じゃんけん

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1:ゆず:2013/03/16(土) 23:45 ID:h1o

「死ねー。」
「死ねよ、雄大ー。」
「なんでうまれてきたんだよー。」
「山田って、この世に必要なくね?」
「そーだよな!」
どうしてみんな、いじめるの?
僕、何か悪いことしたっけ。
「なぁ雄大?」
「こいつ、涙ためてるわよ。」
ハハハと笑い声が教室にひびく。
「涙ぼくろがあるもんな。つうかキモー。ほくろって、雄大がもってるとキモイんだけど。」
僕の目から、温かい涙がこぼれた。

2:ゆず:2013/03/17(日) 10:47 ID:h1o

にじむ教室に、笑い声がまたひびく。
「泣いてやがる!」
「馬鹿野郎だな!」
「ほんっと弱虫ねぇ!」
なにをしても、笑われる。たとえ自殺しても。
「…死にたい。」
つぶやいたけど、やっぱり笑われた。
「アハハハ、勇気もないやつが死ねるか、ボケ。」
「ほんとー。やっぱり死なないとか言うんでしょ。」
もう、なにをしても、ダメなんだ…。

3:ゆず:2013/03/17(日) 16:16 ID:h1o

その時、バシコーンと頭を叩かれた。
「いてて…。」
涙声で言う。振り返ったら、佐藤 恵ちゃんがいた。
え、僕、恵ちゃんに叩かれたの?
「…山田くん!なにメソメソ泣いてんの!男ならここでやり返さないとダメじゃんっ。」
いじめていたクラスメートも、呆然としてる。
「ね!?」
「う…、うん。」
「それから、あんたたち!黙ってみてりゃ、ひどいことばっかり!人の気持ちも考えなさいよ!」
とってもこわいけど…、恵ちゃんは僕を、助けてくれたんだ…。

4:ゆず:2013/03/17(日) 22:38 ID:h1o

「わっ…。」
すみませんと言おうとすると、相手は露骨にいやな顔をして行ってしまった。
ぶつかったのはそっちなのにと思うけど、そんなこと言えるはずないよ。
「最近、みんな冷たいなぁ。」
高校生。
高校生だ。
いじめられていた小学6年生から、4年が経ったんだ。
「都会は冷たいなぁ。」
東京に出てきたのはいいけれど、やっぱり寂しい。僕の性格じゃ通用しないんじゃ。
「…ん?」

5:ゆず:2013/03/17(日) 22:44 ID:h1o

妙な張り紙。
「なに、これ?」
高校の昼休み中だから、早く帰らないとダメなんだけどな。
気になる。
「…ホラーツアー。」
電柱に張られた紙にはそう書いてあった。
「ホラーツアー…。」
なんでだろう。
引きつけられたのは…。怖がりの僕が、なんで?

6:ゆず:2013/03/17(日) 22:53 ID:h1o

ホラーツアー 勇気のある人、どうぞ。。
夏も近づいてきましたが、そんな暑い夏には寒さも必要。ということでホラーツアーを開催いたします!
下記のことをご了承のうえ、ハガキでご応募ください。

-関東在住の方を対象にしております。
-二十歳未満の方のご応募はご遠慮ください。
-日時は7月24日(土)です。
-必ずハガキはお一人様一枚とさせていただきます。
-心臓の弱い方のご応募も、勝手ながらご遠慮ください。

7:ゆず:2013/03/18(月) 18:42 ID:h1o

なぜか高校から帰ると僕はハガキを取り出し、なぜかハガキに宛先を書き、なぜか裏に年齢と名前を書き、なぜか切手をはり、なぜかポストに入れていた。
「しまった…。」
入れてから我に返る。
年齢も二十歳って、うそついちゃった。どうしよ。叱られたりしないかなぁ。
「にしても、ホラーツアーなんてぇ…。」
大の苦手じゃないか、お化けなんて。

8:ゆず:2013/03/18(月) 18:46 ID:h1o

翌日高校に行く途中、あの電柱を見た。
「…えっ?」
よく見ると、抽選60名さままでと書いてある。やったぁ、よかった…。
「当たりませんように。」
でも、心の奥底で当たってほしいと願う自分もいるんだ。
小学生のときから、こんな小心者になってしまったんだから、強くなりたい。ホラーツアーなんか、へっちゃらだと言えるようになりたい。
何事にも、最強の「山田 雄大」でありたい。
当たっても当たらないでも、いい。
…っていうのはズルいかな?


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