-短編集-

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1:ミクサ ◆jLeY:2013/04/17(水) 21:00 ID:R96

つまらない題名でスミマセン。
一応ですが「桜散ル夜ニ、君想フ。」「紅涙の欠片」の作者、ミクサです
最近「桜散ル夜ニ、君想フ。」が辛いので「紅涙の欠片」とチビチビ書きます
「桜散ル夜ニ、君想フ。」復帰してもアイデアが浮かんだら書きます

■ルール
・荒らし、ナリは禁止とさせていただきます
・宣伝、雑談などはお控え願います
・上の二点を二度三度や注意後に繰り返すようでしたらアク禁依頼を頼むかもしれません
・たまに長編が混じったりするかもしれません とばして良いので文句は無しでお願いします

■お知らせ(メッセージ)
読者様……いたら良いなぁとは思いますがプレッシャーには弱いんで
期待は0、いや「−(マイナス)」くらいの方が嬉しいです。
コメントやアドバイス待ってます! (すみません、改行については私のやり方が楽なんで……)
ではノンビリと始めたいと思います(・ω・´) どうぞ、宜しくお願いします!

2:ミクサ ◆jLeY:2013/04/17(水) 23:35 ID:R96

神隠シ異聞 ー・Spiriting away・ー

第一章 私ノ宿命

 まだ夏の生暖かさの残るの夜。
 気持ちのよい風が網戸越しに吹き付けてくる。
ふわりと下ろしていた髪がなびいて、まるで読書の邪魔をするようかのに舞う。
視界にちらつくそれを、仕方なく耳に掛けるとまた視線を本に戻す。
「……つまらない」
 ページを捲ろうとした手は、そのまま本を閉じた。鮮やかな赤や黄色の文字が印象的な表紙。
それには余りにも似合わないつまらない内容だったと言えるだろう。

 本を明日、図書室に返そうと鞄に適当に突っ込むと、
明かりの灯っていた勉強机のライトを消しベランダに出る。
外は街灯と、残業のためかコンクリートの建物の窓から漏れる明かりしか目には入らない。
「……ありがとう」
 思わずその景色を見てポロリと一言溢れる。今ではこれが習慣だ。
いつの日か……いや、きっとこの近い未来にこの景色が見えなくなるような気がして、
目に焼き付く景色が愛しくて、守りたくて卑劣なほどに、堪らなくなる。
怖いほどに私の肩に伸し掛かる重圧に、なんだかとても潰されそうな気分だった。

3:ミクサ ◆jLeY:2013/04/18(木) 18:11 ID:R96

「……もう、寝よ。明日は満月、か」
 膨らみ膨らんだ月が、明日満杯になる。
満月……というか月が好きな私は、それを楽しみに布団に入った。目はまだ冴えている。
カチリコチリと音をたてる時計をBGMに瞼を閉じる。
眠れそうにないなと思ったが、ものの数分後には、ゆっくりと深い眠りに落ちていった。

    ◇

 目を開くと、すぐに夢の中だと気がついた。頭がフワフワとした感覚がする。
寝ぼけた状態のような寝たりないような気分だ。裸足の足から、板の間の冷たさが伝わってくる。
 私はお堂のような建物に、独りで佇んでいた。体は鉛のように重く動かない。
フワフワと感じた頭も徐々にはっきりとしだしてくる。お堂の門へと足を引き摺りながら向かう。
 が、その先に向かうことなどしなかった。
 門の外は奥が見えないほど真っ暗で、出られるはずなのに閉じ込められている感覚がある。

「かーごめ、かーごーめー。篭の中の鳥は、いーつー、いーつー出ー会ーう。
夜明けの番人、ツールとカーメが滑った。……後ろの正面だーあれ?」
 そこに響く子供の声。目眩のするようなおかしな感覚に襲われ立ていられないほどだった。
子供の笑い声がクスクスと響きわたり、ヒンヤリとした冷たい手が肩に乗せられるのが分かる。
「お姉さん。……時間ダよ?」
振り向くと、そこには何もいなかった。子供も、そして影ひとつも。
「かーごめ、かーごーめー。"加護"の中の鳥は、いーつー、いーつー出ー会ーう。
夜明けの"晩に"ツールとカーメが滑った。……後ろの"少年"だーあれ?」
 再び流れ出す唄。所々先程とは違っていた。終わることなく頭に何度も何十回も流れる唄。
 最後に、クスリと笑い声が響くと__
「……"明日の少女"は"どーこだ"?」

    ◇

 身体中に汗をかいていた。目を覚ますと時刻は午前二時半。
 頭の中では、少年の声が未だに聞こえてくる気がした。
「……明日の少女はどーこだ?」
自らも最後の部分を唄ってみるが、意味は感じとられず、代わりに冷や汗が背中を伝った。

4:ミクサ ◆jLeY:2013/04/18(木) 20:39 ID:R96

■訂正とお詫び
>>3:一行目〜
「……もう、寝よ。明日は新月、か」
 欠けに欠け、細り消えてゆく月が、明日ついに消える。
新月……月の消えた空には星が薄明かりを灯す。
何となく不安を沸き立てるような、いつも支えていたモノがなくなるような感覚がする。
 胸が不安感からか速い鼓動を打つ。深く行きを吸い、また吐いた。
落ち着いた気がするが、何となく眠れない気がした。

ここからは四行目からと同じとなります。
すみません、分かりにくくなってしまいましたね。
読んでいる方(……いるかな?)で読み返すのが面倒な方は『満月でなく新月なんだなぁ』と
軽く思っていただけたら結構です。唄と合っていなかったので……。
すみませんでした<m(__)m>

■(ついでに)コメント
ここまで読んでくださった方(いないかもですけど)、誠にありがとうございます
更新はノンビリで内容も意味不明化。主人公の名前すら出てきませんね。
こんな作品ですが、引き続き読んでいただけると嬉しいです
強欲なのは分かっていますが、コメントとか欲しいなぁ(´▽`*)←
引き続き、気の向く時にの更新になりますが、どうぞ宜しくお願いします<(__)>

5:ミクサ ◆jLeY:2013/04/19(金) 16:45 ID:R96

 薄暗い月明かりのみの部屋。
カチリと音を立て、電気を点けた。一気に明かりが目に入り、眩しくて思わず顔を背けた。
だんだんと目のなれてきた頃合いに時刻を見直すと午前三時十分前だった。
最低でもあと三時間半以上は眠ることが出来そうだ。
「……今度こそ寝よう」
再び電気を消し、真っ暗となった部屋を見回して、ベッドに潜り込んだ。
やはり寝足りなかったので目を閉じて数分もすることなく、私は夢の世界へと向かって行った。

    ◇

 けたたましい電子音に細く目を開けた。
カーテンを閉じていない窓からは気持ちのよい朝日が差し込んでくる。時刻は六時半。
むっくりと起き上がると一度伸びをして、制服に着替える。適当に支度を済ませると本を取り出す。
基本的朝食は摂らない主義だ。朝食を食べると何故か気分が優れないのだ。
「あ、これ面白くないんだった」
片っ端から本は借りる主義なため、あまり良い本に当たらないときもある。

6:ミクサ ◆jLeY:2013/04/21(日) 10:18 ID:R96

仕方なくそれを鞄に入れ直すとニュースでも見ながら時間をもて余すことにした。
「……次のニュースです。××××県の××××市で最近行方不明者が多発しています。では現場の伊藤さん」
パッと画面が変わり一人の男性を撮した。三十代ほどで一見おどおどとした印象だが、声は野太いものだった。
「はい。こちらは昨日未明に行方不明になった大山さん宅近辺です。ちょっと話を伺いたいと思います」
そう言いながら男性アナ伊藤さんは近くの老人に声を掛けた。
老人には「今回の行方不明をどう思いますか」という質問が出される。老人は真剣な顔で返答し出す。
「あれは"神隠し"じゃ。山門様のお怒りを買ったんじゃ」
低いしゃがれた声の語る夢物語に伊藤さんは困ったように聞き返す。そりゃあ生放送なのだ。困るに違いない。
「えっと……山門様というのは神社に奉られている……?」
「そうじゃ。封印が解けたんじゃ。今年が辛卯の年じゃから」
老人がどんどんとおかしなことを話し出すもので簡単に画面が切り替わり新しい話題へと移った。

    ◇

「おはよう、京子(ミヤコ)」
 あんな意味不明なニュースのお蔭か簡単に時間を潰すことが出来た。
何となく引っ掛かる事件だが、××××県は近くないので特に気にすることもなく登校した。
「おはよ、真燐(マリン)」
 声を掛けてきた友達、真燐に挨拶を返し一緒に学校へと向かう。
テレビ番組や下らないことを喋り笑い合っていると急に話が変わった。それは真燐の妹のことからだ。
「最近妹がずっと"かごめ かごめ"を歌っててさ」
「え? あの『かーごめ かーごーめー。篭の中の鳥は』っていうやつ?」
 私は夢のことと重なり思わず聞き返した。勿論話が食い違わないように歌って。
「そそ。しかも取り憑かれたみたいにさぁ、こっちが怖くて堪んないわよ」

7:ミクサ ◆jLeY:2013/04/21(日) 12:46 ID:R96

それだけで、その話は終わった。

 いつもだったら印象も薄い話だった。ただ"あの夢"と"あの事件"を見てから何事にも違和感を感じた。
教室に着いても、授業が始まっても、自分が先生に当てられても、全然頭に入ってこなかった。
ぼんやりとしていると生徒指導の先生に「高梨、弛んでいるぞ」と怒鳴られたものの無反応に近かった。

「どうしたの、京子。らしくないよ?」
 真燐にまでそう言われる始末だった。
やはり、愛想笑いでそれも乗りきり何に関しても打ち込めなかった。
昼休みには本を返すの忘れるし、掃除なんて行くのも忘れていた。放課後も全然シャキッとしない。
ベッドの上で、ただただぼんやりと天井を見つめていた。

「……かーごめ、かーごーめー。"加護"の中の鳥はー、いーつー、いーつー出ー会ーう。
夜明けの"晩に"ツールとカーメが滑った。後ろの"少年"だーぁれ? "明日の少女はどーこだ"?」
 やはり唄ってみてもピンとこない。ただの夢だったのだろうか?
何となく淡い「キオク」があるのだ。あの少年の声、あの県と市の名前、神隠し。
ピースは揃い始めている。一本に繋がりそうで、でも掴めなくて。
「ああ! もー何なの?」

8:ミクサ ◆jLeY:2013/04/27(土) 17:52 ID:R96

 頭が割れるように痛い。知恵熱でも出たのだろうか。
最近流行りの風邪かもしれないが、あいにく薬など、この家には存在しない。
両親は離婚しており、付いていった父は行方不明。母からの連絡はなく連絡先を知っているのは父だけだ。
父からは仕送りの料金が送られてくるが住所は不明。
学校への教育費の振込もされているので、警察に頼んで調べたら簡単に見つかるかもしれない。
が、私はそんな面倒としか思えないことしたくない。断然独りが楽だ。父も分かっているのだろう。

「もう、寝ようかな」
 頭痛から食欲も沸かなかったので、さっさと着替えて寝ることにしよう。
明日は休みだ。朝風呂でもなんでも、すれば良いのだから。
早めに床につくと、何の明かりもない部屋で深い眠りへと向かっていった。

    ◇

「かーごめ、かーごーめー」
 またあの唄だ。また頭が割れるように痛んだ。胃がモヤモヤとして気持ち悪い。
子供の声は、私を囲むようにぐるぐると回って聞こえる。体が金縛りに遭ったように動かない。
__そして急に唄が止まった。
「夜明けは明日ダよ、お姉さん。あの『契約』の期限も終わりだネ。加護が解かれ、再び逢える」
少年はクククと笑うと、また唄い出す。ゆっくりと、言い聞かせるように。
「アシタノショウジョハ……ドーコダ?」

    ◇

9:ミクサ ◆jLeY:2013/04/27(土) 21:22 ID:R96

 ハッと目を覚ますと、いつの間にか夜明けだった。
一言では言い表せないような恐怖感。全身の力が抜けていく。
目覚められて良かった。それが一番の感想だ。何となく、もう瞼一つ動かせない気がした。

「シャワー……浴びよ」
こんな早朝からお風呂に入るとは思ってもいなかった。
 汗でピッタリと張り付くパジャマを脱ぎ捨て全身にお湯を浴びる。体が徐々に温められ落ち着いてきた。
髪と体を洗っていると、ふと気付く。
「何……これ?」
肩にはくっきりと子供の手形が残っていた。痣のように紫に変色している。
痛みは無いが、不気味で、とれかかっていた不安がまたのしかかる。肩に触れようとした手。
それまでも、今まで私の見てきた姿とは違った。
紫……というよりは赤みがかっており、黒が混じったように暗い色合い。そんな物で描かれており、
右手は桜のような枠で、中には鶴と月。左手は同じく桜に亀と太陽。
いくら擦っても、引っ掻いてもそれは消えなかった。

10:ミクサ ◆jLeY:2013/04/27(土) 22:21 ID:R96

 風呂を上がって暫く。頭はちっとも働かず、不安ばかりが募っていく。
手の甲に描かれた紋様。
後で気がついたのだが、左の平には何やら細かく文が書いてあるようだったが、
習った文字と合う物は一つとしてなかった。

「……あの声、聞き覚えがあるよな。……『契約』って、何だったっけ?」
 少年の言葉、一つ一つには私の中にはない「キオク」が隠っている。少しの言葉がヒントになった。
今分かっているのは、明日に異変が起きること。きっと、夜明けとは新月の終わりを指す。
今日の晩に、私は「消える」。意外と不安はない。きっと、大丈夫だ。
「……暇だなあ」
ポツリと一つ呟くと、テレビを点ける。幼児向けのアニメが、誰かに向けて放映されていた。
リモコンを操作し、ニュース番組を写した。そして、それはまたしても「神隠し」についてだった。

11:ミクサ ◆jLeY:2013/04/28(日) 21:42 ID:R96

同じお婆さんが同じことを喚いている。
山門様とか辛卯の年だとか、今回は天狗や十方暮という単語まで加わって、カメラに向かって叫んでいる。
「……高崎さん、凄いなあ」
ボンヤリと呟いた一言だが、よくよく考えてみるとおかしい。
「何で名前知ってるワケ?」
赤の他人だ。「近所の人」という括りで表示されているのに、名前がわかる。
高崎美代子。老夫婦で、商店街の外れに住んでいた。何でか体がそう覚えている。

 やはり、この町にも神隠しにも、体が異常なほどに反応する。
体の何処かが覚えており、どこからか「キオク」が沸き立つような感覚がする。懐かしい。
町の風景にそんな思いを馳せるのは、何故だろうか。
 頭には、グルグルと「かごめ かごめ」が流れている。頭が痛くなるような、何かがポンと出てくるような。
何なら逸そ解放されて、全てを思い出してしまいたいと思うような歯痒さ。

「とにかく! 今日は暇だし図書館に行こう」
 そんな簡単な気楽な考えを持てる自分に苛立ちと安心を感じる。

…………タイムリミットは__あと16時間。

12:ミクサ ◆jLeY:2013/04/29(月) 23:33 ID:R96

 近くの図書館……といっても自転車で二十分ほど掛かる場所に位置する市民図書館。
普段なら、わざわざこんな面倒な場所に誰が来るかなどと思い、図書室を使用するのだが、今回は仕方ない。
学校は休み、本はつまらない、この二つが重なる時のみ、残念ながらここに足を運ぶのだ。

 図書館内に入ると、軽くカウンターの人に頭を下げ、文庫本のコーナーと新着本を確認する。
特に続きものの新刊が入っている様子もなく、仕方なく手近にあった文庫本を数冊取る。
勿論お気に入りの作者の物だ。わざわざ遠くまで来たのだ。中はチェックしないが、好きな作者のものがいい。

「返却期限は○月○日までです」
 そんな声と共に、期限と借りた本の名前などの書かれたレシート状の物を手渡される。
これにもまた少し頭を下げ、帰ろうとすると新聞が見えた。ここ最近の物だ。
「……っ!」
小さかったが、私にははっきりと捉えられた。「××××県××××町神隠しか!?」の題。
思わず手に取り、じっくりと目を通していく。

13:ミクサ ◆jLeY:2013/04/30(火) 19:23 ID:R96

ただ、消えた人と時間、服装などしか記入されていなかった。
やはり、私の「キオク」は乏しいようだ。悔しいが少しもヒントにはならない。

「……高梨、京子さん……だよね?」
 そんなとき、急に背中に声を掛けられた。まだ声変わり前の高い少年らしい声。
でも、どこか冷静さや大人っぽさも感じられた。振り返ると__
「大垣、君?」
「偶然だね。それに燈太でいいよ」
今年同じクラスとなった大垣燈太君だった。
黒髪にメガネ、けれどダサさなんて感じさせない爽やかな印象だった。
深い緑をしたTシャツに、黒のジャケット、下はジーパンとラフな格好をしていた。
「え……あ、うん。燈太……君は、何か調べもの?」
「俺? 俺は、そうだね。宿題についてをね。それと呼び捨てでいいから。京子は?」
にっこりとする燈太は私の知ってる男子とは、また雰囲気が違った。だから、この質問をしたんだ。
「私は本読みに。……ところで、燈太は神隠し、知ってる?」
「ああ、それか。簡単にだったら、一応。恐いよね」
少し表情を曇らせて、本当に行方不明になった人を想って言っているようだった。

「燈太……時間、ある?」

14:テストマン hoge:2013/06/04(火) 16:38 ID:RCw

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