この学校は何だかおかしい。

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1:柚子胡椒@胡麻醤油:2013/03/09(土) 22:54 ID:GUs


 初めて、ここの敷地内に足を踏み入れた時から思っていたんだ。


 __この学校は、何だかおかしい。

2:ゆずこ:2013/03/09(土) 23:07 ID:GUs

1


 何故この学校がおかしいと思うかって?

 …さあ。僕にも、決定的な根拠は見当たらない。

 ここは、ごく普通の都内の、中学校だ。
とは言っても、受験で入った訳だが。

 そして今日で丁度、一週間経つ。
 まだ学校に慣れないのは当然だ。
 …慣れる慣れないはともかくとして
絶対におかしいのだ。

 __何故、いつも廊下で誰かしら倒れているのだ?


 僕は思いきって、その、目の前に倒れる、
二つの緩いお下げ少女に、しゃがみこんで声をかけた。

 「あのー…どう、されたんですか?」

 するとその子は、突如起き上がり、
目を数回擦ると僕をまじまじと見つめた。

 「さぁ。理由は、分からない。分からないけど、
この学校は、何だかおかしいんだよ」

 
 淡々と僕に、多分この子なりの説明をされた。

 そういえばこの子は入学式の時前の席だった…ような。
前の席ということは、隣の教室だ。同じ学年ということで、成立。

 「じゃあ、どうして倒れていたの?」

 「え……えぇ…そんな事訊かれても…
説明のしようは、無いよ」


 訳が、分からない。
 ただ、こんな出来事を見掛けるのは今日が初めてではない。
声をかけたのは、初の試みだったけれど。

 僕は困り果てる少女に「言えるところだけでも!」と言った。

3:±:2013/03/09(土) 23:24 ID:GUs


 僕は、「人が倒れている」だけでこの学校がおかしいなんて思うのに、
気が進まなかった。

 「えっと、貴方の名前は?」

 少女に問われる。初対面だから、当然の事。

 「僕は、宮下 悠 って、言うんだ」

 「私は 雪坂 閖。よろしく、悠くん」


 閖……、ゆり、と少女は名乗った。
 僕も「よろしくね」と返した。

 出来れば閖と呼んで欲しいとの要望だ。

 


 「……えーと、簡潔に言うと、この学校には得体の知れぬものがいます」


 閖は本当に簡潔に答えた。

 得体の知れぬもの。


 それが事実だとして、何故、皆騒がないのだろうか。
ことごとく、普通では無いのだろうか。


 「…得体の知れぬもの、って?」


 「根拠が無いの。この世界に、それだけの根拠が在るものではないの。

 迷信だとか、逸話だとか、とにかく、変な話」


 その後に続け、閖は「本来信じれないようなものが此処には有った」とも言った。

 僕は話の行きなりに頷いていたが、
流石に、流れにすらついていけなくなった。

 迷信のような、閖なりの「考察」は正直信頼性はない。

 但し、ひとつだけ気にかかった。

4:匿名さん:2013/03/10(日) 22:18 ID:GUs

age

5:闇ウサギ:2013/03/13(水) 21:27 ID:4qk

good!

6:匿名さん:2013/03/15(金) 23:43 ID:GUs


「どうして、閖は倒れていたの?得体の知れぬもののせいなんだよね?」


 そう。
 僕は、元々倒れている理由を問い掛けた。
「得体の知れぬもの」のせいだとは予測はつく。

 閖は、「よく分からないが此処はおかしい」と言った。

 しかし、倒れるまでの経緯は……それなりにある筈。


 ところが閖は首をかしげた。


 「私は廊下を歩いていたの。それだけ」

 「え…!?本当に、それだけなの?」


 廊下を歩いていたら、「得体の知れぬもの」に遭遇し、
いつの間にか倒れた。そういうことなのか。


 「でも…変だよね。よく、先輩も何処かで倒れているの見かけるけど…。

 先輩は誰も何も言わないよね」


 閖の言うところ、少しずつ僕らの学年にも、噂が広まっているらしい。

 …この学校は入学して一週間半は
部活とか委員会とかも無く、気楽に学校に慣れる期間で、

 先輩も代々その期間は気を遣っているという。
後輩を怖がらせたり、
最初から先輩としての地位を押し付けたりする事の無い様、

 この期間は後輩との極端な交流は避けているらしい。


 これは、いい伝統と言えるのか…。
まあそれはいいとして。


 「今日で一週間。あと、3日で事実も分かるかもね」


 「そうだね。……まだ、無知のままで、いいんだよね」


 閖は不安混じりの声で答えた。

 廊下の外の景色を見つめる閖。

 こうして見ると、とても綺麗で可愛らしい顔をしている。

 そのうち、学年で男子人気を博すようになるのかな…と
騒ぎだらけの日々行事を思い浮かべた。



 

7:匿名さん:2013/03/15(金) 23:44 ID:GUs

>>5
ありがとうございます!

8:匿名さん:2013/03/16(土) 00:01 ID:GUs

2


 一日経過。


 僕と閖は良く気が合う。話は通じやすい。

 …非科学的なものに興味を示すという点が特に合う。

 
 この学校で何が起きているのか、妄想を並べては、
更にその妄想を広げ最終的には

 「この学校には魔物がいる」
という結論になった。


 もしも違ったらかなり恥ずかしいけど、その時はその時だ。




 ところで、今は丁度1時。
 30分という長い昼休みだ。

 12時から昼食の時間だったので、無駄に余裕ができる。


 僕は一人、廊下を歩いていた。

 昼休みだからか人は居ない。日が当たっていないからか
やけに暗く感じた。


 足音をわざと立ててみながら、まだ慣れぬこの学校の探索に出た。
…「得体の知れぬもの」に遭遇するかは、今は別としている。


 僕は突き当たりの廊下を曲がったところで、
「掲示板」と書かれたコルクボードが壁の隅にあるのを目にした。

 なんとなく足を止め、一枚だけ貼られた紙を見た。

 「……新入生の皆さん 12日に体育館にて先輩との交流会を行うので……」



 余りにも廊下に人が居ないため、その内容を読みあげてみた。

 (交流会……か)


 それが済めばあとは由緒正しき学校生活、
社会に出る為の、地位についての学びををしていくのか。


 ちょっと、残念だった。

9:匿名さん:2013/03/16(土) 19:24 ID:GUs

 
 溜め息混じりにもう一度紙に目を遠し、
再び歩き出そうとした、直後。


 遠くから……、風の音が、聞こえてきた。
 …此処の廊下は、左右に資料室やら、準備室やらが設けられていて、
窓が無い。次の突き当たりが確か、細い廊下になっている。

 なのに何故、前の方から……風鳴りが……?

 しかも段々、音が大きく………

「っ……!!!」


 僕は「何か」に体を押された。

 風、なのだろうか?それとも……。


「……得体の、知れぬもの……!?」


 考えられるものはそれだけだった。
 
 僕はなんとか体勢を崩さずに、後ずさった。

 ……既に風鳴りは、消えていた。


 ……風なのに、感触があった、ような気がした。

10:匿名さん:2013/03/20(水) 21:44 ID:GUs

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