僕ラノ世界

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1:枢悠 ◆waco:2013/05/30(木) 21:22 ID:RCw

初めまして、枢悠(スウユ)です
僕ラノ世界という小説を書かせていただきます(・ω・´)ゞ

中学2年生からかな? 本格的に覚える元素。彼らの世界を書きます!
……と言っても、どれとどれが合わさって○○になる! とかいう化学反応式ではなく
擬人化した彼らと、一人の少女(少年になるかも)を取り巻く世界です。

短編みたいに、多くの事を行う(?)話……です。
私自身、理科苦手なんで(化学反応式、元素は好き)皆さんと楽しめたらなぁと思います!

最低限の人としてのルール守っていただけたら、もうOKですので……
どうぞ! 宜しくお願いします(´∀`)ノ では、START!!

2:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/05/30(木) 21:26 ID:ez-J/6

第一号読者...(´∀`*)
でいいのかな?
頑張ってねッ♪

3:枢悠 ◆waco:2013/05/30(木) 22:28 ID:RCw

>>2
第一号様です〜(*´υ`*) 本当にありがとうございます<(__)>
頑張らせていただきます!!! 絶対に!


僕ラノ世界・Prologue

深い深い森の奥。誰も人の立ち寄らないような、鬱蒼と草木の茂る森の奥。
数時間ほど進んだ先、一つの屋敷が姿を表す。

そこには、一人の少女と、二十二人の住民……家来が住んでいた。
少女の名をミトリ・レーエフといい、十二にしてレーエフ家の当主……そして、二十二人の番人。

そんな少女の物語。僕ラノ世界の物語。二十二人の物語。

4:枢悠 ◆waco:2013/05/31(金) 19:51 ID:RCw

Ⅰ.Hydrogen

 屋敷の朝は、太陽が地面を照りつけ、窓から日射しが差し込む頃、本格的に始まる。
そう、今日も例外ではない。カーテンを開ける音が、部屋に響く。

「お嬢様、おはようございます」
「……ん。ハイジェンか、おはよう」
 黒いジャケットに青のネクタイ。綺麗な水色の髪が、美しい少年だった。
ベッドの主に、にこりと微笑み掛けながら準備を始める。

 ベッドの主はというと、紺のネグリジェの似合う黒の髪をした少女だった。
怪しげに光る紫の瞳が似合う少女は、まだ重たい瞼を擦りながら、笑い掛けるハイジェンを見た。
ハイジェンは洋服の支度を終えると、今日の予定を伝える。

5:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/05/31(金) 19:57 ID:ez-lSg

またまた来ちゃいました〜(´艸`*)
そういう理系(?)が書けないから羨ましい...(>□<;)
私は恋愛とホラーしか書けないから..

6:枢悠 ◆waco:2013/06/01(土) 18:12 ID:RCw

>>5
またまたありがとうございます<(__)>
理系なんて……!! 私数学は出来ても理科は駄目なんで……。
恋愛が出来るって凄いですね!
私は、なんか恋愛物って、色んな物語と似てきちゃうので苦手なんです(´▽`;)


「今日のご予定ですが、午前中にニオンが……午後はテルルとアーガンがレッスンを」
「分かってる。ヒーリムを早く呼んで」
 少女がそう言うと、ハイジェンは少し寂しそうな困った顔をしてから一礼し、部屋を出た。
それと共に、一人のメイドが入って来る。ほっそりとした、銀の髪の美しい女性だった。

「お嬢様、おはようございます。お召替えを」
「ヒーリム、おはよう。頼むね」
 少女は先程よりも少しやんわりとした笑顔を浮かべると、ヒーリムに着替えを頼む。

 さて。少女が着替えを済ませるまでに、今まで出てきた者の説明をしよう。
 初めにこの少女。ミトリ・レーエフは、レーエフ家の当主で……ある鍵を握る人物である。
そして、ハイジェン。ミトリと一番多く居り、ここの執事を勤める十四の少年だ。
先程やってきたメイドは、ヒーリム。歳にして二十代前後。背は低く、どこか幼く見える。

 ニオンやアーガン、テルルはまたにしよう。ミトリがもう着替え終わってしまったようだ。

7:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/01(土) 22:51 ID:ez-lSg

数学得意って、羨まし過ぎます!!
恋愛なんて、誰にでも書けちゃうものですよ...(T∀T*)

8:枢悠 ◆waco:2013/06/02(日) 13:05 ID:RCw

>>7
数学なんでか得意なんですよ……
そうですか!? 私は苦手なんですよね、なんでだ(・△・`)?


ヒーリムとニトリは部屋をあとにし、食堂へと向かう。

 長テーブルと、ミトリには少し高い背もたれの椅子。朝食の用意はもう出来ていた。
香りのいい紅茶が入れられ、焼きたてのパンとスープ、ハーブの練り込まれたソーセージ。
トマトとレタスのサラダに、それに付ける何種類かのドレッシング。
そして、美味しそうな新鮮なフルーツのデザート。

「お嬢様。先程も言いましたが、多分適当な返事だと思いますので、もう一度」
「失礼な」
 席につくと、ミトリはフォークとナイフを器用に使って綺麗に食べていく。
その間に、ハイジェンがもう一度予定を述べる。まあ、ミトリが適当な返事をしていたのは事実。
大人しく予定に耳を傾けた。

9:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/02(日) 13:11 ID:ez-J/6

呼びタメでいいですよ♪
いや、羨まし過ぎます...!!
人にはそれぞれ得意、不得意があるから大丈夫ですよ♪

10:枢悠 ◆waco:2013/06/02(日) 17:39 ID:RCw

>>9
そ、そうですかね……(#∀#)←
ふぁー・・そのような・・・・お言葉・・・・・・あなたは神だーー(`・Д・´)ノ


「この後、ニオンがフランス語のレッスンを。午後、食事が終わりましたらテルルからダンス。
ティーブレイクを挟んで、アーガンからピアノを。そこからは、いつも通りとなります」
「……役にも立たないのに」
ミトリは少し目を細め、どこか寂しげにポツリと呟く。

ハイジェンは一瞬、本の少し口を開き何かを言おうとしたが、それが声になることはなかった。
そして、もう一度開いた口から出た物は、同情の気持ちなど少しもこめられてない……だが、どこか優しい言葉だった。
「いつかは必ず役に立ちます。そのための……今なのですから」
その言葉に込められた意味を知るのは、この屋敷の者だけだろう。
彼らには、彼らなりの問題があるのだろう。まだ、教えるには少々早い。その時まで……。

「それと、今日のティーブレイクではスコーンとブルーベリーで宜しいでしょうか?」
「任せるわ。それより、ニオンを呼んで」
いつの間にかに食べ終えたのか、食器は空になっていた。ハイジェンは苦笑混じりに一礼し食器を片付ける。

「ニオンなら、応接室で待っていますよ。今日は部屋よりあちらが良いと仰っているので」
「分かったわ。……ああ、そうだ。今日のティーブレイクは中庭で」
にこりと微笑むミトリに、安心したような笑みを浮かべ、もう一度ハイジェンは一礼した。

11:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/02(日) 17:42 ID:ez-GI2

私なんて紙ですよ♪
小説書きでも...

12:枢悠 ◆waco:2013/06/02(日) 20:27 ID:RCw

>>11
えぇ!? かかか、紙って紙ですよ!?←訳わからんがな
と、とにかく! 若宮さんの、長く続いているし良いと思います(・ω・´)/

(訂正。テルルから教わるのはドイツ語です)


部屋を出たミトリはというと、もしも誰かに見られたら"はしたない"、マナーがなってないだとか言われそうなものだが、走って応接室へと向かった。
別にフランス語を早く習いたい訳ではないし、どちらかといえば面倒だしやりたくもない。

 だが。ニオンといえば、笑顔が眩しく可愛らしいが、結構な新米。歳もそう変わらないほど若い。
その所為なのか、なにかと目を離すと問題を起こす問題家庭教師なのだ。
まあ、家庭教師といっても執事の仕事がままならないため、得意というフランス語を教えているだけだが。

 応接室に入ると、悪い意味で、期待を裏切らないニオンがいた。
「あっ! お、お嬢様……おはよう、ございます?」
「おはよう、ニオン。……どうやったらこうなったかは聴かないことにするわ。だから、誰か呼んできて」
「す、すみません! い、今、先輩を!!」
部屋はとにかく荒れていた。窓は割れ、花瓶も割れ、椅子は倒れている。
ニオンは綺麗な赤のような橙のような色の髪を風になびかせ走って出て行った。

13:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/02(日) 20:37 ID:ez-lSg

はい♪
あのぺらっぺらの紙です♪
って...私の小説をご存知で(`・ω・´;)?

14:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/02(日) 21:34 ID:RCw

>>13
いや……すみません!! 私書いてるくせして読むの苦手なんです!!<(__;)>
若宮さん、結構有名ですし……一度だけ貴方と会ってて凄く続いてるなぁと思ったんですよ!
私って……すぐ諦める3日坊主なんで。

15:枢悠 ◆waco:2013/06/03(月) 20:20 ID:RCw

 結局、レッスン担当の教師の姿を消し、残されたミトリは荒れ果てた部屋を眺める。
しばらくそうしてから、ふぅーと長い溜め息を吐き、少し微笑んだ。
「何がしたかったのかしらね、彼。本当に……訳わからない」

 それから少ししたら、すぐさまニオンが一番信頼している先輩のメイド、ヒーリムを連れて来た。
目に飛び込んできた光景に、一瞬頭を抱えて何かをぶつぶつと呟いていたヒーリムだったが、すぐに片付けを始める。
「えっと……あ、あの! お嬢様、今日のレッスンは」
「やらなくて結構よ。私は部屋で休むから、後片付けは任せるわね」
天使のような、ニオンには女神のような神々しさを持つと豪語させた笑みを浮かべ、部屋を出るミトリ。
勿論のこと、家庭教師兼執事のボロンに教わったマナーの愛想笑いだ。

 廊下に出たミトリだが、先程の笑顔は本物の笑顔と変わり顔に張り付いていた。
内心ぼんやりとサボれたサボれたと安心しきっていたミトリだが、自室で待っていたハイジェンに結局はフランス語を勉強させられたのは、また別のお話。


 昼食後のことだった。美味しいシェフ特性のランチの後、執事ハイジェンの淹れた紅茶を飲んでいたミトリにそれが届いたのは。
綺麗な赤をした封筒には、光を持たぬ黒で宛名。中には黒い紙と、そこに浮き上がる白い文字。

16:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/03(月) 20:29 ID:ez-lSg

そんなことありませんよ〜( ;・ω人)
小説書くの好きなんで、無意識に書いてしまうだけです(´艸`*)
鈴でいいですよ♪
呼びタメOKです^ ^*

17:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/03(月) 20:45 ID:RCw

>>16
無意識に!? す、凄いです!!
(お言葉に甘えて)鈴凄い!! 私も昔はそうだったなぁ……今度読んでみますね^^
あ、私もタメも何も平気ですので^^ お好きなように!

18:枢悠 ◆waco:2013/06/04(火) 17:20 ID:RCw

『Mlle,Mitri Leïev』
 封筒の表に書いてあったその文字を読んだ瞬間に、ミトリは顔を歪めた。
それもその筈。表の「mlle」はフランス語。普通に考えて、内容もフランス語なのだ。
「ハイジェン、訳して読んで」
「……ふぅ。ニオンには勉強の強化を依頼しますかね」
そう言ったハイジェンは、苦笑しながらだったが、きちんと訳す。

「『ミトリ・レーエフへ
お久しぶりですね、ミトリ。今回も、お察しがついている通り仕事の件です。
今回は、…………』」
「どうかしたの?」
 急に口ごもったハイジェンを見て、不思議そうに首をかしげるミトリ。
それに気づいたハイジェンは、にっこりと微笑んで何でもありませんよ、と呟いた。
「今回は、僕……失礼、私が行かせていただきます」

19:& ◆g4OA:2013/06/04(火) 17:59 ID:V6o

凄いですねー
面白い・・・・読者になりまするお
このスレから勉強しないと( ̄○ ̄)

20:若葉:2013/06/04(火) 18:00 ID:V6o

スミマセン・・・・駄作者のバカ若葉ですさっきのは・・・・

21:枢悠 ◆waco:2013/06/04(火) 18:16 ID:RCw

>>19-20
読んでいただきありがとうございます(感涙)
す、凄いですと!? 面白いですと!? 読者になっていただけるですと!?
本当に感謝です<(__)> あ、でも勉強しなきゃいけないのは私の方ですから!

22:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/04(火) 18:49 ID:ez-dcU

*枢ちゃん..

↑通り、枢ちゃんって呼ぶねッ♪
いやいやいや!!
それほど妄想バカってことだよ...( ̄∀ ̄)
読んでくれるなんて...ありがと―っ♪
でも、期待は禁物ねww(笑)

23:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/04(火) 18:56 ID:RCw

>>22
枢ちゃんかぁ……。あだ名貰うの初めてだから嬉しい!
読んだけど、凄く面白かったよ。悪魔の子がお気に入り!!
お互い頑張ろうね、期待は…………迷惑にならない程度しとくよ!

24:若葉:2013/06/04(火) 19:00 ID:V6o

ゆうす様の小説をガン見しますよー!
鈴っちの小説は期待出来る……(ゴクリ)

25:枢悠 ◆waco hoge:2013/06/04(火) 19:25 ID:RCw

>>24
が、頑張ります! ガン見されても恥ずかしくないように。

26:若宮鈴音 ◆RCWE:2013/06/04(火) 19:46 ID:ez-RbM

*すーちゃん..

枢ちゃんじゃちょっとアレだから、すーちゃんにするね♪
早速ありがと―っ♪
弥生も喜んでおりますww(笑)

*若葉..

若たんのほうが期待出来るッ!!

27:枢悠 ◆waco:2013/06/04(火) 22:07 ID:RCw

>>26
すーちゃん、イイネ! 弥生に喜んでもらえて嬉しいよ(*´∀`*)


少し気になった様子だったミトリだが、また元の顔に戻って言った。
「ええ。頼んだわ、くれぐれも失敗しないように。……あと、ボガロにも宜しく伝えといて」
その一言に、安心の笑みを浮かべ、ハイジェンは深く頭を下げ一礼してみせた。
そのままヒーリムに何か耳打ちすると、双方頷いて……そのままハイジェンは出ていく。
「……絶対に、失敗しないでよ」
小さな声で言ったミトリの一言は、大きな扉の閉まる音で掻き消された。


「失敗なんて、したことあったかな」
 一人になったハイジェンは、執事の顔を仕事の顔に変える。
敬語の改まった口調は、年相応のものとなり、愛想笑いは消え、引き締まった表情となる。
屋敷を出るや否や深い霧に包まれたが、何かに引き付けられるように歩くハイジェン。

28:枢悠 ◆waco:2013/06/04(火) 22:36 ID:RCw

 ハイジェンの目指す場所……それは、レーエフ家の屋敷。
さて、ここで疑問に思っていただきたい。先程出た、ハイジェンが仕えていたのがレーエフ家ではないのかと。

 あの屋敷に着くには時間が少々ある。少しだが、解説しておこう。
レーエフ家の現在当主はミトリだ。そう、表の……泥を被ったレーエフ家当主はミトリなのだ。
ただし、本人は知らないが、ミトリには"双子の兄弟"がいる。
__ドトリ・レーエフ。それが彼の名前だ。二十六の者と共に、ミトリのように暮らしている。
違う点……。それは、いつも闇に潜んでいること。

 レーエフ家は、過去にある大罪を起こし、現在当主以外は____行方不明としておこう。
その際に、百十六の仲間を集めていたレーエフ家の一族は、バラバラとなった。
その所為で、一番辛い目にあったドトリは、ミトリのように再度発展できるよう努力する道を外れ、底のない闇へと足を踏み入れた。
それが始まりだ。

29:枢悠 ◆waco:2013/06/06(木) 21:00 ID:RCw

 ……これを話していたら軽く一日を過ぎてしまいそうだ。
とにかく、ドトリは外界との接触はほぼなくなり、こういう"仕事"のみ使用人を寄越すようになった。
そして、今ハイジェンが向かっている理由もそれ。少々仲間を迎えに行くのだ。
オクシジェヌという自分の後輩も、同僚だが、やたら元気があるので、先に今回の仕事場に向かわせたのだ。

「……すみません。ソディウムを」
 ようやく屋敷にたどり着いたハイジェンは、勝手に入り門の前で囁く。
それだけで、どうやって聞き付けたのか同い年くらいの少年が出てくる。
銀白の柔らかな髪に、怪しげに光る黄色の瞳。少しも笑わない無愛想な顔つき。ソディウムはそんな少年だった。

「ハイドゥロジェン、また仕事?」
「ああ、ボガロ様の言い付けだ。それから、その名で呼ぶな。僕はハイジェン以外の何者でもない」
 来た道を再び二人で歩き出したハイジェン。それを少し後ろから追うソディウム。
普段は無愛想で仏頂面なソディウムだが、ハイジェンとでは少し笑顔が戻る。
ハイドゥロジェンと呼ばれたハイジェンは、苦々しい表情で虚空を見つめるだけだった。

30:枢悠 ◆waco:2013/06/07(金) 20:48 ID:RCw

「君は逃げるんだね。本当に……いつもズルい奴だよ」
ソディウムがそう言うと、ハイジェンは一瞬顔を赤くし、怒りを露にしたが、また、黙ってしまう。
その様子を見たソディウムは、気にする様子なく微笑む。
「そう怒るなって。本当のことだろ? でも、ミトリ側に付くのは予想がい」
「黙れ!」
本気で怒ったハイジェンは、水色の瞳も炎の赤で染まりそうな勢いだった。

「……悪い、言い過ぎだな。まあ、お互い首輪付きだしな」
「……フンッ、笑わせるな。僕は自由だ。もう鎖など一切ない」
 鼻で笑いながら答えるハイジェンに、眉を寄せもう一度問い掛けるソディウム。
「じゃあ、なぜ仕事をする? 一番、早く足を洗いたいと思っているのはお前だろう?」
その一言に、ハイジェンはまた口ごもった。悔しげに歪む表情。早まる歩くペース。

「…………早く、……仕事に行こう」
口から、自己暗示のように何度も繰り返しながら飛び出した一言。
ソディウムも、また無表情に戻り、ハイジェンの後を追うだけだった。

31:枢悠 ◆waco:2013/06/09(日) 18:45 ID:RCw



 辿り着いたのは、一軒のお屋敷。美しい庭は、最高の庭師を入れている証拠。
随分と裕福なようだ。ミトリと同じく貴族の住まい……といった感じだ。

「あ! 二人ともーっ、こっちこっち」
 庭の綺麗に刈り揃えられた木々の後ろから満面の笑顔で手を振るのは、後輩のオクシジェヌ。
元気いっぱいの彼は、いつもあの調子だ。呼ばれた二人とは、深い溜め息を吐き、急いでそちらに向かう。
「久しぶりー、ソディー!」
「人の名前を略さないでくれるかな、オクシジェヌ」
「あはは! 変わらないね、ナトリウムは」
「和名でも呼ばないでくれるかな? 慣れてないから」
コントをする二人を見て、ハイジェンは思わず微笑んだ。これから起こすことに、少しも躊躇いはないようだ。
ニンマリと笑ったハイジェンは、口を開く。


「じゃあ、二人とも……仕事を始めようか」


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