Fantasy story

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1:飛廉 ◆FYG.:2013/02/23(土) 22:36 ID:eyU

          飛廉(ヒレン)です、殆どの方が初めましてですね
       一応ですが、元睦月、日陰、陽羽、日和、冬輝、疾那 etc…
      暴露し過ぎました(涙) とにかく、名前を何度も変えてますので
        いつかの私に出会った方、来ていただけると嬉しいです

          題名の通り、今回はバリバリのファンタジーです
           異世界とかになりますのでご了承ください
        それに加え、描写が駄作評論家も驚きの下手さを見せます
        つまり、この2つが物語る結末はそう……意味不明な世界。
色んな意味で想像もつかない世界が描かれていきますので、そこのところ宜しくお願いします

       ここでのルールは迷惑なければ全て良しといいますかr((言わねーよ
       荒し、ナリ、雑談以外は全てOKということにさせていただきます

    丁度ですね、明後日、明々後日が学年末の定期テストですので更新遅れます
           水曜辺りの夜に出没後の更新は安定しますので
         どうぞ、ダメダメかもしれませんが宜しくお願いします

2:空き缶 ◆KnlY:2013/02/23(土) 23:27 ID:T2o

意味不明どんとこい(謎の表明)。
楽しみですねえ。応援します。そして読みます。一字一句余すことなk(ry
学年末テスト頑張ってください(`・ω・´)
自分も受験終わったお気楽モードから脱しようかな……。

3:飛廉 ◆FYG.:2013/02/24(日) 00:03 ID:eyU

>空き缶様
意味不明どんといかせていただきます!←
一字一句余すことなく読んでいただけたら嬉しいです
もう、今すぐにでも泣けます!! 
それから誤字脱字を見抜いていただけたら教えて下さい
学年末テスト、頑張りますけど…もうアウトな結果が見えてるんで(涙)
受験終わったんですか!! 私まだまだ受験が遠いんで。
でも、凄い大変だったでしょうからしばらくは休止中でもいいんじゃないでしょうか

4:飛廉 ◆FYG.:2013/02/24(日) 13:23 ID:eyU

−第1話 Blue sky−

 東に昇り始めた朝日がキラキラと輝いている。地面をゆっくりと照りつけ始め、また今日も真
夏日になることを予想させられた。私はいつもの定位置、屋上の給水塔から朝練を行う部活を見
下ろす。必死にボールに食らいつくサッカー部、球拾いを行う一年野球部、そして見飽きた校庭。
中二病と言われるかもしれないけれど、私の生きている世界じゃない気がした。プラスチックの
ように温かみのない世界。
「・・・・・・はぁ」
 思わずため息が溢れてしまった。無機質な世界、自分の必要のない世界。『ここには私の居場
所がない』と毎朝のように考えてしまう。胸が悲痛な叫びを上げ、涙が零れそうになる頃、私は
給水塔から下りて屋上を後にした。

     *

「ああー、今日は早退しよ」
 教室に戻っては来たものの時刻は八時前。朝練を行う部活に紛れて忍び込んだのだから当たり
前だが誰の姿も見られない。そんな中、独り言を唱えるのは私へのエールにもなっている。淋し
い気持ちを紛らわし、生徒手帳に休みのことを記入した。それを担任の机に置いて鞄を持ち引き
返す。“親のいない”私なのだから先生もこれだけで許可するだろう。

5:飛廉 ◆FYG.:2013/02/24(日) 19:46 ID:eyU

「・・・・・・暇」
 学校から出てきて、かれこれ十分ほど経った。通勤途中の大人達や、遅刻遅刻と走る小学生。
何度もすれ違うが、それを見るたびに自分がどれだけ小さく、そして必要でないのかを考えてし
まう。幼い頃から幾度となくそう考えては意味もなく涙を溢したが、今となってはそうもいかな
い。涙なんて簡単に流せないし、他の誰かに心配させることもできなくなり“自立”し始めたのだ。
自分という存在が合わないこのパズルの枠で自分を主張できずに目を瞑る私は意見を持つ周りと
比べれば、ここから消えてしまいたくなる。ここで生きていくことに息が詰まりそうで、怖くて。
「・・・・・・誰か、私を消してくれないかな」
ぼんやりとしていると、いつしかそんな一言が溢れていた。足に身を任せ、目を瞑っているかの
ように、無意識で歩く。
「「私の必要な世界へ行きたい」」
 蒼い空、白い雲、無機質な風景。そして、見慣れた高層ビル。冷たく聳える街並みに少女は姿
を消す。そして、その場に残っていたのは__別の少女だった。

【−訂正−
 第1話 Blue skyではなく“第0話”です】

6:空き缶 ◆KnlY:2013/02/24(日) 22:53 ID:T2o

>>3
どんとこいy(ry
誤字脱字ですね、わかりました!
あきらめたらそこで試合終了ですよ(キリッ
ですよねーwwということで春休み前まではだらけます←

さておき本文スタートですね。これは面白くなりそうですww

7:飛廉 ◆FYG.:2013/02/25(月) 13:00 ID:eyU

>空き缶様
どんといきました!!誤字脱字宜しくです
あきらめたらそこで試合終了…試合1日目でもう終了しました (キリッ
いいですね〜、春休みまで。私もそうしようかn((

面白くなりそうだなんて言っていただけて嬉しい(涙)
明日くらいに続き書きますφ(´∀ `)

8:空き缶 ◆KnlY:2013/02/25(月) 13:18 ID:T2o

>>7
今のところは大丈夫ですよ(`・ω・´)
oh...
高校準備もしなくちゃなんで案外楽じゃないかもですww

はい!頑張ってください!私も更新してきますノシ

9:飛廉 ◆FYG.:2013/02/25(月) 21:46 ID:R96

>空き缶様
良かったです、ありがとうございます
そうなんですか、高校準備…大変そうですね
空き缶様の小説よく読みますが凄く読みやすくて面白いです!続き楽しみにしてますね
(続きこのあとすぐ書く予定です)

10:大和:2013/02/25(月) 21:54 ID:/qE

会話(雑談)は控えてください。

11:飛廉 ◆FYG.:2013/02/25(月) 21:56 ID:R96

>大和様
申し訳ございません
以後、気を付けさせていただきます

12:飛廉 ◆FYG.:2013/02/25(月) 22:18 ID:R96

−第1話 The beautiful world−

 サラリとした黒髪が風になびく。私は崖に面した山小屋の窓から外の景色を見下ろす。夕焼け
色に染まっていく世界は、美しく儚げで、寂しげな雰囲気を放っていた。鳥の親子が飛んでいく
のが見え、気がつくと視界が歪んでいた。頬に温かい水が一滴流れ、頬杖をつく左手を濡らした。
「・・・・・・ぁれ? おかしいな」
いつもなら笑い飛ばせるくらいの景色なのに胸が張り裂けそうな悲しみに襲われる。こんなの私
に似合わない、きっとこんな姿を見たら、皆が声を揃えて言うだろう。慰めることなく、笑いな
がら私を馬鹿にするだろう。
「分かってるよ」
うん、そうだ。絶対に分かっていなければいけない私のルール。私は能天気でお調子者で笑顔の
似合う、そんな人間でなければならないんだ。時には悲しくて涙が出ても書くし通さなければい
けないんだ。
『私らしくない』なんていう、私自身を否定される一言も全て真っ正面から受け止めるのが私。
「・・・・・・私らしく、なりたいよ」
叶わぬ願いが部屋に響く。夕焼け空が私のことを見下ろしている。もうすぐ落ちる夕日が私を見
つめている。その二つしか存在しない私の視界から、私は消えた。私でない私が残り、私は私で
ない私になった。

13:飛廉 ◆FYG.:2013/02/25(月) 23:22 ID:R96

 私の精神が帰ってきた。長い間、立ち止まっていた気がする。
 確か私は無意識の内に歩き続け、とにかく街を徘徊していたと思う。時刻は八時半頃。それか
ら数分ほどだったと、私の体内時計が訴えている。けれど信じられないことに、私が佇む小屋の
窓から見える景色が夕方ということ。その他にも、知らない小屋にいることや高台から下に森が
見えることも充分疑問だったが、精神の帰ったばかりの私に考えられるのはこれだけだった。
「・・・・・・ぁ、あり得ない」
ロールプレイングゲームで合っているだろうか。そんなもので異世界に行き冒険するとあるが絶
対無理な話だと思い知った。こんな私でも助言をくれる村人に会うことも出来ないほどに怯えて
いた。けれど、笑うこと以外の表情を必死に苦労し忘れた私は、怯えの表情など微塵も見せずに
無表情でいるだろう。

 どれだけの静寂が続いただろうか。暗くなりかけていた空も限界に達し照明が落ち、私の周り
は闇に覆われている。ポツリと取り残された星の光を数えるだけ。あの星の中の、私も一つなの
だろうかと目を閉じた。・・・・・・そのときだった。
「マイネ? ここにいるのか?」
少年の声が部屋中に響き渡る。蝋燭よりもっと大きな火の光が近づいてきて私と少年の顔を照ら
した。長い黒髪をまとめあげた、無邪気に笑う少年だった。年は十代半ばほど。私と同い年くら
いだろうか。にかりと微笑んで私の手を握り引いてく。
「皆、心配してっぞ! ババなんか死にそうな勢いでマイネ、マイネ叫んでだぜ?」
なんて笑いかけてくる少年に唯一作れる笑顔で対応した。少しも理解不能だが、流れに身を任せ
ることにして、ふと壁に掛かる鏡を見る。こちらを覗いているのは綺麗な黒髪に民族衣装のよう
な衣を纏った美しい少女だった。私ではない、この少年の呼んでいた“マイネ”だった。にっこり
微笑む少女に一礼し、私は少年に導かれるままに歩いた。

14:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 17:32 ID:R96

>>12 −訂正−
    書くし通さなければいけないんだ。⇒隠し通さなければいけないんだ。
    上記の漢字変換ミスがございました、申し訳ございません

15:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 18:11 ID:R96

     *

 瞼も重くなる夜中。私は(マイネの)自室の毛布に倒れ込んでいた。本当にここの世界はよく分
からない。そのことしか頭に浮かばないほど疲れていた。起きてから6時間ほどで眠くて仕方な
いと思えるほどの眠気だ。
「・・・・・・ホントに、ここどこ?」
私の声だけが響くこの部屋。見えるのは明るい満月くらい。美しい世界といえる自然の多い綺麗
な場所で、なんといっても愛が感じられた。
 ここに来て分かったことはホントに僅か。しかも役に立たないことばかり。ゆっくりと頭の中
で回想する。夜の始め頃に少年、ソウに出会った。笑顔の似合う運動系の少年は私をよく知る者
だった。次に出会ったのはオババ様。この辺りをまとめてサクラギ呼ぶらしいが、サクラギ一人
の巫女らしい。そして私がその孫で、私も巫女になるらしい。今日は私、マイネの誕生日で今日
からは大人、つまりは成人したらしいのだが説明されたことはさっぱり理解できていない。
「・・・・・・ここに、私って必要だと、いいな」
 途切れ途切れに溢れた言葉。頬の筋肉が緩み小さな笑顔が浮かぶ。それとともに、私は眠りの
世界へと落ちた。

16:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 19:05 ID:R96

「ぇ・・・・・・ねぇ、マオ!」
 真っ暗な闇。私の体を心地よく包み込む冷気。目を開いても開いている気がしないのは夢だか
らだろうか。それとも、この見えない闇のせいだろうか。別にどちらでもいい。
声の聞こえる方向に足を運ぶ。歩いても歩いても進まない気がして不安になった頃だった。
「あなたが・・・・・・マオさんね?」
急に前方に鏡が現れる。向こう側に立つのは今の私、マイネだった。あちらからは本当の私、舞
音が映っているのだろう。そして、彼女と私が入れ替わっているのだろう。
「う、うん。でもカタカナじゃなくて漢字」
「良かった! ここってどこなの?」
話の途中で質問を始めるマイネのテンションは高い。こんな性格で入れ替わったらバレるのも時
間の問題だろう。私の方もなるべくテンションを上げないといけないようだ。
「そっちは・・・・・・大人しい世界って、ところかな」
適当な印象を伝えて微笑むと、フムフムといいながら頷くマイネ。

17:空き缶 ◆KnlY:2013/02/26(火) 19:14 ID:T2o

>>9
ロム人多いですねえww有難うございます。

話が動いてきた(゚∀゚)

18:莉乃 ◆hN7g:2013/02/26(火) 19:28 ID:8hU

*アドバイス*
・改行が少なすぎて読みずらいです。
読者の気持ちを考えて書くと良いと思います。

19:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 19:44 ID:R96

>空き缶様
話動きました! 最初結構分かりにくいですよね…。
分かりやすくなるよう説明頑張りたいと思います
>莉乃様
アドバイス有難うございます
改行ですか。考えてはみたいと思います!
結構大まかな話の変わりには一行空白を、
軽いものは文頭を空けるなど工夫はしているつもりですが…他の工夫を頑張って入れようと思いますね

20:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 20:12 ID:R96

「えっと、マオ! 私の世界に・・・・・・いるのよね?」
私の言葉を遮ったせいか、漢字で呼べと言ったのに相変わらず私のことをカタカナで呼ぶマイネ。
ここで文句を言うわけにもいかないので、仕方なくそのことに関してはさらりと流した。
「そうだけど・・・・・・」
「じゃあ、今日の晩餐会はどうだった?」
にこりと微笑んでいるつもりなのだろうが、マイネの顔を明らかに引き釣っており、「苦笑い」
といった感じだといえるだろう。あたふたとしているのは手に取るように感じられた。
「どうって・・・・・・普通、だったけど?」
「明日の儀式に関してって何か言ってた? ババ様」
次から次へと質問尽くしのマイネに押されながらも必死に思い出した。
「・・・・・・都のサヤエイには明日の正午向かう。しばらくこの里とはお別れだ。挨拶でもしておき
なさい」
私の唯一母のお腹に忘れて来なかった記憶力でオババ様の言ったことをそっくりそのままマイネ
に伝える。
そして、今度は私が急に俯いたマイネに質問した。特に、悪気があったわけでも、何か意味があ
ったわけでもない。何故だと聞かれれば、私の性格、なんとなくが原因だと答えることしかでき
ないくらい適当だった。
「明日、都で何があるの?」
その一言が終わるか終わらないかの境辺りだったと思う。マイネの目からはボロボロと大粒の涙
が溢れていた。頬を伝っては落ちていくのを私は慰めることも、励ますこともなく見つめていた。
精神がなくなるまで見つめていて、いつの間にか私は目を覚ましていた。

21:飛廉 ◆FYG.:2013/02/26(火) 21:54 ID:R96

 朝日の降り注ぐ部屋。いつもの朝とは違う風景に一瞬驚いたが昨日のことを瞬時に思い出す。
私が起き上がると共に、シャラリと高い音をたてる腕輪。可愛らしい民族衣装を叩き、埃を飛ば
し、掛けていた毛布を畳んで部屋の隅に置くと部屋を出た。
「うわ・・・・・・凄い、かも」
部屋といっても祖母のいる本家とは違う離れとでもいう所。縄文時代の竪穴住居のような造りの
ため、出た瞬間に広がるのは大草原。所々飛び出た岩や坂もあるが、とにかく緑が多く綺麗だっ
た。
「お、マイネ! 起きたのかよ」
私が出てくると共に駆け寄ってきたのは昨日の少年ソウ。朝から元気よく太陽のような笑顔で迎
えられた。私もそれを見ると、ゆっくりと口角が上がった。
「おはよう、ソウ」
久しぶり。誰かに挨拶をするのも、そして自然に笑顔が溢れるのも。そして、またしても昨日の
ようにソウに手を引かれオババ様の部屋に入る。
「おお、起きたか」
こちらでも笑顔のオババ様に迎えられ笑顔で返した。気のせいか、一瞬オババ様の顔が寂しげに
見えたような気がした。
「あの、ババ様?」
私が少々気になったために、理由を聞こうと口を開き、オババ様に向き返ったときだった。

22:空き缶 ◆KnlY:2013/02/26(火) 22:59 ID:T2o

会話と情景などの文の間を一行開けてみては?
結構見やすくなりますよ。

23:飛廉 ◆FYG.:2013/02/27(水) 18:21 ID:R96

>空き缶様
アドバイスありがとうございます!
書き方も考えさせていただきますね

24:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/02(土) 21:35 ID:R96

   この3日間、一生懸命どう書くかについてこの小さな脳ミソで考えてみました
  小説をやめようかなんて大袈裟な考えも生まれましたが精一杯考え、この小説は
 同時に書いている「Short story」のように自己満足のために書くことを決めました
   つまり直球に言ってしまえば、私は私なりの他人(ヒト)の意見に振り回されない
           「自己流」で書かせていただきます
  私の書き方を変えさせていただきませんし、誰かに読んでもらいたくてではなく
         描きたい世界を描きたいだけ自由に書きます
 酷い話ですが、特にこの案を変えるつもりはないですし、苦手な方は自己責任バック
をお願い致します 私の勝手な書き方で不快な思いをさせたら心よりお詫び申し上げます
            ご理解、ご協力お願い致します

25:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/04(月) 19:34 ID:R96

「巫女はいるか」
 低い声が響き、ガチャリという金属音が聞こえた。鉄のような重々しい、戦いの武器を想像さ
せられるような音だ。私とソウがほぼ同時に振り返り、その声の主を探した。
「巫女はいるかと訊いているのだが、どうなんだサクラギのオババ」
そう言ったのは何十人もの兵達の先頭に立っている青年だった。逆光で顔の細部までを見ること
はできないが、二十代辺りということが予想できた。
「カンダナ様。・・・・・・まだお時間ではないかと思われますが」
オババ様が、青年に頭を下げそう言った。その一言に怒鳴り声に近い大声が返された。
「時刻が変更になったんだ! さっさとしろっ」
その声に驚き、私やオババ様の肩がピクリと動く。そして、ようやくオババ様が質問に答えた。
「その娘が私の孫、マイネでございます」
「そうか。よし! さっさと連れていけ!」
カンダナの声に周りの兵が私に近づく。私が呆気にとられて動けないでいると、ソウが守るよう
な体勢をとった。

26:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/05(火) 16:56 ID:R96

「マイネは絶対に渡さない」
ソウの声が感情の足りない私の体に染み渡る。長い間忘れていた「感動」が、私の瞳から溢れそ
うになった。きっと、この体が本物のマイネのものだからだろう。ソウの優しさがよりいっそう
感じられ、不安で重たかった体が軽くなった気がする。
「・・・・・・ありがとう」
気づいたときには口から飛び出した言葉はソウより自分を驚かせた。ここ5年は使っていなかっ
た言葉で、存在自体忘れていた。そんな言葉がスルリと出てきたのだ。嬉しいような複雑な心境
で戸惑っていて、目の前のカンダナの存在を頭からすっかり消えた頃。
「愚か者が。神威も持たぬ平民のくせをして」
カンダナの声が響く。やっとのことでカンダナを思い出し、そちらの方を向いた。
「なっ!?」
私はカンダナの様子に、自分の目を疑った。

27:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/07(木) 21:19 ID:R96

カンダナの手には劍(ツルギ)が握られている。そこまでは異世界に到着時点で了承していた。だ
が、その劍を「体内」から出すことは少しも了承していない。劍は古く、年期の入っていそうな
もので、左の二の腕辺りから出している。石を象った紋様の堀込められた部分には灰色の紐が延
びている。
「刀劍(トウケン)「地祇(ちじ)」。ここに力を示したまえ!」
 そうカンダナが大声で唱えると、それに答えるかのように紐と同じ色に劍が輝く。年期の入っ
ていた見た目が、切れの良さそうな新しそうな見た目になっていた。
「カンダナっ!」
オババ様が叫んだが、もう出遅れだった。振り上げたと思った劍から複数の閃光が飛び出したか
と思うと地面に突き刺さった。土の地面に絨毯をひいただけの簡単な床が盛り上がったかと思う
と地割れが起きる。それだけでは治まらず、盛り上がったかと思われた土が近くの人を束縛する。
「なっ!?」
私やソウ、オババ様で襲われたかと思ったとき、私は気を失ってしまった。なんだか、その間長
い長い夢を見た気がする。

28:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/10(日) 19:56 ID:R96

−第2話 The still world−
 薄暗い固い石の隙間。見慣れない光景を私は気がつけば見つめていた。
「・・・・・・え?」
そんな声が静かな狭い場所に響く。訳もわからず駆け出して道を抜けると現れたのは人通り。見
たこともない大人数。そして柵の向こうには鉄のような塊が動いている。そんな光景を目の当た
りにし、気を失いそうになった。
「ここ、どこ?」
そう呟いた声は人混みの中に消え、一気に不安が募る。ソウも、ババ様もいない。綺麗な夕焼け
空は、いつしかまた東に戻っていた。
「あれ? 舞音じゃん」
振り向くと立っていたのは茶髪の少女。短いスカートの下にはブカブカの靴下。奇妙な格好をし
ている。
「マオ・・・・・・?」
それに聞き慣れない名前を呼ばれ戸惑っていると少女はニコニコ笑いながら寄ってくる。
「優等生ちゃんがサボり? 大好きな先生が泣いちゃうよ?」
なんて笑っている。少しも理解できない。まるで宇宙人の喋っているような気すらする。
「えっと・・・・・・どちら様ですか?」
「は?」

29:飛廉 ◆FYG. hoge:2013/03/11(月) 17:03 ID:R96

「ちょっと! 何バカ言ってんの? 久遠寺麗華よ。レ、イ、カ、様!」
急に顔を真っ赤にしたかと思うと、金切り声を上げて言われる。とにかく、そんな大声を上げら
れても知らないことに変わりはなかった。
「え。クオンジ、レイカ様ね」
適当に口角を上げ、笑顔を作ってあしらった。本当によく分からないところ。
「あの、レイカ様? ここってどこなの?」
「ちょっと、本当に大丈夫? 兄弟さんでも呼ぼうか?」
そう言ってポケットからガラスのようなものが埋め込まれた四角の物を取り出した。ガラスをタ
ッチして何かしたかと思うとそれを耳に当てて話出す。本当に訳が分からない。私はそのまま来
た人に連れられ大きな建物に招待された。


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