アイスプラネット

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1:ブラックキャット:2013/04/22(月) 17:24 ID:bAY


「ねぇ、知ってる?


 “其れ”を見た者は幸せに、

 “其れ”を持った者は不幸に、

 “其れ”を使った者は―――― 」


 二人の泥棒と、一人の少女。
 交差する噂が、彼女を呼んだ。
 交差する噂は、彼等の物。


 一人の少女と、二人の泥棒。
 …少女は求めた。二人の泥棒を。


「噂は噂を呼ぶ? ……いいえ、違います。
 ――――噂は人を呼ぶんですよ」

2:ブラックキャット:2013/04/22(月) 17:32 ID:bAY

どうも、ブラックキャットです。

性懲りも無くまた怪盗モノです。すみません。
まぁ、ジョーカーも落ち着いて来た所だと思ったので。

えぇと、『アイスプラネット』、聞いたことありますかね?中学2年生…。
良い話ですよね、あれは。

…まぁ、と言うわけで。気が向いたらいつでも来てください。
完結にまでは持って行きたいなー、と思います。

3:ブラックキャット:2013/04/22(月) 18:03 ID:bAY

 頭上にある月は、あたしを照らさない。
「はっ……はぁ、っ……はぁっ……!」
 走る、走る、走る、走る ――――
 アスファルトの段差に躓いて、あたしは大きくよろけた。

 ――――!?

 ……ゆっくり流れる映像は、確実にヤバイ。これはヤバイ。地面が近付いて、ぶつか


 らなかった。


 地面と顔の間に、お世辞にもたくましいとは言えない様な腕。支えられているのは分かったけど、一体誰?
 呆然と動けないで居ると、半ば強引に座らせられる。見上げた顔に映ったのは、一人の男の子。

 眼つきの悪い顔に、黒い片眼鏡。かなりぼさぼさな頭で、黒ずくめの、何だか旅人みたいなコート。
 彼が口を開いた。
「……早く立って」
 声変わりして居ないのか、男の子にしては高い声。でも、あたしよりは低い。
 言われるがままに立って、怪我していないか調べられる。…すると、後方から足音がした。

「おい、日向!」
 あたしの前に立っている彼より低い、男の子の声。聞こえた方に顔を向けると、走り寄って来る一つの影。

 目の前の彼よりは短いけど、男の子にしては長いような髪。この人も黒い片眼鏡をしていて、やっぱり黒ずくめの、黒いパーカー。
 彼はあたしと、あたしの前に居る彼を見比べて頷いた。
「……成る程な。道理でいきなり飛び出す訳だ」
 首を傾げるあたしに、顔を向けずに彼は立ち上がった。そのまま立ち去ろうとするので、慌てて呼び止めると、不思議そうな顔を2人にされた。
「あ、その……ありがとう」
 精一杯の笑顔を顔面に貼り付けて微笑むと、彼は冷めた顔で呟いた。


「……如何致しまして」


 2人の去って行った方向を見つめ続けて数分、あたしはふっと我に返った。時計を見ると、既に塾が始まっている時刻。これじゃ何の為に走ったのか分からない。
 このまま帰ってしまおうか、と思ったけど、其れは流石にまずい。宿題が出来ない代わりに、ちゃんと授業は受けろと言われている。意味が分からないけど。
 溜息を吐きながら、先程の2人の顔を思い浮かべる。
 ――――格好、良かったよね。


 また合えたら良いな。

4:ブラックキャット:2013/04/22(月) 21:29 ID:bAY

 とある中学校、2年4組の教室の中。

 朝日があたしを照らす。窓に映るあたしの顔。
 前髪を真ん中で分けて、横の髪を三つ編みしている。後ろの髪は肩に付く位の長さで、眼鏡をかけている。縁無しのね。

 今、究極に眠たいです。まだ授業前のSHRなのに、既に意識が飛んで行きそうになっている。
 ……駄目だ、此処で寝たら殴られる。 誰にだ? ――――恐い先生にだ!
 そんな恐い先生が、あたし達の顔を見回して言った。


「今日は、転入生が二人居るぞ」


 その言葉を合図に、入ってきた人影。
 二人とも男の子。
 あたしと同じ事に気付いて、騒いでる女子。生憎耳栓は持ち合わせて居ないので、ただひたすらに耐える。

 ただ、少し変わっているなー、とも思った。
 あたし達の制服には、ベストが無い。セーターはあるけど、ベストは無い。
 ――――彼は、制服じゃない。
 ……じゃぁ、もう一人は?
 視線を向けると、ちゃんと制服を着ている。
 シャツに、黒いネクタイ。黒いズボンで、最初に見たときは「喪服か」って突っ込んだほど。

 先生が制服じゃない男の子に近寄る。その顔は怒っていて、あたし達に飛び火する事が大いに予想されます――――……
「お前、制服じゃないじゃないか」
「仕事の服なので。…気に入らなかったのなら、脱ぎますよ? あぁでも、道具が入ってるし」
「良いんじゃないか? 着てても。別に問題は無いんでしょ、先生」
 先生の返事を待たずに、二人は振り返った。クラス中がどよめく。仲には、携帯を構えている女子も居るくらい。
 ……二人とも、格好良い部類に入る。

「……岡田 日向。よろしく」
「…空戸 遥希です。よろしく」

 我が2−4に、新たな仲間が加わりました。チャンチャン。




 ―――――と言う訳には行かないようで。
「…小林、さん」
 呼ばれて振り返ると、後ろにはあの2人。えっと、名前は……
「あ、えぇと……岡田君と、空戸君、だよね?」
 あたしがそう言うと、空戸君が岡田君を突付いた。「やるなぁ」なんて言いながら。
 訳が分からず頭にクエスチョンマークを浮かべると、岡田君はあたしを見下ろした。そして、呟くように言う。


「……僕、女」


 フリーズ。
 その時間は数秒にも感じられたし、数時間にも感じられた。
 ……うそ。
 あたし、ずっと彼、彼、って言ってたんだけど……って、関係ないか。あたしが岡田く…さんを見つめると、彼女は顔を逸らした。
「いや、あの……悪い。騙すようなつもりは無かった、し……多分」
「え、あぁ、いえいえ……騙すつもりが無かったのなら…って、多分!?」
「本当は男子として過ごすつもりだった 「黙れ糞野郎」 はいすいません」
 岡田さんは握った掌をズボンのポケットに入れて、歩き始めた。ふと外を見ると、夕焼けで空が真っ赤に染まっている。あたしは何となく寂しさを感じながら、鞄を引っ掴んで、二人の後を追う。

5:秋:2013/04/22(月) 21:44 ID:4Xo

おぉ!!
まさに今アイスプラネットの授業を受けてます!!
続き御願いします♪

6:ブラックキャット:2013/04/22(月) 21:55 ID:bAY

「あ、あの――……」
「…何だ?」 「どうした?」
 同時に振り向いた二人は、なんでもないような顔であたしの家までの道のりを知っていて、歩いている。
「な、何であたしの家知ってるの?」
 二人は顔を見合わせて、首を傾げた。
 空戸君があれぇ、と頬を掻く。
「……気付いてなかったのか」
 ……あれ、これって、思いっきり呆れられてる?

 岡田さんが頭を掻く。
 空戸君が溜息を大きく吐く。

「「お前、もしかしなくても馬鹿だな」」
 ど、どういう意味よぉっ!?
 あたしが鞄を当てるため後ろに構えると、二人はびくりと反応し、空戸君が手を広げて待ったをかける。
「……もうさん付けが面倒臭いから、日向で良い。…女子だって事もばれるし」
「あぁ、じゃぁ俺も。よろしくな、裕歌」
「あ、うん」
 あたしが頷くと、二人は顔を見合わせて、同時に吹き出した。え、ちょ、え、何?

 日向は微笑みながら、
 遥希も笑いながら、
 あたしは頬を膨らませて、
 横に並んだ。

7:ゆう:2013/04/23(火) 20:22 ID:5UA

やっほー
ってそんな呑気じゃ居られないっての!!
今駐車場に母さん居んのね!?
バレるのね!?
いやまじで今超ヤバい状況に居ますっっ

あたしこんなんかね。
結局あんた女子設定なのか。
んじゃ本名でも良かったじゃん。
……あぁ、うん………
まず、読み仮名付けた方が良いと思う。
特にあたし。
これ……読めねえよ。基本。
片仮名にする予定なら問題無いけど。
あと……まぁ、これは………
うん。殴るしか、無い。
見下ろした、だって?
其処まで身長差ねえだろ!!
理想なのは分かってるが無理矢理過ぎるぞ!?
5p!! たったの!!
ううぅ……バカっ

精々破棄ん無い様にね。(嫌味。)

8:ブラックキャット:2013/04/23(火) 20:30 ID:bAY

 裕歌を家の前まで送る。裕歌は申し訳無さそうな顔で誤るが、別に気にしなくても良いと思う。だって、僕等の目的は別の所にあるんだから。
「ありがと、二人とも! また明日ね!」
 ぶんぶんと手を振る裕歌。僕は手を上げて答えた。
「…あぁ」
「また明日な」
 そのまま家に入り、お茶を飲む。着替えてくる、と言った遥希の足音が2階へと上がる。僕は、テレビの電源を点けた。
「……あ、そうだ」
 ふと思いついて、テレビの電源を切る。点けたばかりだけど、どうせ見ないし。
 パソコンを立ち上げて、ニュース欄を開く。ズラリと並ぶ、数々の見出しには、いろんな写真が必ず一枚は載っている。
 ――――……一枚は。

 写真の載って居ないニュースの見出しをクリック。表示されたのは、せめて写真の代わりとしているのか、大きくて濃い文字だった。


『大富豪、また狙われる!!』


 最近現れた、大富豪ばかりを狙う泥棒。名前の無い怪盗、とも言われている。具体的な名前は無いし、その泥棒は大胆不敵でもない。


 ――――だけれど、絶対に捕まらない。


 そりゃぁ、泥棒だから。捕まってしまったら、運が悪ければ……
 誰だって、捕まりたくないもん。
 例え――――




 僕等であっても、ね?

9:ブラックキャット:2013/04/23(火) 20:35 ID:bAY

じゃぁやるなよ。

えーだってさぁー。今回は恋愛的な要素は入れないつもりですしー。うん。
裕歌?読めるでしょ。ユウカ、です。
遥希は、ハルキね。
日向は……ヒナタ。分かるよね?
裕歌が座っておる状況です!勘違いはするな!

頑張りますよー。

10:ブラックキャット:2013/04/23(火) 20:47 ID:bAY

 遥希が僕の後ろに回りこんで、画面を見つめる。
「あー……盗まれる、じゃないんだよなぁ……昨日は失敗しちまったし……」
 最後のあたりで、視線を僕に向けて意地悪そうに笑う。僕が睨むと、遥希に冷や汗がたれた。

 昨日。
 仕事の途中、裕歌を見つけた。
 派手に転びそうになっていて、思わず手が出た。きっとあいつは、僕等の事を知らない。……まぁでも、顔を見られた訳だし。
「んで? 例の件、考えたか?」
 脳内に昨日の記憶を引っ張り出す。………。

「……あぁ。今の時点では其れが一番最善策だと思う」
 そうは思わない。きっと、何かが起こる。何か、予測不可能な事が、起きそうな嫌な予感がする。
 遥希も、其れは御見通しの様だったが、何も言わない。……不適に笑って、こう言った。
「OK。後悔は無しだぜ?」
 肩の力が抜けた。そう…だな。そうだな。
「当たり前だろ」


 二人で手を合わせ、不適に笑う遥希を見つめた。もしかすると、口元は笑っていたかもしれない。

11:ゆう:2013/04/24(水) 18:44 ID:OcQ

大体の人読めないから。
前ひろかって読まれた。
遥希と日向は読めるでしょう。
勘違いしてないもんっ
情景描写が無さ過ぎるのっ!

12:ブラックキャット:2013/04/24(水) 19:24 ID:bAY

え、そう?
裕介とかあるんだし。読めるでしょ。
あーはいはい。すいませんねー。

13:ブラックキャット:2013/04/24(水) 20:09 ID:bAY

 着替えて、外に出る。既に日が傾き始めていて、人もまばらだ。都合が良い。
 隣の家は、道路に面している2階の部屋に電気が点いている。高確率で裕歌の部屋だと推測するが、カーテンが閉まっていて、部屋の中を見ることが出来ない。せいぜい人影が動くのを認識するくらいだ。
「……あそこか」
「同感。行くぜ」
 遥希が小石を拾い、投げる。窓が割れないくらいの力で、コントロールして。でも僕は出来ない。きっと窓を割ってしまうだろう。

 ――――こつん。

 人影が動いた。もう一発。

 ――――こつん。

 カーテンが開き、部屋の主が顔を出した。
 遥希が裕歌の名前を呼ぶ。
「裕歌!」
 当の本人は、訳が分からない顔で、僕と遥希を見比べる。
「え、遥希……日向?」
「時間が無い。取り敢えず来てくれ」
 裕歌は頷いて、姿を消した。

 しばらくして、玄関から裕歌が出てきた。
 駆け寄って、向き合う。
「悪いな。急に呼び出して」
「ううん……。それより、どうした、の……………」
 裕歌は地面に崩れ落ちた。激突する前に手を伸ばして抱く。
 僕の手には、睡眠薬のしみこませたハンカチ。


「……御免」


 心を蝕む罪悪感に顔が歪む。けれど、もう戻れない。――――進むしかないんだ、前に。
 遥希が、厳しい視線を僕に送る。僕は耐え切れずに視線を逸らす。

「死にたくなければ、進め」
「………了解」

14:ゆう:2013/04/24(水) 23:59 ID:xLQ

M田先輩か……(呆)

あたしも割っちゃうね。
べきばきぼき………
あ、効果音間違えた。
うん。窓、あるね。
酷ぇ……あたしがぁ……
明日絶対打っ飛ばす。
プチ誘拐じゃん。何してくれてんの。
ってか、運べる?
あたし49.4だよ。50sすれすれだよ。
突っ込み処満載だね。うん。

15:ブラックキャット:2013/04/25(木) 21:26 ID:bAY

はい。其れしか出てこなかったし。

………。
いやいやいや……今日ネタばれしたんだし!良いじゃん!
運べる運べる。大丈夫さ!(テンション可笑しい)

16:ゆう:2013/04/26(金) 18:17 ID:npQ

やっぱり。

んじゃ今度運んでみる?

17:ブラックキャット:2013/04/26(金) 20:06 ID:bAY

あああぁぁぁぁぁ……やっぱり……

んー―――…
やっぱり止めとく。

18:ブラックキャット:2013/04/26(金) 21:12 ID:bAY

 目を覚ましても、あたしは此処が部屋じゃない事に気付けずに居た。
 …朝じゃ、ない。母さんは起こしに来ない。
「……此処、何処?」
「…僕等の家だ」
 ぼんやりしていると、日向が現れた。

 意識が覚醒する。
「おはよ裕k どほぉ」
 握った掌は、思ったより力があるらしい。結果、自分で自分を褒めるなんて変な事をする始末。
 騒ぎを聞きつけた遥希が現れた。床に沈むまで、数秒。また自分で自分を褒める。
「…ってぇ……」
 地面に擦ったのか、頬から血が滲んでいる。絆創膏を取り出して、せめてもの抗議に、乱暴に貼る。
 その時、日向がボソリ、と呟いた。


「……これから仕事だってーのに………」


 仕事? え、何其れ? 中学生ってバイト禁止でしょ? え、何?
 ?マークの点滅するあたしに、遥希が紙袋を取り出した。中を覗くと、どうやら服が入っているらしい。
「此れを着て来い。…制服じゃまずい、学校が特定されっと面倒な事になる」
 言ってる内容はかなり怪しいものだったけど、好奇心で行動するタイプのあたしは素直に頷いた。
 別室に案内されて、早速紙袋の中身をひっくり返す。

 セーラー服の襟をマントにしたような妙な服に、スカート。中に着るシャツは丈が長くて、スカートから覗くようになっている、らしい。後はブーツ。
 四苦八苦しながら着替える。もう面倒臭い。
「裕歌? 着替えたか?」
 ――――う、
「うわあぁぁぁっ!?」
 心臓が高鳴って、急停止するんじゃないかと心配になった。ドアの向こうに立っている日向が、女の子だと言う事を忘れそうになっていたからだ。
「ひ、日向!? わ、開けなくて良い! と言うか開けるな!!」
「……本当かよ」
「ほ、本当本当! ほら、着替えたよ!」

 慌てて言うと、ドアが開いて日向と遥希が顔を出した。
 へぇ、何て言って、あたしをじろじろと眺め回す。何だか妙に恥ずかしくて、眼が合わせられずにいると、目の前に手が差し出された。
 見ると、白く細いベルトだった。同じものが二本あって、片方にポーチが着いている。
「…どうやって付けるの?」
 日向がしゃがんで、あたしの服の上からベルトを交差させて巻きつける。されるがままにしていると、数秒で終わる。
「こうやって、……っと。きつくないか?」
 戸惑いながら頷く。動揺しているのはあたしだけみたいで、鈍感なのか、冷静なのか分からない。
 今度は、遥希が手を差し出した。見ると、二人と同じ黒い方眼鏡。着けてみると、何だか自分が格好よくなったみたいで嬉しい。
「どうっ?」
 遥希を見ると、彼は驚いた顔で「……良いんじゃない」と言った。
 日向を見ると、彼女は困った顔で「同意見」と答えた。

 一頻り騒いだら、頭がハッキリ動くようになってきた。
 当然の疑問が頭の中を支配する。




 ――――あたしは何で此処に居るの?

19:ゆう:2013/04/27(土) 09:48 ID:QTE

けけけ。

偉いぞあたし。
よく殴った。
あれ絵的には可愛かったけどさ、実際にあたしが来たら可笑しいでしょ。
事実笑えるよ。

20:ブラックキャット:2013/04/27(土) 10:01 ID:bAY

けけけ。じゃねぇし!

よく殴った、でもねぇし!
まぁ、…そうだねぇ。
でもさー、まぁいいじゃん。

21:ブラックキャット:2013/04/27(土) 10:33 ID:bAY

 やっぱり訊かないとまずいよね、と訊いてみる。
「あ、あの――――……」
 ポケットから出した懐中時計を見た日向が、遥希に言った。
「よし、行くか」
「おぅ」
 裕歌も、なんて言った日向があたしを腕を取る。

 玄関から出て、歩く。
 しつこくしつこく訊いても、口を割らない二人。仕方ないから、脅す。
「………殴るよ」
「よぉし、しょうがないな! 遥希、説明してやれ」
「了解」
 ……この人達、駄目だ。直感で感じた。



 名の無い泥棒、って知ってるか? あれが俺と日向なんだよ。それで、今日も仕事なんだよ。大体泥棒って言ったって、そんな無闇に盗む常識知らずじゃないけどな。
 ……物を捜してるんだよ、宝石のな。
 ――――『アイスプラネット』、氷の惑星。其れらしい情報を探して、実際に見なくちゃ本物かどうかなんて分からないし、それに、普通はすんなり返してくれる物じゃないだろ。
 だから、俺達が泥棒になって、其れらしいものを盗んで調べている。偽物は全部返しているが、まぁ俺達は悪人だな。



「どうだ? ……俺達を捕まえて警察に突き出す、って言う手もあるぞ」
 遥希が笑いながらあたしを試すように見る。息を吸って、吐いて。
 あたしは微笑んだ。


「そんな事、しないよ」

22:ブラックキャット:2013/04/28(日) 16:34 ID:bAY

 当然、驚く二人を横目に、あたしは一人呟く。
「あたしさ、馬鹿だから。好奇心だけで動く、後先考えない馬鹿だから。だから……ね? 良いでしょ?」
 日向が満足そうに頷いて、遥希に言った。


「――――ほらな? こういう奴なんだよ」


 遥希も笑いながら頷いた。
 ………って、そういうんじゃなくて。
「こういう奴って、あたし、日向と初対面だよね? 何で……」
 その言葉は、途中から喉の奥に隠れた。日向の顔が、一瞬だけ哀しそうになったから。
 日向は何か呟いた。何を言ったのかは分からなかったけど。
「……ほら行くぞ」
 少し早くなった歩調を誤魔化すかのように、その後は一切口を開かなかった。

23:ブラックキャット:2013/04/28(日) 21:33 ID:bAY

 朝。僕と遥希は、登校している時。
 どんっ、と何かが背中に当たった。振り返ると、むくれている裕歌が立っていた。

 むぅっ、と膨れている。
 むうぅっ、と唸っている。
 頬が紅潮してきた。


 ……ヤバイ前兆だ。


 なんて分析してる暇があるんなら如何にかしろ、ってな。
 勿論殴られましたとも。はい。痛い。
「何で殴るかなぁ」
「何で置いてくのかなぁ」
 う、と詰まる。其処は言い訳できない。
 遥希はというと、ニヤニヤ笑いで見守っているものだから、何だかイライラしてきた。後で殴ろう。うん、そうしよう。

 別に置いていったわけじゃない、何て言っても、多分伝わらないだろうな。まして、忘れてた、なんて言おう物なら……。恐ろしい。
 僕がおろおろしていると、裕歌が唐突に笑った。暗い影の指す笑顔が僕に向けられる。販社で構えるけど、其処はしょうがないだろう?


「――――ひなちゃん」


 ひな、ひな……ひ…な……ちゃん?
 だ、だ、だぁっ……! 口をパクパクさせている僕を横目に、裕歌は遥希にこう告げた。
「これからは、日向はひなちゃんだからね?」
「了解っ」
「何が了解だああぁぁぁっ!?」

 僕は早足で歩く。裕歌も遥希も、ニヤニヤ笑いで「ひなちゃん」呼ばわりしてくる。
「ねぇ、ひなちゃーん」
「ひぃーなぁーちゃぁーんっ」
「ひなぁー」
「ひなちゃーーん」
「ひn「だあぁぁっっ!!」
 ――――ブツッ、と何かが切れた。

「煩ぇ! 俺は男で通ってんだぞ!? 何がひなちゃんだ! 意味わかんねぇ! 良いか!? 今後その名前で呼ぼう物なら、即地獄送りだかんな!? 良いな!?」

 違反のベストのポケットから、ナイフを出して投げつける。見事、二人の頭の間に刺さる。
 見る見るうちに、二人の顔色は青くなる。僕はナイフを拾って、学校へと歩き出した。



 ――――同じ制服を着ている人間が増えるだけで、こんなに気分が悪くなるとは思わなかった。

24:ブラックキャット:2013/04/28(日) 21:34 ID:bAY

訂正です。
反射、ですね。販社、じゃないですね。

25:紀胡:2013/04/28(日) 21:39 ID:2iI

面白いですね!
あたしも書いとるから、是非来てください(・ω・)ノ

26:紀胡:2013/04/28(日) 21:46 ID:2iI

あれ?
もしかして単発モノですか?(=゚ω゚)ノ
もっと色々読んで見たいなぁ^ ^


突然すんません。

27:ブラックキャット:2013/04/29(月) 14:59 ID:bAY

紀湖さん
えぇと…すいません。単発モノって何ですか? あーすいません…何も知りません。
まだまだ書きますよ、この話は。ちょ、ちょっと何か面倒臭そうな展開が待っておりますけどね。

分かりました、後で行って見ますねー。
いつでも来てください。いつも居るかどうかは怪しいですけど。

28:ブラックキャット:2013/04/29(月) 15:53 ID:bAY

 ――――僕、岡田日向は非常に期限が悪かった。
 遥希はそんな僕に近付かないようにしているが、明らかにばれている。其れがやっぱりイラつく。

「あ――……ったく……これもハズレかよ。だぁぁっ…何処にあるんだよ、アイスプラネット……」
 僕は虫眼鏡と盗んだ宝石を放り出した。床に寝転がると、立っている遥希と目があった。
 遥希は僕の放り投げた宝石を手に取って、観察し始めた。
「これ偽物だなぁ…」
「だろ」
 よっ、と体を起こして、パソコンにデータを転送した。『転送中です…』の文字が点滅する。

 遥希が僕に向かって笑いかけた。
「よっしゃ、飯にしようぜ」
 …何がよっしゃだ、この野郎。僕は頷いて、遥希の後に付いて歩く。
「…今日は何?」
 訊くと、人差し指が現れた。遥希が得意げな顔で言う。
「コロッケさ」
「ふぅん……」
 回答を聞いて、ネギじゃなかった事に胸を撫で下ろす。コロッケは……まぁいいか。嫌いじゃない。
 …ふと思い出して、ちょっとからかってみる。
「あぁ、そういえば買ってたね、帰り道。……校則違反」
 目に見えて動揺する。こいつはやっぱり面白い。
「ぅ、煩ぇ! しゃーねーだろ、一回帰ると時間無ぇし」
「あーはいはい」
 適当に聞き流して、椅子に座った。





 ――――アイスプラネット  氷の惑星。
 僕の、宝石。

29:ゆう:2013/04/29(月) 23:34 ID:rgk

ひなちゃん。

ふぅん。
これまた結構なノリですこと。
でも笑わせんとって。本当に。
「ははっ」って声上げちゃったよ。さっき。
母さん寝てるよ。
起きるよ。
あたし死ぬよ。
どーしてくれんのよぉっ!!
ネギって……どっかのお姉様じゃん。
コロッケは御祖母ちゃんの以外嫌いです。
例えあんたが作っても食べません。
よかったねえ。此の場にあたしが居なくて。

30:ブラックキャット:2013/05/03(金) 11:49 ID:bAY

何が?
知りませんー。自業自得ですぅー。

ニッコリ。

作りませんのでご安心を。
うん。良かった。

31:ブラックキャット:2013/05/03(金) 12:03 ID:bAY

 夜ご飯を食べ終わり、僕と遥希は寛いでいた。
 寛ぐ、と言ってもテレビは点けずに他愛ない話に花を咲かすだけだけど。
 今日の話題は、とあるご近所様の話だ。

「裕歌って、何かメリットあったか?」
 遥希は笑って頷く。
「勿論。じゃねぇと、見知らぬ人…しかも女の子を仲間になんて入れねぇよ」
 そりゃそうだけど……。僕はちょっと食い下がってみる。
「でも、何で引っ越してきてまで?」
「そりゃぁ、日向があの子に一目惚れしたかr「殺すぞ」はいすいません」
 僕がナイフの刃先を遥希に向けると、遥希は不適に笑いながら謝る。
 一目惚れなんかしてねーし! っつーか俺は女だ!
「まぁた一人称が俺になった」
「煩ぇ!」
 相変わらず掴み所の無い笑顔で笑う。俺はこいつが一番苦手である……と思う。
「まぁ其れよりさ――――」
 絶対裏が何かある笑顔で遥希は俺を見た。



「裕歌はね、キーなんだよ。俺達の、あの、アイスプラネットの」

32:ブラックキャット:2013/05/04(土) 09:46 ID:bAY

「キー……?」
 遥希に訊き返しても、あいつは答えない。何だか、いらない事を喋りすぎて後悔してる、と言う表情。
 訳が分からないし、やっぱり俺は不機嫌だった為遥希を蹴っ飛ばした。見事に飛ぶ。
「ふ、ざまぁ」
「……しゃーねーだろ。日向の爺さん、恐ぇし…」
 ――――爺さん?
「おい、ちょっと待て。何で其処で爺さんが出て来るんだよ、何か関係あんのか?」
「嘘、無いn「もう一回?」勘弁してくr「ですよね」はい」

 僕の爺さん……?
 爺さんの記憶は、全くと言って良いほど何もない。
 何故か?
 ――――死んでいるからだ。

 僕の顔を一度だけ見て、その帰りに事故に合ったらしい。
 写真しか見て居ない、祖父の顔。
 僕が、全く知らない祖父から貰ったものが、あのアイスプラネット。
 何だか、それは一家の長男に譲られる物らしいが、生憎僕は男。そして、祖父は母の父親。
 しょうがなくか、それとも――――?

 まぁ、そう言うわけだし、盗まれたし。
 その問題はおいといて、今は見つける事を最優先にしている。

33:ブラックキャット:2013/05/04(土) 18:25 ID:bAY

日向は女です! 男じゃないです!
男だったら生憎じゃないし!

34:ゆう:2013/05/05(日) 22:59 ID:edg

あれ?
可怪しいなぁ。
DSから書き込んだ筈なんだけど。

でも趣味は男でしょーが。

何でいつもナイフ?
たまにはロープとか、鎖とか、釘とか。
脚とか、拳とか?
こんな不っ細工な女に一目惚れするとか、本気で頭イカれてる奴だよ。
ねえ?

35:ブラックキャット:2013/05/05(日) 23:26 ID:bAY

知らない。

脚とか拳とか、じゃねぇよ!
道具出すの面倒臭いし。

……そりゃどうだろうね。

36:ブラックキャット:2013/05/06(月) 17:35 ID:bAY

 朝の教室は、何かとやかましかった。
 理由はおそらく、


「でさぁー。もうほんっと最悪ぅー。しかもさぁ……」


 あの女子。

 教室の中心的位置の机に陣取り、数人の女子と大声で話す、不愉快極まりない女子。……しかも、僕の机に座られてる。
 周りの女子だってどうせ恐いから話を合わせているんだろう。先程から見ていても、全く言葉を発して居ない。

 観察していると、突然声を掛けられた。見ると、横に居る遥希らしい。
「日向、どうした?」
「……何でもない。低血圧なんだ」
 適当に誤魔化すと、遥希は首を傾げた。あれ、そうだったけか、とわざとらしく言う。睨み、顔を逸らす。

「不愉快だ」
「しょうがないよ、日向はさ」
 肩をすくめて苦笑する遥希の眼は、暗く光っていた。

 背筋に悪寒走る。
 ……何も考えるな。追求は禁止。
「どう言う意味だ、遥希?」
「どう言う意味って……さぁな。如何だろう?」
「答えになってねーよ、馬鹿」
 腹を小突いて、女子の群がる自分の席へと歩く。

37:ゆう:2013/05/08(水) 01:25 ID:plk

出しゃあいいのに。



低血圧って……哀かよ。
まあ気分は嫌でも死んでも分かるがな。
あたしが立ってる間に、紀ちゃんにK蛯ウんとあたしの席の間に立たれると、座れない。
結果、苛ついて力任せに椅子を引く。
「あっ ごめんね〜」
「……んん。大丈夫」
そんな会話がままある。
まあ頑張って。ひなちゃん。

38:ブラックキャット:2013/05/09(木) 19:42 ID:bAY

面倒。

おまえ……知ってて言ってんの?

その名前を出すな。
俺は男で通ってんだぞ。 by日向

39:ブラックキャット:2013/05/09(木) 19:51 ID:bAY

 結果。

「あっ、ごっめ〜ん。邪魔だったねぇ」
 うん、邪魔。
「ほらぁ、困ってんじゃ〜ん。困らせちゃ駄目だよ、ねぇ? 岡田君」
 あ、面倒臭いパターン。
「あ、いや……あの……」
 さっさと自分の巣に戻れよ。
「ほっら、怒られてるよぉ? ごめんねぇ、岡田君」
 じゃぁさっさとどけろ。

 そんな会話が3分程度続いた。
 疲れる……。
 机に突っ伏して腕を伸ばしていると、頭上に影が現れた。
 見上げると、裕歌。

「………どうした?」
「お疲れですね〜」
「黙れ」
「アハハー、無理」
「…………」

 不毛。
 エネルギーの無駄。

 そう分析して、机に突っ伏し直す。
 首に伝わる衝撃。
 瞬間感じるこそばゆさ。
「ぃっ……!?」
 完ッ璧男じゃない甲高い声。
 視線は集まらなかったものの……
 頭上で笑う裕歌と目が合い、遥希も隣でニヤニヤしている。


「へぇ……首が弱点何だぁ……? 良い事見つけちゃったー」


 ……鳥肌が立った。

40:ゆう:2013/05/09(木) 23:17 ID:eoY

うーん………
分かる様な気もするんだけど、其れを全力で否定する自分が居るのね。
だから、結果的にわかんない。

其れを打ち壊すのがあたしよ。by裕歌

41:ブラックキャット:2013/05/12(日) 15:50 ID:bAY

んじゃ、分からなくて良いよ。

其れを必死に取繕うのが俺の仕事か……。 by遥希

42:ブラックキャット:2013/05/12(日) 19:59 ID:bAY

 それからと言うもの、隙在らば首を狙って来るもんだから落ち着いていられなかった。
「さっさと帰ろーぜ」
 まだ数人残っている教室から外を眺めていると、突然声を掛けられた。
「……遥希? 裕歌は?」
「あそこ」
 そう言って指差したのは、机に向かって何かを書いている裕歌。こっから見ると、見えるのは精々端ぐらい。………だが。
「……なんだ。宿題忘れか」
「正解」
 何時頃終わるものか、と二人で顔を見合わせると、あーもうやってらんない! と声が聞こえた。
 実に裕歌らしい。裕歌らしいが――――


「……帰るか、遥希」
「そうだなー」


 ……別に付き合ってやる義理など無い。



 結果。
 まぁ殴られた。痛い。 以上。

43:ゆう:2013/05/13(月) 00:11 ID:VBM

後々殴り飛ばすことになるけど、今は知らないで良いや。

何取繕ってんのよ。
あたしが打ち壊してバレてえーっ!でいいの! by裕歌

44:ブラックキャット:2013/05/14(火) 17:08 ID:bAY

………。色々突っ込まないで居よう。

其れは困る。 by日向・遥希

45:ブラックキャット:2013/05/14(火) 17:24 ID:bAY

 今日は……どうかな。
 僕の淡い期待を裏切ったのは、一冊の連絡帳。僕の字で、『1、国語 2、理科 3、社会 4、数学 5、英語 6、音楽』と書いてある。
「5教科ぴったり……」
 うえぇ、と机に手を付き、溜息を吐く。
 後ろからの足音に顔を上げると、其処に居たのは遥希だった。まぁ、他に誰が居るんだ、って話になるが。

「おはよ。……昨日何時に寝た?」
 半分しか開いて居ない目を見て言うと、案の定逸らされた。
「……おぅ…3時……」
 時計を見て、時刻を確認。
 只今午前5時。推定2時間、か……。
 少し考えて、提案する。
「……7時まで寝てれば? 用意はしとくし、出るのは30分にするから」
「サンキュー……恩に着る……」
 バタッ、と勢い良くベッドに倒れた遥希を横目に、僕は制服を出した。




「おはよー、二人とも……ふぁぁ……」
 ……第一声がふぁぁ、か。
 目の前で欠伸しているのは、裕歌。
「何、裕歌も寝不足? 昨日何時に寝た?」
「えっとねー…1時」
 こいつも寝不足か!
 イラつきながら時計を見る。只今8時。推定……6時間。6時間? だって裕歌は、7時に起きるから……。


 普通じゃないかよ!


 急に馬鹿馬鹿らしくなって、鞄を手に掛けて肩に担ぐ。
 遥希は当たりそうになったが、華麗なる動きで避けた。心の中で拍手。

 しっかしまぁ……
「暑いな……」
 照りつける太陽さん、まだ5月ですよ? もうちょっと待ってくださいな……。
 僕は水筒のお茶を一口飲んだ。

46:ゆう:2013/05/14(火) 18:00 ID:C1I

精々困ってなさい。by裕歌

何が普通だ何が!!
裕歌さんはね、最低でも11時間40分寝ないと無理なの!
起きられないの!
目ぇ開かないの!
あと寝た時刻が違う!
昨日あたしは2時に寝ました2時に!!
あと7時5分に起きました!!
寝不足じゃ駄目か!?
日曜朝起きたら12時10分だった。
はぁ!? とか言うな!
常識だ!

47:ブラックキャット:2013/05/16(木) 18:30 ID:bAY

困らせるなよ。by日向

常識を他人に押し付けるときは、まずは常識を知らないとね。
寝すぎは体に悪いのさ。

48:ブラックキャット:2013/05/16(木) 20:08 ID:bAY

「暑い……!」
 裕歌が制服の袖を捲り、椅子に体を投げ出した。顔の横で括ってる三つ編みが揺れる。
 閉めたカーテンの隙間から、風が勢い良く入ってきて、カーテンを膨らませる。
 眼を細めて、窓の外を見る。僕の眼に映るのは光る太陽と、真っ青な空。其れと、薄い雲。晴天としか言い様の無い、実に爽やかな機構である。実に爽やかな機構であるのだが、暑い。
 遥希は、苦笑いで裕歌を見る。確かにな、とは頷かないが、やはり袖を捲っている。まぁ、その点では3人ともそうなのだが。
「まだ5月だよ……8月、死ぬ……」
「死亡予告か? 縁起でもない」
 そう突っ込んでみるものの、やはり僕も8月が心配になってきた。
 僕の脳内で、誠に勝手なイメージ映像が流れる。

 カラカラに乾いた街、干乾びた人間。作物も取れず、人は皆スーパーへ。努力も空しく、海は乾き、魚は死んだ。土も乾き、雨も降らない。陽炎だけが、其処に在る。
 やがて人々は、地面に倒れ、池の在った場所に倒れ、水を求めて…………

 何を考えているんだ、僕は。
 本気で馬鹿馬鹿しくなり、思考停止。さっきのイメージ映像には、悪いが退場して貰った。

「しっかし、こんなに暑いもんなんだな」
 頭の後ろで腕を組み、ぼやく遥希。苦笑いで返し、空を見上げる。
 快晴――――か。
 頭の隅で、何かがちりちりと疼いている。だが、今は無視して、帰ろう。

49:ゆう:2013/05/16(木) 23:11 ID:dgw

そっちが勝手に困ってんじゃない。
あたしは知らなーい。by裕歌

知ってますっ!
そう思うなら起こして。

気候が違う。
機構になってる。
…………あんのさぁ……
ネタ、無いんでしょ?

50:ブラックキャット:2013/05/18(土) 13:56 ID:bAY

知っとけ。 by遥希

無理ですね。

……図星。
結末は出来てんだけどね。其処までの経緯が……。

51:ゆう:2013/05/19(日) 11:08 ID:lMI

知る必要なんてあるの? by裕歌

現実的なこと言うなぁあ。

ほぅら。やっぱり。
大丈夫。
ネタ、出来ました。
面倒って言うと思うけど、此れ以外面白いのが無いの。
話しますよ。

52:ブラックキャット:2013/05/19(日) 13:32 ID:bAY

ある。 by日向&遥希

此処は現実で御座います。

うん。
んじゃ、いきますかー。

53:ブラックキャット:2013/05/19(日) 14:39 ID:bAY

『氷の惑星、アイスプラネットが盗まれたと情報が入りました。いつもなら速報ではないのですが――――』


 携帯が手から滑り落ちた。


「………嘘、だろ………」
 内心を馬鹿正直に表現した声は、頼りなく掠れていた。
 窓を叩く雨粒の音だけが妙にクリアに聞こえる。だが、脳内に入り込んできたのは、もっと衝撃的な物だった。


『怪盗です! 泥棒ではなく怪盗が現れました!』


 考えることを放棄した様子の脳内は、脳内に入ってきた音を言葉に並べるだけで精一杯の様だった。
 怪盗……?
 小説かよ、何て構ってられない。テレビに近付いて、一語一句逃さずに聞き取る。
『今日の午前2時、都内の美術館に不審者が侵入したと言う情報を受けた館の警備隊が其処に入ったところ、館内の宝石「アイスプラネット」が盗まれていたのが分かったそうです! しかも、其処には犯行声明のカードが……! “アイスプラネットは頂いた。これは私の物なので、返す真似等致しませんので其処の所ご理解とご協力御願いいたしますね。間違っても、名の無い泥棒なんかと一緒にしないでくださいね。 怪盗ムーン” との事です! 其れでは、速報を終わります』
 怪盗――――怪盗ムーン。

 そうか――――そうか、そっか。
 目付きが悪くなっているのか、視界が細くなって、ぼやけたりはしない。しそうだったけど、止める。
 窓を叩く雨粒が、ガラスを伝って落ちるのが見えた。其の軌道を指でなぞり、空を見上げる。空は厚い雲で覆われて、灰色一色だけだ。


 ……度胸、あるじゃん? 怪盗ムーン。


 奪わせたりしない。絶対に。もう何も、何も。
 誰にだって、もう――――……


 ガチャリ、と鍵の空く音に続いて、玄関のドアが開いた。
「日向っ、…どした?」
 お帰り、と言って遥希を見る。と同時に、目を剥いて駆け寄る。
「……ずぶ濡れだな。どうしたんだよ?」
 遥希の格好は、何がどうなったらそうなるんだ、と言う位に汚れて、濡れていた。傘を持って行ったいた筈だが、如何して…。

 すると、心配そうな表情から一転、呆れたような表情を見せた。きょとんとする俺に向かって、携帯を振った。
「あ、のなぁ……俺と話してただろ? そしたら、急に携帯落とすし、幾ら呼んでも答えねーし。だから急いで帰ってきてやったてーのに」
「え、あ、あぁ……あはは、御免」

 もう其れとしか言い様が無かった。話そうか、話すまいか。まだ決まっていなかったからだ。

 まぁいいか、と呟いて靴を脱ぐ遥希にタオルを差し出して、洗濯物は洗濯機ね、と言って中に入る。
 ……まだ何か言いたそうな遥希の顔が、残像のように視界にこびり付いた。

54:ゆう:2013/05/19(日) 14:57 ID:lMI

じゃあ言わせて貰おう。
何で知らなくちゃいけないの? by裕歌

じゃあ二次元に行こうかな。

はいよー
突き じゃないわ。月ねえ………
かなりセーラームーンと被るんですが、突っ込まないでおこう。
まあいいんじゃない?
で? 1人? 2人? まさかグループ?
んで、あたしの出番来るんですかね………

55:ブラックキャット:2013/05/19(日) 15:24 ID:bAY

そんぐらいは考えなさい。 by日向

やめとくれ。

せ、セーラームーン!? まさかの。
いや、そう来るとは思ってなかった。
うーん……1人かな? 多分。
勿論。
キーだって言ったじゃん。

56:ブラックキャット:2013/05/19(日) 20:34 ID:bAY

 あたしは立ち上がった。傘はいらない。すぐ近くなんだもん。
 母さんの表情を横目に、玄関へと駆け込む。何処行くの、何て言う暇も与えない。
 鍵を開けて外に出る。ザーザー言っている雨音を聴いて足が止まりかける。けれど、そのまま突き進んで、走る。走る。

「日向! 遥希!」
 居る筈。絶対。

 直感に頼ってドアの取っ手を引くと、あっけなく開いた。勢いで中に入る。奥から、2人の声と足音。
 遥希が驚いた顔をする。
「どうした? 裕歌。っつーか、傘は? 塗れてんじゃねーか」
 日向がタオルを差し出す。有り難く受け取り、バサバサと拭く。あああ、我慢なら無い!

 あたしは立ち上がると、2人に詰め寄った。

「見た? 見たよね? あのニュース! 怪盗ムーン! 泥棒なんかと、って言った! 見たよね!? 何よあいつ、何様のつもりなんだっつーの! あーもう、ムカツクッ! で、如何するの? アイツ!」

 あたしの勢いが強すぎたのかどうかは知らないけど、話し終わると2人とも仰け反っていた。
 遥希が困った様どうするっつったってなぁ、と頭を掻いて日向を見る。日向は、目のやり場が無い様に視線を泳がせて、結局あたしを見た。
 だ……だ か ら! 如何すんのか、って訊いてんのにぃ!
 手をばたばたさせて喚く。

 あ―――……
 さらに困った様に日向が頭を掻く。何か様子が変だ。
「どうする?」
「言えば? どうせ近い内に言うつもりだったろ?」
 頷いた日向の口から語られた一言は、少なくとも、あたしには重大な事だった。


 ――――あれ、俺の宝石なんだよ


 フリーズ。
 俺の、俺の……俺、てことは……日向の?
 頷く日向は、確かに、日向だった。

57:紀胡:2013/05/19(日) 20:39 ID:2iI

おおお。神(*☻-☻*)
いきなりすいません。

58:ゆう:2013/05/20(月) 23:06 ID:HEQ

考える余力の無駄だと判断します。
だから遥希考えて。 by裕歌

もう行っちゃってるよ。
薫音さん。

だって……ムーン=其れだし………
あ、そうだったね。
我ながら忘れてた。

59:ブラックキャット:2013/05/22(水) 16:43 ID:bAY

紀湖さん
いえいえ。どうぞ見て行って下さい。



ゆう
知らん。たまには頭も使え。脳内空っぽだろ。 by遥希

そりゃそうだけど。

おいこら。
セーラームーン、ねぇ…。

60:ゆう:2013/05/22(水) 16:53 ID:rS2

何言ってんの。
歌詞は沢山入ってるよ? by裕歌

灯音さんもね。

だって忘れやすいし。あたし。
なんかよく分かんないでしょ?

61:ブラックキャット:2013/05/22(水) 16:55 ID:bAY

 あたしは、また雨の中ゆっくりと歩いていた。

 ――――日向?
 と、訊かずには居られなかった、あの表情。
 何でもない、と言った、あの表情。
 あれの正体を、あたしは知っている。でも、言わない。遥希だって、知ってるに決まってるし。

 日向は、あたしは知らない。
 遥希は、あたしを知らない。
 あたしも、二人を知らない。

 ……でも。
 何だろう、この違和感。
 まるで、
 まるで――――あたしは既にあの二人を知ってる、みたいな。


 そこで苦笑してしまった。
 家のドアを見つけて、開ける。すんなりと抵抗無く開いた。
「……いや、無いな。絶対無い」
 在り得ないよ、そんなの。
 だって、
 だって。
 …首を振って追い出す。
 まだ早い。まだ。


 飛んで来た母さんの小言を無視して、あたしは2階へと階段を上った。

62:ブラックキャット:2013/05/22(水) 16:56 ID:bAY

それだけだろ。 by日向

そうですね。

うん。其処は肯定するしかないよ。

63:ゆう:2013/05/22(水) 17:38 ID:rS2

トラブル解決の為の過去使用済最善策収納フォルダ。最善策シンキングスペース。
知人友人他人のフェイスデータベース。
脳内歌詞ブック。
今までに読んだ全ての本の内容。キャラクター。性格。
より綺麗なイラストを描く為のこつメモ帳。
脳内ネタ帳。
無駄にある想像力・妄想力・ネタ構成能力。
過去の思い出が詰まった傷だらけのクローゼット。
其の他妙な知識ばかり詰まった脳内記憶用大容量ハードディスク。
多分、こんだけ詰まってる。by裕歌

宙音さんもか。

でもまあ、あたしよく濡れるねえ。
いつものことだけど。

64:ブラックキャット:2013/05/22(水) 20:15 ID:bAY

………何故それだけ在って点数取れない?by日向

yes.

好きで濡れてるんだっけ?
後で風引かすよ。

65:ブラックキャット:2013/05/22(水) 21:47 ID:bAY

 母さんの手の中にある体温計に恨みがましい視線を向ける。御願い。御願い……。
「38・8分……やっぱり、昨日雨の中出て行ったりするから。裕歌、ちゃんと寝てるのよ」
 そう言って、勢い良くドアが閉まった。
 ……偉そうに。
 其の背中に呟いて、あたしは窓へと近付いた。空は青く、昨日の雨の跡なんか無い。
 母さんも父さんも仕事だけど、さて、如何した物か……。
 頭を抱えていると、チャイムが鳴った。


 ピーンポーン……


 跳ね起きた衝撃で頭がくらくらするけども、そんなの構ってられない。この時間にチャイムを鳴らすのは、日向の遥希しか居ない。
 早く、早く。
 階段を駆け下りて、ドアを開けようと
「裕歌! 寝てなさいって言ったでしょ! ほら、早よ行きんさい!」
 突然の怒鳴り声に、足が止まった。後ろを見なくても分かる。母さんだ。
 せめて、と食い下がる。
「休む、って言っとかないと…それに、日向と遥希が」
「母さんが学校に電話するから。友達だって、うつしちゃったら駄目でしょ」
 〜〜〜っ!
 地団太を踏むけど、無理だった。代わりに母さんが出て、「御免ね、裕歌風邪引いちゃって。今日は学校休むわね」なんて言ってるのが聴こえた。

 階段を上り、自室に入る。
 あたしは布団の上で包まった。仕事行って来るわね、何て母さんの声も聴こえない振りして。
 ドアの閉まる音。それに続いて鍵の閉まる音。
 それを確認して階段を下りる。誰もいなくて、静まり返っている。


 ピーンポーン……


 突然のチャイムに、体が竦んだ。誰だろう……。
 まさかセールス? 何て考えながらインターホンを覗いて、


 ――――固まった。


 そんなあたしにお構いなく、声が聴こえた。まるで、あたしが見えている様に、タイミング良く。
『裕歌? 其処に居るよな?』
 ――――日向。声にならない呟きが漏れる。今度は、しっかり声を出す。鼻声だけど、気にしない。

「……居るよ、日向、遥希」
 近いのに、遠い。思わず画面に触れてしまう。玄関に向かおうと思ったけど、遥希に止められた。
『お前パジャマだろ。それに……うん』
 困ったような遥紀の顔に、頭に疑問符を浮かべる。日向が肩を竦めて答えた。
『遥希、今日すごい寝癖なんだよ。だから裕歌を迎えに来たんだけ……って、何お前出てきてんだよ!?』
 遥紀の寝癖とあったら気になるでしょ! 当然、と日向も頷いたけど、遥紀はそうじゃなかった。
「おまっ……! 酷ぇ……こいつら人間じゃねぇっ……!」
「「そうですけど何か?」」
 見事な二重奏。


 その後は、かなりの速さで熱が引き、授業中の二人とテレビ電話やメールなどをやり取りした。

66:ゆう:2013/05/22(水) 23:34 ID:hPo

勉強用に作られてないからねえ。 by裕歌

うん。まあ。
さっさと風邪引きたいのもあるし、メガネ外してるから楽。
あーあ。こうなりゃいいのにな。
試験やらんで済むし。
んで、こっちもネタ無いのね。バトル如何しようか迷ってる。
こっちは割と簡単に今の状況脱せるよ。
明日ネタ話すね。

67:ゆう:2013/05/22(水) 23:40 ID:hPo

そうそう。忘れてた。
漢字変換ミスが激しいぞ。

「日向の遥希しか」=「日向と遥希しか」(此れは恐らく文章調整ミス。)
「遥紀」=「遥希」 ×3

気を付けなさい………

68:ブラックキャット:2013/05/25(土) 09:40 ID:bAY

学生の仕事は学問に励む事、らしいが? by日向

うーむ……。
うん。多分覚えてる。

69:ブラックキャット:2013/05/25(土) 10:17 ID:bAY

 あたしが家を出ると、日向と遥希が居た。如何したの、と訊く前に、遥希が口を開いた。

「怪盗ムーンが忍び込んだ美術館に行こうと思うんだが、何時が良い?」
 え、何んだろう。戸惑いながら答える。
「何時でも良いよ? 二人の都合に合わせる……よ……」
 そう言った瞬間、途轍もないプレッシャーがあたしを包んだ。

 何故だろう。なんか、二人の目が光ったような――――?
 嫌な予感が背中を撫でて、汗が滲んだ。と同時に片腕ずつ掴まれ、走り出す。
 あたしは混乱して、引っ張られるように走るだけ。質問を差し込む隙間なんてものが無い。


 あああ意味分かんない!


 駅に駆け込み、電車に飛び乗った。背中でドアが閉まって、其処に背中を預けた。
 上がった息を整えながら二人を睨むと、目を逸らされた。
「な、何なの? て、いうか……学校は、如何すんの?」


「……さぁ。如何もしないな」
「そうだなー。サボるだけだ」

 は、
 はああああぁぁぁっっ!?

 ……叫ばなかっただけ、上出来だと思ってもらいたいな。でも、あたしの顔はかなり怪訝になっていると思う。
「さ、サボって如何すんの?」
「じゃぁ裕歌は行ってきても良いぞ。行ってらっしゃい」
「い、行かないよ!」
 何でわざわざ面倒な場所に行かなきゃ行けないのさ! 何て勝手に結論付ける。

 あたし達を乗せた電車は、順調に進んでいった。

70:ゆう:2013/05/26(日) 23:15 ID:r5Y

放棄。
じゃあ日向じゃどんなの入ってんの? by裕歌

頑張れー

そりゃまあね。
サボるね。普通。
しかし……よく酔わないね。日向。
遥希は……如何だろう?

71:ブラックキャット:2013/05/28(火) 19:56 ID:bAY

色々。 by日向

あー、やっぱ微妙。

72:ブラックキャット:2013/05/28(火) 20:10 ID:bAY

「駄目ですか?」
「申し訳御座いませんが……」
「本当の本当にですか?」
「申し訳御座いません」
「本当の本当の本当の本当にですか?」
「申し訳御座いません」


 不毛な会話に堪えきれず欠伸する。
 今会話してるのは遥希と、此処の館員さん。もう3分以上もしている。良く飽きないねー…。
「……状況は?」
「駄目だねー。もうそろそろひなちゃんの出番ですよ」
「ひなちゃん言うな」
 だ、だってさぁ……。

 今、あたしと日向は遥希と館員さんが話しているカウンターの傍に座っている。
 それにしても、と首を傾げる。
「……説得するだけに、その格好したの?」
「遥希からすると、僕は男子に見えるらしいからな。此処で女子だって事をアピールさせるつもりらしいが」
「成る程ー。そしたら、説得が楽になるって事だね!」
「そういう事だ」
 頷いた日向の顔は不機嫌そのもので、やっぱり笑える。

 膝上のスカートに、ちょっと着崩した制服。髪も鬘を被って、かなり長め。
 何処から如何見ても――――完璧に女の子。
 日向の、あの雰囲気も、悪い目付きも、今はすっかり影を潜めている。うっかりすると、日向じゃないように見えてくる。
 そこで、遥希があたし達を振り返った。その顔には、疲労の色が見える。

「日向……バトンタッチだ」
「……了解」

 如何考えても、猫かぶり全開だね。日向。

73:ゆう:2013/05/28(火) 23:04 ID:avI

酷い。
あたしはつらつらと並べたのに……… by裕歌



ひぃーなちゃん。
やっぱり少しは女子で居たいよねー。
じゃあやっぱり、ワンピース着せよ。

74:ブラックキャット:2013/05/29(水) 21:31 ID:bAY

色々は色々だなぁ。 by遥希

ち が い ま す。
本当は裕歌やっても良かったんだけどね。

75:ブラックキャット:2013/05/29(水) 21:41 ID:bAY

「おーじーさんっ!」
 猫かぶり前回の声に、自分で鳥肌が立った。

「あたし達、邪魔しないから。
 だから、御願い。
 どうしても、どうしてもっ……
 あそこに入んなきゃいけないの。
 理由は言えないけど、でも……。
 ねぇ、おじさん。駄目……かなぁ……?」

「良いよ。御免ね、そんな事情があるとは思わなかったんだ。本当に申し訳ないね」
 ……答えは一瞬で出た。長い息を吐く。
「有難う、おじさんっ!」
 ニッコリ微笑んで、僕は駆け足で奥に向かった。




     ☆




 鬘も何も毟り取り、着替える。
 何時も通りの格好になって、やっと落ち着いた。
「……疲れた」
「お疲れ。…………いやしかし、あれ、本当に日向だよな? 別の他人にしか見えねぇ」
「ひぃーなちゃーんっ! 凄かったよー」
 誰がひなちゃんだボケ野郎。一睨みして、事件現場に足を踏み入れた。

76:ゆう:2013/05/29(水) 23:43 ID:GEQ

遥希は引っ込んでて。
日向、何? by裕歌

い や で す ね。
ひなで十分。読者ウケする。
もし文庫化されて絵ぇあたしが描くんなら、絶対に此のシーン描いてやる。

77:ブラックキャット:2013/06/01(土) 18:07 ID:bAY

色々は色々だな。 by日向

こ ち ら こ そ。
しねーよ。
え、嫌だ。文庫化なんぞしないし。

78:ゆう:2013/06/01(土) 20:08 ID:pFI

何かかなり酷い。by裕歌

し ら な い よ。
そぉう?
もししたらよ?

79:ブラックキャット:2013/06/02(日) 06:08 ID:bAY

 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
「「だあああああっっっ!! 煩い! コンコン喧しい!」」
 僕と遥希の二重奏に、裕歌は詰まらなさそうな顔をした。
「何言ってんの。こういう所はさ、どこか音が違う、ってなるでしょ?」
 なんねーよ、と否定しようとしたところで


 ――――ゴン


 ゴンゴンゴンゴン……
 同じ所を叩いているんだから同じ音だ。だけど、これは……
「空洞か?」
「そうかもな……どうした?」
 遥希のどうした、は、きっとあたしが思いっきり二人に詰め寄ったからだろう。
 困惑顔の二人を無視して、自分を指差して言葉を続ける。


「あたしに任せて!」

80:ブラックキャット:2013/06/02(日) 06:13 ID:bAY

視点が途中で切り替わってる……訂正しましょう。


 遥希のどうした、は、きっとあたしが思いっきり二人に詰め寄ったからだろう。
 困惑顔の二人を無視して、自分を指差して言葉を続ける。

   ↓

 遥希は突然詰め寄ってきた裕歌に驚いて、どうした、と訊いた。
 だけど、裕歌はそんな僕達の反応はお構い無しに、自分を指差して笑った。


です。すいません。


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