桜散ル夜ニ、君想フ。

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1:飛廉:2013/03/29(金) 18:20 ID:R96

   「桜散ル夜ニ、君想フ。」の作者、飛廉です。宜しくお願いします
       え〜、クリック、または閲覧ありがとうございます
    この物語は、題名には合いませんが「異世界ファンタジー」です
結構おかしな(?)内容になっていくかもしれませんが、責任は取りません←スミマセン
     っていうか、題名通りになってくかすら分かりませんorz

 そんな感じな駄目な作品になりますが、感想とかいただけると嬉しい限りです
       ルールは『>>2』らへんに記載しようと思います

2:飛廉:2013/03/29(金) 20:19 ID:R96

ルール
*荒しやナリは禁止。(一回目は無視 二回目からアク禁注意)

*感想とかアドバイス大歓迎。

*宣伝、これを貼り付けると〜、雑談等はお控えください

*長続きしなくても文句は拒否します←

*変換とか日本語とかの間違えがあっても温かい目で見てください

3:飛廉:2013/03/29(金) 21:30 ID:R96

第1話 四象神社ノ霊獣國

「四方を司る神、四神。二十八星宿をもって黄竜つか奉らんことを。
春夏秋冬、緑赤白黒、東西南北、守護し八紘纏め改めんことを」

     *

「ねえ、彩葉! ……って、何やってんの?」
 机の上に、蛍光ペンや参考書、塾で出た宿題と様々な勉強道具を広げ夢中で解いていると、
前の席の友達、二宮灯里に声を掛けられた。仕方なくシャーペンから手を離し、顔を上げると
不思議そうに首をかしげる灯里に見つめられる。
「何って……勉強、だけど?」
そう答えると、灯里はやれやれというような表情で溜め息を一つ溢した。
「アンタさー、何? 一人受験生なわけ? 今は中二っていう中弛みの時期なのよ?」
「中弛みって……。先生がしないように注意したばっかりじゃん」
私がそう言うと、灯里は私に哀れみのような目を向けてボソボソと呟く。
「これだから優等生は……。たまにはカラオケとかパーっと行こうよ、ネ?」
ニヤニヤと微笑む笑顔には裏がありそうで、何となく怪しさを感じられた。灯里は校則違反常
習犯なため、簡単に返事は出来なかった。

4:飛廉:2013/03/29(金) 23:47 ID:R96

「だって、もう中間テスト三週間前だよ? そろそろ勉強とかしないと」
私がそういって人差し指でコツコツと机叩く。体育館使用学年が今日なため、私達のいる教室
にいるのは僅か数人。全員静かにしているため、その音が妙に大きく聞こえた。
「だーかーらー! その前の息抜きだって。それに彩葉は頭いいから二週間前からで十分だか
らさ? ね、良いじゃん」
そんな説得を聴く気もなく、私は数学の解きかけの問題集を見つめながら言う。
「今日、お祖父ちゃん出掛けてるから神社の蔵掃除頼まれてるしさ。テスト明けに誘ってくれ
ると嬉しいな」
結構良い断り方だと思う。お祖父ちゃんに頼まれてることは本当だし、最後にまた誘ってと付
け加えることで、愛想もよく聞こえる。
「んー……。ま、いっか。じゃあテスト明けの休み! 絶対だからね、予定空けといてよ?」
灯里はそう一方的に言うと、ニコリと笑って廊下に出ていった。大方、違うクラスの子に会い
に行くのだろう。
主人の居なくなった椅子を数秒見つめてから、私はもう一度問題集に視線を落とし、シャーぺ
ンを持ち直すと問題を解き始めた。

5:飛廉:2013/03/30(土) 00:09 ID:R96

    *

 午後の授業も終え、時刻は四時前後。秋になってきたのか、最近は日が暮れるのもゆっくり
と早くなってきていた。
「ただいまー」
祖父の家、兼ここら辺の地区唯一の神社、四象神社の脇を通り抜けた先にある私の家に入りそ
う呟いた。本当に呟いただけだ。返事があるわけも無いため、何となく虚しく感じる。
「今日はお母さんもお父さんも帰るの九時過ぎなんだっけ?」
スクールバッグを玄関に置いてリビングに入ると、テーブルの上には一枚の髪が置いてあるこ
とから、それを思い出した。いつも、両親共に遅れる場合はそれが置いてあるのだ。
「夕飯は冷蔵庫にあるんだ。なら何の心配もないし、蔵掃除行こー」
紙を黙読するとそう言って、制服も着替えることなく四象神社に向かった。

「……何これ」
 口を開かずにはいられない"それ"を見て呟いた。それというのは「本日お休みです」と書か
れた紙切れ。門の扉にセロハンテープに四ヶ所を止められ風に飛ばないようになっていた。
「いくら誰もいないからって……。唯一ある神社がこれじゃあね。お手伝いさんとか呼べばい
いのに」
思わず愚痴ってしまう。祖父は「赤の他人など、この神社で働かせられん」の一点張りで、妙
な意地の張り合いで喧嘩に発展することはよくあることだ。しかし、ここまでしなくてもいい
のではないかといつもの怒りも通り越して呆れてものも言えなくなるほどだった。

6:飛廉:2013/03/30(土) 14:29 ID:R96

テーブルの上の一枚の髪ではなく"紙"です

7:飛廉:2013/03/30(土) 14:44 ID:R96

「ま、帰って来てから一時間は文句言うからいいや」
そう呟くだけ呟くと、お祖父ちゃんに言われていたドア
から中に入り、頼まれていた蔵に入った。

「……わぁー」
 中に入った瞬間、思わず感嘆が溢れた。中に入ると薄暗がりの中に、キラキラと何かが光る。
 用意されていたマッチに炎を灯し、壁に掛かる蝋燭に火をつけた。蔵の入り口は東に設置さ
れており、右手側の壁が炎に照らされると黒色や緑を中心とした歴史のありそうな物が並んでい
る。中心には亀に蛇の巻き付いたもの、玄武が堂々と奉られている。

 左側にも炎を付け、照らしてみると赤を中心とした、こちらも歴史のありそうな物達が並ん
でいる。中心には鳳凰、朱雀が堂々と飾られていた。

8:飛廉 ◆FYG.:2013/03/30(土) 17:53 ID:R96

 横の二つに照らされて、正面の方までよく見えるようになった。正面は白を中心とした物達。
白い虎、白虎が堂々と真ん中にあった。
 小さい頃からこの蔵はお気に入りで、暇な時は誰にも気づかれぬように忍び込んで叱られた
ものである。けれど、何かが違った。東を司る、四神の青龍の姿がなかったのだ。前は、左寄
りのドアの右横にあったはずなのに、そこには何もなかった。
「……あれ? ここにあった、のに」
青を中心とした物は無くなり、立派な机だけが残っていた。それに手をついて撫でてみている
と__……いつの間にかに気を失っていた。

9:飛廉:2013/03/31(日) 13:16 ID:R96

     *

 目を覚ますと、辺り一面雪景色。蔵の形は跡形もなく、まるでどこか別の場所に移動したよ
うだった。美しい銀世界に気をとられ、背後から近づく人影に気づくこともなく、ただただボ
ンヤリとしていた。寒さなんて感じもせず、代わりに心が凍り付きそうだった。その時、首筋
だけヒンヤリと冷たさを感じた。
「……動くな」
低い男性の声に、自分が人質のような状態に置かれていることのみ理解できた。特に反抗しよ
うという思いもなかったし、どうせなら人のいる場所に向かいたいという思いがあったため、
あっさり捕らえられることを決め、瞼の裏を見る。
「……こっちへ来い」
後ろ手で縛られ、口を布で覆われ喋りにくくなった。後ろから刃物をつきつけられていること
が分かっているため、大人しく押される方向に歩き出す。その瞬間__

10:飛廉:2013/03/31(日) 16:31 ID:R96

「おい、お前ら。それは牛宿の稲見様の前と分かってのことか」
背後から私を拘束する人物よりは高い声に思わず振り返った。ナイフが軽くかすり、制服が破
けただけで済んだのは不幸中の幸いと言ったところだろう。
「……っ!?」
 その声によく見えなくても拘束してくる人物がビクリとしたことが分かった。それと共にカ
ランという金属が落ちた音がする。足元を見ると落ちたナイフと、地面の氷が目に飛び込んで
きた。
「す、すみませんでした牛宿様っ!!」
背後の者はそう震えた声で言い、額を氷に押しつける。つまりは土下座をしていた。クツクツ
と堪えたような笑い声を溢しながら牛宿と呼ばれる少年はこちらに近づいてきて、土下座する
男の前に立って見下ろす形になった。
「分かればいいんだよ。次見つけたらもうないと思え」
「は、はい!!」
「なら、さっさと去れ」
冷淡な態度を取り続ける少年に、私もすっかり怯えていた。男はナイフを拾うこともなく、振
り返ることすらせずに走り去っていった。

11:飛廉:2013/03/31(日) 21:31 ID:R96

「で、その服。俺の領地のじゃねぇな。ってか国のもんか? 違うんならどこの國だよ?」
 牛宿は私に近づくや否や顎をクイッと持ち上げ目が合うようにされた。先程から少年と言っ
ていたが年は十代半ばほど。一つや二つは年上だろう。意味不明なことを呟いている以外にお
かしい点もなく、民族衣裳を着た俺様系の中二病感染者というところが予想させられた。
「言ってる意味が分かりませんが、東京の××××から来ました」
真面目に返答をすると牛宿は眉を潜め、目を細くして私を睨み付けた。
「トウキョウの××××なんて地域聞いたことねぇぞ? お前……怪しい、な」
牛宿は私から手を離すと、顎に手を当てて何かを考えた後にニヤリと微笑んだ。
「お前、麒麟に連れていけば丁度良い"道具"になるな」
そう言うと、私の手を縛っていた縄を解くわけでもなく、そのまま牛宿に押され連れていかれ
た。

12:飛廉:2013/04/02(火) 20:06 ID:R96

     *

 ここに来て分かったことは一つもない。今察知しているのは牛宿の稲見が偉いが最低な人物
ということ。そして、私は今「麒麟」という場所に連れて行かれているということ。
まだナイフをつきつけた人の方が良かった。何となくこんな檻に入れられ舟で移動するよりは
マシかも知れない。
「……辛い」
腰を屈ませ、後ろ手が縛られている状態は決して楽とは言えなかった。体を動かそうとしても、
手が使えないと動けやしない。なら縄を外そうとしようとするものなら、縄がギリギリと食い
込み、手首に痣を作った。
「……ムカつく、あの牛宿野郎」
どうせならカラオケでも何でも行けば良かったという後悔に、何度も溜め息を溢した。確かこ
れで……三十八回目くらいだろうか。三十九と数えながらもうひとつ溜め息を溢そうとした時、
人の気配に顔を上げた。
「おい、お前名前は?」
「へ?」
そこに立っていたのは今すぐ死んでほしい牛宿、稲見。一瞬戸惑い躊躇ったが、覚悟を決め口
を開いた。

13:飛廉:2013/04/02(火) 20:28 ID:R96

「……浮舟、彩葉」
「ウキフネ、イロハ? 変な名前だなぁ」
お前に言われたかねぇよ、と心でブツブツと呟いていたが、そんなこと知らない牛宿は自分の
紹介をする。
「俺は稲見霧雨。牛宿の宿命(サダメ)を持つ稲見の領主だ」
あ、牛宿が名前ではないようだ。「キリサメ」と名乗り、手元にあった書類に何か書き込んだ
かと思うと、立ち去ろうとした。それに思わず反応し、声を出していた。
「え、ちょっと待って!!」
「……ぁあ?」
先程の自己紹介とは打って変わって不機嫌そうな声。世に言うナルシストとあう類なのかと、
思わずひいたが再び踵を返そうとする霧雨を見て要件を言う。
「ちょっ! ぎ、牛宿の宿命って何なの?」
「…………」
相変わらず不機嫌そうな顔だったが、仕方ないという風にまたこちらに戻ってくる。
「……北方七星士牛宿、その宿命は背負う者だ」
「北方七星士って、確か玄武の?」
「ああ。玄武を含める四神は元々は二十八星を四方に分けたものを指す。
その中の北の一つ、牛宿というここら辺りの神と命を共にする俺は神の能力一つを使い牛宿の
領地を治めてる」
「……つまりは二十八の星が守る土地を二十八の人がその星に力を借りて領地を守っているの
ね。そして、貴方もその一人でここらの領地なのね」
「まあ、そうだな」
どうやら、そんな神秘的な世界らしい。そこで私が疑問に思ったことが一つあった。
「能力って、何?」

14:なな:2013/04/03(水) 00:56 ID:Qpg

君ヲ想フ月的な?
アンチではないです!
頑張って下さい(⌒▽⌒)

15:飛廉:2013/04/03(水) 01:13 ID:R96

>なな様
初コメありがとうございます<(_ _)>

夜桜に連想させた題名です
"想フ"とか授業でやったの使おうとか、じゃあ五七リズムかなぁとかの
適当にその場で決めてしまった残念な題名です
カタカナなのは「かな文字」っぽく古風に〜、みたいな変なイメージ←
一応題名ググって被りないこと確認したのですが……
やはり、頭にパッと浮かぶ題名は危険ですね

応援メッセージ、嬉しいです
見た瞬間感動して泣くかと思いました
のんびり書いていきますが、読んでいただけたら幸いです

16:飛廉 ◆FYG.:2013/04/03(水) 10:32 ID:R96

稲見はまたしても私を呆れた目で見、わざとらしい大きな溜め息を吐いた。
「お前、ホンッ……トに物を知らねぇ奴だなあ」
仕方ないと顔に書いているのが何となく分かった気がして、少々申し訳なく思う。その間に稲
見は近くにいた兵に何か命じたかと思うと、兵も稲見も立ち去ってしまった。
「ぇ……」
思わず呼び止めようかと思ったが、それより早く行ってしまい、見張り一人を残してその他は
誰もいなくなってしまった。
「……アイツ、酷いな……」
せめて一言でも残していけばいいものを。小馬鹿にしたような笑みと言葉を残し立ち去るのは、
男性として、人間として最低だと思う。私ならもっと上手くやって立ち去ることが出来たぞと
悪態を心の中で吐く。
 そこから数分間は無音が続いた。シーンと静まりかえった部屋に、舟が揺れる音や時計が時
を刻む音のみが鳴り止まず、ただただ延々とその曲を流していた。

17:飛廉:2013/04/04(木) 14:42 ID:R96

「……失礼します」
そんな曲を破ったのは、そんな一人の声だった。
ガチャリとやけに大きな音をたて、ドアが開いた。霧雨よりいくつか年上そうな、ガッシリと
した男性が入ってきた。
「あなたが、ウキフネ イロハ様ですね」
何故かそんな見かけに似合わず丁寧な口調。ゆっくりと縦に首を振ると、男性が小さく微笑ん
だ気がした。
「では、ウキフネ様。先程、我が主『稲見様』に能力についてお訊きになられはしたね?」
「は、はあ」
「では、麒麟にこの舟が着くまでゆっくりとお話しましょう」
彼はそう言うと、私の檻の鍵を開け、私を縛っていた縄を解いてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「いえ。先程は女性に対し、手荒な扱い申し訳ございません。何しろ最近、色々な事件が起き、
皆ピリピリとしているようで」
「いえいえ。別に、大丈夫なので」
男性にエスコートされ、同じ部屋にあったソファーに座らされる。男性は手際よくお茶を入れ、
私の前に差し出してくれた。私はそれに一口口を付け、男性と向き合う。
「ではまず……あ、自己紹介がまだでしたね。私は五月雨、稲見様の重臣といったところでしょ
うか。以後、お見知りおきを」

18:飛廉:2013/04/05(金) 21:46 ID:R96

彼はにこやかに微笑み、きっかり角度を決めたようなお辞儀をこちらに見せた。
私も軽く会釈し、また一口お茶に口をつけた。五月雨も席に座るとお茶の入ったカップを手に
取り、こちらを見る。
「稲見様のご領地『牛宿』の有名な茶葉『雲里』を使ったものです。気に入っていただけると
良いのですが」
相変わらず気の回る人だと思わず感心してしまう。稲見の対応とは天と地の差だ。
「では、本題に入らせていただきますね。……能力についてです」
一瞬にして真面目な堅い表情になると、お茶に一回だけ口を付け直ぐにテーブルに置いた。
「能力についてですが、四神一つ一つが司る力を知っていますか?」
「ぇ……確か、青龍が木、朱雀が火、白虎が土、玄武が水、でしたっけ?」
雑学ともいえる無駄な知識なため、本当にうろ覚えだ。必死に記憶を巡らせ五月雨にそう言っ
た。

19:麗愛:2013/04/05(金) 21:54 ID:RNw

飛廉の小説最高!!
四神とか使命とか。なんかすごい!!
これからも見続けます♪

20:飛廉:2013/04/05(金) 22:02 ID:R96

>麗愛様
読んでいただきありがとうございます<(_ _)>
最高だなんて、言っていただけて本当に嬉しいです
四神、一応最低限の知識はありますがまだ理解出来ていないところもありますので
何かあったら教えていただけると嬉しいです
まだまだ文の能力は未発達ですが、これからも読み続けていただけると嬉しいです

21:飛廉 ◆FYG.:2013/04/06(土) 15:48 ID:R96

「よくお知りのようですが、惜しいです。白虎は土ではなく金。土はこれから向かう領地の神
『麒麟』の五行です」
五月雨はそう言って、また一つお茶に口を付ける。私はその動作を見ながら間違えに対する恥
ずかしさや悔しさを覚え、誤魔化すためにお茶を飲む。その間に、五月雨がまた話し出す。
「まあ、麒麟についてはいいです。まあ、ここ玄武についてで話しましょうか」
一瞬顔を歪ませ、何となくだがこの人が麒麟を好いていないことを察知した。カップを置き、
改めて五月雨の話に聞きいる。
「玄武の五行は、先程あなたが述べたように『水』。我の主のような玄武七星は水に関する能
力を使います。基本的四神一体に付き、まあ五行一つにつき能力は四つ。玄武は水、氷、湯、
水蒸気です。基本七星は双子で生まれますが七星というだけあって七人。勿論のこと一人だけ
余ります。それが我が主の稲見様。彼は水蒸気やそれに関連する天気等も操れます」
「……」
何となくだが理解できた気がする。四神と麒麟で五行の能力を七星に宿らせている。七星は基
本双子なので能力は四つ。それを双子と、一人っ子で分け領地を守護すると。
「分かりました。ですが、土を司る麒麟は? 四神ではないため七星はいないかと……」
「良い思考力をしていらっしゃいますね」
私の質問をはぐらかそうとしているのだろうか。クスクスと微笑むとお茶を飲む。私は片時も
目を離さず、背筋を伸ばして彼を見た。
「……まあ、お教えしましょうか。彼は一人です。土を操れる麒麟は我ら、四神の領土さえも
滅させることが出来ます。そこから、自分こそが頂点だと言い張り我が主を含む二十八星宿を
従えてきました」
「……ぁ」
ようやく分かった。この人が麒麟を毛嫌いする理由を。
自らの主を含める、七星の位を持つもの「二十八星宿」らを力で押さえつけ従える奴を憎んで
いたんだ。弱いもの苛めと言ったところだろう。持ちつ持たれつの関係が歪んでいるんだ。

22:飛廉 ◆FYG.:2013/04/09(火) 15:10 ID:R96

「……でも、もうそれも終わりです」
急にトーンを落とし、暗い声でそう呟くと五月雨をまた顔に貼りついたような笑顔をこちらに
向け言った。
「ウキフネ様、あなたの質問へ対する回答は以上です。それでは、これで」
お茶のまだ残るカップはテーブルに置いたまま、五月雨はこちらに一度頭を下げるとドアに向
かって歩き出した。反射的にそれの後を追うと彼は満面の笑みで振り向きこう言った。
「もうじき目的地に到着致します。あと少しですし、お茶でも飲んでお待ちください。決して、
部屋の外には出ないように。脱走と間違えた兵に……殺されますよ?」
脅しに近い一言を残し、彼は部屋を出ていった。軽く殺害警告を出されているため身は自由に
なっても部屋を出る勇気はなく、なすすべなくまた一口お茶に口を付けた。

 相変わらず、舟が揺れ、時計は正確に時を刻んでいく音が聞こえる。お茶をすする音が時々
混じりゆっくりと時間の経過を表していた。

23:ミクサ ◆jLeY:2013/04/09(火) 15:35 ID:R96

名前、それと共にトリップを変えます
申し訳ございません。次からこの名前とトリップです

24:ミクサ ◆jLeY:2013/04/11(木) 20:46 ID:R96

第2話 麒麟様ト罪

「我の願聞き入れ、その力示したまえ。汝の生、受け入れ我の生命差しださらん。
代償、守護の宿命と無私無偏の職務に従うこと、」

    *

「ウキフネ様、ご到着いたしましたよ。ここから先、申し訳ないのですが目隠しをさせていた
だきます。手荒なマネはしたくありませんので、大人しくしてください」
 部屋にノックの後入って来たのは五月雨だった。いや、声でそのような解釈が出来ただけだ。
振り向く前に背後から兵に捕らえられ目隠しをさせられ、何かをつきつけられながら歩かせら
れる。充分手荒なマネではないかと思いながら暗闇の中音と押される感覚を頼りに歩く。
「……五月雨か。何だ? 歩かせてるのか?」
急に聴こえた声に思わず反応する。声からして稲見のようだった。
「申し訳ございません。お時間間に合いませんか?」
五月雨が丁寧にそう訊くと、フンと鼻を鳴らして稲見が口を開く。何となく想像しやすい光景
だっただろう。今の想像はきっと本物と合っているだろう。


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