私のお兄ちゃんは、世界一かっこいい

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1:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 18:03 ID:Zqg


はじめまして!かおると言います!

今回は、純愛小説を目指して頑張ります!
最近、ドロドロ系しか書けないもので。…頑張ります。


雑談はやめてください。
感想等はご自由にどうぞ!(誹謗・中傷は禁止です)


ちなみに言うと、魔法のiらんどでも小説書いてます。よかったら見てください!
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=mika1013



ではでは、完結目指してstart!!

2:クロ ◆Luss:2013/02/09(土) 18:12 ID:T/.

わーい、かおるたまではないですか!!純愛ね、純愛。いいですなー。
今回はドロドロ系なしということでありますかな?
更新、fight(´・ω・`)

3:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 18:16 ID:Zqg

第1章




「紗紀(さき)」


低い声が、部屋の中で響く。
明らかに怒っているその声に驚き、私は持っていた漫画を落とした。
……この漫画は、私のものではない。


「おっ、お兄ちゃんが悪いんだからね!」


思わず後ずさり。
漫画をその場に置き去りにして、私は体を屈めて後ろに下がる。

篠田悠(しのだ ゆう)。
それが、私のお兄ちゃんの名前。

意地悪なお兄ちゃんが、私の部屋に顔を覗かせるのは何ヵ月ぶりだろう。
遊びに行ってばかりの不良お兄ちゃんが、珍しく私を睨んでいる。

……帰って来るの、早すぎだよ。

4:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 18:17 ID:Zqg

クロちゃん>>
久々の純愛一色!に、したいと思う!
頑張るねっ

5:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 18:24 ID:Zqg


ふぅっと小さく息を吐く。
……やってしまった。


「紗紀。いや、バカ。俺の部屋に勝手に入るなと言ったはずだけど」
「だってお兄ちゃんが、見せてくれないから!」
「それとこれとは、話が別でしょ?」


ニコッ、とお兄ちゃんが笑う。
げ、相当怒ってるよ。さては、何か部屋に隠してあるな。
そう思いながらも、引きつった表情で私も笑い返す。


「ど、どこも見てないし…ね」


目を逸らし、お兄ちゃんを見ないようにする。
雰囲気だけで感じられる怒りも、どうにかしたい。
嘘を見破られなければいいけれど。
祈る思いで、私は喉を鳴らす。


「じゃあ、何で目見ないんだよ」


お兄ちゃんの一言で、私の心臓が波打つ。

バレる。バレるバレるバレる。

今お兄ちゃんを見たら、ボロが出そうだ。
見れるわけない。
でも、見なければ……、疑われる。

迷った末、私は目を細めてお兄ちゃんを見た。

6:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 18:45 ID:Zqg


「ひっ」


思わず声が漏れる。
ど、動揺しちゃダメだ、落ち着け。
そんなことを思っても、簡単に落ち着けるわけがない。
私は再び目を逸らした。

お兄ちゃんの顔が、あまりに怖くて。
悪魔のような笑みを浮かべて、立ち尽くしていたお兄ちゃん。
あれと目を合わせるなんて、無茶苦茶過ぎる。

こんなことなら、こっそり漫画なんて借りなければよかった。
…お兄ちゃんが意地悪して、見せてくれないせいだ。


「そもそも、ね? 中学生にもなって少年漫画なんて、バカじゃないの」
「お、面白そうだったんだもん」
「そこの本棚にある、リアリティのない少女漫画でも見てろ」


そう言ってお兄ちゃんが、私の部屋に入ってくる。
ベッドの上にいる私に、目も向けず。
読みかけの漫画をお兄ちゃんは手に持つと、私に向けて鼻で笑う。


「ビビり過ぎ」


…な。
な、な、な、なんて人なの。

もう声も出ず、私はお兄ちゃんの背中を唖然と見つめるだけ。

バカ?
リアリティのない少女漫画?
ビビり過ぎ…?

思い出し、私の頭がカッと熱くなる。


「お兄ちゃんのバカ!!!」

7:かおる ◆0rlM:2013/02/09(土) 19:26 ID:Zqg



——————…
————…
———…


「本っ当、大嫌い!!」


バンッ、と机を叩く。
目の前にいる親友は引き気味。
…暴れすぎた?
落ち着こうにも落ち着けないんだから、仕方ないか。
開き直って、私はまた愚痴を吐く。


「大体ね。ちょっとかっこよくて、運動神経がよくて、頭がよくて、時々優しいからって。調子乗りすぎなんだよ」
「最っ高の誉め言葉ばかりだけど」


ふっ、と鼻で笑われる。

……川崎 夏(かわさき なつ)。それが私の親友。
知的なお姉さん…と言ったらいいのかな。
とにかく真面目オーラを出していて、メガネのせいか大人に見える。
中学生2年生とは思えないくらいのお姉さん的存在。

けど性格は、意外と真面目じゃない。
むしろ適当。見た目を完璧裏切るように、頭の良さは普通。


ただ、私の自慢の親友。
表に出さないだけで、みんなのことを一生懸命に考えるとこが大好き。

8:麗愛:2013/02/09(土) 19:50 ID:RNw

かおるーー!!
来たょ!!

更新がんばって!

9:かおる ◆0rlM:2013/02/11(月) 10:35 ID:Zqg

麗愛>>

ありがとう、頑張るね(*´∀`)♪

10:かおる ◆0rlM:2013/02/12(火) 15:57 ID:IsE


「紗紀ってブラコンだね」
「え」
「そんなに兄を誉める妹、さすがに引く」


引く?
そもそも、私がブラコン?


「私がお兄ちゃんを好きだ、って言いたいの?」
「ええ、もちろん」
「ありえないから!!」


机を強く叩く。本日二度目。
夏は はいはい、と相づちを打つけど、絶対適当。
私は何も言えず、ぎゅっと口を閉ざすだけ。

私が、お兄ちゃんを? 好き、?
ありえない。ありえなすぎる。
だってだってだって。


「あんな兄、要らないっ!!」


意地悪なくせに、学校で猫被ってるお兄ちゃんを?
優しいふりして実はケチで、女の子に簡単に笑顔を振り撒いちゃいそうな、お兄ちゃんを?

ありえない。

若干引き気味の夏を、私は軽く睨む。
夏は見ないふり。
私はむっと頬を膨らます。

何で私が、ブラコンだっていうの。
現に口答えだってするし、お兄ちゃんを好きなんて一度も思ったことないのに。


本鈴が鳴ってからも、私は授業に集中せずお兄ちゃんのことを考えた。
いつまでもお兄ちゃんのことを考えるなんて、ある意味ブラコンなのに。
認めたくない、という気持ちがあったのか、頭にはお兄ちゃんの批判(したつもり)の言葉しか浮かべなかった。

11:かおる ◆0rlM:2013/02/13(水) 16:30 ID:RwA








夜。
テストも近いこの日。
勉強に集中していた時、玄関の開く音が聞こえた。
きっと、部活を終えて帰って来たお兄ちゃん。

別に、お帰りなんて毎日言ってないし。
お兄ちゃんはそれを求めることもない。
そもそもまだお兄ちゃんにイラついているんだし、お帰りが毎日の習慣でも今日はきっと言わなかった。

だから私は、無言で勉強を続ける。
その時、


「紗紀、何してるの」


珍しくお兄ちゃんが、私に声をかけた。
びっくりして、椅子がひっくり返りそうになる。

な、いきなりなんだ。

12:かおる ◆0rlM:2013/02/14(木) 17:56 ID:RwA


取りあえず、冷静にならなきゃ。


「勉強だけど」


言ってから、ほっと小さく息を吐く。
よかった、ちゃんと言えた。
…そもそも、私何でこんなに緊張してるんだろう。
お兄ちゃんが帰って来てすぐ声をかけるのは、久しぶりだからかな。
小さい頃みたいに手を繋いで遊ぶ、なんてことももうしてないしね。
だから、何だか少しだけ懐かしく感じた。


「冷たいね」
「誰のせいだと思ってるの」
「まだ怒ってるの? 昔から、色んなこと引きずるよね」


お兄ちゃんのせいでしょ。
そう言おうとした時、ガチャッとドアが開いた。
……は?


「ちょ、」
「勉強、偉いなー」


バカにしてるの!?

13:MA−TAN:2013/02/14(木) 18:14 ID:i-SP2

面白そうですね!頑張ってください!
【あの、魔法のアイランドで小説かくの、会員にならないとダメなの?】

14:陽実 ◆NLsI:2013/02/14(木) 18:23 ID:izI

>>13
かおるじゃありませんが、iらんどは会員登録をしないと小説は書けません。

15:かおる ◆0rlM:2013/02/14(木) 18:33 ID:RwA

*MA−TANさん
ありがとうございます、頑張ります!

>>14参照です←

16:かおる ◆0rlM:2013/02/15(金) 17:50 ID:IeA


そもそも、どうして入ってくるの。
あんまり反抗するとお母さんに怒られるから、私はお兄ちゃんをムッとした表情で見つめる。
すると、急にほっぺたをつついたのは間違いなくお兄ちゃんだった。


「…何してるの」
「んー、柔らかいなーって」
「いきなり…なんなのっ」


ぱしっ、とお兄ちゃんの手を振り払う。
お兄ちゃんの手は私を離れ、宙に浮かんだ。
これくらい、お母さんに怒られないよね。


「……ツンツンしてんなぁ」


ふう、と小さく息を吐かれる。
なっ。意地悪したのは、お兄ちゃんのくせに。
昨日だって。
少女漫画を貶して、漫画も途中なのに取っちゃって。
最悪なことをしたのは、お兄ちゃんでしょ?
仲直りもしたわけじゃないのに、どうして簡単に話しかけてくるの。

…お兄ちゃんのバカ。


「じゃ、勉強頑張ってな〜」
「もう来なくていいから」
「んなこと言われなくても分かってる」


じゃあ来ないでよ!!!

17:かおる ◆0rlM:2013/02/16(土) 12:10 ID:IeA


本当なんなの、あの兄。

イライラしながらも、私はシャープペンを強く握る。
けど頭は真っ白、何を書いていいのか分からない。
集中はお兄ちゃんの手によって、呆気なく消されたんだ。


「やっぱり邪魔しにきたんじゃん!!!」


お兄ちゃんだって、昨日のこと引きずってるんじゃんか!

シャープペンを握る手が強まり、ボキッという呆気ない音が響く。
天国へ旅立つシャープペンをさらに強く握りしめ、その日はもうお兄ちゃんと口を利かないことを決意した。



が、





「遅い。何やってるの」



お風呂上がり。
イラついていた心を沈めたはずが、お兄ちゃんの一言でまた怒りが沸々と湧いた。
けど、口は聞かないと決めたんだ。
私は何も言わず、部屋に戻ろうとした、のに、


「無視? ふーん、じゃあ俺も紗紀に話しかけない」


冷たく言い放つお兄ちゃん。
お母さんは「小学生じゃないんだから」と呆れている。
私の頭で、何かが切れるような音がした。



「絶っ対、もう話しかけないでよ、バカ兄貴!!!」

18:マスカット:2013/02/16(土) 12:47 ID:q5E


面白いですっ!!
頑張って下さいです!

19:かおる ◆0rlM:2013/02/16(土) 12:55 ID:IeA

*マスカットさん

ありがとうございます!!
マスカットさんのスレの方では、何度も書き込み(雑談)すみません;;
マスカットさんが書きたいなら、小説は自由に書いても大丈夫だと思いますよ。

林檎さんはただ嫉妬しただけですし、頑張ってください!

20:かおる ◆0rlM:2013/02/18(月) 15:58 ID:IeA








次の日。
不機嫌そうな私の顔を見て、夏が噴き出した。
小さく体を揺らし笑う夏を、私は軽く睨み、鞄を下ろす。


「…そんな、笑わなくても」
「いや、だって、…ぶふっ」
「……」


何が起きたのかは、きっと分かっているのだと思う。
朝からこんな顔をするなんて、家族の間で何か起きたことしか考えられないもの。
私は夏が全てを悟ったことを前提に、小さく口を開けた。


「ちょっと無視したら、もう話しかけないって。訳わかんない。悪いのは向こうなのに、逆ギレしちゃってさ」


正直な気持ちを言うと、結構傷ついたんだ。
昔からお兄ちゃん子の私だから、今も実は意外と好き。
普通に好きだからこそ起きる、小学生のような喧嘩。
そんな中で投げかけられた、バカだのアホだのという言葉は構わない。
好きに言えばいい、けど。

お兄ちゃんに話しかけられないのは、寂しいとか思っちゃったりするんだ。

こういうのをブラコンっていうのかな。認めたくないけど。
次第に火照ってしまう頬を、私は手で覆った。

21:マスカット:2013/02/18(月) 16:33 ID:q5E

ありがとうございます!
でも 林檎と一緒にノートに
小説を書こうと思います!
仲直りもしたんで…

それに 林檎が ここに(葉っぱ天国)
行かないようにしよ と言ってたので
自分のスレでは 書きません

あ すいません!長くなりましたが…
それではー(⌒∀⌒)

22:かおる ◆0rlM:2013/02/18(月) 16:49 ID:IeA

*マスカットさん

そうですか、よかったです*!
頑張ってくださいねっ

23:かおる ◆0rlM:2013/02/20(水) 18:06 ID:UtM


すると、やっぱり前方から聞こえる笑い声。
堪える必要なんてないよ、バカ。
手の指から目を覗かせ、夏の様子を伺う。
お腹を抱えてる夏。
私は教科書を乱暴に取りだし、机の中に放り込む。


「何がおかしいの?」


改めて聞く。
夏は目に涙を浮かばせながら、震える唇を開いた。
どんだけ爆笑してるの。


「本当、ブラコン。素直にお兄ちゃんが好きって言いなさいよ」
「だから何で笑って、」
「不機嫌な顔」
「……」


ノーコメント。
不機嫌な顔を見て、何がおかしいんだか。
さらにお兄ちゃんの態度が頭をよぎり、カッと顔が熱くなる。恥ずかしいとは、全く違う意味で。

……嫌い。

そう思うことができたら、いいのにな。

24:かおる ◆0rlM:2013/02/21(木) 19:44 ID:UtM


私、やっぱりお兄ちゃんが好きだよ。
家に帰ったら、ちゃんと謝ろう。
そしてまた、いつも通り話したい。

そう思った時、予鈴が鳴る。
夏は自分の席へ戻り、私は鞄を片づけ席についた。







お兄ちゃんに、謝りたい。
素直に謝って、仲直りしたい。


私には、ただ、それだけで。





—————
短くてすみません!;

25:かおる ◆0rlM:2013/02/23(土) 14:42 ID:5Ck


——————…
————…
———…


「ただいま」


部活動のやっていない私は、他の生徒よりも早く家に着く。
それは夏も一緒。

お兄ちゃんは部活をやっているから、まだ帰って来てない。
バスケ部に所属しているお兄ちゃんは、よく遊んで帰って来るから帰りも遅いんだ。

しかも明日は休日。
帰りは確実に遅くなることは分かっているからこそ、覚悟を決める。



———お兄ちゃんに謝らなきゃ。



早く帰って来て。
部屋に行き、私は何かすることなくただベッドに寝転がった。

26:かおる ◆0rlM:2013/02/25(月) 16:56 ID:5Ck








「……紀、紗紀」


どこからか、誰かの声が聞こえた。
優しくて心が温まる声。
聞き慣れたその声には、どこか戸惑いがあった。
誰?
…おにい、ちゃん?
意識がだんだんとはっきりするにつれ、その声のボリュームは上がる。
うっすらと開けた目に飛び込んできたのは、私のよく知ってる人。


「……お兄ちゃん?」


ぼやける視界の中、私にはそう見えたんだ。
でも、耳にはっきり届いたのはお兄ちゃんの声ではない。
瞬きを繰り返しようやく見えるようになってきた世界。
私の顔を覗き込むのは、他の誰でもないお母さん。


「…どうしたの?」


ゆっくり口を開く。
お母さんはそれを確認すると、ほっと胸を撫で下ろした。


「起こしたのに全然起きなかったから、びっくりしちゃった。何か楽しい夢でも見てたの?」
「夢?」
「柔らかい笑顔で眠っていたから…」


夢の中で、私は一人の人と遊んでいた。
それが誰だか分からない。
でも、繋いだ手が、優しくて、温かくて。
どうしようもなく火照る頬と速くなる鼓動が、妙にリアルだった。
したことはないけど、あれが……恋というものなのかもしれない。

27:莉羽 ◆EppM:2013/02/26(火) 22:51 ID:oNo

わぉ!
面白いね、この小説〜♪
ブラコンとはww←(((((スマソ

紗紀、恋をした相手ぐらい覚えておきなよーw


あと、かおる〜…。
私のフレカ消したねw
まぁ…嫌いな人は消して良いって書いたのは私だけどw


小説、がんばれー\(*^○^*)/

28:かおる ◆0rlM:2013/02/27(水) 16:35 ID:5Ck

*莉羽

ありがとう!!
自覚してないけど、実はブラコンw

ごめん、
莉羽に似た人と間違えて消しちゃった><
また教えてくれない?

ありがとう!頑張る!

29:かおる ◆0rlM:2013/02/27(水) 17:28 ID:5Ck


どうして誰だか分からなかったんだろう。
確かに顔は見たはずなのに。
キラキラ光るはずの笑顔を見たことは、確かに記憶にあるのに。
起きたと同時にモザイクがかけられたように、誰だか分からなくなったんだ。


「…あ、お兄ちゃんは?」


忘れていた。
私はお兄ちゃんを待っていたんだ。
それで、いつの間にか眠っていて……。
問いかけると、お母さんはこめかみを手で押して考えるような素振りを見せる。


「まだ帰って来てないのよ。どこかで遊んでいるのかしらね」


困ったように笑うお母さん。
枕元の目覚まし時計を見ると、午後8時を針が指していた。
いつも、この時間までには帰って来るのに。

もしかして、私に会いたくなくて……帰って来ないの?

一度そう思うと、心は不安でいっぱいになる。
せっかく謝ろうと思ったのに、謝る暇さえ与えてくれないなんて。
もう私は、お兄ちゃんに一度も話しかけてもらえないの?


「取りあえず目を覚ましたとこだし、ご飯を……って、紗紀!?」


お母さんの驚きの声に反応もせず、制服のまま私は家を飛び出した。

30:莉羽 ◆EppM:2013/02/27(水) 20:52 ID:oNo

紗紀は純粋だねぇ←(´∀`*)
私だったら、ほっとくのにw((

FCねー。
[3523-2333-7999]ですw

31:かおる ◆0rlM:2013/02/28(木) 19:44 ID:5Ck

純粋…うん、確かにそうかも。

遅れると思うけど、
登録しておくねー(`・ω・ ´ )ゞ

32:かおる ◆0rlM:2013/02/28(木) 19:52 ID:5Ck


外に出た瞬間、体を突き刺す冷たい風。
冬の風はたまらなく冷たくて、容赦なくそれは私を突き刺す。
寒くてたまらない。
けど、お兄ちゃんに会いたい気持ちの方が強くて。
胸が熱くなって焦がれるような思いに、私はようやく自分がブラコンなんだと実感する。
どんなに冷たくされたって、お兄ちゃんが好きで。
お兄ちゃんが笑顔になる度に、私も嬉しくなって。

喧嘩する度に、気づかされる。

昔から私とお兄ちゃんは仲が良くて、本当に大好きだと思っているということ。
仲直りしたあとはまた笑顔になれて、いつも思うの。


私は、お兄ちゃんの妹でよかった、と。


「はぁ……っ」


家から少し走った場所。
お兄ちゃんがいつも汽車を下りる駅のホームを、私は見つめる。
ちょうど汽車の来る時間だったのか、汽車からは溢れんばかりの人が押し寄せるように歩いて来た。

その後ろの列の方に、お兄ちゃんの笑顔が見える。


「お兄ちゃ、」


お兄ちゃんに近寄ろうとした時。
隣にいる女の人をこの目で見て、私は足を止める。

33:゚+。:.゚*rin*゚+。:.゚ :2013/03/02(土) 11:23 ID:6RU

面白い、薫!!

頑張れfight、頑張れfight(´-∀-`*)<私ノ小説モ来テネ

34:かおる ◆0rlM:2013/03/02(土) 11:40 ID:5Ck

*rin

ありがとう(^^)
頑張るね、今から更新します。

35:麗愛:2013/03/02(土) 11:42 ID:RNw

さきちゃん素直だねー(″^▽^)
なんか、読んでて微笑ましいよ……

36:かおる ◆0rlM:2013/03/02(土) 11:43 ID:5Ck


お兄ちゃんの横顔は、今までにないくらい幸せそうで。
私は何年も一緒にいるのに、あんな笑顔を見たこともなくて。
喧嘩したはずなのに、嬉しそうに女の人と笑っている姿を見て胸が痛くたなる。

お兄ちゃんは、私と喧嘩したってどうでもいいんだ。
彼女さんが隣にいれば、私なんて——…。

こっちに近づいてくるお兄ちゃん。
私はお兄ちゃんに気づかれぬよう、その場から走り去る。


家に帰ったら、お兄ちゃんに会うことになる。
だから、家になんて帰りたくない。

寒い夜道を、私は全力疾走で走る。
行く宛なんてないけど、お兄ちゃんに会いたくなくて私は走り続けた。

37:かおる ◆0rlM:2013/03/02(土) 11:45 ID:5Ck

*麗愛

感想ありがとう(^^)
紗紀は純粋な子っていう設定だからね〜…。素直過ぎる。

38:麗愛:2013/03/02(土) 11:47 ID:RNw

でも、さきちゃん素直過ぎてキズつきそうで心配になるw

39:かおる ◆0rlM:2013/03/02(土) 11:55 ID:5Ck

*麗愛

確かにそうだね〜…。
と、雑談に繋がる前にstopさせていただきます。

40:かおる ◆0rlM:2013/03/02(土) 12:08 ID:5Ck





薄く積もった雪。
それを私は手で払いのけて、ブランコの上に腰を下ろす。
家から少し離れたこの場所は、昼になるとたくさんの幼児が遊びに来る公園だ。

私もここでお兄ちゃんと遊んだ記憶がある。

私がブランコから落ちた時、お兄ちゃんはすぐに駆け寄って来てくれた。
膝の傷を見てはわんわん泣き喚き、お兄ちゃんに迷惑をかけたあの時。
お兄ちゃんは優しく膝の砂をほろって、家までおんぶをしてくれた。

大丈夫だよ、と何度も何度もお兄ちゃんは言ってくれて。
そのまま私は、お兄ちゃんの背中で眠りについた。

41:ゆい:2013/03/02(土) 20:25 ID:p72

きたよー
希望の光は君の存在も続きかいてよー

あれけっこうすきだったのにw

これもおもしろいね!!

42:かおる ◆0rlM:2013/03/03(日) 11:57 ID:vOM

*ゆいさん

お初でしたっけ?←
すみません、最近記憶がおかしいもので…。

「希望の光〜」は、都合により書くのを中断いたしました。
すみません。

この小説は続けていこうと思います。
ありがとうございます!

43:かおる ◆0rlM:2013/03/03(日) 12:03 ID:vOM


ほんの数年前のことなのに、何十年も前のような気がする。
だって、そう思ったりもするよ。


「——あれが、おにいちゃん?」


大人の表情だった。
かっこよくて、大人びてて、私とは全然違う世界。
隣に並んだ彼女と繋がった手。それは、私がどんなに背伸びをしても届かないくらい離れた世界。
お兄ちゃんは、もう、私と同じ世界にいないということを痛感させられた。


「……お兄ちゃんだって、もう大人、だよ」


高校生と中学生。兄と妹。
それは、どうやっても変わらない事実。


「彼女がいない方が…おかしいし」


高校生の男子に、彼女の一人くらいはいる。
分かっていた。分かっていた、けど。
私の知らない顔を見てしまって、苦しくて。
暗く深い、闇の底に落ちてしまったように不安は降り積もる。


「私なんて所詮、お兄ちゃんの妹で…」


——妹なんて、嫌だ。
そう思ってしまった理由は、私自身も分からなかった。

44:ゆい:2013/03/03(日) 18:24 ID:Uho

お初じゃないよー

覚えてないのか!
そっかー
中断かあー
続き見たかったー

今のもおもしろいよお!!

45:麗愛:2013/03/03(日) 18:59 ID:RNw

かっおるー♪
さきちゃんどうなっちゃうんだろぉ……(汗
さきちゃん!彼女からお兄ちゃんを取り戻せーぃ!
お兄ちゃん奪回大作戦!←え

46:かおる ◆0rlM:2013/03/04(月) 18:39 ID:nuY

*ゆいさん
いやホントすみません、覚えてないでs((蹴
頭おかしいですね最低ですね歳ですねヤバイですねありえないですね消えろですね。←
ありがとうございます!


*麗愛
なぜお兄ちゃん取り戻すこと前提!?ww
取りあえず感想ありがとう(^^)

47:かおる ◆0rlM:2013/03/04(月) 18:47 ID:nuY


どうして嫌だなんて思ったのか。
聞かれたら、私はきっとこう答える。

"あんな人が兄なんて嫌だ"。

自分の心の内を隠して、自分の本当の気持ちを気づかないふりで。
嫌な顔をして、きっと言うんだ。

でも、本当はお兄ちゃんのことが好きで。

好きで好きで大好きで、だから冷たくされたら傷つく。
お兄ちゃんと喧嘩したら妙に不安になって、怒ったふりをしてる裏には心の中で叫ぶ自分がいる。

本当、自分でもバカみたいと思える。
でも、やっぱりお兄ちゃんのことは好き。

お兄ちゃんは私の、大切な"家族"だから——。



「…バカ、お兄ちゃん」


意地悪で
時に優しくて
甘えん坊の私を、優しく受け止めてくれる。

喧嘩して話さなくなって、やっとお兄ちゃんが大切だと気づくなんて。
もう…遅い?
今頃お兄ちゃんを大好きな家族と思ったって、お兄ちゃんは私と話してはくれない。

私が素直でないせいで、こうなる。

「本当…バカだ」

私は世界一のバカ。

48:かおる ◆0rlM:2013/03/05(火) 18:18 ID:nuY


私の目からこぼれるものによって、うっすら積もった雪は一部だけ溶ける。
ブランコは錆びているのかギコギコと耳をつんざく音が鳴って、涙が落ちる音は全く聞こえない。
けれど自分の心が叫び声を上げるのは聞こえて。
心の中でも流した涙が落ちた時、ブランコの音よりも大きく響いた。

お兄ちゃんに、会いたい。

そう思った時。
ふわりと、何かが私の首に巻きついた。


「どこ行ってんだよ……バカ」


上を見上げた先にいるのは、肩で息をするお兄ちゃん。
私は呼吸さえも忘れ、静止する。
その横に、さっきの女の人はいなくて。
少し怒ったような表情に、私は今までよりもっと涙を流す。


「おに…ちゃ」


首に巻かさった赤いマフラーに、涙の雫が一滴落ちる。
マフラーはその部分だけ色を濃くした。

49:かおる ◆0rlM:2013/03/06(水) 19:19 ID:nuY


どうしてここにいるの?
どうして来てくれたの?
お兄ちゃんは私にもう話しかけないんじゃないの?

たくさんの疑問が浮かぶけど、声に出すことなどできなくて。
ただ泣きじゃくるだけの私の目の前に、お兄ちゃんは膝をついた。
長いため息を吐き出してから、地面に膝をつけたままお兄ちゃんは私の顔に触れる。
冷たい手のひら。
けどどこか、温もりを感じた。


「…何やってんだよ」


悲しそうに顔を歪めるお兄ちゃん。
どうしてここまで心配してくれるのか、全然分からない。
私に怒ってるはずなのに。
どうして、そんなに息切れしてまで探しに来てくれたの。


「紗紀」
「ごめ…な、さ」
「…もういい、見つかって…よかった」


ぎゅ、と私を抱きしめるお兄ちゃん。
そのせいで私の涙はどっと溢れる。
お兄ちゃんは私を心配してくれた。
その事実に、お兄ちゃんの温もりに。
私の心臓は、安心感でいっぱいになった。

50:かおる ◆0rlM:2013/03/06(水) 19:21 ID:nuY

いきました! 50!

改めて、コメントありがとうございます。

これからも頑張ります!

51:かおる ◆0rlM:2013/03/08(金) 20:40 ID:nuY




しばらくたってから、お兄ちゃんはそっと私から離れた。
消える温もりに寂しさを抱く。
けれど「もう一度抱きしめて」なんてブラコン丸出し発言は避けたいから、私は何も言わずに俯いた。

お兄ちゃんから説教を喰らうことくらい予想している。
だから別に怖くない。

そう思っていても、顔を上げることを躊躇ってしまう。
前方から感じる黒いオーラに逆らえるわけがないから。


「…紗紀ちゃんは、何でこんなとこにいるのかな」


ビクッと体が震える。
出た、お兄ちゃんの怒り。きっと顔を上げて広がるのはお兄ちゃんの黒い笑顔。
私は膝の上で拳を握り、そのまま黙り込む。
反発しないのは初めてかもしれない。

52:かおる ◆0rlM:2013/03/09(土) 16:41 ID:nuY


返答しない私に痺れを切らしたのか、お兄ちゃんは無理やり私の顔を上げた。
視界に広がるのはお兄ちゃんの真剣な顔。
触れられた頬がたまらなく熱く感じて。
白い息が出るほどの寒空の下、私は今この時がお風呂でのぼせた時のような暑さに襲われた。


「顔赤いけど」
「離して…」
「そんな可愛い顔されると、離せないんだけど?」
「……っ」


ここまでチャラく育ってしまったお兄ちゃんに嫌気を感じる。
どうして私は、そんなお兄ちゃん相手にドキドキしてるの。
どんどん赤くなる頬。それを一瞬にして冷ますかのように、頭の中である言葉が浮かんだ。



——同じ言葉を、お兄ちゃんはあの人にも言っているの?



彼女と思われるあの人。
お兄ちゃんはあの人に、今私にしているようなことをしているの?
…ううん、もっと顔が赤くなるようなことをしている。
考えれば考えるほど、みるみるうちに熱は冷めていく。


「…紗紀?」


ようやく感じられた寒さは、凍えるようなものだった。

53:ゆい:2013/03/09(土) 16:47 ID:JbI

続ききになるー

はやく

かいてーーーww

54:¨ ◆0rlM:2013/03/10(日) 12:42 ID:iRE


どうしたのかと首を傾げるお兄ちゃんを、私は強く睨む。
本気で睨んだのも初めてで、お兄ちゃんは驚いていた。
そんなお兄ちゃんを私は押し退け、ブランコから立ち上がる。


「妹相手に、気持ち悪い」


冷たく言い放ち、全力疾走で公園を出る。


「紗紀!!」


お兄ちゃんの声も無視して、ただ走り続けた。
逃げる私をお兄ちゃんはやっぱり追いかけてきて。
当然部活をやっているお兄ちゃんは、私よりも運動神経がよくてすぐに追いついた。
強く腕を引かれ、私は無理やりお兄ちゃんの方に顔を向かされる。


「…何で泣いてんだよ」


苦しそうに顔を歪めるお兄ちゃんの手を、私は強く振り払う。
頬を伝うこれは、雪ではなく涙だったとは気づきもしなくて。
私は目元を強く擦る。


「泣いてない……ほっといてっ」


お兄ちゃんのバカ。……私のバカ。
指先に乗った涙が地面に落ちる。
同時に私は、お兄ちゃんの胸に引き寄せられた。

55:かおる ◆0rlM:2013/03/10(日) 12:43 ID:iRE

↑私です、すみません。

56:あまてらす:2013/03/10(日) 13:12 ID:iQE

何これ!すっごい面白い!

57:マスカット:2013/03/10(日) 13:22 ID:q5E

やっぱ 面白い!!

50おめでとー♪

58:ゆい:2013/03/10(日) 14:55 ID:JbI

おもしろすぎー

59:かおる ◆0rlM:2013/03/10(日) 14:57 ID:jX6



ぎゅうう、と強く胸に押しつけられる。
窒息しそうなほど隙間がないお兄ちゃんと私の距離に、なぜか心臓が暴れる。
お兄ちゃん相手に、ドキドキするなんて気持ち悪い。
そう思うのに、体も心臓も熱くて。
寒いはずの空気は、あっという間にまた熱くなる。


「おに…ちゃ」
「泣くなよ。…泣かれたら困る」
「…なんで」


どうして抱きしめるの。
どうして私に構うの。

聞きたいことはたくさんあるはずなのに、涙が言葉を詰まらせる。
"離して"って言葉は喉につっかえて、出ない。

本当は離してほしくないの。
彼女なんて作らないで、ずっと私と一緒にいてほしい。
時には喧嘩して、でも仲直りしたあとは一緒に笑って。

どこにも行かないで。
他の人に、笑顔なんて見せないで。


「やだ…離して、お兄ちゃん…」


それでも私は素直になれずに。
優しさを、温もりを与えてくれるお兄ちゃんを引き離す。

60:かおる ◆0rlM:2013/03/10(日) 15:04 ID:jX6


お兄ちゃんは、すぐに私を離した。
ようやく吸うことのできた冷たい空気に、どこか安心する。
お兄ちゃんはただ驚いたように、少し寂しそうに。
優しく私に笑いかけた。


「兄妹同士で、こんなの気持ち悪いよな」
「……おに、ちゃん?」
「小さい頃から抱きしめたら、すぐ泣き止むだろ」


だから、抱きしめたの?
その言葉はもう…出てこなくて。
聞いて「そうだよ」なんて答えが返ってくると思うと、苦しかった。
どうしてこんな気持ちになるかは分からない。

ただ、
お兄ちゃんが私を"妹"としか見てないということがよく伝わって——。

ふわふわ揺れる髪の毛を、お兄ちゃんが優しく触れる。
抵抗なんてもうできなくて。
されるがままに手を引かれ、家のある方向へと連れて行かれた。

61:かおる ◆0rlM:2013/03/10(日) 15:07 ID:jX6

*あまてらす様
ありがとうございます。

*マスカット様
ありがとうございます。
50を越えることができたのは、皆様のおかげです。
本当に嬉しいです(*´ `*)

*ゆい様
ありがとうございます。


*読者様
たくさんのコメントありがとうございます。
とても恐縮です…。
これからも頑張らせていただきます!

62:かおる ◆0rlM:2013/03/14(木) 15:28 ID:9hI

すみません、
都合により更新が減ります。

63:かおる ◆0rlM:2013/03/14(木) 15:40 ID:Ksk


——————…
—————…
————…



気づけばベッドの上だった。
ボーッとしていたた意識はすぐに途切れ、制服のまま横たわる自分。
近くにはお母さんがいて。
見たことのある、感じたことのある光景に疑問は持たなかった。


「紗紀…本当にもう、何やってるの」
「ごめんなさい」
「今日が土曜日だったからいいものの…学校だったら、休まなきゃならなかったのよ」
「…ごめんなさい」
「…もっと自分を大切にしなさい」


同じ返答を繰り返す私に、お母さんは最後は優しくそう言った。

私は顔だけ横に動かす。
目の前にいるのは、忙しく動いている時計の針。
目覚まし時計は私が眠っている間も休むことなく動き、今それはお昼近くを差していた。

そっか。

昨日は金曜日。
ってことは、いつもよりお兄ちゃんの帰りが遅かったのは今日が休みだから。
それなのに私は、ただ謝ることばかり考えて休みだってこともいつの間にか忘れて。

走って走って走って、隣にいた彼女と思われる人を見て逃げて。
お兄ちゃんの慰めは冷たく振り払って。
抱きしめられて、拒絶して。
最後は"妹"としか見られてないことに、なぜか傷ついて。

ふわふわと浮くような感覚に陥った私は何とか家に着いたんだ。


昨日の出来事を思いだし、私の胸は少しだけ痛んだ。
……私は、お兄ちゃん相手に、どうしてこんな切ない気持ちになるの。

64:かおる ◆0rlM:2013/03/14(木) 15:42 ID:Ksk

すみません、少し見辛かったと思われます。
次からは改善できるよう努力したいと思います。


修正
ボーッとしていたた→ボーッとしていた

65:かおる ◆0rlM:2013/03/15(金) 17:19 ID:Ksk

報告が遅くなってしまいましたが、

フリト板・もしくは交流板にて
「葉っぱ天国小説板 小説コンテスト」というのを開催しております。

そのコンテストにこの作品を参加させていただきました。

よかったら、お願いします。

http://ha10.net/test/read.cgi/frt/1363081676/l50

66:莉羽 ◆EppM:2013/03/15(金) 22:31 ID:oNo

紗紀…もっと素直になれー!←

あ、お久ですw


最近、芽実ちゃん来てないよね…。
「隣の山田くん」が…(;ω;`)

67:かおる ◆0rlM:2013/03/16(土) 18:24 ID:C1Q


それより、結局お兄ちゃんに謝ることができなかった。
…今なら間に合うかもしれない。


「紗紀、ダメよ、安静にしてなくちゃ」
「何で? もう平気だよ…」
「悠が安静にしてるよう言ったのよ。絶対風邪引いてるって…」


——お兄ちゃんが?

嘘だ。

いつも私と喧嘩ばかりして、いつも意地悪してくるお兄ちゃんが?
ありえない。
だってお兄ちゃんは私にもう構わないって言った。…昨日は、話したけど。

私のこと、嫌いなんだと思った。

それなのに、私の心配ばっかり。
気づいてたよ。
昨日は私のこと、探してくれたんでしょ?

だって、そうでもしなきゃあんなに体は冷たくない。

抱きしめられた時に伝わった温もりを、私が忘れてるわけないじゃん。
なのにどうして、私のことばっかり。



「お兄ちゃんなんて、嫌い…」



本当は大好き。
——恋愛感情なんかじゃなくて。

68:かおる ◆0rlM:2013/03/16(土) 18:32 ID:C1Q


ぽろぽろと流れ落ちる涙。
お母さんはそれを、微笑ましい光景を見ているかのように優しく笑む。
立ち尽くし涙をこぼす私の頭に、お母さんの温かな手のひらが乗った。

昔から変わらない手のひら。
いつも安心して、あっという間に笑顔になる手のひら。

——もう、お兄ちゃんじゃなきゃ、泣き止めないや。


「紗紀も悠も、素直じゃないわね」
「おに、ちゃんが、悪い」
「二人とも、本当変わってない。素直じゃないとこも、…純粋なとこも」





そのまま私は泣き続けた。
後から頭痛が襲ったのは、昨日制服のまま外に出たからか泣き過ぎたからかは分からない。

けれど、昔からのお兄ちゃんのまわりくどい優しさをお母さんが語る度に頬が熱を持った気がした。


後からお母さんに聞けば、お兄ちゃんは部活に行ったとのこと。
日曜日の夜まで帰って来ないと聞かされた時はただ驚いて、あの女の人が浮かんできて。

男友達の家へ泊まりに行ったと聞いてからは、ほっとする自分がいた。


——お兄ちゃん相手に、一喜一憂する自分がバカみたいだ。

69:鏡時 ◆MUNk:2013/03/16(土) 18:48 ID:5zI

面白い………!!

呼びタメOK?

まぁ、よろしくね!

70:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 10:46 ID:C1Q

*鏡時様

タメ呼びokです!
けれど一応ここでは、様づけとさせていただきます。

71:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 11:20 ID:C1Q






その日は暇な一日をただボーッと過ごしていた。
特に何かするわけでもなく、誰かと待ち合わせて出かけるなんてことをすることもなく。

お兄ちゃんに対して抱くこの狂おしい感覚が何か。
それを少しだけ考えた。何かは分からないままだったけど。


「ごちそうさま」


不明のままだったからか、モヤモヤと黒い霧が胸を覆う。
それは夜ご飯を食べ終えた後も同じで、モヤモヤは消えない。

変な気持ち。

お兄ちゃんがいない食卓が寂しいというのは確かだった。
だから夏に、ブラコンなんて言われるのかもしれない。

そう思い、階段の一段目に足を乗せた時。

膨らみを帯びたポケットから、聞き慣れたメロディーが耳に入る。
携帯電話を取りだし、表示された名前を見て私はすぐに通話ボタンを押した。


「もしもし? 夏?」
『もしもーし! いきなりだけど、明日どこか行かない?』


それは本当にいきなりの誘い。
少し早口で言葉を述べる夏に、私は階段を上りながら考える。

明日って、何かあったっけ。

しばらくしてから私は言う。


「うん、大丈夫。待ち合わせ場所は?」


夏と遊ぶのは何度もあった。
だから決まっていつもの待ち合わせ場所だろうと思ったけど、夏は少し慌てたように言う。


『あ、迎えに行くから……待ってて!』
「どこ行くの?」
『……と、とにかく、明日の昼頃迎えに行く!』


ブチッと一方的に切れた電話。
ツーツー、と耳元で一定のリズムを刻むそれを私はしばらくしてから切る。

なんか怪しい。

そうは思ったけど、このモヤモヤを消す気分転換にはちょうどいいと思った。
取りあえず、明日の服装を決めて、準備をしなくちゃ。

72:りり ◆LrTI:2013/03/17(日) 11:22 ID:rsg

凄いおもしろいです!!!!
かおるさんの作品はどれも素晴らしいです><

これからも引き続き頑張って更新してください!!

更新楽しみにしてます!

73:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 11:27 ID:C1Q


——————…
————…
——…



ピピピッ、ピピピッ、とさっきから何度も聞こえる音。
それは何か、寝ぼけていた私には分からない。

…うるさい。

重い瞼を無理やりこじ開け、音のする方に顔を向ける。
音を鳴らしていた張本人は、目覚まし時計。針はもうすぐで正午を差す。



「ああああっ」



ヤバイ、寝坊だ。
目覚まし時計を強い力で止め、まだ眠い体をベッドから起こす。

夏が迎えに来ちゃう…!

慌てて昨日用意しておいた服を着て、下へ下りる。
リビングへ慌てて飛び出す私を、お母さんは不思議そうに見つめた。


「どこか出かけるの?」
「夏と出かける! 早くご飯っ」


朝と昼兼用のご飯を急いで平らげ、洗面所へ向かう。
歯磨きして、顔を洗って…。

鞄を取りに行こうと階段を上った時、軽快に家のチャイムが鳴った。

74:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 11:28 ID:C1Q

*りり様

ありがとうございます!!!
そんなこと言われると、涙が止まらないです…っ!

更新頑張らせていただきます!

75:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 11:36 ID:C1Q


それが夏だと分かっている私は、急いでバッグを取りに行く。
玄関にはお母さんと夏の姿。
慌てて靴を履く私を、お母さんと夏は二人して呆れた顔をしていた。


「よし…じゃ、行って来ます」
「何かあったら電話、」
「うん、分かった。行って来ますっ」


もう一度お母さんに挨拶してから、私は夏と共に家を出る。
夏は少し挙動不審なような気がしたけど、気にすることなく夏の後ろを歩く。


「どこ行くの?」
「あっ、うーん、ちょっと…ついて来て、ね」


明らかに作った笑顔。
額に汗を浮かべている様子が電話の時よりも怪しげに見える。

取りあえず、ついて行けばいいか。

夏の後ろにくっつく私。
夏は迷いなく足を進め、それは駅の方向へと向かっていることに少ししてから気づいた。

76:鏡時 ◆SPPQ:2013/03/17(日) 11:54 ID:5zI

かおる>

分かった!

更新期待☆☆

77:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 11:57 ID:C1Q

*鏡時様

ありがとうございます、
更新頑張りますっ( *´∀`)♪

78:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 15:15 ID:C1Q



「夏? どこまで行く気?」
「ちょっと…遠出しようかと」


どこへ行く気と聞いているのに。
夏が何をしたいのか全然分からず、私はわざとらしく頬を膨らます。

それに気づいた夏は、やっぱり噴き出した。

この顔の何がおかしいんだか。
私は何も言わず、ただ夏の後ろをいじけ気味に歩いた。


「……乗るの?」
「うん」


迷いなく言う夏。
私と夏は、人の少ない電車の中に足を踏み入れる。

もわもわと熱い空気が漂っていた。
汽車はここに来るまで、たくさんの人を乗せていたことが分かる。

空いていたと思った汽車。
人数は次第に増えていき、汽車を出ていく人と同じ量だけまた乗った。

暑苦しい雰囲気に、私も夏も顔をしかめる。

今さら降りることなんてできない。
夏は行く気だし。

79:かおる ◆0rlM:2013/03/17(日) 15:42 ID:C1Q


仕方なくそのまま汽車に乗り、体を揺らす。

夏は自分から誘ったのに疲れた顔。
もわもわとした空気に耐えられないのか、汗を拭っている。

昨日の夜は、あんなに寒かったのに。
やっぱり昼間は暑いんだなぁ。

人がたくさんいるからってこともあるけど。


「暑い」
「夏が誘ったんでしょ?」
「そうだけど……あ、お兄サマと何かあった?」


ニヤニヤと笑みを浮かべる夏。
急に態度を変える夏に、嫌な表情を浮かべても夏は無視。

キラキラと瞳を輝かせ、私の返事を待っている。
……何かって、あるわけないじゃん。


「何でそういう話になるの?」
「告白は?」
「……あのね、相手はお兄ちゃんで」
「関係ない、ない」


完全に私をブラコンだと思い込んでいる夏。
ブラコン…の道に片寄ってきてることは認めよう。
ううん、認めるしかない。

でも。

告白?
告白って何?

お兄ちゃんのことは"恋愛感情"の好きではない。
それに私達はれっきとした兄妹。血の繋がっている兄妹だよ。

あの兄が私の告白に真剣に答えるわけない。
"気持ち悪い"の一言で片づけられるだろう。


そもそも。


私はお兄ちゃんのこと、"恋愛感情"として好きになんてなれないし。

80:かおる ◆0rlM:2013/03/18(月) 17:05 ID:C1Q


揺れる汽車内で、私は深いため息をついてからキッパリ言う。


「告白するような"好き"じゃないから」


私がそう言えば、夏は「嘘だ」と言いたげな顔をする。
私は返すように夏を軽く睨んだ。
つまらなそうに頭を掻く夏は、小さく「ちぇっ」と言った気がして。

私はもう一度夏を睨む。


「つまらない」
「何それ、兄妹での恋愛って気持ち悪いから」
「そう? あのお兄サマとならありじゃない?」
「……」


勝手なことばっかり、言って。
私は大袈裟に頬を膨らませる。
夏はそれをやっぱり噴き出しながら見るから、私はさらに不機嫌モード。

「まぁまぁ」と適当に夏が私を宥める中、夏の目的の駅へといつの間にか到着していた。

81:ゆい:2013/03/18(月) 17:27 ID:xIE

かおるーすごいよお!!
タメおk??

うちも小説書くから

今度見てくれる??

82:かおる ◆0rlM:2013/03/18(月) 17:34 ID:C1Q

*ゆい様

タメokですよー。
私は一応読者様に対しては敬語と様づけにすることにしたので、
ゆい様はご自由にどうぞ!

頑張ってくださいね!
時間ある時見させてもらいます…コメントは分かりませんが←
(気に入った作品のみコメントしておりますので)

83:かおる ◆0rlM:2013/03/18(月) 18:04 ID:C1Q


ぶわっと汽車から溢れ出す人達。
私と夏はぎゅうぎゅうに押されながらも、何とかホームを後にすることができた。
汽車は私達が降りた後もまた、終着まで人を呑み込みそして吐き出していくんだろうな。

運転手も、疲れるよなぁ。

そう思いながらも、何かしてあげられるわけではないし考えるのはすぐにやめる。


「紗紀、変なこと考えてないで早く歩いてよ。約束の時間が……あっ」


急に言葉を詰まらせた夏。
表情を伺えば、「ヤバイ」というような焦った顔。

やっぱり、何か隠してる。

私は歩きながら、体の端まで夏を見つめ言い訳をさせまいと強く見つめる。
夏は益々額に汗を浮かべていた。

地面にほんのり積もった、溶けかけている雪を夏が踏む。
それはしゃくりと、夏に食べるかき氷を頭に連想させた。

84:かおる ◆0rlM:2013/03/20(水) 16:42 ID:LOQ


それより、"約束の時間"って何。


「二人だけじゃないの?」
「あぁ、まぁ……うん、そういう感じ」


曖昧な返事に私はやっと確信する。

誰かと待ち合わせでもしてるんだ。

わざわざ遠出をしてまでここに来た理由は、誰かと会うため。
それだけでどうして私が来なきゃならないの。

私の知らない人だとしたら、一緒にいてもきっと楽しいことはない。
それなのに私は、いる必要があるの?

どんどん道を行く夏の腕を、私は強く引っ張る。


「待って、私行きたくない」
「それはダメ」
「何で? 知らない人となんて会いたくな、」
「絶対楽しいから!」


そんな、根拠もないことを。

納得しない私の手を今度は夏が強く引く。
その"約束の場所"へと連れて行こうとしているんだ。

夏は一度決めたら聞かない。
だから帰ると言ったって、もう無駄。そもそも次の汽車の時間はいつかは分からないし。

私は仕方なく、夏の後ろをついて行くことに決めた。

85:ゆい:2013/03/20(水) 17:55 ID:nTQ

http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1363767547/l5

これが私の小説のすれです
よかったら

かおる
みんな
見てくださいw
コメントとかよろしくです


かおるーーーー
様はいらないよーww
あつぐるしいでっせw

もー
ともだちだろ!!
小説うまいねーw

86:大和:2013/03/20(水) 19:41 ID:/qE

なかなかいいジャンルでやってるね。
こう…純粋小説を書いてると言っていて申し訳ないんだけど、
ドロドロ具合がいいなぁなんて思ってしまった。
書き方も「あやかし」小説書いてるときよりよくなった。
次こそは、がんばるんだよ。

87:かおる ◆0rlM:2013/03/20(水) 20:16 ID:LOQ

*ゆい様
ありがとうございます。
小説面白かったです!


*大和様
泣きそうになったです、真面目に。
この際大和くんと呼ばせていただくのですが、大和くんありがとう。
ドロドロだなぁと書いてる時には思いました〜…あはは。

絶対に責任持って書ききります。
そしたらまた、あのスレに入れてもらえたら…と思ってました。

本当に、ありがとう…ございます。

88:かおる ◆0rlM:2013/03/20(水) 20:27 ID:LOQ






仕方なく歩き初めて、数十分がたった頃。
大きな建物の前で夏は足を止めた。
建物を見上げる夏の横で、私も顔を上げる。


「……え」
「ん?」
「ここ、カラオケ?」
「Yes、正解」


私の質問に夏は笑顔で答える。

待ち合わせ場所は"カラオケ"。時間は厳守。

嫌な予感がして、私は足を進めるのを頑なに拒む。
夏はそれを無理に連れて行こうとしたけど、私の足は頑固すぎて動かない。
呆れる夏の前で、私は額に汗を浮かべる。

カラオケに時間厳守という設定は、どこかで聞いたことのある気がしてならない。

寒気が襲う。
勘づいてしまったこれから起こる出来事に、私の足はきっとこの建物に入ることを永遠に拒み続けるはず。

私は数回首を振ってから、一歩だけ後ろに下がる。


「やだ、入りたくない」
「何で?」
「…合コン、なんでしょ?」


途端に夏の顔は汗でいっぱいになる。
…やっぱり。

89:かおる ◆0rlM:2013/03/20(水) 20:29 ID:LOQ


中学生で合コンなんて、ありえない。
夏は帰ろうとする私の手をしっかりと握った。


「合コンじゃなくて、友達に呼ばれてるだけで」
「その子以外に誰かいるの?」
「……そ、その子の彼氏とか友達とか」


合コン同然の空気。
私は夏の手を振り払い、その場を離れようとする。

その時、


「あ、夏っ」

90:かおる ◆0rlM:2013/03/21(木) 14:02 ID:LOQ


甲高い声と共に、私と夏の元へ寄って来る一人の女の子がいた。
女の私でも、見惚れるくらいの容姿。
その子の周りだけ華と輝きがあるような、甘ったるい空気。

私は足を止めて、ポーッとその人の顔を見つめる。

走るたびにふわふわと揺れるロングの髪の毛は、私よりもずっと綺麗だった。
カールもかかっていて可愛らしい。
私なんてただのセミロングで、結うわけでもなく、ストレートのつまらない髪型なのに。


「遅かったね、待ちくたびれちゃった」
「ごめん、この子が行きたくないって」


夏が私を指差すから、その子はまじまじと私を見つめた。
自分より何倍、いや何百倍も可愛い女の子に見つめられるのは、どこか複雑。
だから誤魔化しのつもりで、私は小さくお辞儀する。

その子は私を一度キョトンとした顔で見てから、笑顔でお辞儀を返した。


「初めまして、夏とは小学生の頃から親友だったの。
 けど、私が引っ越ししちゃって。よろしくね」


思わず赤くなる頬。
こんな可愛い子が、夏の友達だったなんて。
真面目っぽいメガネ夏とは違って、その子はとても華やかで明るい感じ。
見た目は少し釣り合わないけど、タイプは似ている。

なんか、ちょっとだけこの子に妬けちゃう。
私はただの平凡中学生で、夏とは意見が噛み合わない時があるし。

でも、何だか懐かしい気分に浸ってしまう。

91:かおる ◆0rlM:2013/03/21(木) 14:03 ID:LOQ

あ、今回もかなり見辛かったですね。
すみません。
もう少し改行を増やしてみようと思います。

92:匿名さん:2013/03/21(木) 19:28 ID:nfA

! !、      ___        / ノ
  ヽ ヽ、 ,彡フ ̄  ̄ヽミミ、/ /
   ヽ フ''         く /
    _ 〉'           ヽ/,_
   (ヽi,      /;ヽ       i/ )
    i ! ,,_____ノ、i;;iヽ、_____、 i i  同じ板にコピペするとそのままだけど
     ! 'ヽ__●ノ' 'ヽ_●,ノ ,ノ i  違う板にコピペするとかわいい美少女の顔
    !、jヽ、 ,-   ;; -、 / _ノ  に変わる摩訶不思議な鬼コピペ。
     〉 /,、''`ヽ__/` ' ,、'  )
     '!, ヽ`t-,、__, -'イ/  /
     ヽ ヽt,=,='='=イi  /
      \ `'"~⌒~"' ノ
        `-- ^--

93:かおる ◆0rlM:2013/03/22(金) 15:51 ID:LOQ




「…紀、紗紀! 聞いてる?」



夏に呼ばれ、ようやく我に返る。
「え?」ととぼけた声で聞き返すと、夏は呆れたようにため息をついた。



「ちゃんと聞いてよ、もう」

「大丈夫。じゃあもう一度言うね。
 私、石原(いしはら) ののって言うの。紗紀ちゃんのことは、夏から聞いてるよ」



その子はののちゃんと名乗り、呆れ顔の夏とは反対の顔でそう言った。
どうやら私の名前は聞いているようで。
ののちゃんに自分の名前を呼ばれると、何だか自分の名前はキラキラ輝いてるような感じがした。



「よろしく…お願いします」



遠慮がちにそう言えば、ののちゃんはふふっと小さく息を漏らした。
可愛いなぁ。
そう思っていた時、和んでいた心は一瞬にして崩壊される。


それは夏が、私の手を思いきり引いたせいだ。



「夏っ」
「いいから、早く行くよ」
「え」
「のの の彼氏だって待ってるの」



嘘、行くこと決定?
ていうかののちゃんって、背丈的に同い年だよね。
中学2年生から彼氏いるって、羨ましいな。

そんな呑気なことを考えていると、いつの間にか私はカラオケ店の目の前まで来ていた。

それに気づき、慌てて手を振り払う。…冗談じゃない、合コン同然の場所に行くなんて。

『私、帰る』

そう言おうとした時、ののちゃんが眉を八の字にして首を傾げた。



「やっぱり、急に言われても行きたくないよね。
 紗紀ちゃんはあんまり私のこと知らないし…、なんかごめんね」

94:かおる ◆0rlM:2013/03/24(日) 20:08 ID:uqQ


それからもう一度、ののちゃんは「ごめんなさい」と消えそうな声で呟く。
俯くことによって溜まった涙が、今にも零れ落ちそうだった。

夏に冷たい目で見られ、焦りはMax。

申し訳なさそうに俯くののちゃん。
そんな子相手に帰るだなんて行為は揺るせれない状況。

考えて考えて考えて、出た答えはもうこれしかなかった。



「こ、こちらこそ…ごめん、なさい。早く行きましょ…?」



ジリジリと背中を照らす冬の太陽は、妙に暑く感じて。

驚いたように顔を上げるののちゃん。

しばらくキョトンとした顔をしていたののちゃんが優しく微笑んだ時、
太陽は私を嘲笑うかのように、さらに暑い熱を発した。



「ごめんなさい、ありがとう。じゃあ、夏も早く行こう
 みんな待ってるから…ね」



その笑顔に、先程まで悲しげだった表情の面影もない。
何だかハメられた気分だった。

95:アイン ◆L4JU:2013/03/25(月) 14:11 ID:hLE

さ、詐欺だ―――――!!!!!!!!!
狽ヘ!
きゅ、急にすいません!!

それにしても、この小説……
超!!面白いですねぇ
これからも、頑張ってください♪

96:あんず ◆kJjA:2013/03/25(月) 14:46 ID:mTs

予想だが、ののちゃん。
君、裏ありまくりなキャラだな、うん。
紗紀ちゃんをハメるとかダメでしょ!!
>>95同様新手の詐欺だな!!!←

97:アイン ◆L4JU:2013/03/27(水) 09:01 ID:Wgk

>>96
詐欺だって!!
詐欺と同じようなもんですよ!!

98:かおる ◆0rlM:2013/03/31(日) 13:32 ID:xj2





ののちゃんに案内され、奥の部屋へと向かう。
合コンと同じような雰囲気である場所に、私が足を踏み入れていいのか不安を抱きながら。

ののちゃんは、私の波打つ心臓と不安に気づきもせず。
躊躇いなく放たれた扉に、私は思わず目を伏せる。



「のの、遅かったね」



鼓膜が破れるほどに騒がしい部屋。
そんな中、甘くとろけるような女の人の声に、目を開かずにはいられなかった。

視界に映ったのは、ののちゃんと同じくらい綺麗な人。
色気を感じるその人は、きっと年上。

高校生以上にも感じるその容姿は、きらきらと光を発しているようにも感じた。



「夏と、夏の友達の紗紀ちゃん。遅かったのは、色々あって」



ののちゃんに紹介され、私は軽く頭を下げる。
あっという間に男の人の視線も寄せられ、頭を上げるのを躊躇った。

99:かおる ◆0rlM:2013/04/01(月) 17:03 ID:xj2


その時、



「紗紀?」



聞き覚えの声が耳に響く。
頭が殴られた時のようにズキズキ痛んで、状況が理解できない。
背中の辺りに冷たいものを感じた。

どうか、私の思い過ごしでありますように。

そう祈って、そっと顔を上げる。
そこには、



「おにいちゃ…っ!」



思い過ごしなんかじゃなかった。
お兄ちゃんは、ポカンとした顔で私を見ている。

隣には、ののちゃんと話していた綺麗な女の人。

よく見たら、腰にお兄ちゃんの手が回っている。


繋がった。全てが。

100:かおる ◆0rlM:2013/04/01(月) 17:05 ID:xj2

ついに、100レスを超えました。
本当にありがとうございます。
コメント、何度も何度も読み返してます^^

これからの、こんな私ですが、よろしくお願い致します。

では!

101:莉羽 ◆EppM:2013/04/01(月) 19:05 ID:oNo

合コンにお兄ちゃんか…。
合コンにお兄ちゃん…。
合コンに兄…((←

あ、お久ですゞ

102:あんず ◆kJjA:2013/04/01(月) 21:22 ID:mTs

100おめでとうございます!!

まさか合コンにお兄ちゃんが来るとは……。
こんな発想、私には出来ないですねw。
これからも応援してます!!

……敬語なのは気にしないでねww←
              by, あんず

103:鏡時 ◆MUNk:2013/04/02(火) 08:42 ID:5zI

100おめでとう!

ご…合コンに…兄貴が…ッ!

沙紀、綺麗な女の人から兄貴をとりもどせーっ。

104:かおる ◆0rlM:2013/04/02(火) 11:50 ID:WtQ


夏の「合コンじゃない」という言葉は本当。
ただここにいる人達で遊んでいただけ。
そこにはたまたまお兄ちゃんとその彼女がいて、そこに私達が来た。

でも、お兄ちゃんがいるってことは、ここにいる全員が高校生?

ののちゃんって同い年じゃなかったの?
あれ、でも、同い年とは言ってなかったような。
ただ小学生の頃から友達だってだけで…。

ああもう、なんだかよく分からない。



「紗紀、この人…」



考える私に、夏が耳打ちする。
お兄ちゃんはお兄ちゃんで質問攻めされていた。

夏は何度かうちに遊びに来たとき、私のお兄ちゃんを見たことがある。

私は小さくうなずいた。
早くこの場を去りたい気持ちでいっぱいだった。



「悠の妹?」



お兄ちゃんの隣にいる人が、私をじっと見つめる。
固まる体。
お兄ちゃんも同じように額に汗を流し、苦笑い。


―――耐えられない。


私はついに、カラオケ店をダッシュで出た。

105:かおる ◆0rlM:2013/04/02(火) 11:57 ID:WtQ


*莉羽様
合コンというか、遊んでるんですけどね(笑)
お久しぶりです!


*あんず様
ありがとうございます!
いやいや、誰もが予想できたありがちな展開ですよ。
応援感謝です!


*鏡時様
さきの「さ」は、紗で糸へんですよー
綺麗な人って羨ましいですよね…。

106:あんず ◆kJjA:2013/04/02(火) 23:41 ID:mTs

*かおる様*
敬語、慣れませんね……。
そして様付けも……。
普通に、さん でいいんですよ?



ののちゃんって高校生なの……?
いや、中学生……高校生……結局どっちなんですかね……?←

107:かおる ◆0rlM:2013/04/03(水) 12:29 ID:WtQ

*あんず様

いえいえ、読者様に対しては様としか言いようがありませんので。
交流板の方では普通に呼ばせていただきます。
なので、ぜひ交流板へも来てください!

どっちなんでしょうね。
いつか分かると思います!

108:鏡時 ◆MUNk:2013/04/03(水) 17:59 ID:5zI

かおる>ごごごごごごごめんなさい!!
かおる、紗紀ちゃん、ごめん〜っ><

109:かおる ◆0rlM:2013/04/06(土) 13:18 ID:WtQ





後から追って来るのは、夏の声。



「紗紀! 待ってよ!」

「私、やっぱり帰る!!」



大声で言い合うせいか、集まる視線。
それでも私はスピードを遅めず、それどころかもっと速める。

ついさっきの出来事を思い出し、胸が痛んだ。

腰に回された手。
少しもなかった距離は、数十年一緒にいる私よりも近かった。


―――ヤキモチ。


本当は、気づいていた。
あの日もお兄ちゃんの彼女さんに対して、酷く妬いていたことを。

だって、取られたみたいで。
あんなに一緒にいた私たちは、いとも簡単に離れてしまって。


それを苦しいと思うのは、私だけなの。


それがたまらなく悔しくて、―――苦しくて。

110:かおる ◆0rlM:2013/04/12(金) 16:14 ID:D1I


さっきから、胸が痛い。
狂おしいほどの感覚。私、この感じ知ってる。

痛くて、苦しくて、でも暖かくて。
一度ハマると抜け出せない、蜜の味。



しばらく進んで、私はようやく止まる。
少ししてから夏も追いついた。
二人の吐き出す息だけが響く。
肩で息をする二人を、不思議そうに見る通行人。

夏は額に汗を浮かべて、私を見た。



「いきなり、どう、したの?」



責めたりするのかと思っていたけど、違った。
私の行動を気にかける夏。
どうして逃げ出したのか、全く分かっていないみたいだった。

私は夏の質問に、言葉を詰まらせる。

言わなければならないことが、頭に浮かぶ。
けれど、言葉にできない。

それほど言いづらくて、恥ずかしくて、…大切なことで。

言葉にしない私を夏は、強い瞳で見つめる。
言い訳は通用しない。
うそだって見抜かれそうな雰囲気。私は目線を下に向ける。





「私、お兄ちゃんが好きかもしれない」





中学二年生。
嗅いだことのある甘い香りと、蜜の味。

夢の中で恋してた相手も、現実で恋した相手も。
いつだって隣にいた。

いてくれた。


――――まだまだ子供で、恋の知らなかった冬のこと。


私は、一番身近な人に恋をした。





――――第1章 終了――――

111:鏡時 ◆MUNk:2013/04/12(金) 18:25 ID:5zI

うわ〜、第一章おわった〜!

ガンバレ!応援してるぞっ!

112:かおる ◆0rlM:2013/04/12(金) 19:02 ID:D1I

*鏡時様

ありがとうございます!
次から第2章です…引き続き応援いただけたら光栄です。

113:あさみ:2013/05/08(水) 00:32 ID:luc

かおるさん
いい作品ですね^^
続きが、気になります!!
頑張ってください!!!!!

114:椛:2013/05/14(火) 02:59 ID:RFQ

2章はどうなるんですか!?
とても楽しみです!

あ、申しおくれました。
はじめまして。椛です。

わたし、〜本当の宝物〜というのを書いているので、ぜひ見てください!

115:莉羽 ◆EppM:2013/05/14(火) 17:38 ID:oNo


遂に、お兄さちゃんに対しての「好き」がっ……!((イミフ
今後の展開が楽しみです^^♪


>>114
人のスレでしかも初対面で、自分の小説の宣伝はどうかと…。

116:にっきー:2014/12/01(月) 21:36 ID:q8U

かおるさんの小説全部読みました


凄く面白いです!
兄弟もいいなと思っちゃいました!

小説はもう書かないんですか?


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