映像のセカイ

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1:梅子 ◆xgV2:2013/02/18(月) 19:43 ID:azQ

いつからだろう。



私の目に映るものが映像みたいだって思ったのは。

____声なんか音声だって思ったのも。



嗚呼、あの時だ。

私が……、一人になった時だ。

2:梅子 ◆xgV2:2013/02/18(月) 20:58 ID:azQ

如月 杏菜(きさらぎ あんな)
は今日も観客席に座っているみたいだった。

人の声も、スピーカーから流されたものだと思っている。

バカか。自分。
そんな訳ない……っが。

人に話してもらえない。

もう、映画館でただ、映画を観ている。そう思ってた。

結局、教室でも学校でも一言も発してない私の声。
無駄。口なんて要らない。

早くチャイム鳴って……!


私がこんな風に喋らなくなったのは、
佐々木 由美(ささき ゆみ)のせい。

あいつ、ふざけんなよ。

3:梅子 ◆xgV2:2013/02/19(火) 18:52 ID:azQ

私以外の人の前では、ヘラヘラ猫被って。
そんなにあんたに悪いことした?

私がそんなに憎い?
私がそんなに汚い?
私がそんなに嫌い?

どんなの。由美。

軽く睨む。

こっちには気づいてないみたいだった。
だったら、睨み続けても問題ない。



キーンコン………

残念。もう、鳴ってしまった。
でも、一人でいる必要無くなった。

残念がってる自分の中にホッとしている自分がいた。

何……でホッなんかとするのよ。

4:梅子 ◆xgV2:2013/02/19(火) 19:17 ID:azQ

顔が歪む。
自分という存在は一体なんなのか、と考えて。

クラスでたった一人、孤独で浮いてる。

要するに邪魔者っていうのか。
私は世間の意見からいうと。


「おい、如月」

ビクッとして横を見ると。

及川 櫂(おいかわ かい)が私を見ていた。

初めて、初めて。
六年生になって初めて喋り掛けられた。
嬉しさのあまり、にやける。

「うわ、キモ」
「き、キモくて結構。ていうか何……?」

嬉しさが込み上げてくる。
同時に涙。

「なんでお前喋んないの?」

……嗚呼、なんで及川。あんたそんなに優しいの?

ジワ〜と、目の中に「涙」が溜まっていった。

5:梅子 ◆xgV2:2013/02/20(水) 15:34 ID:azQ

それを急いで服の袖で拭った。

「そ、それはっ!!」
「及川く〜ん」

私の言葉を遮ったのは……由美だった。

「ゴメン、また後でで」

「えっ、あ」

返事をする前に及川は行ってしまった。
残念……


でも、喋るという楽しさを覚えた_______

また、喋れるのか……な。


それが楽しみだった。


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