復讐 【笑顔に隠された心】

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1:胡桃:2013/03/31(日) 13:14 ID:Boc

物語の始まりは、夏の始まりと共に訪れた。


それは、なんでもない夏休み。




焦げ付くような太陽の匂いと、グラウンドに揺れる陽炎。




多分私は、一生あの夏の日を忘れないだろう。




*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*


季節ハズレでごめんなちぃm(_ _)m

急に怖い感じのが書きたくなったのですw



…いつまで続くか分かりませんが(笑)

2:胡桃:2013/03/31(日) 13:41 ID:Boc

「ねーねーっ。聞いてよ、麻美!」


そう言って望美は私をどついてくる。

2人ほど女子が来たかと思うと、あっという間に輪ができた。

暑いし、気怠い。

そんなのにも構わずに弾丸のようなおしゃべり攻撃をくらわしてくる。


「それでさぁ、田中ってば…」


本当に喋るのが速い。相槌を打つので精一杯の私。

彼女は、橘 律花。家はちょっと裕福で、やりたい放題。

校則を破って髪だって染めてるし、ピアスだって空けてる。

だけど学校の方は頭が上がらない。


「ねぇ由実。アレまじでありえないと思わない?」


ちらりと律花は後方をみて、哀川由実に同意を求めた。

由実は律花の幼馴染だと聞いている。引っ込み思案だけど、

律花だけは「りっちゃん」と呼べるほどの仲だ。




「あはは。そうだね」


愛想笑いにも似たその表情は、

律花の逆鱗に触れないようにありふれた返事をしているようだった。

それもそうだ。律花に逆らえないこと、逆らえばどうなるか。

この学校、いや、この地域の常識と言っても過言でない。

律花に干渉する者も、反論するものも、誰一人としていなかった。

3:胡桃:2013/03/31(日) 13:52 ID:Boc

「あっ、ねぇねぇみんな、知ってる?」


さっきまでの話題に飽きたのか、律花はどこかから入手した噂話を持ち出す。

私は適当に相槌を打ちながら聞いていた。最も、今頭の中にあるのはそんな噂話じゃない。

多分、もうみんな忘れかけている親友の存在だった。

今でこそクラスで一番大きな中心グループに所属し、律花のお気に入りで、

由実と律花と私の三人でつるんでいるけど、

でも少し前までは、もう1人その輪の中にいた。

私の親友、朱美だ。幼稚園で知り合ってから、二人はいつも一緒だった。

中学に入ってもそれは変わらず、律花と知り合って大きな輪の中にいるようになっても、

私たちは一緒だった。


でもーー。

数ヶ月前、朱美の人生は15歳で幕を閉じた。

突然の死だ。先生も、保護者も、生徒も戸惑った。

結局、朱美の死は何らかの衝動による自殺で片付けられた。

日常に戻るのは直ぐだった。朱美の存在は日に日に薄れて行く。

誰も、原因なんて考えようとしなかった。

だけど、二人だけ真実を知る者がいた。

4:胡桃:2013/03/31(日) 22:14 ID:Boc

1人は私。親友だし、いつも一緒だったし、勿論知ってる。

もう1人は、由実だ。4人で連んでる事も多かった。

そんな私達だけが知ってる死の真相。

ーー犯人は律花だ。


世にいういじめだった。

初めはすごく小さなことで、律花がちょっと朱美をからかってて。

グループの中じゃ全く見られなかった光景だけど、4人でいるとエスカレートしてく。

朱美の発言に対して嫌味言ったり、朱美の悪口言ったり。

エスカレートしていくいじめ。暴力だってあった。

だけど先生に言えばどうなるか、そんなことはわかり切ってた。

それをいいことに律花は、精神的にも肉体的にも朱美を苦しめた。

律花のお気に入りでいられるように、と由実も少しづつ加わっていた。

終いには売春を強要された。

だけど、私は一度も朱美の涙を見なかった。

哀しい笑顔を向けられたことはあっても、泣いたり愚痴ったり、

そういう事は一切無かった。

今でも思う。相談してくれたら良かったのにって。

何でもないように笑って過ごしてる私。

でも、律花と居るのが少し辛かった。

5:胡桃:2013/04/01(月) 01:27 ID:Boc

「ねぇ、聞いてんの!?麻美っ!」


ハッと我に返る。

律花がこっちを見て返事を促していた。

同時に周りの視線も私に向かった。


「え、えっと。なんだっけ?」


あはは、と笑って私は由実を見た。

ちょっと困ったみたいに律花を見る由実。


「えっとっ……りっちゃんが、転入生どんな子だと思う?って。
ね?りっちゃん」

「そーそ。転入生来るらしいよ。隣のクラスの子が言ってた。
てか、ちゃんと人の話聞いてよね?」

全くもう、と律花が笑うと周りもつられて笑う。


「なーにボーッとしてんの、麻美。」

「そーそー。暑いからってさ」


みんなが空気を読んでいろいろと言ってきた。
あはは、と困ったように笑って見せる私。


「ごめんねー、律花ちゃん」


律花に向かって謝った。向こうもそんなに気にしてないみたい。

よかった。


「それで?麻美はどう思う?転入生っ」


「んーどうだろう…カッコいい男の子とかがいいなーっ」


心にもない冗談を言った。いいねぇ、と律花は笑う。


「でもさぁー、女子らしいよー。あたしもイケメンが良かったー!
あっ!イケメンっていったら俳優のさぁ……」


そう言って別の芸能人の話なんかしてると、

チャイムが鳴った。ホームルームの時間だ。

一斉に輪が散って皆がそれぞれの席につく。

しばらくすると、律花の言うとおり、先生が転入生を紹介した。

特に誰も、興味なかった。

でも、全てが狂ったのはこの子が原因だった。

私も、律花も、由実も、まだ誰も知らない。


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