ソラマチ

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1:ひな:2013/02/15(金) 22:23 ID:bAY

私は、自分の瞳が大嫌いだった。
―――水色の瞳なんて。

2:ひな:2013/02/15(金) 22:29 ID:bAY

あーもう、思いついたら立てる、って言う癖直さないと駄目ですね。
最後まで頑張りますので…。
どうぞ、よろしくお願い致します……

3:ひな:2013/02/16(土) 20:20 ID:bAY

私は、絵を描くのが好き。でも、其処まで上手じゃない。……けど。その気持ちは、きっと死ぬまで変わらないと思う。


―――シャーペンを握り直して、そんな事を思った。
休憩時間の教室は、ざわついてて、私にとって少し煩い位。
集まって笑い合っている女の子。
教室の中で鬼ごっこをしている男の子。
そして、机に座っているのは私1人。


いつも通りの風景です。


もう何冊目になるのか分からないノートの1ページは、今日見た夢の一場面の作成途中。
私が、真っ赤な紅葉の木を見上げているイラスト。
最近は、夢の一場面を描くのが日課になってて、かなり継続できている。
靴を描こうとシャーペンを動かした途端、机が揺れた。

突然の出来事に、反射的に顔が上がる。すぐに、顔を上げた事を後悔する。
見上げた視線はクラス一の秀才、星月空君の視線と重なった。
真っ黒な髪は男の子の中では少し長めで、いつも寝癖でぼさぼさしてる。けど、撫でたら気持ち良さそうだな、と思う。
「あ、え、……」
黙った私に代わってか、星月君が少し早めの口調で言った。
「あ…灯田、悪ぃ!」
そう言った彼は、走ってドアへ向かう。

背が低くないのに、身軽だよなぁ、っていつも思う。

4:ひな:2013/02/17(日) 17:42 ID:bAY

「…ただいま」
誰も居ないリビングに、私の声が響く。

鞄を下ろして、椅子に座る。
床の上の鞄の中からノートを取り出す。色鉛筆は引き出しの中から。
制服を着替える事も忘れて、作業に没頭する。
あー…何色だっけ、確か黒だったような…


―――頭を叩かれて、私は後ろを振り返った。
後ろには、膨らんだ買い物袋を持ったお母さん。
「…今日の夜ご飯、何?」
ノートを閉じながら聞くと、お母さんは溜息を吐いた。
「シチュー。ほら葵、速く着替えんさい。しわくちゃになるよ」
「…はーい」
素直に返事をした私を見て、お母さんは部屋を出た。
他の服に着替えるのが面倒臭くなって、パジャマを着る。

ハンガーに制服を吊るして、リビングへと移動すると、シチューのいい匂いが漂ってきた。
「もうちょっとだから、待っててよ」というお母さんの声。
私は曖昧に頷いて、テレビの前に陣取った。

5:ひな:2013/02/18(月) 21:46 ID:bAY

「葵、学校で何かあった?……例えば……眼の事、とか…」
お母さんの言葉を聞いて、私は苦笑いする。嘘が下手なんだね、お母さん。
「―――また、学校から連絡あったの?」

私の言葉に、お母さんは頷く。
「…嫌ーよ、あの校長先生。何回言っても聞かないんだものねぇ……」
お母さんが愚痴る姿勢になる。


―――――もう、慣れっこだ。


頭では理解できている。けれど、感情が追いつかない。
お母さんの言葉は端から消し飛んでいく。今、何の話してるの?


学校からの呼び出し。


春、クラス名簿に“灯田 葵”の名前が載って、もう何回目だろう。既に2桁は到達してるかな。嬉しくないけど。

「灯田さん…その眼、どうしたの?カラーコンタクトなんて外しなさい、見た目が悪いから」
「ねぇ…ほら、見て見て。本当に水色でしょ?」 「…うわ本当だ。気持ち悪っ」

そんな視線には慣れた。
あんな言葉には慣れた。
無視すれば、耐えられると思った・
なのにどうして、



――――こんなに心が痛いんだろう?

6:ひな:2013/02/19(火) 22:00 ID:bAY

ご馳走様、と手を合わせ席を立つ。
それと同時に、ドアの鍵が開く音がした。
「ただいまー。腹減ったよ……お、今日はシチューか!」
お父さんが帰って来た。
私は、お母さんとお父さんに背を向けて、部屋に入った。

「……宿題、は………あれ、終わってる。何時やったんだっけ…」
ブツブツ呟きながら、鞄の中に教科書類を詰めて行く。
明日の準備が終わると、何時もより早いけど私はベッドに潜り込んだ。頭が痛い。
「……頭、いた…」
瞼が落ちてくる。
頭がぼぅっとする。

私の意識は、深い眠りの渦へ飲み込まれて行った。





着地したのは、見覚えのある景色の中だった。
「……学校、か…」
私の通っている第一高校。
フェンスで囲まれたグラウンド、汚れた校舎の壁。
やたらと花壇が多いのは、校長先生の趣味なんだって。
「灯田!」
後ろからの声に振り向くと、其処に立っていたのは星月君。
「…どうしたの、星月君?」
私は、星月君と向き合う。

空は雲に覆われていて、辺りが少し暗い。
「…俺、灯田の眼、嫌いじゃねぇから。だって、その色は――」
ザァァ、という葉の音で最後の言葉が聞こえなかった。けれど、彼は


『――――空の色だろ?』


って言ってた、という自信がある。

7:ひな:2013/02/24(日) 17:00 ID:bAY

頭がボーっとして、痛い。
吐き気がして、気持ち悪い。
体は重く、とにかくだるい。


「……風邪、かねぇ…とにかく、今日1日寝ときなさい」

机の上に、お母さんが体温計を置いた。チラッと見えた数値は、平熱以上。
お母さんが部屋を出て行くと、不気味に静まり返る部屋。
寝返りを打って、溜息を吐く。
あーあ……つまらない。
とにかく寝なくちゃいけない。けれど、寝れない。

そんなこんなで、結局夕方まで寝てしまった。
私は、チャイムの音で目を覚ました。
…だれだろう?
時計を見ると、午後5時を少し過ぎている。…部活に入ってない人達の帰宅時間だ。
お母さんかな、鍵でも忘れたの?
立眩みを感じながらドアを開けて、目を擦った。


―――空月君?


空月君が、其処に立って居た。
「……灯田に、プリント持って行け、って言われたから」
空月君は、気まずそうにプリントを私に押し付けた。……え、え?
「なんで、空月君……席、遠「あぁ、席替えしたから。隣」
―――――え?
鏡が無くても分かるくらいに、怪訝な顔をしているんだろうな、と予想がつく。
痛みが襲う頭は、考えるのを放置したらしく。
「……あぁ…分かった…」
「な、なんか急にテンションが落ちたな、大丈夫か?」
…それが最初にきたら良かったなぁ…なんて言える筈も無く。

「……あ、じゃぁ、それじゃ」
「…あ、うん、ありがと」
星月君の背中が遠ざかって行くのが見えて、無性に寂しくなったのは、どうしてだろ?


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