紅涙の欠片

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1: ◆FYG.:2013/04/04(木) 17:20 ID:R96

文章力世界一駄目という肩書きを持つ飛廉です
「桜散ル夜ニ、君想フ。」と両立、もしくは彼方優先気味で書きます

「自由に描きたい」今回はそれが目標なので書き方に関してはあまり口を出さないでほしいです
誤字脱字等は指摘していただけると嬉しいです。スンマセン、駄作者が何を抜かすって感じで…

軽い粗筋ですと、アルビノの少女の不思議な学園生活。
アルビノ、つまりはメラニン色素が無い、またはそれに近い状態のこと。
人間だと肌が異常に白く癌を発症しやすいことや、白髪(銀髪)や金髪になる場合、
その他にも瞳が赤や青をする等という症状がみられます

とにかく、そんな話になります
荒し、中傷は禁止。宣伝、雑談もお控えください。では、宜しくお願いいたします

2:飛廉 ◆jLeY:2013/04/04(木) 20:15 ID:R96

な、なんと……名前入れ忘れていました
あと、勝手ですがトリップ変えさせていただきます
ほ、本当に申し訳ない限りです……<(_ _)>

3:飛廉 ◆jLeY:2013/04/04(木) 20:44 ID:R96

「プロローグ」

 朝日が眩しく街を照らしだす。今日もまた、朝になった。
人々が動き出すが、その中の誰一人として今日も気がつかないだろう。
日捲りカレンダーが、ここ数日間ずっと捲られていないことなどに。

 午前六時頃、少女がゆっくりと瞼を上げ、赤の瞳を表した。
不気味なほどに白い皮膚は、血液が透けてうっすらとピンクに染まっている。
銀の長い髪、赤をした瞳、そしてピンクの肌。日本人離れした少女はゆっくりとベッドから下りる。
重く閉ざされたカーテンは開けず、部屋を出た。部屋では時計が、カチコチと音を奏でている。

そしてまた、いつもと同じ一日をゆっくりと刻み出す。

4:飛廉 ◆jLeY:2013/04/04(木) 23:14 ID:R96

「Story one」

「紅蓮、お前は弱くなんかない。だから誇りを持って生きてくれ」
 幼い私に遺した言葉。癌に侵された弱った体で、私を抱きしめそう言った。
幼い頃は、よく分からなかったけど意味を分かった今なら父へ言うことが出来る。
「それは無理です」
 もう他界してしまった父だけれど、そう伝えてみたらどんな反応をするのだろうか。
苦笑いをした顔をこちらに向けて、また抱き締めてくれるのだろうか。
私の側にいて、にっこり微笑んで何か、また、励ましの言葉を言ってくれるのだろうか。

 想像するたび胸が悲痛な叫び声をあげ、今ここに父の姿がないことを辛く思う。
「もしも」なんて、存在しない架空に胸を痛めることは、辛くて忘れたい。

 そんな過去に浸っていると、母さんに呼ばれ、いきなり現実世界に戻された。

5:ヒレン ◆jLeY:2013/04/05(金) 17:28 ID:R96

「ほら、遅刻するわよ」
そんな言葉を聞いて、家を出る。行きたいとは思えない場所、学校。
わざわざ自分の足で行くなんて、毎朝が憂鬱で足は鉛のように重たかった。

 別に授業も、クラスも、先生も、何の問題もない、普通な人達。ずっと前から知っている。
私が普通じゃないんだって。周りはそんな私を不思議に思って見てくるだけ。
まるで、私が動物園かなにかの見せ物のように。同情なんて、いらない。

「人は必ず悲しみを持っている。ただ、それが違うだけなんだ」
誰かは、全然思い出すことは出来ないけれど、そう私の目を見て言ってくれる人がいた。
その人は、私に哀れみも特別扱いもせずそう言ってくれた。
「そして、それを比べてはいけないんだ。それこそが、差別だからね」
私は、その言葉を信じている。私は他人から見れば「可哀想」な人間なのかもしれない。
けれど、そう言った方にも悲しいことはあるから、私は特別扱いをしたくもされたくもない。

 ただ、そのせいで友人関係は乏しかった。
特別扱いされるから調子にのっている。別にされたくてされてるワケでないことを知らない癖に。
 

6:ヒレン ◆jLeY:2013/04/05(金) 20:31 ID:R96

 毎朝のように考え、そして心が落ち着いた頃に学校に到着する。そう、今日も同じだった。
何となく「デジャビュ」とやらを感じられたが、特に気に止めず教室前に佇む。
嫌な雰囲気だ。毎朝思うけれど、教室のドアに窓がなくて本当に良かった。
少し中の様子を聴き入るが、いつもと同じ、特に陰口も何も言われていない。

 ガラリと自分の予想よりも大きな音をたて、ドアが開く。いや、正確にはドアを開いたのだが。
皆の視線を浴びながら、窓際の一番前の席に着いた。
赤目という異様な見た目だけではなく、視力の方にもアルビノは支障をきたしていた。
眼鏡等だけではカバー出来ないため毎回ここの席の主だ。別にもう気にしていない。これで良い。
「……ハヨ、白銀」
そんなとき、右隣から声が掛かる。隣も席替えがないため一学期から同じ、立花紘紀。
「おはよう、立花」
不思議な雰囲気をかもし出す彼は、皆に避けられ本人も本としか向き合うことしか知らない。
このように言葉を交わすのは私だけだろう。

7:飛廉 ◆jLeY:2013/04/06(土) 14:46 ID:R96

 チャイムが鳴って先生が教室に入って来る。皆が慌てて教室に入り席に着いた。
担任の小松秀生先生、四十代の軽く剥げてきたおっさん先生。
全員の席を見ると名簿に欠席を記入する。いつもと同じ、変わらない幸せな風景。
「あー、今日は一時間目に委員決め、それから職場体験の場所決めをするから、考えとけ」
先生はそう言うと、私を含めた四組生徒に読書を言い渡し、自分は生徒のことを嫌うかのようにすぐ教室を後にした。

 私は鞄から本を取り出しながら後期委員会について考えてだす。
別に、立候補で入るため、別に入らなくてもいいのだ。わざわざ、この容姿を晒すことはない。
だが。どこか踏み出したい気持ちがあった。誰かに認めて貰えるかも知れないと、期待があった。
「空きがあったら、絶対に入ろう」
そう心に決め、私は本を開く。独特の匂いが私を包み込む。そんな気がした。
立花が本にのめり込むのも分かる気がする。
私に色んな世界を見せてくれ、誰もが私を受け入れてくれる気がするから。

8:飛廉 ◆jLeY:2013/04/06(土) 18:59 ID:R96

「……ぃ、聴いてんの?」
 読書に没頭し、時間の経過も忘れた頃、誰かの声にハッと我に返る。
私は声のする方を見ると立花がいた。いつも通り黒髪に、前髪で左目を隠した普通の顔。
やはり、声を掛けてくれるのは立花だけかという寂しさを少し感じながら本を閉じ、立花を見た。
「……何?」
「授業まであと……五、四、三、二、一…零」
急に始まったカウントダウン。立花が零を唱えた瞬間、同時にチャイムが鳴る。
ロボットのように時間通りに入ってくる小松先生。角の揃えられたプリントを手にしている。
「……ありがと、立花」
「別に」
素っ気ない返事だなあと思いながら、立花から目を離し担任を見る。
カツカツと音を立てながら、黒板に文字を書き並べていく。整った字、曲がることのない行。
つまらない、まるで本当にロボットだ。カチリと音を立て、時計の長い針が進む。
「この以上が委員会だ。ここからは前期学級委員の二人に任せる」
「はい」
先生はそれだけ言うと教室の後ろに行き、興味もなさそうに自分の本を読み出した。
前に出てきた二人もロボットに見えてくる。先程の息のあった声。
何となく、皆がロボットに感じた。決められたことにしか反応せずいつも無表情。
違うような気がするのは、私と立花。元から気狂いな私達以外は、操り人形のようだ。

9:飛廉 ◆jLeY:2013/04/07(日) 13:25 ID:R96

「それでは委員会を決めたいと思います。前期委員決めと同じように立候補で決めます」
「被った場合は話し合い、または演説によって決めます。ではまず、学級委員から」
前期学級委員の男子と女子が交互に話す。立候補者はいた。前期と同じ、この二人だ。
「では後期も私達が引き継ぐという形で、宜しくお願いします」
「次に生活委員を決めたいと思います」
どんどんと委員会は決まっていく。
余りはないのかと思わず溜め息を溢すと立花に見られた。
「どうかした?」
「いや。別に……委員会、空きないかなって」
一瞬、躊躇ったが一応答えておく。立花はそれを聴くと髪で見えない左目は分からないが目を見開いた。
それから、数秒黙って黒板を見つめ呟いた。
「……図書委員。図書委員なら空くよ」
「……ぇ?」
その発言に確信はあるのか、何故そう思うのかを尋ねようと口を開いた。
が、その言葉は学級委員の進行に掻き消されてしまう。
「では次に図書委員。女子立候補者は手を挙げてください」
その一言にシンとする。立花が私のことをチラリと見、口パクで話しかけてくる。
「手、を、挙、げ、ろ」

10:飛廉 ◆FYG.:2013/04/09(火) 15:33 ID:R96

昔から人から不気味がられ遠ざけられたため、少しでも気に入られるようにと取得した反射神経が役に立った。
言われるがままに挙げた手に対し、皆が賛同の意を込め、私に拍手を向ける。
それだけに、喜びを感じた。認められた気がした。
優しいなと思い、ふと立花の顔を見るといつもの無表情だった。

     *

 その後決まったのだが、男子の図書委員男子は立花とのことだった。
自分が決まれば早いものでボンヤリと外の風景を楽しんでおり、少しも気づかなかった。
別に無視してくるというワケでもないので、近くの女子にその様子を聞くと思わずらしくて笑ってしまった。
「立花君、急に手を挙げて決まったんだ。近くの男子が白銀目当てかって訊いたら
『ここで時間を無駄にするなら自分がなった方がマシ』だって。男子唖然としちゃって、
立花君一人本を読んでたよ」

 今回は職場体験の場所を決める時間がなく、明日の一時間目に時間が設けられることになった。
先生が決めておけと言い授業は終わり、図書委員のみ放課後図書室集合と言い渡された。
予定もないので「はい」と返事し、通常授業に戻る。
暇だと思っても時間は過ぎ気がつく頃には放課後を迎えていた。

11:ミクサ ◆jLeY:2013/04/09(火) 15:34 ID:R96

すみません、上私です
名前を変えさせていただきます。本当に勝手で申し訳ありません

12:ミクサ ◆jLeY:2013/04/12(金) 19:42 ID:R96

「……白銀。委員会、別に理由はないけど一緒に行かね?」
「……別に、いいけど?」
鞄に荷物を詰め、それを肩に掛けると立花に声を掛けられた。
何でか「別に理由はないけど」を強調され、何となく苛立ちを感じたが特に気にせず返事した。
廊下を並んで歩くと視線が痛い。まあ、仕方ないだろう、気狂いコンビが一緒に歩いているのだから。
「……見られてる、ね」
「……ああ」
先程から本当に「……」の多い会話ばかりだ。つまらないくらいに会話が弾まない。
別に喋らないということには慣れているのだが、痛い視線も加わると辛いともいえる。
別に感情が無いわけではないのだ。同じ人なんだから分かってもらいたい。
「ところで、どうして女子図書委員が空くって分かったの?」
私が漸(ヨウヤ)く図書室のある北校舎に入り、人の視線もなくなった頃、立花に質問する。
すると立花はチラリと此方を見たかと思うとスポーツバッグからメモ用紙とペンを取り出す。
そして、何かを書き込んだかと思うと、それを押し付けられた。

『奇想天外部
活動日:毎週月、火、木、金、土。※土はたまに休み
現在部員:一人(部長:立花紘紀) 顧問:門脇燈太(理科一年担当)
活動内容:兎に角知りたいことを知り尽くす部。現在廃部寸前なため、部員募集活動中。
活動場所:屋上らへん(たまに顧問担当の第一理科室や2-B、つまりは俺らの教室)

この部に入部すれば教えてやらないこともない。奇想天外部のことは他言するな』

その紙を読み終えるて思った感想はまず一つ。
よくこの部活成り立ってるな。ここでは五人以上の部員が集まり、顧問がいれば作ることが出来る。
最後の一人が卒業、または退部するまでは部活は成り立つのだが、部員一人と休みがちな門脇先生とくれば驚きだ。

しかも、教えてやらないこのもないというのは上から目線だし、他言するなというのは怪しすぎる。
眉を寄せ、立花の顔を見ると少し、ほんの少し微笑んでいた気がした。
不覚にもその笑顔に翻弄されてしまった。そうして迎えた委員会後。
気がつけば入部届の用紙を貰い、次の日には担任の先生へ提出をしていた。
丁度その時、目の合った立花は軽く微笑んでいて、思わずドキッとしたのはまた別のお話。

13:ミクサ ◆jLeY:2013/04/13(土) 17:15 ID:R96

(※訂正:読み終わるて⇒読み終わって)

     *

「マジで入ったんだな」
 月曜の放課後。屋上に行くとその言葉で迎えられた。
「そうだけど?」
「ってことは、やっと動いたのはお前が原因か」
立花は給水塔からどこか遠くの空を見るように呟く。残念ながらその意味は分からない。
私が給水塔の梯子(ハシゴ)に手を掛け、ゆっくりと上がると真上を見上げる立花を見下ろす。
そうしてピッタリ目が合った。立花はクスリと笑うと起き上がる。最近、笑うようになったなと思う。
「じゃ、質問の回答な。俺らはずっと『同じ日を繰り返していた』んだ。革命が起こるのを待って」
「え?」
「お前が革命の起源だったんだな。やっと動き出した。まあ、このあとのことは自分で見つけろ。
ま、図書委員になったからか、この部に入ったからか。革命が何かは分からないな。
まあ、部員になったし、少しは道標はしてやるさ。俺にも大役が回ってきたもんだ」
「い、意味分かんない」
「ここは時空の外れ。毎日同じ日を繰り返していたんだ。お前はいつも一歩踏み出せずにいた。
だが、それを昨日踏み出したんだ。それが何かは知らないが、これは革命だ。
革命が起こった今、時は動き出す。言えることはここまでだ。また踏み出せなくれば、部長として力になってやる。ただそれだけのことだ」
立花のその言葉に一言言うなら……
「立花って説明下手でファンシーだね」

14:ミクサ ◆jLeY:2013/04/15(月) 18:16 ID:R96

「Story two」

「毎日同じ日を繰り返していたんだ」
 立花におかしな話をされてから、本の数日が経った。
軽い気持ちで入った奇想天外部は、本当に奇想天外な内容ばかりを行う。
そう。今日も同じように奇妙な、部として活動していいか疑問に思うことを行う。

「遅くねぇか、白銀」
「……せめて、どこで活動するかはっきりして」
 私達は夕日に染まり、オレンジ色に輝く教室にいた。立花は席に座りながら頬杖を付き、そちらを見ている。
こちらの気も知らずに、面倒そうに黒板の方へと目を運んだ。私もそれに合わせ、それを見る。

「奇想天外部 天候不安定なため、屋上ではやらない。
顧問もいないため、教室で行う。いつも通りで三時半には集合」

綺麗な達筆の字。雑に書いているようには見えないが本人にのとっては凄く適当らしい。
いつの時かに聞いた気がする。だが、そんなことは今重要でもなんでもない。
「これ、絶対少し前に書いた。私が来たときはなかったから」
「さあ。気のせいじゃない? そんなことより早く始めよう」


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