことはもう二十一か二かそれくらいなのか。
準は衝撃を受けてる俺のことなんかおかまいなしに部室に近づく。部長が扉を開けた。
ぎーっときしんだ音がして、扉が開く。

12:暇猫 う9507−9@89^:2013/02/02(土) 17:12 ID:lpI

「なぁなぁ見学生来たって!」
部長が部室の中にむかってそう叫ぶ。部室の中には誰もいないように見えた。ただ乱雑に机が
並べてあり、上には何かを隠すように段ボール箱が詰められていた。けれど、どこかからかすかに
雑音の混じった音がする。この音は
「ラジオの音や」 準がそう呟いた。そうだ。ラジオの音だ。その音が突然、ぷつりと止まった。
「今日はエイプリル・フールじゃないじゃん」
東京の言葉が聞こえる。ききなれてないせいかどこかおかしな発音に聞こえた。
それと同時にいくつかの段ボール箱がばらばらと崩れた。崩れた
段ボールの間から人の姿が見える。どうやら寝ころんでいるらしい。
「こんなクラブに見学生とか来るわけないよ」
「やって来てんもん」
「・・・えぇ、really?その人たち、モノズキだね」
「物好きとか!見学生さんにむかっていうことちゃうやん!ドーラ!」
ドーラと呼ばれた人物が起きあがって俺達を見た。
「・・・」
挨拶も忘れしばらく黙った。どおりで発音が変に聞こえたはずだ。その人は日本人では無かった。
真っ黒な肌に縮れた髪。黒人系の人だ。その人は何か異様な雰囲気を持っていた。色あせた青いパーカーに
ところどころやぶれたジーンズ。頭にはパーカーと同じ色のフードをかぶっている。
ドーラはめんどくさそうに俺らを見回すとまたラジオを付けた。人の声が聞こえてくる。
「what are you listening ?」
何を聞いているんですか?準が英語でそう尋ねる。
「・・・落語」
ドーラはそうつぶやいた。
「ジュゲム。my favorite story」
「・・・何て?」
「お気に入りの話やねんてさ」
部長がぼくらの前に出てきていった。
「ごめんなー、愛想ない奴で。カサンドラ・ウィルソン言うねん。アメリカからの留学生。
今、二回生で、ここの副部長やねん」
副部長・・・。なんか俺のなかにある副部長のイメージと違うぞ。
「俺、落語好きで日本来たの」
ドーラ副部長がそう言ってラジオの音を大きくした。
「けど・・・皆、全然熱心じゃない。他に部員、三人いるけど、皆、来ない。
l am sad がっかりだ。落語へのラブが全然足りない」
部長が目を伏せた。
「落語本当に好きなのはブチョーさんくらいだ」
部長が目を伏せる。
「練習見学させてください・・・練習みたいんです」
正直、準がそう言ったときは勘弁してくれよと思った。部員も少なくて、落語好きなのは部長と副部長だけで
後は皆、熱心じゃない。そんな部に見学まで来ておいて、今更、
「やっぱ入るのやめます」
なんて言えないじゃないか。後味悪いし。
「んなら・・・発声だけでも」
部長とドーラ副部長が立ち上がる。部長は大きく息を吸い込み叫んだ。
「ジュゲム!」

13:暇猫 う9507−9@89^:2013/02/02(土) 17:32 ID:lpI

ジュゲム?俺らが劇団でやってきた発声法は「あめんぼ赤いなあいうえお」から始める「あめんぼ」や
「あえいうえおあお」のような滑舌を鍛えるような練習だ。ジュゲムなんて発声法は聞いたことがない。
戸惑ってる俺らを気にすることなく、部長とドーラ副部長は発声を続ける。
「寿限無寿限無五却の擦り切れ!」
「ジュゲム ジュゲム ゴゴウノスリキレ!」
「海砂利水魚の水行末雲来末風来末!」
「カイジャリスイギョ ノ スイギョウマツ ウンライマツ フウライマツ!」
「食う寝る所に住む所!」
「クウネル トコロ ニ スム トコロ!」
「やぶら小路の藪小路!」
「ヤブラ コウジ ノ ブラコウジ!」
「パイポパイポパイポノシューリンガン」
「パイポ パイポ パイポ ノ シューリンガン!」
「シューリンガンノグーリンダイ!」
「シューリンガン ノ グーリンダイ!」
「グーリンダイノポンポコピーノポンポコナーノ長久命の長助!」
「グーリンダイ ノ ポンポコピー ノ ポンポコナー ノ チョウキュウメイ ノ チョウスケ!」
何を言っているのかはさっぱり分からなかったが二人の発声は完璧だった。腹式呼吸も上手い。
喉から無理に声を出さずに腹の奥から声を出している。その分、声がよく響き、古い窓ガラスがびりびりと
震動した。
「ええ発声や」 準もそうつぶやいた。
「今のって何なんですか?」
思わず部長にそう尋ねた。
「なんやポンポコピーとかポンポコナーとか・・・狸ですか?」
「ちゃうわ。これは『寿限無』言う落語の主人公の名前やねん」
部長が一冊の本を手にする。
「ジュゲム」
そう書かれた台本はかなり古く使い込まれた感があった。
「二人で読んでみる?」
準がうなずいた。切れ長の目が輝いている。ぱっと見、表情がないけれど、俺はこいつの友達だから
よく分かる。
こいつは今、心の底から喜んでいるんだ。
台本が読めるから。

14:大和:2013/02/02(土) 18:29 ID:P96

まず第一の課題。
この課題は他の小説でもかなり注意の多いものですが……
「改行」です。
改行というのはその名のいう通り、
行を改めることです。
行の改めて文章を読みやすくします。
そして改行は心情や情景の現しにも大きく影響してきます。

例えば……

「あいうえおあお」のような滑舌を鍛えるような練習だ。
ジュゲムなんていう発音法は聞いたことがない。
戸惑っていう俺らを気にすることなく、
部長とドーラ副部長は発音を続ける。

「寿限無寿限無五却の擦り切れ!」
「ジュゲム、ジュゲム、ゴコウノスリキレ!」

どこかで聞いたことのあるようなその並べられた文章を発音する二人は完璧だった。

というように………。
主に、「。」や会話文の前後、長い時は「、」で改行をします。
その他は段落などで行を空けたりなど。
まずはここからやってみるといいです。

15:暇猫 う9507−9@89^:2013/02/04(月) 01:00 ID:lpI

アドバイスありがとうございます。
実は別の読者さまからも「ちょっと読みにくい」という
ご指摘をいただいていたので、どうしようかと迷っていました。
すごく参考になります。挑戦してみたいです。

16:暇猫 う9507−9@89^:2013/02/04(月) 01:33 ID:lpI

「ジュゲム」そう書かれた台本を手にする。
「寿限無はどちらか言えば初心者向けの落語かな。とっつきやすくて面白い」
準が1ページ目を開く。そこにはジュゲムの簡単な話の筋が書かれていた。
−ジュゲム

ある夫婦の元に子供が生まれる、その夫婦は子供によい名前をつけてあげたいと思い、
近くの和尚さんの元に名前の相談に行った。和尚さんは色々な良い名前を考え、二人に教える。
どの名前が良いか悩んだ二人はあげくの果てに、和尚さんの教えてくれた名前を全て繋げて
子供につけてしまった。その結果、子供の名前は

寿限無寿限無五却の擦り切れ海砂利水魚の水行抹雲来抹風来抹
食う寝る所に住むところやぶら小路の藪紺子
パイポパイポパイポのシュリーリンガン シューリンガンノグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助

というとんでもなく長いものになってしまう。
 時が過ぎやんちゃな少年に育った寿限無は、ある日、男の子を殴って怪我をさせてしまう。
それを知った家族は寿限無を叱った。しかし家族、全員が寿限無をフルネームで叱ったため
時間が経ちすぎ、寿限無の父親が殴られた子供の怪我の具合を調べたときには
その子の怪我はすっかり治ってしまっていた。

「どう?」
話の筋を読み終えたのは見計らい部長が声をかけてくる。
「いや・・・世の中にはアホな親がいるもんやなぁって」
俺は正直な感想を口にした。
準は目を閉じて少し考えてから感想を口にする。
「この子、めちゃ大変やないですか?
テストの答案名前書こう思たら時間足りんくなるし、
担任の先生も出席取るとき、めちゃめんどいですよ」
部長は少し微笑んで言った。
「『寿限無はめちゃ大変そう』か・・・ええね、才能ある感想やわ」
才能ある感想?聞いてるかぎりでは準の感想がそれほどとは思えなかった。
「この台本のオチは『名前を呼ぶうちに時間が経ちすぎて殴った子供の怪我が治ってしまった』
言うものやけど、オチが『名前が長すぎてテストが終わってしまった』とか
『出席の時に名前を呼ぶのがめんどすぎて先生がぶちきれた』とかそんなんでもおもろいかもしれん。
そうやって、違うオチを考えて話を更に面白くしてみるのも落語の醍醐味やからな」
「・・・面白いか」
準がぽつりとそうつぶやく。
『笑いがどんなもんか知りたいねん』
準が以前、そう言っていたことを思いだした。
―なんで準はそんなに笑いを知りたいんやろ―
「冴、読んでみようや」
準が言う。台本を開いた。登場人物は

寿限無の父・母・祖母
和尚さん
寿限無
殴られた子供

の主に六人だ。いきなり1人で六人を演じ分けるのはしんどいだろうという部長の配慮で
二人で六人を分けて演じることにした。
準が 、寿限無の母・祖母・寿限無
俺が 、寿限無の父・和尚さん・殴られた子供・その他もろもろ
を担当する。
最初は俺のセリフからだ。これは簡単に割と簡単にすんだ。次は準のセリフ。
きっと、皆、おどろく、おどろいて、何も言えなくなるんだ。
そして終わった後はきっと、
「天才やわ」
劇団の先生のようにこの言葉をつぶやく。 準が息を軽く吸った。
さぁ、はじまりだ・・・

17:大和:2013/02/04(月) 06:39 ID:P96

とにかく、読みやすくするコツは改行が一番てっとり早いので……
今のは大分よくなりましたが、もっと改行していいと思います。
自分の中で「ちょっと改行しすぎかな…?」
ぐらいで一度やってみるといいと思いますよ。

18:暇猫 y65い7508¥@お:2013/02/04(月) 18:40 ID:lpI

「やっぱ・・・子供には良い名前をつけてあげたいね」
準がセリフを言ったとたん
部室の雰囲気が、がらりと変わった。
準は男だ。 正真正銘の。
それなのにその声は男のものではなかった。
本当に優しさ溢れる女性のような、高く、温かみのある声。
―劇団時代より上手くなった−
俺も精一杯、年寄りの和尚さんの声を出す。
「この子もうまいな・・・」
部長さんがそうつぶやいた。
けど、部長さんの目もドーラ副部長の目も、
確実に俺じゃなくて・・・準のほうに向いている。
「今、行くよー!」
また声が変わった。今度はやんちゃな少年の寿限無の声。
なんでこんなにころころと声が変わるんだろう。
俺は、どうしてもできない。気持ちを切り替えて寿限無の父の声を出そうとしても
どうしても前に演じた和尚さんの声が残ってしまう。
違う人物になりきれない。
焦ってうまく演じようとすればするほど、
俺の演じようとする人物は、俺の手を離れてどこか遠くへ行ってしまう。
準が少年の声でいたずらっぽく笑う。
準は役を乗りこなしているのに、 俺は・・・何やってるんだろう。
久し振りの感覚だった。
胸がわずかに痛む。
台本が終わりに近づいていった。最後は俺のセリフで締めくくる。
「だって・・・あんまり名前が長いから」
泣き声混じりにそのセリフを言う。
「こぶがひっこんじゃったんだよー!」
台本を閉じた。
胸が高鳴っている。 どき、どき、どき、どき、 規則正しいリズムを刻みながら
「冴、すごいなー、よぉ、あんな泣き声まじりの声出せんなー」
ありがとう。けど、今は準には何も言ってほしくない。
拍手がおこった。
ドーラ副部長が拍手をしている。
「・・・ワンダフル。すごく面白い」
部長も拍手をした。
聞きたくない。
―違うんやろ−
その拍手は俺に送られてるものじゃない。
準に送られてるものだ。
 準は
「他のやつも読みたい」
とドーラ副部長が持っている台本を読み、気に入りそうな噺を探していた。
俺はただそんな準を見ている。
「すごいんやな・・・あの子」
部長が近づいてきてそう言った。
「えっと・・・名前は」
「準言います。俺は冴です」
「演劇か何かやってたん?」
「高校ん時にやってました。週1しか練習ない小さな劇団でしたけど
・・・同じ劇団に所属してたんです、俺ら」
最後のセリフは何となく投げやりになった。
「すごいですよね、準はやっぱり」
言ってから顔を赤らめた。 まるでこれじゃぁ、嫉妬してるみたいだ。
「嫉妬してんの?」
考えを読んだかのように、ずばりと部長が言った。
「そんなこと・・・」
否定しようとして、やっぱりやめる。
「―そうかもしれません」
「んならさ、やっぱ、落語やってみたらええんちゃうかな」
「え?」
なんでそんな話しに?ってかいきなり勧誘かよ。
「落語は演技だけちゃうもん。
動き、表情、それに、その人の人生経験。
そんなんが全部繋がって一つの落語になる」
「・・・」
「一回、違う土俵で勝負してみたら?
なんか新しいもんが見えてくるかもしれん」
俺は何も答えなかった。
「また来てな」
部長が笑顔でいう。
おかしくなるくらい優しい笑顔に見えた。

19:暇猫 y65い7508¥@お:2013/02/04(月) 18:41 ID:lpI

改行がんばりました!

20:大和:2013/02/04(月) 19:32 ID:P96

うん、大分見やすくなったよ〜!!

21:暇猫 y8r69607^¥0@:2013/02/05(火) 23:04 ID:lpI

ありがとうございます!

22:暇猫 y8r69607^¥0@:2013/02/05(火) 23:32 ID:lpI

―分かってんやって―
準に演劇では勝てないことぐらい。
 準と一緒に部室を出る。
「おもろかったな」
準はそう言っていたけれど、
どこか俺の心は複雑だった。
−やっぱりな−
頭の中でその声が響く。
やっぱり・・・やっぱり・・・
準のセリフ。
役が代わるたびに変わる声。
頭の中から離れない。
「ごめん。俺、先帰るわ」
そう言って、早足に家に帰った。
 自分のアパートの中。
高校時代と違って、俺以外誰もいない
部屋の中は妙に静かで
落ち着かなかった。
「・・・分かってるんやって」
またそうつぶやく。
分かってるのに、消えないこの気持ちは
何だろう。
・・・何だろう。
答えが見つからない。
 次の日、俺はまた準と一緒に
落研の部室を尋ねていた。
一緒に寿限無の発声をやる。
これがかなりきつい。
あのくそ長い名前をノンブレスで言わないと
いけないのだから。
俺はノンブレスでセリフを言うのが苦手だ。
すぐに苦しくなって、息を吸ってしまう。
対して準は、呼吸していないのかと
言いたいくらいに
ノンブレスでセリフを長々と喋れた。
―なんでやろ―
その後はまた落語を読む。
−なんでやろ−
俺のほうが演劇経験は長かった。
小学生の頃からずっとやってきた。
なのに・・・いい加減分かってきた
俺の苦しさの原因が。
俺はいつも準と自分を比べている。
発声の度に
セリフを読む度に
その事に気がついてから
何とはなしに準と一緒にいるのを
しんどく感じはじめている 自分に気がついた。
準はいつも通り、話しかけてきてくれているのに。
いやになってくる。
準じゃない。
自分自身に。
 準に内緒で他のサークルを見てまわった。
演劇サークル。
ESSサークル。
そして演劇とは全く関係のないサークルも。
けど、どれもしっくりこなかった。
うまい先輩はいるけれど、
どれも皆、ぴんとこない。
食品サンプルみたいだ。
色も形もいいけれど
実際にそれを食したいとは思わない。
食べて自分のものにしたいとは思えない。
―逃げちゃえばええやん―
準から逃げて、演劇からも逃げて、
そこそこに楽しいサークルに入って
青春をエンジョイしてしまえばいい。
けれど、どうしてもそれが出来なかった。
きっと、そんなことしても、
俺は何にもなれない。
何も目指せない。
―なら・・・―
 翌日、大学内で準に言った。
「俺、落研入るわ」
準は、笑いはしなかったけれど
表情をわずかにゆるませた。
「マジか」
「言っとくけど、落語は
演劇とは違う土俵やからな」
このセリフは別に準にむかって
言いたかったんじゃない。
自分自身にむけてのセリフだ。
「やけど、演劇要素めっちゃあんで」
「いや、まぁ、そやけど、まぁ、ええねん、
それは」
「んならまた落研の部室で」
「オッケー」
―これでよかったんか―
頭ん中が俺に尋ねる。
分からない。
たぶん、また準を気にするようになるだろうし
準との差に悩むかもしれない
けど、まぁ、それはそれでいいんだ。
挑戦してやる。
準にも
落語にも

23:暇猫 5えう579806−67:2013/02/06(水) 22:24 ID:lpI

「落研はいります」
部長にそう告げた。
部長はおかしくなったのかと
思うほどに喜んだ。
「よかった!ほんまつぶれるんちゃうかと
思ってたもん」
「新入部員めんどくさい」
と言っていたドーラ副部長でさえおた芸の
「あまてらす」とか言う名の訳の分からない
ダンスを踊りながら喜んでくれた。
「うまい人が入ってきれくれて嬉しい」
のだそうだ。
 入部祝いと親交を深めるためにと言う
目的で学校の近くにある居酒屋「わはは」
に入った。
部長とドーラ副部長は酒が飲めるけれど
俺と準はまだ十九歳なのでジュースでがまんだ。
「んなこと言ってたらvery boring!(つまんないよ)
ドイツでは十六才からビール呑んでるよ
オールオッケー。ノープログレム!」
「アホか!未成年に酒勧めなや!」
ドーラ先輩は酔い出すと英語と日本語をミックスして
しゃべり出す。
酔って早口になっていることもあり
俺には何を言っているのかよく
分からなかった。
「とりあえずアホはほっといて」
部長は鞄の中から一枚のチラシを取りだした。
それは夏休みに開催される
この大学のオープンキャンパスのチラシだった。
「このオープンキャンパスでは
授業体験だけやなくて
たくさんのサークルが活動内容を披露すんねん。
見にきたことある?」
「あります」
と俺は答える。
「ありません」
準はそう答えた。
「・・・え?準君、オープンキャンパスにも
行かんと大学決めたん?」
「はい」
「合わんかったらどないしよとか
考えんかったん?」
「とりあえず学費安いし
中国語学科あるし
就職状況もよかったんでここに決めました」
「チャレンジャーやな。
落語の中の登場人物は大抵、
んな奴ばっかや。
んでアホな失敗して終わるねん」
準は肩をすくめる
「・・・ええっと、
んで何を話してたんやっけ?
・・・そうそうオープンキャンパスや。
そこで落研は受験生やキャンパス生や
その他もろもろの方に落語を
披露すんねん」
オープンキャンパス・・・
「それって確か七月にありましたよね」
そう聞いた。
部長がうなずく。
「そや」
「それって、俺らも」
「もちろん、
出てもらうで」
「三ヶ月で落語マスターですか!?」
準がそう聞いた。
言葉とは裏腹にその目は
子供みたいにきらきらと輝いている。
三ヶ月でマスター・・・出来るのだろうか。
劇団自体には一つの舞台をやるのに大体
六ヶ月から三ヶ月くらいの期間を要していた。
大きな舞台であればあるほど
準備期間は長くなる。
「大丈夫。
落語は表現力とハートで
なりたってんねん。
その気になれば三ヶ月でいける」
準と顔を見合わせた。
―やってみようや−
準の顔がそう言っている。
「やるのは寿限無ですか?
俺らが読んだ奴」
俺がそう聞いた。
部長がにやりと笑う。
「冴君にはな」
俺には?
「準君には、もっと
ぴったりの落語があんねん」
「俺にぴったりの落語ですか?」
「うん・・・ドーラ」
「what?(何)」
「do you have a i pod ?(ipod持ってる?)」
ドーラ副部長はポケットからipodを
取り出した。
色はなぜかピンクだ。
「貸して」
部長はipodをいじった。
「ここやったらうるさいから聞けんかも
せめて画像だけでも」
ipodの中には着物を着た
男の人が座っていた。
「準君にやってもらうのは」
居酒屋のざわめきに混じって
笛の甲高い音が聞こえてくる。
「『まんじゅう怖い』」

24:暇猫 trw8587096−^8:2013/02/07(木) 23:19 ID:lpI

「ドーラ、台本持ってきて」
翌日、部室で部長がそう言った。
ドーラ副部長は寝袋を持参し部屋の隅で
横になっている。
「my head ズキズキ。
俺、マジ死にかけ」
「アホやなぁ、ふつかよいするまで
呑みなや」
部長はため息をついて自分で台本を
探しにいった。
「ドーラが色んな台本持ち込むから
何が何だかわからへん」
十五分ぐらいし、ようやく台本が見つかる。
「あったこれやねん!
『まんじゅうこわい』
話し、知ってる?」
準は首を振った。
「そんなあなたにも大丈夫!
うちの台本には全部あらすじが
ついてる」
ページをめくった。

「まんじゅうこわい」

数人の若者が自分の怖いものについて
話し合っていた。
皆が
「蜘蛛が怖い」
「アリが怖い」
と言う中で1人の男が
そんなものを怖がるとは情けない
と、皆をバカにする。
バカにされた若者は男が怖がるものに
ついて尋ねた。
すると男は
「まんじゅう」
と答える。
若者達はバカにされた仕返しに
大量のまんじゅうを買って
男に与えた。
しかし男は
「まんじゅう怖い。怖い」
とつぶやきながら
まんじゅうを全部たいらげてしまう。
男は皆が自分に仕返し
自分の怖がるものを持ってくるだろうと
いうことを予想し
わざと自分の好きなものを皆に告げたのだった。
その事に気がついた若者は
男に
「お前の本当に怖いものは何なのか」
と尋ねる。
男はまんじゅうを食べながら
「熱いお茶が怖い」
と答えた。

準に・・・ぴったりなのかな?
あらすじを見ただけでは
主人公の男はとてもずる賢こそうだ。
準はさっそくぶつぶつと台本を音読
しはじめている。
「聞かせて」
部屋の隅でドーラ部長がそううめいた。
「落語は俺の頭痛薬・・・」
「アホぉ」
部長があきれ顔でつっこむ。
「いいですよ」
準はそう言って読み始める。
表情や動きをつけながら。
どうやら台本を読んだ時点で
準の頭の中には表情や動きの
イメージがすでに出来てしまって
いるらしい。
「お前の本当に怖いものは何なんだ!」
準はにやりと笑みを浮かべながら言った。
「今度は熱いお茶が怖ぇえや」
部長が感心したようにため息をつく。
「最後、にやって笑ったのは
ほんまによかったと思うわ。
主人公のずる賢さがよく表れてる」
 そして今度は俺に台本が渡される。
俺のは部長が言ってたとおり
「寿限無」
複雑だった。
準は新しい落語に挑戦できるのに、
俺は発声や何やで皆がやっている
「寿限無」
俺だけが上のステージに上がれてない
みたいだった。
台本をじっと見つめる。
「冴君」
急に名前を呼ばれた。
部長が俺のほうを見て、
にっと笑う。
「あんたは自分の落語しぃや」
自分の落語
自分の演劇
それが、どんなもんだか
分からない。
ずっと演劇をやってきたのに
いまだに掴めきれない。
そんなこと言ったら
部長は―彼女は
笑うだろうか

25:暇猫 trw8587096−^8:2013/02/10(日) 23:14 ID:Q/I

「寿限無」
話し自体はわりと簡単で
すぐに覚えられた

子供が生まれる→
名前をつける→
子供が大きくなる→
ケンカをして相手の子
を殴ってしまう→
親がフルネームで
子供の名を呼び、叱る
→ オチ

ストーリーが単純なぶん覚えやすい。
けれど、物語りの重要な柱とも言える
主人公の名前が覚えにくかった。

26:暇猫 y585707^0@p8:2013/02/13(水) 22:06 ID:Q/I

「名前が覚えられない」
そのことを準に相談する
のはちょっと気がひけた。
準なんかは、たぶん、
聞いただけでも、
寿限無の名前なんて
覚えてしまって
いそうだから。
「自分の落語を
すればええのに」
部長さんの言葉が思い
浮かぶ。
けれど、分からない。
自分だけの落語って
一体、何なんだろう。
ぼくのしたい落語って一体
何なんだろう。

27:暇猫 576r9うー@0−¥0:2013/02/17(日) 14:03 ID:Q/I

練習した。
とにかく読みまくって
落語を聞いた。
そうすることで
少しでも理想に近づこうとして
そっくりに真似することは
出来る。
けど・・・それはまだ
ぼくの落語じゃない。

28:暇猫 y476960^8^8¥:2013/03/08(金) 23:09 ID:6AI

そんな時、唐突に準が言った。
「俺、落語できんかもしれん」
それは部活の後とかそんなんじゃなくて、
一緒に呑んでるときとか、
そんな時でもなくて、
部室前で会ったとたんにそう
言われた。
「・・・」
ぼくは何も言えなかった。
できんかもしれん
その言葉に。
準はずっと、ぼくなんかより
ずっと役になりきって
ずっと、輝いて
それなのに
どうして
今更・・・


書き込む 最新10 サイトマップ