シンナー吸ったあんたと。

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:ゆず:2013/04/08(月) 11:17 ID:h1o

ほんっとにへたくそでもあたたかい目で見ていただけたら嬉しいです♪


登場人物

• すず
• ゆめ
• はる
などです。よろしくお願いします。

2:ゆず:2013/04/08(月) 11:23 ID:h1o

ちぇっ、なんなのさ。
ほんっとになんなのさ。
小学校のころから言ってたのに。
「三人で一緒にユニット組もうね!」
って。
「なんか、すごく虚しい…。」
私たちは高校三年生だ。
小学三年生のころから仲良しのゆめと、小学四年生のころに私たちのグループに入ったはる。

3:ゆず:2013/04/08(月) 11:31 ID:h1o

私たちの絆は本物で、最強の仲良しグループとして学校中から注目されてたほど。
で、将来、歌手になると言ってはばからなかったゆめが、言ったのだ。
「ねぇ、私たちでユニット組もうよ?」
大賛成だった。
歌は得意だから…。
あまり歌が好きでないはるも、ギターが弾けるのだ。
ゆめなんて、合唱コンクールのソロパートを任されたほど。
「じゃあもう、めちゃくちゃがんばって、そうだなぁ。二十歳になったらオーディション受けようか!」
ゆめが言うと、私たち二人は大きく頷いた。

4:ゆず:2013/04/08(月) 11:41 ID:h1o

「作詞作曲は三人、ゆめと私はボーカル、はるはギターで曲作ったんだ…。」
私の部屋でゆめが私の日記を読み上げる。
「日付は2010年8月だから…、小学四年生の夏休みだね。」
覚えている。
四年生のとき、はるの家に集まって歌を作った。
「握りしめた拳を…。」
口ずさむ。
なんだろ、今もはっきり覚えてるんだなぁ。
「なんだっけ、その曲名。」
ゆめは日記から顔を上げた。人の部屋なのに、ベッドに態度でかく寝転がってる。

5:ゆず:2013/04/08(月) 11:48 ID:h1o

「『夢見て進め』だっけ。」
ゆめは言った。
「…そうかな。」
違う。
それじゃあ少し偉そうだって、『夢見て進もう』になったのだ。
「あ〜ぁ、夏休み早く終わらないかなぁ。」
たしかに早く終わってほしい。初めてだ、こんなこと思ったの。
「ヒマなんだよね、今回…、もう大学受験しないし。」
そうだ。
私たちは歌を練習し続けようと約束している。
「今だに信じらんないよ。」
「…そだねぇ。」
私たちは、机に置かれた一通の手紙を見つめた。

6:ゆず:2013/04/08(月) 20:26 ID:h1o

すず、ゆめへ
ごめんなさい
ほんとうに、ごめんなさい
わたしは、もう
あなたたちとすごしていけません
あなたたちと
ゆにっとをくむことができません
わたしは、
しんなーをすってしまいました
いつか、つかまってしまいます
めいわくかけられません
さようなら
ありがとう
はる

7:すももっち:2013/04/11(木) 21:36 ID:/To

えーー!




………それで続きは…!

楽しみーー☆

8:ゆず:2013/04/16(火) 22:04 ID:h1o

すももっちさん、ありがとう!!
励みになります

9:ゆず:2013/04/16(火) 22:11 ID:h1o

「とにかくさ、はるはもうだめなんだよ。」
「かわいそう…。」
「本当にね。」
すると、ゆめがふとおきあがった。
「ん?」
「どしたの。」
日記、見過ぎじゃない?まぁいいけど。
「歌詞だ。」
歌詞?
あ、『夢見て進もう』のね。書いた覚えあるよ。
大好きな曲だからねー。

10:ゆず:2013/04/19(金) 17:09 ID:h1o

2011.1.12

夢見て進もうの歌詞を書こうと思います!

握りしめた拳を開いてみてもなにも残っちゃいないさ
夢はぶつかってゆくものだろう
あれになりたいこれになりたいそれになりたいどれになりたい
いろんな夢を持っていたり一つの夢を追いかけたりする
例えそれが大きな夢だって小さな夢だって必ず叶うと信じて突き進む
握りしめた拳を開いてみても何も残っちゃいないさ
夢はぶつかって行くものだろう

11:ゆず:2013/04/19(金) 17:21 ID:h1o

たった一分ほどの短い曲だったけど、大きな意味がこもっている。
「絶対に歌手になる」
んだっけ。
「ねぇ、ゆめ?今、はるどうしてんのかな?」
ゆめはそーだねー、と適当に答えた。
「思わないの?」
「思う、け、ど。」
どこか怒っているような声。
「どうしたの?」
「…別に。」
シンナー吸ったはるに、怒ってるのかな。そういや、ゆめとはるは結構喧嘩とかしてたなぁ。

12:匿名さん:2013/04/19(金) 17:24 ID:toA

面白いね

13:ゆず:2013/04/19(金) 17:34 ID:h1o

「…今日は帰るよ。」
帰るの?
「バイバイ、すず。」
「う、うん。バイバイ。」
怒った背中が見える。どうしたんだろー。
いつも確かに気が強くてお天気屋だけど、はるのことはいつも心配してたのに…。
「はるの、電話番号…。なんだっけ。」

14:ゆず:2013/04/19(金) 17:35 ID:h1o

匿名さんありがとうございます!嬉しいです^^

15:ゆず:2013/04/19(金) 17:43 ID:h1o

受話器を握り締め、コールを聞く。
プルルルル
プルルルル
プルルルル
プルルルル
「お願い、出て…。」
お願い、お願い、お願い…。早く出て!
シンナーを吸ったら、死んでしまうかもしれない。
もしかしたら、はる、もう会えなくなるかもしれない。
こんなこと考えたくないけど…。
プルルルル
プルルルル
プルルルル
プルルルル
お願い。はると、しゃべりたい…。
プルルルル
プルルルル
プルルルル
プルルルル
「出ない…。」
私は受話器を置いた。 

16:ゆず:2013/04/19(金) 17:56 ID:h1o

汗をぬぐい、はるの家を目指す。電話がダメならもう、家に行くしかない。
「あれ…。」
はるの家から出てきた。
…はるが。
「はる?」
すっかり変わった…。頬はこけ、痩せ細っている。
「どうしたの。」
はるはヨロヨロと歩く。その手には、ビニール袋に入った大金…。
待って。
また、シンナー買うんじゃないの?
「はる、待って!」

17:ゆず:2013/04/20(土) 11:22 ID:h1o

ゆっくりとはるがこちらをふりかえる。
「ひ、久しぶり。」
そういえば4月から学校にも、きてない。
私のこと、覚えてるのかな。
「かおり…ちゃん?」
声は、変わってない。なんだか懐かしい…けど、かおりちゃんってだれ?まぁいいか。
「どこいくの?」
「あ、かおりちゃんには言ってなかったっけ。今からね、シールっていう酸素の種類を買いに行くの。」
シール?酸素?
姿とはかけ離れた口調で、はるは話し始めた。

18:ゆず:2013/04/28(日) 16:05 ID:h1o

「…まとめたらね。」
次の日私はゆめに電話した。はるが言ってたことだ。
「まず私たちとの歌手になろうっていう約束を果たせるかなやんでたわけ。悩んでたら大学生のお兄さんがシールっていう酸素吸えば楽になるって。それはシンナーなんだけど。」
『まぁなんとなく分かったよ。その後のことは。』
「でも途中で気づいたの。もしかして、シンナーなんじゃって。だからヤバイと思って私たちに手紙書いたわけ。でも何度もそれを買って吸ってるとそんなことないと思ったらしくて。で、現在に至る。」
今ではそのシンナーは七万円らしい。
『っていうか、どうして私たちの約束が果たせるか悩んでたのかねー?』
え、そこ?
「まぁ、他にやりたいことがあったんじゃない?」
ゆめの小さなため息が聞こえた。
『まぁいいよ。じゃあね、すず。』
一方的に切られた。
なんだかおかしいよ、ゆめの様子…。

19:ゆず:2013/04/29(月) 10:51 ID:h1o

かおりちゃんの正体がわかった。はるの、昔っからの幼馴染だ。めちゃくちゃじゃないけど確かに私に似てる。
『あの、となりの高校に通うはるの幼馴染、かおりといいます。』
昨日、夜中に電話がかかってきた。
『突然はるとの連絡が途絶えて。はるが言ってた仲の良いお友達に言ったら何か分かるかモッて。いつかに教えてもらった電話番号にかけさせてもらいました。』
かおりちゃんは、はるの状態を知らないらしい。
ゆめさんにも電話したけど、教えてくれなかったから、と泣き声で言った。
「私は、すずでいいですよ。…それで、はるのことですけど。」
言っていいのかな?
言っちゃだめじゃないかな?
そう思って、結局なにも教えなかった。
連絡が途絶えているのは、はるが成績悪くてお母さんに携帯取られてるってことにしといた。

20:ゆず:2013/04/29(月) 11:03 ID:h1o

8/31。
やっと来た夏休み最終日。うーんと伸びをして、あくびして、服に着替える。
「おはよー。」
一階に元気よく降りると、お母さんが受話器を持って立っていた。
「あら、いいところに。すず、ゆめちゃんよ。」
え、まだ朝七時なんだけど。
ゆめにしちゃ早起きじゃないの?
「ありがと。」
受話器を受け取り、耳に当てた。
「おはよー。」
『…おはよ。』
ん?元気ない。
「どうした、の?」
返事がない。え、なにかあったのかな?心配…。
『すず、今日ヒマ?』
「ひ、ヒマ、だけど。」
『じゃあ、小学校来てくれる?』
小学校?
『大切な話があるの。』

21:ゆず:2013/04/29(月) 11:10 ID:h1o

日焼け止めを丹念に塗り、半袖に短パンの服装で出てきた。
小学校は家から二十分のところにある。
「なんなんだろ。」
心配だー。
でも、久しぶりの道を通ると昔を思い出す。
ここでよく、私とゆめとはるとで歩調を合わせてランニングみたいなのした。
電柱から電柱まで歩調を合わせられたらハイタッチし合って、一人がズレたらその子はお尻ぺんぺんの刑で…。
とっても楽しかった。
「おーい、ゆめー!」
最近あまりない小学校解放。運動場の小さなベンチにゆめが座っていた。

22:ゆず:2013/04/29(月) 13:47 ID:h1o

「どうしたの?」
私はゆめのとなりに座って聞いた。
「…うん、ちょっと。」
「え、なんなの?」
胸がドキドキした。
明るく振る舞っているけど、実は最高に心配している。
「すず?今の将来の夢にもはなに?」
「え、歌手、だけど。」
「…なら、私と二人でユニット組んで、オーディション受けない?はるはもう、無理だよ。」
なぜだか、その言葉に頭がかっと熱くなった。
「無理なんかじゃないよ!」
「どうして?はると一緒にユニット組むの?シンナー吸ってるんだよ?私たちまで捕まっちゃうかもよ!?」
そう、だけど…。私はなにを言おうとしているのか、自分でも分からなかった。
「捕まらなくてもはるの姿、ひどいんでしょ?テレビとかに出たら、すぐにバレちゃうし、それに…。」
「ゆめ!」
それ以上言ったらだめだ。
はるの外見で私たちの人気がなくなるって言いたかったんだろう。

23:ゆず:2013/04/29(月) 15:08 ID:h1o

「ごめん…とにかく、私は歌手になりたいの。オーディション、受けよ?」
「…でも。」
はると受けたい。
三人で、夢を叶えたい…。
「オーディション、いいとこ知ってんの。」
「待ってよゆめ。はるも一緒にやろうよ。」
「そんなにはるとやりたい?」
私は頷いた。
「じゃあ、行く?はるんち。」
少し考えて、頷いた。

24:ゆず:2013/05/01(水) 20:13 ID:h1o

インターフォンを押しても、押しても、誰も出てこない。
「どぉしたのかな?」
興味なさそうにゆめが言う。
「わかんないけど…、出かけてるのかな?」
その時、肩を後ろからポンポンと叩かれた。
ビクッと反応して、振り返る。
「君たちさ、なんか用?」
「えっ、あ、あの。」
大学生くらいの男の人が三人いる。
「もしかして、あなたたちはるにシンナー売ってる人ら?」
ゆめが聞くと、にやりと笑われた。
「シールっていう、酸素だよ。」
「ってのは、嘘でしょ?今日も売るの、はるに。」
「賢いお友達だな。でも、もうはるちゃんは洗脳されちゃったからね、元に戻ることはできないよ、もう。」
私は男の人たちの目を、一人一人見て行った。

25:ゆず:2013/05/02(木) 14:20 ID:h1o

「どうして…私たちの親友をこんな目に、合わせたのですか。」
怒りに満ちた口調でいう。
「あなたたちのせいではるは警察に捕まるかもしれません。死んでしまうかもしれません。」
「悩んでたから、あげたんだよ。かわいそうじゃないか、苦しいままじゃ…。」
バカにしている。
絶対に、年下だからってバカにしている。
「どうして苦しんでると、悩んでいると、分かったんですか?」
「…え、それはこいつの…。」
「おいやめろ!」
どうやら、なにかあるらしい。
「じゃあ、俺らは今から帰るよ。あばよ。」
男の人たちは、帰って行った。


書き込む 最新10 サイトマップ