明確に曖昧な形で混ざり合う濃と淡

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1:akio ◆z2zw:2013/05/15(水) 01:41 ID:E0Y

ハイライトの煙が天井に消えていくのを見つつ、自分の因果をただ呪詛していた。
「ねえ、好き」
「うん、好きだよ」
「ねえ、大好き」
「うん、大好きだよ」
「おやすみ」
「・・・おやすみ」
文子の寝息を確認してから、また隠れるようにハイライトに火をつけ、
今度は自分の因果を思い返す。

_____

冬花と出会ったのは高校1年の夏だった。
制服から覗く肌は透き通っていて、気付けば目で追うようになっていた。
時々、目を合わせては二人で笑いあって、放課後にはくだらない話をたくさんした。
そのうち僕らは付き合って、毎日意味もなく二人手を繋いで歩いていた。
お金はないけど時間はあって、何もかもが新鮮でかけがえのないものだった。
僕はそれを永遠のものと疑わなかったし、何度も愛をささやきあった。
「ねえ、好き」
「うん、好きだよ」
「ねえ、大好き」
「うん、大好きだよ」

_____

「灰、落ちちゃうよ?」
「起きちゃった?」
「うん、寝れないの」
「そっか」
灰皿に火を落として、それからキスをして布団に入る。
背中に文子の視線を感じて、耐えられなくなりそれに応じる。
見つめ合って、瞼を閉じて。

_____

カーテンから漏れる光が眩しい。
文子はまだ寝ているようだった。
テーブルに置いたグラスを手に取って、キッチンに向かい一杯の水を飲む。
窓の外からは朝の音が微かに聞こえる。
グラスを置き、それから文子が起きないようにそっとベッドに入り、
今度は昨日の因果を思い返す。


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